JP4112384B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被写体を撮像して被写体を表す画像データを得る撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像、音声、動画等の様々なデータのデジタル化が進み、そのデータが記録されるメディアや、そのデータを使用するアプリケーションに依存するような、種々のファイルフォーマットのデータが存在するようになってきている。例えばインターネットにおいて使用される画像データのフォーマットとしては、Jpegやgif、さらにはイーストマンコダック社が提唱するFlashPix等が知られており、画像のコンテンツに応じたフォーマットの画像データがやり取りされている。このようなオープンネットワークのインフラの整備に伴い、データを様々なメディアやアプリケーションを介して処理あるいは利用する可能性が大きくなってきている。例えば、画像データを異なるアプリケーションにおいて繰り返し処理したり、種々のフォーマットにより保存し直したりする可能性が大きくなっている。
【0003】
このため、オープンネットワーク環境におけるデータのより複雑かつ汎用的な利用形態を見込んで、データそのものの他に、そのデータに対して付帯的な情報を付加することが非常に有用な手段になってきている。例えば、デジタルカメラ等において取得された画像データをハードコピー等の出力用データに変換する場合、撮影シーンに応じて画像データに対する加工の仕方が異なるものである。このような場合、色かぶり、露光アンダー、露光オーバー等撮影シーンの光源情報が分かれば、その光源情報に応じて画像データに対して適切な画像処理を施すことができる。また、オリジナルデータにキーワードを添付することにより、データをデータベース化した後に、オリジナルデータを検索することが可能になる等、多くの有益な効果が期待できる。一方、印刷分野における製版データにおいては、画像データそのものの他に、その画像のトリミングや修正処理の指示、またどの編集ページに属するか等の工程管理に関する情報を付加し、この情報をデータベース化することにより製版データの工程管理を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、上述した付帯情報をどのようにオリジナルデータに添付するかが問題となっている。現状では、付帯情報はオリジナルデータのファイルとは別個のファイルとしてオリジナルデータのファイルに添付されるか、あるいはオリジナルデータのファイルヘッダに書き込まれることとなる。しかしながら、前者の場合、オリジナルデータに対して種々のアプリケーションにより種々の処理を施したり、フォーマット変換を施したりすると、オリジナルデータと付帯情報との対応関係が分からなくなってしまうおそれがある。また、後者の場合、アプリケーションによってはファイルヘッダに記録された付帯情報を読み出すことができない場合があり、また、データを読み込んでフォーマット変換を施すと、ヘッダに書き込まれた付帯情報が失われるおそれがある。すなわち、データ本体のファイルヘッダには、基本パートと拡張パートがあり、上述した付帯情報は拡張パートの中に含まれるが、拡張パートは書込みや読出しを繰り返すことにより、消失したり変更されてしまうおそれがある。
【0005】
一方、オリジナルデータの認証情報や著作権情報を、オリジナルデータに深層暗号化して埋め込むための手法が種々提案されている(例えば、特開平8−289159号、同10−108180号、特開平9−214636号等)。この手法は、データの冗長な部分に認証情報や著作権情報を埋め込むことにより、例えばオリジナルデータが画像データの場合、その画像データを再生しただけでは埋め込まれている情報を確認することはできないが、その情報を読み出すための装置やソフトウエアを用いることにより、データに埋め込まれている情報を読み出して表示等することができるものである。この深層暗号化については種々の文献にその詳細が記載されている(例えば、「電子透かし、松井甲子雄、O plus E No.213,1997年8月)。
【0006】
本発明はこのような深層暗号化の手法を用いて、上述した付帯情報が消失したり変更されることなく、効果的に付帯情報に応じた処理をオリジナルデータに施すことができる画像処理方法および装置を実施する際に用いられる撮像装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による撮像装置は、被写体を撮像して該被写体を表す画像データを得る撮像装置において、
第1の被写体を撮像することにより得られた第1の画像データに、該第1の被写体に関連する第2の被写体を撮像することにより得られた第2の画像データを深層暗号化して埋め込む埋込手段を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
