JP4110571B2 - Nc加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、設計上の目標形状に基づく基準NCデータに従って工具又は治具を位置決め制御して、ワークを目標形状に近づけるように加工するNC加工装置に関する。
従来、この種のNC加工装置として、マシニングセンターの主軸に、工具に代えてタッチセンサを取り付け、目標形状に対するワークの加工誤差を計測するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、このNC加工装置では、加工誤差が許容値範囲外となったワークを、不合格品(NG品)として排除していた。
特開平5−253800号公報(請求項1、段落[0008]、[0010])
ところで、ワークの一部分のみの加工誤差が許容範囲外にあり、それ以外の部分の加工誤差は許容範囲内に収まっている場合がある。しかしながら、上記した従来のNC加工装置では、ワークの一部分のみの加工誤差が許容範囲外となった場合も不合格品として排除していたので、多大なる資源の損失になり得た。
また、NC加工機が同じ動作を繰り返しても、工具の熱膨張や摩耗によって加工精度が経時的に変化し得る。従って、ワークに補正加工を行う場合には、各ワーク毎に補正加工用のNCデータを個別に作成しなければならず、NCデータ作成に長時間を要した。このため、一度、NC加工機から不合格品のワークを排除し、補正加工用のNCデータを作成してから、再度、NC加工機にセットしなければならず、作業効率が悪かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より不合格品の発生を減らし、補正加工が必要なワークを迅速に処理することが可能なNC加工装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るNC加工装置は、ワークの目標形状に基づく基準NCデータに従って工具又は治具を位置決め制御し、治具に固定されたワークを目標形状に近づけるように加工するNC加工装置において、基準NCデータに従って加工されたワークの実際の形状と目標形状との間の加工誤差を、そのワークが治具に固定されたままの状態で計測する加工誤差計測手段と、加工誤差計測手段の計測結果に基づき、ワークのうち所定の基準値以上に加工代が残った残加工代部位を特定する残加工代部位特定手段と、残加工代部位の加工代を所定の基準値以下にするための補正加工用NCデータを生成する補正加工用NCデータ生成手段と、補正加工用NCデータに従って工具又は治具を位置決め制御する補正加工制御部とを備え、残加工代部位特定手段は、目標形状を構成する複数の加工面のうち所定の面積を超えた加工面を複数の加工領域に分割し、それら加工領域のうち所定の基準値以上に加工代が残った部分が、所定の基準比率以上を占める加工領域を、残加工代部位とするところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のNC加工装置において、補正加工用NCデータ生成手段は目標形状における加工面より深い位置に補正加工用の目標加工面を設定するように補正加工用NCデータを生成するところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のNC加工装置において、補正加工用NCデータ生成手段は、基準NCデータによる設定より削り残り量が小さくなるように補正加工用NCデータを生成するところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載のNC加工装置において、補正加工用NCデータ生成手段は、切り込み量、ピックフィード、送り速度、工具回転数の少なくとも1つを基準NCデータによる設定より小さくして、基準NCデータによる設定より削り残り量が小さくなるように補正加工用NCデータを生成するところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4何れかに記載のNC加工装置において、残加工代部位特定手段は、所定の基準値以上に加工代が残った部分が、所定の基準比率以上を占めかつ所定の面積以下の加工面を、残加工代部位とするところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1乃至の何れかに記載のNC加工装置において