しかしながら、図9に示された特許文献1による表面実装型のFPC用コネクタ60は、複数のコンタクト端子90が絶縁ハウジング70に所定のピッチで横並びに装着されており、この複数のコンタクト端子90におけるリード部となるコンタクト95は、絶縁ハウジング70の後方に突出している。突出しているコンタクト95は、図示されないプリント基板にはんだ接合される。
なお、図9は特許文献1における図2に相当し、特許文献1による表面実装型のFPC用コネクタにおいて、FPCが接続される前の状態図であり、コンタクト端子に沿って示した断面図である。
例えば、液晶ディスプレイやPDP(Plasma Display Panel)等の組立工程においては、金属部材をタッピンねじで固定する場合がある。そして、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑が、液晶ディスプレイやPDPに備えられている表面実装型のFPC用コネクタにおけるコンタクトのリード部(図9のコンタクト95に相当)に係止して当該コンタクト間を短絡してしまうという問題がある。
このような金属屑の落下又は侵入によるコンタクト間の短絡、特に、コンタクトにおけるリード部間の短絡を防止するため、図9において、回動アクチュエータ80(以降、バックロック型のカバーとなる開閉レバー80とする)の端部を延長し、更に、延長した開閉レバー80をL字状に形成し、コンタクト95をL字状の開閉レバー80で覆うようにして、開閉レバー80を金属屑の侵入を阻止する防護カバーとする対策が考えられる。
しかしながら、前述のようにカバーとなる開閉レバー80を大きくすることは、小型化が可能な構造の表面実装型のFPC用コネクタとは相反するものとなる。更に、カバーとなる開閉レバー80に防護機能をもたせるのではなく、カバーとなる開閉レバー80とは無関係に表面実装用コネクタそれ自体に金属屑の侵入を阻止する防護機能をもつ小型(低背)で安価な表面実装用コネクタが求められている。
このような表面実装用コネクタにあっては、金属屑の防護機能付き表面実装用コネクタと金属屑の防護機能無しの表面実装用コネクタをユーザーが選択できるように提供できると便利である。つまり、ユーザーの求める仕様(例えば極数)の表面実装用コネクタにおいて、オプションとして金属屑の防護機能が選択できるようになれば便利である。
更に、このような金属屑の防護機能付きであり、表面実装用コネクタにあっては、コンタクトにおけるリード部がプリント基板にはんだ接合容易な構造であることも考慮されなくてはいけない。そして、はんだ接合されたリード部を例えば、導通チェックできるようにプローブで探査容易な構造とすると便利である。
本発明は、上述した課題を解決すべく、オプションとして金属屑の侵入を阻止する防護機能をもつ小型(低背)で安価な表面実装用コネクタを提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を満たすため、ハウジングに金属屑の侵入を阻止する防護カバーを取り付け可能な構造とし、以下のような新たな表面実装用コネクタを発明した。
(1) 絶縁性のハウジングに組み付けられている複数のコンタクトを備えており、当該複数のコンタクトは当該ハウジングに挿入されるFPCを含む電気導体及び相手側電気コネクタのコンタクトと電気的に接続され、当該複数のコンタクトの一つ以上は前記ハウジングの側面から突出してリード部を形成しており、当該リード部がプリント基板に接合されている表面実装用コネクタであって、前記リード部が突出している前記ハウジングの側面を覆うように防護壁を備えている絶縁性の防護カバーを有しており、当該防護カバーは前記ハウジングに取り付け可能であることを特徴とする表面実装用コネクタ。
(2) 前記防護カバーにおける防護壁は前記リード部が突出している前記ハウジングの側面から所定の間隔が設けられ、当該防護壁は前記リード部の終端面から延長上となるように当該防護カバーは前記ハウジングに取り付け可能であることを特徴とする(1)記載の表面実装用コネクタ。
(3) 前記防護カバーにおける防護壁の下端部の底面は当該表面実装用コネクタが表面実装される前記プリント基板の実装面と接触しないように間隙を設けられており、当該防護カバーは前記ハウジングに取り付け可能であることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の表面実装用コネクタ。