なお、本発明による撮像装置においては、前記第2の画像データを前記第1の画像データに埋め込むか否かを選択する選択手段をさらに備えることが好ましい。
【0009】
なお、本発明による撮像装置により得られた第1の画像データは、以下のようにオリジナルデータとして本発明による画像処理方法および装置に用いられる。
【0010】
すなわち、本発明による画像処理方法は、音声、画像、動画等のオリジナルデータに関連する付帯情報が深層暗号化されて埋め込まれた前記オリジナルデータから前記付帯情報を読み出し、
該付帯情報に基づいて、前記オリジナルデータに対して施す処理を決定し、
該決定された処理に基づいて前記オリジナルデータに処理を施すことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、「深層暗号化して埋め込む」とは、オリジナルデータの冗長な部分に付帯情報を埋め込むことをいい、その詳細な手法については上述した松井の文献に記載されている。
【0012】
なお、前記オリジナルデータが、撮像装置により取得された画像データであり、
前記付帯情報が、前記オリジナルデータを取得した際の撮影条件を表す情報であることが好ましい。
【0013】
ここで、「撮影条件」とは、撮影時における撮像装置の特性、撮影環境、撮影の目的、被写体等の情報の他、撮像場所、撮影方位、撮影日時等の情報をも含むものである。
【0014】
また、前記オリジナルデータが、フイルムに記録された画像あるいはプリントを読み取ることにより得られた画像データであり、
前記付帯情報が、前記オリジナルデータを読み取る際の読取条件であることが好ましい。
【0015】
ここで、「読取条件」とは、オリジナルデータを読み取る読取装置のデバイス条件、特性条件、セットアップ条件のことをいう。
【0016】
さらに、前記オリジナルデータが画像データであり、
前記付帯情報が、前記オリジナルデータの工程管理情報であることが好ましい。
【0017】
ここで、「工程管理情報」とは、オリジナルデータに対して施した画像処理の処理履歴、完成度、作成日時、完了納期、ジョブの関連等の情報のことをいう。
【0018】
また、前記付帯情報が、前記オリジナルデータの検索キーワードを表す検索情報であることが好ましい。
【0019】
ここで、「検索情報」とは、オリジナルデータのファイル名、データの内容等検索の際のキーワードとなり得る情報のことをいう。
【0020】
さらに、前記オリジナルデータが画像データであり、
前記付帯情報が、前記オリジナルデータに関連する画像を表す情報であることが好ましい。
【0021】
ここで、「オリジナルデータに関連する画像を表す情報」とは、例えば、工事現場における現場の画像をオリジナルデータとした場合に、その現場の現場名、撮影日時、進捗状況等を同時に撮影する場合があるが、その場合の現場名等を記載したボードを撮影することにより得られる画像、オリジナルデータの内容を手書きしたメモ等を撮影することにより得られる画像を表す情報のことをいう。
【0022】
また、前記オリジナルデータが画像データであり、
前記付帯情報が、前記オリジナルデータを出力処理する際の処理条件であることが好ましい。
【0023】
ここで、「出力条件」とは例えばオリジナルデータをプリントする際のプリント条件のことをいう。
【0024】
本発明による画像処理装置は、オリジナルデータに関連する付帯情報が深層暗号化されて埋め込まれた前記オリジナルデータから前記付帯情報を読み出す読出手段と、
該付帯情報に基づいて、前記オリジナルデータに対して施す処理を決定する決定手段と、
該決定された処理に基づいて前記オリジナルデータに処理を施す処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】
なお、本発明による画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムとして、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、付帯情報が深層暗号化されてオリジナルデータに埋め込まれているため、オリジナルデータに対して種々の処理や、保存、読出しを繰り返しても、ヘッダに記録された情報のように付帯情報が紛失したり変更されたりすることがなくなる。また、付帯情報とオリジナルデータとの対応付けが分からなくなることもなくなる。したがって、付帯情報は関連するオリジナルデータに常に付随されることとなり、その付帯情報を用いて、適切な処理をオリジナルデータに対して施すことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0028】
図1は本発明の第1の実施形態による画像処理装置の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態による画像処理装置は、記録媒体から読み出された、あるいはネットワークを介して転送されたオリジナル画像データS0に対して処理を施すものであり、オリジナル画像データS0を読み込む読込手段1と、オリジナル画像データS0に深層暗号化されて埋め込まれた付帯情報Hを読み出す付帯情報読出手段2と、付帯情報読出手段2により読み出された付帯情報Hに基づいてオリジナル画像データS0に対して画像処理を施して処理済み画像データS1を得る処理手段3とを備える。
【0029】
第1の実施形態において使用されるオリジナル画像データS0は、例えば図2に示すようなデジタルカメラにより取得される。図2に示すように、このデジタルカメラは、CCD等の撮像手段4と、撮像手段4において得られたデータから被写体を表すオリジナル画像データS0を生成するデータ生成手段5と、撮影情報を入力するための撮影情報入力手段6と、入力された撮影情報を暗号化して付帯情報Hを生成する付帯情報生成手段7と、付帯情報Hを画像データS0に深層暗号化して埋め込んで記録媒体9に記録する埋込手段8とを備える。なお、撮影情報入力手段6において入力される撮影情報としては、撮影したシーン、光源情報、撮影条件や環境、撮影日時、目的、被写体の情報等が挙げられる。
【0030】
埋込手段8においては例えば、画素空間利用型、量子化誤差利用型、周波数領域利用型等種々の手法により、付帯情報Hがオリジナル画像データS0に深層暗号化されて埋め込まれる。画素空間利用型は対象画素の近傍の例えば3×3画素の平面を取り出し、この周囲8ビットに情報を埋め込む方法である。量子化誤差利用型は、画像データS0を圧縮する過程において発生する量子化誤差に着目し、付帯情報Hのビット系列の0,1で量子化出力を偶数と奇数とに制御して見かけ上量子化ノイズとして情報を画像データS0に埋め込む方法である。この量子化誤差利用型については、松井甲子雄、「画像深層暗号」、森北出版、1993にその詳細が記載されている。周波数領域利用型は、画像領域上において視覚的に鈍感な周波数領域に情報を埋め込む方法である。例えば、画像中の高周波成分は視覚的に鈍感な領域であるため、画像データS0を周波数帯域に分解し、高周波帯域に情報を埋め込み、さらに画像データS0に再構成することにより情報を埋め込むことができる。また、人間の視覚特性としては、色差や彩度情報は一般に輝度情報よりも階調識別能力が低下し、輝度と色差あるいは彩度情報との差の部分に見えない記録が可能となる領域が存在する。したがって、この領域に情報を埋め込むこともできる。
【0031】
次いで、第1の実施形態の動作について説明する。まず、図2に示すデジタルカメラの撮像手段4により被写体像を撮像し、データ生成手段5によりオリジナル画像データS0を生成する。一方で、撮像手段4により被写体像を撮像した際の撮影情報を撮影情報入力手段6より入力し、付帯情報生成手段7において撮影情報から付帯情報Hを生成して埋込手段8においてオリジナル画像データS0に付帯情報Hを深層暗号化して埋め込み、付帯情報Hが埋め込まれオリジナル画像データS0を記録媒体9に記録する。
【0032】
記録媒体9に記録されたオリジナル画像データS0は図1に示す画像処理装置の読込手段1において読み込まれ、付帯情報Hが付帯情報読出手段2において読み出され、読み出された付帯情報Hが処理手段3に入力される。処理手段3においては、付帯情報Hに基づいてオリジナル画像データS0に対して画像処理が施されて処理済み画像データS1が得られる。例えば、付帯情報Hに含まれる撮影シーンあるいは光源の情報に基づいて、露光補正、色かぶり補正等が施され、被写体の情報に基づいて肌色修正等の色補正が行われる。そして、処理済み画像データS1はモニタあるいはプリンタ等の再生手段(不図示)において再生される。
【0033】
このように、第1の実施形態においては、オリジナル画像データS0に関連する付帯情報Hをオリジナル画像データS0に深層暗号化して埋め込むようにしたため、オリジナル画像データS0のフォーマットを変換したり、保存や読出しを繰り返しても、付帯情報Hが変更されたり、消失してしまうことがなくなる。したがって、オリジナル画像データS0から常に付帯情報Hを読み出すことが可能となり、これによりオリジナル画像データS0に対して付帯情報Hに基づいて常に最適な画像処理を施すことが可能となる。
【0034】
なお、上記第1の実施形態においては、デジタルカメラにより取得されたオリジナル画像データS0に付帯情報Hを埋め込むようにしているが、例えばラボのフォトフィニッシングシステムにおいて、銀塩フイルムあるいはプリント画像に記録された画像を光電的に読み取ることにより得られたオリジナル画像データS0に、その画像に含まれる被写体の情報、フイルムの種類、セットアップ条件等の読取条件を付帯情報Hとして埋め込むようにしてもよい。この場合、上記と同様にして第1の実施形態による画像処理装置によりオリジナル画像データS0から付帯情報Hを読み出し、この付帯情報Hに基づいてオリジナル画像データS0に対して画像処理が施される。
