JP4108331B2 - 油圧ポンプ制御装置 - Google Patents

油圧ポンプ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4108331B2
JP4108331B2 JP2001388939A JP2001388939A JP4108331B2 JP 4108331 B2 JP4108331 B2 JP 4108331B2 JP 2001388939 A JP2001388939 A JP 2001388939A JP 2001388939 A JP2001388939 A JP 2001388939A JP 4108331 B2 JP4108331 B2 JP 4108331B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
force
swing arm
spring
hydraulic pump
fulcrum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001388939A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003184756A5 (ja
JP2003184756A (ja
Inventor
康生 大見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Precision Machinery KK
Original Assignee
Kawasaki Precision Machinery KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Precision Machinery KK filed Critical Kawasaki Precision Machinery KK
Priority to JP2001388939A priority Critical patent/JP4108331B2/ja
Publication of JP2003184756A publication Critical patent/JP2003184756A/ja
Publication of JP2003184756A5 publication Critical patent/JP2003184756A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4108331B2 publication Critical patent/JP4108331B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、産業用機械や建設用機械に適用される斜板式油圧ポンプの斜板の傾転角を制御するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえばパワーショベル等の建設用機械は一般に油圧を用いて駆動され、その油圧源は通常、建設用機械に搭載された原動機(エンジン)によって駆動される油圧ポンプである。また、一般に油圧ポンプは斜板式のものが用いられ、負荷に応じて吐出流量を調整することができるようになっている。このような吐出流量の調整をするのは、油圧ポンプの負荷(すなわち吐出圧力)と吐出流量との積が油圧ポンプを駆動するための動力となることから、この駆動動力が原動機の出力を超えないように制御するためである。
【0003】
したがって、斜板式の油圧ポンプでは、図に示すように、その吐出圧力pと吐出流量qとの積が常に一定となるように(すなわち、吐出圧力と吐出流量との関係がいわゆる双曲線関数となるように)斜板傾転角を制御することが望ましい。そのため、従来から吐出圧力と吐出流量との関係がいわゆる双曲線関数となるように油圧ポンプの傾転角を制御する油圧ポンプ制御装置が提案されている(特開昭60−261988号公報参照)。図は、そのような従来の油圧ポンプ制御装置の構成を模式的に示したものである。
【0004】
同図を参照して説明する。油圧ポンプ1は斜板式のものであり、斜板2を備えている。この斜板2は、これを駆動するサーボシリンダ3に連結されており、サーボシリンダ3は外部からの油圧(P,Pcl)を受けて図中左右にスライドするようになっている。なお、同図において油圧Pは油圧ポンプ1の吐出圧力である。
【0005】
サーボシリンダ3にはコントロールシリンダ4が連結されており、これにピストン5が内蔵されている。ピストン5は、バネ6によってコントロールシリンダ4から突出する方向(図中左方)に付勢されている。また、ピストン5は段付形状を呈しており、バネ6に対抗するように外部油圧Pfが導かれている。さらに、コントロールシリンダ4には駒部材7が回動自在に設けられており、その鉛直面に上記ピストン5が当接している。
