JP6610850B1 - 無線通信デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

無線通信デバイス10は、折り返した状態の基材シート12と、基材シート12の第1の主面12aに設けられた第1の導体パターン14と、第1の主面12aに対して対向する基材シート12の第2の主面12bに設けられた第2の導体パターンと、第1の導体パターン14と電気的に接続するように基材シートに設けられたRFICチップと、第1の導体パターン14における基材シート12の転回部12cに近い端部と第2の導体パターンにおける転回部12cに近い端部とに対して部分的に重なるように、転回部12cに貼り付けられたシート状の接続導体18とを有する。

Description

本発明は、物品の金属面に取り付けても無線通信可能な無線通信デバイス、およびその製造方法に関する。
例えば、対向し合う2つの導体パターンを備えることによって物品の金属面に取り付けても無線通信可能な無線通信デバイスが特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された無線通信デバイスは、一面の略全体に金属パターンを備える帯状の誘電体素体をその金属面を外側にして折り返すことによって構成されている。
特許第5170156号公報
しかしながら、特許文献1に記載された無線通信デバイスの場合、無線通信デバイスの低背化をおこなう上で、誘電体素体の厚みが薄くなると、誘電体素体の転回部上の金属パターンにクラックが発生する可能性がある。具体的には、折り返しによって誘電体素体に伸びが生じることによってその部分上の金属パターンにも伸びが生じ、その結果として誘電体素体の転回部上の金属パターンにクラックや断線が発生する。断線の場合は無線通信デバイスが動作しなくなり、クラックの発生の場合は転回部における金属パターンのインダクタンス値や抵抗値が、クラックが発生していない場合に比べて増加し、無線通信デバイスの通信特性、例えば通信周波数が変化する。その結果、複数の無線通信デバイスにおいて、クラックの発生の有無や程度に応じて、通信特性にバラツキが生じる。
そこで、本発明は、対向し合う2つの導体パターンを備え、物品の金属面に取り付けても無線通信可能な無線通信デバイスにおいて、通信特性のバラツキの発生を抑制することを課題とする。
上記技術的課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
折り返した状態の基材シートと、
前記基材シートの第1の主面に設けられた第1の導体パターンと、
前記第1の主面に対して対向する前記基材シートの第2の主面に設けられた第2の導体パターンと、
前記第1の導体パターンと電気的に接続するように前記基材シートに設けられたRFICチップと、
前記第1の導体パターンにおける前記基材シートの転回部に近い端部と前記第2の導体パターンにおける前記転回部に近い端部とに対して部分的に重なるように、前記転回部に貼り付けられたシート状の接続導体と、を有する、
無線通信デバイスが提供される。
また、本発明の別態様によれば、
無線通信デバイスの製造方法であって、
基材シートの同一表面上に間隔をあけて離れるように第1の導体パターンと第2の導体パターンとを設け、
間隔をあけて離れる前記第1の導体パターンの端部と前記第2の導体パターンの端部とに部分的に重なるように、前記第1および第2の導体パターン間に位置する基材シートの部分にシート状の接続導体を貼り付け、
前記第1の導体パターンと第2の導体パターンとの間で且つ前記第1および第2の導体パターンを外側にして前記基材シートを前記接続導体とともに折り返し、
折り返しによって対向し合う前記基材シートの部分を互いに貼り合わせ、
前記第1の導体パターンと電気的に接続するようにRFICチップを前記基材シートに設ける、
無線通信デバイスの製造方法が提供される。
本発明によれば、対向し合う2つの導体パターンを備え、物品の金属面に取り付けても無線通信可能な無線通信デバイスにおいて、通信特性のバラツキの発生を抑制することができる。
第1の主面側から見た、本発明の一実施の形態に係る無線通信デバイスの斜視図 第2の主面側から見た、無線通信デバイスの斜視図 RFICモジュールの分解斜視図 無線通信デバイスの等価回路図 無線通信デバイスの製造方法における一工程を示す図 図5Aの工程に続く工程を示す図 図5Bの工程に続く工程を示す図 図5Cの工程に続く工程を示す図 図5Dの工程に続く工程を示す図 基材シート材料への接続導体材料の取り付けを示す部分断面図 基材シートが長手方向の中心で折り返された状態の無線通信デバイスの側面図 基材シートが長手方向の中心から第1の導体パターン側にずれた位置で折り返された状態の無線通信デバイスの側面図 基材シートが長手方向の中心から第2の導体パターン側にずれた位置で折り返された状態の無線通信デバイスの側面図 第2の主面側から見た、別の実施の形態に係る無線通信デバイスの斜視図 溝が形成された基材シート材料の斜視図 さらに別の実施の形態に係る無線通信デバイスの斜視図 異なる実施の形態に係る無線通信デバイスにおける、基材シートへの接続導体の取り付けを示す部分断面図 異なる第1の導体パターンを備える一例の無線通信デバイスの斜視図 異なる第1の導体パターンを備える別例の無線通信デバイスの斜視図 異なる第1の導体パターンを備えるさらに別例の無線通信デバイスの斜視図
本発明の一態様の無線通信デバイスは、折り返した状態の基材シートと、前記基材シートの第1の主面に設けられた第1の導体パターンと、前記第1の主面に対して対向する前記基材シートの第2の主面に設けられた第2の導体パターンと、前記第1の導体パターンと電気的に接続するように前記基材シートに設けられたRFICチップと、前記第1の導体パターンにおける前記基材シートの転回部に近い端部と前記第2の導体パターンにおける前記転回部に近い端部とに対して部分的に重なるように、前記転回部に貼り付けられたシート状の接続導体と、を有する。
このような態様によれば、対向し合う2つの導体パターンを備え、物品の金属面に取り付けても無線通信可能な無線通信デバイスにおいて、通信特性のバラツキの発生を抑制することができる。
例えば、厚さおよび幅の少なくとも1つについて、前記接続導体が前記第1および第2の導体パターンに比べて大きくてもよい。これにより、接続導体にクラックが生じても、無線通信デバイスの通信特性に与える影響を小さくすることができる。
例えば、前記基材シートにおける互いに対向し合う部分が、前記基材シートに比べて低い誘電率を備える介在部材を挟んでいてもよい。これにより、第1の導体パターンと第2のパターンとの間の容量を小さくすることができ、その結果、無線通信デバイスの通信距離が長くなる。
例えば、前記RFICチップと整合回路とを含むRFICモジュールを有し、前記RFICモジュールが、前記第1の導体パターンに対して前記整合回路を介して前記RFICチップが電気的に接続されるように前記基材シートに設けられてもよい。
本発明の別態様の無線通信デバイスの製造方法において、基材シートの同一表面上に間隔をあけて離れるように第1の導体パターンと第2の導体パターンとを設け、間隔をあけて離れる前記第1の導体パターンの端部と前記第2の導体パターンの端部とに部分的に重なるように、前記第1および第2の導体パターン間に位置する基材シートの部分にシート状の接続導体を貼り付け、前記第1の導体パターンと第2の導体パターンとの間で且つ前記第1および第2の導体パターンを外側にして前記基材シートを前記接続導体とともに折り返し、折り返しによって対向し合う前記基材シートの部分を互いに貼り合わせ、前記第1の導体パターンと電気的に接続するようにRFICチップを前記基材シートに設ける。
このような態様によれば、対向し合う2つの導体パターンを備え、物品の金属面に取り付けても無線通信可能な無線通信デバイスにおいて、通信特性のバラツキの発生を抑制することができる。
例えば、厚さおよび幅の少なくとも1つについて、前記接続導体が前記第1および第2の導体パターンに比べて大きくてもよい。これにより、接続導体にクラックが生じても、無線通信デバイスの通信特性に与える影響を小さくすることができる。
例えば、前記基材シートにおける互いに対向し合う部分が、前記基材シートに比べて低い誘電率を備える介在部材を挟んでいてもよい。これにより、第1の導体パターンと第2のパターンとの間の容量を小さくすることができ、その結果、無線通信デバイスの通信距離が長くなる。
例えば、前記RFICチップと整合回路とを含むRFICモジュールを有し、
前記RFICモジュールが、前記第1の導体パターンに対して前記整合回路を介して前記RFICチップが電気的に接続されるように前記基材シートに設けられてもよい。
例えば、前記接続導体を接着剤が介在した状態で前記基材シートに貼り付け、前記接着剤の硬化が完了する前に、前記基材シートを前記接続導体とともに折り返してもよい。これにより、接続導体におけるクラックの発生を抑制することができる。
例えば、前記基材シートの厚さ方向視で、前記第2の導体パターンが、前記第1の導体パターンに比べて大きくてもよい。これにより、基材シートの折り返し位置がずれても、第1の導体パターン全体が第2の導体パターンに対向することができる。それにより、第1の導体パターンと第2の導体パターンとの間の容量を所定値に維持することができ、無線通信デバイスの通信特性のバラツキを抑制することができる。
例えば、前記第1および第2の導体パターンとの間に位置する前記基材シートの部分に溝を設け、前記溝に沿って前記基材シートが折り返されてもよい。これにより、基材シートの折り返し位置のバラツキが抑制される。
例えば、基材シート材料に複数組の前記第1および第2の導体パターンを、前記第1の導体パターンと対応する第2の導体パターンの並び方向に対して直交方向に並べて設け、各組における間隔をあけて離れる前記第1の導体パターンの端部と前記第2の導体パターンの端部とに部分的に重なるように、前記第1および第2の導体パターン間に位置する基材シート材料の部分に、帯状の接続導体材料を貼り付け、各組における前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間で且つ前記第1および第2の導体パターンを外側にして前記基材シート材料を前記接続導体材料とともに折り返し、折り返しによって対向し合う前記基材シート材料の部分を互いに貼り合わせ、複数の前記第1の導体パターンそれぞれと電気的に接続するように複数の前記RFICチップを前記基材シート材料に設け、複数の前記RFICチップが設けられて折り返した状態の前記基材シート材料を、複数の無線通信デバイスに切断する、無線通信デバイスの製造方法であってもよい。
例えば、前記基材シート材料が、ロールシートであってもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、本発明の一実施の形態に係る無線通信デバイスを示す斜視図である。なお、図中において、X−Y−Z座標系は、発明の理解を容易にするためのものであって、発明を限定するものではない。X軸方向は無線通信デバイスの幅方向を示し、Y軸方向は長手方向を示し、Z軸方向は厚さ方向を示している。
図1に示すように、本実施の形態に係る無線通信デバイス10は、いわゆるRFID(Radio-Frequency IDentification)タグであって、例えば金属板などの物品の金属面に取り付けられた状態で無線通信可能な金属対応RFIDタグ10である。
図1および図2に示すように、無線通信デバイス10は、基材シート12と、基材シート12に設けられた第1および第2の導体パターン14、16とを備える。基材シート12はまた、第1および第2の導体パターン14、16を電気的に接続する接続導体18と、第1の導体パターン14に電気的に接続されたRFIC(Radio-Frequency Integrated Circuit)モジュール30とを備える。
基材シート12は、シート状の誘電体、例えば、厚さが200μmの発泡PET(ポリエステル)フィルムである。本実施の形態の場合、基材シート12は、折り返した状態である。具体的には、帯状の基材シート12が2つ折りにされ、その互いに対向し合う部分が絶縁性接着剤によって張り合わせられている。これにより、基材シート12は、第1の主面12aと、第1の主面12aに対して対向する第2の主面12bを備えるとともに、長手方向(Y軸方向)の一端に転回部12cを備える基板状に形成されている。言い換えると、基材シート12は、U字形状の転回部12cと、転回部12cの両端それぞれから実質的に同一方向に延在し、第1および第2の主面12a、12bそれぞれを備える一対の部分とを含んでいる。
