JP4113013B2 - 付香組成物、付香された物品、フレーバリング組成物、フレーバリングされた物品及び6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンの使用 - Google Patents
付香組成物、付香された物品、フレーバリング組成物、フレーバリングされた物品及び6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンの使用 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、香水工業及びフレーバー工業に関する。本発明は、特に、付香成分又はフレーバリング成分としての、式
【0002】
【化1】
【0003】
で示される6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンの使用に関する。
【0004】
また、本発明は、活性成分として式(I)の化合物を、1つ又はそれ以上の付香補助成分又はフレーバリング補助成分及び場合により当工業界において常用の1つ又はそれ以上の溶剤と共に含有している付香組成物若しくはフレーバリング組成物又は付香された物品若しくはフレーバリングされた物品に関する。
【0005】
【従来の技術】
6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンは、先行技術に2度引用されている(T. Shibamoto他, J. Agric. Food. Chem., 1998, 46, 7, 2664又はJ. Agric. Food. Chem., 1995, 43, 8, 2212)。
【0006】
第一の論文において、著者は、6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンが、純粋なD−グルコースと純粋なL−システインとの間でのメイラード(Maillard)反応により得られた混合物中に存在している多数の揮発性生成物の1つであることを開示しているに過ぎない。
【0007】
第二の参考文献において、著者は、6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンを含んでいる一連のチアゾリジン誘導体の合成及びマススペクトルを、前記化合物のマススペクトルライブラリーを構築する目的で報告している。
【0008】
しかしながら、前記刊行物には、式(I)の特別な化合物の任意の官能特性、又は付香成分又はフレーバリング成分としての前記化合物の任意の潜在的な使用の言及又は示唆が存在しない。前記生成物を含有している付香組成物は、いずれにも開示されていない。
【0009】
【非特許文献1】
T. Shibamoto他, J. Agric. Food. Chem., 1998, 46, 7, 2664
【非特許文献2】
J. Agric. Food. Chem., 1995, 43, 8, 2212
【非特許文献3】
S. Arctander、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA
【非特許文献4】
H. Scherz, Hydrokolloids: stabilisatoren, Dickungs- und Gehermittel in Lebensmittel, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie、Lebensmittelqualitaet, Behr's VerlagGmbH & Co., Hamburg, 1996
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、意外なことに、我々は、式
【0011】
【化2】
【0012】
で示される6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンが、意外な官能特性を有していることを確立し、この特性が特に有用であり、かつ香水、付香組成物及び付香された製品の製造、並びにフレーバー、フレーバリング組成物及びフレーバリングされた製品の製造に高く評価されることを見出した。
【0013】
6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンはそのにおいについて調香師によりずっと高く評価されており、前記のにおいはクラッカー及びポップコーンノートを、卓越した焙じたコーヒーのキャラクター及びバスマチ(basmati)ライスタイプのボトムノートと共に有している穀物様でかつ著しく自然である。香料成分にとって全く普通ではない前記のにおいは、興味深くかつ独創的な穀物様の含蓄を最新の香料にもたらす。
【0014】
さらに、6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナン及びその異性体は、香料媒体の全ての種類中で意外なことに安定であるという利点も有する。
【0015】
上記で先取りしたように、式(I)の化合物は、フレーバリング成分として、即ちフレーバリング組成物及び食物又は飲料に味を付与するのに有用である。例えば6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンは、ナッツ様で、プラリネ及びヘイゼルナッツのフレーバーノートを付与することができる。
【0016】
