JP4107950B2 - 背負式作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背負式噴霧機のような背負式作業機に関し、特に内燃エンジンを備えた背負式作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
背負式の噴霧機や散布機のような背負式作業機には、作業用動力源として内燃エンジンを備えたものがある。このような作業機における内燃エンジンは、始動のためにリコイルスタータを有することが一般的である。リコイルスタータ付き内燃エンジンの始動方法としては、作業機を地面に置いた状態でリコイルスタータのスタータロープを引いて始動させる、いわゆる「置き引き」と、作業者が作業機を背負った状態でスタータロープを引いて始動させる、いわゆる「背引き」とが知られている。
【0003】
「置き引き」は、一般に、内燃エンジンが冷えている際に行う初期始動方法であり、通常、スタータロープの引き動作と同時に、チョークレバーを操作して内燃エンジンへの空気流入量を調整し、スロットルレバーの操作も行う。また、気化器に燃料を供給するためのプライミングポンプが設けられている場合には、当該プライミングポンプの操作も必要に応じて行う。
【0004】
「背引き」は、内燃エンジンが暖まった状態での始動方法であり、チョークレバーやスロットルレバー、プライミングポンプの操作は不要である。この「背引き」を容易に行うことができるようにするため、従来においては、下記の特許公報1に記載のように、スタータロープの先端のノブ(握り部)を背負架台の右側の側部前方部分にて保持し、右手操作を可能としている。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−27411号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示されている従来の背負式作業機においては、スロットルレバーは、作業中におけるエンジン出力の調整を可能とするために、背負架台の左側の側部前方部分に配置されている。すなわち、例えば背負式作業機が噴霧機や散布機である場合、作業者は通常、噴霧ノズルや散布ノズルを右手で持つため、スロットルレバーを左手で操作する必要があり、スロットルレバーは背負架台の左側に配置されているのである。また、スロットルレバーは内燃エンジンの気化器に関連した機器であるため、気化器もスロットルレバーの側に配置され、これに伴ってチョークレバーやプライミングポンプも左側に配置されることが有効である。
【0007】
このように、従来構成にあっては、スロットルレバーやチョークレバー、プライミングポンプは、内燃エンジンを基準として背負架台の左側に配置されるのに対して、スタータロープのノブは右側に配置されるため、「置き引き」の場合には、内燃エンジン始動に必要な操作を左右で行わなければならず、始動操作が煩雑であった。また、「背引き」の場合、スタータロープのノブと噴霧ノズルとが同じ右側に配置されているため、ノズルを左手に持ち替えてからノブを握って引かなくてはならず、作業効率が低下するという問題がある。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、内燃エンジンの始動操作を容易にする背負式作業機を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、背負架台(12)と、この背負架台(12)に据え付けられ、作業用動力を発生させる内燃エンジン(18)と、内燃エンジン(18)に設けられ、当該内燃エンジン(18)を始動させるリコイルスタータ(38)とを備える背負式作業機(10)において、内燃エンジン(18)への空気流量を調整するチョークレバー(30)と、内燃エンジン(18)の出力を調整するスロットルレバー(34)と、リコイルスタータ(38)のスタータ本体(40)から延出するスタータロープ(42)の先端の握り部(52)とが、内燃エンジン(18)を基準とした右側又は左側のいずれか一側に配置されており、且つ、スロットルレバー(34)及び握り部(52)が、背負架台(12)の側部前方部分に設けられた保持手段(36,50)により保持されていることを特徴としている。
【0010】