第1の導体パターン14は、基材シート12の第1の主面12aに設けられた矩形状の導体パターンであって、無線通信デバイス10の放射部として機能する。第1の導体パターン14は、例えば、5〜30μmの厚さのアルミニウムまたは銅のパターンである。本実施の形態の場合、詳細は後述するが、第1の導体パターン14は、エッチングによって第1の主面12aに形成されている。
本実施の形態の場合、第1の導体パターン14は、2パーツで構成されている。具体的には、第1の導体パターン14は、第1の電極部14aと、第1の電極部14aを囲む第2の電極部14bとから構成されている。具体的には、第2の電極部14bが、第1の導体パターン14のほとんどを占めている。また、第2の電極部14bには、開口部14cとその開口部14cから長手方向(Y軸方向)の一端(転回部12cから遠い側の端)に向かって延在するスリット部14dとが形成されている。その開口部14c内に、第2の電極部14bから間隔をあけて離れた状態で第1の電極部14aが配置されている。
本実施の形態の場合、図2に示すように、第2の導体パターン16は、基材シート12の第2の主面12bに設けられた矩形状の導体パターンであって、物品の金属面に対して電気的に接続する接続部として機能する。具体的には、無線通信デバイス10は、物品の金属面に取り付けられた状態で使用される場合、第2の主面12bが物品の金属面に向き合う状態で該物品に取り付けられる。なお、絶縁性の両面テープ(図示せず)を用いて無線通信デバイス10が金属面に取り付けられる場合、第2の導体パターン16は、その絶縁性の両面テープを介在して金属面に対して容量的に接続する(容量結合する)。代わりに、導電性の両面テープ(図示せず)を用いる場合、第2の導体パターン16は、その導電性の両面テープを介在して物品の金属面に対して直流的に接続する。
なお、本明細書では、「直流的な接続」は、2つの対象(ここでは第2の導体パターンと物品の金属面)間を直流が流れることが可能な接続を意味する。一方、「容量的な接続」は、2つの対象間を直流が流れることはできないが、その代わりとしてその2つの対象間に形成された容量によって該2つの対象が容量結合することを意味する。そして、「直流的な接続」と「容量的な接続」とを区別しない場合には、「電気的な接続」が使用される。
本実施の形態の場合、第2の導体パターン16も、第1の導体パターン14と同様に、例えば、5〜30μmの厚さのアルミニウムまたは銅のパターンである。本実施の形態の場合、詳細は後述するが、第2の導体パターン16は、エッチングによって第2の主面12bに形成されている。
なお、本実施の形態の場合、基材シート12の厚さ方向(Z軸方向)視で、第2の導体パターン16は、第1の導体パターン14に比べて大きく形成されている。すなわち、基材シート12の厚さ方向に見た場合に第2の導体パターン16の輪郭内に第1の導体パターン14が配置可能な大きさで、第2の導体パターン16が形成されている。この理由については後述する。
基材シート12の第1の主面12aに設けられた第1の導体パターン14と、第2の主面12bに設けられた第2の導体パターン16は、接続導体18によって電気的に接続されている。詳細は後述するが、本実施の形態の場合、接続導体18は、第1および第2の導体パターン14、16それぞれに対して、容量的に接続する(接続導体18と第1の導体パターン14との間に容量が形成されるとともに、接続導体18と第2の導体パターンとの間に容量が形成される)。
本実施の形態の場合、接続導体18は、シート状であって、例えば厚さが50μmのアルミフィルムである。そのシート状の接続導体18が、第1の導体パターン14における転回部12cに近い端部と第2の導体パターン16における転回部12cに近い端部とに対して部分的に重なるように、基材シート12の転回部12cに貼り付けられている。本実施の形態の場合、接続導体18は、例えばアクリル系接着剤などの絶縁性接着剤によって基材シート12に接着されている。
本実施の形態の場合、接続導体18の幅は、第1および第2の導体パターン14、16の幅に比べて大きい。なお、幅は、第1の導体パターン14、接続導体18、第2の導体パターン16を順に電流が流れる方向またはその逆方向(Y軸方向)に対して直交する方向(X軸方向)のサイズである。また、接続導体18の厚さは、第1および第2の導体パターン14、16の厚さに比べて大きい。このように、第1および第2の導体パターン14、16に比べて、接続導体18の幅や厚さが大きい理由については後述する。
RFICモジュール30は、RFICチップと整合回路とを含むモジュールであって、基材シート12の第1の主面12aに設けられている。また、RFICモジュール30は、第1の導体パターン14に電気的に接続されている、具体的には、本実施の形態の場合、はんだなどを介在することによって直流的に接続されている。このRFICモジュール30のさらなる詳細について説明する。
図3は、RFICモジュールの分解斜視図である。図4は、無線通信デバイスの等価回路図である。
図3および図4に示すように、RFICモジュール30は、所定の通信周波数、例えば900MHz帯、すなわちUHF帯の通信周波数で無線通信を行うデバイスである。
図3に示すように、本実施の形態の場合、RFICモジュール30は、三層からなる多層基板で構成されている。具体的には、RFICモジュール30は、ポリイミドや液晶ポリマなどの樹脂材料から作製されて可撓性を備える絶縁シート32A、32B、および32Cを積層して構成されている。
図3に示すように、RFICモジュール30は、RFIC(Radio-Frequency Integrated Circuit)チップ34と、複数のインダクタンス素子36A、36B、36C、および36Dと、外部接続端子38、40とを有する。本実施の形態1の場合、インダクタンス素子36A〜36Dと外部接続端子38、40は、絶縁シート32A〜32C上に形成され、銅などの導電材料から作製された導体パターンから構成されている。
