JP2014080406A - 植物成長調整剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物の発根促進作用やイネ科植物の登熟作用を有する植物成長調整剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)
Figure 2014080406

(式中、Arは1〜5個の置換基を有してもよいフェニル基を示し、R1はヒドロキシ基、アミノ基又はアルコキシ基を示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分とする植物成長調整剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物成長調整剤に関する。
農業分野において、植物の成長を制御することは生産性向上のために重要な技術である。現在では植物の成長抑制を目的とした様々な種類の植物成長調整剤が実用化され、植物成長調整剤は作物の収量や生産物の品質向上に貢献している。
しかしながら、根の発達を促進する植物成長調整剤は、その数が少なく、効果も十分でなく、更に好ましくない作用を有する場合が多かった。例えば、現在発根剤として広く用いられているオーキシン系化合物は、植物の種類や状態、施用する濃度によっては葉の上偏成長、茎の捻転や茎割れ、根こぶの誘導、更には枯死等といった好ましくない作用を及ぼすことがあるため、使用方法、使用量等が制限を受け、また根の発達を促進する作用も十分満足できるものではなかった。
一方、コムギ、イネ等のイネ科植物は開花・受精が正常に行われても、その後の気象条件等の影響によって登熟が十分すすまないと、収量の低下に結びつくため問題となっているが、こういった現象を改善する植物成長調整剤もその数が少なく、効果も十分でなかった。
ところで、フェニル乳酸は植物の発根促進作用をもつことが知られている(非特許文献1)が、その作用は弱いため、単独では植物成長調整剤として実用化に至っていない。
また、フェニル乳酸とトリプトファンを混合することによって顕著な効果の増大が認められる(特許文献1)が、2つの成分を混合する作業が煩雑であるほか、作物に処理した場合に2つの成分が別々に挙動するため、作用点で適切な混合比にならない場面や、処理後に2つの成分が独立した代謝・分解速度をしめすことにより、効果的な混合比になる期間が設定しにくくなるおそれがあった。
国際公開第2009/104405号パンフレット
Mikami et al. 1970. Several synthetic hydroxy-acids as plant growth regulators. Agricultural and Biological Chemistry 34: 977-979.
したがって、本発明の目的は、植物の発根促進作用やイネ科植物の登熟作用を有する植物成長調整剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、意外にも下記一般式(1)で表される化合物が、植物の発根促進効果、イネ科植物の登熟向上効果が高く、植物成長調整剤として有用であること、更に当該一般式(1)中の一部の化合物が新規であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
Figure 2014080406
(式中、Arは1〜5個の置換基を有してもよいフェニル基を示し、R1はヒドロキシ基アミノ基又はアルコキシ基を示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分とする植物成長調整剤を提供するものである。
本発明はまた、下記一般式(2)
Figure 2014080406
(式中、Arはフェニル基又は4−ヒドロキシフェニル基を示し、R1はヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基又はn−ブトキシ基を示す。)で表される酸アミド誘導体を提供するものである。
本発明の植物成長調整剤は、植物の発根促進活性が高く、かつ葉の上偏成長促進作用といった副作用が極めて弱いため、植物の成長調整剤、特に発根促進剤として生育期間全体にわたって使用でき、特に育苗期・移植時の発根促進剤として有用である。また、イネ科植物の子実の発育を促す登熟向上剤としても有用である。
本発明の植物成長調整剤の有効成分(以下、「植物成長調整物質」という)は、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩である。
上記一般式(1)において、Arで示される置換基を有してもよいフェニル基としては、例えばベンゼン環上にヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、低級アルキル基及び低級アルコキシル基から選ばれる1〜5個の置換基を有してもよいフェニル基が挙げられる。かかる置換基を有してもよいフェニル基は一般式(3)で表される。
Figure 2014080406
(式中、R2、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示す。)
