JP4110767B2 - 位相同期回路、同調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発振器、並びにこれを用いた位相同期(PLL:Phase Locked Loop) 回路、あるいはテレビジョン装置や携帯電話などの受信用や送信用の装置などに利用される、位相同期回路を用いたPLL周波数シンセサイザやチューナなどの同調装置に関する。特に、位相ノイズ特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば各種の通信装置(送信機や受信機)などでは、送信信号や受信信号の周波数変換などのために周波数シンセサイザやチューナなどの同調装置(同調回路)が用いられる。そして、これらにはたとえば局部発振回路などを構成するために電圧制御発振器が使用される。また、この電圧制御発振器を利用した位相同期回路が組み込まれることもある。
【0003】
図6(A)は、位相同期回路の基本構成を示したブロック図である。この位相同期回路1は、PLL集積回路(PLLIC)10と、周波数制御入力端子22および出力端子24を有するVCO(Voltage Controled oscillator;電圧制御発振器)20と、ループフィルタ回路30とを備える。PLLIC10は、基準周波数の電圧信号f1を発生する基準発振器12、プログラマブルカウンタなどの可変分周器14,16、および位相比較器18を有し、これらがワンチップに集積回路化されたものである。
【0004】
VCO20は、周波数制御入力端子22に入力された制御信号に対応した周波数の電圧信号f3を発生し、出力端子24から出力する。可変分周器14は、基準発振器12から出力された電圧信号f1を1/Aに分周し、その分周出力信号f2を位相比較器18の一方の端子18aに入力する。可変分周器16は、VCO20から出力された電圧信号f3を1/Nに分周し、その分周出力信号f4を位相比較器18の他方の端子18bに入力する。可変分周器14,16の分周比1/A,1/Nは、たとえば図示しないマイクロコンピュータなどにより指示される。位相比較器18は、2つの電圧信号f3,f4との位相を比較し、比較結果である位相差を示す誤差信号をループフィルタ回路30に入力する。ループフィルタ回路30は、2つの電圧信号f3,f4の位相比較結果(誤差信号)を平滑化し、この平滑化した信号を周波数制御信号としてVCO20の周波数制御入力端子22に印加する。
【0005】
この位相同期回路1では、VCO20からの出力電圧信号f3が、PLLIC10内の可変分周器16によって分周比1/Nで分周され、PLLIC10内の位相比較器18によって、可変分周器16の出力信号f4と基準発振器12の出力信号f1を1/Aに分周した信号f2とが位相比較され、位相比較器18の出力電圧V0が、ループフィルタ回路30を通じ周波数制御信号V1に変換されVCO20に供給されて、VCO20の発振周波数が制御される。
【0006】
図6(B)は、位相同期回路1におけるVCO20の従来例を示した回路図である。図示したVCO20は、発振回路(共振回路)26と、NPN型トランジスタQ21〜Q24を有する周波数制御回路27と、NPN型トランジスタQ25,Q26、抵抗素子R21、R22、および基準電圧源VT21を有する電流源部28とを備える。
【0007】
周波数制御回路27を構成するトランジスタQ21,Q22とトランジスタQ23,Q24は、それぞれカスケード接続されている。トランジスタQ21,Q23は、ベースコモンとされかつそれぞれのコレクタ端子が接続され、そのベース端子およびコレクタ端子は、VCO20内の所定部分に接続されている。トランジスタQ22,Q24は、それぞれのエミッタ端子が発振回路26の対応する入力端子a,bに接続され、それぞれのベース端子が発振回路26の対応する入力端子c,dに接続されかつ両端間に周波数制御信号が印加されている。つまり本例では、トランジスタQ22,Q24のベース端子が周波数制御入力端子として機能している。たとえばトランジスタQ22,Q24のベース端子の一方に基準電位が印加され、他方の端子にループフィルタ回路30からの周波数制御信号V1(電圧信号)が印加される。
【0008】
電流源部28を構成するトランジスタQ25,Q26は、ベースコモンとされそのベース端子には基準電圧源VT21が接続されている。またそれぞれのエミッタ端子と接地との間には電流設定用の抵抗素子R21,R22が接続され、それぞれのコレクタ端子は、周波数制御回路27を構成するトランジスタQ22,Q24の対応するエミッタ端子と接続されている。
【0009】
トランジスタQ25および抵抗素子R21、トランジスタQ26および抵抗素子R22はそれぞれ電流設定回路(定電流源)を構成し、トランジスタQ25,Q26の各コレクタ電流I25,I26は、基準電圧源VT21の出力電圧値と抵抗素子R21,R22とで決まり、略一定である。また、トランジスタQ22のエミッタ電流と発振回路26の端子aからの電流との和電流I01はトランジスタQ25のコレクタ電流I25と等しく、またトランジスタQ24のエミッタ電流と発振回路26の端子bからの電流との和電流I02はトランジスタQ26のコレクタ電流I26と等しく、各和電流I01,I02は一定である。つまり発振回路26は、基準電圧源VT21と抵抗素子R21,R22とで決まる一定電流で駆動される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成のVCO20は、トランジスタQ22,Q24のベース端子間に印加される制御信号に対応した周波数の電圧信号を発生する。つまり、周波数制御信号の大きさを制御することで、広帯域に亘ってその発振周波数を制御することができる。しかしながら、上記構成のVCO20では、広帯域に亘ってその発振周波数を制御することができるものの、ある発振周波数では低位相ノイズでも、広帯域に亘って低位相ノイズにすることができなかった。