(4) 前記防護カバーは前記防護壁の両翼に一対の突出ピンを備えており、前記ハウジングは前記リード部が突出している当該ハウジングの側面に前記一対の突出ピンが挿入される一対の穴が形成されており、当該一対の穴に前記一対の突出ピンが圧入されて当該防護カバーは前記ハウジングに取り付け可能であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の表面実装用コネクタ。
(5) 前記防護カバーは、前記リード部の上方を覆うように前記防護壁に横設壁が備えられていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の表面実装用コネクタ。
(6) 前記防護カバーにおける防護壁は、前記リード部に送風可能なように複数の通風穴が形成されていることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の表面実装用コネクタ。
(7) 前記防護カバーはポリフェニレンスルフィドで一体成形されていることを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載の表面実装用コネクタ。
(8) 前記ハウジングは前記FPCの挿入側において開閉する蓋体が備えられており、当該蓋体の回転中心の周囲は板カムを構成しており、前記コンタクトは上腕と下腕とで構成される二股コンタクトであって、当該上腕が前記板カムにすべり結合して前記蓋体の閉状態と開状態をそれぞれ維持され、前記蓋体が閉状態においては当該蓋体と前記下腕とで前記FPCが挟着され、前記蓋体が開状態においては当該蓋体と前記下腕とは前記FPCを挿抜可能に間隙が設けられることを特徴とする(1)記載の表面実装用コネクタ。
(9) 前記二股コンタクトは、前記FPCの挿入方向にリード部が突出する第1の二股コンタクトと前記FPCの挿入方向と反対側にリード部が突出する第2の二股コンタクトとで構成されており、前記第1の二股コンタクトにおける上腕及び下腕と前記第2の二股コンタクトにおける上腕及び下腕とが前記FPCの挿入方向と対向するように当該第1の二股コンタクトと当該第2の二股コンタクトとが前記ハウジングに交互に組み付けられていることを特徴とする(8)記載の表面実装用コネクタ。
(1)記載の発明によれば、「絶縁性のハウジングに組み付けられている複数のコンタクトを備えており、当該複数のコンタクトは当該ハウジングに挿入されるFPCを含む電気導体及び相手側電気コネクタのコンタクトと電気的に接続され、当該複数のコンタクトの一つ以上は前記ハウジングの側面から突出してリード部を形成しており、当該リード部がプリント基板に接合されている表面実装用コネクタであって、前記リード部が突出している前記ハウジングの側面を覆うように防護壁を備えている絶縁性の防護カバーを有しており、当該防護カバーは前記ハウジングに取り付け可能である」ことを特徴としてよい。
(2)記載の発明によれば、「(1)記載の表面実装用コネクタにおいて、前記防護カバーにおける防護壁は前記リード部が突出している前記ハウジングの側面から所定の間隔が設けられ、当該防護壁は前記リード部の終端面から延長上となるように当該防護カバーは前記ハウジングに取り付け可能である」ことを特徴としてよい。
本発明によるコネクタは、絶縁性のハウジングに組み付けられている複数のコンタクトを備えており、当該複数のコンタクトは当該ハウジングに挿入されるFPCを含む電気導体及び相手側電気コネクタのコンタクトと電気的に接続され、当該複数のコンタクトの一つ以上は前記ハウジングの側面から突出してリード部を形成しており、当該リード部がプリント基板に接合されている表面実装用コネクタであってよい。
本発明による表面実装用コネクタに電気接続されるのは、FPCやFFC等の平形柔軟ケーブルであってよく、フラットケーブルを含むケーブルの端末に実装される角形プラグ又は角形リセプタクルであってもよい。更に、本発明による表面実装用コネクタに電気接続される相手側コネクタとしては、基板対基板用コネクタ、いわゆるボードトゥボード用コネクタであってもよい。相手側コネクタが表面実装用コネクタであってもよい。
又、本発明による表面実装用コネクタが、シェルタイプであって通常おすコンタクトが配列されている多極のリセプタクルにあっては、相手側コネクタはシェルタイプであって通常めすコンタクトが配列されている多極のプラグであってよい。本発明による表面実装用コネクタが、多極のプラグにあっては、相手側コネクタは多極のリセプタクルであってよい。なお、おすコンタクトとめすコンタクトの区別は便宜的なものであって、コンタクトの形態に左右されるものではない。
好適な実施態様において、本発明による絶縁性のハウジングは概直方体に形成されており、このハウジングに複数のコンタクトがFPCの挿入方向と直交する方向に一列に又は複数列に組み付けられている表面実装型のFPC用コネクタであってよい。前記複数のコンタクトは二股コンタクト又は音叉形コンタクトであってよい。
