JP4111510B2 - 防音用モールドポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

防音用モールドポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両の防音・防振材として用いられるモールドポリウレタンフォームの製造方法に関する。
車両のエンジンルーム内には、騒音源からの放射音を遮音するために、板金製あるいは硬質樹脂製のエンジンカバー、サイドカバー、オイルパンカバー、アンダーカバーなどが配置されている。しかし、これらのカバー類においても吸音による防音は困難であり、硬質であるためにカバー自体が振動して騒音源となる場合もある。そこで従来より、所定形状に成形されたモールドポリウレタンフォームをこれらのカバー類に固着し、これによって騒音を吸音して防音するとともに、制振によってカバー類自体が騒音源となるのを抑制することが行われている。また、騒音源とその近傍に配置される各種部品との間隙にモールドポリウレタンフォームを配置し、その間隙に発生する定在波を抑制することも行われている。
ところで上記した分野に用いられる防音用モールドポリウレタンフォームにおいては、エンジン本体などに近接して配置されるという特殊な条件から、耐熱性及び難燃性の両性能に優れていることが望まれる。また吸音作用の向上には、見掛けの密度を低くする必要がある。そこでこれらの特性を満たすために、従来はポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート(TDI)が広く用いられ、TDIと各種ポリオールと水を主とする発泡剤とからモールドポリウレタンフォームが形成されている。
例えば特開平07−002968号公報には、官能基数が2〜6、水酸基価が20〜 200のポリオールと、ポリイソシアネートとして主としてTDIと、有機酸と、発泡剤とを用いて発泡成形することが提案されている。この製法によれば成形性に優れ、得られたモールドポリウレタンフォームは防音性に優れている。
また特開平09−059336号公報には、ポリオールと、ポリイソシアネートとして主としてTDIと、発泡剤としての水と、さらに酸のアルキルエステルよりなる可塑剤をポリオール 100重量部あたり 0.5〜15重量部配合して発泡成形する方法が提案されている。この製法によれば、水を発泡剤として用いても尿素結合に基づく柔軟性の低下の不具合が解消され、触感の良好なモールドポリウレタンフォームを製造することができる。
ところがTDIは、蒸気圧が高く作業環境上好ましいとはいえない。そこでTDIより蒸気圧が低いジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることが望ましい。しかしながらMDIを用いた場合には独立気泡が生成しやすく、低密度化のために発泡量を多くすると、成形品に膨れが生じたり、成形型から取り出した後に成形品が収縮して変形するという問題があった。また独立気泡が多いと、吸音特性が低いという不具合もある。これらの問題は、MDIを用いた場合に発泡反応と架橋反応のバランスを制御することが困難なことに起因している。
また、エンジン周囲の定在波を吸音するためにラバースペーサーが用いられているが、エンジンから漏れたエンジンオイルがラバースペーサーに吸収されると、吸音特性などの物性が低下するとともに耐燃焼性が低下してしまう。
そこで特開2000−220467号公報には、撥油剤としてフッ素系添加剤を含有する混合物から形成されたポリウレタンフォーム防音材によってスペーサーを構成することで、撥油性を発現させることが提案されている。ところがフッ素系添加剤を添加すると、形成されるポリウレタンフォームのセル孔の孔径が小さくなって通気性が低下し、吸音特性が低下するという不具合があった。またTDIに代えてMDIを用いると、この不具合に加えて上記と同様の不具合が生じ、成形性がさらに悪化してしまう。
特開平07−002968号 特開平09−059336号 特開2000−220467号
