JP4111477B2 - 非接触型icカード用アンテナとその製造方法 - Google Patents

非接触型icカード用アンテナとその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁性のフィルムの一方の面に導線がその内側に空間を広くあけてほぼ渦巻き状に巻き回された状態に形成されてなる、非接触型ICカード用アンテナと、該アンテナを形成するための非接触型ICカード用アンテナ製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードには、大別して、接触型と非接触型とがある。非接触型のICカードには、絶縁性のフィルムの一方の面に導線がその内側に空間を広くあけて渦巻き状に巻き回された状態で形成されてなるアンテナが内蔵されている。そして、そのアンテナ内側の広くあいた空間に電磁波を通過させて、その電磁波から外部情報をICカードの電子回路に取り込む構造をしている。
【0003】
この非接触型ICカード用アンテナは、一般に、図12に示したように、絶縁性のフィルム100の一方の面に導線20がその内側に絶縁性のフィルム100で覆われた空間30を広くあけて渦巻き状に巻き回された状態で形成されている。アンテナ用の導線20には、Cu、カーボン等のフイラーが混入された導電性ペーストを用いて形成されたり、絶縁性のフィルム100の一方の面に形成された銅箔をエッチングして形成されたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような形状をした、非接触型ICカード用アンテナを形成する場合には、その導線20を渦巻き状に巻き回してなるアンテナ用コイル80の内側に、絶縁性のフィルム100で覆われた広い空間30を設ける必要がある。そのため、そのアンテナの製造に際しては、その導線20を渦巻き状に巻き回してなるアンテナ用コイル80の内側に、広い面積を持つ絶縁性のフィルム100が介在することとなって、その分、そのアンテナ形成用の絶縁性のフィルム100に無駄な広い不使用箇所が発生してしまった。その結果、その分の、アンテナを形成するための無駄な材料費が掛かってしまった。
【0005】
このような課題を解消するために、特開平8−180160号公報の図17等に開示された、図14に示したような、そのアンテナ用コイル80の内側の一部に無駄な絶縁性のフィルム100が存在しない非接触型ICカード用アンテナが提案されている。
このアンテナを製造する場合には、図13に示したように、方形状をした絶縁性のフィルム100の一方の面に、導線20をコの字状をなす渦巻き状に巻き回した状態に形成している。
次いで、同じ図13に示したように、その巻き回した状態に形成した導線20よりも内側の絶縁性のフィルム100のほぼ中央の長手方向に、コの字状の切込み線12を刻設している。そして、その切込み線12の両端又はその近くから、切込み線12よりも内側の絶縁性のフィルム部分104を、切込み線12よりも外側の絶縁性のフィルム部分106に対して、180度に折り返している。そして、図14に示したような、その切込み線12よりも内側のフィルム104部分の裏面と切込み線12よりも外側のフィルム106部分の表面とに亙って、導線20がほぼ渦巻き状に巻き回されてなる方形状をしたアンテナ用コイル80であって、その内側に電磁波を通過させる空間30を広くあけたアンテナ用コイル80を形成している。
【0006】
このアンテナにあっては、図14に示したように、そのアンテナ用コイル80の内側に広くあいた空間30のほぼ半分が絶縁性のフィルム100で覆われておらず、その分、絶縁性のフィルム100の使用量を半減できる。
【0007】
しかしながら、このアンテナの場合にも、そのアンテナ用コイル80の内側の広くあいた空間30の未だほぼ半分が絶縁性のフィルム100で覆われた状態にあって、その分の、絶縁性のフィルム100の無駄な使用をなくすことができなかった。
【0008】
そこで、本発明者は、非接触型ICカード用アンテナ形成用の絶縁性のフィルム100の無駄な使用をほぼ零近くまで少なく抑えることのできる非接触型ICカード用アンテナと、その非接触型ICカード用アンテナを形成するための非接触型ICカード用アンテナの製造方法とを開発した。
【0009】
即ち、本発明は、非接触型ICカード用アンテナ形成用の絶縁性のフィルムの無駄な使用をほぼ零近くまで少なく抑えることのできる非接触型ICカード用アンテナと、その非接触型ICカード用アンテナを形成するための非接触型ICカード用アンテナの製造方法とを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナは、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす折曲可能な絶縁性の帯状フィルムの一方の面に導線が帯状フィルムの形状に倣ってほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回された状態に形成され、その巻き回された状態に形成された導線よりも内側の帯状フィルムのほぼ中央の長手方向に、ほぼU字形の切込み線が刻設されて、該切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分が、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの下側を通して帯状フィルムの開口端側に180度に折り返され、その折り返された切込み線よりも内側の帯状フィルム部分と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分とにより、ループ状の帯枠が形成されて、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、前記導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルが配置されたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナは、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす折曲可能な絶縁性の帯状フィルムの一方の面に導線が帯状フィルムの形状に倣ってほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回された状態に形成されて、その導線が形成された帯状フィルムの一方の面が絶縁層で覆われ、その巻き回された状態に形成された導線よりも内側の帯状フィルムのほぼ中央の長手方向に、ほぼU字形の切込み線が刻設されて、該切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分が、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの上側を通して帯状フィルムの開口端側に180度に折り返され、その折り返された切込み線よりも内側の帯状フィルム部分と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分とにより、ループ状の帯枠が形成されて、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、前記導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルが配置されたことを特徴としている。