図3に示すように、RFICチップ34は、絶縁シート32C上の長手方向(Y軸方向)の中央部に実装されている。RFICチップ34は、シリコン等の半導体を素材とする半導体基板に各種の素子を内蔵した構造を有する。また、RFICチップ34は、第1の入出力端子34aと第2の入出力端子34bとを備える。さらに、図4に示すように、RFICチップ34は、内部容量(キャパシタンス:RFICチップ自身が持つ自己容量)C1を備える。
図3に示すように、インダクタンス素子(第1のインダクタンス素子)36Aは、絶縁シート32Cの長手方向(Y軸方向)の一方側で、絶縁シート32C上に渦巻きコイル状に設けられた導体パターンから構成されている。また、図4に示すように、インダクタンス素子36Aは、インダクタンスL1を備える。インダクタンス素子36Aの一端(コイル外側の端)には、RFICチップ34の第1の入出力端子34aに接続されるランド36Aaが設けられている。なお、他端(コイル中心側の端)にも、ランド36Abが設けられている。
図3に示すように、インダクタンス素子(第2のインダクタンス素子)36Bは、絶縁シート32Cの長手方向(Y軸方向)の他方側で、絶縁シート32C上に渦巻きコイル状に設けられた導体パターンから構成されている。また、図4に示すように、インダクタンス素子36Bは、インダクタンスL2を備える。インダクタンス素子36Aの一端(コイル外側の端)には、RFICチップ34の第2の入出力端子34bに接続されるランド36Baが設けられている。なお、他端(コイル中心側の端)にも、ランド36Bbが設けられている。
図3に示すように、インダクタンス素子(第3のインダクタンス素子)36Cは、絶縁シート32Bの長手方向(Y軸方向)の一方側で、絶縁シート32B上に渦巻きコイル状に設けられた導体パターンから構成されている。また、インダクタンス素子36Cは、積層方向(Z軸方向)にインダクタンス素子36Aに対して対向している。さらに、図4に示すように、インダクタンス素子36Cは、インダクタンスL3を備える。インダクタンス素子36Cの一端(コイル中心側の端)には、ランド36Caが設けられている。このランド36Caは、絶縁シート32Bを貫通するスルーホール導体などの層間接続導体42を介して、絶縁シート32C上のインダクタンス素子36Aのランド36Abに接続されている。
図3に示すように、インダクタンス素子(第4のインダクタンス素子)36Dは、絶縁シート32Bの長手方向(Y軸方向)の他方側で、絶縁シート32B上に渦巻きコイル状に設けられた導体パターンから構成されている。また、インダクタンス素子36Dは、積層方向(Z軸方向)にインダクタンス素子36Bに対して対向している。さらに、図4に示すように、インダクタンス素子36Dは、インダクタンスL4を備える。インダクタンス素子36Dの一端(コイル中心側の端)には、ランド36Daが設けられている。このランド36Daは、絶縁シート32Bを貫通するスルーホール導体などの層間接続導体44を介して、絶縁シート32C上のインダクタンス素子36Bのランド36Bbに接続されている。
なお、絶縁シート32B上のインダクタンス素子36C、36Dは、1つの導体パターンとして一体化されている。すなわち、それぞれの他端(コイル外側の端)同士が接続されている。また、絶縁シート32Bには、絶縁シート32C上に実装されたRFICチップ34が収容される貫通穴32Baが形成されている。
図3に示すように、外部接続端子38、40は、絶縁シート32A上に設けられた導体パターンから構成されている。また、外部接続端子38、40は、絶縁シート32Aの長手方向(Y軸方向)に対向している。
一方の外部接続端子38は、絶縁シート32Aを貫通するスルーホール導体などの層間接続導体46を介して、絶縁シート32B上のインダクタンス素子36Cのランド36Caに接続されている。
他方の外部接続端子40は、絶縁シート32Aを貫通するスルーホール導体などの層間接続導体48を介して、絶縁シート32B上のインダクタンス素子36Dのランド36Daに接続されている。
図4に示すように、一方の外部接続端子38は、第1の導体パターン14における第2の電極部14bに、例えばはんだなどを介在して電気的に接続される。同様に、他方の外部接続端子40は、第1の導体パターン14における第1の電極部14aに、例えばはんだなどを介在して電気的に接続される。
なお、RFICチップ34は、半導体基板で構成されている。また、RFICチップ34は、インダクタンス素子36A、36Bの間と、インダクタンス素子36C、36Dの間に存在する。このRFICチップ34がシールドとして機能することにより、絶縁シート32C上に設けられた渦巻コイル状のインダクタンス素子36A、36Bの間での磁界結合および容量結合が抑制される。同様に、絶縁シート32B上に設けられた渦巻コイル状のインダクタンス素子36C、36Dの間での磁界結合および容量結合が抑制される。その結果、通信信号の通過帯域が狭くなることが抑制される。
図4に示すように、容量C1(RFICチップ34の内部容量)とインダクタンスL1〜L4(4つのインダクタンス素子のインダクタンス)により、所定の通信周波数で共振するように、RFICチップ34とその外部の導体(すなわち第1の導体パターン14、第2の導体パターン16、および接続導体18)との間の整合をとる整合回路が構成されている。
これまで説明してきた構成によれば、無線通信デバイス10は、物品に取り付けられていない場合には実質的に第1の導体パターン14を介して、一方、図4に示すように金属面Msに取り付けられている場合には実質的に第1の導体パターン14と金属面Msを介して、外部の無線通信装置(例えば、リーダ/ライタ装置)と電波をやりとりする。すなわち、金属面Msがアンテナとして機能する。なお、図4では、第2の導体パターン16が、金属面Msに対して容量的に接続している(これらの間に容量C2が形成されている)。
例えば、第1の導体パターン14または金属面Msを介して電波を受信すると、これらに起電力が生じ、その起電力によってRFICモジュール30のRFICチップ34が駆動する。駆動したRFICチップ34は、その記憶部に記憶されたデータを、第1の導体パターン14または金属面Msを介して送信する。
