JP4113086B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は化粧料に関し、さらに詳しくは水中油型乳化組成物からなり、使用時にダマが発生しにくく、特にまつ毛や眉毛などのメークアップ用として、具体的にはマスカラ、マユカラなどとして好適な化粧料に関する。
水中油型乳化組成物(O/Wエマルジョン)の形態で提供される化粧料において、さまざまな目的のために、ワックスは広く用いられている。例えば、マスカラでは多量にワックスを含有させることで、高いカール力などを発現させることは知られている。しかしながら、多量にワックスを含有させるとワックスの分散性が低下して、使用時に塗布膜の均一性が失われ、さらにはダマが発生しやすくなる傾向がある。特に、日常的に行われる重ね塗りをした場合に、ダマの発現は顕著であり、その結果、仕上がりが悪くなる。
一方、使用時のダマの発生を抑制し、塗布膜の均一性を高めるために配合するワックスの含有量を低減させると、十分なカール効果等が得られず、またまつ毛が束付きを起こしてしまう。
均一な塗布膜を得ることを目的として、種々の提案がなされている。例えば、化粧品媒体中にオイルとワックスを含む液体脂肪相を含む組成物であって、該ワックスが特定の融点と特定の硬度をもつ組成物が提案されている(例えば特許文献1、請求項1参照)。この発明によれば、低い融点と高い硬度を有するワックスを液体脂肪相と混合して使用することによって、ワックスを30質量%まで含有させることができ、まつ毛に使用した場合に著しい湾曲を得ることができる(特許文献1、段落0007参照)。
しかしながら、特許文献1に開示される組成物は、揮発性溶剤に付着性の高い樹脂成分を分散または溶解したタイプ、いわゆる油性系を想定したものであり、ウォータープルーフ効果は高いものの、使用性の面(特に落としやすさ)の点でまつ毛に負担がかかり、不適当である。また、特許文献1に開示される組成物は、多量のワックスを含有するものの、自然な仕上がりを得るためには、組成物の粘度を低く抑える必要があり、そのために剤型依存性が高くなり、配合性が限られてしまう。
また、天然ロウ中に存在する遊離脂肪酸を実質的にエステル化してエステル化ロウ(ロウエステル)が形成されるように変性した天然ロウに、着色剤等を混合したカラーマスカラ組成物が提案されている(例えば、特許文献2、請求項1参照)。この発明によれば、ベヘニル蜜ロウ、ヘキサンジオールベヘニル蜜ロウなどの天然ロウ中の遊離脂肪酸及び遊離アルコールをエステル化することにより、使用者のまつ毛を長く、濃くする等のマスカラに求められる性能を向上させるとともに、安定性の高いカラーマスカラが得られる(特許文献2、請求項3、段落0006〜0008参照)。
さらに、特定の融点と特定の針入度を有するワックスを含有する油相が、水性ポリマーを含有する水相に分散した水中油型乳化組成物が提案されている(特許文献3、請求項1参照)。この発明によれば、界面活性剤を含有することなしに、まつ毛に対し、安定で高い品質のメイクアップが可能である(特許文献3、段落0006、0007、0034)。
しかしながら、いずれの場合にも、使用時のダマの発生が十分に抑制されず、またカールアップ効果も十分はでなく、マスカラとしての性能が十分とは言い難い。
特開2001−192559号公報 特開平10−1419号公報 特開平5−194148号公報
本発明は、使用時にダマが発生しにくく、まつ毛用または眉毛用のマスカラとして使用した場合に、まつ毛などの束付きを起こさず、かつ良好なカールアップ効果が発現する水中油型乳化組成物からなる化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は、水中油型乳化組成物からなる化粧料であって、油相中のワックス成分としてロウエステルを含むワックス及び特定の硬度を有する炭化水素ワックスを含有し、かつ特定の界面活性剤を含有する化粧料が、使用時にダマが発生しにくく、まつ毛または眉毛のメークアップ用として、より具体的には、マスカラとして使用した場合に、まつ毛などの束付きが起こらず、かつ良好なカールアップ効果が発現することを見出した。
すなわち、本発明は、水中油型乳化組成物からなる化粧料であって、油相中のワックス成分が(A)ロウエステルを93質量%以上含むワックス、及び(B)針入度15以下の炭化水素ワックスを含有し、かつ(A)成分と(B)成分の合計量が全ワックス成分に対して93質量%以上であり、かつショ糖脂肪酸エステルを含有する界面活性剤を含む化粧料を提供するものである。
本発明によれば、水中油型乳化組成物からなり、使用時にダマが発生しにくい上、まつ毛や眉毛のメークアップ用、具体的にはマスカラ、マユカラなどとして使用した場合に、まつ毛の束付きを起こさず、かつ良好なカールアップ効果が発現する化粧料を提供することができる。