【0011】
位相ノイズの増大は、位相同期回路を用いたPLL周波数シンセサイザやチューナなどの同調装置、あるいはこの同調装置を用いたテレビジョン装置や携帯電話などの、受信用あるいは送信用の装置の性能を低下させる要因となるなど、高性能な位相同期回路を構成する上で不都合がある。たとえば位相ノイズは、位相同期回路の用途として考えられるデジタルTVの特性の中で最も重要な特性であるため、位相ノイズの劣化はあってはならないものである。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、広周波数帯域に亘って位相ノイズの問題のない位相同期回路、あるいは送信装置や受信装置などの利用される同調装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者らの調査によれば、電圧制御発振器を構成する発振回路に流れる駆動電流(動作電流)を変更すると、位相ノイズが変動するということが分かった。本願発明はこのような知見に基づいてなされたものである。ここで、第1の観点においては、発振器から出力された出力信号の位相ノイズを検出し、この検出した位相ノイズに基づいて電流制御信号を生成し、発振器の出力信号の位相ノイズが所定量以下となるように発振器(詳しくは内部の発振回路)が発振動作をするための動作電流を制御する位相ノイズ監視部を設ける。
【0014】
また第2の観点においては、発振器から出力される出力信号の周波数、発振器から出力される出力信号の位相ノイズ、および発振器(詳しくは内部の発振回路)が発振動作をするための動作電流の対応関係に基づき、発振器から出力される出力信号の周波数の何れにおいても、発振器の出力信号の位相ノイズが所定量以下となるように電流制御信号を制御する制御部を設ける。電流制御信号は電流制御入力端子に入力されるので、発振器は、自身(詳しくは内部の発振回路)が発振動作をするため動作電流を電流制御信号に基づき制御することになる。
【0015】
【作用】
上記構成においては、電流制御信号を用いて、位相ノイズ監視部もしくは制御部が発振器(詳しくは内部の発振回路)の動作電流を制御することで、各発振周波数における位相ノイズが調整可能になる。第1の観点においては、発振器出力の位相ノイズが所定量以下となるように発振発振動作をフィードバック制御するし、また、第2の観点においては、予め特定しておくことのできる前記の対応関係を勘案して、実使用時の発振周波数の設定に応じて発振器出力の位相ノイズが所定量以下となるように発振の動作電流をオープンループで制御する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る発振器の一実施形態を示す回路図である。基本構成は、電流源部28を除いて従来技術のものと同様であるので、同様の機能部分については図6に示したものと同様の参照番号を付与し、その機能の説明は割愛する。図示したVCO20は、その電流源部28に、発振回路26の動作電流を切り替えるための構成要素を具備しており、図1(A)および図1(B)とで、2つの切替え状態(AはスイッチSW1がオフ、Bはオン)を示している。
【0018】
具体的には、VCO20は、先ずトランジスタQ25および抵抗素子R21からなる電流設定回路(定電流源)と併設して、トランジスタQ31よび抵抗素子R31からなる電流設定回路を有する。同様に、トランジスタQ26および抵抗素子R22からなる電流設定回路と併設して、トランジスタQ32よび抵抗素子R32からなる電流設定回路を有する。トランジスタQ31,Q32のベース端子は、トランジスタQ25,Q26のベース端子と同様に、基準電圧源VT21に接続されている。またトランジスタQ31のコレクタ端子はトランジスタQ25のコレクタ端子と接続され、トランジスタQ32のコレクタ端子はトランジスタQ26のコレクタ端子と接続されている。
【0019】
また各図の左側には、抵抗素子R33および3つのトランジスタQ33,Q34,Q35を有するカレントミラー構成の定電流源が設けられている。トランジスタQ33のベース端子と内部接続線eとの間にはスイッチSW1が設けられ、トランジスタQ33,Q35のコレクタ端子は内部接続線eと接続されている。トランジスタQ35のエミッタ端子は、Q31,Q32のエミッタ端子と共通に接続されている。つまり、抵抗素子R33および3つのトランジスタQ33,Q34,Q35並びにスイッチSW1により電流切替回路29が構成されている。そして、この電流切替回路29を備えた電流源部28は、本発明に係る動作電流制御回路を構成する。SW1の制御端子CNTが、電流制御入力端子として機能する。
【0020】