、目標形状における加工面とワークの実際の形状の加工面とが、全体的に所定の基準値以上に位置ずれを起こした位置ずれ部位を特定する位置ずれ部位特定手段を備え、補正加工用NCデータ生成手段は、位置ずれ部位の位置ずれ量を基準値以下にするための補正加工用NCデータを生成するところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載のNC加工装置において、補正加工用NCデータ生成手段は、目標形状における加工面に対し、位置ずれを起こした側と反対側に補正加工用の目標加工面を設定するように補正加工用NCデータを生成するところに特徴を有する。
[請求項1,2,3,4,5の発明]
請求項1のNC加工装置では、基準NCデータに従って加工されたワークを治具に固定されたままの状態にしてそのワークの加工誤差を計測し、所定の基準値以上に加工代が残った残加工代部位を特定する。このとき、ワークの目標形状を構成する複数の加工面のうち所定の面積を超えた加工面に関しては、その加工面を複数の加工領域に分割し、それら加工領域のうち基準値以上に加工代が残っている部分が基準比率以上を占める加工領域を残加工代部位とする。そして、補正加工用NCデータ生成手段が残加工代部位の加工代を基準値以下にするための補正加工用NCデータを生成し、その補正加工用NCデータに従って残加工代部位に補正加工を施す。このように、本発明によれば、ワークを治具に固定した状態のままで、補正加工用NCデータを自動的生成して補正加工を施すので、従来より不合格品の発生を減らし、補正加工が必要なワークを迅速に処理することが可能になる。また、所定の面積を超えた加工面を複数の加工領域に分割して、それら加工領域毎に残加工代部位であるか否かの判別を行っているので、所定の面積を超えた加工面の全体を補正加工するより、補正加工を施す部分の面積が小さくなり、生産性が向上する。しかも、各加工領域が残加工代部位であるか否かの判別を、基準値以上に加工代が残っている部分が基準比率以上を占めるか否かに基づいて行っているので、削りかす等による外乱を排除して、残加工代部位であるか否かの判別が安定する。
なお、所定の面積以下の加工面に関しては、所定の基準値以上に加工代が残っている部分の占める割合が基準比率以上であった加工面を残加工代部位とすればよい(請求項5の発明)。
ここで、残加工代部位に残った加工代を除去するためには、目標形状における加工面より深い位置に補正加工用の目標加工面を設定するように補正加工用NCデータを生成してもよいし(請求項2の発明)、削り残り量を基準NCデータによる設定より小さくなるように補正加工用NCデータを生成してもよい(請求項3の発明)。具体的には、切り込み量、ピックフィード、送り速度、工具回転数の少なくとも1つを基準NCデータによる設定より小さくすればよい(請求項4の発明)。
[請求項6,7の発明]
請求項のNC加工装置では、ワークの実際の加工面が目標形状の加工面に対して所定の基準値以上に位置ずれを起こした場合には、その位置ずれ部位の位置ずれ量を基準値以下にするように補正加工用NCデータが自動生成され、その位置ずれ部位に補正加工が施される。具体的には、位置ずれ部位に対応した目標形状における加工面に対し、位置ずれ側と反対側に補正加工用の目標加工面を設定するように補正加工用NCデータを生成することで、位置ずれを抑えるように補正加工を施すことができる(請求項の発明)。



以下、本発明の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。本実施形態のNC加工装置10は、図1に示すようにマシニングセンター11とワークトレース装置20とを備えてなり、次述するワークWを加工する。
ワークWは、例えば成形用金型であって、図5に示すように金属ブロック50の一面に成形凹所51を形成してなる。成形凹所51は、例えば直方体状の本体部52の一端から半円溝53を延長し、その半円溝53の先端に半円状のフランジ成形部54を備える。また、本体部52の底面55はV字溝56によって長手方向に2分されている。さらに、本体部52の底面55には、1対の丸孔57,57が備えられている。
ワークWは、例えばNC加工装置10とは異なる場所(例えば設計室)に備えたCAD/CAMによって設計される。そして、CAD/CAMは、設計者の端末操作に応じてワークWの3次元形状をディスプレイに表示して設計作業を補助すると共に、設計された形状をワークWの目標形状としてNCデータ化する。そして、このNCデータが本発明に係る基準NCデータとして、オンラインにより又は記憶媒体に一時的に記憶されてマシニングセンター11に取り込まれる。
