JP4111823B2 - 熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法 - Google Patents

熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法に関し、更に詳細には、微細な凹凸の賦形性に優れていると共に、優れた耐熱性をも有する、熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性合成樹脂製の壜体容器は、現在極めて広く用いられており、特にポリエチレンテレフタレート樹脂(以下「PET」という。)は、機械的強度等より、2軸延伸ブロー成形されて、飲料用ボトル等の容器に広く用いられている。そして、これら容器に成形するには、予め成形されたプリフォームに、高圧エアー等の圧力流体を吹き込んで2軸延伸ブロー成形する方法が広く用いられている。
【0003】
また、PETは、優れた透明性をも有するものであり、この観点からも飲料用ボトル等の容器に広く用いられているが、PETの機械的強度等を利用しつつも、容器表面が、つや消し状、ぼかし状、半透明状又は不透明状の容器も求められており、いわゆる「フロスト状」の外観を有する容器が求められている。更に、飲料用ボトル等の容器には意匠性が求められており、その形状は、複雑微細化しており、微細な凹凸を有するものが求められている。
【0004】
熱可塑性合成樹脂たる飽和ポリエステル樹脂製の2軸延伸ブロー成形壜体の外観に微細凹凸を与え、その外観をフロスト状とする方法としては、例えば、下記特許文献1のものが公知である。
【0005】
【特許文献1】
特公平2−38448号公報(第2頁)
【0006】
上記特許文献1の第4欄第17〜24行には、成形金型の内面に、サンドブラスト等の手段により、微細凹凸群よりなる粗面模様が形成された金型を用いて、パリソンをブロー成形することにより、壜体表面に微細凹凸群よりなる粗面模様を賦形する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示の金型を用い、プリフォームを2軸延伸ブロー成形することによって壜体容器を製造しても、該壜体容器に形成される微細凹凸の賦形性が悪いと言う問題があった。特に、径方向外方に突出する稜線が壜体容器に形成されている場合、稜線上及びその周辺では、微細凹凸を賦形しにくいという問題があった。これは、プリフォームの壁厚が厚く、プリフォームを膨らませにくいため、賦形性が悪くなったものと思われる。
そこで、本発明は、微細な凹凸の賦形性に優れていると共に、優れた耐熱性をも有する、熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法であって、一次金型を用いてプリフォームを一次2軸延伸ブロー成形して、一次中間成形品を形成し、前記一次金型の型温よりも20〜60℃高い温度に該一次中間成形品を加熱して、一次中間成形品を熱収縮させて、二次中間成形品を形成し、二次金型を用いて、該二次中間成形品を二次ブロー成形して、容器を形成する方法において、前記プリフォームを少なくとも5倍の延伸倍率で延伸し、一次中間成形品を形成し、前記二次金型の内面に反転凹凸を形成しておき、これによって、容器に微細凹凸を形成することを特徴とする、熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法が提供される
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明により製造される容器を図1〜3に模式的に示す。本発明は、図示形状及び模様を有する容器に限定されるものではない。
本発明により製造される壜体容器1は、頸部3と、肩部5と、胴部7と、底部9とよりなる。図1におけるA-A線断面及びB-B線断面における外郭線を示す拡大横断面図である図2及び図3より明らかなように、図示の壜体容器においては、肩部5に、径方向外方に突出する稜線11が多数形成されており、稜線11と稜線11との間は平坦状の緩曲面とされている。
【0010】
このような肩部5に、図1においては2方向の斜線(格子状)として表されている、微細凹凸たる凹溝13が形成されている。図1に示したように、凹溝13は、稜線11と稜線11との間の緩曲面のみならず、稜線11上及び稜線11の周辺にも形成されている。上述の先行技術によれば、稜線11上及び稜線11の周辺には、微細凹凸を形成することはできなかったが、本発明では、これが可能となっている。尚、添付図面においては、凹溝13は、平面的に図示したものである。
尚、本発明においては、稜線及びその周辺のみならず、平坦面等において微細凹凸を形成するのにも用いられるものであって、本発明は、稜線及びその周辺の微細凹凸に限定されるものではない。
【0011】
ここで微細凹凸とは、図1に模式的に示したように遠くからでも視認可能な凹凸であってもよく、また容器表面がフロスト状又はシボとなるような極めて微細なものであってもよい。
本発明の微細凹凸の模様パターンは、図示のものに限定されず、垂直方向及び水平方向に伸びる線よりなる格子状その他の模様パターンであってもよく、ランダムであってもよい。また、本発明の微細模様は、凸状の模様であってもよい。
【0012】
図示実施形態においては、肩部5に微細凹凸を施しているが、本発明は、微細凹凸を肩部5に施すことに限定されず、ブロー成形される部分のいずれ(即ち、頸部3以外の部分)にも微細凹凸を施すことが可能である。
【0013】
このような壜体容器は、一次金型を用いてプリフォームを一次2軸延伸ブロー成形して一次中間成形品を形成し、該一次中間成形品を加熱収縮して二次中間成形品を形成し、内面に反転凹凸が形成された二次金型を用いて該二次中間成形品を二次ブロー成形することにより得られる。
【0014】
以下、本発明の実施態様を説明する。
