JP4107959B2 - 放電の始動方法、この始動方法を利用した被処理物の処理方法、及びこの始動方法を利用した被処理物の処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧電極と接地電極との間での放電の始動方法、この放電の始動方法を利用した被処理物の処理方法、及びこの始動方法を利用した被処理物の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プラズマを利用してガス成分を分解して有害物質を処理する方法が提案されている。
例えば特許文献1では、対向させた電極間にガスを供給する方法が提案されている。
また特許文献2や特許文献3では、筒状のケースと、このケース内に吊り下げた放電線との間でプラズマを発生させ、このケース内にガスを供給する方法が提案されている。
しかし、上記従来のいずれの方法においても、ガスが通過する反応流路の断面全体にプラズマを発生させることは困難である。
そこで本発明者らは、反応流路を所定長さ確保し、この反応流路の軸線方向にプラズマを発生させることで、プラズマを反応流路の断面全体に形成する方法を見出した。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−156156号公報
【特許文献2】
特開平5−15737号公報
【特許文献3】
特開平7−47224号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、反応流路の軸線方向に所定長さのプラズマを発生させるためには、始動時に高圧電極と接地電極間を接近させ、プラズマ発生後に高圧電極と接地電極を離間させなければならないが、電極間の距離を変更するための機構を設けることはコストアップとなるだけでなく、電極移動によってプラズマが不安定になってしまうという問題を有している。
【0005】
そこで、本発明は放電始動時又は再始動時に、プラズマを容易に発生させることができる放電の始動方法、この放電の始動方法を利用した被処理物の処理方法、及びこの始動方法を利用した被処理物の処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の放電の始動方法は、管状の細長い反応流路の外周から溢流することによって前記反応流路中に一様な水膜を作り、気中にある高圧電極と水膜中にある接地電極との間に放電を起こさせる放電の始動方法であって、放電の開始時又は再点弧時に、前記高圧電極と前記反応流路内の前記接地電極との間に、一旦電解液による低抵抗の電流路を形成した後に、この電解液の供給を停止して、前記高圧電極と接地電極との間の電流路を遮断することによって放電の開始または再点弧を行わせることを特徴とする。
請求項2記載の本発明の放電の始動方法は、一方に高圧電極を他方に接地電極を配置し、前記高圧電極近傍と前記接地電極との間に電流の流れる経路を形成し、放電始動時又は再始動時、前記高圧電極に電圧印加後に、前記流路中に電解液を流入させることにより、前記高圧電極と電解液の間で短い距離の放電を開始させ、前記電解液の流入を停止することにより所定長さの放電を得ることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1または2に記載の放電の始動方法において、アーク放電でプラズマを発生させることを特徴とする。
請求項4記載の本発明の被処理物の処理方法は、被処理物が通過する管状の細長い反応流路と、前記反応流路の上方側に配置される高圧電極と、前記反応流路の下方側に配置される接地電極とを備え、前記反応流路の軸線方向にプラズマを発生させることでフロンなどの被処理物を処理する被処理物の処理方法において、放電始動時、又は再始動時に、前記反応流路の上方側から電解液を流入させ、前記高圧電極に電圧印加後に前記電解液の流入を停止することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の被処理物の処理方法において、前記反応流路の外周部に水溜が形成され、前記水溜内の水を前記反応流路に供給することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項4に記載の被処理物の処理方法において、アーク放電でプラズマを発生させることを特徴とする。
