JP4110831B2 - 作物成長調節剤および作物の成長調節方法 - Google Patents

作物成長調節剤および作物の成長調節方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な作物成長調節剤およびそれを用いる作物の成長調節方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
作物の成熟肥大を促進させることにより収量の増大を図ることは農業技術の大きな課題であり、これまでにもこのための多くの方法が考案されてきた。植物成長調節剤の利用によって作物の肥大を促進させ、増収をはかる方法もその1つである。
【0003】
従来、植物成長調節剤の利用によって作物の肥大を促進させ、増収を図る方法として、アブシジン酸を用いる方法が知られている。アブシジン酸類は植物成長調節作用を有する物質として知られている。その作用としては、例えば、カキやリンゴに対する肥大成熟促進などの作用(特開平4−264005号公報、特開平4−264006号公報など)、その他、種子発芽促進、低温障害防止、根系生育促進などが挙げられる。
【0004】
しかしながら、アブシジン酸類は上述のような多種多用な作用がありながら、高価且つ高濃度で作物に作用させる必要があるために、その適用場面が限られていた。例えば、特開平5−139912号公報には、アブシジン酸とジベレリンとを併用した作物成長調節剤が提案されている。この文献に記載された方法においても、高価である天然型のアブシジン酸((+)−2−シス−4−トランス−アブシジン酸、以下、このものを「天然型アブシジン酸」という。)が用いられている。
【0005】
一方、n−プロピル(2−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート(一般名:プロヒドロジャスモン)に代表されるジャスモン酸系化合物を植物に施用すると、植物に対する成長促進、発芽促進、低温障害防止、離層形成促進、収穫果実の裂果防止、花の鮮度保持など多種多彩な作用を生じることが報告され、農業分野への適用が提案されている(WO94/139908号公報、特開平8−113503号公報、特開平11−139908号公報、特開平11−255601号公報、特開平11−299352号公報、特開2000−16902号公報など)。
【0006】
また、WO94/18833号公報には、このものがブドウ果実に対する着色促進や糖度向上作用;バレイショ、イネ、小麦などに対する生育促進作用;イチゴ、トマトなどの果実肥大作用;などの活性を有する旨が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、種々の作物の成長を促進する優れた能力をもつ新規な作物成長調節剤、およびこれを用いる作物の成長調節方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、植物成長調節剤の利用によって作物の肥大を促進させ、増収をはかる方法について鋭意検討を重ねた。その結果、アブシジン酸類とジャスモン酸系化合物とを併用すると、各単剤では見られない著しく優れた果実肥大効果、果実着色向上、糖度向上などの作物の成長調節効果が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
かくして本発明の第1によれば、有効成分として、アブシジン酸類の少なくとも1種と、式(1)
【0010】
【化2】
Figure 0004110831
【0011】
(式中、R1は炭化水素基を表し、R2は水素原子または炭化水素基を表す。)で表されるジャスモン酸系化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする作物成長調節剤が提供される。
また本発明の第2によれば、本発明の作物成長調節剤を作物に施用することを特徴とする作物の成長調節方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の作物成長調節剤および作物の成長調節方法について、詳細に説明する。
1)作物成長調節剤
本発明の作物成長調節剤は、有効成分として、アブシジン酸類の少なくとも1種と前記式(1)で表されるジャスモン酸系化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする。
【0013】
(1)アブシジン酸
本発明で用いるアブシジン酸類は、天然型アブシジン酸および天然型アブシジン酸類縁体である。天然型アブシジン酸類縁体としては、例えば、合成型アブシジン酸、天然型若しくは合成型アブシジン酸の生合成前駆体、または天然型若しくは合成型アブシジン酸の植物代謝物などが挙げられる。
【0014】
用いるアブシジン酸類の具体例としては、天然型アブシジン酸;合成型アブシジン酸(すなわち、(±)−2−シス−4−トランス−アブシジン酸、および/または(±)−2−トランス−4−トランス−アブシジン酸);ゼアキサンチン、アンセラキサンチン、オールトランス−ビオラキサンチン、オールトランス−ネオキサンチン、9’−シス−ネオキサンチン、9’−シス−ビオラキサンチン、キサントキシン、キサントキシン酸、アブシジンアルデヒドなどのアブシジン酸の生合成前駆体;ファゼイン酸類、ジヒドロファゼイン酸類等のアブシジン酸植物代謝物;などが挙げられる。これらの中でも、入手が容易であること、および植物成長調節作用が優れるなどの理由から、天然型アブシジン酸または合成型アブシジン酸の使用が好ましい。アブシジン酸類はそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
アブシジン酸類は、一般の市販品を使用することができる。また、例えば、特開昭63−296697号公報、特開昭63−296696号公報に記載された方法で製造したものを用いることもできる。
【0016】
(2)ジャスモン酸系化合物