本発明により製造される容器の原料は、熱可塑性合成樹脂であって、好ましくは、PETを主体とするものである。PETを主体とする原料とは、PETのみからなる樹脂でもよく、ポリエチレンテレフタレートにバリア材その他の添加物をブレンドした樹脂でもよい。バリア材としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、メタキシリレンジアミンアヂパミド(MXD−6)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、公知のものを使用することが可能である。
また、原料及びボトルは、単層構造のものであってもよく、積層構造のものであってもよい。例えば、PETとバリア材などの2種類以上の樹脂又はブレンドを用いて3層構造としたり、5層構造としたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
先ず、上述の原料より、プリフォームを公知の方法によって製造する。該公知の方法としては、射出成形、圧縮成形などが挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
【0016】
次に、上述のプリフォームを一次2軸延伸ブロー成形して、一次中間成形品を成形する。該一次ブロー成形は、公知の2軸延伸ブロー成形方法を用いることが可能であり、プリフォームをブロー成形可能な温度(好ましくは90〜130℃)に加熱し、一次金型を用いて、高圧流体(エアー等)をプリフォーム内に吹き込むものである。一次金型温度は50〜230℃が好ましい。
この場合、プリフォームから一次中間成形品への延伸倍率は、少なくとも5倍とし、好ましくは5〜13倍である。ここで「延伸倍率」とは、縦方向(軸方向)倍率と横方向(径方向)倍率との積を意味する。このようにして、プリフォームを十分に延伸することによって、一次中間成形品の壁厚を薄くする。壜体容器の大きさによって異なり、延伸部分によっても異なるが、一般的に言って、一次中間成形品の胴部の平均的な壁厚は、プリフォームの平均壁厚の4分の1以下となる。
【0017】
次に、一次ブローにより得られた一次中間成形品を、一次金型より脱型し、好ましくは110〜255℃に加熱して、一次中間成形品を強制的に熱収縮させ、二次中間成形品を成形する。該加熱温度は、一次ブロー金型の型温よりも20〜60℃高い温度とする。このような高温にて一次中間成形品を加熱すると、一次ブロー成形において成形品内に生じた内部応力が緩和され、一次中間成形品は熱収縮して、二次中間成形品となる。
この場合、熱収縮しても、二次中間成形品の壁厚は、プリフォームの壁厚よりも十分薄いものとなっている。
また、二次中間成形品は、最終ボトルの大きさと略同じか或いは小さい。
【0018】
このようにして成形された二次中間成形品を、二次金型に載置し、二次ブロー成形することによって、凹溝13が賦形された壜体容器1が製造される。この二次ブロー成形において、容器の全体形状が成形されるとともに、稜線11及び凹溝13が成形される。
該二次ブロー成形において用いられる二次金型の内面には、反転凹凸が形成される。図示実施形態においては、図4に示すような二次金型が用いられ、該二次金型内面には、反転凹凸たる凸条23が形成されている。二次金型の内面に形成された凸条23により、壜体容器の外面には、凹凸が反転した微細凹凸13が形成される。換言すれば、二次金型の内面の凸状23は、壜体容器の凹溝13に対して鏡像配置とされた反転凹凸である。
【0019】
二次ブロー成形は、公知のブロー成形方法を使用することが可能であり、二次金型は、好ましくは60〜120℃に加熱される。
また、二次ブロー成形における延伸倍率は、1〜5倍が好ましく、更に好ましくは1〜2倍である。
上述のように、二次中間成形品の壁厚が薄くなっているので、二次中間成形品は延伸し易く、賦形性が良い。従って、たとえ二次ブロー成形における延伸倍率が小さいとしても、肉がスムーズに金型内にまわることとなり、微細な凹凸を形成することが可能となる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、一次2軸延伸ブロー成形においてプリフォームが十分に延伸され、一次中間成形品の壁厚が薄くなっており、かかる一次中間品を加熱収縮させて、壁厚の薄い二次中間成形品とし、反転凹凸が内面に形成された二次金型を用いて、かかる二次中間成形品を二次ブロー成形して壜体容器とするので、たとえ二次ブロー成形における延伸倍率が小さいとしても、二次中間成形品が延伸し易くなっていることより、微細凹凸を容器に賦形することが可能となる。
また、請求項1の発明によれば、一次中間成形品を強制的に熱収縮させ、一次ブロー成形において成形品内に生じた内部応力が緩和されているので、高耐熱性の壜体容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のにより製造した容器の正面図。
【図2】 図1に示した容器のA-A線断面における外郭線を示す横断面図。
【図3】 図1に示した容器のB-B線断面における外郭線を示す横断面図。
【図4】 本発明において用いられる二次金型の、凸条を模式的に平面図示した説明図。
【符号の説明】
1 壜体容器
3 頸部
5 肩部
7 胴部
9 底部
11 稜線
13 微細凹溝
23 凸条

Claims (1)

  1. 熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法であって、
    一次金型を用いてプリフォームを一次2軸延伸ブロー成形して、一次中間成形品を形成し、
    前記一次金型の型温よりも20〜60℃高い温度に該一次中間成形品を加熱して、一次中間成形品を熱収縮させて、二次中間成形品を形成し、
    二次金型を用いて、該二次中間成形品を二次ブロー成形して、容器を形成する方法において、
    前記プリフォームを少なくとも5倍の延伸倍率で延伸し、一次中間成形品を形成し、
    前記二次金型の内面に反転凹凸を形成しておき、これによって、容器に微細凹凸を形成することを特徴とする、熱可塑性合成樹脂製壜体容器の製造方法。
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