【0012】
この第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナにおいては、帯状フィルムが、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなしている。
そのため、絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルムを切り出す際の帯状フィルムの材料取りの配置状態を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側を、他方の帯状フィルムの開口端側からその帯状フィルムの内方に隙間少なく深く入れ込んだ状態に順に並べて配置できる。そして、その絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルムを、無駄に捨てる絶縁性のフィルム部分を少なく抑えて、切り出すことができる。
【0013】
また、第1の非接触型ICカード用アンテナにおいては、切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分が、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの下側を通して、帯状フィルムの開口端側に180度に折り返されて、ループ状の帯枠が形成されている。そして、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルが配置されている。
そのため、その上下に重なり合う切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面に配置されたアンテナ用コイルの導線部分と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面に配置されたアンテナ用コイルの導線部分との間に、絶縁性の帯状フィルムが介在している。
その結果、その上下に重なり合う切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面に配置されたアンテナ用コイルの導線部分と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面に配置されたアンテナ用コイルの導線部分とが電気的に短絡するのを防ぐことができる。
【0014】
また、第2の非接触型ICカード用アンテナにおいては、切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分が、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの上側を通して、帯状フィルムの開口端側に180度に折り返されて、ループ状の帯枠が形成されている。そして、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルが配置されている。
そのため、その上下に重なり合う切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面に配置されたアンテナ用コイルの導線部分と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面に配置されたアンテナ用コイルの導線部分との間に、帯状フィルムの一方の面を覆う絶縁層が介在している。
その結果、その上下に重なり合う切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面に配置されたアンテナ用コイルの導線部分と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面に配置されたアンテナ用コイルの導線部分とが電気的に短絡するのを防ぐことができる。
【0015】
本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナにおいては、前記導線が形成された帯状フィルムの一方の面が絶縁層で覆われた構造とすることを好適としている。
【0016】
この第1の非接触型ICカード用アンテナにあっては、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って配置された導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルを、絶縁層で覆うことができる。そして、そのアンテナ用コイルが、外部に露出した状態となって、他の電子回路と電気的に短絡したり、外気に接触して腐蝕等したりするのを防ぐことができる。
【0017】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法は、次の工程を含むことを特徴としている。
a.折曲可能な絶縁性のフィルムの一方の面に、導線をその開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回した状態に形成する工程。
b.前記絶縁性のフィルムを、その内側に前記導線を残して、巻き回した状態に形成した導線の周囲の形状に倣って切断して、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす帯状フィルムを形成する工程。
c.前記巻き回した状態に形成した導線よりも内側の帯状フィルムのほぼ中央の長手方向に、帯状フィルムの形状に倣って、ほぼU字形の切込み線を刻設する工程。
d.前記切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分を、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの下側を通して帯状フィルムの開口端側に180度に折り返して、その折り返した切込み線よりも内側の帯状フィルム部分と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分とにより、ループ状の帯枠を形成して、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、前記導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルを配置する工程。
【0018】
また、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法は、次の工程を含むことを特徴としている。
a.折曲可能な絶縁性のフィルムの一方の面に、導線をその開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回してなる状態に形成する工程。