ここで低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、i−ペンチル基及びi−ヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。また、低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、i−プロポキシ基、i−ブトキシ基、i−ペンチルオキシ基、i−ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
上記一般式(3)が置換基を有している場合、その置換位置は2〜6位(R2〜R6)のいずれでもよいが、2位、3位及び/又は4位であることが好ましい。
上記Arとしては、フェニル基、4−ヒドロキシフェニル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。
一般式(1)のR1は、ヒドロキシ基、アミノ基又はアルコキシ基であり、アルコキシル基としては前記と同じ低級アルコキシ基が挙げられる。R1としては、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基が好ましい。
一般式(1)で表される化合物の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩類、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、又はN,N′−ジベンジルエチレンジアミン塩の有機アミン塩等の有機塩基塩類との塩が挙げられる。
Ar及びR1の好ましい組合せは、Arがフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基であり、R1がヒドロキシ基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基である。
特に好ましくは、Ar、R1、不斉中心*1及び不斉中心*2が、それぞれ、フェニル基、メトキシ基、L体、D体;フェニル基、メトキシ基、D体、D体;フェニル基、メトキシ基、L体、L体;フェニル基、メトキシ基、D体、L体;フェニル基、ヒドロキシ基、L体、D体;フェニル基、ヒドロキシ基、D体、D体;フェニル基、ヒドロキシ基、L体、L体;フェニル基、ヒドロキシ基、D体、L体;フェニル基、エトキシ基、L体、D体;フェニル基、プロポキシ基、L体、D体;フェニル基、i−プロポキシ基、L体、D体;又はフェニル基、ブトキシ基、L体、D体である。
好ましい植物成長調整物質の具体例としては、N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンメチルエステル、N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−D−トリプトファンメチルエステル、N−(2−(S)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンメチルエステル、N−(2−(S)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−D−トリプトファンメチルエステル、N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファン、N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−D−トリプトファン、N−(2−(S)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファン、N−(2−(S)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−D−トリプトファン、N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンエチルエステル、N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンプロピルエステル、N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンi−プロピルエステル、N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンブチルエステルである。
本発明における新規なアミド誘導体は、上記一般式(2)で表され、上記一般式(2)においてR1、不斉中心*1、及び不斉中心*2が、それぞれ、フェニル基、メトキシ基、L体、D体;フェニル基、メトキシ基、D体、D体;フェニル基、メトキシ基、L体、L体;フェニル基、メトキシ基、D体、L体;フェニル基、ヒドロキシ基、L体、D体;フェニル基、ヒドロキシ基、D体、D体;フェニル基、ヒドロキシ基、D体、L体;フェニル基、エトキシ基、L体、D体;フェニル基、プロポキシ基、L体、D体;フェニル基、i−プロポキシ基、L体、D体;又はフェニル基、ブトキシ基、L体、D体であることが好ましい。
本発明に用いる植物成長調整物質は例えば下記に示す方法によって製造することができる。
製造法1
Figure 2014080406