本発明においては、アブシジン酸類とともに、前記式(1)で表されるジャスモン酸系化合物を用いる。前記式(1)において、R1は炭化水素基を表す。炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基や炭素数2〜20のアルケニル基などが挙げられる。
【0017】
1の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜20のアルキル基;アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、トランス−2−ペンテニル基、シス−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基などの炭素数2〜20のアルケニル基;などが挙げられる。
【0018】
これらの中でも、Rは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、炭素数4〜5のアルキル基または炭素数4〜5のアルケニル基がより好ましく、n−ペンテニル基が特に好ましい。
【0019】
2は水素原子または炭化水素基を表す。この炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基などが挙げられる。また、Rの炭化水素基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含有するものであってもよい。かかる炭化水素基としては、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基などが挙げられる。
【0020】
前記R2の好ましい具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルブチル基などの炭素数1〜8のアルキル基;アリル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、2−ヘキセニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基;ブロパルギル基、3−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ヘキシニル基などの炭素数2〜8のアルキニル基;ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基などの炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基などが挙げられる。
【0021】
式(1)で表されるジャスモン酸系化合物には、不斉炭素原子に由来する光学異性体が存在し得る。また、R1および/またはRがアルケニル基の場合には、シス−トランスの立体異性体が存在し得る。これらの化合物は、全て本発明で用いることができる。
【0022】
前記式(1)において、R2が炭化水素基、すなわちジャスモン酸エステル化合物の具体例としては、メチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、メチル〔2−(3−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、エチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、エチル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−プロピル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、n−プロピル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−プロピル〔2−(3−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−プロピル〔2−(2−メチル−n−ブチル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−プロピル〔2−(2,2−ジメチルプロピル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、イソプロピル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、
【0023】
イソプロピル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、イソプロピル〔2−(3−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−ブチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、n−ブチル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−ブチル〔2−(3−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、イソブチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、イソブチル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、sec−ブチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、sec−ブチル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、t−ブチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、2−メチルブチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、
【0024】