二股コンタクトは一方の端部に上腕及び下腕が形成されており、本発明は二股コンタクトにおける上腕及び下腕がFPCを挟着して弾性接触するFPC用コネクタであってよく、二股コンタクトにおける上腕又は下腕だけがFPCと弾性接触する表面実装型のFPC用コネクタであってもよい。
本発明による表面実装型のFPC用コネクタは、ハウジングのカバーとなる開閉レバーに二股コンタクトにおける上腕又は下腕とが連結して、FPCを挿抜するときに挿抜力をほとんど要しない、いわゆるZIF(Zero Insertion Force)型コネクタであってよい。
又、本発明による表面実装型のFPC用コネクタは、FPCをコンタクトに接触させる機構を必要とせず、ハウジングに内包される二股コンタクトの挟圧力だけでFPCを保持する、いわゆるNON−ZIF型コネクタであってもよい。
そして、FPCの挿入方向と反対側の側面において、複数のコンタクトはハウジングから突出して全てリード部を形成してもよく、FPCの挿入側の側面と、FPCの挿入方向と反対側の側面とに交互にリード部が突出するように、複数のコンタクトがハウジングに配置されてもよい。
好適な実施態様の表面実装型のFPC用コネクタにあっては、ハウジングはFPCの挿入側において開閉する蓋体が備えられており、蓋体の回転中心の周囲は板カムを構成している。そして、コンタクトは上腕と下腕とで構成される二股コンタクトであって、上腕が板カムとすべり結合して蓋体の閉状態と開状態をそれぞれ維持される。蓋体が閉状態においては蓋体と下腕とでFPCが挟着され、蓋体が開状態においては蓋体と下腕とはFPCを挿抜可能に間隙が設けられる。
前述の好適な実施態様の表面実装型のFPC用コネクタにあっては、二股コンタクトは、FPCの挿入方向にリード部が突出する第1の二股コンタクトと、FPCの挿入方向と反対側にリード部が突出する第2の二股コンタクトとで構成されている。そして、第1の二股コンタクトにおける上腕及び下腕と第2の二股コンタクトにおける上腕及び下腕とが、FPCの挿入方向と対向するように第1の二股コンタクトと第2の二股コンタクトとがハウジングに一列に交互に組み付けられている。
このような表面実装用コネクタにおいて、オプションとなる絶縁性の防護カバーは、リード部が突出しているハウジングの側面を覆うように矩形薄板の防護壁を備えている。そして、リード部が突出しているハウジングの側面から防護壁が所定の間隔が設けられて、この防護カバーはハウジングに取り付けられる。更に、防護壁はリード部の終端面から延長上となるように、リード部が突出しているハウジングの側面に防護カバーが取り付けられる。
このような防護カバー付き表面実装用コネクタにあっては、例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑が、表面実装用コネクタに装着されたコンタクトにおけるリード部間に落下又は侵入することを防護壁で阻止できる。
本発明による防護カバー付き表面実装用コネクタにあっては、防護カバーにおける防護壁の下端部の底面は、表面実装用コネクタが表面実装されるプリント基板の実装面と接触しないように間隙を設けられており、防護カバーはハウジングに取り付け可能である。
このことは、この表面実装用コネクタをプリント基板にエアーリフロー炉で表面実装するときに有用となる。周知のとおり、エアーリフロー炉を用いる表面実装工法においては、クリームはんだをプリント基板に塗布し、部品(本発明では表面実装用コネクタ)を仮実装した後に、クリームはんだを溶融させて、部品を固着する。
本発明による防護カバー付き表面実装用コネクタにあっては、防護壁の下端部はプリント基板の実装面に接触しないように僅かな間隙が形成されており、エアーリフロー炉によるはんだ接合工程において、リード部の熱溶着を阻害することがない。つまり、防護壁に遮られることなくリード部近傍にエアーリフロー炉の熱風が循環又は流動するという効果が期待できる。
更に、本発明による防護カバー付き表面実装用コネクタにあっては、防護カバーにおける防護壁はリード部が突出しているハウジングの側面から所定の間隔が設けられ、防護壁はリード部の終端面から延長上となるように、防護カバーは前記ハウジングに取り付けられるので、このリード部の上面にプローブの針を当接して、例えば、導通チェックすることもできる。
又、本発明による防護カバー付き表面実装用コネクタにあっては、防護壁の下端部はプリント基板の実装面に接触しないように僅かな間隙が形成されており、エアーリフロー炉によるはんだ接合工程において、リード部の熱溶着を阻害することがない。更に、リード部とプリント基板との間隙にエアーリフロー炉の熱風が循環又は流動するという効果も期待できる。