(式中、Arは前記と同じである。R1-1はヒドロキシ基、又はカルボキシル基の保護基である。Xはヒドロキシ基、又はCO−とともに酸ハライド、活性エステル、酸アジド等のカルボン酸の反応性誘導体を形成してもよい。
まず最初に製造法1について説明する。
化合物(a)としては、例えばトリプトファンメチルエステル、トリプトファンエチルエステルなどが挙げられる。
1-1がカルボキシル基の保護基の場合、R1-1は稀薄なアルカリ又は酸性溶液で加水分解してカルボキシル基を形成するものであれば特に制限はないが、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の低級アルコキシ基及びベンズヒドリル基等のアラルキルオキシ基が挙げられ、適宜これらの保護基はR1を意味してもよい。
また、R1-1がカルボキシル基の保護基の場合、化合物(b)に対して例えば等モルないし1.5倍モル量の脱水縮合剤を用いて反応せしめればよい。反応終了後、適宜、例えば1〜10規定のNaOH、KOHなどを用いてアルカリ条件で室温ないし加温下30分〜8時間加水分解処理し、次いで濃塩酸にて中和すればよい。
化合物(b)としてはフェニル乳酸、4−ヒドロキシフェニル乳酸などが挙げられる。
化合物(b)の活性エステルとしては、例えばシアノメチルエステル、フェニルチオエステル、p−ニトロフェニルチオエステル、メタンスルフォン酸エステル、ベンゼンスルフォン酸エステル、トルエンスルフォン酸エステル、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、2,4,5−トリクロロフェニルエステル、2,4,6−トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、N−ヒドロキシフタル酸イミドエステル、1H−1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、8−ヒドロキシキノリンエステル、N−ヒドロキシピペリジンエステルなどが挙げられる。
Xがヒドロキシ基である場合、化合物(a)と化合物(b)との反応に当たっては、例えば1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等の脱水縮合剤を用いて反応せしめることにより化合物(c−1)を合成することができる。この際、化合物(a)が塩の場合には、後記する酸結合剤によって化合物(a)を予め脱塩しておけばよい。また、反応を促進するために添加剤を加えることも有効である。添加剤としては1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、6−クロロ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
酸アジド法において用いる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等の有機塩素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族溶媒、ピリジン等の複素環系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキサイド等の非プロトン系極性溶媒を挙げることができる。これらのうち、ピリジンが最も好適であるが、ピリジン以外の溶媒を用いる場合は、酸結合剤としてトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアミン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基を用いることができる。
製造法1で得られた反応液は、適宜冷却して目的物を析出して回収し、更に水又は可溶化有機溶媒、例えばアセトン、メタノール、エタノール、ジメチルスルフォキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、ベンゼン、トルエン等の単一又は混合溶媒から再結晶することにより、目的物を得ることができる。
特に製造法1において反応液から目的物を回収する場合、反応液に、水と混合しない生成物可溶性有機溶媒、更に水を加えて抽出した後、有機溶媒層を、稀薄な酸性水溶液、例えば1〜5規定の塩酸水溶液で洗浄後水洗し、更にアルカリ水溶液、例えば飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、最後に水で順次洗浄した後、乾燥し、溶媒を留去した後、必要に応じて、単一もしくは混合溶媒から再結晶するかもしくは、単一又は混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、目的物を得ることができる。
また、化合物(a)又は化合物(b)のいずれか一方がラセミ体である場合は、それぞれ対応する化合物(a)又は化合物(b)のラセミ体と光学活性体とを反応させ、合成されたジアステレオマーをHPLCなどによって精製することで光学活性な化合物(c−1)を得ることができる。
製造法2
Figure 2014080406
(式中、R1-2はアルキル基を示す。)
次に製造法2について説明する。