【0035】
また、ラボのフォトフィニッシングシステムにおいてオリジナル画像データS0を最初にプリントした際に、オリジナル画像データS0に施した周波数処理、階調処理等の画像処理条件を付帯情報Hとしてオリジナル画像データS0に深層暗号化して埋め込んでもよい。この場合、オリジナル画像データS0はCD−R等の記録媒体に記録されてユーザに提供され、ユーザはオリジナル画像データS0にトリミングやテンプレートとの合成等の処理を施して、ラボにオリジナル画像データS0を持ち込んでプリント依頼する。ラボにおいては、ユーザにより指定された処理を施すとともに、オリジナル画像データS0に埋め込まれている付帯情報Hを読み出して、最初にプリントしたときと同様の画像処理条件によりオリジナル画像データS0に対して画像処理を施して、プリントする。従来、プリントされる画像データはオペレータの判断により画像処理条件を変更したり、フイルムの種類や、画像データを得た装置の種類に応じて異なる処理を施していたため、オリジナル画像データS0をプリントする毎に画像処理が異なって同じ画質の画像を再現することができなかった。これに対して、最初にプリントしたときの画像処理条件を付帯情報Hとしてオリジナル画像データS0に埋め込むことにより、加工されたオリジナル画像データS0は最初にプリントしたときと同一の画像処理条件により画像処理されることとなるため、常に同じ画質のプリント画像を得ることができる。
【0036】
また、第1の実施形態においては、付帯情報Hを撮影シーンの情報、被写体の情報等の撮影情報としているが、例えば特開平5−224290号に記載されたGPS利用カメラのように、GPS衛星からの測位用電波を利用して撮影位置、撮影方位あるいは撮影日時に関する情報を取得し、これらの情報を付帯情報Hとしてオリジナル画像データS0に深層暗号化して埋め込んでもよい。
【0037】
この場合、この付帯情報Hは以下のようにして用いることができる。すなわち、複数のシーンを略等角度にて撮影を行うパノラマ撮影を行って複数のオリジナル画像データS0を得るとともに、GPS衛星からの測位用電波を利用して撮影位置、撮影方位に関する情報を取得し、これを付帯情報Hとしてオリジナル画像データS0に深層暗号化して埋め込んでおく。図3はこのようにしてパノラマ撮影がなされた複数のオリジナル画像データS0を合成して合成画像データを得る画像合成装置の構成を示す概略ブロック図である。図3に示す画像合成装置は、図1に示す読込手段1および付帯情報読出手段2と、複数のオリジナル画像データS0を合成して合成画像データS2を得る合成手段10とを備える。そして、複数のオリジナル画像データS0の付帯情報Hを付帯情報読出手段2において読み出し、この付帯情報Hに含まれる撮影方位の情報、撮影位置の情報に基づいて、各オリジナル画像データS0により表される画像の画角に対する補正や幾何学的な修正を加えながら、合成手段10においてオリジナル画像データS0の合成を行う。
【0038】
このように、撮影方位の情報等を付帯情報Hとしてオリジナル画像データS0に埋め込んでおくことにより、付帯情報Hに基づいてパノラマ撮影された画像の合成を容易に行うことができる。また、異なるカメラにおいて異なるフォーマットにより取得された画像データであっても、付帯情報Hは画像データS0に埋め込まれているため、この付帯情報Hを読み出すことにより、画像の合成を容易に行うことができる。
【0039】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は本発明の第2の実施形態において使用される画像処理装置の構成を示す概略ブロック図である。図4に示すように、第2の実施形態において使用される画像処理装置は、例えばオリジナル画像データS0を印刷用の製版データとして用いる場合にオリジナル画像データS0に対して、色階調修正、倍率、解像度変換、トリミング等の幾何変換のような種々の画像処理を個別に施すための画像処理装置であって、オリジナル画像データS0に対して上述したような画像処理を施す画像処理手段11と、施した画像処理の処理履歴、完成度、作成日時、完了納期、ジョブの関連のような画像処理を施されたときの工程管理情報を付帯情報Hとして生成する付帯情報生成手段12と、付帯情報Hを上述した図2に示すデジタルカメラと同様に深層暗号化してオリジナル画像データS0に埋め込む埋込手段13とを備える。
【0040】
図5は本発明の第2の実施形態による工程管理装置の構成を示す概略ブロック図である。図5に示すように第2の実施形態による工程管理装置は、図4に示す画像処理装置により付帯情報Hが埋め込まれたオリジナル画像データS0の画像処理工程を管理するためのものであり、第1の実施形態による画像処理装置と同様の読込手段1および付帯情報読出手段2と、付帯情報Hに基づいてオリジナル画像データS0の工程管理情報を表示する管理情報表示手段15とを備える。
【0041】