b.前記導線を形成した絶縁性のフィルムの一方の面を絶縁層で覆う工程。
c.前記絶縁性のフィルムを、その内側に前記導線を残して、巻き回した状態に形成した導線の周囲の形状に倣って切断して、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす帯状フィルムを形成する工程。
d.前記巻き回した状態に形成した導線よりも内側の帯状フィルムのほぼ中央の長手方向に、帯状フィルムの形状に倣って、ほぼU字形の切込み線を刻設する工程。
e.前記切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分を、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの上側を通して帯状フィルムの開口端側に180度に折り返して、その折り返した切込み線よりも内側の帯状フィルム部分と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分とにより、ループ状の帯枠を形成して、その帯枠の切込よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルを配置する工程。
【0019】
この第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、帯状フィルムが、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなしている。
そのため、絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルムを切り出す際の帯状フィルムの材料取りの配置状態を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側を、他方の帯状フィルムの開口端側からその帯状フィルムの内方に隙間少なく深く入れ込んだ状態に順に並べて配置できる。そして、その絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルムを、無駄に捨てる絶縁性のフィルム部分を少なく抑えて、切り出すことができる。
【0020】
また、第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、そのd工程において、切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分を、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの下側を通して、帯状フィルムの開口端側に180度に折り返して、ループ状の帯枠を形成した際に、その帯枠の上下に重なり合う切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面に形成されたアンテナ用コイルの導線部分と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面に形成されたアンテナ用コイルの導線部分との間に、絶縁性の帯状フィルムを介在させることができる。そして、その上下に重なり合う切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面に形成されたアンテナ用コイルの導線部分と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面に形成されたアンテナ用コイルの導線部分とが電気的に短絡するのを防ぐことができる。
【0021】
また、第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、そのe工程において、切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分を、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの上側を通して、帯状フィルムの開口端側に180度に折り返して、ループ状の帯枠を形成した際に、その帯枠の上下に重なり合う切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面に形成されたアンテナ用コイルの導線部分と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面に形成されたアンテナ用コイルの導線部分との間に、帯状フィルムの一方の面を覆う絶縁層を介在させることができる。そして、その上下に重なり合う切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面に形成されたアンテナ用コイルの導線部分と、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面に形成されたアンテナ用コイルの導線部分とが電気的に短絡するのを防ぐことができる。
【0022】
本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、前記b工程の前に、前記a工程において、前記導線を形成した絶縁性のフィルムの一方の面を絶縁層で覆うことを好適としている。
【0023】
この第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法にあっては、そのd工程において、帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って配置するアンテナ用コイルを、絶縁層で覆うことができる。そして、そのアンテナ用コイルが、外部に露出した状態となって、他の電子回路と電気的に短絡したり、外気に接触して腐蝕等したりするのを防ぐことができる。
【0024】
また、本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナにおいては、前記帯状フィルムの一方の面に巻き回された状態に形成された導線の両側腕の導線の中心軸に対しての傾斜角度θが、前記数1の関係にあることを好適としている。
同様に、本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、前記a工程において、絶縁性のフィルムの一方の面に巻き回した状態に形成する導線の両側腕の導線の中心軸に対しての傾斜角度θを、前記数1の関係のようにすることを好適としている。
【0025】
この第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナ及び第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法にあっては、隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側を他方の帯状フィルムの開口端側からその帯状フィルムの内方に入れ込んだ状態に順に並べて配置した際に、導線の両側腕の導線の中心軸に対しての傾斜角度θを、前記数1のように設定することにより、 L4 <2/L2 とすることができる。
