JP4108301B2 - 防湿絶縁剤コーティング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアレススプレー方式でプリント基板に防湿絶縁剤をコーティングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エアレススプレー方式によるプリント基板への防湿絶縁剤の塗布は、ノズルから防湿絶縁剤を噴出させた際に噴出孔近くに発生するフィルム状の液状部分、すなわちノズルから噴出された防湿絶縁剤が霧状になる前の液状部分を利用して行われ、液状部分がプリント基板に到達するようにノズルとプリント基板との間隔を設定し、ノズルをプリント基板上で走査することによってプリント基板への防湿絶縁剤の塗布が成される。そして、防湿絶縁剤を乾燥させることでプリント基板への防湿絶縁剤のコーティングが成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、防湿絶縁剤の乾燥には時間がかかり、防湿絶縁剤が乾燥するまで次の製造工程に移行することができなくなるため、工程内在庫が増加するという問題がある。従来では、防湿絶縁剤の乾燥を早めるために、防湿乾燥剤塗布後のプリント基板に対して熱風を強制的に吹き付けるという処理を施しているが、このような処理だけでは十分でなく、さらなる防湿絶縁剤の乾燥の短縮化が求められる。
【0004】
本発明は上記点に鑑みて、プリント基板上に塗布する防湿絶縁剤の乾燥のさらなる短縮化を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、エアレススプレー方式を利用し、塗布ノズル(15)から噴出させるフィルム状の液状部分を用いて、被覆しないままに残すべき部分を除いてプリント基板(21)に防湿絶縁剤(8)を塗布する工程を有してなる防湿絶縁剤コーティング方法において、防湿絶縁剤の塗布工程では、粘度が60mPa・s以下となる防湿絶縁剤をプリント基板に塗布することを特徴としている。
【0006】
このように、防湿絶縁剤の粘度を60mPa・s以下とすることにより、防湿絶縁剤の乾燥を短縮化することができる。
【0007】
さらに、防湿絶縁剤の塗布工程では、中空部を有するシリンダ部(10)と、シリンダ部の中空部を第1の部屋(12)と第2の部屋(13)とに分離する仕切壁(11)と、第1の部屋に配置され該第1の部屋内を摺動するように構成されたピストン部(17)と、ピストン部に連動して第2の部屋とシリンダ部の外部との連通/遮断を制御する弁機構(14、18)とを有し、第1の部屋にエア供給が成され、第2の部屋に防湿絶縁剤が供給されるように構成された防湿絶縁剤塗布装置(7)を用い、第1の部屋へのエア供給により、ピストン部を摺動させて弁機構を駆動し、第2の部屋からシリンダ部の外部に防湿絶縁剤を噴出させることで、プリント基板への防湿絶縁剤の塗布を行っており、第1の部屋へのエア供給がエア管(9b)を通じて行われるようにし、該エア管の連通/遮断がソレノイドバルブ(7c)によって制御されるように構成されている場合に、ソレノイドバルブから第1の部屋までの間のエア管長(S)を2〜4.5mに設定し、ピストン部の摺動スピードを75〜130m/sに調整することでフィルム状の液状部分を形成することを特徴としている。
【0008】
このように、ソレノイドバルブから第1の部屋までの間のエア管長(S)を2〜4.5mに設定し、ピストン部の摺動スピードを75〜130m/sに調整することにより、防湿絶縁材の塗布スタート時、ストップ時におけるスピッチ発生を抑制することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明においては、防湿絶縁剤をプリント基板に塗布する前に、プリント基板に予熱を加える工程を有していることを特徴としている。例えば、請求項3に示すように、プリント基板を40〜70℃とする。このように、プリント基板に予熱を加えることにより、防湿絶縁剤の乾燥をより促進させることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明においては、防湿絶縁剤の塗布工程では、防湿絶縁剤を熱してからプリント基板に塗布することを特徴としている。例えば、請求項5に示すように、防湿絶縁剤を40〜70℃に加熱する。このように、防湿絶縁剤を加熱しておくことにより、防湿絶縁剤の乾燥をより促進させることができる。