次いで、第2の実施形態の動作について説明する。まず図4に示す画像処理装置の画像処理手段11においてオリジナル画像データS0に対して画像処理を施す際に、オリジナル画像データS0の処理履歴、完成度、作成日時等の工程管理情報を付帯情報Hとして付帯情報作成手段12において作成し、この付帯情報Hを埋込手段13においてオリジナル画像データS0に深層暗号化して埋め込む。このように付帯情報Hが埋め込まれたオリジナル画像データS0は図5に示す工程管理装置の読込手段1において読み込まれ、付帯情報Hが付帯情報読出手段2において読み出される。そして、読み出された付帯情報Hに基づいて、オリジナル画像データS0に対する画像処理の進捗状況や納期等が管理情報表示手段15において表示される。オペレータは管理情報表示手段15において表示された管理情報に基づいて、オリジナル画像データS0の画像処理の進捗状況等を把握することができる。
【0042】
従来、このようなオリジナル画像データS0に対する画像処理工程を管理するためには、処理が複雑になればなるほど、その処理工程のデータを画像データ毎に管理するための高度な管理データベースが必要であった。これに対して本発明では、オリジナル画像データS0に工程管理情報等を付帯情報Hとして深層暗号化して埋め込むことにより、工程を別途に管理するためのデータベースは不要となり、オリジナル画像データS0に直接アクセスすれば工程管理情報を把握することが可能となる。また、工程上のキーワード(例えば処理名、処理レベル、完成度)等からオリジナル画像データS0の検索を行うことも可能となる。
【0043】
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、オリジナルデータ(画像データ、音声データ、動画データ等)のファイル名、ファイルの内容等の検索キーワードを付帯情報HとしてオリジナルデータS0に深層暗号化して埋め込んでおき、オリジナルデータS0から付帯情報Hを読み出して検索するための検索装置に関するものである。図6は本発明の第3の実施形態による検索装置の構成を示す概略ブロック図である。図6に示すように、第3の実施形態による検索装置は、第1の実施形態と同様の読込手段1および付帯情報読出手段2と、付帯情報Hに基づいて検索を行う検索処理手段17と、検索結果を表示する表示手段18と、検索キーワード等を入力する入力手段19とを備える。なお、本実施形態において用いられるオリジナルデータS0は、個々のパソコン中に存在するデータベース中のみならずネットワーク上のデータベースに分散して存在する場合もある。
【0044】
次いで、第3の実施形態の動作について説明する。まず、検索を行うために、入力手段19から検索キーワードを入力する。読込手段1はデータベースにアクセスして複数のオリジナルデータS0を読み込むとともに、付帯情報読出手段2において各オリジナルデータS0の付帯情報Hを読み出す。付帯情報Hは検索処理手段17に入力され、検索キーワードに該当するか否かの処理がなされて、検索結果が表示手段18に表示される。
【0045】
従来、データベース中には様々なデータが様々なフォーマットで存在するため、1つの検索エンジンにより全てのデータに対して画一的に検索を行うことは困難であったが、検索情報を付帯情報HとしてオリジナルデータS0に共通の深層暗号化方式により暗号化して埋め込むことにより、1つの検索エンジンにより画一的に検索を行うことができることとなる。
【0046】
次いで、本発明の撮像装置を第4の実施形態として説明する。図7は本発明の第4の実施形態による撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。図7に示すように、第4の実施形態による撮像装置はデジタルカメラであり、CCD等の撮像手段20と、撮像手段20において得られた画像データの撮影モードを選択する撮影モード選択手段21と、後述するように特定の画像データに関連する画像データを付帯情報Hとして特定の画像データに埋め込んで記録媒体23に記録する埋込手段22とを備える。
【0047】
撮影モード選択手段21は撮像手段20において得られた画像データをそのまま記録媒体23に記録するか付帯情報Hとして特定の画像データに埋め込むかを選択するためのものである。
【0048】
埋込手段22は、画像データをモノクロ化および2値化して他の画像データに付帯情報Hとして埋め込むためのものである。具体的には、画像データが8ビットのデータである場合、画像データのカラーの情報を1画素当たり1ビットの情報に変換し、付帯情報Hを埋め込む画像データのRGB信号における比較的視覚的に鈍感なR信号の8ビットデータのうち、最下位の1ビットの部分に埋め込むものである。なお、付帯情報Hとして埋め込まれる画像としては、手書き文字、図形、地図等、2値化してもその内容を比較的容易に認識可能な画像が用いられる。
【0049】