ここで、L2 は、帯状フィルムの導線の両側腕の間を繋ぐ導線の継合腕の最内側縁から導線の両側腕の最上端側縁までの距離を示し、L4 は、隣合う一方の帯状フィルムの導線の継合腕の最内側縁から他方の帯状フィルムの導線の継合腕の最外側縁までの距離を示す。
その結果、絶縁性のフィルムから帯状フィルムを切り出す際の帯状フィルムの材料取りの配置状態を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側を、他方の帯状フィルムの開口端側からその帯状フィルムの内方に隙間少なく深く入れ込んだ状態に順に並べて配置できる。そして、その隣合う一方の帯状フィルムの周囲側縁とそれに対向する他方の帯状フィルムの周囲側縁との間の距離を、ほぼ極限状態まで充分に狭めることができる。そして、その絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルムを、無駄に捨てる絶縁性のフィルム部分を充分に少なく抑えて、切り出すことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
図1と図2は本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの好適な実施の形態を示し、図1はその平面図、図2はその帯状フィルムの平面図である。以下に、この第1の非接触型ICカード用アンテナを説明する。
【0027】
図2において、10は、開口端側10aがハの字状に広がったほぼU字形をなす折曲可能な絶縁性の帯状フィルムである。帯状フィルム10は、エポキシ系樹脂、ポリイミド樹脂を用いて形成されている。
【0028】
帯状フィルム10の表面には、導線20が帯状フィルム10の形状に倣って、ほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回された状態に形成されている。
導線20は、Cu、カーボン等のフィラーが混入された導電性ペーストを用いて形成されたり、帯状フィルム10を切り出す絶縁性のフィルム(図示せず)の一方の面に形成された銅箔をエッチングして形成されたりしている。
【0029】
渦巻き状に巻き回された状態に形成された導線20よりも内側の帯状フィルム10のほぼ中央の長手方向には、同じ図2に示したように、帯状フィルム10の形状に倣って、ほぼU字形の切込み線12が連続して刻設されている。そして、図1に示したように、その切込み線12の両端又はその近くから、切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14が、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16に対して、帯状フィルム10の下側を通して帯状フィルムの開口端側10aに180度の折り返されている。そして、その切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16とにより、ループ状の帯枠50が形成されている。そして、その帯枠50の切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面とに亙って、導線20が、帯枠50の形状に倣って、ほぼ渦巻き状に一重以上(図では二重)に巻き回されてなるアンテナ用コイル80が配置されている。
【0030】
図1と図2に示した第1の非接触型ICカード用アンテナは、以上のように構成されている。
【0031】
図3は本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの好適な実施の形態を示し、図3はその平面図である。以下に、この第2の非接触型ICカード用アンテナを説明する。
【0032】
この第2の非接触型ICカード用アンテナにおいては、図3に示したように、切込み線12の両端又はその近くから、切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14が、帯状フィルム10よりも内側の切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16に対して、帯状フィルム10の上側を通して、帯状フィルムの開口端側10aに180度に折り返されている。そして、ループ状の帯枠50が形成されている。そして、その帯枠50の切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面とに亙って、導線20がほぼ渦巻き状に一重以上に巻き回されてなるアンテナ用コイル80が配置されている。
【0033】
導線20が形成された帯状フィルム10の一方の面は、絶縁層60で覆われている。そして、帯枠50の切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面とに亙って配置されたアンテナ用コイル80が絶縁層60で連続して覆われている。
絶縁層60は、エポキシ系樹脂、ポリイミド樹脂等を用いて、スピンコート法、ロールコート法等により、導線20が形成された帯状フィルム10の一方の面に連続して形成されている。
【0034】
その他は、図1と図2に示した前述の第1の非接触型ICカード用アンテナと同様に構成されている。
【0035】
この第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナにおいては、図4に示したように、絶縁性のフィルム100から複数の帯状フィルム10を切り出す際の帯状フィルム10の材料取りの配置状態を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側10bを、他方の帯状フィルムの開口端側10aからその帯状フィルム10の内方に隙間少なく深く入れ込んだ状態に順に並べて配置できる。そして、その絶縁性のフィルム100から複数の帯状フィルム10を、無駄に捨てる絶縁性のフィルム100部分を充分に少なく抑えて、切り出すことができる。
【0036】
また、第1の非接触型ICカード用アンテナにおいては、図5に示したように、その上下に重なり合う切込み線12よりも内側の帯状フィルム14部分の裏面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分との間に、絶縁性の帯状フィルム10が介在している。
そのため、その上下に重なり合う切込み線12よりも内側の帯状フィルム14部分の裏面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分とが電気的に短絡するのを防ぐことができる。
【0037】
また、第2の非接触型ICカード用アンテナにおいては、図6に示したように、その上下に重なり合う切込み線12よりも内側の帯状フィルム14部分の裏面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分との間に、帯状フィルム10の一方の面を覆う絶縁層60が介在している。
そのため、その上下に重なり合う切込み線12よりも内側の帯状フィルム14部分の裏面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分とが電気的に短絡するのを防ぐことができる。