本発明の化粧料は、連続相となっている水相中に油相が乳化分散してなる水中油型乳化組成物であり、前記油相中に(A)ロウエステルを93質量%以上含むワックス、及び(B)針入度15以下の炭化水素ワックスが分散している。ここで、本発明におけるロウエステルとは、エステル基を有するロウ(ワックス)をいう。
本発明における(A)成分は、ロウエステルをワックス中に93質量%以上、好ましくは95質量%以上含むワックスである。ロウエステルが93質量%以上であるワックスを用いることによって、十分なカールアップ効果を維持しつつ、使用時にダマになりにくい水中油型乳化組成物が得られる。
また、(A)成分のワックスは、遊離の高級脂肪酸と高級アルコールの含有量が7質量%以下、特に5質量%以下のワックスであることが好ましい。遊離分が少ない、すなわちエステル化されたワックスであることにより、使用時のダマの抑制効果に優れた水中油型乳化組成物が得られる。
(A)成分のワックスとしては、植物由来のワックス、動物由来のワックス、合成ワックスなどが挙げられる。また、これらのワックス中の遊離脂肪酸及び遊離アルコールをエステル化処理して、ロウエステルを93質量%以上に変性したものも含まれる。さらには、例えば、植物由来のオイルを水添してワックス状にしたものも使用できる。
植物由来のワックスとしては、例えば、カルナバワックス、ライスワックス、ホホバワックス(極度に水添したホホバ油を含む)など;動物由来のワックスとしては、例えば鯨ロウなどが挙げられる。このような、動植物由来の天然のワックスを使用する場合には、ロウエステルの比率が93質量%以上であり、特に遊離の高級脂肪酸と高級アルコール、その他の化合物等、その他の成分が7質量%以下であるものが好ましい。
本発明においては、ライスワックス、極度に水添したホホバ油、及び鯨ロウが好ましく、特にライスワックス及び極度に水添したホホバ油が好ましい。
ここでロウエステルの含有量の測定方法は、ガスクロマトグラフを用いた定法により測定する。
(A)成分として用いるワックスは上記ワックスを一種単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。また(A)成分として用いるワックスの全ワックス成分に基づく含有量は35〜80質量%であることが好ましい。
本発明の(B)成分は、針入度が15以下である炭化水素ワックスであることを必須とする。針入度が15以下、すなわちある程度以上の硬度を有する炭化水素ワックスを含有させることによって、良好なカールアップ効果が得られる。さらに良好なカールアップ効果を得るとの観点から、針入度はさらに10以下であることが好ましい。
ここで、針入度はJIS K−2235−5.4に準拠して測定する。すなわち、25±0.1℃に保った炭化水素ワックスの試料に、規定の針(針の重量2.5±0.02g、針保持具の重量47.5±0.02g、おもりの重量50±0.05g)が、5秒間に垂直に進入する長さを測定し、その針入距離(mm)を10倍した値を針入度とした。
また、該炭化水素ワックスの融点については、通常65〜95℃の範囲であることが好ましい。
炭化水素ワックスとしては、例えばパラフィンワックスなどの石油系ワックス;ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックスなどの合成ワックス;セレシンワックスなどの鉱物系ワックスなどが含まれる。
パラフィンワックスは、結晶性の良い炭化水素、すなわち直鎖状炭化水素(ノルマルパラフィン)が主成分である。
ポリエチレンワックスは、エチレンの重合やポリエチレンの熱分解によって合成された炭化水素ワックスであり、フィッシャートロプッシュワックスは、一酸化炭素と水素とを反応させた合成炭化水素ワックスである。セレシンワックスは地ロウ(オゾケライト)から得られるワックスである。
本発明においては、特に結晶性の良いことから、直鎖状の構造を持つ炭化水素ワックスが好ましい。具体的には、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス及びセレシンワックスが特に好ましい。
また市販品としては、パラフィン155、HNPシリーズ(以上、日本精鑞(株))、セレシン#810K(日興リカ(株))、PERFORMALENE400(日光ケミカルズ(株))等が挙げられる。
(B)成分として用いるワックスは上記炭化水素ワックスを一種単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。また、(B)成分として用いるワックスの全ワックス成分に基づく含有量は15〜65質量%であることが好ましい。