製造法2では、化合物(c−2)を原料として、例えば硫酸、p−トルエンスルフォン酸などの酸触媒の存在下にて、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール(R1-2OH)中、加熱還流することによって、化合物(c−3)を得ることができる。このとき化合物(c−2)の初濃度に特に制限はないが、例えば1〜20質量%、特に5〜10質量%であることが好ましい。
製造法2の反応後、反応液から生成物を採取するには、反応溶媒を留去し、水と混合しない生成物可溶性有機溶媒と水を加え、有機溶媒層を回収後、アルカリ水溶液、例えば飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで水で洗浄した後乾燥し、有機溶媒を留去した後、必要に応じて単一もしくは混合溶媒から再結晶すればよい。
本発明の植物成長調整剤は、上記の植物成長調整物質又はその塩の1種又は2種以上を含有する。
本発明の植物成長調整剤は、上記の植物成長調整物質そのものでもよいが、水和剤、乳剤、粒剤、粉剤、界面活性剤など、通常の植物成長調整剤で用いられる担体を用いて製剤化してもよい。例えば、固体担体としては鉱物質粉末(カオリン、ベントナイト、クレー、モンモリロナイト、タルク、ケイソウ土、雲母、バーミキュライト、セッコウ、炭酸カルシウム、リン石灰など)、植物質粉末(大豆粉、小麦粉、木粉、タバコ粉、デンプン、結晶セルロースなど)、高分子化合物(石油樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル酢酸樹脂、ポリ塩化ビニル、ケトン樹脂など)、更に、アルミナ、ワックス類などを使用することができる。また、液体担体としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ベンジルアルコールなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、塩素化炭化水素類(クロロホルム、四塩化炭素、モノクロルベンゼンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、酸アミド類(N,N−ジメチルアセトアミドなど)、エーテルアルコール類(エチレングリコールエチルエーテルなど)、又は水などを使用することができる。
乳化、分散、拡散などの目的で使用される界面活性剤としては、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性及び両イオン性のいずれも使用することができる。本発明において使用することができる界面活性剤の例を挙げると、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンポリマー、オキシプロピレンポリマー、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、第四級アンモニウム塩、オキシアルキルアミン、レシチン、サポニン等である。また、必要に応じてゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、デンプン、寒天、ポリビニルアルコールなどを補助剤として用いることができる。
本発明の植物成長調整剤は、製剤の形状も制限はなく、粉剤、顆粒剤、粒剤、水和剤、フロアブル剤、乳剤及びペースト剤等のあらゆる製剤形態に成形することができる。本発明の植物成長調整剤は、上記の植物成長調整物質及びその他の成分を常法に従い、混合、撹拌等することにより製造することができる。
本発明の植物成長調整剤は、根量を増加させる作用、イネ科植物の登熱向上作用、茎の伸長を抑制する作用などを有するが、特に発根促進剤、イネ科植物の登熱向上剤として用いることが好ましい。
植物に適用する場合、土壌処理剤、茎葉処理剤、播種前の種子処理剤、移植前植物の処理剤及び移植時の植物に対する処理剤等として使用することができる。また、水耕栽培においては水耕液に混合して使用してもよく、組織培養では培地中に懸濁又は溶解させて用いてもよい。
本発明の植物成長調整剤を植物に適用すれば、側根数、不定根数などの根数の増加を通じて根量や根密度が増加するため、苗の移植時の活着率向上や、健苗育成、生育促進、吸水力の向上、吸肥力の向上、肥料成分利用率の向上、緑色の保持、光合成能力の向上、水ストレス耐性の向上、倒伏防止、収量増加等の効果が得られる。また、イネ科植物の登熱を向上させるので、イネ等の収量を向上させることができる。
本発明の植物成長調整剤を使用する場合、直接そのまま使用してもよいし、又は水で所定の濃度に希釈又は懸濁して使用してもよい。
本発明の植物成長調整剤を散布用として用いる場合の使用濃度は、好ましくは0.01〜10000ppm、より好ましくは1〜5000ppm、特に好ましくは5〜1000ppmの範囲とすることができる。特に育苗期の苗に使用する場合は、上記濃度の希釈液を培養土1L当たり50〜200mL散布することが望ましい。この場合、展着剤を使用してもよく、用いる展着剤の種類及び使用量については特に制限されない。
