JP4107859B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
複数の圧縮機を搭載し、オイルバランスを行なう空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、空気調和装置では、圧縮機と、室外熱交換器とを内蔵した室外ユニットと、室内熱交換器を内蔵した室内ユニットとを、液管と、ガス管との冷媒配管で接続し、前記圧縮機で圧縮された冷媒を、冷房運転では、前記室外熱交換器で放熱させて凝縮させ、この凝縮された前記冷媒を、前記室内熱交換器で吸熱させ、蒸発させて運転を行ない、暖房運転では、前記室内熱交換器で放熱させて凝縮させ、この凝縮された前記冷媒を、前記室外熱交換器で吸熱させ、蒸発させて運転を行っていた。
【0003】
そして、例えば、運転能力が、比較的大きく能力可変とされた空気調和装置などは、前記室外ユニットに内臓した圧縮機を1台とせず、複数台に分割し、能力可変型の圧縮機と、定速型の圧縮機となどを並列に接続して構成していた。
【0004】
ここで、電気式の圧縮機には、冷媒を圧縮する圧縮部と、この圧縮部を駆動する電動機とが、前記圧縮機の容器内に納められ、吐出管と、吸込み管とが設けられて構成されており、この圧縮機に内蔵された前記圧縮部へ、前記吐出管、或いは、前記吸込み管のいずれかが接続されるかにより、高圧容器型と、低圧容器型とに区別されていた。
【0005】
そして、複数の圧縮機を内蔵する室外ユニットを構成する場合、全ての圧縮機が、高圧容器型、或いは、低圧容器型の圧縮機であれば、各圧縮機内の圧力は、同様の圧力となっているため、前記各圧縮機の容器同士を均油管で接続することにより、前記複数の圧縮機のいずれかの圧縮機へオイルが戻ったとしても、この均油管を通じて前記オイルをやり取りさせることで、前記各圧縮機のオイルレベルを、バランスさせることが可能であった。
【0006】
これに対し、高圧容器型の圧縮機と、低圧容器型の圧縮機とを組み合わせる場合、それぞれの圧縮機内の圧力が異なるため、上記の様に、均油管を設けて、オイルバランスを行なうことが出来ないため、前記高圧容器型の圧縮機と、前記低圧容器型の圧縮機との双方にオイルレベルセンサを設けると共に、前記オイルセパレータより、それぞれの圧縮機へ前記オイル戻し弁と、流路抵抗器とを備えたオイル戻し管を設け、それぞれの圧縮機のオイルレベルを検出して、オイルレベルが低いと判断された圧縮機の前記オイル戻し弁を開放させることにより、前記それぞれの圧縮機内に保有されるオイルを補充すると共に、オイルのバランスをも取っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この様に、このオイルレベルを検出して、オイルの補充、および、オイルバランスさせる方法では、吐出管と、吸込み管とを分岐して、並列に接続される全ての圧縮機へ、このオイルレベルセンサや、前記オイルセパレータからのオイル戻し管を設ける必要があり、さらに、このオイルレベルセンサからのオイルレベルの検出部と、前記オイル戻し弁を駆動させる駆動回路部とが必要となるため、必然的に、この分のコストがアップしていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、高圧容器型と、低圧容器型管との圧縮機を組み合わせ、オイルレベルを検出せずに、各圧縮機のオイルレベルのバランスを行なわせた空気調和装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、高圧容器圧縮機と、低圧容器圧縮機とを並列に接続して構成する空気調和装置において、前記高圧容器圧縮機の容器と、前記低圧容器圧縮機の容器とを、制御弁を備えた第1冷媒配管で接続し、さらに、前記低圧容器圧縮機の容器と、前記高圧容器圧縮機の吸込み管とを、第2冷媒配管で接続し、前記制御弁を一定間隔時間毎に、一定時間開放させたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記第1冷媒配管の前記高圧容器圧縮機の容器へ接続する高さ位置を、前記高圧容器圧縮機の必要十分なオイル量におけるオイル面位置としたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、前記第2冷媒配管の前記低圧容器圧縮機の容器へ接続する高さ位置を、前記低圧容器圧縮機の必要十分なオイル量におけるオイル面位置としたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、前記第2冷媒配管の前記低圧容器圧縮機の容器へ接続する高さ位置を、前記低圧容器圧縮機の最低オイル量におけるオイル面位置としたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のものにおいて、前記第2冷媒配管の前記高圧容器圧縮機の吸込み管へ接続する位置を、前記第2冷媒配管を接続する前記低圧容器圧縮機の容器の位置より高さ方向の低い位置としたことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について、図1および図2を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明による高圧容器型の圧縮機と、低圧容器型の圧縮機とを組み合わせ、オイルレベルセンサを用いずに、双方の圧縮機のオイルバランスを可能とした空気調和装置について示した外略図である。
【0017】
まず、室外ユニット1には、圧縮機10と、圧縮機11と、オイルセパレータ31と、四方弁12と、室外熱交換器13と、室外電動弁14と、アキュームレータ15とが冷媒配管で接続されて内蔵されており、さらに、室外熱交換器12への送風を行なう室外送風機16と、この室外ユニット1の制御と、室内ユニット2に内蔵された室内制御部23との通信を行なう室外制御部17とが内蔵されている。
【0018】
また、室内ユニット2には、室内電動弁20と、室内熱交換器21とが冷媒配管で接続されて内蔵され、さらに、室内熱交換器21への送風を行なう室内送風機22と、この室内ユニット2の制御と、室外ユニット1に内蔵された室外制御部17との通信を行なう室内制御部23とが内蔵されている。
【0019】
そして、この室外ユニット1と、室内ユニット2とは、ユニット間配管3と、通信配線4とで接続されて、空気調和装置100を構成し、室内ユニット2に内蔵された室内制御部23からの運転信号で、室外制御部17から圧縮機10、および、11などの運転制御が行なわれて、運転が開始され、圧縮機10、および、11から吐出された冷媒は、冷房運転の場合、オイルセパレータ31を流通して、四方弁12を経由し、室外熱交換器13で室外送風機16からの送風を受けて、放熱して凝縮し、室外電動弁14で減圧されて、ユニット間配管3の液管3aを経由し、室内ユニット2へと流入し、室内電動弁20を経由して、室内熱交換器21で室内送風機22の送風を受けて、吸熱して蒸発し、ユニット間配管3のガス管3bを経由して、室外ユニット1へと戻り、アキュームレータ15を経由して、圧縮機10、および、11へと戻る循環経路で循環して、冷房の空調運転を行なう。
【0020】
そして、この高圧容器型の圧縮機10と、低圧容器型の圧縮機11との構成について、詳細に説明すると、図2を参照して、圧縮機の吐出側では、圧縮機11の吐出口より延びた吐出管30cは、逆止弁32を介して、吐出管30bとして、圧縮機10の吐出口より延びた吐出管30aへと接続され、吐出管30として、オイルセパレータ31へ接続され、このオイルセパレータ31には、コンデンサ側へ向かう冷媒配管と、流路抵抗器33を備えたオイル戻し管34とが接続されている。
【0021】