請求項7記載の本発明の被処理物の処理装置は、被処理物が通過する管状の細長い反応流路と、前記反応流路の一端側に配置される高圧電極と、前記反応流路の他端側に配置される接地電極と、前記反応流路の上方側から前記反応流路内に水を供給する給水管と、前記反応流路の下方側から前記反応流路内の水を排出する排出管と、前記反応流路の上方側から前記反応流路内に電解液を供給するノズルとを備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による放電の始動方法は、放電の開始時又は再点弧時に、高圧電極と反応流路内の水膜中にある接地電極との間に、一旦電解液による低抵抗の電流路を形成した後に、この電解液の供給を停止して、高圧電極と接地電極との間の電流路を遮断することによって、放電の開始または再点弧を行わせるものである。本実施の形態によれば、全く電極の移動を必要とせずに、電解液の注入によって、電極を短絡するのと同じ効果を得ることができる。すなわち、高圧電極から、若しくは、高圧電極の極近くから、電解液を反応流路内の水膜に向けて流すと、電解液の先端は水膜の水と共に降下して行き、その先端が水膜中の接地電極に達すると、水膜の電気抵抗は低くなるため、高圧電極と接地電極があたかも水膜の最上端まで移動している状態と同じになり、高圧電極から接地電極に電流が流れる。このとき直ちに電解液の注入を停止すると、高圧電極と電解液の間に誘導電圧が生じ放電が開始する。溢流する水によって、電解液は降下して行くので、あたかも接地電極を下げて行くように、放電の長さは長くなり、電解液の部分が水膜の部分から流れ去ると、所定長さの放電が得られる。電解液を高圧電極に向けて注入するときは、電極を短絡したのと同じ効果が得られることになり、いずれにしても、電極を移動させること無しで、電極を移動させたと同じ効果が得られることになる。特に水を介在させることで電解液の注入の後始末を簡単に行うことができる。
本発明の第2の実施の形態による放電の始動方法は、放電始動時又は再始動時、高圧電極に電圧印加後に、流路中に電解液を流入させることにより、高圧電極と電解液の間で短い距離の放電を開始させ、電解液の流入を停止することにより所定長さの放電を得るものである。本実施の形態によれば、放電始動時、又は再始動時に、電解液が供給されることで、高圧電極と接地電極との間には電流が流れる経路が形成されるため、プラズマを容易に発生させることができる。また、電解液の供給の停止により、高圧電極と接地電極との間には電解液が存在しなくなるが放電は継続される。
本発明の第3の実施の形態は、第1または第2の実施の形態による放電の始動方法において、アーク放電でプラズマを発生させるものである。本実施の形態によれば、より安定したプラズマを発生させることができる。
本発明の第4の実施の形態による被処理物の処理方法は、放電始動時、又は再始動時に、反応流路の上方側から電解液を流入させ、高圧電極に電圧印加後に電解液の流入を停止するものである。本実施の形態によれば、放電始動時、又は再始動時に、電解液が供給されることで、高圧電極と接地電極との間には電流が流れる経路が形成されるため、プラズマを容易に発生させることができる。また、電解液の供給の停止により、高圧電極と接地電極との間には電解液が存在しなくなるが放電は継続される。また、反応流路の長手方向にプラズマを形成することで、反応流路の断面全体にプラズマが形成されるため、被処理物は狭い断面内で長い距離を通過する間にプラズマの影響を受けるので、被処理物の分解効率が高くなる。
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による被処理物の処理方法において、反応流路の外周部に水溜が形成され、水溜内の水を反応流路に供給するものである。本実施の形態によれば、反応流路の壁面温度が上昇しすぎることを防ぐことができるので、反応流路の途中で、反応流路内壁を流下する水が全て蒸発してしまうことを防ぐことができる。このため、反応流路内壁は常に水の膜によって覆われているので、反応流路内壁の侵食を防ぐことができる。
本発明の第6の実施の形態は、第4の実施の形態による被処理物の処理方法において、アーク放電でプラズマを発生させるものである。本実施の形態によれば、より安定したプラズマを発生させることができる。
本発明の第7の実施の形態による被処理物の処理方法は、被処理物が通過する管状の細長い反応流路と、反応流路の一端側に配置される高圧電極と、反応流路の他端側に配置される接地電極と、反応流路の上方側から反応流路内に水を供給する給水管と、反応流路の下方側から反応流路内の水を排出する排出管と、反応流路の上方側から反応流路内に電解液を供給するノズルとを備えたものである。本実施の形態によれば、プラズマの近くに水が供給されるので、排ガス中の水溶性の反応生成物を速やかに排除し、分解反応を促進させることができる。また水の流れに沿って電解液を供給することで、高圧電極と接地電極との間には電流が流れる経路が形成され、プラズマを容易に発生させることができる。また、反応流路の軸線方向にプラズマを形成することで、反応流路の断面全体にプラズマが形成されるため、排ガスは狭い断面内で長い距離を通過する間にプラズマの影響を受けるので、排ガスの分解効率が高くなる。