肥料と混合する場合を含め、土壌に直接施用する場合の使用量としては、1ヘクタール当たり100〜10000g、特に500〜5000g用いるのが好ましい。特に育苗期の苗に使用する場合は、培養土1L当たり0.001〜10g用いるのが望ましい。この場合、播種前の培養土に予め混合しておいてもよく、育苗期間中に散布してもよい。
播種前の種子処理用として用いる場合は、水、アルコール類(メタノール、エタノールなど)、ケトン類(アセトンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、ベンゼンなど)、塩素化炭化水素類(クロロホルム、塩化メチレンなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)等の液体担体に0.01〜100000ppmとなるように希釈し、乾燥種子に噴霧するか、乾燥種子を希釈液に浸漬して種子に吸収させることもできる。浸漬時間としては特に制限されないが1秒〜30分が好ましい。また、処理した種子は、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥、真空乾燥などによって液体担体を蒸発させてもよい。クレーなどの鉱物質粉末の固体担体を用いて製剤化したものを種子表面に付着させ使用することもできる。通常用いられている種子コーティング剤、種子コーティングフィルムに混合して種子に被覆することもできる。
組織培養や細胞培養時に使用する場合は、通常用いられる植物組織培養用の培地(MS培地、ホワイト培地、ガンボルグのB5培地など)に培地中濃度として、好ましくは0.01〜10000ppm、特に好ましくは0.1〜1000ppmの範囲で溶解又は懸濁して用いることができる。この場合、通常行われているように、炭素源としての糖類(ショ糖、ブドウ糖など)、各種植物ホルモンとしてサイトカイニン(ベンジルアデニン、カイネチンなど)、オーキシン(インドール酢酸、ナフタレン酢酸など)、ジベレリン(GA3、GA4など)、アブシジン酸などを適宜加えることができる。
移植前の植物に直接吸収させる場合は、使用濃度として0.1〜1000ppmに希釈又は懸濁した液に、植物の根部あるいは全体を浸漬して使用することができる。また、挿し穂、挿し芽、挿し木などであれば基部又は全体を浸漬して使用することができる。この場合の浸漬時間は1秒〜1週間、特に1分〜3日間が望ましい。鉱物質粉末の固体担体を用いて製剤化したものを、根部に付着させたり、挿し穂、挿し芽、挿し木などの場合は茎基部に付着させてもよい。
本発明の植物成長調整剤の投与時期としては、生育期間中いかなる時期にも使用が可能であるが、特に発根促進剤として適用する場合は、播種前、播種時、苗の育成時、移植等の耕種的断根を伴う作業の前後、気象要因などで根の発育が阻害されあるいは根に障害が発生した場合などが特に有効である。
本発明の植物成長調整剤の適用対象となる植物としては、特に限定されないが、例えば、トマト、ピーマン、トウガラシ、ナス等のナス類、キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ等のウリ類、セルリー、パセリー、レタス等の生菜・香辛菜類、ネギ、タマネギ、ニンニク等のネギ類、ダイズ、ラッカセイ、インゲン、エンドウ、アズキ等の豆類、イチゴ等のその他果菜類、ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ等の直根類、サトイモ、キャッサバ、バレイショ、サツマイモ、ナガイモ等の芋類、アスパラガス、ホウレンソウ、ミツバ等の柔菜類、トルコギキョウ、ストック、カーネーション、キク等の花卉類、イネ、トウモロコシ等の穀物類、ベントグラス、コウライシバ等の芝類、ナタネ、ヒマワリ等の油料作物類、サトウキビ、テンサイ等の糖料作物類、ワタ、イグサ等の繊維料作物類、クローバー、ソルガム、デントコーン等の飼料作物類、リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ等の落葉性果樹類、ウンシュウミカン、レモン、グレープフルーツ等の柑橘類、サツキ、ツツジ、スギ等の木本類が挙げられる。これらのうち、トマト、ピーマン、トウガラシ、ナス、キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ、セルリー、パセリー、レタス、ネギ、タマネギ、アスパラガス、トルコギキョウ、ストック、イネ、ベントグラス、コウライシバ、テンサイイグサ等の栽培中に移植を行う植物や、キク、カーネーション、サツキ、ツツジ、ブドウ等の切り枝や挿し穂から発根させることにより増殖を行う植物に対しては特に有効である。また、登熱向上剤として用いる場合のイネ科の植物としては、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ等が挙げられる。
また、本発明の効果向上を目的として、他の植物成長調整剤と併用することもでき、場合によっては相乗効果を期待することもできる。例えば、高い栽植密度、高湿度、日照不足などといった極めて徒長しやすい条件下での育苗時には、地上部地下部重比の小さい良質な苗の育成を目的として、強力な茎の伸長抑制作用を持つ抗ジベレリン剤(パクロブトラゾール、ウニコナゾールP、アンシミドールなど)、成長抑制剤(ダミノジッドなど)、エチレン発生剤(エテホンなど)と併用してもよい。挿し穂、挿し芽、挿し木、組織培養時においては、発根促進効果の増強を目的として、オーキシン系化合物(インドール酢酸、インドール酪酸、ナフチルアセトアミド、ナフタレン酢酸など)と併用してもよい。播種前の種子処理時には、発芽促進作用を持つジベレリン剤と併用してもよい。これらは単なる例示であって、本発明の植物成長調整剤と併用できる他の植物成長調整剤はこれらに限られるものではない。