【0006】
上記駒部材7の水平面(上面)にはコントロールスプール8が当接されている。このコントロールスプール8はスリーブ9を備えており、スリーブ9の内部に油圧Pが導かれている。また、コントロールスプール8の上面には上記油圧Pが導かれている。
【0007】
このような油圧ポンプ制御装置では、油圧Pが増大するとコントロールスプール8が下方に移動するから、駒部材7が反時計方向に回動してピストン5を右方へスライドさせる。このとき、ピストン5には、バネ6による力Fsおよび油圧Pfが作用している。したがって、ピストン5の断面積をAfとし、コントロールスプールを押圧する押圧部材10の断面積をAdとすれば、駒部材7の回動中心軸を中心とする力のモーメントの釣り合いは、次式のようになる。
【0008】
P×Ad×x = (Fs−Af×Pf)×y (a)
また、コントロールスプール8が下方へ移動すると、スリーブ9に導かれた油圧Pはサーボシリンダ3の右側圧力室(大径室)へ送られる。これにより、サーボシリンダ3は左方へスライドし、斜板2の傾転角が小さく(流量が小さく)なると共に、コントロールシリンダ4が左方へスライドされる。
【0009】
コントロールシリンダ4が左方へスライドすると、図中寸法xが小さくなるから、駒部材7の反時計方向回りの力のモーメントが小さくなり、駒部材7は時計方向に回動する。この時計方向への回動が進むと、コントロールスプール8が上方へスライドし、サーボシリンダ3の右側圧力室(大径室)の油圧Pc1がタンク11へ導かれる。その結果、サーボシリンダ3は右方へスライドし、斜板2の傾転角が大きく(流量が大きく)なる。
【0010】
このように、駒部材7の回動中心軸まわりのモーメントの釣り合いが成立するようにサーボシリンダ3が駆動される。ここで、上記(a) 式を考察すると、右辺は一定であり、寸法xは油圧ポンプ1の流量として把握できるから、結局吐出圧力と吐出流量との積が一定ということになり、吐出圧力と吐出流量との関係は、双曲線関数として表され、理想的な流量制御が行われることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の油圧ポンプ制御装置は、直交する二方向についての力のモーメントの釣り合いを原理としたものであるが、かかる原理を利用した機構を実際の装置に組み込むことは、構造が複雑となって困難であると共に製造コストが増大するという問題があった。
【0012】
このため、完全な双曲線関数となる制御を断念し、不十分ではあるが双曲線に近似した2段折れの直線関数となる制御を行う等の方法が採られてきた。
【0013】
そこで本発明の目的は、簡単な構造で製造コストが安く、しかも吐出流量が吐出圧力に対して高精度な双曲線関数となるように制御することができる油圧ポンプ制御装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
願発明者は、上記課題が生じる根源は、直交する二方向についての力のモーメントの釣り合いを利用しようとした点にあるとの考えのもと、直交する二方向についてのモーメントの釣り合いではなく、一方向についての力のモーメントの釣り合いを利用すること、すなわち、偶力モーメントを利用することによって上記目的を達成することができる点に着目した。
【0015】
言い換えると、本願発明者は、偶力モーメントは、一方向(たとえば上下方向)に関して、支点の位置に関わらず常に一定であることに着目し、これを利用して、支点の位置(変位)を油圧ポンプの斜板傾転角に対応させることにより、常に吐出圧力と吐出流量との積を一定にすることが可能であると考えた。
【0016】
こで、本願に係る油圧ポンプ制御装置は、斜板式の油圧ポンプの斜板傾転角を制御するための装置であって、斜板に連結され、一方側に大径部を有し、他方側に外力が負荷された小径部を有するサーボシリンダと、サーボシリンダに連結された支点部材と、支点部材に当接し、当該当接部位を支点として揺動する直線状の揺動アームと、上記支点を基準として揺動アームの上記一方側に配設され、所定方向に一定力を負荷する第1バネを具備した第1負荷ユニットと、上記支点を基準として揺動アームの上記他方側に配置され、上記第1バネとは逆向きに同一の一定力を負荷して上記第1バネとによって揺動アームに偶力モーメントを作用させる第2バネと、上記支点を基準として揺動アームの上記他方側に配設され、上記所定方向に沿って上記油圧ポンプの吐出圧力に基づく押圧力を負荷する押圧ピストンを具備した第2負荷ユニットとを備え、上記第2負荷ユニットは、上記押圧ピストンに所定の外部油圧を導いて上記第1バネと第2バネとによる揺動アームの偶力モーメントに対向する力を揺動アームに作用させ、上記第1負荷ユニットは、上記支点を中心とする上記押圧力による力のモーメント上記一定力による偶力モーメントとによる釣り合いが崩れると、所定の外部油圧を上記サーボシリンダの大径部側に導く、又は該大径部側圧力を減圧して該押圧力による力のモーメントと偶力モーメントとが釣り合うように構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、たとえば油圧ポンプの吐出圧力(自己圧)を第2負荷ユニットに導くことにより、当該第2負荷ユニットによって上記吐出圧力に基づく押圧力が所定方向に沿って揺動アームの他方側に付与される。一方、揺動アームの一方側には、第1負荷ユニットの第1バネによって一定力が所定方向に沿って付与され、他方側には上記押圧力に対抗する一定力が第2バネによって所定方向に付与され、これら第1バネと第2バネとによって、揺動アームに所定方向の偶力モーメントを作用させている。そのため、この偶力モーメントに対抗するように上記押圧力が付与されてモーメントバランスが保たれている。このようにすれば、揺動アームに偶力モーメントを作用させる上記一定力を簡単な構造で確実に付与することができる。
【0018】
このとき、油圧ポンプの負荷が大きくなると上記押圧力が増大し、この押圧力による力のモーメントによって、支点部材によって構成される支点を中心として揺動アームが揺動する。これにより、第1負荷ユニットが所定の外部油圧(たとえば、上記自己圧)をサーボシリンダの大径部側に導くから、サーボシリンダは、小径部側に負荷された外力に抗して小径部側(すなわち他方側)へスライドする。このとき、当該外力としては、上記自己圧による外力を採用することができる。
【0019】
また、サーボシリンダが他方側へスライドすると、上記支点が他方側へ移動するから、上記支点を中心とする上記押圧力による力のモーメントが小さくなる。そして、当該力のモーメントが上記一定力による力のモーメントよりも小さくなると、上記支点を中心として揺動アームが反対方向に揺動する。これにより、第1負荷ユニットが上記サーボシリンダの大径部側圧力を減圧するから、サーボシリンダは大径部側(すなわち一方側)へスライドする。
【0020】
つまり、この構成では、揺動アームの両側には上記所定方向に沿った一定力および押圧力が加わり、上記支点を中心とするモーメントが生じる。そして、上述ようにサーボシリンダがスライドして支点が移動するが、これは当該支点を中心とするモーメントが常に一定となるように移動するものである。このことを数学的に表現すると次のようになる。
【0021】
上記支点から第2負荷ユニットまでの距離をxとし、第1負荷ユニットと第2負荷ユニットとの距離をLとすれば、次式が成立する。
【0022】
(Wf×x)−(Fs×x)=(L−x)×Fs (b)
ここで、Wfは上記押圧力であり、Fsは上記一定力である
【0023】
また距離xは、サーボシリンダのスライド量に応じて変化し、油圧ポンプの斜板傾転角(すなわち、吐出流量)に対応しているから、油圧ポンプの吐出圧力と吐出流量との積が略一定となるように制御することができる。
【0024】
上記第1負荷ユニットは、ランドが形成され、先端部が上記揺動アームに当接されたコントロールスプールと、コントロールスプールを収容するスリーブと、コントロールスプールの端部に当接するように配置された上記第1バネとを有して構成し、上記スリーブは、スリーブ内部に上記外部油圧を導くための第1ポートと、スリーブ内の圧油をドレンするための第2ポートと、スリーブ内の圧油を上記サーボシリンダの大径側へ送給するための第3ポートとを備え、上記コントロールスプールは、上記所定方向にスライドされることによって上記第1ポートと第ポートとを連通させ、且つ反所定方向にスライドされることによって上記第ポートと第3ポートとを連通させるように上記ランドを形成することができる。
【0025】
この構成によれば、揺動アームは、特に次のような動作を行う。
【0026】
まず、第2負荷ユニットには、上述と同様にたとえば油圧ポンプの吐出圧力(自己圧)を導くことにより、上記押圧力が所定方向に沿って揺動アームの他方側に付与される。一方、揺動アームの一方側には、第1負荷ユニットによって一定力が所定方向に沿って付与されるが、この一定力は、上記第1バネによるばね力がコントロールスプールに作用し、コントロールスプールの先端が揺動アームを押圧することによって付与される。また、所定の外部油圧(たとえば油圧ポンプの吐出圧力)がスリーブの第1ポートに導かれる。
【0027】