【0012】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態が適用される防湿絶縁剤コーティング装置1の概略構成を図1、図2に示す。なお、図1は防湿絶縁剤コーティング装置1を上面から見た時の概略構成を示しており、図2は図1を紙面下方側から見た時の概略構成を示している。以下、図1、図2に基づき防湿絶縁剤コーティング装置1の構成についての説明を行う。
【0014】
図1、図2に示す防湿絶縁剤コーティング装置1は、各種電子部品等が実装されたプリント基板に対して防湿絶縁剤の塗布を行うと共に、塗布された防湿絶縁剤を乾燥させることによって防湿絶縁剤のコーティングを行うものである。
【0015】
防湿絶縁剤コーティング装置1には、前コンベア2、後コンベア3、加熱ステーション4、熱風発生器5、防湿絶縁剤塗布ステーション6、防湿絶縁剤塗布装置7が備えられている。
【0016】
前コンベア2は、防湿絶縁剤コーティング以前の前工程となる各種電子部品の実装工程等が終了したプリント基板を水平状態で搭載し、プリント基板を防湿絶縁剤コーティング装置1内に搬送する。この前コンベア2により、プリント基板は加熱ステーション4に搬送される。
【0017】
加熱ステーション4は、プリント基板の予熱と、後述する工程においてプリント基板に塗布された防湿絶縁剤の乾燥とを共に行う共用ステーションである。この加熱ステーション4内に熱風発生器5からの熱風が供給されるようになっており、プリント基板の予熱もしくは防湿絶縁剤の乾燥が行えるようになっている。なお、加熱ステーション4には、プリント基板の水平保管が行えるラック4aが備えられており、このラック4aに保管されている間にプリント基板の予熱もしくは防湿絶縁剤の乾燥が行えるようになっている。このラック4aは上下に設けられた複数段の棚を有しており、図2中の矢印Cで示したように上下動することで、前コンベア2から複数の棚に順にプリント基板が配置され、予熱もしくは防湿絶縁剤の乾燥が完了したのち順にプリント基板が棚から押し出されるように構成されている。
【0018】
後コンベア3は、予熱されたプリント基板を水平状態で搭載し、図1中矢印Aのように平行移動することでプリント基板を防湿絶縁剤塗布ステーション6に搬送する。防湿絶縁剤塗布ステーション6では防湿絶縁剤塗布装置7によるプリント基板への防湿絶縁剤の塗布が行われる。
【0019】
防湿絶縁剤塗布装置7には、図2に示すように防湿絶縁剤を噴出する塗布ガン7a、塗布ガン7aへのエアの供給を行うエア供給源7b、塗布ガン7aへのエア供給の制御を行うソレノイドバルブ7c、塗布ガン7aへの防湿絶縁剤の供給を行う防湿絶縁剤供給ユニット7dとが備えられている。防湿絶縁剤供給ユニット7dは、液状の防湿絶縁剤が蓄えられた液タンク7eと、液タンク7eから防湿絶縁剤を吸入・吐出する液ポンプ7fと、液ポンプ7fから吐出された防湿絶縁剤を加熱する液ヒータ7gと、防湿絶縁剤混入異物を除去する液フィルタ7hとによって構成されており、液ヒータ7gによって加熱された防湿絶縁剤を塗布ガン7aに供給する役割を果たしている。
【0020】
図3(a)に防湿絶縁剤塗布装置7の模式図を示し、図3(b)に図3(a)の紙面左方向から塗布ガン7aの先端部分を見た時の図を示す。これらの図に基づき防湿絶縁剤塗布装置7の具体的な構成について説明する。
【0021】
図3(a)においては防湿絶縁剤塗布装置7のうち塗布ガン7aを断面で示してある。この図に示すように、塗布ガン7aは中空部を有するシリンダ形状(以下、この部分をシリンダ部10という)を成しており、このシリンダ部10の側壁に形成された液通路10a、10b及び液管9aを通じて、液ヒータ7gで加熱された防湿絶縁剤8が塗布ガン7a内(中空部内)に供給され、塗布ガン7a内の余剰な防湿絶縁剤8が液タンク7eに戻されるようになっている。また、シリンダ部10の側壁には、エア通路10cが備えられており、このエア通路10c及びエア管9bを通じてエア供給源7bからのエアがシリンダ部10内に供給されるようになっている。