本発明では、上記(A)成分と(B)成分の合計量が全ワックス成分に対して93質量%以上であることが必要である。(A)成分と(B)成分以外のワックス成分は、全ワックス成分中に7質量%以下であることが好ましく、さらには5質量%以下であることが好ましい。これらその他のワックス成分の含有量が少ないことにより、使用時のダマの抑制効果に優れた水中油型乳化組成物が得られる。また、例えば、上記(A)成分及び(B)成分の組成を有する天然系のワックスを使用することができるが、その場合には(A)成分及び(B)成分以外のその他の成分、すなわち遊離の高級脂肪酸、遊離の高級アルコール、その他の化合物等の含有量が、7質量%以下であることが好ましい。
全ワックス成分における(A)成分と(B)成分の含有割合については、本発明の効果を奏する範囲で任意であるが、通常(A)/(B)の比率が0.5〜10であり、0.5〜5の範囲であることがさらに好ましく、0.5〜1.5の範囲であることが特に好ましい。(A)成分と(B)成分の混合比率がこの範囲であると、特にマスカラ用とした場合に、使用時にダマができにくく、良好なカールアップ効果が得られる。
また、(A)成分と(B)成分の合計量は水中油型乳化組成物全体に対して1〜50質量%であることが好ましく、特に15〜25質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物を構成する油相は、上記(A)成分及び(B)成分を含むワックス成分に加えて、必要に応じてオイル等の油性成分を含有することができる。本発明では、油相中の全ワックス成分の含有量は20〜100質量%、特に70〜95質量%であることが好ましい。また、その他の油性成分の含有量は80質量%以下、特に5〜30質量%の範囲であることが好ましい。
該油相を構成する油性成分としては、化粧料に一般的に使用される温度25℃で液状の天然もしくは合成の油性成分、例えば炭化水素含有油、エステル油、シリコーン油、含フッ素化合物油などを使用することができる。炭化水素含有油としては、例えばホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、大豆油、パーム油、ゴマ油、コーン油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、アプリコット油、アボカド油、又は穀物胚芽油などが挙げられる。また、エステル油としては、ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、その他の脂肪酸のエステルを使用することができ、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルデシル、2−オクチルドデシルミリスタート又はラクタート、コハク酸ジ(2−エチルヘキシル)、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセリル又はトリイソステアリン酸ジグリセリルなどが挙げられる。
本発明においては、前記油性成分は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、皮膜の形成の点から特に揮発性油を使用することが好ましい。揮発性油としては、例えば一般式(I)
Figure 0004113086
(式中、kは0〜3の整数を示す。)
で表される揮発性ジメチルポリシロキサン、又は一般式(III)
Figure 0004113086
(式中、mは4〜6の整数を示す。)
で表されるジメチルシクロポリシロキサン、あるいは揮発性炭化水素化合物などを挙げることができる。この揮発性油としては、特にオクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの揮発性シリコーン油が好ましい。
また、該油相には高級アルコールを含有することが好ましい。高級アルコールを含有することによって、使用感が滑らかになるとともに、使用時のダマの発生を抑え、より均一で美しい塗布膜が得られる。ここで高級アルコールとは炭素数6〜30程度のアルコールをいい、具体的には、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどが挙げられる。これらのうちベヘニルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、バチルアルコールが好ましく、特にはベヘニルアルコールが好ましい。これらの高級アルコールは一種を単独で又は二種以上を混合して使用することができ、その含有量は乳化組成物全量に対して、0.5〜10質量%であることが好ましく、さらには1.5〜5質量%であることが好ましい。