【0038】
図7は第1の非接触型ICカード用アンテナの他の好適な実施の形態を示し、図7はその一部拡大側面図である。以下に、この第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法を説明する。
【0039】
図の第1の非接触型ICカード用アンテナにおいては、導線20が形成された帯状フィルム10の一方の面が、絶縁層70で覆われている。そして、帯枠50の切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面とに亙って配置されたアンテナ用コイル80が、絶縁層70で連続して覆われている。
【0040】
その他は、図1と図2に示した前述の第1の非接触型ICカード用アンテナと同様に構成されていて、この第1の非接触型ICカード用アンテナにおいては、帯枠50の切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面とに亙って配置されたアンテナ用コイル80が、外部に露出した状態となって、他の電子回路と電気的に短絡したり、外気に接触して腐蝕等したりするのを防ぐことができる。
【0041】
次に、図1と図2に示した前述の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法であって、本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法の好適な実施の形態を説明する。
【0042】
図8に示したように、折曲可能な絶縁性のフィルム100の一方の面に、導線20を、その開口端側10aがハの字状に広がったほぼU字形をなす渦巻き状に一重以上に巻き回した状態に形成している。
絶縁性のフィルム100は、エポキシ系樹脂、ポリイミド樹脂等から形成している。導線20は、Cu、カーボン等のフィラーを混入してなる導電性ペーストを用いて形成したり、絶縁性のフィルム100の一方の面に形成された銅箔をエッチングして形成したりしている。
そして、本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のa工程を行っている。
【0043】
次いで、同じ図8に示したように、絶縁性のフィルム100を、その内側に導線20を残して、その巻き回した状態に形成した導線20の周囲の形状に倣って、プレス機等を用いて切断している。そして、開口端側10aがハの字状に広がったほぼU字形をなす帯状フィルム10を形成している。
そして、本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のb工程を行っている。
【0044】
次いで、同じ図8に示したように、巻き回した状態に形成した導線20よりも内側の帯状フィルム10のほぼ中央の長手方向に、帯状フィルム10の形状に倣って、ほぼU字形の切込み線12を刻設している。切込み線12は、プレス機等を用いて帯状フィルム10よりも内側に刻設している。
そして、本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のc工程を行っている。
なお、本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、そのb工程の前に、c工程を行うことも可能である。
【0045】
その後、図1に示したように、切込み線12の両端又はその近くから、切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14を、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16に対して、帯状フィルム10の下側を通して、帯状フィルムの開口端側10aに180度に折り返している。そして、その切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16とにより、ループ状の帯枠50を形成している。そして、その帯枠50の切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面とに亙って、導線20をほぼ渦巻き状に巻き回してなるアンテナ用コイル80を配置している。
切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14は、トランスファーマシン等を用いて、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16に対して、折り返している。
そして、本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のd工程を行っている。
【0046】
図8と図1に示した第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法は、以上の工程からなる。
【0047】
次に、図3に示した第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法であって、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法の好適な実施の形態を説明する。
【0048】
この第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、前述の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法と同様にして、図8に示したように、折曲可能な絶縁性のフィルム100の一方の面に、導線20を、その開口端側10aがハの字状に広がったほぼU字形をなす渦巻き状に一重以上に巻き回した状態に形成している。
そして、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のa工程を行っている。
【0049】
次いで、その導線20を形成した絶縁性のフィルム100の一方の面を、絶縁層60で覆っている。
絶縁層60は、エポキシ系樹脂、ポリイミド樹脂等を用いて、スピンコート法、ロールコート法により、導線20を形成した絶縁性のフィルム10の一方の面に連続して形成している。
そして、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のb工程を行っている。
【0050】
次いで、同じ図8に示したように、絶縁性のフィルム100を、その内側に導線20を残して、巻き回した状態に形成した導線20の周囲の形状に倣って、プレス機等を用いて切断している。そして、開口端側10aがハの字状に広がったほぼU字形をなす帯状フィルム10を形成している。
そして、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のc工程を行っている。
【0051】
次いで、同じ図8に示したように、巻き回した状態に形成した導線20よりも内側の帯状フィルム10のほぼ中央の長手方向に、帯状フィルム10の形状に倣って、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形の切込み線12を刻設している。