マシニングセンター11は、図1に全体が示されており、水平方向を向いた主軸12の先端部に種々の加工ツール12T(図3参照)を着脱可能な構成になっている。また、マシニングセンター11のうち主軸12の前方には治具14が備えられ、この治具14は、サーボモータを駆動源とした5つの駆動軸19(図3参照)によって駆動される。具体的には、治具14は、いわゆるチルトテーブルであり、傾動ベース14Aと、その傾動ベース14Aに取り付けられたツイストベース14Bとからなる。そして、図1に示すように傾動ベース14Aは、主軸12に直交しかつ水平方向を向いたA軸を中心にして回動すると共に、直動機構によってA軸と平行なX軸方向に直動する。また、主軸12と一体構成の主軸ヘッド12Hは、主軸12と平行がZ軸方向に直動するコラム11C内を上下に延びたY軸方向に直動する。さらに、ツイストベース14Bは、A軸と直交したB軸を中心にしてツイストする。
図3には、マシニングセンター11の電気的な構成が示されている。マシニングセンター11に備えたデータ記憶部16には、前述の如く例えば設計室のCAD/CAMにて生成された基準NCデータが、基準NCデータファイル17となって記憶されている。そして、マシニングセンター11に備えた駆動制御部15(本発明に係る「補正加工制御部」に相当する)が、基準NCデータファイル17から基準NCデータを読み込み、その基準NCデータに従って治具14の駆動軸19及び主軸12、主軸ヘッド12Hの駆動軸、コラムの駆動軸を駆動する。これにより、主軸12の先端の加工ツール12Tが、金属ブロック50の所定の位置に所定の姿勢で押し当てられ、ワークWに成形凹所51が加工される。
図1に示すように、ワークトレース装置20は、例えば治具14を挟んで主軸12に対峙するように配置されている。図2に示すように、ワークトレース装置20は、水平方向に進退する直動ロッド21の先端にタッチセンサ25を備える。タッチセンサ25は、先細り状になったセンサー基部22からトレース端子23を突出させた構造になっている。トレース端子23は、例えば軸体の先端に球体部24を備えてなり、常には、センサー基部22と同軸上に延びた姿勢に付勢されている。そして、トレース端子23が、外力を受けて任意の方向に傾動し、その傾動角度により球体部24の変位量が検出される。
ワークトレース装置20及びマシニングセンター11は図3に示したメイン制御部41によって協調制御され、ワークWの目標形状に対する加工誤差を計測する。従って、本実施形態では、ワークトレース装置20、マシニングセンター11及びメイン制御部41によって、本発明に係る「加工誤差計測手段」を構成している。また、同図の符合42で示したCAD/CAM42は、本発明に係る「残加工代部位特定手段」、「補正加工用NCデータ生成手段」及び「位置ずれ部位特定手段」に相当する。これらメイン制御部41及びCAD/CAM42の構成に関しては、次述するNC加工装置10の動作と併せて説明する。
なお、メイン制御部41及びCAD/CAM42は、例えば、マシニングセンター11及びワークトレース装置20の近傍に配置されるメイン制御ボックス40に収容されている。
NC加工装置10により図5に示したワークWを加工するには、まずは、成形凹所51が加工されていない金属ブロック50を治具14に固定する。そして、メイン制御ボックス40に備えた図示しないメイン起動スイッチをオンする。すると、メイン制御部41からマシニングセンター11の駆動制御部15に起動信号が付与され、以下、図4のフローチャートに示したようにNC加工装置10が動作する。
即ち、メイン制御部41から起動信号を受けた駆動制御部15は、データ記憶部16の基準NCデータファイル17から基準NCデータを読み込み、それら基準NCデータに基づいて主軸12の先端に所定の加工ツール12Tを装着する。次いで、主軸12及び各駆動軸19を駆動し、治具14に固定されたワークWの金属ブロック50に加工ツール12Tを押し付けて、成形凹所51を加工する(図4のS1)。より具体的には、主軸12に荒削り用の加工ツール12Tを取り付けられて金属ブロック50に大まかに成形凹所51を加工してから、仕上げ用の加工ツール12Tにて、その成形凹所51の内面を切削又は研磨する。