【0008】
【実施例】
以下本発明の一実施例による放電の始動方法について、この始動方法を適用した被処理物の処理装置及びその処理方法について説明する。
本発明で処理対象とする被処理物としては、例えば、主にハロゲン元素を含むガス、具体的には、CF4(フロン14)やC4F8(フロン318)などのPFCガス、さらにCxHyFz、CxHyClz、CxFyClz、CwFxClyBrz、SF6、NF3、CCl4等(w、x、y、zは整数)である。また、本発明は、その他様々な有害ガスや、固体や液体の有害物質を被処理物として処理することもできる。
そして本発明の処理装置は、半導体製造用のドライエッチング装置から排出される有害物質を分解処理するプラズマ設備として適用される。また本発明は、PVD装置やCVD装置をクリーニングする場合に用いるクリーニングガスを分解処理するプラズマ処理装置としても適用される。
本発明の被処理物処理装置は、ほぼ大気圧下でプラズマ放電させる環境で使用される。また本発明の被処理物処理装置は、維持電圧の低いアーク放電を用いる。
【0009】
図1は本発明の一実施例による被処理物の処理装置の要部構成図である。
中空な本体ケース10の上部には、本体ケース10内に処理すべき排ガス等の有害物質を導入する導入パイプ17が設けられており、この導入パイプ17は、例えば粗引き用ポンプの排気管18に接続されている。
この本体ケース10の下端には、本体ケース10の内部と外部とを連通させる排出口10cが形成されている。また、本体ケース10の下端部には、排出口10c内に水を供給するための冷却水通路9が設けられている。
本体ケース10の内部において、排出口10cの上端には、所定長さの中空の反応パイプ3が鉛直に取付けられており、この反応パイプ3によって、管状又は円筒状の細長い反応流路13を構成している。この反応パイプ3の内径は、プラズマを反応流路13の断面全体に形成する上で8〜30mm程度が好ましい。特に20mm程度の内径が有害物質を効率よく処理する上で適している。またこの反応パイプ3は、パイレックス(登録商標)ガラスを用いることができるが、その他アルミナや窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素等の絶縁体が適している。
この反応パイプ3の内部の下端部には、反応パイプ3の内面に沿って接地電極11が設けられている。この接地電極11は、例えば真鍮や銅等の導電性の高い金属が適しており、更に導電性が高く化学的に安定な、例えば金や白金等の金属がより適しているが、プラズマを発生させるという機能を発揮しうる限り、これらに限られるものではない。
【0010】
本体ケース10の上端には、先端部が白金合金の高圧電極12が設けられている。この高圧電極12の下端部は、反応パイプ3の上端近傍に配設されている。また高圧電極12の上端部は、電源14がマッチング回路15を介して接続されている。この電源14は交流高周波電源である。なお、この14が直流高圧電源の場合には、マッチング回路15は不要である。
なお高圧電極12は、反応流路13の流入側近傍で、その中心線上に配置されるが、この高圧電極12の端部を反応流路13内に挿入された状態としてもよい。
接地電極11と高圧電極12との距離は、200mm以上であることが好ましく、250mm以上であれば更に好ましい。
また本体ケース10の上端には、電解液を供給するノズル21が設けられている。電解液としては、例えばNaCl、NaOH、H2SO4、HNO3を用いることができる。このノズル21は、高圧電極12の先端、又は反応パイプ3の上端開口部に向けて設けられている。電解液供給部22は、ノズル21から吐出させる電解液をノズル21に供給する。この電解液供給部22は、制御手段23によって供給が制御される。
また、反応パイプ3の外周と本体ケース10の内面との間には、反応パイプ3を囲むように水溜8が形成されている。本体ケース10には給水パイプ16が設けられ、この給水パイプ16は、水溜8に水を供給する。なお、水溜8に供給された水は、水溜8の上端から反応パイプ3内に供給される。
【0011】
以下に本実施例の処理装置の動作について説明する。
放電始動時、又は再始動時、制御手段23からの信号により、電解液供給部22から電解液が供給され、電解液はノズル21から吐出される。ノズル21から吐出される電解液は、高圧電極12をつたって、又は高圧電極12の下方近傍を通って反応通路13内に流下され、接地電極11を通過する。
そして電解液の供給開始後、所定時間経過後に、制御手段23からの信号によって高圧電極12に電源14から高圧電圧が印加される。連続的に滴下されている電解液によって、高圧電極12と接地電極11との間には電流が流れる経路が形成されているため、電源14から高圧電圧が印加された後に、制御手段23からの信号によって電解液供給部22からの電解液の供給は停止され、ノズル21からの電解液の吐出も停止するとプラズマは容易に発生する。