そして、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のd工程を行っている。
なお、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、そのc工程の前に、d工程を行うことも可能である。
【0052】
その後、図3に示したように、切込み線40の両端又はその近くから、切込み線40よりも内側の帯状フィルム部分14を、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16に対して、帯状フィルム10の上側を通して、帯状フィルムの開口端側10aに180度に折り返している。そして、その切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16とにより、ループ状の帯枠50を形成している。
切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14は、トランスファーマシン等を用いて、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16に対して、折り返している。
そして、その帯枠50の切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面とに亙って、導線20をほぼ渦巻き状に巻き回してなるアンテナ用コイル80を配置している。
そして、本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法のe工程を行っている。
【0053】
図8と図3に示した第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法は、以上の工程からなる。
【0054】
この第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、帯状フィルム10が、その開口端側10aがハの字状に広がったほぼU字形をなしている。
そのため、図4に示したように、絶縁性のフィルム100から複数の帯状フィルム10を切り出す際の帯状フィルム10の材料取りの配置状態を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側10bを、他方の帯状フィルムの開口端側10aからその帯状フィルム10の内方に隙間少なく深く入れ込んだ状態に順に並べて配置できる。そして、その絶縁性のフィルム100から複数の帯状フィルム10を、無駄に捨てる絶縁性のフィルム100部分を少なく抑えて、切り出すことができる。
【0055】
また、第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、そのd工程において、切込み線12の両端又はその近くから、切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14を、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16に対して、帯状フィルム10の下側を通して、帯状フィルムの開口端側10aに180度に折り返した際に、図5に示したように、その上下に重なり合う切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分との間に、絶縁性の帯状フィルム10を介在させることができる。そして、その上下に重なり合う切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分とが電気的に短絡するのを防ぐことができる。
【0056】
また、第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、そのe工程において、切込み線12の両端又はその近くから、切込み線よりも内側12の帯状フィルム部分14を、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16に対して、帯状フィルム10の上側を通して、帯状フィルムの開口端側10aに180度に折り返した際に、図6に示したように、その上下に重なり合う切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分との間に、帯状フィルム10の一方の面を覆う絶縁層60を介在させることができる。そして、その上下に重なり合う切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分と、切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面に形成されたアンテナ用コイル80の導線20部分とが電気的に短絡するのを防ぐことができる。
【0057】
図8と図1に示した前述の第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、そのb工程の前に、そのa工程において、導線20を形成した絶縁性のフィルム100の一方の面を絶縁層70で連続して覆うことを好適としている。
【0058】
この第1の非接触型ICカード用アンテナの製造方法にあっては、そのd工程において、帯枠50の切込み線12よりも内側の帯状フィルム部分14の裏面と切込み線12よりも外側の帯状フィルム部分16の表面とに亙って、導線20をほぼ渦巻き状に巻き回してなるアンテナ用コイル80を配置した際に、図7に示したように、そのアンテナ用コイル80を絶縁層70で覆うことができる。そして、そのアンテナ用コイル80が、外部に露出した状態となって、他の電子回路と電気的に短絡したり、外気に接触して腐蝕等したりするのを防ぐことができる。
【0059】
また、本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナにおいては、帯状フィルム10の一方の面に渦巻き状に巻き回された状態に形成された導線20の両側腕の導線20の中心軸52に対しての傾斜角度θが、前記数1の関係にあることを好適としている。
同様に、本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法においては、そのa工程において、絶縁性のフィルム100の一方の面に渦巻き状に巻き回した状態に形成する導線20の両側腕の導線20の中心軸52に対しての傾斜角度θを、前記数1の関係のようにすることを好適としている。
数1において、Wは、導線20の幅を示し、Sは、隣合う導線20の内側縁間の距離を示し、nは、導線20の巻き回数を示し、SS は、複数の帯状フィルム10を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側10bを他方の帯状フィルムの開口端側10aからその帯状フィルム10の内方に入れ込んだ状態に順に並べて配置した場合における、隣合う帯状フィルムの導線20の対向する最内側縁と最外側縁との間の距離、及び該距離と同一距離に設定された帯状フィルムの導線20の対向する最内側縁の間の距離を示し、L2 は、帯状フィルムの導線20の両側腕の間を繋ぐ導線20の継合腕の最内側縁から導線20の両側腕の最上端側縁までの距離を示す。