本発明の植物成長調整剤は、各種殺虫剤、殺菌剤、微生物農薬、肥料等と混用又は併用することも可能である。特に、殺菌剤との混用において殺菌作用の他に発根促進作用も報告されているヒドロキシイソキサゾール、メタスルホカルブ、メタラキシルなどとの併用は有効である。種子に直接処理する殺虫殺菌剤や育苗期に使用する殺虫殺菌剤(チアメトキサム、フルジオキソニル、メタラキシル、クロラントラニリプロールなど)と混用は特に有効である。
肥料と併用する場合、健苗育成を目的とした育苗用肥料との併用、活着促進を目的とした移植直前施用肥料との併用は特に有効である。本発明の植物成長調整剤の効力を長期間持続させ肥料成分利用率を向上させる目的とした緩効性肥料との混用も特に有効である。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1
N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンメチルエステル(化合物01)の合成
トリエチルアミン2.7mL、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.8g、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.27gを、塩化メチレン溶液70mLに溶解させ溶液とした。トリエチルアミン2.7mL、L−トリプトファンメチル塩酸塩5.0g、及びD−フェニル乳酸3.3gの塩化メチレン溶液200mLに溶解させ溶液とした。先の溶液を後の溶液に氷冷下で添加し、室温にて一夜攪拌した。反応液を水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1規定塩酸、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下にて塩化メチレンを留去した。得られた結晶を塩化メチレンにて再結晶した後、減圧乾燥し、2.5g(収率34%)の化合物01を得た。
製造例2
N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−D−トリプトファンメチルエステル(化合物02)の合成
製造例1においてL−トリプトファンメチル塩酸塩の代わりにD−トリプトファンメチル塩酸塩5.0gを使用した以外は製造例1と同様にして、3.8g(収率52%)の化合物02を得た。
製造例3
N−(2−(S)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンメチルエステル(化合物03)の合成
製造例1においてD−フェニル乳酸の代わりにL−フェニル乳酸3.3gを使用した以外は製造例1と同様にして、3.8g(収率52%)の化合物03を得た。
製造例4
N−(2−(S)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−D−トリプトファンメチルエステル(化合物04)の合成
製造例1においてL−トリプトファンメチル塩酸塩の代わりにD−トリプトファンメチル塩酸塩5gを使用し、D−フェニル乳酸の代わりにL−フェニル乳酸3.3gを使用した以外は製造例1と同様にして、2.3g(収率32%)の化合物04を得た。
製造例5
N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファン(N−(化合物05)の合成
上記で得られた化合物01を1.0g、50%エタノール50mL、及び1規定(N)水酸化ナトリウム5mLを容器に順次加え、70℃にて1時間攪拌した。反応液に濃塩酸を加えてpH8.0にし、酢酸エチルで抽出した後、水相に濃塩酸を加えてpHを酸性側にし、酢酸エチルにて3回抽出した。酢酸エチルを減圧下にて留去し、得られた結晶をアセトンにて再結晶後、減圧乾燥し、0.69g(収率72%)の化合物05を得た。
製造例6
N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−D−トリプトファン(N−(化合物06)の合成
製造例5において化合物01の代わりに1.0gの化合物02を使用した以外は製造例5と同様にして、0.33g(収率34%)の化合物06を得た。
製造例7
N−(2−(S)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファン(N−(化合物07)の合成
製造例5において化合物01の代わりに1.0gの化合物03を使用した以外は製造例5と同様にして、0.74g(収率77%)の化合物07を得た。
製造例8
N−(2−(S)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−D−トリプトファン(N−(化合物08)の合成