この構成によると、「置き引き」によるエンジン(18)始動時に操作が必要なスロットルレバー(34)及びチョークレバー(30)と、スタータロープ(42)の先端の握り部(52)とが同じ側にあるため、エンジン(18)始動操作の作業性が向上する。また、スタータロープ(42)の握り部(52)、チョークレバー(30)及びスロットルレバー(34)を左側に配置した場合、右手で噴霧ノズル(26)等を握ったまま、左手で握り部(52)を握ってスタータロープ(42)を引くことができるので、「背引き」も容易に行うことが可能となる。
【0011】
なお、本明細書において左、右、前、後、上、下等の方向を表す語は、作業者が背負式作業機(10)を背負って直立した状態を基準とし、作業者から背負式作業機(10)への方向を「後方」として定めたものである。
【0012】
スタータロープ(42)の握り部(52)は、引っ張り方向が斜め上方となるよう保持手段(36,50)により保持されていることが好ましい。この構成によると、作業者がスタータロープ(42)を引っ張りやすく作業性がよい。
【0013】
スタータロープ(42)は、スタータ本体(40)から保持手段(36,50)までの間における部分がチューブ(48)等の被覆手段(46,48,54)により被覆されていることが好ましい。スタータ本体(40)から延出したスタータロープ(42)の部分が、液体等から保護されるからである。
【0014】
保持手段(36,50)としては、スタータロープ(42)が挿通される所定長さの貫通穴(51)が形成されているホルダ(50)の如きものが考えられ、かかる場合においては、被覆手段(46,48,54)は、スタータロープ(42)を囲繞すると共に、貫通穴(51)に摺動可能に嵌入されるチューブ(48)とすることが好適である。チューブ(48)をホルダ(50)の貫通穴(51)に摺動可能に嵌入することで、チューブ(48)とホルダ(50)との合計長さは可変となり、ホルダ(50)の位置変更や、例えば他機種への展開が容易となる。
【0015】
保持手段(36,50)は、背負架台(12)に取り外し可能に固定されることが好ましい。この構成によると、背負架台(12)と保持手段(36,50)とを別個に製造することができるので、各部分をユニット化して生産することができる。
【0016】
本発明による背負式作業機(10)が噴霧機(10)である場合、すなわち背負架台(12)に据え付けられた薬剤タンク(22)と、内燃エンジン(18)により駆動されると共に、薬剤タンク(22)から薬剤を吸引し吐出するポンプ(16)と、ポンプ(16)から吐出された薬剤を噴出するノズル(26)とを備えている場合、薬剤タンク(22)のドレン口(60)は、チョークレバー(30)、スロットルレバー(34)及び握り部(52)の配置側とは反対側に設けられるのがよい。ドレン口(60)近傍にスタータロープ(42)等がなく、排液が容易となるからである。
【0017】
また、ポンプ(16)の吐出圧を調整する調圧ハンドル(58)は、チョークレバー(30)、スロットルレバー(34)及び握り部(52)の配置側と同側に配置されるのが好適である。この配置は、作業中に、「置き引き」やスロットルレバー(34)操作の場合と同じ側の片手で調圧操作し得るようにし、作業性を向上させるためのものである。
【0018】
更に、調圧ハンドル(58)と握り部(52)とは所定の間隙をおいて配置されることが好ましい。調圧ハンドル(58)は、背負架台(12)の中心側に配置され、手で把持しにくい位置であるが、背負架台(12)の外側の握り部(52)から所定の間隙をおいて配置することで、握り部(52)を手がかりにして調圧ハンドル(58)の位置が把握しやすくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の背負式作業機の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は本発明による背負式作業機である背負式噴霧機10を概略的に示す側面図であり、図2はその後方から見た図である。背負式噴霧機10は、作業者が背負った状態で使用される、農作物等に液状の薬剤を噴霧するための装置である。
【0021】
図示するように、背負式噴霧機10は、台座部12aと背当て部12bとを有する略L字状の背負架台12を備えている。背当て部12bには、作業者が背負架台12を背負うことができるように、2本のショルダストラップ14が取り付けられている。直立した作業者が背負架台12を背負った通常の使用状態において、背当て部12bはほぼ垂直方向に延び、台座部12aは略水平方向であって作業者の背中から離れる方向に延びる。