好適な第1の実施態様において、本発明による防護カバー付き表面実装用コネクタは、「前記防護カバーは前記防護壁の両翼に一対の突出ピンを備えており、前記ハウジングは前記リード部が突出している当該ハウジングの側面に前記一対の突出ピンが挿入される一対の穴が形成されており、当該一対の穴に前記一対の突出ピンが圧入されて前記当該防護カバーは前記ハウジングに取り付け可能である」ことを特徴としてよい。
そして、この好適な第1の実施態様において、一対の突出ピンは四角錐体に形成されてよく、円錐体に形成されてもよい。一対の突出ピンに対応する一対の穴は、四角錐体の突出ピンに対応する四角穴であってよく、円錐体の突出ピンに対応する丸穴であってもよい。この好適な第1の実施態様による防護カバーは、リード部が形成されているハウジングの側面に一対の突出ピンが圧入されるものである。
好適な第2の実施態様において、本発明による防護カバー付き表面実装用コネクタは、「防護カバーは、前記リード部の上方を覆うように前記防護壁に横設壁が備えられている」ことを特徴としてよい。
この好適な第2の実施態様による防護カバーは、表面実装用コネクタに装着されたコンタクトにおけるリード部を、リード部が形成されているハウジングの側面と、当該ハウジングの側面と直交する方向を覆うものである。
つまり、第2の実施態様による防護カバーは、防護壁と横設壁とでハウジングの後方及び上方を覆い、例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑が、表面実装用コネクタに装着されたコンタクトにおけるリード部間に落下又は侵入することを防護壁と横設壁とで阻止するものである。
更に、好適な第3の実施態様において、本発明による防護カバー付き表面実装用コネクタは、「防護カバーにおける防護壁は、リード部に送風可能なように複数の通風穴が形成されている」ことを特徴としてよい。
この好適な第3の実施態様において、例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑程度の通過は不可能であるが、通風可能な複数の小さい貫通穴が防護カバーにおける防護壁に形成されている。
複数のリード部の配列に対応して、通風穴となる貫通穴を形成することにより、エアーリフロー炉で発生する熱風がリード部に直接送風されるので、リード部が一定時間内に所定温度に昇温することを阻害しないという効果が期待できる。
好適な実施態様において、防護カバーはポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide、以下PPSと略称する)で一体成形されてよい。このPPSにあっては耐熱性、剛性を有し、寸法安定性、耐薬品、難燃性、電気絶縁性に優れる代表的なエンジニアリングプラスチックであり、ガラス繊維、カーボン繊維などを配合した複合体として用いられてもよい。
好適な実施態様において、ハウジングは同様に、PPSで成形されてよく、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate、以下PBTと略称する)で成形されてもよい。このPBTにあっては高い融点と結晶化度をもち、吸水率や熱膨張係数が低いため、優れた寸法安定性を示す。又、電気絶縁性に優れ、吸湿による電気特性の変化が小さく、絶縁破壊電圧が高いという特徴をもっている。
本発明の表面実装用コネクタにおいて、オプションとなる絶縁性の防護カバーは、リード部が突出しているハウジングの側面を覆うように矩形薄板の防護壁を備えているので例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑が、表面実装用コネクタに装着されたコンタクトにおけるリード部間に落下又は侵入することを防護壁で阻止できる。
更に、本発明による防護カバー付き表面実装用コネクタにあっては、エアーリフロー装置による表面実装工法において、防護カバーがリード部やプリント基板に熱伝導しない構造としたので、はんだ接合性能を損なうことがない。更に、第1の実施態様にあっては、リード部の上面は開口するように開放されているので、このリード部の上面にプローブの針を当接して、例えば、導通チェックすることもできる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下の説明において、この発明による表面実装用コネクタとして表面実装型のFPC用コネクタを例示して最良の形態を説明する。