製造例5において化合物01の代わりに1.0gの化合物04を使用した以外は製造例5と同様にして、0.37g(収率39%)の化合物08を得た。
製造例9
N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンエチルエステル(化合物09)の合成
1.0gの化合物05にエタノール11mLを加え、75℃で攪拌しながらパラトルエンスルホン酸0.054gを添加し、72℃〜75℃で120分攪拌した。反応液をpH8.0にして、水及び酢酸エチルを加えて分液し、酢酸エチル相を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1規定塩酸、水で順次洗浄した。酢酸エチル相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に酢酸エチルを留去し、得られた結晶を塩化メチレンにて再結晶した後、減圧乾燥し0.62g(収率58%)の化合物09を得た。
製造例10
N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンn−プロピルエステル(化合物10)の合成
1.0gの化合物05にn−プロパノール11mLを加え、83℃で攪拌しながらパラトルエンスルホン酸0.054gを添加し、80℃〜83℃で120分攪拌した。反応液をpH8.0にして、水及び酢酸エチルを加えて分液し、酢酸エチル相を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1規定塩酸、水で順次洗浄した。酢酸エチル相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に酢酸エチルを留去し、得られた結晶を塩化メチレンにて再結晶した後、減圧乾燥し0.46g(収率41%)の化合物10を得た。
製造例11
N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンi−プロピルエステル(化合物11)の合成
1.0gの化合物05にi−プロパノール14mLを加え、72℃で攪拌しながらパラトルエンスルホン酸0.054gを添加し、70℃〜72℃で180分攪拌した。反応液をpH8.0にして、水及び酢酸エチルを加えて分液し、酢酸エチル相を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1規定塩酸、水で順次洗浄した。酢酸エチル相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に酢酸エチルを留去し、得られた結晶を80%メタノールにて再結晶した後、減圧乾燥し0.20g(収率18%)の化合物11を得た。
製造例12
N−(2−(R)ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニルプロピル−L−トリプトファンn−ブチルエステル(化合物12)の合成
1.5gの化合物05にn−ブタノール30mLを加え、75℃で攪拌しながらパラトルエンスルホン酸0.081gを添加し、72℃〜75℃で60分攪拌した。反応液をpH8.0にして、水及び酢酸エチルを加えて分液し、酢酸エチル相を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1規定塩酸、水で順次洗浄した。酢酸エチル相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に酢酸エチルを留去し、得られた結晶をアセトンにて再結晶した後、減圧乾燥し0.57g(収率33%)の化合物12を得た。
上記で得られた化合物01〜12の物性を表1に示した。
Figure 2014080406
実施例1
<アズキ切り口浸漬処理による発根促進作用>
製造例1〜12で製造した12種類の植物成長調整物質(化合物01〜12)を蒸留水で希釈し、5pm、50ppmとなる水溶液を調整した。得られた水溶液を、希塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7とし、アズキ発根促進アッセイ(Itagaki et al. 2003. Biological activities and structure-activity relationship of substitution compounds of N-[2-(3-indolyl)ethyl] succinamic acid and N-[2-(1-naphthyl)ethyl] succinamic acid、 derived from a new category of root-promoting substance、 N-(phenethyl)succinamic acid analogs. Plant Soil 255: 67-75.)に供した。アズキ切片は基部を72時間、5ppm及び50ppmの各被検液に浸漬し、7日後に発生した不定根数を数えた。反復数は5本とした。なお、対照として蒸留水で処理したものを培養し、同様に不定根数を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2014080406