【0060】
この第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナ及び第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法にあっては、図9に示したように、隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側10bを他方の帯状フィルムの開口端側10aからその帯状フィルム10の内方に入れ込んだ状態に順に並べて配置した際に、導線20の両側腕の導線20の中心軸52に対しての傾斜角度θを、前記数1のように設定することにより、 L4 <2/L2 とすることができる。
ここで、L4 は、隣合う一方の帯状フィルムの導線20の継合腕の最内側縁から他方の帯状フィルムの導線20の継合腕の最外側縁までの距離を示す。
その結果、絶縁性のフィルム100から帯状フィルム10を切り出す際の帯状フィルム10の材料取りの配置状態を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側10bを、他方の帯状フィルムの開口端側10aからその帯状フィルム10の内方に隙間少なく深く入れ込んだ状態に順に並べて配置できる。そして、その隣合う一方の帯状フィルム10の周囲側縁とそれに対向する他方の帯状フィルム10の周囲側縁との間の距離を、ほぼ極限状態まで充分に狭めることができる。そして、その絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルム10を、無駄に捨てる絶縁性のフィルム100部分を充分に少なく抑えて、切り出すことができる。
【0061】
本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナ、及び本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法により形成した第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナが非接触型ICカードに使用される場合には、図10に示したように、そのアンテナ用コイル80の導線の開口端20a、20bに、半導体チップ200がフリップチップボンディング、ワイヤボンディング等されて接続される。そして、図11に示したように、その半導体チップ200が接続されたアンテナ用コイル80が形成された帯枠50が、その両面から絶縁性の接着層310付の絶縁フィルム300により挟み込まれて気密に覆われた状態で使用される。絶縁フィルム300には、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなるフィルムが用いられる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の非接触型ICカード用アンテナによれば、絶縁性のフィルムからアンテナを形成するための複数の帯状フィルムを切り出す際の帯状フィルムの材料取りの配置状態を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側を、他方の帯状フィルムの開口端側から帯状フィルムの内方に深く入れ込んだ状態に順に並べて配置できる。そして、その絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルムを、無駄に捨てる絶縁性のフィルム部分を少なく抑えて、切り出すことができる。
【0063】
また、本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法によれば、絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルムを切り出す際の帯状フィルムの材料取りの配置状態を、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側を、他方の帯状フィルムの開口端側からその帯状フィルムの内方に隙間少なく深く入れ込んだ状態に順に並べて配置できる。そして、その絶縁性のフィルムから複数の帯状フィルムを、無駄に捨てる絶縁性のフィルム部分を少なく抑えて、切り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの平面図である。
【図2】本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの帯状フィルムの平面図である。
【図3】本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの平面図である。
【図4】本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの帯状フィルムの材料取り状態を示す平面図である。
【図5】本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの一部拡大側面図である。
【図6】本発明の第2の非接触型ICカード用アンテナの一部拡大側面図である。
【図7】本発明の第1の非接触型ICカード用アンテナの一部拡大側面図である。
【図8】本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法の工程説明図である。
【図9】本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナ及び本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの製造方法の数1の関係を示す説明図である。
【図10】本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナの使用状態説明図である。
【図11】本発明の第1又は第2の非接触型ICカード用アンテナを用いたICカードの構造説明図である。
【図12】従来の非接触型ICカード用アンテナの平面図である。
【図13】従来の非接触型ICカード用アンテナの製造工程説明図である。
【図14】従来の非接触型ICカード用アンテナの平面図である。
【符号の説明】
10 帯状フィルム
12 切込み線
14 切込み線よりも内側の帯状フィルム部分
16 切込み線よりも外側の帯状フィルム部分
20 導線
50 帯枠
52 導線の中心軸
60、70 絶縁層
80 アンテナ用コイル
100 絶縁性のフィルム

Claims (8)