このとき、油圧ポンプの負荷が大きくなると上記押圧力が増大し、この押圧力による力のモーメントによって、上記支点を中心として揺動アームが揺動する。これにより、第1負荷ユニットが作動してコントロールスプールが上記反所定方向にスライドし、スリーブの第1ポートと第3ポートとが連通される。すなわち、上記外部油圧が上記サーボシリンダの大径側に送給される。
【0028】
外部油圧がサーボシリンダの大径部側に導かれると、サーボシリンダは、小径部に作用する所定の外力(上述したバネ力や自己圧による外力)に抗して小径部側(すなわち他方側)へスライドする。また、サーボシリンダが他方側へスライドすると、上記支点が他方側へ移動するから、上記支点を中心とする上記押圧力による力のモーメントが小さくなる。そして、当該力のモーメントが上記一定力による力のモーメント(偶力モーメント)よりも小さくなると、上記支点を中心として揺動アームが反対方向に揺動する。これにより、上記第1負荷ユニットが作動してコントロールスプールが上記所定方向にスライドし、スリーブの第1ポートと第2ポートとが連通される。すなわち、スリーブ内の圧油がドレンされ、サーボシリンダは小径部側(すなわち他方側)へスライドする。
【0029】
つまり、この構成においても、揺動アームの両側には上記所定方向に沿った一定力および押圧力が加わり、上記支点を中心とするモーメントが生じる。そして、上述したようにサーボシリンダがスライドして支点が移動するが、これは当該支点を中心とするモーメントが常に一定となるように移動するものである。このことを数学的に表現すると次のようになる。
【0030】
上記支点から第2負荷ユニットまでの距離をxとし、第1負荷ユニットと第2負荷ユニットとの距離をLとすれば、次式が成立する。
【0031】
(Wf×x)−(Fs×x)=(L−x)×Fs (c)
ここで、Wfは上記押圧力であり、Fsは上記一定力である
【0032】
また、上記第1負荷ユニットは、上記反所定方向に上記第1バネに対抗する一定の対抗力を付与する第1対抗力付与機構を備え、上記第2負荷ユニットは、上記第1対抗力付与機構とは逆向きの同一の対抗力を、上記第2バネに対抗するように付与する第2対抗力付与機構をえることができる。
【0033】
この構成によれば、対抗力付与機構により上記各第1,第2バネのばね力に対抗する対抗力が付与されるから、これら第1,第2バネおよび対抗力付与機構により支点を中心とした偶力モーメントが生じる。この偶力モーメントは、支点の位置にかかわらず常に一定であるという性質がある。
【0034】
したがってこの場合、上記支点から第2負荷ユニットまでの距離をxとし、第1負荷ユニットと第2負荷ユニットとの距離をLとすれば、次式が成立する。
【0035】
(W1+W2)×x−Fs×x=(Fs−W2)×(L−x) (d)
ここで、W1は上記押圧力、W2は上記対抗力であり、Fsは上記一定力である。
【0036】
上式を整理すると、
(Wf×x)=(Fs−W2)×L (e)
となり、(Wf×x)が一定となる。この結果は、上記偶力モーメントは常に一定であるところ、当該偶力モーメントと釣り合うように上記支点が移動することによるものである。
【0037】
そして、距離xは、サーボシリンダのスライド量に応じて変化し、油圧ポンプの斜板傾転角(すなわち、吐出流量)に対応しているから、油圧ポンプの吐出圧力と吐出流量との積が完全に一定となるように制御することができる。
【0038】
しかも、対抗力付与機構により、上記第1,第2バネによるばね力を調整することができるから、上記吐出圧力と吐出流量との積(一定値)を調整することができるという利点がある。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態に係る油圧ポンプ制御装置20の構成を模式的に示した図である。
【0041】
この油圧ポンプ制御装置20は、たとえば建設用機械の油圧装置に適用され、第1ポンプ21および第2ポンプ(図示せず)を備えた2連式油圧ポンプユニットの馬力一定制御を行うためのものである。すなわち、各ポンプの負荷がどのように変化したとしても、第1ポンプ21の斜板22の傾転角を最適制御することによって、油圧ポンプユニット全体として馬力一定制御(油圧ポンプユニット全体として吐出圧力と吐出流量との積が一定となる制御)を可能とするものである。なお、本実施形態では2連式油圧ポンプユニットを採用しているが、1連式の油圧ポンプやさらなる多連式油圧ポンプユニットを採用することもできる。
【0042】
具体的に油圧ポンプ制御装置20は、第1ポンプ21の斜板22に連結されたサーボシリンダ23と、これに連結された支点部材24と、支点部材24を支点として支持された揺動アーム25と、揺動アーム25上の一方側に配設された第1負荷ユニット26と、揺動アーム25上の他方側に配設された第2負荷ユニット27とを備えている。