先ず図1(A)に示すように、スイッチSW1がオフのときには、電流切替回路29はオフ(定電流動作しない状態)となり、そのトランジスタQ35のコレクタ電流I35は“0;ゼロ”となる。このため、従来の電流源部28に併設したトランジスタQ31および抵抗素子R31並びにトランジスタQ32および抵抗素子R32の各電流設定回路はオンし、トランジスタQ31にはコレクタ電流I31が、トランジスタQ32にはコレクタ電流I32が、それぞれ流れる。このため、周波数制御回路27を構成するトランジスタQ22のエミッタ電流と発振回路26の端子aからの電流との和電流I01はトランジスタQ25のコレクタ電流I25とトランジスタQ31のコレクタ電流I31との和に等しく(I01=I25+I31)、またトランジスタQ24のエミッタ電流と発振回路26の端子bからの電流との和電流I02はトランジスタQ26のコレクタ電流I26とトランジスタQ31のコレクタ電流I31との和に等しくなる(I02=I26+I32)。
【0021】
一方、図1(B)に示すように、スイッチSW1がオンのときには、電流切替回路29はオン(定電流動作する状態)となる。このときのトランジスタQ35のコレクタ電流I35を、I0の2倍(I0=2*I0)とする。この電流I35は、トランジスタQ35のエミッタ端子を通じて抵抗素子R31,R32に流れる。抵抗素子R31,R32の抵抗値が等しいとすれば、各抵抗素子R31,R32には、それぞれ電流I0が流れる。これにより、各抵抗素子R31,R32の両端には電圧が生じ、トランジスタQ31,Q32のエミッタ端子の電圧Veが上昇する。このとき、エミッタ端子の電圧Veが基準電圧源VT21の電圧値Vb−Vbe(Vbeはベースエミッタ間電圧)よりも大きくなるようにトランジスタQ35のコレクタ電流I35をある程度大きく設定すると、トランジスタQ31,Q32のベース・エミッタ間が逆バイアスとなり、完全にオフする。このため、周波数制御回路27を構成するトランジスタQ22のエミッタ電流と発振回路26の端子aからの電流との和電流I01はトランジスタQ25のコレクタ電流I25と等しく(I01=I25)、またトランジスタQ24のエミッタ電流と発振回路26の端子bからの電流との和電流I02はトランジスタQ26のコレクタ電流I26と等しくなる(I02=I26)。つまり、従来のVCO20と同じ状態となる。
【0022】
このように、上記実施形態のVCO20によれば、スイッチSW1のオン/オフを切り替えることで、各和電流I01,I02すなわち発振回路26の動作電流を切替制御することができる。前述のように、本願発明者らの調査によれば、VCO20を構成する発振回路26に流れる動作電流を変更すると、位相ノイズが変動する。したがって、上記構成のVCO20では、2段階ではあるものの、発振回路26の発振周波数に応じてスイッチSW1を切り替えることで、その発振周波数に応じた、より適正な動作電流に切り替えることで広周波数帯域に亘って低位相ノイズにすることができる。
【0023】
なお、上記実施形態の構成では、1個のスイッチSW1により2段階に動作電流値を切り替えるようにしていたが、たとえば、電流切替回路29と同様の回路を複数個接続して電流を切り替えるようにすれば、他段階で動作電流を切り替えることもできる。また、トランジスタQ35のコレクタ電流I35が小さいときには、トランジスタQ31,Q32が完全にオフすることはなく、その電流状態に応じた能動状態(活性状態)となり、ある程度のコレクタ電流が流れる。よってこの場合には、そのコレクタ電流量に応じて、和電流I01,I02を、それぞれI25〜I25+I31あるいはI26〜I26+I32の範囲内で制御することができる。またたとえば抵抗素子R33を可変抵抗やFETなどに置き換え、スイッチSW1のオン時にその抵抗値(FETの場合にはオン抵抗値)を変更制御可能な構成とすれば、和電流I01,I02を、それぞれI25〜I25+I31あるいはI26〜I26+I32の範囲でダイナミックに変動させることができる。つまり、可変抵抗の値を変動させて発振回路26の動作電流をその発振周波数に応じた適正な電流値にすることにより、ダイナミックに低位相ノイズにすることもできる。また電流切替回路29を、電流値I35に対応する出力電流を変更可能な可変電流源に置き換えた場合にも同様である。また、位相ノイズを監視して、トランジスタQ35のコレクタ電流I35を位相ノイズに応じてダイナミックに変動させるフィードバック構成とすれば、最適な動作電流値に自動追従する構成となり低位相ノイズが常に得られる。
【0024】
図2は、図1に示したVCO20を有する位相同期回路の一実施形態を示すブロック図である。この位相同期回路1は、位相ノイズの影響がVCO20の発振出力f3のジッタ(周波数揺らぎ)として現れるので、VCO20の出力信号f3のジッタ量を検出することで位相ノイズを検出する手法を採用し、発振回路26の動作電流をジッタ量に基づいて切り替えるフィードバック構成としたものである。すなわち位相同期回路1は、VCO20の発振出力f3つまり発振回路26の出力周波数のジッタ量を監視する位相ノイズ監視部の一例であるジッタ量監視回路90を備えている。図2ではVCO20をブロック図で示しているが、このVCO20は図1に示した構成のものが用いられている。
【0025】
ジッタ量監視回路90には、所定の閾値が入力されている。この閾値は図示しないCPUなどにより設定される。そしてジッタ量監視回路90は、監視したf3のジッタ量と閾値とを比較して、その大小に応じて電流切替回路29のスイッチSW1(図1参照)をオン/オフさせるための電流制御信号を電流制御入力端子25に入力する。なお、スイッチSW1の切替え時にハンチングが生じないよう、ジッタ量監視回路90はシュミット構成とするのがよい。
【0026】