本発明は、付香成分又はフレーバリング成分としての6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンの使用に関するものであり、言い換えると、本発明は、付香組成物若しくはフレーバリング組成物又は付香された消費物品若しくはフレーバリングされた消費物品のにおい特性又はフレーバー特性を付与するか、高めるか、改善するか又は修正する方法に関するものであり、前記方法は前記組成物又は前記物品に有効量の6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンを添加することを特徴とする。“6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンの使用”とは、ここでは、香料又はフレーバーにおいて有利に使用されることができる任意のその形の化合物の使用であると理解すべきである。そのような形は、化合物自体又は式(I)の化合物と香料若しくはフレーバーにおいて常用の溶剤とからなる物質の組成物を含む。香料において使用される前記溶剤の例として、最も常用されている、ジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノール又はクエン酸エチルのような化合物が引用されうる。フレーバーにおいて常用の溶剤の例として、プロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、エタノール、植物油又はテルペン類のような化合物が引用されうる。
【0017】
付加的に、本発明は、式(I)の化合物を含有している付香組成物に関する。一般に言えば、“付香組成物”とは、ここでは、任意のそれらの形の少なくとも2つの付香成分、及び場合により付香組成物において常用の1つ又はそれ以上の溶剤を含有している混合物又は組成物を意味し;付香成分が付香有効量で存在することが理解される。故に、本発明による付香組成物は、付香成分として本発明の化合物を、1つ又はそれ以上の付香補助成分及び場合により香料において常用の1つ又はそれ以上の溶剤と共に含有する。
【0018】
これらの付香補助成分の性質及び種類は、ここでは、当業者がその一般知識を基礎として及び付香すべき製品の性質及び所望の嗅覚の効果に従ってそれらを選択することができる任意の場合に網羅されていないより詳細な記載を保証しない。一般に、これらの付香補助成分の用語は、天然又は合成起源のアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン炭化水素、含窒素又は含硫黄ヘテロ環式化合物及び精油と同じく多様な化学的分類に属する。多くのこれらの成分は、任意の場合には、参考テキスト、例えばS. Arctanderの著書、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA又はその最新版、又は同様の種類の他の著作、並びに香料の分野における豊富な特許文献に挙げられている。
【0019】
類似して、付香組成物において常用の溶剤の性質及び種類の詳細な記載は網羅できない。当業者は、付香すべき製品の性質を基礎としてそれらを選択することができる。しかしながら、そのような溶剤の制限されない例として、前記の溶剤に加えて、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン又は他のテルペン類、イソパラフィン類、例えば商標Isopar(R)(出所: Exxon Chemical)のもとで公知であるもの又はグリコールエーテル類及びグリコールエーテルエステル類、例えば商標Dowanol(R)(出所: Dow Chemical Company)のもとで公知であるものも引用されうる。
【0020】
また、本発明の化合物が出発中間体としてか又は最終生成物として含まれる化学合成から生じる任意の組成物は、本発明による付香組成物ではないことが理解される。
【0021】
本発明による付香組成物は、多様な補助成分及び溶剤の単純な混合物の形でか、又は二相系、例えばエマルジョン又はマイクロエマルジョンの形であってもよい。そのような系は、当業者に十分公知である。
【0022】
予め言及したように、任意のその形の6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナン、又は前記化合物を含有している付香組成物は、最新の香料、例えば精製香料又は機能的香料の全分野に有利に使用されて付香された物品を得ることができる有用な付香成分である。結果として、付香成分として本発明の化合物を任意のその形で含有しているか、又は本発明による付香組成物を含有している付香された物品は、本発明の対象でもある。
【0023】
適している付香された物品は、固体又は液体の洗剤及び織物柔軟剤並びに香料において通常の他の全ての物品、即ち香水、コロン又はアフターシェーブローション、付香された石けん、シャワーソルト又はバスソルト、ムース、油又はゲル、衛生製品又はヘアケア製品、例えばシャンプー、ボディケア製品、デオドラント又は制汗剤、エアフレッシュナー並びに化粧品を含んでいる。洗剤として、家庭又は工業用途向けである、例えば織物、食器又は硬質表面処理向けの多様な表面を洗浄するか又は清浄化するための洗剤組成物又は清浄化製品のような適用が向けられる。他の付香された物品は、ファブリックリフレッシュナー、アイロン掛け用の水(ironing waters)、紙、ワイプ(wipes)又は漂白剤である。
【0024】
一部の上記の物品は、本発明の化合物にとって攻撃的な媒体でありうるので、後者を、例えばカプセル化により早期分解から保護することが必要でありうる。
【0025】
明瞭にするために、“付香された物品”とは、ここでは、少なくとも1つの付香成分と一緒の、完成した消費物品又は前記消費物品の一部を意味することを言及しなければならない。故に、本発明による付香された物品は、所望の消費物品、例えば洗剤に相当する処方全体の少なくとも一部及び本発明の化合物を、場合により1つ又はそれ以上の付香補助成分及び場合により香料において常用の1つ又はそれ以上の溶剤と共に含有する。
【0026】
物品の成分の性質及び種類は、ここでは、当業者がその一般知識を基礎として及び前記物品の性質及び所望の効果に従ってそれらを選択することができる任意の場合に網羅していないより詳細な記載を保証しない。
【0027】