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ポリイソシアネートとしてMDIのみを用い、良好な成形性と低密度化とを達成することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の防音用モールドポリウレタンフォームの製造方法の特徴は、MDI系のポリイソシアネートと、ポリオールと、発泡剤としての水と、架橋反応の開始時期を遅延させる2-エチルヘキサン酸からなるマスク剤と、からなり、ポリオール 100重量部に対してマスク剤が0.05〜 1.5重量部添加された混合物を、高圧発泡成形機を用いて成形型内に注入する注入工程と、混合物を反応させ 500HZにおける吸音率が0.25以上である発泡成形体を形成する成形工程と、型開きして発泡成形体を取り出す脱型工程と、よりなることにある。
混合物にはさらに撥油剤を含むことが望ましく、撥油剤はフッ素系界面活性剤が特に好ましい。そしてフッ素系界面活性剤は、ポリオール 100重量部に対して0.03〜 1.5重量部添加されることが望ましい。
本発明の防音用モールドポリウレタンフォームの製造方法によれば、ポリイソシアネートとしてMDIのみを用いて、密度が 0.2g/cm3 以下であり、脱型後の変形がほとんどなく吸音特性に優れたモールドポリウレタンフォームを安定して確実に成形することができ、しかも高圧発泡成形機を用いた連続成形が可能となるため生産性も向上する。
さらに本発明によれば、撥油剤を添加してもセル孔の孔径が小さくなって通気性が低下するのが抑制され、撥油性を備えた吸音部材を容易に製造することができる。
本発明の製造方法では、MDI系のポリイソシアネートを用い、水を発泡剤とするとともに、架橋反応の開始時期を遅延させるマスク剤を用いている。マスク剤によって架橋反応の開始時期が遅延されるため、MDI系のポリイソシアネートを用いても成形性が向上するとともに、発泡反応が架橋反応より早期に進行することによって 0.2g/cm3 以下という低密度化が達成される。
したがって得られた防音用モールドポリウレタンフォームは、低密度であるとともに連泡率が向上するため、高い吸音特性が発現される。また脱型後の収縮もほとんど生じず、ヒケなどの発生も防止することができる。
ポリオールとしては、多価ヒドロキシ化合物やポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリマーポリオール類、ポリエーテルエステルポリオール類、ポリエーテルポリアミン類、ポリエステルポリアミン類、アルキレンポリオール類、ウレア分散ポリオール類、メラミン変性ポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、フェノール変性ポリオール類など公知のポリオールの一種又は複数種を用いることができる。
またポリオールは、一分子中の官能基数が2〜8、分子量が1000〜 10000のものを50重量%以上含むことが好ましい。官能基数が2より少ないとモールドポリウレタンフォームの成形が困難となる場合があり、官能基数が8より多いと得られるモールドポリウレタンフォームの引張り伸びなどの物性が極端に低下するようになる。また分子量が1000より小さいと得られるモールドポリウレタンフォームの弾性が失われ、分子量が 10000より大きくなると粘度が高く発泡が困難となってモールドポリウレタンフォームの成形が困難となる。
そして上記官能基数及び分子量をもつポリオールが全ポリオール中の50重量%以上を占めることによって、不燃性の軟質モールドポリウレタンフォームを成形することが可能となる。なお、上記ポリオールが50重量%以上を占めれば、残部のポリオールは特に制約されない。もちろん、上記ポリオールは多いほど好ましく、ポリオール成分全てを上記ポリオールから構成することも好ましい。
MDI系のポリイソシアネートとしては、4、4'−MDI、2、4'−MDI、粗製MDIあるいはこれらのカルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体などを用いることができる。ポリイソシアネートとポリオールとの混合比は、NCO/OH(インデックス)が 0.6〜 1.2の範囲となるようにするのが望ましい。インデックスが 0.6未満では、得られるモールドポリウレタンフォームの永久歪みなどの物性が低下し、 1.2を越えると架橋反応が進み過ぎて成形性が低下するとともに得られるモールドポリウレタンフォームが易燃性となってしまう。
本発明においては、発泡剤として水が用いられる。水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガスを発泡剤とするのであるが、マスク剤によってこの発泡反応と架橋反応との反応開始時期を調整することができ、架橋反応の開始時期を遅延させることができるのである。フルオロカーボン類など他の発泡剤では、マスク剤によって発泡反応と架橋反応との反応開始時期を調整することは困難である。なお発泡剤としての水の添加量は、ポリオール成分 100重量部に対して一般に1〜6重量部程度である。