【0022】
台座部12a上には、背当て部12bの側から順に後方に向かって、ポンプ16と、ポンプ16の駆動源である内燃エンジン18とが据え付けられている。内燃エンジン18の下方には、内燃エンジン18に燃料を供給する燃料タンク20が配置されている。また、ポンプ16、内燃エンジン18及び燃料タンク20の上方には、噴霧用の薬剤を貯留するための薬剤タンク22が配置され、背負架台12の背当て部12bに固定されている。
【0023】
かかる構成において、内燃エンジン18を動作させ、ポンプ16を駆動すると、薬剤タンク22内の薬剤はポンプ16により吸引、吐出され、ホース24を通って噴霧ノズル26から噴霧される。なお、本実施形態における背負式噴霧機10は、一般的な右利き用であり、噴霧ノズル26を右手で握持することができるよう、ホース24は噴霧機10の右側に配置されている。
【0024】
内燃エンジン18には、燃料と空気とを混合するための気化器28が設けられており、気化器28、ひいては内燃エンジン18への空気量を調整するためのチョーク弁(図示せず)が設けられている。このチョーク弁は主として内燃エンジン18の初期始動時に調整されるものであり、その調整は、気化器28に隣接して配置されているチョークレバー30を操作することで行われる。
【0025】
また、気化器28の下流側には、内燃エンジン18への空気量を調節し、ひいては内燃エンジン18の出力を調節するためのスロットル弁(図示せず)が更に設けられている。スロットル弁は、ワイヤ32を介して連動されるスロットルレバー34によって操作できるようになっており、噴霧作業中にも操作されるものである。
【0026】
本実施形態に係る噴霧機10は、前述したように右利き用である。噴霧作業中、右手で噴霧ノズル26を扱うため、スロットルレバー34は左手により操作される。そのため、スロットルレバー34は、背負架台12の左側部の前方部分に配置され、本実施形態では、台座部12aの前部且つ左下部に取り外し可能にねじ止めされたスロットルステー(保持手段)36に取り付けられている。
【0027】
このように、スロットルレバー34が背負式噴霧機10の、内燃エンジン18を中心として左側に配置されていることから、配置レイアウト上、気化器28及びチョークレバー30についても噴霧機10の左側に配置されている。
【0028】
また、内燃エンジン18を始動させるための装置として、内燃エンジン18にはリコイルスタータ38が設けられている。本実施形態では、リコイルスタータ38は例えば実用新案登録第3080656号公報に記載されているようなばね蓄力式のものであり、内燃エンジン18のケーシングに一体的に取り付けられたスタータ本体40と、その内部に配置され、内燃エンジン18の回転軸に連結されたスタータプーリ(図示せず)と、スタータプーリに対向して設けられたリコイルプーリ(図示せず)と、リコイルプーリに捲回されたスタータロープ42とを備えている。また、リコイルプーリとスタータプーリとの間には、ばね材(図示せず)が介設されている。このようなばね蓄力式のリコイルスタータ38では、スタータロープ42を引いてリコイルプーリを回転させた際、ばね材にばね付勢力が蓄積されるが、そのばね蓄力を利用してスタータプーリ、ひいては内燃エンジン18の回転軸を回転させることができるので、スタータロープ42の引き力が小さくとも、内燃エンジン18を確実に始動させることができる。
【0029】
リコイルスタータ38のスタータ本体40から延出するスタータロープ42の状態を示す図3に明示されているように、スタータロープ42は、スタータ本体40の左下部に設けられた引出口44から延出されている。スタータロープ42は、引出口44に圧入された筒状のロープガイド46を通され、更に当該ロープガイド46に嵌合されたフレキシブルなチューブ48に通されている。また、チューブ48から突出するスタータロープ42の先端部は、ホルダ(保持手段)50に設けられた直線状の貫通穴51に通されている。スタータロープ42の先端には、スタータロープ42を引っ張る際の握り部となるノブ52が取り付けられている。ノブ52はT字型であり、その中央に設けられた貫通穴53にスタータロープ42が挿通されて、先端で結ばれている。その結び目43はノブ52の貫通穴53より大きく、これによりスタータロープ42からノブ52が脱落しないようになっている。このようなノブ52は、リコイルスタータ38を使用していない状態(図1〜図3の状態)では、ホルダ50の前面に接し保持された状態となる。