図1は、本発明における一実施形態による表面実装用コネクタの斜視外観図である。図1の実施形態において、符号1はハウジング、符号21と22は二股コンタクト、符号3はFPCである。又、符号4はプリント基板、符号51は防護カバーである。
図1の実施形態において、ハウジング1は絶縁性の合成樹脂材で概直方体に成形されている。このハウジング1に複数の二股コンタクト21及び22がFPC3の挿入方向と直交する方向に交互に一列に配置されて組み付けられている。
図1の表面実装用コネクタ(以下、コネクタと略称する)10にあっては、ハウジング1はFPC3の挿入側において開閉する蓋体11が備えられている。コネクタ10にFPC3が挿入され、この蓋体11が閉じることにより、二股コンタクト21及び22とFPC3とが電気的に接続される。
そして、FPC3の挿入方向と反対側の側面において、二股コンタクト22はハウジング1から突出してリード部22Aを形成している。このリード部22Aは、プリント基板4の表面に形成されているランドパターンにはんだ接合されている。このコネクタ10はプリント基板に接合される表面実装型のFPC用コネクタである。
図1において、絶縁性の防護カバー51は、リード部22Aが突出しているハウジング1の側面を覆うように防護壁51Aを備えている。そして、防護カバー51における防護壁51Aは、リード部22Aが突出しているハウジング1の側面から所定の間隔が設けられている。
又、防護カバー51における防護壁51Aは、リード部22Aの終端面から延長上となるように、防護カバー51がハウジング1に取り付けられている。
更に、図1の実施形態において、防護カバー51における防護壁51Aの下端部の底面は、コネクタ10が表面実装されるプリント基板4の実装面に接触しないように僅かな間隙を設けて、ハウジング1に防護カバー51が取り付けられる。
次に、この発明によるコネクタ10の構成を図2により更に説明する。図2(a)はコネクタ10の正面図、図2(b)はコネクタ10の平面図、図2(c)はコネクタ10の右側面図である。又、図2(d)はコネクタ10の平面図であり、図2(a)に示されたW−W矢視部を断面としている。
更に、図2(e)は図2(a)に示されたX−X矢視断面図であり、図2(f)は図2(a)に示されたY−Y矢視断面図であり、図2(g)は図2(a)に示されたZ−Z矢視断面図である。
図2の実施形態に示されるように、蓋体11の両翼には、相反するように一対の回転軸11Aを延出している。この一対の回転軸11Aは、ハウジング1の両翼に圧入された一対の保持部材1A及び1Bによって回転支持されている。
一方、図2(e)に最もよく示されるように、二股コンタクト21は、FPC3(図1参照)の挿入方向側にリード部21Aが突出している。そして、二股コンタクト21は、リード部21Aと平行するように上腕21Bと下腕21Cを形成している。
同様に、図2(f)に最もよく示されるように、二股コンタクト22は、FPC3(図1参照)の挿入方向と反対側にリード部22Aが突出している。そして、二股コンタクト22は、リード部22Aと相反側において、上腕22Bと下腕22Cを形成している。
そして、図2(b)に最もよく示されるように、二股コンタクト21と二股コンタクト22とは、それぞれのリード部21A及び22Aが相反するように、一列に交互に配列されている。このように、リード部21Aとリード部22Aとを交互に配列することにより、多ピンのコンタクトを狭ピッチでプリント基板に実装できる。
又、図2(e)及び図2(f)に最もよく示されるように、蓋体11の回転中心の周囲は板カムを構成しており、上腕21B及び22Bが前記板カムにすべり結合して蓋体11の閉状態と開状態とがそれぞれ維持される。
図2において、蓋体11が閉状態においては、蓋体11と下腕21C及び22CとでFPC3(図1参照)が挟着され、蓋体11が開状態においては蓋体11と下腕21C及び22CとはFPC3を挿抜可能に間隙が設けられる。
次に、本発明によるコネクタ10と第1実施例による防護カバー51との取り付け構造を図3の斜視分解組立図により説明する。
図3の第1実施例による取り付け構造において、防護カバー51は、防護壁51の両翼に防護壁51Aと直交するよう、四角錐体で形成された一対の突出ピン51C及び51Dを備えている。
一方、ハウジング1はリード部22Aが突出している当該ハウジング1の側面に、一対の突出ピン51C及び51Dが挿入される四角穴となる一対の穴1C及び1Dが形成されている。
この一対の穴1C及び1Dに一対の突出ピン51C及び51Dが圧入されて、ハウジング1に防護カバー51が取り付け可能となる。なお、図3における第1の実施例において、ハウジング1の後方から、防護カバー51はハウジング1に圧入されるものである。