本発明による化合物が多様な前述の物品又は組成物中へ配合されることができる割合は、幅広い値の範囲内で変化する。これらの値は、付香すべき物品又は製品の性質及び所望の嗅覚の効果並びに、本発明による化合物が当工業界において常用の付香補助成分、溶剤又は添加剤と混合される場合の与えられた組成物中の補助成分の性質に依存している。
【0028】
例えば、この化合物が配合される付香組成物に対して、この化合物の0.01質量%〜2.0質量%及び好ましくは0.1質量%〜0.5質量%の典型的な濃度は、典型的に使用されることができる。これらよりも低い濃度は、この化合物が前記の消費製品の一部を付香するのに直接適用される場合に使用されてよい。
【0029】
上記のように、本発明の化合物は任意のその形で、例えば味を付与するか又は修正するために、フレーバリング組成物又はフレーバリングされた物品中へ配合されてもよい。明瞭にするために、フレーバリング組成物又はフレーバリングされた物品とは、ここでは、上記で定義されたような組成物又は物品を意味し、かつその際、付香又は付香されたの用語は、フレーバリング又はフレーバリングされたに置き換えられる。
【0030】
結果として、活性成分として本発明の化合物を、1つ又はそれ以上のフレーバリング補助成分及び場合によりフレーバーにおいて常用の1つ又はそれ以上の溶剤と共に含有しているフレーバリング組成物は、本発明の一実施態様でもある。
【0031】
フレーバリング補助成分の例は、参考テキスト、例えば上記のS. Arctanderの著書、並びにフレーバーの分野における豊富な特許文献に挙げられている。フレーバー業界における当業者は、その一般知識を基礎として及びフレーバリングすべき製品の性質及び所望の味に従ってそれらを選択することができる。フレーバー工業において常用の溶剤の例は、上記で挙げられたものと同じである。
【0032】
また、前記のように、本発明の化合物が出発中間体としてか又は最終生成物として含まれる化学合成から生じた任意の組成物が、本発明によるフレーバリング組成物ではないことが理解される。
【0033】
本発明によるフレーバリング組成物は、フレーバリング成分の単純な混合物の形でか又はカプセル化された形でも、即ち壁を形成しかつ可塑化する材料、例えば単糖類、二糖類又は三糖類、天然デンプン又は化工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質又はペクチンを含んでいてよい固体マトリックス中にとらえられたフレーバリング組成物であってもよい。特に有用なマトリックス材料の例は、スクロース、グルコース、ラクトース、レブロース、フルクトース、マルトース、リボース、デキストロース、イソマルト(isomalt)、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール(lactitol)、マルチトール、ペンタトール(pentatol)、アラビノース、ペントース、キシロース、ガラクトース、マルトデキストリン、デキストリン、化工デンプン、水素化デンプン水解物、スクシニル化されたか又は加水分解されたデンプン、寒天、カラギナン、アラビアゴム、アカシアゴム(gum accacia)、トラガカント、アルギン酸塩、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、誘導体、ゼラチン、寒天、アルギン酸塩及びその混合物を含む。他の適しているキャリヤー成分は、参考テキスト、例えばH. Scherz, Hydrokolloids: stabilisatoren, Dickungs- und Gehermittel in Lebensmittel, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie、Lebensmittelqualitaet, Behr's VerlagGmbH & Co., Hamburg, 1996に引用されている。前記カプセル化は、当業者に十分公知であり、かつ例えば、噴霧乾燥、アグロメレーション又はなお押出のような技術を用いて実施されることができるか;又はコアセルベーション及び複雑なコアセルベーション技術を含めたコーティングカプセル化からなる。
【0034】
本発明の別の実施態様は、活性成分として本発明の化合物を任意のその形で含有しているフレーバリングされた物品である。もちろん、前記のフレーバリングされた物品は、1つ又はそれ以上のフレーバリング補助成分及び場合によりフレーバーにおいて常用の1つ又はそれ以上の溶剤も含んでいてよい。
【0035】
適しているフレーバリングされた物品は、ベーカリー製品、ヨーグルト又は他の乳製品、ソース又は調理済み料理及び菓子類、例えばデザート、アイスクリーム、キャンデー、コンポート又はフルーツジャムのような製品を含んでいる。
【0036】
本発明の化合物が、これらの組成物又は物品に使用される場合に、有用なフレーバー効果は、それらが配合される製品に対して0.1〜100ppmのオーダー、より好ましくは1〜50ppmのオーダーの濃度を用いて得られることができる。化合物が、消費製品中に配合されることを目的とする濃縮されたフレーバー又はフレーバリング組成物中で使用される場合に、ずっとより高い濃度が選択されてもよい。
【0037】
故に、本発明の化合物は、消費製品並びに付香ベース又は濃縮物又はなおフレーバー調製物及び組成物のにおい又は味を付与するか、改善するか、高めるか又は修正することを可能にする。言い換えると、後者にその特有の官能特性を付与することができ、場合により、故にそれらが配合される製品及び組成物の独創的なにおい及び味特性を修正する及び/又は改善する。
【0038】
ところで、本発明は、次の例を用いてさらに詳細に記載され、その際、温度は摂氏度(℃)で示し;NMRスペクトルデータを、CDCl3中で360MHz機械で記録し;化学シフト(chemical displacement)δは標準としてのTMSに対してppmで示し、かつ全ての略符号は当工業界において通常の意味を有する。