また本発明においては、従来の製造方法と同様に、触媒、架橋剤、整泡剤、鎖伸長剤、減粘剤などの添加物を適宜に配合することができる。
触媒としては、公知のアミン系触媒や有機金属系触媒を用いることができ、具体的にはビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、N、N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N、N-ジメチルエタノールアミン、N、N、N'、N'-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N、N、N'、N'-テトラメチルプロピレンジアミン、N、N、N'、N'-テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N-メチル-N'-(ジメチルアミノ)エチルピペラジン、N-メチルモノフォリン、N-エチルモノフォリン、トリエチルアミン、ラウリン酸錫、オクタン酸錫などが例示される。この触媒の添加量は、ポリオール成分 100重量部に対して一般に0.01〜5重量部程度である。
架橋剤としては、比較的低分子量のものが用いられ、例えばジオールやトリオール、多価アミン、又はこれらにエチレンオキシド、プロピレンオキシドを付加したもの、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどを用いることができる。架橋剤の添加量は、ポリオール成分 100重量部に対して一般に0〜20重量部程度である。整泡剤としては、一般に用いられているシリコーン系整泡剤を適宜用いることができる。なお、モールドポリウレタンフォームに要求される性能に応じて、難燃剤、充填材、帯電防止剤、着色剤、安定剤などを、必要に応じて本発明の目的を逸脱しない範囲で添加することができる。
マスク剤は、架橋反応の開始時期を遅延させるものである。
しかしながら、使用するマスク剤によっては、触媒との相性など限られた条件が重なることで、マスク剤が何らかの成分と反応して固体化する場合がある。そのため長期間の連続生産を続けた際には、配管中のストレーナや発泡機、ミキシングヘッド内部など、微小径の流路に反応物が堆積し、時には詰まりが生じる可能性がある。
このように固体化しにくいマスク剤としては、2-エチルヘキサン酸が用いられる。2-エチルヘキサン酸は、アミン系触媒又はポリイソシアネートと反応してその活性をマスクするため、架橋反応が遅延される。そしてこのマスク剤とアミン系触媒又はポリイソシアネートとの反応物は液状であるため、微小な径の流路を通過可能であり連続成形が可能である。
撥油剤は、得られるモールドポリウレタンフォームに撥油性を付与するものであり、フッ素系界面活性剤が用いられる。撥油剤の添加により、得られるポリウレタンフォームにさらに撥油性を付与することができ、エンジン周囲の定在波を吸音するスペーサーなどとしての利用が可能となる。
例えばフッ素系界面活性剤は、炭素数が3〜20のフルオロ脂肪族基を有するものが好ましく用いられ、ポリウレタン樹脂と親和性のある有機基をもつことが望ましい。このような有機基をもつことで、ポリウレタン樹脂との相溶性が高まり、フッ素系界面活性剤の内添による効果をさらに高めることができる。このような有機基としては、アルキル基、アルキリデン基、アリール基、アシル基、ビニル基、ビニリデン基、エチレン性二重結合、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン基、ポリジメチルシロキサン基、メルカプト基、ポリオキシアルキレン基などが例示される。またポリオール成分との相溶性にも優れることが好ましいことから、ポリオキシアルキレン基が特に好ましい。
この撥油剤は、ポリオール 100重量部に対して0.03〜 1.5重量部添加することが望ましい。
またマスク剤の添加量は、撥油剤を含まない場合には、ポリオール 100重量部に対して0.05〜 1.5重量部とすることが好ましく、 0.1〜 1.0重量部の範囲が特に望ましい。撥油剤を含む場合には、ポリオール 100重量部に対して 0.1〜 1.5重量部とすることが好ましい。