ワークWの加工が終了すると、駆動制御部15からメイン制御部41に加工終了信号が付与される。これに応じて、メイン制御部41は、ワークトレース装置20及びマシニングセンター11の駆動制御部15に計測開始信号を付与する。すると、ワークトレース装置20における直動ロッド21が前方に駆動され、タッチセンサ25が治具14側に接近する。一方、駆動制御部15は、データ記憶部16の計測用NCデータファイル43から計測用NCデータを読み込む。そして、駆動軸19を駆動して治具14の姿勢制御を行うことで、トレース端子23の球体部24を、ワークWの加工面に押し付けて変位させた状態に保持しつつ、そのワークWの全部の加工面の全域にトレースさせる(S2)。
このとき、ワークWの姿勢変化に伴って、CAD/CAM42には、駆動制御部15からワークWの姿勢データと、ワークトレース装置20から球体部24の変位方向及び変位量に関するデータとが取り込まれる(S3)。そして、CAD/CAM42が、これら取り込んだデータに基づいて、ワークWの実際の形状を演算し、CAD/CAM42に記憶されたモデルデータ(基準NCデータと同じ)に基づく目標形状とを比較する(S4〜S6)。
詳細には、実測データから求めたワークWの実際の形状から原点位置を特定する(S4)。具体的には、例えば金属ブロック50のうち成形凹所51が形成された端面において本体部52の一角部を原点とし、その原点から三方に延びた本体部52の直交3辺をX,Y,Z座標とする。
そして、モデルデータに基づいたワークWの目標形状と、ワークWの実際の形状とを重ね合わせてそれらの間の加工誤差を演算する(S5)。ここで、ワークWの実際の形状と目標形状との間の加工誤差が所定の基準値以下(所定の許容範囲以内)に収まっていた場合には、そのワークWは合格品であるので、NC加工装置10による全行程が終了した旨の報知を行う。なお、ワークWの実際の形状が目標形状より過度に削られていた場合には不合格品であることを報知する。
上記した合格品及び不合格品以外の場合には、CAD/CAM42は、ワークWにおいて、所定の基準値以上に加工代が残った部分が所定の基準比率(例えば、80%)以上を占めた加工面を残加工代部位をとして特定する(S6)。具体的には、図6に示すように、例えばワークWにおけるV字溝56の底面56A2が、目標形状におけるV字溝56の底面56A1に対して所定の基準値(図6の誤差δ1参照)以上に加工代が残った部分が、所定の基準比率以上を占めていた場合に、V字溝56の底面56A2を残加工代部位と認定する。
また、CAD/CAM42は、所定の面積を超えた比較的大きな加工面に対しては、複数の加工領域に分割し、それら加工領域のうち所定の基準値以上に加工代が残った部分が所定の基準比率以上を占める加工領域を、残加工代部位と認定する。具体的には、図7に示すように、例えばワークWにおける本体部52の底面55を、所定の面積を超えた比較的大きな加工面として認定し、底面55を複数の加工領域R1,R2,R3・・に分割する。そして、所定の基準値以上に加工代が残った部分が所定の基準比率以上を占める加工領域R2,R3,R6,R7のみを残加工代部位と認定する。
さらに、CAD/CAM42は、目標形状における加工面とワークWの実際の形状の加工面とが全体的に位置ずれを起こした位置ずれ部位を特定する。具体的には、図8に示すように丸孔57が目標形状における丸孔57A1に対して、中心が所定の基準値(図8の誤差δ2参照)以上ずれかつ丸孔57A1に収まる範囲に加工されていた場合には、ここを位置ずれ部位として認定する。
次いで、CAD/CAM42は、各残加工代部位及び位置ずれ部位に対して補正加工用NCデータを生成する(S7)。詳細には、CAD/CAM42は、例えば、残加工代部位に対応した目標形状における加工面より深い位置に補正加工用の目標加工面を設定するように補正加工用NCデータを生成する。具体的には、V字溝56の底面56A2に関しては、図6に示した底面56A1を目標にして加工を行った結果、削り残しが所定の基準値を超えて残ったのであるから、底面56A1より深い位置に補正加工用の目標加工面(図6の底面56A3参照)を設定して、補正加工用NCデータを生成する。