【0043】
サーボシリンダ23は、図に示すような段付ロッド28を備えており、この段付ロッド28の中央部が斜板22に連結されている。段付ロッド28は後述のようにして左右にスライドするようになっており、これによって斜板22の傾転角が変化されるようになっている。
【0044】
段付ロッド28の小径部29には、第1ポンプ21の吐出圧力P1が導かれており、当該圧力P1によって小径部29が図中右側に所定の外力を受けている。なお、この外力を得るために本実施形態では第1ポンプ21の吐出圧力P1を採用しているが、このように第1ポンプの自己圧に限定されるものではなく、当該建設用機械の油圧系の他の油圧やばね等を採用することもできる。また、段付ロッド28の大径部30には、後述するように、第1負荷ユニット26から上記圧力P1が一定の条件の下に導かれるようになっている。
【0045】
支点部材24は、たとえば棒状に形成することができ、その先端部31によって揺動アーム25を支持する支点を構成している。支点部材24は、段付ロッド28と一体的に構成することができるが、これを別体として構成し、段付ロッド28に固定するようにしてもよい。したがって、段付ロッド28が左右にスライドすれば、これと共に支点部材24がスライドする。
【0046】
揺動アーム25は、たとえば図に示すように水平方向に延びる棒状部材として構成することができる。揺動アーム25は、上記支点部材24と当接しており、当該当接部分を支点として時計方向または反時計方向に回動することができるようになっている。
【0047】
次に、第1負荷ユニット26は、上記揺動アーム25の一方側に一定力を付与するための装置である。第1負荷ユニット26は、スリーブ32を備えたコントロールスプール33と、これにばね力を付与する第1バネ34と、コントロールスプール33と対抗するように配置された対抗シリンダ35(対抗力付与機構)とを備えている。
【0048】
スリーブ32には、第1ポート36,第2ポート37および第3ポート38が形成されている。第1ポート36には上記吐出圧力P1(外部油圧)が導かれている。第2ポートは、オイルタンク39に連通されており、スリーブ32内の圧油をドレンすることができるようになっている。第3ポート38は、サーボシリンダ23の大径側と連通されている。
【0049】
コントロールスプール33は、ランドが形成された段付形状を呈しており、スリーブ32内を図中上下方向にスライド可能となっている。このコントロールスプール33の下端部は上記揺動アーム25の一端部と当接している。そして、第1バネ34は、たとえばねじりコイルばねを採用することができ、本実施形態では、コントロールスプール33を下方(所定方向)へばね力Fsで付勢するように設定されている。
【0050】
対抗シリンダ35は、上記揺動アーム25の下方に配置されている。対抗シリンダ35は、所定の油圧がシリンダチューブ40に導かれるようになっており、これに基づく力でシリンダロッド41が揺動アーム25を上方(反所定方向)へ押し上げるようになっている。上記所定の油圧は、当該建設用機械の油圧回路において、適当な一定圧力Pfを採用することができる。ただし、一定圧力Pfは、その圧力源を適当に選択することによって変化させることができる。
【0051】
また、第2負荷ユニット27は、第1の吐出圧力P1および第2ポンプの吐出圧力P2の総和に基づく押圧力を上記揺動アーム25の他方側に付与するための装置である。第2負荷ユニット27は、押圧ピストン42と、第2バネ43と、対抗シリンダ44とを備えている。
【0052】
押圧ピストン42は、シリンダチューブ45a,45bを備えており、これに各油圧ポンプの吐出圧力P1,P2が導かれている。押圧ピストン42は、上記揺動アーム25に当接しており、上記圧力P1,P2に基づく押圧力が図中下方(所定方向)に付与されるようになっている。なお、この押圧力は、圧力P1,P2の変動(すなわち各油圧ポンプの負荷の変動)に応じてさまざまに変動する。
【0053】
第2バネ43は、上記第1バネ34と同様の構成であり、ばね力Fsで揺動アーム25を上方(反所定方向)に付勢している。この第2バネ43と第1バネ34とによって、揺動アーム25に偶力モーメントを作用させている。また、対抗シリンダ44は、上記対抗シリンダ35と同様の構成である。したがって、対抗シリンダ44は、上記圧力Pfがシリンダチューブ40に導かれており、この圧力に基づく力でシリンダロッド41が揺動アーム25を下方(所定方向)に押し下げている。
【0054】