また、圧縮機の吸込み側について説明すると、圧縮機10の吸込み口付近には、小アキュームレータ36が設けられており、この小アキュームレータ36付近で、上述のオイル戻し管34と、後述する第2均油管39の一端が接続され、吸込み管35aとして延び、圧縮機11から延びた吸込み管35bと接続されて吸込み管35として延び、アキュームレータ15へと接続され、このアキュームレータ15には、エバポレータ側へ向かう冷媒配管が接続されている。
【0022】
さらに、制御弁37を備えた第1均油管38が、その一端を、圧縮機10の容器の位置Aへ、他端を、圧縮機11の容器へ接続されて設けられ、第2均油管39が、その一端を、圧縮機11の容器の位置Bへ、他端を、圧縮機10の吸込み管35aの位置Cへ接続されて設けられ、この制御弁37は、室外制御部17により、一定時間間隔で、数秒間開放される様に制御されている。
【0023】
そして、この第1均油管38が接続されている圧縮機10の容器の位置Aは、この圧縮機10内で保有する必要十分なオイル量を確保できる高さ位置とされ、同様に、第2均油管39が接続されている圧縮機11の容器の位置Bは、この圧縮機11内で保有する必要十分なオイル量を確保できる高さ位置とされ、この第2均油管39の他端は、上記の様に、吸込み管35aへと接続され、さらに、この吸込み管35aへと接続された第2均油管39の他端は、小アキュームレータ36の近傍で、かつ、前記圧縮機11の容器の位置Bより高さ方向に低い位置Cとされている。
【0024】
そして、上記制御弁37が開放される前記数秒間を、例えば、5秒とし、この制御弁37が開放状態となる間隔時間を、例えば、2時間として説明すると、まず、これら圧縮機10、11が運転を開始し、それぞれの圧縮機10、11では、オイルを含む冷媒が圧縮され、高温高圧とされて、吐出管30a、30bへ吐出され、吐出管30で合流して、オイルセパレータ31へと流入し、このオイルセパレータ31で、前記オイルを含む冷媒から、一部のオイルが分離されて、流路抵抗器33を備えたオイル戻し間34を通じて、徐々に吸込み管35a上へと戻され、残りの前記冷媒に含まれたまま、オイルセパレータ31よりコンデンサへ向けて流出し、室内ユニット2を循環して戻って来たオイルは、アキュームレータ15を経由して、吸込み管35を流通し、吸込み管35aと、35bとに分岐され、圧縮機10、および、11へと戻される。
【0025】
ここで、オイル戻し管34は、吸込み管35aと、35bとの分岐から離れ、圧縮機10の吸込み口付近に設けられた小アキュームレータ36の近傍に接続されているため、圧縮機10へ流入し易い状況となっているが、アキュームレータ15を経由して、吸込み管35を流通する前記オイルを含め、それぞれの圧縮機10、11に戻される前記オイルは、それぞれの圧縮機10、11の運転状態により刻々変化するため、いずれの圧縮機へどの程度の量のオイルが流入するのかは不明である。
【0026】
そして、圧縮機10へ、前記オイルが流入した場合は、当然、この圧縮機10内に保有されているオイル量は、増加することとなるが、ここで、前記間隔時間の2時間が経過して、前記一定時間の5秒間、制御弁37が開放されると、この5秒間のあいだ、圧縮機10内に保有されたオイルが前記位置A以上となっていた場合、この位置A以上となっている余剰分のオイルが、それぞれの圧縮機10、11の容器内の圧力差により、この第1均油管38を通じて、圧縮機11へ供給され、圧縮機11内に保有されるオイル量を増加させることが可能となり、圧縮機10内に保有されたオイルが、前記位置Aまで達していない場合、この第1均油管38を通じて、圧縮機10内の冷媒が、圧縮機11内へと流入し、この圧縮機11内の圧力を加圧することとなる。
【0027】
これに対し、圧縮機11へ、前記オイルが流入した場合は、当然、この圧縮機11内に保有されているオイル量は、増加することとなるが、上述の様に、前記間隔時間の2時間が経過して、前記一定時間の5秒間、制御弁37が開放されると、第1均油管38を通じて、圧縮機10内に保有されるオイルの余剰分、或いは、前記冷媒が流入することにより、圧縮機10の容器内圧力が、この5秒間、圧縮機11内へ印加され、圧縮機11の容器内圧力が上昇することにより、この圧縮機11内に保有され、前記位置B以上となっている余剰分のオイルが、第2均油管39を通じて、圧縮機10に接続される吸込み管35a上の位置Cへと供給され、圧縮機10へと回収され、この圧縮機10内に保有されるオイル量を増加させることが可能となる。