また、無線通信デバイス10において、第1の導体パターン14(第1および第2の電極部14a、14b)と第2の導体パターン16とが一定の距離(基材シート12の厚さの2倍)で維持されている。すなわち、第1の導体パターン14の第1の電極部14aと第2の導体パターン16との間の容量C3が一定であるとともに、第2の電極部14bと第2の導体パターン16の間の容量C4が一定である。したがって、無線通信デバイス10が物品に金属面Msに取り付けられても、すなわち第2の導体パターン16と金属面Msとが電気的に接続しても、その接続前と比べて、無線通信デバイス10の電気的特性、特に容量C3、C4がほとんど変化しない。その結果として無線通信デバイス10の共振周波数は、金属面Msに取り付ける前とほぼ変わらない。金属面Msに取り付けた場合、金属面Msをアンテナとして使用することができるので通信距離が長くなる。
ここからは、本実施の形態に係る無線通信デバイス10の製造方法について説明する。
図5A〜図5Eそれぞれは、無線通信デバイスの製造方法における各工程を示している。
図5Aに示すように、基材シート材料50の一方の表面50a全体に、アルミや銅などの導体層52を形成する。なお、基材シート材料50は、後工程において複数に切断され、無線通信デバイス10の基材シート12に加工される。
次に、図5Bに示すように、導体層52を、例えばエッチングなどにより、第1の導体パターン14(第1および第2の電極部14a、14b)と第2の導体パターン16とに加工する。なお、ここでは、4組の第1および第2の導体パターン14,16が形成されている。各組において、第1の導体パターン14と第2の導体パターン16は、同一表面上で間隔をあけて離れるように基材シート材料50に設けられている。また、複数組の第1および第2の導体パターン14、16は、第1の導体パターン14と対応する第2の導体パターン16の並び方向(Y軸方向)に対して直交方向(X軸方向)に並んで設けられている。
続いて、図5Cに示すように、アルミフィルムなどの帯状の接続導体材料54を、基材シート材料50に貼り付ける。接続導体材料54は、後工程において複数に切断され、接続導体18に加工される。具体的には、基材シート材料への接続導体材料の取り付けを示す部分断面図である図6に示すように、アクリル系接着剤などの絶縁性接着剤または絶縁性粘着材56を介在して、接続導体材料54が貼り付けられる。
具体的には、図6に示すように、接続導体材料54は、各組における間隔をあけて離れる第1の導体パターン14の端部と第2の導体パターン16の端部とに部分的に重なるように、第1および第2の導体パターン14、16間に位置する基材シート材料50の部分に、絶縁性接着剤56を介在して貼り付けられる。これにより、図4に示すように、接続導体材料54(すなわち接続導体18)と第1の導体パターン14(その第2の電極部14b)とが容量的に接続する(これらの間に容量C5が形成される)とともに、接続導体18と第2の導体パターン16とが容量的に接続する(これらの間に容量C6が形成される)。
続いて、図5Dに示すように、各組における第1の導体パターン14と第2の導体パターン16との間で且つ第1および第2の導体パターン14、16を外側にして基材シート材料50を、接続導体材料54とともに折り返す。そして、折り返しによって対向し合う基材シート材料50の部分(すなわち折り返された他方の表面50b)を絶縁性接着剤を介在して互いに貼り合わせる。
なお、図6に示すように、接続導体材料54を基材シート材料50に貼り付けるために使用される接着剤が硬化完了に時間(例えば24時間)を要する場合、その接着剤の硬化が完了する前に、基材シート材料50を接続導体材料54とともに折り返すのが好ましい。
これと異なり、基材シート材料50と接続導体材料54との間に介在する接着剤の硬化が完了した後に折り返すと、その折り返しによって基材シート材料50に伸びが生じるとともに、接続導体材料54にも伸びが生じる。このとき、接続導体材料54は、硬化完了した接着剤によって基材シート材料50に固定されているために、基材シート材料50から引っ張り力を受け続けている状態である。そのため、接続導体材料54にクラックが発生しやすい。
折り返し後に接続導体材料54が基材シート材料50から引っ張り力を受けることを抑制するために、接着剤が硬化完了する前に、すなわち基材シート材料50に対して接続導体材料54がスライド可能である間に、基材シート材料50を接続導体材料54とともに折り返すのが好ましい。これにより接続導体材料54(接続導体18)におけるクラックの発生を抑制することができる。また絶縁性接着剤56を絶縁性粘着材に変えることで、接着材が硬化するまでの時間が長くなるので、接続導体材料54を貼り合せ加工後から折り返し加工までの時間を長くすることができる。
続いて、図5Eに示すように、複数の第1の導体パターン14それぞれと電気的に接続するように、複数のRFICモジュール30が基材シート材料50に設けられる。そして、複数のRFICモジュール30が設けられて折り返した状態の基材シート材料50を複数に切断することにより、図1および図2に示す無線通信デバイス10が複数個作製される。
なお、図5A〜図5Eに示す基材シート材料50は、枚葉シートであるが、ロールシートであってもよい。
基材シート材料50がロールシートである場合、ロールから引き出されたシートの部分に対して図5A〜図5Eに示す工程が順番に実行される。この場合、複数のRFICモジュール30が設けられて折り返した状態の基材シート材料50を、複数に切断することなく、再びロール状に巻回してもよい。なお、本実施の形態は、ロールから引き出されたシートの部分をその幅方向に折り返す方法については限定しない。
以上のような本実施の形態によれば、対向し合う2つの導体パターンを備え、物品の金属面に取り付けても無線通信可能な無線通信デバイスにおいて、通信特性のバラツキの発生を抑制することができる。
具体的に説明すると、図1および図2に示すように、基材シート12の第1の主面12a上の第1の導体パターン14と、第2の主面12b上の第2の導体パターン16は、これらと異なる部材である接続導体18によって電気的に接続されている。