マスク剤の添加量が少なすぎると添加した効果が発現されず、成形性が低下するとともに低密度化が困難となる。またマスク剤の添加量が多すぎると、架橋反応の進行が低下して成形が困難となったり、得られるモールドポリウレタンフォームの形状保持性や強度が低下する。またマスク剤による前述した作用によって、撥油剤を含んでも、成形時にセル孔の孔径が小さくなるような不具合がなく、良好な成形性が発現される。
本発明の製造方法では、先ず注入工程において、MDI系のポリイソシアネートと、ポリオールと、水と、架橋反応の開始時期を遅延させるマスク剤と、さらに必要に応じて撥油剤と、からなる混合物が成形型内に注入される。成形型内への注入前に均一に混合されていることが望ましいので、通常はポリオール側液とポリイソシアネート側液の2液に分けて撹拌手段に供給され、撹拌手段で均一に混合された後に成形型内へ注入される。
ポリオール側液には、通常はポリオール、水、マスク剤、触媒、撥油剤などが混合される。またポリイソシアネート側液は、通常はMDIのみとされる。なおマスク剤をポリイソシアネート側液に混合する場合もある。
撹拌手段としては、密閉状態で撹拌できるものが望ましく、高圧発泡成形機が用いられる。高圧発泡成形機を用いれば、泡の径をきわめて微細にできるため、モールドポリウレタンフォームの形状保持性を維持しつつ一層の低密度化を図ることができる。そして上記した2-エチルヘキサン酸からなるマスク剤を用いれば、微小な径の流路を有する高圧発泡成形機においても、安定した長時間の連続運転が可能となり生産上のトラブルを未然に防止できる。
成形工程及び脱型工程は、従来と同様に行うことができ、特に制限はない。
以下、参考例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
参考例1〜7、参考例9〜14、実施例1〜2、比較例1〜4及び比較例6〜12では、得られる発泡成形体の密度を0.10g/cm に設定している。参考例8及び比較例5では、得られる発泡成形体の密度を0.07g/cm に設定している。
(参考例1)
先ずポリオール(住化バイエルウレタン(株)製、平均分子量=6000、官能基数=3、水酸基価= 28mgKOH/g)を用意し、その 100重量部に対して、架橋剤、発泡剤としての水、アミン触媒A(花王(株)製3級アミン触媒)、アミン触媒B(ダイセル化学工業(株)製3級アミン触媒)、アミン触媒C(花王(株)製3級アミン触媒)、シリコーン系整泡剤(日本ユニカー(株)製)、及びリン酸をそれぞれ下記表1に示す割合で配合しポリオール側液を調製した。
一方、ポリイソシアネート側液として、MDI(NCO%=29〜33%)を用意した。
そして高圧発泡成形機にポリオール側液とポリイソシアネート側液をセットしてそれぞれ循環させ、両液を高圧発泡成形機のオリフィスからそれぞれ高圧で噴出してNCO/OH=1となるように混合後、図1に示す金型内に所定量注入して発泡成形を行った。
この金型は略箱状の下型1と、下型1に揺動可能に保持された上型2とからなり、下型1には各種高さの凸部10が形成されている。そのため深いキャビティと浅いキャビティが略交互に連続することとなり、発泡樹脂の流動抵抗が大きく変化する構造となっている。また上型2の型面は、図示しないポリプロピレン板で覆われ、それによって成形品には離型剤の影響の出ない鏡面(スキン面)が形成される。
(参考例2)
マスク剤として、リン酸に代えてbis-2EHP(「DP−8R」大八化学(株)製)を0.05重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(参考例3)
マスク剤として、リン酸に代えて塩化ベンゾイルを 0.1重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(参考例4)
リン酸の添加量を0.15重量部としたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(実施例1)
マスク剤として、リン酸に代えて2-エチルヘキサン酸を 0.3重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(参考例5)
マスク剤として、リン酸に代えてbis-2EHPを 1.0重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(参考例6)