発振回路26は、たとえばその発振周波数が高いときには位相ノイズが増え、また動作電流量が多いときには位相ノイズが減る特性(以下単調減少特性ともいう)を有するものとする。この場合、ジッタ量監視回路90は、発振回路26の発振周波数が高くなり、監視したf3のジッタ量が閾値よりも大きくなったときには、図1に示したスイッチSW1をオフさせることで、発振回路26の動作電流を大きくする。これによりf3の位相ノイズが減るようになる。
【0027】
一方、発振回路26の発振周波数が低くなり監視したf3のジッタ量が閾値よりも小さくなったときには、ジッタ量監視回路90は、図1に示したスイッチSW1をオンさせることで、発振回路26の動作電流を小さくする。これによりf3の位相ノイズが元の多さに戻るようになる。この場合、発振回路26の発振周波数が低いので、f3のジッタ量が問題となることはない。つまり、2段階ではあるものの、発振回路26の位相ノイズをf3のジッタ量に基づいて監視し発振回路26の動作電流を切り替えることで、位相ノイズが常に所定量以下となるようにフィードバック制御することができる。
【0028】
このように図2に示した構成では、スイッチSW1を切り替えることで発振回路26の動作電流を変更可能な構成としたので、位相ノイズが問題とならないように、発振回路26の動作電流を適正化することができ、これにより、動作電流固定の従来構成よりも広い電圧制御発振周波数帯域に亘って低位相ノイズを得ることができるようになる。なお発振回路26の発振周波数に対する位相ノイズ特性が上述とは逆特性(以下単調増加特性ともいう)の場合には、ジッタ量監視回路90は前述と逆特性で発振回路26の動作電流を切り替えるとよい。
【0029】
図3は、図2に示した位相同期回路1の変形例を示す図である。先ず電流源部28は、電流切替回路29に代えて、出力電流を制御電圧に応じて変更可能な可変電流源29aを有している。また位相同期回路1は、電流切替回路29のスイッチSW1をオン/オフさせるジッタ量監視回路90に代えて、f3のジッタ量に応じた制御電圧Vcを電流制御信号として電流制御入力端子25に入力するジッタ量監視回路92を有している。可変電流源29aは、たとえば制御電圧Vcが高いときには出力電流が増える特性のものとする。
【0030】
この場合において、前述のように、発振回路26が、その発振周波数が高いときには位相ノイズが増え、また動作電流量が多いときには位相ノイズが減る単調減少特性を有するものとする場合、ジッタ量監視回路92は、発振回路26の発振周波数が高くなり監視したf3のジッタ量が大きくなるとその制御電圧Vcがより高くなるようにする。これにより、可変電流源29aに流れる電流量が増え、発振回路26の動作電流が増え、f3の位相ノイズが減るようになる。
【0031】
一方、発振回路26の発振周波数が低くなり監視したf3のジッタ量が小さくなると、ジッタ量監視回路92はその制御電圧Vcがより低くなるようにする。これにより、可変電流源29aに流れる電流量が少なくなり、発振回路26の動作電流も減り、f3の位相ノイズが増えるようになる。つまり、この図3に示した構成では、f3の位相ノイズをf3のジッタ量に基づいて監視し発振回路26の動作電流を連続的に制御する(切り替える)ことで、位相ノイズが常に所定量となるようにダイナミック(動的)にフィードバック制御することができる。
【0032】
このように図3に示した構成においては、発振回路26の動作電流をダイナミックに変更可能な構成としたので、発振回路26の動作電流を各発振周波数ごとに最適化することができ、これにより非常に広い電圧制御発振周波数帯域に亘って低位相ノイズを得ることができるようになる。
【0033】
なお発振回路26の発振周波数に対する位相ノイズ特性が上述とは逆の単調増加特性の場合には、ジッタ量監視回路92は前述と逆特性で発振回路26の動作電流を制御するとよい。また、その特性が単調増加あるいは単調減少といったものでないときには、制御電圧Vcを逐次変動させて検出したジッタ量が最小となるVc値をサーチし設定し、位相ノイズが最小となる最適な電流量を設定するようにするのがよい。
【0034】
図4は、位相同期回路1の他の変形例を示す図である。図2および図3に示した実施形態では、発振回路26から出力された信号f3のジッタ量を検知し、その検知結果に基づいて発振回路26の動作電流を制御するようにしていたが、この図4に示す実施形態では、発振回路26の発振周波数に基づいて発振回路26の動作電流を制御するようにした。このため先ず電流源部28は、図3に示したものと同様に、出力電流を制御電圧Vcに応じて変更可能な可変電流源29aを有している。また図3に示したジッタ量監視回路92に代えて、この位相同期回路1を利用した装置の全体を制御するCPU84を備える。CPU84は、可変分周器14,16の分周比1/A,1/N(何れか一方だけでもよい)を切り替えるための選局制御データをPLLIC10に入力する。また、設定した分周比に応じた制御電圧Vcを電流制御端子25に印加する、本発明に係る電流制御部の機能も有する。
【0035】
前述のように、発振回路26の動作電流が一定である場合には、その位相ノイズは、発振周波数に応じて異なる。換言すれば、予め発振周波数、位相ノイズ、および動作電流の対応関係を取得しておけば、発振周波数に応じて動作電流を制御することで、位相ノイズを所定レベルにすることができる。本実施形態はこれを利用したものである。
【0036】
たとえば前述のように、発振回路26が、その発振周波数が高いときには位相ノイズが増え、また動作電流量が多いときには位相ノイズが減る特性を有するものとする。発振回路26の発振周波数は、CPU84による可変分周器14,16への分周比の設定により決定される。そこでCPU84は、発振回路26の発振周波数が高くなるように分周比を設定したときには、これに合わせて、電流制御端子25への制御電圧Vcがより高くなるようにする。これにより、可変電流源29aに流れる電流量が増え、発振回路26の動作電流が増え、f3の位相ノイズが減るようになる。