また、CAD/CAM42は、例えば、残加工代部位に対応した基準NCデータより削り残り量が小さくなるように補正加工用NCデータを生成する。削り残り量を小さくするには、例えば、図9(A)に示すように、[1]工具切り込み量(Ad)を小さくする、[2]工具のピックフィード(Pf)を小さくする、[3]工具の送り速度(f)を小さくする、[4]主軸(工具)の回転数(S)を小さくする等の基準NCデータに対する設定変更が挙げられる。これら[1]〜[4]の何れの場合も、図9(B)及び図9(C)に示した削り残り量(Kz)が減少する。その理由は、図10に示すように、[1]〜[3]の設定変更を行った場合は、時間当たりの除去量(削り量)が減少し、工具負荷が小さくなって工具の撓みが減少するからである。また、上記[4]では、工具の切れ刃あたりの切削速度が減少するからであり、これにより、工具寿命が向上し、工具が摩耗し難くなるというメリットがある。
具体的には、本体部52の底面55における加工領域R2,R3,R6,R7(図7参照)に関しては、基準NCデータより加工速度を遅くする変更のみを行って補正加工用NCデータを生成する。これにより、本体部52の底面55における加工領域R2,R3,R6,R7のみが再び削り残しが生じないようにすることができる。
さらに、CAD/CAM42は、位置ずれ部位に対応した目標形状における加工面に対し、位置ずれと反対側の目標加工面が設定されるように補正加工用NCデータを生成する。具体的には、図8に示した丸孔57に関しては、目標形状の丸孔57A1に対して同図において左側に誤差δ2だけずれて加工されたので、例えば目標形状の丸孔57A1に対して同図の右側に誤差δ2だけずれらして丸孔57を加工するように補正加工用NCデータを生成する。
なお、ワークWを全体に亘って補正加工が必要な場合には、全体を補正加工することを指令として伝えるための補正加工用NCデータが生成される。
上述の如く、CAD/CAM42により補正加工用NCデータの生成が完了したら、CAD/CAM42からメイン制御部41に終了信号が出力され、これら補正加工用NCデータが補正加工用NCデータファイル18としてマシニングセンター11のデータ記憶部16に取り込まれる。そして、マシニングセンター11の駆動制御部15が、データ記憶部16の補正加工用NCデータファイル18から読み込んだ補正加工用NCデータに従ってワークWに補正加工を施す。より具体的には、ワークWの全体を補正加工する指令としての補正加工用NCデータを読み込んだときには、さらにデータ記憶部16から計測用NCデータファイル43を読み込んで、再度、ワークW全体を加工する。それ以外の場合には、読み込んだ補正加工用NCデータに基づいて、ワークWにおける残加工代部位及び位置ずれ部位のみを補正加工する(S8)。
この補正加工終了後に、例えば、再度、ワークトレース装置20を用いた形状計測を行い、ワークWと目標形状との誤差を所定の基準値以下に収束させる。或いは、補正加工を数回行った後、ワークWと目標形状との加工誤差が所定の基準値以下に収まらなかったワークWは不合格品として排除する。
このように本実施形態のNC加工装置10では、ワークWを治具14に固定した状態のままで、補正加工用NCデータを自動的に生成して補正加工を施すので、従来より不合格品の発生を減らし、補正加工が必要なワークを迅速に処理することが可能になる。また、所定の基準値以上に加工代が残っている部分の占める割合が基準比率以上であった加工面を残加工代部位とすることで、削りかす等の外乱を排除して、残加工代部位であるか否かの判別を安定して行うことができる。さらに、所定の面積を超えた加工面に補正加工を施す場合には、その所定の面積を超えた加工面を複数の加工領域に分割し、それら加工領域のうち所定の基準値以上に加工代が残っている加工領域を残加工代部位として認定して補正加工を施すので、比較的広い加工面全体を補正加工するより、補正加工を施す部分の面積が小さくなり、生産性が向上する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態のワークWは金型であったが、ワークの形状は金型に限定されるものではない。
(2)前記実施形態では、マシニングセンター11と対峙させてワークトレース装置20を備えた構成であったが、マシニングセンターの主軸に前記したタッチセンサ25を着脱自在に取り付けてワークの形状を計測可能としてもよい。また、ワークWの加工中には退避可能にマシニングセンタ11の適宜箇所(例えば、コラム11C)にタッチセンサ25を取り付けておいてもよい。