したがって、本実施の形態のように、幅や厚さについて第1および第2の導体パターン14、16に比べて大きい接続導体18を使用することが可能である。また接続導体18の厚みを第1および第2の導体パターン14、16に比べて厚くする事で、折り返し加工により電極にクラックが入りにくい厚みにしたり、絶縁性接着剤56を絶縁性粘着材に変更することで、折り返し加工時に接続導体18が摺動できるようにすることで、接続導体18に引っぱり応力がかからない様にすることができる。
また、第1および第2の導体パターン14、16に比べて伸びやすい材料、すなわちクラックが発生しにくい材料として、弾性のある基材に導電性フィラーを混合した導電性フィルムを接続導体18を作製することも可能である。
さらに、本実施の形態のように、接続導体18と第1および第2の導体パターン14、16を容量的に接続することができる。図4に示すように、これらの間に発生した容量C5、C6を調節することにより、すなわち、第1および第2の導体パターン14、16と対向する接続導体18の部分の面積を調節することにより、無線通信デバイス10の通信周波数を調節することも可能である。
このように、互いに対向し合う第1および第2の導体パターン14、16をこれらと異なる接続導体18を介して電気的に接続することにより、複数の無線通信デバイス10において、通信特性のバラツキの発生を抑制することができる。
本実施の形態においてはまた、上述したように、基材シート12の厚さ方向(Z軸方向)視で、第2の導体パターン16は、第1の導体パターン14に比べて大きく形成されている。これにより、折り返し位置にバラツキが生じても、図4に示すように、第1の導体パターン14と第2の導体パターン16との間の容量C3、C4を所定値に維持することができる。このことについて、具体的に説明する。
図7A〜図7Cそれぞれは、基材シートが異なる位置で折り返されている無線通信デバイスを示している。
図7Aは、基材シート12がその長手方向(Y軸方向)の中心で折り返された状態、すなわち転回部12cに対して反対側の基材シート12の両端が一致する状態の無線通信デバイス10を示している。この場合、第1の導体パターン14全体が、第2の導体パターン16に対向する。
図7Bは、基材シート12がその長手方向(Y軸方向)の中心に対して第1の導体パターン14側にずれた位置で折り返された状態、すなわち基材シート12の両端がずれている状態の無線通信デバイス10を示している。この場合も、第2の導体パターン16が第1の導体パターン14に比べて大きく形成されているので、第1の導体パターン14全体が、第2の導体パターン16に対向することができる。
図7Cは、基材シート12がその長手方向(Y軸方向)の中心に対して第2の導体パターン16側にずれた位置で折り返された状態、すなわち基材シート12の両端がずれている状態の無線通信デバイス10を示している。この場合も、第2の導体パターン16が第1の導体パターン14に比べて大きく形成されているので、第1の導体パターン14全体が、第2の導体パターン16に対向することができる。
図7A〜図7Cに示すように、基材シート12の折り返し位置にバラツキが生じても、第2の導体パターン16が第1の導体パターン14に比べて大きく形成されているために、第1の導体パターン14全体が第2の導体パターン16に対向することができる。それにより、折り返し位置にバラツキが生じても、第1の導体パターン14と第2の導体パターン16との間の容量C3、C4を所定値に維持することができる。その結果、無線通信デバイスの通信特性のバラツキを抑制することができる。
なお、折り返された基材シート12の部分が、残りの部分に対して無線通信デバイス10の幅方向(X軸方向)にずれる可能性がある場合、第2の導体パターン16の幅(X軸方向のサイズ)を、第1の導体パターン14の幅に比べて大きくするのが好ましい。
図8は、第2の主面側から見た別の実施の形態に係る無線通信デバイスを示している。
図8に示すように、別の実施の形態に係る無線通信デバイス110において、第2の導体パターン116は、基材シート12の第2の主面12b全体にわたって設けられている。これにより、折り返しによって第1の導体パターン14が幅方向(X軸方向)にずれても、第1の導体パターン14全体が、第2の導体パターン16に対向することができる。
なお、第2の導体パターン16を大きくすると、無線通信デバイス10が絶縁性の両面テープを介在して物品の金属面Msに取り付けられているとき、第2の導体パターン16と金属面Msとが強く容量的に結合する。あるいは、導電性の両面テープが使用される場合には、第2の導体パターン16と金属面Msとの間の抵抗が減少し、この間をより多くの電流が流れる。これらにより、金属面Msからより強い電波が放射され、その結果として通信距離が長くなる。
折り返しのバラツキを抑制するために、すなわち第2の導体パターン16に対する第1の導体パターン14の位置のバラツキを抑制するために、基材シート(基材シート材料)に溝を設けてもよい。
図9は、溝が形成された基材シート材料を示している。
図9に示すように、第1および第2の導体パターン14、16の間に位置する基材シート材料50の一方の表面50aの部分に、基材シート材料50の幅方向(X軸方向)に延在する溝50cが形成されている。溝50cは、基材シート材料50の長手方向(Y軸方向)の中心に設けられている。この溝50cに沿って基材シート材料50が折り返されることにより、折り返し位置のバラツキの発生を抑制することができる。すなわち、第2の導体パターン16に対する第1の導体パターン14の位置のバラツキを抑制することができる。なお、このような溝50cを設ける場合、基材シート12(基材シート材料50)の厚さ方向(Z軸方向)視で、第1および第2の導体パターン14、16の大きさは同一であってもよい。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、基材シート12(基材シート材料50)は、折り返して重なる。しかしながら、本発明に係る実施の形態はこれに限らない。
図10は、さらに別の実施の形態に係る無線通信デバイスを示している。
図10に示すように、別の実施の形態に係る無線通信デバイス210において、基材シート12は折り返し、その折り返しによって互いに対向し合う部分が、介在部材220を挟んでいる。