リン酸の添加量を 0.3重量部としたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(参考例7)
マスク剤として、リン酸に代えて塩化ベンゾイルを 1.5重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(参考例8)
水の添加量を 3.7重量部とし、リン酸の添加量を0.15重量部としたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(比較例1)
マスク剤を用いなかったこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(比較例2)
リン酸の添加量を 0.5重量部としたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(比較例3)
マスク剤として、リン酸に代えてbis-2EHPを 1.6重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(比較例4)
マスク剤として、リン酸に代えて2-エチルヘキサン酸を 2.0重量部用いたこと以外は参考例1と同様にして発泡成形を行った。
(比較例5)
マスク剤を用いなかったこと以外は参考例8と同様にして発泡成形を行った。
<試験・評価>
注入から5分間後にそれぞれ成形品を脱型し、上型2の型面で形成されたスキン面の通気量を測定することで成形性を評価した。スキン面の通気量が14L/min.以上である場合に○、スキン面の通気量が14〜12L/min.である場合に△、スキン面の通気量が12L/min.未満である場合に×と区分し、結果を表1に示す。
また注入から所定時間経過後の反応時間の判定を行うため、成形品を手で脱型し、手の跡が成形品に残る程度を目視で評価することにより生産性を評価した。5分後に手の跡が残らない場合に○、5分後には手の跡が残るが7分後には手の跡が残らない場合に△、7分後には手の跡が残るが10分後には手の跡が残らない場合に×と区分し、結果を表1に示す。
さらに得られた成形品の吸音特性を評価した。吸音特性は JIS-A1405に規定された方法に従って各周波数で吸音率を測定し、 500Hzの周波数の音の吸音率で比較した。吸音率が 0.3以上の場合に○、0.25〜0.30の場合に△、0.25未満の場合に×と区分し、結果を表1に示す。また参考例1と比較例1、及び参考例8と比較例5で得られた成形品について、各周波数の音の吸音率を図2に示す。
図2より、参考例1及び参考例8で得られた成形品は、大部分の周波数域で比較例1及び比較例5より高い吸音率を示していることが明らかである。
Figure 0004111510
表1より、参考例1〜7及び実施例1の方法は比較例1〜4の方法に比べて、あるいは参考例8の方法は比較例5の方法に比べて成形性に優れていることがわかり、これはマスク剤を添加した効果であることが明らかである。すなわちマスク剤を添加することにより、発泡反応と架橋反応とのバランスが改善され、図1に示すような深いキャビティと浅いキャビティをもつような複雑な金型を用いても、均一な発泡と脱型後に変形のない成形が可能となった。そして架橋反応が遅延されたといえども、参考例1〜7、実施例1又は参考例8は生産性を損なわないレベルを保ちつつ比較例1よりも高い吸音特性を示し、同時に比較例5より高い成形性を示している。
これらのことから、成形品の密度とは無関係に、マスク剤の添加によって発泡反応と架橋反応とのバランスが改善され、連泡率が向上したことが明らかである。
また比較例2、3、4では、成形性、生産性共に参考例1〜7及び実施例1より劣っているが、これはマスク剤の添加量が多すぎたためであり、ポリオール 100重量部に対するマスク剤の添加量は、リン酸の場合には0.01〜 0.3重量部の範囲とするのが望ましく、塩化ベンゾイル、bis-2EHP及び2-エチルヘキサン酸の場合には0.05〜 1.5重量部の範囲とするのが望ましい。
(参考例9〜14、実施例2)
先ず参考例1と同様のポリオールを用意し、その 100重量部に対して、架橋剤、発泡剤としての水、アミン触媒A(花王(株)製3級アミン触媒)、アミン触媒B(ダイセル化学工業(株)製3級アミン触媒)、アミン触媒C(花王(株)製3級アミン触媒)、シリコーン系整泡剤(日本ユニカー(株)製)、リン酸、bis-2EHP、塩化ベンゾイル及びフッ素系界面活性剤(「メガファックEXP.TF1068SF」大日本インキ化学工業(株)製)をそれぞれ表2に示す割合で配合しポリオール側液を調製した。