表2の結果より、化合物01〜12を含有する溶液は、対照区の発根数と比較すると高い発根促進作用が認められた。特に、濃度5ppmでは化合物09〜12の発根促進活性が高く、濃度50ppmでは02、03、10、12の発根活性が高かった。
実施例2
<ブロッコリーのセル成形苗育苗における効果>
1穴のサイズが4cm×4cm、128穴の硬質プラスチック製セルトレイを用い、ピートを主成分とする専用培養土(Scotts、Scotts-Sierra Horticultural Products社)を充填し、ガラスハウス内にてブロッコリー(品種ピクセル、サカタのタネ)を播種し、適宜追肥を行いながら栽培した。播種後9日目と19日目に実施例1と同様にして。表3に示す所定の濃度に希釈した化合物01を500mL散布した。なお対照として脱イオン水を用いた。播種後30日目に8個体×2反復をサンプリングし、根部をよく水洗した後に総根長をルートスキャナー(Comair社製)で測定後、根部と地上部は乾物とした後測定した。草丈、根部乾物重の測定を行った。その結果を表3に示す。なお表中の括弧内の数値は、対照区を100とした場合の相対値を%で示したものである。
Figure 2014080406
表3の結果より、すべての処理区において総根長、根部乾物重の増加が認められ、100ppm以上の濃度では全乾物重の増加が認められた。このことから、培養土を用いた実用的な育苗方法においても発根促進作用が高いことが認められた。
実施例3
<コムギに対する効果>
1/2000aワグナーポットに培養土「すくすく倶楽部30」(雪印種苗(株)製)を充填し、コムギ(品種「春よ恋」)を1ポット3本立てで栽培した。基肥はN:P:K各1gとし、適宜追肥を行った。出穂期以降、週に1回ずつ3回、製造例5で調整した化合物05を表4に示す所定の濃度に希釈し、更にポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル含有展着剤アプローチBI(花王(株)社製)を0.1%加えたものを、穂を中心に葉面散布した。試験は各処理3反復とした。植物体全体が完全に枯死してからサンプリングを行い、子実の質量を測定した。また、子実を2.4mm×16mm目の篩(不二金属製)で分級し、子実幅2.4mm以上の子実重を測定し、その比率を算出した。その結果を表4に示す。なお表中の括弧内の数値は、対照区を100とした場合の相対値を%で示したものである。
Figure 2014080406
表4の結果より、すべての処理区で子実重が増加し、子実幅2.4mm以上の充実した子実の比率も高まっていた。このことから、本化合物が子実の増収作用・子実の充実促進作用があることが確認された。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2014080406
    (式中、Arは1〜5個の置換基を有してもよいフェニル基を示し、R1はヒドロキシ基、アミノ基又はアルコキシ基を示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分とする植物成長調整剤。
  2. Arがフェニル基、又は4−ヒドロキシフェニル基であり;R1がヒドロキシ基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、又はi−プロポキシ基である請求項1記載の植物成長調整剤。
  3. Ar、R1、不斉中心*1、及び不斉中心*2が、それぞれフェニル基、メトキシ基、L体、D体;フェニル基、メトキシ基、D体、D体;フェニル基、メトキシ基、L体、L体;フェニル基、メトキシ基、D体、L体;フェニル基、ヒドロキシ基、L体、D体;フェニル基、ヒドロキシ基、D体、D体;フェニル基、ヒドロキシ基、L体、L体;フェニル基、ヒドロキシ基、D体、L体;フェニル基、エトキシ基、L体、D体;フェニル基、プロポキシ基、L体、D体;フェニル基、i−プロポキシ基、L体、D体;又はフェニル基、ブトキシ基、L体、D体である請求項1又は2記載の植物成長調整剤。
  4. 植物の発根促進剤である請求項1〜3のいずれかに記載の植物成長調整剤。
  5. イネ科植物の登熟向上剤である請求項1〜3のいずれかに記載の植物成長調整剤。
  6. 下記一般式(2)
    Figure 2014080406
    (式中、Arはフェニル基又は4−ヒドロキシ基を示し、R1はヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、又はn−ブトキシ基を示す。)で表される酸アミド誘導体。
  7. 1、不斉中心*1、及び不斉中心*2が、それぞれフェニル基、メトキシ基、L体、D体;フェニル基、メトキシ基、D体、D体;フェニル基、メトキシ基、L体、L体;フェニル基、メトキシ基、D体、L体;フェニル基、ヒドロキシ基、L体、D体;フェニル基、ヒドロキシ基、D体、D体;フェニル基、ヒドロキシ基、D体、L体;フェニル基、エトキシ基、L体、D体;フェニル基、プロポキシ基、L体、D体;フェニル基、i−プロポキシ基、L体、D体;又はフェニル基、ブトキシ基、L体、D体である請求項6記載の酸アミド誘導体。
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