【0037】
一方CPU84は、発振回路26の発振周波数が低くなるように分周比を設定したときには、これに合わせて、電流制御端子25への制御電圧Vcがより低くなるようにする。これにより、可変電流源29aに流れる電流量が少なくなり、発振回路26の動作電流も減り、f3の位相ノイズが増えるようになる。しかしながら、発振回路26の発振周波数が低いので、潜在的な位相ノイズのレベルは低い。
【0038】
つまり、この図4に示した構成では、発振回路26の発振周波数に基づいて発振回路26の動作電流を制御する(切り替える)ことで、フィードバック構成ではない(オープンループ構成である)ものの、位相ノイズが所定量となるように制御することができる。
【0039】
なお、周波数に応じた制御電圧Vcは、予め取得しておいたデータをルックアップテーブル(LUT)にしてメモリに格納しておき、そのデータを使用するようにするとよい。また上記説明では、発振周波数を管理するCPU84が、自身が設定した可変分周器14,16の分周比に応じて制御電圧Vcを生成するようにしていたが、たとえば発振回路26の発振周波数を検出し、この検出した周波数に応じて制御電圧Vcを生成する構成としてもよい。
【0040】
図5は、上記実施形態のVCO20を有するチューナを備えたテレビジョンシステム(テレビ用受信システム)の一例を示すブロック図である。このテレビジョンシステム3は、ビットエラーレート(BER;Bit Error Rate) を検出してVCO20にフィードバックをかけ、VCO(特に発振回路部分)の動作電流を最適な電流値に自動設定するようにしたものである。すなわち図示するテレビジョンシステム3は、チューナIC70、通信信号の一例であるテレビジョン信号を受信する受信部の一例である高周波信号受信回路80、チューナIC70から出力された信号に基づいてMPEG−TS信号を復調するデジタル信号復調IC82、およびテレビジョンシステム3の全体を制御するCPU84を備える。
【0041】
チューナIC70は、VCO20およびループフィルタ回路30を含み、局部発振回路として機能する位相同期回路1と、高周波信号受信回路80から入力された受信波f5とVCO20の出力信号f3とを混合して混合して57MHzの中間周波数(IF)信号(IF信号のセンターが57MHzという意味)V3を抽出するミキサ部(混合回路)72と、ミキサ部72から出力されたIF信号V3を所定レベルに増幅するIFアンプ74と、データ変換器76とを有し、これらがワンチップに集積回路化されたものである。テレビジョン信号を無線で受信するシステムの場合にはアンテナを介して、あるいはCATV(ケーブルテレビ)のように有線で受信するシステムの場合にはケーブルを介して、テレビジョン信号が高周波信号受信回路80に入力される。
【0042】
位相同期回路1は、図3に示した構成のものが用いられている。VCO20を構成する発振回路26としては、たとえばVHF帯(1〜12CH;90〜222MHz)とUHF帯(13〜62CH;470〜770MHz)など選局周波数帯に応じた周波数で発振する共振回路を各々設け、これらを切替え可能な構成としてもよい。
【0043】
ここで、受信波(受信チャネル映像搬送波)f5と局部発振回路として機能する発振回路26の出力f3とを入出力の関係が非直線的な回路で混合すると、f5+f3の信号とf5−f3の信号が発生する。テレビジョンシステム3では、発振回路26(すなわち局部発振回路)の周波数f3を受信波f5より57MHzだけ高い周波数とし、ミキサ部72に57MHz共振回路を設けて、f5−f3=57MHzの信号を中間周波信号として取り出すようにしている。
【0044】
CPU84は、可変分周器14,16の分周比1/A,1/N(何れか一方だけでもよい)を切り替えるための選局制御データを位相同期回路1に入力する。デジタル信号復調IC82は、IFアンプ74から出力された中間周波数(IF)信号に基づいて映像検波や音声検波などの種々のデジタル復調処理をする。デジタル信号復調IC82は、IFアンプ74から出力された中間周波数(IF)信号に基づいて種々のデジタル復調処理をする。またデジタル信号復調IC82は、発振回路26の位相ノイズに対応するデジタル復調処理時に検波したデジタル信号のビットエラーレートを検出し、この検出したビットエラーレートをCPU84に入力する。CPU84は、ビットエラーレートが所定範囲に収まるように(たとえば所定値以下となるように)、発振回路26の動作電流を制御するためのデジタルデータVDを生成し、この生成したデジタルデータVDをバスデータとしてデータ変換器76に入力する。
【0045】
データ変換器76は、デジタルデータVDをアナログの電流制御信号に変換し、この電流制御信号をVCO20の電流制御入力端子25に入力する。つまり、ミキサ部72、IFアンプ74、データ変換器76、デジタル信号復調IC82、およびCPU84により、本発明に係る位相ノイズ監視部が構成されている。なお、データ変換器76は、入力されたデジタルデータVDをD/A変換するものに限らず、CPU84から出力されたデジタルデータVDと対応するアナログの電流制御信号を生成し得るものであればよい。つまり、CPU84から出力されるデジタルデータVDとデータ変換器76が変換した電流制御信号との間に一定の相関があればよく、デジタルデータVDはアナログ信号値をデジタル化(A/D変換)することで得られるものに限らず、所定の規則の元に符号化したコードデータであってもよい。なお、コードデータの形態とするときには、後述する可変分周器14,16における分周比1/A,1/Nの設定についても、このデータ変換器76を介して行なうようにしてもよい。