このような構成からなる油圧ポンプ制御装置20は、次のような動作を行う。
【0055】
油圧ポンプの吐出圧力(P1,P2)が第2負荷ユニット27に導かれているから、この圧力に基づく押圧力が揺動アーム25の他方側に下向きに付与される。一方、揺動アーム25の他端側には第2バネ43によって上向きに一定力が付与されると共に、一方側には、第1負荷ユニット26によって一定力が所定方向に沿って付与される。
【0056】
各油圧ポンプの負荷の総和が大きくなると上記押圧力が増大し、この押圧力による力のモーメントによって、支点部材24の先端部31によって構成される支点を中心として揺動アーム25が図中反時計まわりに回動する。これにより、第1負荷ユニット26のコントロールスプール33が上方へ押し上げられる。コントロールスプール33が上方へ移動すると、スリーブ32の第1ポート36と第3ポート38とが連通し、圧力P1がサーボシリンダ23の大径部30側に導かれる。これにより、段付ロッド28は小径部29側(他方側)へスライドする。
【0057】
段付ロッド28が他方側(図中左側)へスライドすると、上記支点が他方側へ移動するから、上記支点を中心とする上記押圧力による力のモーメントが小さくなる。そして、当該力のモーメントが上記一定力による力のモーメントよりも小さくなると、上記支点を中心として揺動アームが時計方向に回動する。これにより、コントロールスプール33が下方へ移動して上記第3ポート38と第2ポート37とが連通する。すなわち、サーボシリンダ23の大径部30側の圧力P1はオイルタンク39へ導かれ、サーボシリンダ23の大径部30側の圧力が減圧される。したがって、段付ロッド28は大径部30側(一方側)へスライドする。
【0058】
このように本実施形態では、揺動アーム25の左端に押圧力が加わり、上記支点を中心とするモーメントが生じるが、これは揺動アーム25の両側、両端に作用する上記一定力による偶力モーメントと押圧ピストン42による押圧力とにより生じ、支点位置によらない偶力モーメントと釣り合うように、サーボシリンダ23の段付ロッド28がスライドして、支点位置が調整される。このことを数学的に表現すると次のようになる。
【0059】
上記支点から第2負荷ユニット27の押圧ピストン42までの距離をxとし、第1負荷ユニット26のコントロールスプール33と上記押圧ピストン42との距離Lとすれば、次式が成立する。
【0060】
[(P1+P2)・ Ad + Pf・Af −Fs]・x=(L−x)・(Fs−Pf・Af) (f)
ここで、Adは圧力P1,P2が作用する押圧ピストンの断面積、Afは圧力Pfが作用するシリンダロッド41の断面積である。この式を整理すると、
(P1+P2)・ Ad ・x= L・(Fs−Pf・Af) (g)
上式の右辺は一定であるから(P1+P2)・ Ad ・xが一定となる。したがって、(P1+P2)・xが一定である。また距離xは、サーボシリンダのスライド量に応じて変化し、第1ポンプ21の斜板傾転角(すなわち、吐出流量)に対応しているから、結局、各油圧ポンプの吐出圧力と吐出流量との積が全体として一定となるように制御することができる。
【0061】
このように本実施形態では、油圧ポンプの単連/多連に関係無く、油圧ポンプユニット全体として完全な馬力一定となる流量制御が可能となる。しかも、上述のように、上下方向に沿う方向についての偶力モーメントの釣り合いを原理としてサーボシリンダ23を駆動するから、構造を簡素化でき、実際の油圧ポンプ制御装置に容易に組み込むことができる。
【0062】
特に、本実施形態では、次のような作用効果を奏する。
【0063】
第1負荷ユニット26は、第1バネ34により上記一定力Fsを負荷するように構成されているから、一定力Fsを簡単な構造で確実に付与することができる。また、この一定力Fsと同一の一定力Fsを揺動アーム25に作用させて偶力モーメントを生じさせる第2バネ43も、簡単な構造とすることができる。しかも、第1負荷ユニット26には対抗シリンダ35が備えられ、第2負荷ユニット27には対抗シリンダ44が備えられているから、第1バネ34と第2バネ43とによる一定力Fsが大きすぎる場合(たとえば、上記馬力一定制御における馬力セットが大きすぎる場合)は、これを下げることができるという利点もある。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、一方向(所定方向)に沿う方向についての偶力モーメントの釣り合いを原理としてサーボシリンダを駆動するから、構造を簡素化でき、実際の油圧ポンプ制御装置に容易に組み込むことができる。その結果、完全な馬力一定となる流量制御を簡単に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る油圧ポンプ制御装置の構成を模式的に示した図である。