この介在部材220は、基材シート12に比べて低い誘電率を備える部材である。例えば基材シート12の誘電率が約2.0の発泡PETフィルムである場合、介在部材220は、例えば誘電率が約1.1の発泡オレフィンフィルムである。また例えば、介在部材220は、基材シート12と同一の材料から作製され、基材シート12に比べて高い発泡倍率を備える部材である。
基材シート12に比べて低い誘電率を備える介在部材220により、第1の導体パターン14と第2の導体パターン16との間の容量C3、C4を小さくすることができる。その結果、介在部材220が存在しない場合に比べて、無線通信デバイス210の通信距離が長くなる。
なお、基材シートの折り返しに関して、基材シートは、二つ折りに限らず、三つ折りであってもよい。基材シートの重なり数が増加するほど、第1の導体パターンと第2の導体パターンとの間の容量を小さくすることができる。
また、上述の実施の形態の場合、図6に示すように、接続導体材料54(接続導体18)は、絶縁性接着剤56を介在した状態で、基材シート材料50(基材シート12)に貼り付けられている。しかしながら、本発明に係る実施の形態はこれに限らない。
図11は、異なる実施の形態に係る無線通信デバイスにおける、基材シートへの接続導体の取り付けを示す部分断面図である。
図11に示すように、異なる実施の形態に係る無線通信デバイス310において、接続導体18(接続導体材料54)は、絶縁性または導電性のペースト322を介在した状態で基材シート12(基材シート材料50)上に載置される。すなわち、接続導体18は、第1および第2の導体パターン14、16に対して電気的に接続されているものの、固定されておらず摺動することができる。
接続導体18と第1および第2の導体パターン14、16との間の電気的な接続を維持するために、カバー部材324が、接続導体18に重なっている。カバー部材324の外周縁が、絶縁性の接着剤326を介在した状態で、基材シート12や第1および第2の導体パターン14、16に貼り付けられている。カバー部材324と接続導体18は、互いに接着されておらず、互いに接触している。
このような接続導体18の基材シート12への貼り付けによれば、基材シート12を接続導体18とともに折り返したとき、接続導体18は基材シート12とカバー部材324とに対してスライドする。接続導体18が基材シート12やカバー部材324に固定されていないために、折り返し後において、接続導体18にクラックが発生しにくい。
接続導体に関して、第1の導体パターンと第2の導体パターンとを電気的に接続するシート状の接続導体は、アルミニウムなどの導体単体で作製されているのが好ましい。シート状の接続導体としては、樹脂フィルムなどのシート状部材に導体層を形成することによって作製されたものでも可能である。この場合、導体層を内側にして接続導体を折り返すことで、引っぱり応力の最大点である最外周部を樹脂フィルムにすることができるので、導電層のクラック発生を抑制できる。
さらに、本発明に係る実施の形態は、放射部として機能する第1の導体パターンの形態を限定しない。
図12〜図14それぞれは、異なる第1の導体パターンを備える無線通信デバイスを示している。
図12に示すように、一例の無線通信デバイス410において、第1の導体パターン414は、矩形状であって、開口部414aと、その開口部414aから長手方向(Y軸方向)の一端(基材シート12の転回部12cから遠い側の端)に向かって延在するスリット部414bとを備える。RFICモジュール30は、スリット部414bを跨ぐように、第1の導体パターン414に設けられている。具体的には、スリット部414bを挟んで対向し合う2つの第1の導体パターン414の部分それぞれに、RFICモジュール30の外部接続端子38、40が電気的に接続されている。
図13に示すように、別例の無線通信デバイス510において、第1の導体パターン514は、2パーツで構成されている。具体的には、第1の導体パターン514は、帯状導体パターン514aと、ループ状導体パターン514bとを含んでいる。ループ状導体パターン514bは、C字状であって、その両端それぞれがRFICモジュール30の外部接続端子38、40に電気的に接続されている。また、ループ状導体パターン514bは、帯状導体パターン514aと電気的に接続するために、部分的に帯状導体パターン514aに重ねられている。この重なり具合、すなわち、ループ状導体パターン514bのループ開口を覆う帯状導体パターン514aの面積を調節することにより、無線通信デバイス510の通信特性、例えば周波数の帯域を調節することができる。
図14に示すように、さらに別例の無線通信デバイス610において、第1の導体パターン614は、2パーツで構成されている。具体的には、第1の導体パターン614は、帯状導体パターン614aと、T字状導体パターン614bとを含んでいる。T字状導体パターン614bは、無線通信デバイス610の幅方向(X軸方向)に延在する帯状部614cを備える。その帯状部614cの中央部分に、RFICモジュール30の外部接続端子38、40の一方が電気的に接続されている。RFICモジュール30の他方の外部接続端子は、帯状導体パターン614aの長手方向(Y軸方向)の一端(基材シート12の転回部12cから遠い側の端)に電気的に接続されている。
すなわち、本発明の実施の形態に係る無線通信デバイスは、広義には、折り返した状態の基材シートと、前記基材シートの第1の主面に設けられた第1の導体パターンと、前記第1の主面に対して対向する前記基材シートの第2の主面に設けられた第2の導体パターンと、前記第1の導体パターンと電気的に接続するように前記基材シートに設けられたRFICチップと、前記第1の導体パターンにおける前記基材シートの転回部に近い端部と前記第2の導体パターンにおける前記転回部に近い端部とに対して部分的に重なるように、前記転回部に貼り付けられたシート状の接続導体と、を有する。