【0046】
上記構成により、テレビジョンシステム3は、PLLシンセサイザ方式の選局回路が形成される。たとえば、基準発振器12の発振周波数(基準周波数)f1を3.58MHz、可変分周器14の分周比1/Aを1/3667とする。このとき、チューナIC70は、3.58MHzの1/3667の周波数f2=976Hzが、ch1を受信する場合の局部発振周波数150MHzの1/(2400*64)と一致し、ch3を受信する場合の局部発振周波数162MHzの1/(2592*64)と一致することを利用し、位相同期回路1により、局部発振周波数を所定の周波数に合わせるように作用する。
【0047】
たとえばVCO20は、周波数制御入力端子22に加わる電圧V1が高いほど高い周波数の出力信号を発するものとする。この場合において、ch1を受信するため図示しないチャネルボタンが“0”“1”と押されると、CPU84は、周波数制御部27の一方の周波数制御入力端子23にバンド切替電圧としてVHFローバンドが受信されるような電圧を印加し、分周比1/Nが1/(2400*64)になるような選局制御データを可変分周器16に入力する。
【0048】
もし局部発振周波数である発振回路26の出力信号の周波数f3がch1を受信する場合の局部発振周波数150MHzに正確に保持されていると、可変分周器16の出力信号の周波数f4は、“150×10^6×(1/64)×(1/2400)≒976.56Hz”(“^”はべき乗を示す)となり、位相比較器18に加わる周波数一定の基準信号の周波数f2と等しくなる。位相比較器18はf2とf4とが等しい場合には、比較出力(検波出力)は基準値(たとえば“0”)、f2>f4の場合には基準値より小(たとえば負)、f2<f4の場合には基準値より大(たとえば正)の出力電圧が得られるように構成されていて、その出力電圧V0をループフィルタ回路30に加える。
【0049】
ループフィルタ回路30は、位相比較器18からの電圧信号V0を平滑化し、この平滑化した電圧信号V1を周波数制御部27の一方の周波数制御入力端子22に入力する。たとえば、V0が基準値より大のときにはその大きさに比例して基準電圧VSよりも低下し、V0が基準値より小のときには、その大きさに比例して基準電圧VSよりも上昇するような電圧信号V1を周波数制御信号として周波数制御入力端子22に入力する。したがって局部発振周波数f3がちょうど150MHzである場合には、周波数制御入力端子22に加わる電圧は、発振周波数が150MHzとなるような基準電圧VS(たとえば5V一定)の電圧となり、もし150MHzより高い場合には周波数制御入力端子22に加わる電圧が低下して発振回路26の発振周波数を下げるように負帰還動作をする。
【0050】
これにより、ミキサ部72には、局部発振周波数f3としてch1に対応する150MHz一定の信号が発振回路26から入力される。したがってミキサ部72からは、受信波の周波数f5(VHF帯;90〜222MHz,UHF帯;470〜770MHz)と発振回路26の発振周波数f3との差周波数のうち、ch1についての57MHzの中間周波信号が出力され、デジタル信号復調IC82は、ch1のデジタルテレビジョン信号を安定して復号処理することができるようになる。
【0051】
次に、チャネルボタンが“0”“3”と押されると、CPU84は、分周比1/Nが1/(2592*64)になるような選局制御データを可変分周器16に入力する。直前の発振周波数f3は150MHzなので、可変分周器16の出力信号の周波数f4は、“150×10^6×(1/64)×(1/2592)≒904Hz”となり、f2>f4となるので、位相比較器18の比較出力(検波出力)は基準値より小となる。
【0052】
したがって、周波数制御入力端子22に加わる電圧が上昇し、局部発振周波数がch3を受信するための周波数162MHzになるように動作する。これにより、ミキサ部72からは、受信波の周波数f5(VHF帯;90〜222MHz,UHF帯;470〜770MHz)と発振回路26の発振周波数f3との差周波数のうち、ch1ではなくch3についての57MHzの中間周波信号が出力され、デジタル信号復調IC82は、ch3のデジタルテレビジョン信号を安定して復号処理することができるようになる。
【0053】
前例では、ch1とch3について説明したが、これに限らず、VHF帯であればch1〜ch12(190〜222MHz)、UHF帯であればch13〜ch62(470〜770MHz)と切り替えられる。このようにテレビジョンシステム3は、押されたチャネルボタンに応じて、局部発振周波数、すなわち発振回路26の発振周波数を広帯域に亘って切り替えることで、ユーザが希望したchの映像および音声を出力する。
【0054】
一方、発振回路26の動作電流を一定に維持したままで発振回路26の発振周波数を広帯域に亘って切り替えると、前述のように、ある発振周波数では低位相ノイズでも、VHF帯(1〜12CH;90〜222MHz)あるいはUHF帯(13〜62CH;470〜770MHz)など、広帯域の選局周波数帯に亘って低位相ノイズにすることはできない。しかしながら、上記構成のテレビジョンシステム3においては、デジタル復調処理時に検波したデジタル信号のビットエラーレートを検出し、VCO20にフィードバックをかけ、VCO(特に発振回路26)の動作電流を最適な電流値に自動設定するようにしている。