【0039】
【実施例】
例1
6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンの合成
水50ml中に溶解させた2−アミノエタンチオール・HCl 15.4g(0.13mol)に、2−メチル−3−テトラヒドロフラノン20g(0.2mol)(溶液pH=2.7)をゆっくりと添加した。pHを、10%水性NaOHを添加することにより中性を保持した。1時間後、Et2Oでの水溶液の抽出、MgSO4での有機相の乾燥及び粗生成物の蒸留(Bp 1.7mbar、93゜−96℃)により所望の生成物18gを得た(収率=90%)。生成物を、2つのジアステレオ異性体(異性体a及びb)の混合物として得た。
【0040】
1H−NMR:1.24(d,J=6.5,3H,56%;異性体a);1.26(d,J=6.5,3H,44%;異性体b);1.7(ブロード,1H);2.12−2.23(m,1H);2.30−2.41(m,1H);2.87−3.06(m,2H);3.19−3.39(m,2H);3.81−4.1(m,3H)。
【0041】
13C−NMR:86.4−83.7(s);81.2−81.9(d);65.8−65.5(t);52.2−51.1(t);43.3−41.4(t);36.2−36.0(t);13.3−19.6(q)。
【0042】
MS:異性体a:159((M+H)+;25),130(10),116(20),115(96),114(100),87(10),62(20),60(25),54(15),43(10)。
【0043】
異性体b:159((M+H)+;25),130(10),116(20),115(100),114(98),87(10),62(20),60(25),54(15),43(10)。
【0044】
例2
付香組成物の製造
タイプ“オリエンタル調”の女性用香水ベース組成物を、次の成分を混合することにより調製した:
成分 質量部
酢酸ベンジル 30
酢酸シンナミル 10
酢酸ゲラニル 10
酢酸リナリル 100
10%* シス−3−ヘキセノール アセテート 10
3−フェニル−1−プロパノール 30
1%* ドデカナール 30
10%* アリルアミルグリコラート 40
10%* アンスラニル酸メチル 10
1,4−ジオキサ−5,17−シクロヘプタデカンジオン 30
ベルガモット精油 200
4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド 40
Cashmeran(R) 1) 30
Sfuma レモン精油 150
シトロネロール 20
クマリン 120
タラゴン精油 20
(1′R,2R)−2−メチル−4−(2′,2′,3′−トリメチル−3′−
シクロペンテン−1′−イル)4−ペンテン−1−オール 50
Galaxolide(R) 2) 50 MIP 100
ゲラニオール 10
Hedione(R) HC 3) 130
へリオプロパナール(Heliopropanal) 10
10%* インドール 10
ラベンダー(Lavander)精油 30
リナロール 50
Sfuma マンダリン精油 40
クリスタルモス(Crystal moss) 20
10%* Muscenone Delta 4) 60
パッチュリ精油 60
酢酸セドレニル(Cedrenyl acetate) 50
サンタル精油 50
10%* タジェート(Tagete)精油 50
1%* ウンデカラクトンγ 30
10%* Triplal 2) 30
ターピネオールα 10
4,7,11,11−テトラメチル−トリシクロ[5.4.0.0(1,3)]
ウンデカン−5−オン 50
バニリン 150
ベチバー(Vetyver) 30
Vulcanolide(R) 5) 10
アルモアゼ 6) 30
10%* ホワイトタイプ 6) 40
合計 1980
*ジプロピレングリコール中
1) 1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4−インデノン;出所:IFF、USA
2) 出所:IFF、USA
3) メチル ジヒドロジャスモネート;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
4) 3−メチル−(4及び5)−シクロペンタデセン−1−オン;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
5) 5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,7,8,8−ヘプタメチル−2−ナフタレンカルバルデヒド;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
6) 人造ベース;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
ジプロピレングリコール中に10%に希釈した6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナン20質量部を上記のオリエンタル調のベースに添加することは、後者に独創的な穀物様の含蓄を提供し、かつ同時にスイートバニラノートを発することによりリフト及び暖かさを付与した。
【0045】
例3
付香組成物の製造
“ライス”タイプの組成物を、次の成分を混合することにより調製した:
成分 質量部
ベンズアルデヒド 20
10%* アルデヒド C6 30
クミニック(Cuminic)アルデヒド 100
キャラウェイ精油 30
カリオフィレン 30
4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール 200
クマリン 300
1%* エチル プラリネ(Ethyl praline) 340
Hedione(R)HC 1) 100
Helvetolide(R) 2) 400