【0022】
シリンダ部10内には仕切壁11が備えられ、この仕切壁11によりシリンダ部10内はエアが供給される部屋(第1の部屋)12と防湿絶縁剤8が供給される部屋(第2の部屋)13とに分離されている。シリンダ部10のうち防湿絶縁剤8が供給される部屋13側の端部において、シリンダ部10内の内径が縮小され、テーパ形状を成している。このテーパ形状部分が弁座14を構成している。また、このテーパ形状とされたシリンダ部10の先端にはノズル15が備えられ、ノズル15によって防湿絶縁剤8を所望の状態で噴射させられるようになっている。具体的には、図3(a)、(b)に示すようにノズル15近傍では防湿絶縁剤8が薄い扇形(木の葉形)の液状部分となり、ノズルから所定距離Lだけ離れた位置では防湿絶縁剤8が霧状部分となるように噴射させる。
【0023】
一方、仕切壁11の中央部には孔が形成され、この孔には軸16が挿入されている。この軸16のうちエアが供給される部屋12側に位置する端部には、エアの供給に応じてシリンダ部10内を摺動するピストン部17が備えられ、防湿絶縁剤8が供給される部屋13側に位置する端部にはボール形状の弁体18が備えられている。この弁体18と上記テーパ形状に構成された弁座14とによってノズル15内の通路の連通/遮断状態(つまり部屋13とシリンダ部10の外部との連通/遮断状態)の制御を行う弁機構を構成している。そして、弁体18が弁座14から離座してノズル15内の通路が連通状態となると、防湿絶縁剤8が自らの液圧に基づいてノズル15から噴出される。なお、軸16に固定されたフランジ部19及びフランジ部19と仕切壁11との間に備えられたスプリング20とにより、部屋12内のエア圧力が所定値以上となっていない時には、弁体18が弁座14に着座して防湿絶縁剤8の噴出が成されず、部屋12内のエア圧力が所定値以上になると図中点線部で示したように弁体18が弁座19から離座して防湿絶縁剤8の噴出が成されるようになっている。
【0024】
このように構成された防湿絶縁剤塗布装置7によってプリント基板21への防湿絶縁剤8の塗布が成される。具体的には、図3の一点鎖線で示したようにノズル15の先端から距離Hの位置、すなわち防湿絶縁剤8が霧状になる前の扇形の液状部分であって、防湿絶縁剤8が霧状になる距離Lに対してH≦0.85Lの関係が成り立つ位置にプリント基板21を配置し、プリント基板21の表面に沿って塗布ガン7aを走査する。これにより、幅Wで防湿絶縁剤8の塗布が成される。なお、プリント基板21の一面側における防湿絶縁剤8の塗布が終了したら、その場でプリント基板21を天地反転させ、他面側における防湿絶縁剤8の塗布を行う。
【0025】
そして、プリント基板21への防湿絶縁剤の塗布が終了すると、図1中矢印Bのように平行移動させてあった前コンベア2にプリント基板21を搭載させたのち、再び前コンベア2を矢印Bのように水平移動させ、プリント基板21を再び加熱ステーション4内に搬送する。この後、塗布された防湿絶縁剤8が乾燥するまでラック4a上にプリント基板21が載せられ、乾燥後、後工程に移行するために、後コンベア3により防湿絶縁剤コーティング装置1外に排出される。
【0026】
続いて、上記防湿絶縁剤コーティング装置1を用いた具体的な防湿絶縁剤8のコーティング工程について説明する。
【0027】
まず、各種電子部品の実装工程等の前工程が終了したプリント基板21を前コンベア2によって加熱ステーション4に搬送する。そして、加熱ステーション4内でプリント基板21に予熱を加える。このとき、プリント基板21を40〜70℃、好ましくは50℃程度に予熱を加える。このようにプリント基板21に予熱を加えることにより、後で塗布された防湿絶縁剤8の乾燥をより促進させることができる。
【0028】
次に、プリント基板21への予熱が終わると、プリント基板21をラック4aへ押し出し、後コンベア3に搭載する。そして、後コンベア3を図1の矢印Aに示すように水平移動させることで、プリント基板21を塗布ステーション6に搬送する。
【0029】
続いて、塗布ステーション6では、塗布ガン7aをプリント基板21上に位置合わせすると同時に、液ポンプ7fや液ヒータ7gを駆動することで加熱された防湿絶縁剤8が塗布ガン7aに供給されるようにする。このとき、液ポンプ7fによって防湿絶縁剤8が0.3MPa以下となるまで加圧しておくと共に、液ヒータ7gによって防湿絶縁剤8が40〜70℃、好ましくは50℃程度となるように加熱しておく。このような圧力としておくことにより、防湿絶縁剤8が自らの液圧によって塗布ガン7aから噴出するようにでき、また、このように加熱しておくことにより、防湿絶縁剤8の乾燥をより促進させることができる。
【0030】
そして、適宜ソレノイドバルブ7cを駆動し、エア供給源7bからのエアが塗布ガン7a内に供給されるようにすることで塗布ガン7aから防湿絶縁剤8を噴出させる。この状態で塗布ガン7aをプリント基板21の表面に沿って走査することにより、プリント基板21に防湿絶縁剤8が塗布される。この防湿絶縁剤8の塗布をプリント基板21の両面行うと防湿絶縁剤8の塗付が終了する。
【0031】
この防湿絶縁剤8の塗布後、前コンベア2を図1の矢印Bに示すように水平移動させることで、プリント基板8を加熱ステーション4に搬送し、熱風により防湿絶縁剤8を乾燥させる。そして、後コンベア3によってプリント基板21を防湿絶縁剤コーティング装置1外に排出し、後工程に移行させる。以上のようにして、防湿絶縁剤8のコーティングが成される。
【0032】
この防湿絶縁剤8のコーティングに際し、本実施形態では防湿絶縁剤8として、20℃時の粘度が60mPa・s以下のものを使用するようにしている。すなわち、従来より一般的に使用されている20℃時の粘度が100mPa・s程度の防湿絶縁剤と比べると、粘度が小さなものを防湿絶縁剤8として用いている。この理由を説明する。
【0033】
本発明者らは、防湿絶縁剤8の粘度と乾燥時間との間に相関関係があることを見出し、これらの関係についての実験を行った。この結果を図4に示す。この実験では各種条件をそれぞれ、防湿絶縁剤の加熱温度45℃、プリント基板21の予熱温度50℃、熱風温度75℃、熱風風速0.5m/sとしている。なお、この図に示す乾燥率とは(塗布直後のプリント基板質量−乾燥後のプリント基板質量)/(塗布直後のプリント基板質量−60分後、自然乾燥後のプリント基板質量)で表され、乾燥率が98.5%以上の場合が乾燥した状態に相当する。
【0034】
この図から明らかなように、粘度を小さくしていけば乾燥時間が短くなることが分かる。そして、乾燥時間として期待される時間が10分未満であるとすると、防湿絶縁剤8の粘度が60mPa・s以下であることが必要とされる。このため、本実施形態では防湿絶縁剤8として粘度が60mPa・s以下のものを使用している。
【0035】
以上説明したように、防湿絶縁剤8の粘度を60mPa・sとすることにより、防湿絶縁剤8の乾燥のさらなる短縮化を図ることができ、早期に後工程に移行することができるため、工程内在庫を減少させることも可能である。また、防湿絶縁剤8の塗布前に加熱ステーション4でプリント基板21に予熱を加えたり、液ヒータ7gによって防湿乾燥剤8自身の加熱を行ったりしているため、防湿絶縁剤8の乾燥をより促進させることができる。
【0036】
なお、参考として、a;防湿絶縁剤8の粘度を100mPa・sとして自然乾燥させた場合、b;防湿絶縁剤8の粘度を100mPa・sとして熱風(温度75℃)で乾燥させた場合、c;bの防湿絶縁剤8の粘度を12mPa・sとした場合、d;cに加えてプリント基板21に40℃の予熱を加えた場合、e;dに加えて防湿絶縁剤8を45℃とした場合、それぞれについて乾燥時間と乾燥率との相関関係を調べた結果を図5に示す。この図からも明らかなように、防湿絶縁剤8の粘度を下げることによって大幅に乾燥時間を短くでき、プリント基板21に予熱を加えたり、防湿絶縁剤8を加熱することでより乾燥時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0037】
ただし、本実施形態のように防湿絶縁剤8の粘度を小さくする場合、防湿絶縁剤8の塗布スタート時やストップ時において、塗布を行いたい領域から防湿絶縁剤8がはみ出してしまう場合がある。この現象を図6に基づいて説明する。
【0038】
図6は、防湿絶縁剤8の塗布工程の様子を示したもので、(a)は塗布ガン7aの走査スピード、(b)は塗布ガン7aの状態、(c)は塗布された防湿絶縁剤8の様子、(d)は(c)を紙面上面から見た図を示している。
【0039】
図6(a)〜(c)に示すように、防湿絶縁剤8を塗布する際には、まず塗布ガン7aを加速させて所望のスピードに達するようにしたのち、塗布ガン7aを等速にして防湿絶縁剤8の塗布をスタートさせ、塗布をストップさせたら塗布ガン7aを減速させるという動作を行う。この動作の際の塗布スタート時や塗布ストップ時に、防湿絶縁剤8の粘度が小さいためにスピッチ現象(液飛び散り)が発生し易く、図6(d)に示すようなはみ出しSPとなるのである。
【0040】
このような防湿絶縁剤8のはみ出しSPが発生すると、防湿絶縁剤8を塗布したくない領域、例えばプリント基板21の電気的接続部であるコネクタやブザー等の音を発生させる部品に防湿絶縁剤8が塗布されてしまう可能性があり、好ましくない。
【0041】
このため、塗布ガン7aに備えられたピストン部17のスピード、具体的には、図3(a)に示すようにエアが供給されるエア管長(ソレノイドバルブ7cからシリンダ部10までの距離)S、もしくはピストン部17のストローク量Tを調整することによって、防湿絶縁剤8のはみ出しSPが小さくなるようにしている。
【0042】
まず、図7(a)にエア管長Sとスピッチ発生の相関図を示す。なお、この相関図は、ピストン部17のストローク量Tを1.2mm一定とした条件下において、図7(b)に示すように防湿絶縁剤8のうち塗布ガン7aの走査方向と垂直な方向へのはみ出しSPを広がり形状部分、走査方向と平行な方向へのはみ出しSPをしっぽ形状部分とし、塗布ガン7aのスタート時、ストップ時それぞれにおける広がり形状部分の長さ▲1▼としっぽ形状部分の長さ▲2▼を調べたものである。これら長さ▲1▼、▲2▼が0〜2mmの範囲であれば良好として◎、2〜3mmの範囲であればほぼ良好として○、3mm以上であれば不良として×としてスピッチ発生度合を示してある。また、この相関図ではエア管長Sに対応するピストン部17の上昇スピード、下降スピードを並列的に示してある。
【0043】
この図に示すように、すべてのスピッチ発生度合が◎もしくは○となるにはエア管長Sが2〜4.5mである必要がある。このように、エア管長Sを調整することにより、スピッチ発生を抑制することができる。特に、エア管長Sを3〜4mとすることにより、スピッチ発生を十分に抑制することが可能である。
【0044】
続いて、図8(a)、(b)にピストン部17のストローク量Tと上昇スピード、下降スピードとの相関図を示す。なお、図8(a)はエア管長Sを1m、(b)はエア管長Sを5mとした場合における相関図を示しているものとする。
【0045】
これらの図に示すように、ピストン部17のストローク量Tと上昇スピード、下降スピードとは相関関係が存在していることが分かる。そして、上述したエア管長Sとスピッチ発生の相関図(図7)で表されているように、ピストン部17の上昇スピードと下降スピードが75〜130m/sの際にスピッチ発生を十分に抑制することが可能であることから、ピストン部17のストローク量Tを調整することにより、スピッチ発生を十分に抑制できる上昇スピード、下降スピードを設定することができる。なお、ピストン部17のストローク量Tと上昇スピード、下降スピードとの関係はエア管長Sによって変わるため、エア管長Sに応じてストローク量Tを設定する必要がある。
【0046】
このように、エア管長Sやピストン部17のストローク量Tを調整することによりピストン部17の上昇スピードや下降スピードを調整でき、スピッチ発生を抑制することができるため、防湿絶縁剤8を塗布したくない領域に防湿絶縁剤8が塗布されてしまうことを防止することができる。
【0047】
(他の実施形態)
上記実施形態では、防湿絶縁剤8の粘度を小さくする他に、プリント基板21への予熱の付加、防湿絶縁剤8の加熱、熱風処理などを施すようにしているが、これらは任意に付加することができる。
【0048】
また、上記実施形態ではエア管長Sやピストン部17のストローク量Tを調整することによりピストン部17の上昇スピードや下降スピードを調整し、スピッチ発生を抑制しているが、エアー配管長の寸法調整に代えて流量制御弁を設置し、
エア流量を制御できるようにすれば、流量制御弁の調整によってもピストン部17の上昇スピードや下降スピードを調整することができ、スピッチ発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が適用される防湿絶縁剤コーティング装置1を上面から見た時の概略構成を示す図である。
【図2】図1を紙面下方側から見た時の概略構成を示した図である。
【図3】(a)は防湿絶縁剤塗布装置7の模式図であり、(b)は(a)の紙面左方向から塗布ガン7aの先端部分を見た時の図である。
【図4】防湿絶縁剤8の粘度と乾燥時間との間に相関関係を示した図である。
【図5】乾燥時間と乾燥率との相関関係を示す図である。
【図6】防湿絶縁剤8の塗布工程の様子を示した図である。
【図7】エア管長Sとスピッチ発生の相関関係を示した図である。
【図8】ピストン部17のストローク量Tと上昇スピード、下降スピードとの相関関係を示した図である。
【符号の説明】
1…防湿絶縁剤コーティング装置、2…前コンベア、3…後コンベア、
4…加熱ステーション、5…熱風発生器、6…防湿絶縁剤塗布ステーション、
7…防湿絶縁剤塗布装置、7a…塗布ガン、7b…エア供給源、
7c…ソレノイドバルブ、7d…防湿絶縁剤供給ユニット、7e…液タンク、
7f…液ポンプ、7g…液ヒータ。
Claims (5)
- エアレススプレー方式を利用し、塗布ノズル(15)から噴出させるフィルム状の液状部分を用いて、被覆しないままに残すべき部分を除いてプリント基板(21)に防湿絶縁剤(8)を塗布する工程を有してなる防湿絶縁剤コーティング方法において、
前記防湿絶縁剤の塗布工程では、前記プリント基板に対して粘度が60mPa・s以下となる防湿絶縁剤の塗布を行い、
中空部を有するシリンダ部(10)と、前記シリンダ部の中空部を第1の部屋(12)と第2の部屋(13)とに分離する仕切壁(11)と、前記第1の部屋に配置され該第1の部屋内を摺動するように構成されたピストン部(17)と、
前記ピストン部と連動して前記第2の部屋と前記シリンダ部の外部との連通/遮断を制御する弁機構(14、18)とを有し、前記第1の部屋にエア供給が成され、前記第2の部屋に前記防湿絶縁剤が供給されるように構成された防湿絶縁剤塗布装置(7)を用い、
前記第1の部屋へのエア供給により、前記ピストン部を摺動させて前記弁機構を駆動し、前記第2の部屋から前記シリンダ部の外部に前記防湿絶縁剤を噴出させることで、前記プリント基板への前記防湿絶縁剤の塗布を行っており、
前記第1の部屋へのエア供給はエア管(9b)を通じて行われると共に、該エア管の連通/遮断がソレノイドバルブ(7c)によって制御されるように構成されており、前記ソレノイドバルブから前記第1の部屋までの間のエア管長(S)が2〜4.5mに設定され、前記ピストン部の摺動スピードが75〜130m/sに調整されることでフィルム状の液状部分を形成することを特徴とする防湿絶縁剤コーティング方法。 - 前記防湿絶縁剤を前記プリント基板に塗布する前に、前記プリント基板に予熱を加える工程を有していることを特徴とする請求項1に記載の防湿絶縁剤コーティング方法。
- 前記プリント基板に予熱を加える工程では、前記プリント基板を40〜70℃とすることを特徴とする請求項2に記載の防湿絶縁剤コーティング方法。
- 前記防湿絶縁剤の塗布工程では、前記防湿絶縁剤を加熱してから前記プリント基板に塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の防湿絶縁剤コーティング方法。
- 前記防湿絶縁剤を40〜70℃に加熱することを特徴とする請求項4に記載の防湿絶縁剤コーティング方法。
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