さらに、該油相には、使用感と仕上がり性を向上させる目的で、不揮発性の炭化水素油、エステル油、シリコーン油などを含有させることができる。
本発明の水中油型乳化組成物全量に対する該油相の含有量は、水中油型の乳化状態を維持でき、本発明の効果を奏する範囲で特に制限されないが、通常5〜60質量%の範囲である。また、該油相中の固形分濃度は、皮膜強度、ボリューム感及び乳化組成物の調製のしやすさなどを考慮すると、10〜60質量%が好ましく、特に25〜50質量%が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物における水相は、水又は水に炭素数1〜4の低級アルコール、グリコールなどとの混合物等を含む水性媒体により構成される。この水相には、その他の水溶性、水分散性の成分、例えば、皮膜形成剤、その他種々の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば、パラベン等の防腐剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、各種塩などを用いることができる。
本発明の水中油型乳化組成物全量に対する該水相の含有量は、水中油型の乳化状態を維持でき、本発明の効果を奏する範囲で特に制限されないが、通常40〜95質量%の範囲である。
本発明の水中油型乳化組成物は、ワックスを含む油相と水相を乳化するために、界面活性剤等の乳化剤を用いる。本発明では、ショ糖脂肪酸エステルを含有する界面活性剤を用いることが特徴である。これを用いることで、まつ毛の束付きを抑え、使用時に生じるダマを低減することができる。
また、その他、水中油型の乳化状態を形成するために、化粧品一般に用いられる、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を併せて用いることもできる。
発明においては、乳化組成物を構成する他の物質との関係から非イオン界面活性剤が好ましい。具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤のうち、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい
ショ糖脂肪酸エステルとしては、特に下記一般式(I)で表すものが好ましい。
Figure 0004113086
Rは炭素数9〜21の飽和又は不飽和の炭化水素基である。
具体的にはショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ベヘン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステルなどが挙げられる。これらのショ糖脂肪酸エステルのうち、特にショ糖ステアリン酸エステルが、ワックスの分散性の観点から好ましい。
また、本発明で用いる界面活性剤のHLB(親水親油バランス)は5以上16以下のものが好ましく、さらには5以上11以下のものが好ましい。
上記界面活性剤は一種単独で又は二種以上を混合して使用することができ、その含有量は乳化状態を維持できる範囲で特に制限はないが、水中油型乳化組成物全量に基づいて、通常1〜9質量%の範囲であり、5〜7質量%の範囲がさらに好ましい。
本発明においては、水中油型乳化組成物における水相及び/又は油相中に、皮膜形成剤を含有させることができる。この皮膜形成剤としては、水相、油相のいずれに配合してもよく、化粧料に一般的に使用されている皮膜形成剤を用いることができる。例えば水相に対しては、皮膜形成性ポリマーエマルジョン、水溶性高分子化合物などを用いることができる。皮膜形成性ポリマーエマルジョンとしては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸のアルキルエステルのホモポリマーエマルジョンや共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョン、ポリ酢酸ビニルポリマーエマルジョン、シリコーン系ポリマーエマルジョンなどが挙げられる。水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、アラビアガム、ポリエチレングリコール、変性コーンスターチ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンなどが挙げられる。
また、油相に対しては、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸などのシリコーン樹脂、フッ素樹脂などを用いることができる。