Koumalactone(R) 3) 100
6−メチル−5−ヘプテン−2−オン 20
10%* メチルペンチルケトン 50
Muscenone Delta 4) 50
ノナラクトンγ 50
Romandolide(R) 5) 150
10%* バニリン 20
合計 1990
*ジプロピレングリコール中
1) メチル ジヒドロジャスモネート;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
2) (+)−(1S,1′R)−2−[1−(3′,3′−ジメチル−1′−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピル プロパノエート;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
3) ペルヒドロ−3,6−ジメチル−ベンゾ[B]フラン−2−オン;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
4) 3−メチル−(4及び5)−シクロペンタデセン−1−オン;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
5) (1S,1′R)−[1−(3′,3′−ジメチル−1′−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチル プロパノエート;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナン10質量部を上記の組成物に添加することは、後者に極めて明瞭なバスマチ(basmati)ライス、焙じた穀物効果を付与した。前記の嗅覚の効果は同時に、アセチルピラジンを添加することにより得られたより自然であまり炒られていないアミン及びビタミンであった。
【0046】
例4
付香組成物の製造
“乳”タイプのベース組成物を、次の成分を混合することにより調製した:
*ジプロピレングリコール中
1) 出所:IFF,USA
2) メチル ジヒドロジャスモネート;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
3) (+)−(1S,1′R)−2−[1−(3′,3′−ジメチル−1′−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピル プロパノエート;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
4) ペルヒドロ−3,6−ジメチル-ベンゾ[B]フラン−2−オン;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
5) 4−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド;出所:IFF、USA
6) 3−メチル−(4及び5)−シクロペンタデセン−1−オン;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
7) (1S,1′R)−[1−(3′,3′−ジメチル−1′−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチル プロパノエート;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
8) 人造ベース;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナン50質量部を上記のベース組成物に添加することは、後者に快い焙じたコーヒーの含蓄を付与し、かつベースの嗅覚のノートを、ミルク様のノートから乳のノートを有するコーヒーに変化させる。
Claims (7)
- 付香成分として6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンを、1つ又はそれ以上の付香補助成分及び場合により香料において常用の1つ又はそれ以上の溶剤と共に含有している付香組成物。
- 付香成分として6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナン又は請求項1で定義された付香組成物を含有している付香された物品。
- 固体又は液体の洗剤、織物柔軟剤、香水、コロン又はアフターシェーブローション、付香された石けん、シャワーソルト又はバスソルト、ムース、油又はゲル、衛生製品又はヘアケア製品、シャンプー、ボディケア製品、デオドラント又は制汗剤、エアフレッシュナー、化粧品、ファブリックリフレッシュナー、アイロン掛け用の水、紙、ワイプ又は漂白剤の形の、請求項2記載の付香された物品。
- 活性成分として6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンを、1つ又はそれ以上のフレーバリング補助成分及び場合によりフレーバーにおいて常用の1つ又はそれ以上の溶剤と共に含有しているフレーバリング組成物;但し、純粋なD−グルコースと純粋なL−システインとの間でのメイラード反応により得られた生成物を除く。
- 活性成分として6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナン又は請求項4で定義されたフレーバリング組成物を含有しているフレーバリングされた物品。
- ベーカリー製品、ヨーグルト又は他の乳製品、ソース又は調理済み料理、菓子類、デザート、アイスクリーム、キャンデー、コンポート又はフルーツジャムの形の、請求項5記載のフレーバリングされた物品。
- 付香成分又はフレーバリング成分としての、6−メチル−7−オキサ−1−チア−4−アザスピロ[4.4]ノナンの使用。
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