また、本発明の実施の形態に係る無線通信デバイスの製造方法は、広義には、基材シートの同一表面上に間隔をあけて離れるように第1の導体パターンと第2の導体パターンとを設け、間隔をあけて離れる前記第1の導体パターンの端部と前記第2の導体パターンの端部とに部分的に重なるように、前記第1および第2の導体パターン間に位置する基材シートの部分にシート状の接続導体を貼り付け、前記第1の導体パターンと第2の導体パターンとの間で且つ前記第1および第2の導体パターンを外側にして前記基材シートを前記接続導体とともに折り返し、折り返しによって対向し合う前記基材シートの部分を互いに貼り合わせ、前記第1の導体パターンと電気的に接続するようにRFICチップを前記基材シートに設ける。
なお、本発明のいくつかの実施の形態を挙げているが、ある実施の形態に対して別の少なくとも1つの実施の形態を全体としてまたは部分的に組み合わせて本発明に係るさらなる実施の形態とすることが可能であることは、当業者にとって明らかである。
本発明は、金属面に取り付けて使用されうるRFIDタグなどの無線通信デバイスに適用可能である。
10 無線通信デバイス
12 基材シート
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 転回部
14 第1の導体パターン
18 接続導体

Claims (13)

  1. 折り返した状態の基材シートと、
    前記基材シートの第1の主面に設けられた第1の導体パターンと、
    前記第1の主面に対して対向する前記基材シートの第2の主面に設けられた第2の導体パターンと、
    前記第1の導体パターンと電気的に接続するように前記基材シートに設けられたRFICチップと、
    前記第1の導体パターンにおける前記基材シートの転回部に近い端部と前記第2の導体パターンにおける前記転回部に近い端部とに対して部分的に重なるように、前記転回部に貼り付けられたシート状の接続導体と、を有する、
    無線通信デバイス。
  2. 厚さおよび幅の少なくとも1つについて、前記接続導体が前記第1および第2の導体パターンに比べて大きい、請求項1に記載の無線通信デバイス。
  3. 前記基材シートにおける互いに対向し合う部分が、前記基材シートに比べて低い誘電率を備える介在部材を挟んでいる、請求項1または2のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
  4. 前記RFICチップと整合回路とを含むRFICモジュールを有し、
    前記RFICモジュールが、前記第1の導体パターンに対して前記整合回路を介して前記RFICチップが電気的に接続されるように前記基材シートに設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
  5. 無線通信デバイスの製造方法であって、
    基材シートの同一表面上に間隔をあけて離れるように第1の導体パターンと第2の導体パターンとを設け、
    間隔をあけて離れる前記第1の導体パターンの端部と前記第2の導体パターンの端部とに部分的に重なるように、前記第1および第2の導体パターン間に位置する基材シートの部分にシート状の接続導体を貼り付け、
    前記第1の導体パターンと第2の導体パターンとの間で且つ前記第1および第2の導体パターンを外側にして前記基材シートを前記接続導体とともに折り返し、
    折り返しによって対向し合う前記基材シートの部分を互いに貼り合わせ、
    前記第1の導体パターンと電気的に接続するようにRFICチップを前記基材シートに設ける、
    無線通信デバイスの製造方法。
  6. 厚さおよび幅の少なくとも1つについて、前記接続導体が前記第1および第2の導体パターンに比べて大きい、請求項5に記載の無線通信デバイスの製造方法。
  7. 前記基材シートにおける互いに対向し合う部分が、前記基材シートに比べて低い誘電率を備える介在部材を挟んでいる、請求項5または6に記載の無線通信デバイスの製造方法。
  8. 前記RFICチップと整合回路とを含むRFICモジュールを有し、
    前記RFICモジュールが、前記第1の導体パターンに対して前記整合回路を介して前記RFICチップが電気的に接続されるように前記基材シートに設けられている、請求項5から7のいずれか一項に記載の無線通信デバイスの製造方法。
  9. 前記接続導体を接着剤が介在した状態で前記基材シートに貼り付け、
    前記接着剤の硬化が完了する前に、前記基材シートを前記接続導体とともに折り返す、請求項5から8のいずれか一項に記載の無線通信デバイスの製造方法。
  10. 前記基材シートの厚さ方向視で、前記第2の導体パターンが、前記第1の導体パターンに比べて大きい、請求項5から9のいずれか一項に記載の無線通信デバイスの製造方法。
  11. 前記第1および第2の導体パターンとの間に位置する前記基材シートの部分に溝を設け、
    前記溝に沿って前記基材シートが折り返される、請求項5から10のいずれか一項に記載の無線通信デバイスの製造方法。
  12. 基材シート材料に複数組の前記第1および第2の導体パターンを、前記第1の導体パターンと対応する第2の導体パターンの並び方向に対して直交方向に並べて設け、
    各組における間隔をあけて離れる前記第1の導体パターンの端部と前記第2の導体パターンの端部とに部分的に重なるように、前記第1および第2の導体パターン間に位置する基材シート材料の部分に、帯状の接続導体材料を貼り付け、
    各組における前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間で且つ前記第1および第2の導体パターンを外側にして前記基材シート材料を前記接続導体材料とともに折り返し、
    折り返しによって対向し合う前記基材シート材料の部分を互いに貼り合わせ、
    複数の前記第1の導体パターンそれぞれと電気的に接続するように複数の前記RFICチップを前記基材シート材料に設け、
    複数の前記RFICチップが設けられて折り返した状態の前記基材シート材料を、複数の無線通信デバイスに切断する、請求項5から11のいずれか一項に記載の無線通信デバイスの製造方法。
  13. 前記基材シート材料が、ロールシートである、請求項12に記載の無線通信デバイスの製造方法。
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