電解液の供給の停止により、高圧電極12と接地電極11との間には電解液が存在しなくなるが、放電は継続され、反応流路13の断面全体に形成されているプラズマは安定した状態で維持される。尚、高圧電極12への電圧印加のタイミングは、電解液の供給前でもよく、電解液が接地電極11まで到達した後、電解液の供給を停止する際に電圧が印加されていればよい。
【0012】
給水パイプ16から水溜8に供給される水は、反応パイプ3の上端開口部から、反応パイプ3内に供給される。反応パイプ3内に供給された水は、反応パイプ3の内壁に沿って流下し、反応パイプ3の内壁全面に水の膜を形成する。
一方被処理物は、排気管18から導入パイプ17を経由して、本体ケース10内に導入される。本体ケース10内に導入された被処理物は、反応パイプ3内を通過するときにプラズマと接触し、各ガス構成成分に分解される。このときプラズマは反応流路内の断面全体に充満しているので、ガスがプラズマ中を素通りすることがなく、効率よくガス構成成分への分解が行われる。とくに、CF4を含むPFCなどのフッ素化合物は、非常に安定しているので、並の処理法は役に立たないが、プラズマに狭い空間で十分な時間接触させることで効果的に分解できる。
分解された水溶性反応生成物は、反応パイプ3の内壁に沿って流下する水に吸収される。そして分解された水溶性反応生成物は、水とともに本体ケース10外部に放出される。
【0013】
なお、高圧電極12として白金を用いることで、高圧電極12の表面を化学的に安定に保つことができる。したがって、有害物質によって高圧電極12が腐食されることを防ぐことができる。
さらに、冷却水通路9から排出口10cに水を供給すれば、反応流路13から排出される水溶性反応生成物を効率的に水に吸収させて除去することができ、しかも装置の排気側が熱によって損傷することを防ぐことができる。
なお、放電開始において、接地電極11または高圧電極12に放電開始電圧より高い電圧のパルス電圧を加えれば、パルス電圧を加えた瞬間から安定して放電をスタートさせることができる。
さらに、放電開始において、接地電極11または高圧電極12に放電開始電圧より高い電圧の高周波電圧を加えれば、安定して放電をスタートさせることができ、しかも放電開始時の印加電圧を低くすることができる。
さらに、接地電極11と高圧電極12の間に直流電圧を加えて放電させれば、接地電極11と高圧電極12との間に常に一定の電圧を加えることができるので、全時間帯にわたって放電を安定させることができる。特に、高圧電極12に負の電圧を印加すれば、放電をさらに安定させることができる。
さらに、高圧電極12はその先端部にのみ白金を使用してもよい。また、高圧電極12は、金属パイプや金属棒、またカーボン棒、Ti−Pd合金棒など、プラズマを発生させるという機能を発揮しうるものであれば特に限定はない。
【0014】
また、反応流路13の内壁全面に水の膜が形成されるので、プラズマと水とが広い面積にわたって接触する。このため、プラズマと水が接触することによって発生した水蒸気を、プラズマ中に効率よく巻き込むことができる。よって、有害物質の分解反応が促進されるとともに、水溶性反応生成物を効率的に水に吸収させることができる。よって、有害物質の分解・分離効率を高めることができる。しかも、有害物質が固体や液体の場合、有害物質を導入パイプ17を通して、または水とともに給水パイプ16から水溜8に供給し、水とともに有害物質を反応流路13の内壁に流下させれば、有害物質をプラズマと接触させて分解させることができる。
また、水溜8内の水によって反応パイプ3が冷却されるので、反応流路13の壁面温度が上昇しすぎることを防ぐことができる。このため、反応流路13の途中で、反応流路13の内壁を流下する水が全て蒸発してしまうことを防ぐことができる。したがって、反応流路13の内壁は常に水の膜によって覆われているので、反応流路13内壁の侵食を防ぐことができる。
さらに、接地電極11が反応通路13の内面に沿って設けられているので、水が接地電極11の内面に沿って流れる。このため、接地電極11が自動的に冷却され、電極の損耗を抑えることができる。しかも、有害物質は、接地電極11の内面に形成された水の膜の内側を通過するので、有害物質が反応流路13を流れるとき接地電極11が抵抗とならない。
なお、給水パイプ16から供給する水を予め加熱しておけば、プラズマの熱によって加熱された水を効率よく水蒸気とすることができるので、プラズマに水蒸気を効率よく供給することができる。
【0015】