図3に示されたコネクタ10は、防護カバー51をオプションとすることもできる。図3に示されたコネクタ10は、防護カバー51を取り付けなくても、金属屑の防護機能を除けば、低背であり、表面実装型のFPC用ZIFコネクタとして機能するものである。なお、コネクタ10に防護カバー51が取り付けられた状態は、図1の外観図に示されている。
図1に示された防護カバー51付きコネクタ10にあっては、例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑が、コネクタ10におけるリード部22A間に落下又は侵入することを防護壁51Aで阻止できる。
図1においては、リード部22Aは防護壁51Aに接触していないので、エアーリフロー炉でリード部22Aを加熱時にリード部22Aは防護壁51Aに熱伝導しないので、リード部22Aが一定時間内に所定温度に昇温することを阻害しない。更に、リード部22Aと防護壁51Aとの間隙にエアーリフロー炉の熱風が循環又は流動するという効果も期待できる。
更に、図1に示された防護カバー51付きコネクタ10にあっては、リード部22Aの上方は開放されているので、このリード部22Aの上面にプローブの針を当接して、例えば、導通チェックすることもできる。
次に、本発明によるコネクタ10と第2実施例による防護カバー52との取り付け構造を図4の斜視分解組立図により説明する。なお、図4の第2実施例の説明において、図1から図3で使用された同じ符号は、第1実施例と作用を同じとするので説明を割愛する。
図4の第2実施例による取り付け構造において、防護カバー52は、防護壁52の両翼に防護壁52Aと直交するよう、四角錐体で形成された一対の突出ピン52C及び52Dを備えている。
一方、ハウジング1はリード部22Aが突出している当該ハウジング1の側面に、一対の突出ピン52C及び52Dが挿入される四角穴となる一対の穴1C及び1Dが形成されている。
この一対の穴1C及び1Dに一対の突出ピン52C及び52Dが圧入されて、ハウジング1に防護カバー52が取り付け可能となる。なお、図4における第2実施例において、ハウジング1の後方から、防護カバー52はハウジング1に圧入されるものである。
図4に示されたコネクタ10は、防護カバー52をオプションとすることもできる。図4に示されたコネクタ10は、防護カバー52を取り付けなくても、金属屑の防護機能を除けば、低背であり、表面実装型のFPC用ZIFコネクタとして機能するものである。
図5は、コネクタ10に第2実施例による防護カバー52が取り付けられた状態図である。図5(a)はコネクタ10の正面図、図5(b)はコネクタ10の平面図、図5(c)はコネクタ10の右側面図である。
図5の第2実施例において、絶縁性の防護カバー52は、リード部22Aが突出しているハウジング1の側面を覆うように防護壁52Aを備えている。そして、防護カバー52は、リード部22Aの上方を覆うように防護壁52Aに横設壁52Bが備えられている。防護壁52Aと横設壁52Bとは、図4に最もよく示されているように縦断面が「L」の字状に形成されている。
又、図5(c)に最もよく示されているように、防護カバー52における防護壁52Aは、リード部22Aが突出しているハウジング1の側面から所定の間隔が設けられ、防護壁52Aはリード部22Aの終端面から延長上となるようにハウジング1に防護カバー52が取り付けられる。
更に、図5の第2実施例において、防護カバー52における防護壁52Aの下端部の底面は、コネクタ10が表面実装されるプリント基板4(図1参照)の実装面に接触しないように僅かな間隙を設けて、ハウジング1に防護カバー52が取り付けられる。
図5に示された防護カバー52付きコネクタ10にあっては、例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑が、コネクタ10におけるリード部22A間に落下又は侵入することを防護壁52Aと横設壁52Bとで阻止できる。
図5においては、リード部22Aは防護壁52Aに接触していないので、エアーリフロー炉でリード部22Aを加熱時にリード部22Aは防護壁52Aに熱伝導しないので、リード部22Aが一定時間内に所定温度に昇温することを阻害しない。更に、リード部22Aと防護壁52Aとの間隙にエアーリフロー炉の熱風が循環又は流動するという効果も期待できる。
次に、本発明によるコネクタ10と第3実施例による防護カバー53との取り付け構造を図6の斜視分解組立図により説明する。なお、図6の第3実施例の説明において、図1から図3で使用された同じ符号は、第1実施例と作用を同じとするので説明を割愛する。