【0055】
たとえば、デジタル信号復調IC82におけるデジタル復調処理時に検出されたビットエラーレートが所定レベル以上となったときには、CPU84は、データ変換器76によるデータ変換後の電流制御信号の値がより高くなるようにデジタルデータVDを設定し直す。これにより、可変電流源29aに流れる電流量が多くなり、発振回路26の動作電流が増え、f3の位相ノイズが減少するようになる。位相ノイズが減少すれば、ビットエラーレートも小さくなり、所定レベル以下となる。
【0056】
このように、ビットエラーレートは発振回路26の位相ノイズに相関があるため、デジタル信号復調IC82でビットエラーレートを検出することで、発振回路26の動作電流値を自動で最適(前例では所定レベル以下)に設定し低位相ノイズを得ることができるようになる。デジタル信号処理においては、ビットエラーレートの監視は簡単に実現できるので、位相ノイズの検知手法も簡易になる。たとえば、発振回路26の発振周波数に対する位相ノイズ特性が単調増加あるいは単調減少といったものでないとき、制御用のデジタルデータVDを逐次変動させて検出したビットエラーレートが最小となるVD値をサーチして設定することで、位相ノイズが最小となる最適な電流量を設定することができる。これにより、デジタルTVの特性の中で最も重要な特性である位相ノイズの劣化の問題を簡単かつ確実に解消することができるようになる。
【0057】
なお上記説明では、ビットエラーレートが所定レベル以上となったときに、発振回路26の動作電流を増やすように制御していたが、ビットエラーレートの値に応じて、発振回路26の動作電流量を多段階にあるいは連続的に制御し、位相ノイズが常に所定範囲あるいは所定値となるようにダイナミックにフィードバック制御するようにしてもよい。
【0058】
また、チューナIC70内にデータ変換器76を設け、CPU84から出力されたデジタルデータVDをデータ変換器76によりアナログの電流制御信号に変換してから電流制御入力端子25に印加する構成としていたが、図3に示した構成と同様に、チューナIC70の外部からアナログの電流制御信号を電流制御入力端子25に印加する構成としてもよい。
【0059】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0060】
たとえば上記実施形態では、位相ノイズに対応する情報の一例である、発振回路出力f3のジッタ(周波数揺らぎ)やデジタル信号のビットエラーレートなどを検知することで位相ノイズレベルを判定するようにしていたが、位相ノイズを直接的に検知する、あるいは位相ノイズに対応する所定の情報を検知することで位相ノイズを間接的に検知するなど、その他の検出方法を用いて位相ノイズを検知・判定してもよい。たとえば位相比較器18の出力信号は発振回路出力f3の位相ノイズ(位相ムラ)を直接的に表すので、位相比較器18の出力信号のバラ付き度合いを監視して、上記実施形態で説明したような制御をしてもよい。あるいは、デジタル信号復調IC82のようにデジタル信号処理する構成の場合には、デジタル信号のアイパターンにおける開口部分の面積が位相ノイズを表すので、この開口部分の面積のバラ付き度合いを監視して、上記実施形態で説明したような制御をしてもよい。
【0061】
また本願発明は、動作電流によって位相ノイズが変動する発振器あるいはこの発振器を有する全ての回路や装置に適用可能であり、発振器を構成する発振回路(共振回路)の構成はどのようなものであってもよい。たとえば図5に示した実施形態では、位相同期回路を用いたPLL周波数シンセサイザ方式の同調機構(選局機構)を具備したテレビジョンシステムを例に説明したが、テレビジョンシステムに限らず、ラジオや無線機あるいは携帯電話(たとえば広帯域の送受信特性が要求されるW−CDMA方式のもの)などの位相同期回路を備えた受信用あるいは送信用の通信装置に適用することもできる。また通信機器に限らず、位相同期回路が使用され、所定の周波数範囲に亘って(比較的離れた2つの周波数でもよい)使用されるその他の装置にも適用可能である。たとえば一般的な角度変調回路や角度復調回路並びにこれらの回路を備えた装置に適用可能である。もちろん、位相同期回路に限らず、発振器単独で使用される装置に適用することもできる。
【0062】
また、発振回路の動作電流を制御するための電流制御信号は、電圧信号に限らず電流信号であってもよい。この場合、スイッチSW1(図1や図2)および可変電流源29a(図3や図4)は、そのインターフェース部分として電流入力端子を備えていればよい。また、必要に応じて、電流/電圧変換あるいはその逆の電圧/電流変換の機能部分を設けてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発振回路の動作電流を変更可能な構成としたので、発振回路の動作電流を切り替えることで、動作電流固定の従来方式の発振器よりも、より広い発振周波数帯域に亘って低位相ノイズを得ることができるようになる。そして、このような発振器を有する各種の回路や装置は、広い周波数帯域に亘って位相ノイズの問題が解消されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る発振器の一実施形態を示す回路図である。