【図2】 油圧ポンプの流量制御の理想曲線を示したものである。
【図3】 従来の油圧ポンプ制御装置の構成を模式的に示した図である。
【符号の説明】
20 油圧ポンプ流量制御装置
21 第1ポンプ
22 斜板
23 サーボシリンダ
24 支点部材
25 揺動アーム
26 第1負荷ユニット
27 第2負荷ユニット
28 段付ロッド
31 先端部
32 スリーブ
33 コントロールスプール
34 第1バネ
35 対抗シリンダ
36 第1ポート
37 第2ポート
38 第3ポート
39 オイルタンク
40 シリンダチューブ
41 シリンダロッド
42 押圧ピストン
43 第2バネ
44 対抗シリンダ

Claims (3)

  1. 斜板式の油圧ポンプの斜板傾転角を制御するための装置であって、
    斜板に連結され、一方側に大径部を有し、他方側に外力が負荷された小径部を有するサーボシリンダと、
    サーボシリンダに連結された支点部材と、
    支点部材に当接し、当該当接部位を支点として揺動する直線状の揺動アームと、
    上記支点を基準として揺動アームの上記一方側に配設され、所定方向に一定力を負荷する第1バネを具備した第1負荷ユニットと、
    上記支点を基準として揺動アームの上記他方側に配置され、上記第1バネとは逆向きに同一の一定力を負荷して上記第1バネとによって揺動アームに偶力モーメントを作用させる第2バネと、
    上記支点を基準として揺動アームの上記他方側に配設され、上記所定方向に沿って上記油圧ポンプの吐出圧力に基づく押圧力を負荷する押圧ピストンを具備した第2負荷ユニットとを備え、
    上記第2負荷ユニットは、上記押圧ピストンに所定の外部油圧を導いて上記第1バネと第2バネとによる揺動アームの偶力モーメントに対向する力を揺動アームに作用させ、
    上記第1負荷ユニットは、上記支点を中心とする上記押圧力による力のモーメント上記一定力による偶力モーメントとによる釣り合いが崩れると、所定の外部油圧を上記サーボシリンダの大径部側に導く、又は該大径部側圧力を減圧して該押圧力による力のモーメントと偶力モーメントとが釣り合うように構成されていることを特徴とする油圧ポンプ制御装置。
  2. 請求項記載の油圧ポンプ制御装置において、
    上記第1負荷ユニットは、ランドが形成され、先端部が上記揺動アームに当接されたコントロールスプールと、
    コントロールスプールを収容するスリーブと、コントロールスプールの端部に当接するように配置された上記第1バネとを有し、
    上記スリーブは、
    スリーブ内部に上記外部油圧を導くための第1ポートと、
    スリーブ内の圧油をドレンするための第2ポートと、
    スリーブ内の圧油を上記サーボシリンダの大径側へ送給するための第3ポートとを有し、
    上記コントロールスプールは、
    上記所定方向にスライドされることによって上記第1ポートと第ポートとを連通させ、且つ反所定方向にスライドされることによって上記第ポートと第3ポートとを連通させるように上記ランドが形成されていることを特徴とする油圧ポンプ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の油圧ポンプ制御装置において、
    上記第1負荷ユニットは、
    上記反所定方向に上記第1バネに対抗する一定の対抗力を付与する第1対抗力付与機構を備え、
    上記第2負荷ユニットは、
    上記第1対抗力付与機構とは逆向きの同一の対抗力を、上記第2バネに対抗するように付与する第2対抗力付与機構を備えていることを特徴とする油圧ポンプ制御装置。
JP2001388939A 2001-12-21 2001-12-21 油圧ポンプ制御装置 Expired - Fee Related JP4108331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001388939A JP4108331B2 (ja) 2001-12-21 2001-12-21 油圧ポンプ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001388939A JP4108331B2 (ja) 2001-12-21 2001-12-21 油圧ポンプ制御装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003184756A JP2003184756A (ja) 2003-07-03
JP2003184756A5 JP2003184756A5 (ja) 2005-07-21