n−ペンチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、n−ペンチル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−ヘキシル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、n−ヘキシル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−ヘプチル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−オクチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、n−オクチル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、n−デシル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、アリル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、2−ブテニル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、シス−2−ペンテニル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、トランス−2−ヘキセニル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、
【0025】
4−メチル−3−ペンテニル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、シス−3−ヘキセニル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、プロパルギル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、2−ペンチニル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、3−ブチニル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、3−ヘキシニル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、2−ヒドロキシエチル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、
【0026】
2−ヒドロキシプロピル(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート、アリル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、プロパギル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、3−ブテニル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、3−ブチニル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテート、シス−3−ヘキセニル〔2−(2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕アセテートなどが挙げられる。これらのジャスモン酸エステル成分は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
前記式(1)において、R2が水素原子、すなわちジャスモン酸化合物の具体例としては、(2−エチル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、(2−n−プロピル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、(2−イソプロピル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、(2−n−ブチル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、(2−sec−ブチル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、(2−t−ブチル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、(2−n−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、(2−イソペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、〔2−(2−メチル−n−ブチル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、
【0028】
〔2−(1−メチル−n−ブチル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、(2−n−ヘキシル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、(2−イソヘキシル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、〔2−(3−メチル−n−ペンチル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(2−メチル−n−ペンチル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(1−メチル−n−ペンチル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、(2−アリル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、〔2−(3−n−ブテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、(2−イソブテニル−3−オキソ−シクロペンチル)酢酸、〔2−(4−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、