【図2】 図1に示した発振器を有する位相同期回路の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】 図2に示した位相同期回路の変形例を示す図である。
【図4】 位相同期回路の他の変形例を示す図である。
【図5】 VCOを有するチューナを備えたテレビジョンシステムの一例を示すブロック図である。
【図6】 従来技術を示した図であって、位相同期回路の基本構成を示したブロック図(A)、および位相同期回路における発振器の従来例を示した回路図である。
【符号の説明】
1…位相同期回路、3…テレビジョンシステム、10…PLLIC、12…基準発振器、14,16…可変分周器、18…位相比較器、20…VCO、22…周波数制御入力端子、24…出力端子、25…電流制御入力端子、26…発振回路、27…周波数制御回路、28…電流源部、29…電流切替回路、29a…可変電流源、30…ループフィルタ回路、70…チューナIC、72…ミキサ部、74…IFアンプ、76…データ変換器、80…高周波信号受信回路、82…デジタル信号復調IC、84…CPU、90,92…ジッタ量監視回路、SW1…スイッチ、VT21…基準電圧源

Claims (7)

  1. 電流制御入力端子および周波数制御入力端子を具備し、前記電流制御入力端子に入力された電流制御信号に基づく動作電流の供給を受けて発振動作をするとともに、前記周波数制御入力端子に入力された周波数制御信号に対応する発振周波数の出力信号を発生する発振器と、
    準周波数の基準信号と、前記発振周波数に対応する周波数の被比較信号とを相比較する位相比較器と、
    前記位相比較器の出力信号を平滑化し、この平滑化した信号を前記周波数制御信号として前記発振器の前記周波数制御入力端子に印加するループフィルタ部と、
    前記発振器から出力された出力信号の位相ノイズを検出し、この検出した位相ノイズに基づいて、前記発振器の出力信号の位相ノイズを所定量以下とするための前記電流制御信号を生成し、この生成した電流制御信号を前記電流制御入力端子に印加する位相ノイズ監視部と
    を備えたことを特徴とする位相同期回路。
  2. 前記発振器は、前記動作電流を生成する電流源であって、その出力電流をオン/オフ可能な電流源を有し、
    前記位相ノイズ監視部は、前記検出した位相ノイズに基づいて、前記オン/オフ可能な電流源をオン/オフ制御するための前記電流制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期回路。
  3. 前記発振器は、前記電流制御信号に応じた前記動作電流を生成する可変電流源を有し、
    前記位相ノイズ監視部は、前記検出した位相ノイズに応じた前記電流制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期回路。
  4. 電流制御入力端子および周波数制御入力端子を具備し、前記電流制御入力端子に入力された電流制御信号に基づく動作電流の供給を受けて発振動作をするとともに、前記周波数制御入力端子に入力された周波数制御信号に対応する発振周波数の出力信号を発生する発振器と、
    準周波数の基準信号と、前記発振周波数に対応する周波数の被比較信号とを相比較する位相比較器と、
    前記位相比較器の出力信号を平滑化し、この平滑化した信号を前記周波数制御信号として前記発振器の前記周波数制御入力端子に印加するループフィルタ部と、
    前記発振器から出力される出力信号の発振周波数、当該発振器から出力される出力信号の位相ノイズ、および当該発振器の動作電流の対応関係に基づき、設定する前記発振器の発振周波数に応じて、前記発振器の出力信号の位相ノイズが所定量以下となるように、前記電流制御信号を制御する制御部
    を備えたことを特徴とする位相同期回路。
  5. 前記位相ノイズは、前記出力信号の発振周波数の揺らぎ、位相比較信号のバラ付き度合い、前記出力信号に基づいて生成されるデジタル信号のビットエラーレートもしくは前記デジタル信号のアイパターンにおける開口部分の面積のバラ付き度合いに基づき検出される
    ことを特徴とする請求項1または4に記載の位相同期回路。
  6. 動作電流の供給を受けて発振動作をして出力信号を生成する発振回路、電流制御入力端子、および当該電流制御入力端子に入力された電流制御信号に基づいて前記動作電流を制御する動作電流制御回路を有する発振器を具備した位相同期回路と、
    前記発振器から出力された出力信号の位相ノイズを検出し、この検出した位相ノイズに基づいて、前記発振器の出力信号の位相ノイズを所定量以下とするための前記電流制御信号を生成し、この生成した電流制御信号を前記電流制御入力端子に印加する位相ノイズ監視部と
    を備えたことを特徴とする同調装置。
  7. 動作電流の供給を受けて発振動作をして出力信号を生成する発振回路、電流制御入力端子、および当該電流制御入力端子に入力された電流制御信号に基づいて前記動作電流を制御する動作電流制御回路を有する発振器を具備した位相同期回路と、
    前記発振器から出力される出力信号の発振周波数、当該発振器から出力される出力信号の位相ノイズ、および当該発振器の動作電流の対応関係に基づき、設定する前記発振器の発振周波数に応じて、前記発振器の出力信号の位相ノイズが所定量以下となるように、前記電流制御信号を制御する制御部
    を備えたことを特徴とする同調装置。
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