【0030】
ホルダ50は、スロットルステー36に固定されている。従って、ノブ52は、背負架台12の左側前方部分に配置されることになる。また、ホルダ50の貫通穴51は、ホルダ固定状態においては、前側ほど斜め上向きになるように形成されている。従って、スタータロープ42の引っ張り方向ないしはノブ52の引っ張り方向は、前方且つ斜め上向きになる。
【0031】
ホルダ50は、スロットルステー36に対して、ねじ止め等の手段により取り外し可能に固定されることが好ましい。これによって、ホルダ50を含めてリコイルスタータ38を一体のユニットとして構成することができ、内燃エンジン18のリコイルスタータ38を組み付けた後、ホルダ50とスロットルステー36とを合体させればよく、構成部品のユニット化による生産性の向上に寄与することになる。また、ユニット化することで、メンテナンス上有利となる。
【0032】
また、ホルダ50の貫通穴51は、後部と前部の2つの部分51a,51bからなり、後部部分51aの内径はチューブ48の外径とほぼ同じか、僅かに小さくされている。このため、チューブ48は貫通穴51内で摺動可能となる。一方、貫通穴51の前部部分51bは、内径がチューブ48の外径よりも小さくされている。従って、チューブ48は前部部分51bと後部部分51aとの間の段差面51cに接して、それ以上前方に移動しないようになっている。かかる構成においては、チューブ48に対してホルダ50を移動させることができるため、チューブ48の末端(ロープガイド46側の端部)からホルダ50の前面までの長さを変えることができる。従って、ホルダ50の貫通穴51の長さ、特に後部部分51aの長さを適宜定めることで、ホルダ50のスロットルステー36に対する位置変更はもとより、構成部品の寸法誤差を吸収でき、内燃エンジン18の取り付け位置の異なる他機種への展開も容易となる。
【0033】
更に、ホルダ50における貫通穴51の前部部分51bには、筒状のアダプタ54が圧入されることが好ましい。アダプタ54は、貫通穴51から前方に突出している部分54aを有しており、この突出部分54aがノブ52に接するようになっている。これによって、リコイルスタータ38の非使用時には、ノブ52はアダプタ54に接し、アダプタ54の開放端部55を閉じるよう機能する。かかる機能から、合成ゴム等の弾性材料から作られることが好適である。
【0034】
ノブ52がアダプタ54に接し、その開放端部55が閉じられると、スタータロープ42は、アダプタ54、ホルダ50、チューブ48及びロープガイド46から構成される被覆手段によって、その全体が被覆される。従って、スタータ本体40から延出しているスタータロープ42の部分は、薬剤や雨水等の液体に直接晒されることがない。故に、スタータロープ42を伝って液体がスタータ本体40に侵入することは殆どなく、リコイルスタータ38や内燃エンジン18等の構成部品を腐食させるという不具合も防止することができる。
【0035】
更に、本実施形態においては、内燃エンジン18と気化器28との間には内燃エンジン18の始動時に空気抜きを行うプライミングポンプ56が配置されている。気化器28側、内燃エンジン18を基準として左側に配置されているため、このプライミングポンプ56も左側に配置されることになる。
【0036】
また、ポンプ16にはポンプ吐出圧を調整するための調圧装置(図示せず)が設けられており、その調節のための調圧ハンドル58がポンプ16の左側に配置されている。なお、ポンプ16は、背負架台12と内燃エンジン18との間の奥まった位置にあり、従って、調圧ハンドル58も操作が困難な位置となっている。そこで、後で説明する理由から、調圧ハンドル58は、スタータロープ42のノブ52から所定の間隙をおいてほぼ同じ高さで隣り合う位置に配置されている。
【0037】
更に、薬剤タンク22の右下側には排液用のドレン口60が設けられている。また、図中、符号62は、スロットルステー36に取り付けられたストップボタン62であり、内燃エンジン18を停止する場合に用いられるものである。
【0038】
次に、上記構成の背負式噴霧機10の作用について説明する。
【0039】
まず、内燃エンジン18が冷えている状態での始動、いわゆる初期始動を行う場合、従来と同様に、「置き引き」によることが有効である。すなわち、背負式噴霧機10を地面に置き、ノブ52を持ち、スタータロープ42を引っ張るのである。この際、プライミングポンプ56を操作して気化器28内に燃料を供給したり、チョークレバー30を閉じてスロットルレバー34を中速位置にしたり、初期始動に必要な操作を行う。本実施形態によると、内燃エンジン18の始動時に用いられる操作機器であるプライミングポンプ56、チョークレバー30、スロットルレバー34及びノブ52が全て、左側に集中している。このため、エンジン18始動時、必要な操作を左側一方から行うことができ、作業者の労力が軽減され、操作時間が短縮される。また、ノブ52が斜め上向きに保持され、スタータロープ42を引く方向が斜め上向きであるため、作業者は立ち姿勢のままでも、噴霧機10を左手で押さえつつ、右手でノブ52を容易に引くことができる。
【0040】
内燃エンジン18が始動したら、チョークレバー30を閉方向にしてスロットルレバー34を低速位置にする。そして、作業者は背負式噴霧機10を背負って噴霧作業に入る。
【0041】
噴霧作業中、作業者は右手で噴霧ノズル26を持ち、作業を行う。この際、必要に応じて、左手でスロットルレバー34を操作して、内燃エンジン18の出力を調節する。また、作業中にポンプ16の圧力を調整する必要が生じた場合には、作業者は左手で調圧ハンドル58を操作する。調圧ハンドル58は背負架台12の左内側に在するため、作業者は、前を向いた状態で後手で直接に調圧ハンドル58を探り出すことは難しい。しかし、前述したように、調圧ハンドル58とノブ52との間の間隙を所定の大きさに定めているので、後手でも比較的見つけやすいノブ52をまず探り出し、それを手がかりにして更に調圧ハンドル58を手探りすることができ、調圧ハンドル58を容易に見つけ出して調圧を行うことが可能となる。
【0042】
噴霧作業中、何らかの原因により内燃エンジン18が停止し、すぐにエンジン18を再始動したい場合、及び薬剤タンク22が空になり、薬剤補給後再始動する場合には、作業者は背負式噴霧機10を背中から降ろさずにスタータロープ42のノブ52を引く「背引き」を行うことになる。この場合、既に内燃エンジン18が暖まっており、プライミングポンプ56、チョークレバー30及びスロットルレバー34の調整を行う必要がなく、ノブ52を引くだけでよい。この際、作業者は、噴霧作業の途中で噴霧ノズル26を右手で持っていると考えられる。しかし、本実施形態によると、ノブ52は作業者の左手側にあるため、噴霧ノズル26を持ち替えることなく左手でノブ52を引いて内燃エンジン18の再始動を行うことができ、労力が軽減され、労働時間の短縮になる。加えて、本実施形態では、引き力が小さくてすむばね蓄力式リコイルスタータ38を用いているため、左手でも容易に引くことができる。
【0043】
噴霧作業を終了した場合には、ストップボタン62を押して内燃エンジン18を停止させるが、その操作も右手で噴霧ノズル26を持った状態で、左手で行うことができる。
【0044】
なお、薬剤タンク22から薬剤を抜き出したい場合には、薬剤タンク22のドレン口60から薬剤は排出させる。ドレン口60は、チョークレバー30、スロットルレバー34、スタータロープ42を被覆するチューブ48及びノブ52と反対の右側に設けられている。従って、ドレン口60近傍に、ドレン口60の開閉操作やバケツ等の液受けを置くときの邪魔になるものがなく、操作が容易となり、また排液中にスロットルレバー34やチョークレバー30等に排液が付着して汚れる心配がない。
【0045】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0046】
例えば、上記実施形態は右利き用を考慮し、チョークレバー30やスロットルレバー34、スタータロープ42の握り部(ノブ)52等を左側に配置することとしているが、これらを反対側に集中して配置してよい。
【0047】
また 本発明による背負式作業機は噴霧機に限定されず、背負式散布機、背負式ブロア、背負式刈払機等、内燃エンジン18を使用する背負式の作業機全てに適用され得る。
【0048】
更に、上記実施形態では、ばね蓄力式のリコイルスタータ38を使用したが、他の型式のリコイルスタータであってもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、内燃エンジンの始動に必要な操作機器が左側又は右側に集中して配置されているため、エンジン始動時に必要な操作を一側のみから行うことができる。従って、エンジン始動時の煩雑な操作を簡素化することができ、操作性に優れ、操作時間の短縮、労力の削減が可能になる。
【0050】
また、例えばスタータロープの握り部を左側に配置した場合、利き手である右手で作業用治具(噴霧ノズル)を把持したまま、左手で背引きを行うことができるため、作業を中断することなく、再始動することが可能となり、作業性の向上寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る背負式噴霧機の概略側面図である。
【図2】図1に示す背負式噴霧機を後方から見た状態の概略図である。
【図3】図1及び図2における背負式噴霧機におけるスタータロープ周辺部を詳細に示す、一部断面した側面図である。
【符号の説明】
10…背負式噴霧機、12…背負架台、16…ポンプ、18…内燃エンジン、30…チョークレバー、34…スロットルレバー、36…スロットルステー(保持手段)、38…リコイルスタータ、42…スタータロープ、46…ロープガイド(被覆手段)、48…チューブ(被覆手段)、50…ホルダ(保持手段)、51…貫通穴、52…ノブ(握り部)、54…アダプタ(被覆手段)、58…調圧ハンドル、60…ドレン口。

Claims (7)

  1. 背負架台(12)と、
    前記背負架台(12)に据え付けられ、作業用動力を発生させる内燃エンジン(18)と、
    前記内燃エンジン(18)に設けられ、前記内燃エンジン(18)を始動させるリコイルスタータ(38)と、
    を備える背負式作業機(10)において、
    前記内燃エンジン(18)への空気流入量を調整するチョークレバー(30)と、前記内燃エンジン(18)の出力を調整するスロットルレバー(34)と、前記リコイルスタータ(38)のスタータ本体(40)から延出したスタータロープ(42)の先端の握り部(52)とが、前記内燃エンジン(18)を基準とした右側又は左側のいずれか一側に配置されており、且つ、
    前記スロットルレバー(34)及び前記握り部(52)が、前記背負架台(12)の側部前方部分に設けられた保持手段(36,50)により保持されていることを特徴とする背負式作業機。
  2. 前記握り部(52)は、引っ張り方向が斜め上方となるよう前記保持手段(36,50)により保持されていることを特徴とする請求項1記載の背負式作業機。
  3. 前記スタータ本体(40)から前記保持手段(36,50)までの間における前記スタータロープ(42)が被覆手段(46,48,54)により被覆されていることを特徴とする請求項1又は2記載の背負式作業機。
  4. 前記保持手段(36,50)が、前記スタータロープ(42)が挿通される所定長さの貫通穴(51)が形成されているホルダ(50)を備え、前記被覆手段(46,48,54)が、前記スタータロープ(42)を囲繞すると共に、前記貫通穴(51)に摺動可能に嵌入されるチューブ(48)を備えることを特徴とする請求項3記載の背負式作業機。
  5. 前記保持手段(36,50)が前記背負架台(12)に取り外し可能に固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の背負式作業機。
  6. 前記背負架台(12)に据え付けられた薬剤タンク(22)と、前記内燃エンジン(18)により駆動されると共に、前記薬剤タンク(22)から薬剤を吸引し吐出するポンプ(16)と、前記ポンプ(16)から吐出された薬剤を噴出するノズル(26)とを更に備え、
    前記薬剤タンク(22)のドレン口(60)が、前記チョークレバー(30)、前記スロットルレバー(34)及び前記握り部(52)の配置側とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の背負式作業機。
  7. 前記ポンプ(16)の吐出圧を調整する調圧ハンドル(58)が、前記チョークレバー(30)、前記スロットルレバー(34)及び前記握り部(52)の配置側と同側に配置されており、前記調圧ハンドル(58)と前記握り部(52)とが所定の間隙をおいて配置されていることを特徴とする請求項6記載の背負式作業機。
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