【0029】
〔2−(3−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(トランス−2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(シス−2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(1−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(3−メチル−2−n−ペンテニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(5−n−ヘキセニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(3−n−ヘキセニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸、〔2−(2−n−ヘキセニル)−3−オキソ−シクロペンチル〕酢酸などが挙げられる。
これらのジャスモン酸系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
前記式(1)で表されるジャスモン酸系化合物はいずれも公知の化合物であり、常法に従い製造することができる。例えば、前記式(1)において、R1がn−ペンチル基で、R2がアルキル基であるジャスモン酸エステルは、2−n−ペンチルシクロペンテン−1−オンとマロン酸のアルキルエステルとをマイケル付加させた後、脱炭酸させることにより容易に得ることができる。また、このようにして製造したアルキルエステル体を、常法に従いアルコール類とエステル交換させて別種のエステル体を製造することもできる。また、前記式(1)において、R2が水素原子であるジャスモン酸化合物は、例えば、ジャスモン酸エステルを加水分解することにより得ることができる。
【0031】
本発明の作物成長調節剤中のアブシジン酸類とジャスモン酸系化合物との混合割合は特に制限されず、作物の種類、作用効果および施用方法などに応じて、適宜設定することができる。[アブシジン酸類]:[ジャスモン酸系化合物]の重量比で、通常、1:0.001〜1:1,000,000、好ましくは1:0.01〜1:10,000、より好ましくは1:0.05〜1:1,000、さらに好ましくは1:0.1〜1:100である場合に、作物成長調節作用が特に高い相乗効果を示し好適である。
【0032】
(3)作物成長調節剤
本発明の作物成長調節剤は、上記2成分を有効成分として、通常、固体担体、液体担体および分散剤から選ばれる少なくとも1種と組み合わせて製造することができる。
【0033】
固体担体の好ましい具体例としては、カオリナイト群、モンモリロナイト群、アタパルジャイト群、ジークライドなどで代表されるクレー群、タルク、雲母、葉ロウ石、軽石、バーミキュライト、石こう、炭酸カルシウム、ドロマイト、けいそう土、マグネシウム、石灰、リン石灰、ゼオライト、無水ケイ酸、合成ケイ酸カルシウムなどの無機物質;大豆粉、タバコ粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、でんぷん、結晶セルロース、エステルガム、コーパルガム、ダンマルガムなどの植物性有機物質;クマロン樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル、ケトン樹脂などの合成高分子化合物;カルナバロウ、蜜ロウなどのワックス類;尿素類などが挙げられる。これらの固体担体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
液体担体の好ましい具体例としては、ケロシン、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メチルナフタレンなどのパラフィン系、ナフテン系もしくは芳香族系炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエチレン、モノクロルベンゼン、o−クロルトルエンなどの塩素系炭化水素類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸アミル、エチレングリコールアセテート、ジエチレングリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジエチルなどのエステル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのエーテルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび水などが挙げられる。
【0035】
これらの中でも、炭化水素類、ケトン類、アルコール類、水などが好ましく、特にアルコール類または水がより好ましい。これらの液体担体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
分散剤としては、通常の農薬分野で使用されているものが使用でき、一般的には界面活性剤が用いられる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、非イオン性界面活性剤の使用が好ましい。
【0037】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどの2種以上のアルキレンオキシドのブロック縮重合体;
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコール(C12〜C14)エーテルなどのポリオキシアルキレンエーテル系化合物;
ポリオキシエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエートなどのポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物;
【0038】
グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレエート、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールモノオレエート、ソルビトールジオレエート、ソルビトールトリオレエート、ソルビトールテトラオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、マンニタンモノラウレート、マンニタンモノステアレート、マンニタンジステアレート、マンニタンモノオレエート、ヘキシタンモノラウレート、ヘキシタンモノパルミテート、ヘキシタンモノステアレート、ヘキシタンジステアレート、ヘキシタントリステアレート、ヘキシタンモノオレエート、ヘキシタンジオレエートなどの多価アルコール系脂肪酸エステル化合物;
【0039】
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンマンニタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンマンニタンモノステアレート、ポリオキシエチレンマンニタンモノオレエート、ポリオキシエチレンヘキシタンモノラウレート、ポリオキシエチレンヘキシタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエートなどのポリオキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル化合物;
ポリオキシエチレンアルキルアミンなどのポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物;アルキルアルカノールアミド化合物;などが挙げられる。
【0040】
これらの中でも、アルキレンオキシドが2種以上のブロック縮重合体、ポリオキシアルキレンエーテル系化合物、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物、ポリオキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル化合物、ポリオキシアルキレンエーテル系化合物が好ましく、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物、ポリオキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル化合物、ポリオキシアルキレンエーテル系化合物がより好ましい。これらの分散剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
分散剤の使用量は、固体担体または液体担体のいずれを用いる場合も、全重量中の通常0.1〜60重量%、好ましくは3〜50重量%、より好ましくは5〜45重量%の範囲である。
【0042】
本発明の作物成長調節剤には、必要に応じて、湿展剤、固着剤、崩壊剤などのその他の補助剤を配合することができる。本発明の作物成長調節剤には、必要に応じて、オーキシン、サイトカイニン、インドール酢酸、ジベレリン、エチレンおよびエチレン発生剤などのその他の植物ホルモン剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、殺ダニ剤、農園芸用殺菌剤、土壌殺菌剤、土壌改良剤あるいは殺線虫剤などを配合してもよい。また、肥料やその他の作物成長調節剤を配合することもできる。
【0043】
本発明の作物成長調節剤の製剤形態は特に制限されない。例えば、乳剤、懸濁剤、粉剤、水和剤、顆粒状水和剤、粒剤、ペースト剤、エアゾール剤などの形態が挙げられる。
【0044】
本発明の作物成長調節剤の製剤方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、乳剤は、アブシジン酸類およびジャスモン酸系化合物を分散剤とともにプロパノールなどのアルコール系液体担体によく混合することにより得ることができる。懸濁剤は、アブシジン酸類およびジャスモン酸系化合物を、分散剤を加えて水に分散させることで得ることができる。水和剤は、アブシジン酸類またはジャスモン酸系化合物を液体担体に溶解させ、得られた溶液に分散剤および/または固体担体を加えてよく混合した後、必要に応じて液体担体を除去して得ることができる。ペースト剤は、アブシジン酸類およびジャスモン酸系化合物をラノリンやワセリンなどと混合して得ることができる。
【0045】
本発明の作物成長調節剤中のアブシジン酸類およびジャスモン酸系化合物の含有量は、対象となる作物の種類、施用形態、施用方法、施用時期などに応じて適宜選択される。
【0046】
例えば、固体担体と組み合わせて用いる場合は、アブシジン酸類の含有量は、作物成長調節剤全体に対して、通常0.001〜45重量%、好ましくは0.01〜25重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。また、ジャスモン酸系化合物の含有量は、作物成長調節剤全体に対して、通常0.001〜45重量%、好ましくは0.01〜25重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
【0047】
液体担体と組み合わせて用いる場合は、アブシジン酸類の含有量は、作物成長調節剤全体に対して、通常0.001〜45重量%、好ましくは0.01〜25重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。また、ジャスモン酸系化合物の含有量は、作物成長調節剤全体に対して、通常0.001〜45重量%、好ましくは0.01〜25重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