JP4108331B2 true JP4108331B2 (ja) 2008-06-25

Family

ID=27597294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001388939A Expired - Fee Related JP4108331B2 (ja) 2001-12-21 2001-12-21 油圧ポンプ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4108331B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8808596B2 (en) 2004-03-18 2014-08-19 Kureha Corporation Process of making polyglycolic acid resin filament

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4933142B2 (ja) * 2006-05-08 2012-05-16 アグリテクノ矢崎株式会社 ポンプ駆動装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8808596B2 (en) 2004-03-18 2014-08-19 Kureha Corporation Process of making polyglycolic acid resin filament

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003184756A (ja) 2003-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101842590A (zh) 具有可调静液压机的液压系统
JP6766608B2 (ja) 建設機械のバックストップ装置
CN105051293B (zh) 工程机械的液压系统及控制方法
JP6998145B2 (ja) 液圧駆動装置
JP3877307B2 (ja) 圧油エネルギー回収装置
EP0576727A1 (en) Control systems for variable displacement hydraulic pumps
JP4108331B2 (ja) 油圧ポンプ制御装置
US10145368B2 (en) Pump volume control apparatus
US20180135764A1 (en) Work Machine
WO2005121554A1 (ja) 可変容量型斜板式液圧回転機
KR100773987B1 (ko) 2 펌프 구조의 사판식 액셜 피스톤 유압 펌프
US20200180253A1 (en) Apparatus for Controlling the Switch-Over of Hydraulic Cylinders
JPH0841933A (ja) 掘削機の油圧制御装置
JP4917938B2 (ja) 馬力制御レギュレータ、馬力制御装置、及びピストンポンプ
JPH11351134A (ja) 可変容量型斜板式油圧ポンプ
JP2010127363A (ja) 油圧駆動装置
JP2801091B2 (ja) 可変容量型油圧ポンプの馬力制御装置
JP2007285329A (ja) ロードセンシング式油圧制御装置
JP4082523B2 (ja) 複数の液圧ポンプの出力および/またはトルク調整装置
JP2005201076A (ja) 可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置
JPH06299971A (ja) 2連可変ポンプの制御機構
JP2010127360A (ja) 油圧駆動装置
JPH05209602A (ja) 圧力ゲイン補正ジェットパイプサーボバルブ
JP2533432Y2 (ja) 複吐出流型斜板式油圧ピストンポンプ
JP2009243409A (ja) サーボレギュレータ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041208

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080402

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140411

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees