JPH10137637A

JPH10137637A - スプレーガン及び塗装装置

Info

Publication number: JPH10137637A
Application number: JP30177496A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Toda; 正▲廣▼ 戸田; Genjiyuu Tanaka; 源従田中; Shigetoshi Hama; 重利浜; Toshihisa Horiguchi; 利久堀口; Mototsune Gotou; 元恒後藤; Masaharu Horie; 正春堀江; Satoshi Takeshita; 智竹下
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1996-11-13
Filing date: 1996-11-13
Publication date: 1998-05-26

Abstract

(57)【要約】【課題】塗装の際の膜厚バラツキをより小さく制御し
得るスプレーガンを提供する。【解決手段】エア圧によって弁を開閉し、開放された
噴出口より圧送された塗料を噴出させるスプレーガンに
おいて、塗料容器２とスプレーガンＳとの間に塗料の供
給管７と戻り管８とを設け、戻り管８に塗料の戻り量を
調節するための弁９を介在させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スプレーガン及び
塗装装置に関し、特には、金属板やベニヤ板などのよう
に比較的塗装面が大きく且つ平坦な被塗装板上に複数台
のスプレーガンを使用して塗装する装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】金属板
等への塗装は、鋼板の場合のように錆発生防止のため
に、またその上塗りや、非鉄金属板、ベニヤ板等の場合
のように外観をきれいに見せるために実施される。

【０００３】上記塗装において、錆発生防止の場合、錆
を発生させてはならない期間が決められており、それに
伴い最低確保しなければならない膜厚が決定される。そ
して、実際に塗装する場合の狙い膜厚は、最低膜厚とバ
ラツキを考慮して決定される。このように膜厚バラツキ
を小さくし、均一な膜厚を得ることは防錆上重要なこと
である。また、膜厚バラツキを小さくすることは、外観
をきれいに見せる場合にも、光の乱反射を低減できるこ
とにより、塗装面の美観上重要なことである。

【０００４】上記塗装をする場合、塗装方法の１つにス
プレーガンにより塗料を吹き付けて塗装する方法があ
る。このスプレーガンによる塗装は、ポンプにより塗料
をスプレーガンに圧送し、スプレーガンより塗料を噴射
して行なわれる。このスプレーガンによる塗装では、膜
厚バラツキは通常ポンプ圧力(Pa)により調整がなされ、
かなりバラツキの少ないものになっている。

【０００５】一方、上記スプレーガンによる塗装の場
合、生産性を上げるには一般的に複数台のスプレーガン
21を用い、それらを板22の長手方向に列設し、幅方向に
往復移動させ、また板22そのものも長さ方向に移動させ
る塗装が行なわれている（図３参照）。この場合、スプ
レーガン21は移動しながら塗料を噴射し板22の端までき
たところで噴射を止め、次いでスプレーガン21が逆方向
に移動し、板の端付近から塗料の噴射を始め反対方向の
端まで塗装を進めていき、これを繰り返すことで塗装が
行なわれる。

【０００６】通常、上記スプレーガンは図４に示す基本
構成よりなっている。即ち、エア室23と塗料室24に仕切
られたガン本体25と、ピストン部26をエア室23に弁体27
を塗料室24に位置して設けられ、ピストン部26の背面の
圧縮バネ28により弁体27を塗料室24の塗料噴射口29に押
圧してなるニードル弁30と、塗料噴射口29の出側に設け
たノズルチップ31と、エア室23に接続されたエア配管32
と、塗料室24に接続された塗料配管33とを備えて構成さ
れている。そして、通常は圧縮バネ28によりニードル弁
30で塗料噴射口29を押さえており、塗装の指令でエア配
管32に設けた電磁弁34が作動してエア配管32を通ってエ
アがエア室23内に導入されニードル弁30が上昇し、ポン
プ35により圧送されている塗料がノズルチップ31より噴
射される仕組みとなっている。

【０００７】ところで、複数台のスプレーガン21を備え
る塗装装置では、図５に示すように、通常複数台のスプ
レーガン21(21a〜21d)は一括して制御がなされているた
め、同じタイミングで塗料が噴射される。しかし、エア
配管32の圧損やスプレーガン21そのものの特性の差によ
り、図６ａに示すように、個々のスプレーガン21a 〜21
d による塗料噴射停止のタイミングに差が出る。この
時、停止タイミングの早いスプレーガン21b には塗り洩
れが発生する。この場合、スプレーガン21b に塗り洩れ
が発生しないように停止タイミングを遅くすると、結果
として図６ｂのように全体的にオーバースプレーが大き
くなりすぎ塗料を使いすぎることになる。

【０００８】本発明は、上記の問題点を解消するために
なしたものであって、その目的の一つは、塗装の際の膜
厚バラツキをより小さく制御し得るスプレーガンを提供
することであり、他の一つは、被塗装板の端部における
塗り洩れをオーバースプレーを大きくせずに調整し得る
塗装装置を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項１に係るスプレーガンは、エア圧に
よって弁を開閉し、開放された噴出口より圧送された塗
料を噴出させるスプレーガンにおいて、塗料容器とスプ
レーガンとの間に塗料の供給管と戻り管とを設け、戻り
管に塗料の戻り量を調節するための弁を介在させてなる
ものである。従って、塗料は塗料容器とスプレーガンと
の間を循環しており循環路内での固化が抑制されるこ
と、及び弁によって戻り管における塗料の戻り量を調整
することによって、スプレーガンからの噴出圧の変動が
小さくでき、これによって塗装面の膜厚バラツキが小さ
くできたものと考えられる。

【００１０】また、本発明の請求項２に係る塗装装置
は、上記請求項１に係るスプレーガンの複数台をヘッダ
ーに列設し、前記ヘッダーを被塗装板上に往復移動可能
に設けてなるものである。従って、比較的塗装面が大き
く且つ平坦な被塗装板上の塗装が膜厚バラツキを小さく
して、且つ生産性良く塗装することができる。

【００１１】また、本発明の請求項３に係る塗装装置
は、エア圧によって弁を開閉し、開放された噴出口より
圧送された塗料を噴出させるスプレーガンの複数台をヘ
ッダーに列設し、前記ヘッダーを被塗装板上に往復移動
可能に設けてなる塗装装置において、スプレーガンにエ
ア圧を供給する管路に取付けられた電磁弁の作動回路に
タイマーを介在させてなるものである。従って、各スプ
レーガンの噴出タイミングがタイマーによって個別に調
整できるので、被塗装板の端部におけるオーバースプレ
ーを小さくして塗り洩れを防止できるとともに、塗料の
使用量が低減できる。

【００１２】また、本発明の請求項４に係る塗装装置
は、上記請求項３に係る塗装装置において、塗料容器と
スプレーガンとの間に塗料の供給管と戻り管とを設け、
戻り管に塗料の戻り量を調節するための弁を介在させて
なるものである。従って、上記段落番号〔００１１〕の
作用効果に加え、膜厚バラツキの少ない塗装ができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００１４】図１は、本発明に係るスプレーガンの説明
図である。図示のスプレーガンＳは、ポンプ１、塗料容
器２、スプレーガン本体３により基本的に構成されてい
る。

【００１５】ポンプ１は駆動部４とポンプ本体５を備
え、ポンプ本体５の吸入管６が塗料容器２に挿入され、
ポンプ本体５の吐出管７はスプレーガン本体３への供給
管となってる。また、スプレーガン本体３には塗料の戻
り管８が取付けられ、その戻り管８の端は流量調整弁９
を介して塗料容器２に接続されている。なお、符号10は
スプレーガン本体３に取付けられたエアホースであっ
て、従来同様に塗料噴射口のニードル弁の開閉作動を行
なう。また、11はノズルチップである。

【００１６】そして、上記構成のスプレーガンＳでは、
塗装中、塗料容器２内の塗料は吸入管６、ポンプ本体
５、吐出管（スプレーガン本体３への供給管）７、スプ
レーガン本体３、戻り管８の順で循環しており、この循
環流れによって循環路内での固化が抑制され、加えて循
環流れの戻り量を流量調整弁９により調整したことによ
って、スプレーガンからの噴出圧の変動が小さくでき、
これによって塗装面の膜厚バラツキが小さくできたもの
と推測される。

【００１７】因みに、上記本発明に係るスプレーガンＳ
を用いて、塗装装置の移動速度（スプレーガン速度）を
1.6m／s 、鋼板の搬送速度を 10.8m／min の条件のもと
で、ポンプの供給圧を変えるとともに、流量調整弁９を
調整して戻り量を調整した場合（本発明例）と、流量調
整弁９を閉じた場合（従来例）とで塗装を行なった。そ
の結果を表１に示す。

【００１８】

【表１】

【００１９】上記表１より明らかなように、本発明例で
は戻り管８に設けた流量調整弁９により戻り量を調整す
ることにより膜厚バラツキを狙い膜厚に対して± 5μｍ
以内とできるのに対し、従来例ではポンプの供給圧を変
化させても± 7μｍ未満にできないことが分かる。この
ように本発明のスプレーガンＳでは、塗装面の膜厚バラ
ツキを小さくできる。

【００２０】図２は、本発明に係る塗装装置の概要説明
図である。本発明の塗装装置は、上述したスプレーガン
Ｓの４台をヘッダー12に列設し、このヘッダー12を、図
示省略する被塗装板の搬送テーブル上に往復移動可能に
設ける一方、各エアホース10に取付けられた電磁弁13の
作動回路にタイマー14を設けて構成したものである。な
お、符号15は電磁弁13の開閉指令を行なうデジタル補正
制御装置であって、デジタル補正制御装置15と各電磁弁
13との間の作動回路にタイマー14が設けられている。

【００２１】上記の如く構成された本発明の塗装装置で
は、ダミー板の塗装テストでオーバースプレー量を比較
し、塗り洩れを生じるスプレーガンＳを把握し、そのス
プレーガンＳの塗り洩れがなくなるようにタイマー14を
セットして電磁弁13の閉動作を遅らせることができるの
で、塗り洩れを防止することができる。また、塗り洩れ
を防止した上で、全て（４台のスプレーガンＳ）の電磁
弁13の閉動作を塗り洩れを生じない時間範囲で早めるよ
うにデジタル補正制御装置15の指令を制御することで、
被塗装板の端を出た直後で電磁弁13の閉動作を行なわせ
ることができ、塗り洩れの防止と同時にオーバースプレ
ー量の低減をも図ることができる。

【００２２】因みに、上記本発明に係る塗装装置を用い
て、塗装装置の移動速度、鋼板の搬送速度、ポンプの供
給圧をそれぞれ組合せ、表２に示す３条件において、４
台のスプレーガンＳをタイマー14により個別制御した場
合（本発明例）と、タイマー14を使用せず一括制御した
場合（従来例）とで塗装を行い、オーバースプレー量を
測定した。その結果を表２に併せて示す。

【００２３】

【表２】

【００２４】上記表２より明らかなように、本発明例で
は、従来例に比較してオーバースプレー量を約半分に低
減できることが分かる。

【００２５】次に、上記本発明に係る塗装装置を用い、
塗装装置の移動速度（スプレーガン速度）を1.6m／s 、
鋼板の搬送速度を 10.8m／min の条件のもとで、ポンプ
の供給圧を変えるとともに、流量調整弁９を調整して戻
り量を調整した場合（本発明例）と、流量調整弁９を閉
じた場合（従来例）とで塗装を行ない、オーバースプレ
ー量を測定した。その結果を表３に示す。

【００２６】

【表３】

【００２７】上記表３より明らかなように、本発明例で
は、従来例に比較して塗装面の膜厚バラツキを小さくで
きると同時に、オーバースプレー量を約半分に低減でき
ることが分かる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスプ
レーガンによれば、膜厚バラツキの小さな塗装が行なえ
るので、防錆塗料の場合に最低確保しなければならない
膜厚が比較的容易に得られる。また外観を良くするため
の塗装においても、光の乱反射が低減でき塗装面の美観
を良くすることができる。

【００２９】また、本発明に係る塗装装置によれば、各
スプレーガンの噴出タイミングをタイマーによって個別
に調整できるので、被塗装板の端部におけるオーバース
プレーを小さくして塗り洩れを防止できるとともに、塗
料の使用量が低減できコスト低減が期待できる。更に、
本発明のスプレーガンを併せて使用することで膜厚バラ
ツキの少ない塗装ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るスプレーガンの説明図である。

【図２】本発明に係る塗装装置の概要説明図である。

【図３】塗装装置の全体説明図である。

【図４】従来のスプレーガンの説明図である。

【図５】従来の塗装装置の概要説明図である。

【図６】従来の塗装装置による板端における塗装状態の
説明図であって、ａは塗り洩れが有る場合、ｂは塗り洩
れを是正した場合のそれぞれ説明図である。

【符号の説明】

１：ポンプ２：塗料容器
３：スプレーガン本体４：駆動部５：ポンプ本体
６：吸入管７：吐出管８：戻り管
９：流量調整弁 10：エアホース 11：ノズルチップ 1
2：ヘッダー 13：電磁弁 14：タイマー 15：デジタル補正制御装置Ｓ：スプレーガン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者堀口利久兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者後藤元恒兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者堀江正春兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者竹下智兵庫県加古川市金沢町１番地株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エア圧によって弁を開閉し、開放された
噴出口より圧送された塗料を噴出させるスプレーガンに
おいて、塗料容器とスプレーガンとの間に塗料の供給管
と戻り管とを設け、戻り管に塗料の戻り量を調節するた
めの弁を介在させてなることを特徴とするスプレーガ
ン。
【請求項２】請求項１記載のスプレーガンの複数台を
ヘッダーに列設し、前記ヘッダーを被塗装板上に往復移
動可能に設けてなる塗装装置。
【請求項３】エア圧によって弁を開閉し、開放された
噴出口より圧送された塗料を噴出させるスプレーガンの
複数台をヘッダーに列設し、前記ヘッダーを被塗装板上
に往復移動可能に設けてなる塗装装置において、スプレ
ーガンにエア圧を供給する管路に取付けられた電磁弁の
作動回路にタイマーを介在させてなることを特徴とする
塗装装置。
【請求項４】請求項３記載の塗装装置において、塗料
容器とスプレーガンとの間に塗料の供給管と戻り管とを
設け、戻り管に塗料の戻り量を調節するための弁を介在
させてなる塗装装置。