これらの皮膜形成剤は、一種を単独で用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量は乳化組成物全量に基づき、0.1〜30質量%の範囲が好ましい。該皮膜形成剤の含有量の範囲が上記範囲内にあれば、皮膜形成能が十分に発揮されると共に、クレンジング性も良好である。より好ましい含有量は1〜15質量%の範囲である。
当該水中油型乳化組成物には、前述の各成分以外に、化粧料に通常使用される成分、例えば粉体成分を含有することができる。粉体成分としては、コンジョウ、群青、ベンガラ、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、カーボンブラック、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイトなどの無機粉体;雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体;有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体;微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の複合粉体などが挙げられる。
これらの各種粉体は、シリコーン、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、金属石鹸、アミノ酸、アルキルホスフェートなどにより表面処理したもの、あるいは有機又は無機マイクロカプセル中に内包したものを用いることができる。また、各種粉体を油相に含有させる際には、分散性及び高温保存安定性を向上させるために、粉体表面を疎水化処理することが好ましく、特にシリコーン処理及びアクリルシリコーン処理が好ましい。
前記各種粉体は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の水中油型乳化組成物には、さらに、増粘剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、保湿剤、香料、酸化防止剤などを含有させることができる。また、当該乳化組成物をマスカラとして用いる場合には、ロングラッシュ効果を高めるために繊維を含有させることができる。
該繊維としては、木綿、絹、麻等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリオレフィン等の合成繊維のいずれを使用してもよいが、強度の点から、ナイロンなどのポリアミド繊維が好ましい。さらに、必要に応じて表面処理を施した繊維を使用してもよい。例えば、油相中での分散性を高めるために、シリカ処理、シリコーン処理、フッ素化合物処理、金属石鹸処理、油脂処理等の表面処理を施したものを使用できる。また、まつ毛への付着性の点から、該繊維は、横断面の直径が1.0〜25.0T、長さが0.1〜5mmのものが好ましい。この繊維の含有量は十分なロングラッシュ効果が得られる点から、水中油型乳化組成物全量に基づき、0.1〜6質量%であることが好ましい。
なお、前記粉体、繊維などのその他添加される成分の全含有量は、通常水中油型乳化組成物全量に対して、1〜50質量%の範囲で適宜選定される。
本発明の水中油型乳化組成物からなる化粧料は、常法により、前述の各成分を均一に混合し、攪拌することにより調製することができる。
実施例1〜5、比較例1〜5
表1に示す組成物の各成分を均一攪拌混合することにより、実施例1〜5及び比較例1〜5のマスカラ組成物を調製した。各マスカラ組成物について、ダマの評価、カールアップの評価、及び束つきの評価を、以下に示す方法に従って実施した。その結果を表1に示す。なお、(A)成分及び(B)成分として用いる各ワックスの性状を表2に示す。
(評価方法)
各実施例で得られたマスカラ組成物について、以下の方法で評価した。
(1)ダマの評価
各実施例及び比較例にて調製したマスカラ組成物を、専門パネラーがテスト用付けまつ毛にブラシで1分間に60回塗布し、次いで該ブラシを1分間空中に放置した後、液継ぎをする。新たなテスト用付けまつ毛を用いて、上記と同条件で塗布し、放置、液継ぎを行う。この作業を繰り返し、ダマができ始める付けまつ毛の個数でダマの評価を行った。
◎:8個以上
○:5〜7個未満
×:4個以下
(2)カールアップの評価
長さ1〜1.5cm程度の人毛を一定本数とり、平面上に固定する。この人毛に各実施例及び比較例にて調製したマスカラ組成物を10回塗布し、平面からの人毛の反り角度でカールアップの評価を行った。
◎:16度以上
○:10〜16度未満
×:9度以下
(3)束つきの評価
専門パネラーが新しい付けまつ毛に、各実施例及び比較例にて調製したマスカラ組成物を塗布し、2本以上のまつ毛が束になっている個所を数えることで束つきの評価を行った。
◎:1箇所以下
○:2〜3個所
△:4〜5個所
×:6箇所以上
Figure 0004113086
*1 極度水添ホホバ油;「極度水素添加ホホバ油」(香栄工業(株))、ロウエステル含有量:97質量%
*2 ライスワックス;「NC−1720」((株)セラリカ野田)、ロウエステル含有量:95質量%
*3 鯨ロウ;「エマードSA−N」(理研ビタミン(株))、ロウエステル含有量:98質量%
*4 カルナバロウ;「精製カルナバワックス No.1」((株)セラリカ野田)、ロウエステル含有量:83質量%
*5 ミツロウ;「BEES WAX−S」(クローダジャパン社)、ロウエステル含有量:70質量%
*6 パラフィンワックス;「HNP−9」(日本精鑞(株))、針入度:7
*7 セレシンワックス;「セレシン#810K」(日興リカ(株))、針入度:11
*8 ポリエチレンワックス;PERFORMALENE400(日光ケミカルズ(株))、針入度:1.0
*9 マイクロクリスタリンワックス;「マルチワックスW−445」(WITCO社)、針入度:34
*10 精製ホホバ油;「精製ホホバ油」(香栄工業(株))
*11 キサンタンガム;「エコーガムT」(大日本製薬(株)
*13 ナイロン繊維;長さ2mm、太さ6.7T
実施例及び比較例から明らかなように、(A)成分として、ロウエステル含有量の低いワックスを一定量使用した場合には、カールアップ効果はあるものの、使用時にダマが発生しやすい上に、まつ毛の束付きが起こり(比較例2)、一方、該ワックスの含有量を低減した場合には、カールアップ効果が得られなかった(比較例5)。また、(B)成分として、針入度が15以下の炭化水素ワックスを使用しても、(A)成分として、ロウエステル含有量の高いワックスを使用しない場合には、使用時にダマが発生しやすく(比較例4)、一方、(A)成分として、ロウエステル含有量の高いワックスを使用しても、(B)成分として、針入度が15以上の炭化水素ワックスを使用した場合には、使用時にダマが発生しやすい上に、まつ毛の束付きが起こった(比較例1)。さらに、(B)成分として、炭化水素ワックスを使用しない場合には、(A)成分として、ロウエステル含有量の高いワックスを使用しても、カールアップ効果が得られなかった(比較例3)。
これに対して、実施例に記載されるマスカラ組成物は、良好なカールアップ効果を有する上に、使用時にダマが発生せず、束付きも起こさなかった。
本発明によれば、水中油型乳化組成物からなり、使用時にダマが発生しにくい上、まつ毛や眉毛のメークアップ用、具体的にはマスカラ、マユカラなどとして使用した場合に、まつ毛の束付きを起こさず、かつ良好なカールアップ効果が発現する化粧料を提供することができる。

Claims (10)

  1. 水中油型乳化組成物からなる化粧料であって、油相中のワックス成分が(A)ロウエステルを93質量%以上含むワックス、及び(B)針入度15以下の炭化水素ワックスを含有し、かつ(A)成分と(B)成分の合計量が全ワックス成分に対して93質量%以上であり、かつショ糖脂肪酸エステルを含有する界面活性剤を含むことを特徴とする化粧料。
  2. (A)成分が、植物由来のワックス、動物由来のワックス及び合成ワックスから選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の化粧料。
  3. (A)成分が、極度水添ホホバ油及びライスワックスから選ばれる少なくとも一種である請求項2記載の化粧料。
  4. (A)成分の含有量が、全ワックス成分に対して35〜80質量%である請求項1、2又は3に記載の化粧料。
  5. (B)成分が、パラフィンワックス、セレシンワックス及びポリエチレンワックスから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料。
  6. (B)成分が、全ワックス成分に対して15〜65質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の化粧料。
  7. (A)成分と(B)成分の合計量が、水中油型乳化組成物全量に対して1〜50質量%である請求項1〜6のいずれかに記載の化粧料。
  8. ショ糖脂肪酸エステルを含有する界面活性剤のHLB5以上16以下である請求項1〜7のいずれかに記載の化粧料。
  9. さらに少なくとも一種の高級アルコールを含有する請求項1〜8のいずれかに記載の化粧料。
  10. まつ毛又は眉毛のメークアップ用である請求項1〜9のいずれかに記載の化粧料。
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