【0048】
本発明の作物成長調節剤が粉剤やペースト剤の場合には、作物あるいは土壌に直接施用することができる。また、製剤が懸濁剤、水和剤、顆粒水和剤、乳剤などの場合には、水で所定濃度に希釈あるいは分散させた水希釈液を作物に施用することができる。
【0049】
水希釈液は、常法に従って調製することができる。例えば、上記作物成長調節剤の所定量を所定量の水に希釈して得ることができる。
水希釈剤中のアブシジン酸類とジャスモン酸系化合物濃度は、対象となる作物の種類、施用形態、施用方法、施用時期などに応じて適宜選択される。
【0050】
アブシジン酸類の濃度は、通常0.01〜3,000ppm、好ましくは0.1〜1,500ppm、より好ましくは0.1〜1,000ppm、最も好ましくは1〜500ppmの範囲である。また、ジャスモン酸系化合物の濃度は、通常0.01〜1,000ppm、好ましくは0.1〜500ppm、より好ましくは0.5〜300ppm、最も好ましくは1〜100ppmである。アブシジン酸類やジャスモン酸系化合物の濃度が上記範囲内にある場合に、特に優れた作物成長調節作用が発現される。
【0051】
(4)作物の成長調節方法
本発明の作物の成長調節方法は、アブシジン酸類と前記式(1)で表されるジャスモン酸系化合物とを併用して作物に施用することを特徴とする。アブシジン酸類と前記式(1)で表されるジャスモン酸系化合物とを併用して作物に施用する方法としては、(a)本発明の作物成長調節剤を作物に施用する方法、(b)アブシジン酸類とジャスモン酸系化合物とを施用直前に混合して(タンクミックス)、作物に施用する方法、(c)各化合物が作物の成長調節作用を発揮するのに有効な期間内に、別々にアブシジン酸類とジャスモン酸系化合物を作物に施用する方法が挙げられる。これらの中でも、(a)の方法が簡便であり、優れた作物成長調節効果を得ることができるので好ましい。
【0052】
前記(a)の方法を採用する場合には、本発明の作物成長調節剤を作物に施用すればよい。前記(b)および(c)の方法を採用する場合には、アブシジン酸類またはジャスモン酸系化合物を含有する単剤をそれぞれ調製し、各単剤を施用直前、または各々の単剤の効果が持続している期間内、通常1週間以内、好ましくは3日以内、より好ましくは2日以内に両剤を前後して施用する。なお、アブシジン酸類またはジャスモン酸系化合物を含有する単剤は原末であっても、乳剤、懸濁剤、粉剤、水和剤、顆粒状水和剤、粒剤、ペースト剤、エアゾール剤などに製剤化したものであってもよい。
【0053】
作物に施用するときのアブシジン酸類およびジャスモン酸系化合物の濃度は、作物の種類、作用効果、施用方法などに応じて適宜選択されるが、前述のごとく本発明の作物成長調節剤を水希釈液として使用する場合と同様の濃度にするのが、高い作物成長調節効果を望む上で好適である。
【0054】
(5)適用作物
作物に施用するアブシジン酸類とジャスモン酸系化合物との使用割合は、作物の種類、作用効果、施用方法などに応じて適宜選択されるが、前述した本発明の作物成長調節剤のアブシジン酸類とジャスモン酸系化合物との混合割合と同様にするのが、高い相乗効果を望む上で好適である。
【0055】
本発明の作物成長調節剤および作物成長調節方法が適用される作物は特に制限されない。適用対象となる作物としては、例えば、メロン、ブドウ、リンゴ、オウトウ、モモ、カキ、ナシ、ミカン、イチゴなどの実を収穫する果実類;キャベツ、ホウレンソウ、レタス、小松菜、シュンギクなどの葉菜類;ダイコン、ビート、ジャガイモなどの根部を収穫する根菜類;コメ、大麦、小麦、トウモロコシなどの穀類;トマト、ナス、キュウリなどの果菜類;エンドウ、アズキ、ダイズなどの豆類;バラ、キク、ブバルディア、カーネーション、スイートピー、カスミソウ、ガーベラ、ユリ、リンドウ、ラン、グラジオラス、トルコキキョウ、チューリップ、ストック、スターチス、シクラメン、ユキノシタなどの花卉類;チャ、タバコ、ラッカセイ、サトウキビ、コンニャクなどの工芸作物類;などが挙げられる。これらの中でも、果実類、果菜類、葉菜類、根菜類、豆類、穀類、花卉類が好ましく、果実類、果菜類、豆類がより好ましく、果実類が特に好ましい。果実類の中では、果樹類が好ましく、ブドウまたはオウトウが特に好ましい。
【0056】
作物への施用部位は、作物の種類や期待する効果に応じて適宜選択できる。施用部位としては、例えば、種子、花芽、花(花房)、果実(果房)、葉、茎、根部、塊部などが挙げられる。これらの中でも、より効果的な施用部位としては、葉菜類、豆類、穀類などの種子;根菜類、葉菜類、豆類、穀類などの葉や茎;花卉類などの花芽または花芽前駆部(開花促進);果実類の花または花房;果実類の花若しくは花房または果実若しくは果房;などが挙げられる。
【0057】
施用方法は特に制約されず、作物の種類や作用効果などに応じて最も優れた効果が得られる方法を採用することができる。施用方法としては、例えば、浸漬処理する方法、茎葉散布する方法、土壌灌水する方法、果実面に散布する方法、植物体へ注入処理する方法などが挙げられる。
【0058】
(6)作物の成長調節作用
本発明で得られる作物の成長調節作用としては、例えば、発根促進、発芽促進、着花促進、開花促進、生育促進、結実率向上、果実肥大、熟期促進、着色向上、糖度向上、果実落下防止などの作用が挙げられる。これらの中でも、着色向上、発芽促進、開花促進、生育促進、果実肥大、熟期促進などが好ましく、着色向上、生育促進、果実肥大、熟期促進が特に好ましい。
【0059】
(i)発根促進作用および発芽促進作用は、各種作物に適用した場合に得られるものである。これらの作用を得るためには、果菜類、根菜類、葉菜類、豆類、穀類に適用するのが好ましく、根菜類、豆類、穀類に適用するのがより好ましい。この場合の施用方法は特に制限されないが、種子を浸漬処理する方法が好ましい。種子の浸漬処理は、種子を、前記水希釈液と同様のアブシジン酸類およびジャスモン酸系化合物濃度の薬液中に、通常0.1〜48時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは1〜12時間浸漬することにより行われる。