図6の第3実施例による取り付け構造において、防護カバー53は、防護壁53の両翼に防護壁53Aと直交するよう、四角錐体で形成された一対の突出ピン53C及び53Dを備えている。
一方、ハウジング1はリード部22Aが突出している当該ハウジング1の側面に、一対の突出ピン53C及び53Dが挿入される四角穴となる一対の穴1C及び1Dが形成されている。
この一対の穴1C及び1Dに一対の突出ピン53C及び53Dが圧入されて、ハウジング1に防護カバー53が取り付け可能となる。なお、図6における第3実施例において、ハウジング1の後方から、防護カバー53はハウジング1に圧入されるものである。
図6に示されたコネクタ10は、防護カバー53をオプションとすることもできる。図6に示されたコネクタ10は、防護カバー53を取り付けなくても、金属屑の防護機能を除けば、低背であり、表面実装型のFPC用ZIFコネクタとして機能するものである。
図7は、コネクタ10に第3実施例による防護カバー53が取り付けられた状態図である。図7(a)はコネクタ10の正面図、図7(b)はコネクタ10の平面図、図7(c)はコネクタ10の右側面図である。
図7の第3実施例において、絶縁性の防護カバー53は、リード部22Aが突出しているハウジング1の側面を覆うように防護壁53Aを備えている。そして、防護カバー53は、リード部22Aの上方を覆うように防護壁53Aに横設壁53Bが備えられている。防護壁53Aと横設壁53Bとは、図6に最もよく示されているように縦断面が「L」の字状に形成されている。
又、図7(c)に最もよく示されているように、防護カバー53における防護壁53Aは、リード部22Aが突出しているハウジング1の側面から所定の間隔が設けられ、防護壁53Aはリード部22Aの終端面から延長上となるようにハウジング1に防護カバー53が取り付けられる。
更に、図7の第3実施例において、防護カバー53における防護壁53Aの下端部の底面は、コネクタ10が表面実装されるプリント基板4(図1参照)の実装面に接触しないように僅かな間隙を設けて、ハウジング1に防護カバー53が取り付けられる。
図7に示された防護カバー53付きコネクタ10にあっては、例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑が、コネクタ10におけるリード部22A間に落下又は侵入することを防護壁53Aと横設壁53Bとで阻止できる。
更に、図6又は図7に示されるように、例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑程度の通過は不可能であるが、通風可能な複数の小さい貫通穴となる通風穴53Eが防護カバー53における防護壁53Aに形成されている。
図7においては、リード部22Aは防護壁52Aに接触していないので、エアーリフロー炉でリード部22Aを加熱時にリード部22Aは防護壁52Aに熱伝導しないので、リード部22Aが一定時間内に所定温度に昇温することを阻害しない。更に、リード部22Aと防護壁52Aとの間隙にエアーリフロー炉の熱風が循環又は流動するという効果も期待できる。
更に、複数のリード部22Aの配列に対応して、貫通穴となる通風穴53Eを複数形成することにより、エアーリフロー炉で発生する熱風がリード部22Aに直接送風されるので、リード部22Aが一定時間内に所定温度に昇温することを阻害しないという効果が期待できる。
次に、本発明における第4実施例による防護カバーの構成を図8により説明する。
図8は、コネクタ10に第4実施例による防護カバーが取り付けられた状態図である。図8(a)はコネクタ10の正面図、図8(b)はコネクタ10の平面図、図8(c)はコネクタ10の右側面図である。
なお、図8(a)〜図8(c)は、図2(a)〜図2(c)にそれぞれ対応している。そして、第4実施例による防護カバーは、図1から図3に示された第1実施例による防護カバー51の防護壁51Aに複数の通風穴51Eが追加形成されたものである。
したがって、図8の第4実施例の説明において、図1から図3に示された第1実施例と重複する説明は割愛する。
図8の第4実施例においては、例えば、タッピンねじでの締結時に発生した金属屑程度の通過は不可能であるが、通風可能な複数の小さい貫通穴となる通風穴51Eが防護カバー51における防護壁51Aに形成されている。
図8の第4実施例においては、第1実施例で示された効果に加え、複数のリード部22Aの配列に対応して、貫通穴となる通風穴51Eを複数形成することにより、エアーリフロー炉で発生する熱風がリード部22Aに直接送風されるので、リード部22Aが一定時間内に所定温度に昇温することを阻害しないという効果が期待できる。