つぎに、被処理物処理装置の他の実施形態を図2に示す。なお、図2は同実施例による処理装置の要部構成図であるが、図1と同一構成は一部図面を省略し、また同一機能には同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態は、接地電極11を反応流路13の中心線と平行な棒状の電極としたものである。
図2に示すように、反応パイプ3の中心線、つまり反応流路13の中心線上には棒状の接地電極11が設けられている。
このため、接地電極11が、反応パイプ3の内壁に沿って流下する水によって完全に覆われてしまうことがなく、接地電極11の一部は必ず水の膜から露出している。したがって、接地電極11と高圧電極12との間に形成されたプラズマは、直接接地電極11と接することになるので、水の抵抗による電力損失をなくすことができる。
また、図2に示すように、給水パイプ16を本体ケース10の下部に設けてもよい。
【0016】
なお、上記実施例では、反応パイプ3が鉛直に取付けられたものを示したが、反応パイプ3は傾斜させたものであってもよく、高圧電極12側を上方側に、接地電極11側を下方側に配置したものであってもよい。
また、上記実施例では、反応パイプ3内に水を供給する場合で説明したが、水以外に水蒸気を供給するものであってもよい。さらに、水に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ性のものを溶解させておいてもよい。このようにすると、CF4が分解してF成分が水中に溶解した際、そのままでは強い酸性になってしまうが、これを直ちに中和することができ、これにより排水系統の腐食を抑えることができるという利点がある。
また、反応生成物との反応性の高い物質(例えば、水酸化カルシウム等)を水に溶解させておいてもよい。このようにすると、CF4が分解してF成分が水中に溶解した際、これを直ちに沈殿除去することができるという利点がある。
【0017】
【発明の効果】
上記実施例の説明から明らかなように、本発明によれば、放電始動時、又は再始動時に、電解液が供給されることで、高圧電極と接地電極との間には電流が流れる経路が形成されるため、プラズマを容易に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による被処理物の処理装置の要部構成図
【図2】 本発明の他の実施例による処理装置の要部構成図
【符号の説明】
3 反応パイプ
8 水溜
11 接地電極
12 高圧電極
13 反応流路
14 電源
16 給水パイプ
21 ノズル
22 電解液供給部
Claims (7)
- 管状の細長い反応流路の外周から溢流することによって前記反応流路中に一様な水膜を作り、気中にある高圧電極と水膜中にある接地電極との間に放電を起こさせる放電の始動方法であって、放電の開始時又は再点弧時に、前記高圧電極と前記反応流路内の水膜中にある接地電極との間に、一旦電解液による低抵抗の電流路を形成した後に、この電解液の供給を停止して、前記高圧電極と接地電極との間の電流路を遮断することによって、所定長さの放電の開始または再点弧を行わせることを特徴とする放電の始動方法。
- 一方に高圧電極を他方に接地電極を配置し、前記高圧電極近傍と前記接地電極との間に電流の流れる経路を形成し、放電始動時又は再始動時、前記高圧電極に電圧印加後に、前記流路中に電解液を流入させることにより、前記高圧電極と電解液の間で短い距離の放電を開始させ、前記電解液の流入を停止することにより所定長さの放電を得ることを特徴とする放電の始動方法。
- アーク放電でプラズマを発生させることを特徴とする請求項1または2に記載の放電の始動方法。
- 被処理物が通過する管状の細長い反応流路と、前記反応流路の上方側に配置される高圧電極と、前記反応流路の下方側に配置される接地電極とを備え、前記反応流路の軸線方向にプラズマを発生させることでフロンなどの被処理物を処理する被処理物の処理方法において、放電始動時、又は再始動時に、前記反応流路の上方側から電解液を流入させ、前記高圧電極に電圧印加後に前記電解液の流入を停止することを特徴とする被処理物の処理方法。
- 前記反応流路の外周部に水溜が形成され、前記水溜内の水を前記反応流路に供給することを特徴とする請求項4に記載の被処理物の処理方法。
- アーク放電でプラズマを発生させることを特徴とする請求項4に記載の被処理物の処理方法。
- 被処理物が通過する管状の細長い反応流路と、前記反応流路の一端側に配置される高圧電極と、前記反応流路の他端側に配置される接地電極と、前記反応流路の上方側から前記反応流路内に水を供給する給水管と、前記反応流路の下方側から前記反応流路内の水を排出する排出管と、前記反応流路の上方側から前記反応流路内に電解液を供給するノズルとを備えたことを特徴とする被処理物の処理装置。
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