次いで、第4の実施形態の動作について説明する。図8は第4の実施形態の動作を説明するための図である。まず、撮像手段20において被写体像の撮影がなされるが、この際、撮影モード選択手段21において画像データをそのまま記録媒体23に記録される旨が選択されている場合は、撮影により得られた画像データは順次記録媒体23に記録される。一方、撮影モード選択手段21において画像データを付帯情報Hとする旨が選択されている場合は、そのモードにおいて取得された画像データ(第2の画像データS12とする)を付帯情報Hとして、その前に撮影されて取得された画像データ(第1の画像データS11とする)に埋込手段22において埋め込む。なお、第1の画像データS11としては第2の画像データS12を取得する前に取得された画像データのみならず、撮影者が任意に選択できるものとしてもよい。この際、図8に示すように、第2の画像データS12はモノクロ化されかつ2値化されて付帯情報Hとして、第1の画像データS11の8ビットのR信号における最下位の1ビットに部分に埋め込まれる。これにより、付帯情報Hが深層暗号化されて埋め込まれた画像データS0が得られる。
【0050】
このような画像データS0を再生する際、付帯情報Hは最下位1ビットにのみ含まれているため、画像データS0は付帯情報Hをほとんど識別できない状態で再生されることとなる。一方、付帯情報Hについては、画像データS0のR信号の最下位1ビットのみを再生すれば、付帯情報Hにより表される画像を再生することができる。なお、付帯情報Hは2値化されているため1ビットであっても十分に認識可能に再生することができる。また、画像データS0の略全画素に付帯情報Hを使用することができるため非常に高解像度にて再生することが可能である。
【0051】
このように、第2の画像データS12を付帯情報Hとして第1の画像データS11に深層暗号化して埋め込むことにより、付帯情報Hは第1の画像データS11に常に付随することとなり、第1の画像データS11に対して加工、保存、読出しを繰り返しても、付帯情報Hが消失したり変更されたりすることがなくなる。ここで、工事現場における現場の写真と、その現場の現場名、撮影日時、進捗状況等を施工情報として黒板等に記載してこれを撮影して画像として残すことによりこの工事が正規工事であることを認証する場合がある。このような場合、工事現場の写真を第1の画像データS11、施工情報を付帯情報Hとしてこの付帯情報Hを第1の画像データS11に深層暗号化して埋め込んでおくことにより、付帯情報Hが容易に消失したり変更されたりすることがなくなるため、施工情報を偽造する等の不正行為をなくすことができる。
【0052】
なお、第4の実施形態においては、付帯情報HをR信号の最下位1ビットに深層暗号化して埋め込んでいるが、これに限定されるものではなく、第1の画像データS11の高周波数帯域に埋め込んでもよく、第1の画像データS11を量子化する際の量子化誤差を利用して埋め込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像処理装置の構成を示す概略ブロック図
【図2】オリジナル画像データを取得するデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図3】画像合成装置の構成を示す概略ブロック図
【図4】本発明の第2の実施形態において使用される画像処理装置の構成を示す概略ブロック図
【図5】本発明の第2の実施形態による工程管理装置の構成を示す概略ブロック図
【図6】本発明の第3の実施形態による検索装置の構成を示す概略ブロック図
【図7】本発明の第4の実施形態による撮像装置の構成を示す概略ブロック図
【図8】第4の実施形態による撮像装置において行われる処理を示す図
【符号の説明】
1 読込手段
2 付帯情報読出手段
3 処理手段
4,20 撮像手段
5 データ生成手段
6 撮影情報入力手段
7,12 付帯情報生成手段
8,13,22 埋込手段
9,23 記録媒体
10 合成手段
11 画像処理手段
15 管理情報表示手段
17 検索処理手段
18 表示手段
19 入力手段
21 撮影モード選択手段

Claims (2)

  1. 被写体を撮像して該被写体を表す画像データを得る撮像装置において、
    第1の被写体を撮像することにより得られた第1の画像データに、該第1の被写体に関連する第2の被写体を撮像することにより得られた第2の画像データを、ビット数を低減させる処理を施して深層暗号化して埋め込む埋込手段と、
    前記第2の画像データを前記第1の画像データに埋め込むか否かを選択する選択手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記ビット数を低減させる処理が、前記第2の画像データのモノクロ化および2値化処理であることを特徴とする請求項記載の撮像装置。
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