一方、ポリイソシアネート側液として、MDI(NCO%=29〜33%)を用意した。
一方、ポリイソシアネート側液として、MDI(NCO%=29〜33%)を用意した。
そして高圧発泡成形機にポリオール側液とポリイソシアネート側液をセットしてそれぞれ循環させ、両液を高圧発泡成形機のオリフィスからそれぞれ高圧で噴出してNCO/OH=1となるように混合後、一方の型面がポリプロピレン板で被覆された所定の金型内に所定量注入して発泡成形を行った。発泡成形体の形状は、 100mm× 100mm×50mmのブロック状である。
(比較例6〜12)
リン酸、bis-2EHP、塩化ベンゾイル、2-エチルヘキサン酸及びフッ素系界面活性剤(「メガファックEXP.TF1068SF」大日本インキ化学工業(株)製)製)を、それぞれ表2に示す割合で配合したこと以外は参考例9〜14及び実施例2と同様にして、ポリオール側液を調製した。一方、ポリイソシアネート側液として、MDI(NCO%=29〜33%)を用意し、参考例9〜14及び実施例2と同様にして発泡成形を行った。
<試験・評価>
注入から5分間後にそれぞれ成形品を脱型し、形成されたスキン面に対するエンジンオイル(10W-30)の接触角を測定することで撥油性を評価した。接触角が50゜以上を○、25〜50゜を△、20゜未満を×と区分し、結果を表2に示す。また上記と同様にスキン面の通気量を測定することで成形性を評価し、上記と同様に 500Hzの音の吸音率を測定することで吸音特性を評価した。さらに、上記と生産性を評価した。結果をそれぞれ表2に示す。
Figure 0004111510
表2より、フッ素系界面活性剤の添加によって撥油性が発現されることがわかり、マスク剤を添加することで成形性が改善されていることがわかる。しかしフッ素系界面活性剤の添加量が 2.0重量部になると、マスク剤を添加しても成形性が低下する。
さらに、リン酸の添加量が0.01重量部と少ない場合、あるいはbis-2EHPの添加量が0.05重量部と少ない場合には成形性が劣り、リン酸の添加量が 0.5重量部あるいは2-エチルヘキサン酸の添加量が 2.0重量部と多くなると成形性及び生産性が劣っている。すなわちフッ素系界面活性剤の添加量は0.03〜 1.5重量部の範囲が望ましく、フッ素系界面活性剤を含む場合には、リン酸の添加量は0.05〜 0.3重量部の範囲が望ましく、塩化ベンゾイル、bis-2EHP及び2-エチルヘキサン酸の場合には 0.1〜 1.5重量部の範囲が望ましい。
本発明の製造方法によれば、MDIを用いて吸音特性に優れた防音用モールドポリウレタンフォームを製造することができる。したがって作業環境が改善され、保護具などの着用を軽減できるので作業性が向上する。そしてモールドポリウレタンフォームの成形性及び生産性が高いため、作業性の向上及び高圧発泡成形機の使用が可能となることと相まって、生産性が大幅に向上する。さらに撥油性をもつモールドポリウレタンフォームも容易に製造でき、しかも安価であるので、防音材としての利用の自由度が格段に高まり、広い分野で利用することができる。
本発明の一実施例に用いた金型の斜視図である。 各周波数に対する吸音率を示すグラフである。
符号の説明
1:下型 2:上型 10:凸部

Claims (2)

  1. ジフェニルメタンジイソシアネート系のポリイソシアネートと、ポリオールと、発泡剤としての水と、架橋反応の開始時期を遅延させる2-エチルヘキサン酸からなるマスク剤と、からなり、該ポリオール 100重量部に対して該マスク剤が0.05〜 1.5重量部添加された混合物を、高圧発泡成形機を用いて成形型内に注入する注入工程と、
    該混合物を反応させ 500HZにおける吸音率が0.25以上である発泡成形体を形成する成形工程と、
    型開きして該発泡成形体を取り出す脱型工程と、よりなることを特徴とする防音用モールドポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 前記混合物にはさらに撥油剤としてのフッ素系界面活性剤を含み、該フッ素系界面活性剤は前記ポリオール 100重量部に対して0.03〜 1.5重量部添加される請求項1に記載の防音用モールドポリウレタンフォームの製造方法。
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