  1. 開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす折曲可能な絶縁性の帯状フィルムの一方の面に導線が帯状フィルムの形状に倣ってほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回された状態に形成され、その巻き回された状態に形成された導線よりも内側の帯状フィルムのほぼ中央の長手方向に、ほぼU字形の切込み線が刻設されて、該切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分が、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの下側を通して帯状フィルムの開口端側に180度に折り返され、その折り返された切込み線よりも内側の帯状フィルム部分と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分とにより、ループ状の帯枠が形成されて、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、前記導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルが配置されたことを特徴とする非接触型ICカード用アンテナ。
  2. 前記導線が形成された帯状フィルムの一方の面が絶縁層で覆われた請求項1記載の非接触型ICカード用アンテナ。
  3. 開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす折曲可能な絶縁性の帯状フィルムの一方の面に導線が帯状フィルムの形状に倣ってほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回された状態に形成されて、その導線が形成された帯状フィルムの一方の面が絶縁層で覆われ、その巻き回された状態に形成された導線よりも内側の帯状フィルムのほぼ中央の長手方向に、ほぼU字形の切込み線が刻設されて、該切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分が、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの上側を通して帯状フィルムの開口端側に180度に折り返され、その折り返された切込み線よりも内側の帯状フィルム部分と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分とにより、ループ状の帯枠が形成されて、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、前記導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルが配置されたことを特徴とする非接触型ICカード用アンテナ。
  4. 前記帯状フィルムの一方の面に巻き回された状態に形成された導線の両側腕の導線の中心軸に対しての傾斜角度θが、次の数1の関係にある請求項1、2又は3記載の非接触型ICカード用アンテナ。
    Figure 0004111477
    数1において、Wは、導線の幅を示し、Sは、隣合う導線の内側縁間の距離を示し、nは、導線の巻き回数を示し、SS は、複数の帯状フィルムを、その隣合う一方の帯状フィルムの閉口端側を他方の帯状フィルムの開口端側からその帯状フィルムの内方に入れ込んだ状態に順に並べて配置した場合における、隣合う帯状フィルムの導線の対向する最内側縁と最外側縁との間の距離、及び該距離と同一距離に設定された帯状フィルムの導線の対向する最内側縁の間の距離を示し、L2 は、帯状フィルムの導線の両側腕の間を繋ぐ導線の継合腕の最内側縁から導線の両側腕の最上端側縁までの距離を示す。
  5. 次の工程を含むことを特徴とする非接触型ICカード用アンテナの製造方法。
    a.折曲可能な絶縁性のフィルムの一方の面に、導線をその開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回した状態に形成する工程。
    b.前記絶縁性のフィルムを、その内側に前記導線を残して、巻き回した状態に形成した導線の周囲の形状に倣って切断して、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす帯状フィルムを形成する工程。
    c.前記巻き回した状態に形成した導線よりも内側の帯状フィルムのほぼ中央の長手方向に、帯状フィルムの形状に倣って、ほぼU字形の切込み線を刻設する工程。
    d.前記切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分を、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの下側を通して帯状フィルムの開口端側に180度に折り返して、その折り返した切込み線よりも内側の帯状フィルム部分と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分とにより、ループ状の帯枠を形成して、その帯枠の切込み線よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、前記導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルを配置する工程。
  6. 前記b工程の前に、前記a工程において、前記導線を形成した絶縁性のフィルムの一方の面を絶縁層で覆う請求項5記載の非接触型ICカード用アンテナの製造方法。
  7. 次の工程を含むことを特徴とする非接触型ICカード用アンテナの製造方法。
    a.折曲可能な絶縁性のフィルムの一方の面に、導線をその開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす渦巻き状に巻き回してなる状態に形成する工程。
    b.前記導線を形成した絶縁性のフィルムの一方の面を絶縁層で覆う工程。
    c.前記絶縁性のフィルムを、その内側に前記導線を残して、巻き回した状態に形成した導線の周囲の形状に倣って切断して、開口端側がハの字状に広がったほぼU字形をなす帯状フィルムを形成する工程。
    d.前記巻き回した状態に形成した導線よりも内側の帯状フィルムのほぼ中央の長手方向に、帯状フィルムの形状に倣って、ほぼU字形の切込み線を刻設する工程。
    e.前記切込み線の両端又はその近くから、切込み線よりも内側の帯状フィルム部分を、切込み線よりも外側の帯状フィルム部分に対して、帯状フィルムの上側を通して帯状フィルムの開口端側に180度に折り返して、その折り返した切込み線よりも内側の帯状フィルム部分と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分とにより、ループ状の帯枠を形成して、その帯枠の切込よりも内側の帯状フィルム部分の裏面と切込み線よりも外側の帯状フィルム部分の表面とに亙って、導線がほぼ渦巻き状に巻き回されてなるアンテナ用コイルを配置する工程。
  8. 前記a工程において、前記絶縁性のフィルムの一方の面に巻き回した状態に形成する導線の両側腕の導線の中心軸に対しての傾斜角度θを、前記数1の関係のようにする請求項5、6又は7記載の非接触型ICカード用アンテナの製造方法。
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