【0060】
(ii)着花促進作用および開花促進作用は、果菜類、葉菜類、花卉類などに適用した場合に得られるものである。これらの作用を得るためには、特に開花に低温処理や長日処理を必要とするイチゴ、ホウレン草などに適用する場合が好ましい。また、例えば、カーネーション、夏菊、シクラメン、プリムラ、ミヤコワスレなどの温室花卉類に適用する場合にも、優れた開花促進作用を得ることができる。この場合の施用方法としては、例えば、花芽分化前の植物体に対して噴霧処理する方法が挙げられる。
【0061】
(iii)生育促進作用は、各種作物に対して適用した場合に得られるものである。この作用を得るためには、果菜類、根菜類、葉菜類、豆類、穀類などに適用する場合が好ましく、葉菜類、根菜類、豆類などに適用する場合がより好ましい。この場合の施用方法としては、例えば、幼葉体(2〜6葉体)の時期または収穫の1〜5週間前、好ましくは2〜3週間位前に葉面散布する方法が挙げられる。
【0062】
(iv)果実肥大作用は、果実類に適用した場合に得られるものである。中でも果樹類に適用する場合が好ましく、ブドウに適用する場合が特に好ましい。適用されるブドウの種類としては格別制限はない。例えば、デラウエア、巨峰、ピオーネ、マスカットベリーA、マスカット・オブ・アレキサンドリア、ネオマスカット、甲州、ヒムロッド、ヒロ・ハンブルク、キャンベル・アーリー、ナイアガラ、高尾などが挙げられる。
【0063】
果実肥大作用を目的にする場合は、アブシジン酸類およびジャスモン酸系化合物(またはこれらを含む製剤)を、花または果実、ブドウの場合は花房または果房に施用する。この場合の施用時期は、開花初期から開花終了までの間、好ましくは満開後およそ4週間の間、より好ましくは満開後1〜3週間の間、最も好ましくは満開後1〜2週間の間である。施用回数は1回から数回である。
【0064】
この場合の施用時期は、満開予定日の4週間前から満開になる前まで、好ましくは満開予定日の1〜3週間前頃、より好ましくは満開予定日の2週間位前に1回以上、および満開後4週間経過までの間、好ましくは満開後1〜3週間の間、より好ましくは満開後1〜2週間の間である。施用回数は1回から数回である。
【0065】
(v)熟期促進作用、糖度向上作用および着色向上作用は、収穫時期を早める効果がある。これらの作用は、果実類に適用する場合に得られるものであり、中でも果樹類に適用する場合が好ましく、ブドウに適用する場合が特に好ましい。施用方法としては、果実または果房を浸漬処理する方法や噴霧処理する方法が挙げられ、浸漬処理する方法が好ましい。この場合の施用時期は、収穫前の通常1〜5週間前、好ましくは収穫前の2〜4週間前である。
【0066】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0067】
製造例1 液剤の調製(1)
天然型アブシジン酸5部およびポリオキシエチレンソルビタンのオレイン酸エステル15部を、エタノール40部および水40部の混合溶剤に溶解して液剤Aを得た。
【0068】
製造例2 液剤の調製(2)
n−プロピル(2−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテート(一般名:プロヒドロジャスモン)5部およびポリオキシエチレンソルビタンのオレイン酸エステル15部を、エタノール40部および水40部の混合溶剤に溶解して液剤Bを得た。
【0069】
実施例1 オウトウの成育促進試験
オウトウ(品種名:「紅秀峰」)の実房に、製造例1で調製した液剤A、製造例2で調製した液剤B、および液剤Aと液剤Bとを第1表に示す濃度になるように混合して調製した液剤Cを、収穫2週間前に、それぞれ均一に葉面散布した。散布処理2週間後に収穫し、果重(g)を測定した。また、着色状態を、実全体がきれいに赤くなっているものを5、黄色のものを1として、対比観察により5段階で評価した。平均重量および平均着色度を第1表に示す。
【0070】
【表1】
Figure 0004110831
【0071】
第1表より、天然型アブシジン酸とプロヒドロジャスモンを併用した場合(液剤C)は、天然型アブシジン酸単独(液剤A)およびプロヒドロジャスモン単独(液剤B)に比して優れた成長促進効果が認められた。
【0072】
実施例2 ブドウの成熟促進試験
ブドウ(品種名:「ピオーネ」)の実房に、前記液剤A、液剤Bおよび液剤Cを、収穫3週間前に、それぞれ均一に葉面散布した。散布処理後3週間経過後に収穫し、房重、粒数を測定し平均粒重を求めた。また、着色状態を実施例1と同様に1〜5の5段階で評価した。また、糖度(Brix%)を測定した。平均粒重、平均着色度および平均糖度を第2表に示す。なお、糖度は、つぶしたブドウの果汁により、屈折率糖度計を用いて測定した。
【0073】
【表2】
Figure 0004110831
【0074】
第2表より、アブシジン酸とプロヒドロジャスモンを併用した場合(液剤C)は、天然型アブシジン酸単独(液剤A)およびプロヒドロジャスモン単独(液剤B)に比して優れた成長促進効果が認められた。
【0075】
【発明の効果】
本発明の作物成長調節剤および作物の成長調節方法によれば、作物の成熟肥大を促進させ、収量の増大をはかる効果が得られる。

Claims (2)

  1. 有効成分として、天然型アブシジン酸とn−プロピル(2−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル)アセテートとを含有することを特徴とするオウトウまたはブドウの成長調節剤。
  2. 請求項1記載の成長調節剤を、オウトウまたはブドウに施用することを特徴とするオウトウまたはブドウの成長調節方法。
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