(3)前記実施形態のワークトレース装置20は、ワークに接触して形状を計測するものであったが、例えば、非接触の距離センサを備え、その距離センサによりワークの表面をスキャンしてワークの形状を計測する構成にしてもよい。
(4)前記実施形態では、マシニングセンター11を備えたNC加工装置10を例示したが、本発明に係るNC加工装置はマシニングセンターを備えたものに限定されるものではなく、マシニングセンターに代えて旋盤やフライス盤等を備えて本発明のNC加工装置を構成してもよい。
本発明の一実施形態に係るNC加工装置の斜視図 形状計測装置の側面図 NC加工装置の電気的な構成を示すブロック図 NC加工装置の動作を示すフローチャート NC加工装置で加工したワークの斜視図 ワークにおけるV字溝の部分拡大斜視図 ワークにおける本体部の底面の斜視図 ワークにおける丸孔の平面図 工具がワークを加工している状態の概念図 切削工程の概念図
符号の説明
10 加工装置
11 マシニングセンター
14 治具
15 NC駆動制御部(補正加工制御部)
16 データ記憶部
19 駆動軸
20 形状計測装置
42 CAD/CAM
55 底面(加工面)
56A2 底面(加工面)
W ワーク
δ1 誤差
δ2 誤差

Claims (7)

  1. ワークの目標形状に基づく基準NCデータに従って工具又は治具を位置決め制御し、前記治具に固定された前記ワークを前記目標形状に近づけるように加工するNC加工装置において、
    前記基準NCデータに従って加工されたワークの実際の形状と前記目標形状との間の加工誤差を、そのワークが前記治具に固定されたままの状態で計測する加工誤差計測手段と、
    前記加工誤差計測手段の計測結果に基づき、前記ワークのうち所定の基準値以上に加工代が残った残加工代部位を特定する残加工代部位特定手段と、
    前記残加工代部位の前記加工代を前記所定の基準値以下にするための補正加工用NCデータを生成する補正加工用NCデータ生成手段と、
    前記補正加工用NCデータに従って前記工具又は治具を位置決め制御する補正加工制御部とを備え、
    前記残加工代部位特定手段は、前記目標形状を構成する複数の加工面のうち所定の面積を超えた加工面を複数の加工領域に分割し、それら加工領域のうち前記所定の基準値以上に前記加工代が残った部分が、所定の基準比率以上を占める加工領域を、前記残加工代部位とすることを特徴とするNC加工装置。
  2. 前記補正加工用NCデータ生成手段は、前記目標形状における加工面より深い位置に補正加工用の目標加工面を設定するように前記補正加工用NCデータを生成することを特徴とする請求項1に記載のNC加工装置。
  3. 前記補正加工用NCデータ生成手段は、前記基準NCデータによる設定より削り残り量が小さくなるように前記補正加工用NCデータを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載のNC加工装置。
  4. 前記補正加工用NCデータ生成手段は、切り込み量、ピックフィード、送り速度、工具回転数の少なくとも1つを前記基準NCデータによる設定より小さくして、前記基準NCデータによる設定より削り残り量が小さくなるように前記補正加工用NCデータを生成することを特徴とする請求項3に記載のNC加工装置。
  5. 前記残加工代部位特定手段は、前記所定の基準値以上に前記加工代が残った部分が、所定の基準比率以上を占めかつ前記所定の面積以下の加工面を、前記残加工代部位とすることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のNC加工装置。
  6. 前記目標形状における加工面と前記ワークの実際の形状の加工面とが、全体的に所定の基準値以上に位置ずれを起こした位置ずれ部位を特定する位置ずれ部位特定手段を備え、
    前記補正加工用NCデータ生成手段は、前記位置ずれ部位の位置ずれ量を前記基準値以下にするための補正加工用NCデータを生成することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のNC加工装置。
  7. 前記補正加工用NCデータ生成手段は、前記目標形状における加工面に対し、前記位置ずれを起こした側と反対側に補正加工用の目標加工面を設定するように前記補正加工用NCデータを生成することを特徴とする請求項6に記載のNC加工装置。
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