【0028】
この様に、一方の圧縮機の必要十分なオイル量を確保できる位置へ均油管を設けて、他方の圧縮機の容器、或いは、他方の圧縮機へ接続される吸込み管へ、前記必要十分なオイル量の余剰分を供給することにより、それぞれの圧縮機内に保有するオイル量のオイルバランスを行なわせることが可能となる。
【0029】
なお、これまでの説明で、前記第1均油管38については、上記の様に高圧容器型の圧縮機10と、低圧容器型の圧縮機11とを接続して設けられ、十分な高低圧差がかかっており、第1均油管38でのオイル供給は、順調に行なわれるため、圧縮機10の容器の位置Aは、圧縮機10の必要十分なオイル量を確保できる位置とする必要があるが、前記第2均油管39については、低圧容器型の圧縮機11の容器と、低圧の圧力となっている吸込み管35aとを接続して設けられ、圧縮機11の容器内圧力は、前記第1均油管38により、この制御弁37が開放されている間は、高められるとは言え、この制御弁37は、上記の様に、例えば、2時間間隔に5秒程度開放されるものであり、通常、この圧縮機11の容器内圧力は、吸込み管35aと同等の低圧となっていることから、この圧縮機11内に保有されているオイルが、吸込み管35へ急激に流出してしまうことは無いため、圧縮機11の容器の位置Bは、圧縮機11で必要とされる最低オイル量を確保する位置とすることも可能である。
【0030】
また、本実施の形態では、前記制御弁を開放とさせる間隔の時間を2時間とし、開放させる時間を5秒間として説明したが、特にこの時間と限定する必要は無く、使用する圧縮機での必要オイル保有量や、運転中に冷媒と共に吐出されてしまうオイル量、および、オイル戻し管や、吸込み管より戻されるオイル量により、上記制御弁を開放させる時間や、この開放させる時間の間隔時間の設定を行なえば良い。
【0031】
また、高圧容器型の圧縮機と、低圧容器型の圧縮機とを、それぞれ各1台づつ接続して、2台の圧縮機での構成として説明したが、特に、2台の圧縮機と限定する必要は無く、3台、4台など、複数台の圧縮機を組み合わせた場合でも、高圧容器型の圧縮機の胴部より、低圧容器型の圧縮機の胴部へ、制御弁を備えた第1均油管を設け、前記低圧容器型の圧縮機の胴部より前記高圧容器型の圧縮機の吸込み管へ、第2均油管を設けて、この制御弁を一定時間毎に開放させることにより、オイルレベルセンサを用いずともオイルバランスさせることが可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明より、高圧容器型の圧縮機の容器と、低圧容器型の圧縮機の容器とを制御弁設けた第1均油管で接続して、この第1均油管を接続する前記高圧容器型の圧縮機の容器位置を、必要十分なオイル量を確保できる位置とし、さらに、前記低圧容器型の圧縮機の容器と、前記高圧容器型の圧縮機の吸込み管とを第2均油管で接続して、この第2均油管を接続する一端の前記低圧容器型の圧縮機の容器位置を必要十分なオイル量を確保できる位置、或いは、最低オイル量を確保できる位置とし、他端の前記吸込み管へ設ける位置を、前記低圧容器型の圧縮機の容器位置より高さ方向に低い位置として、前記第1均油管上に設けた前記制御弁を一定時間間隔毎に一定時間開放させることにより、たとえ、一方の圧縮機へ全てのオイルが戻ったとしても、前記第1均油管、および、前記第2均油管を通じて、余剰分の前記オイルが、一定時間毎に他方の圧縮機へ供給される様になることから、オイルレベルを検出せずに各圧縮機のオイルレベルのバランスを行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和装置の一実施形態を示す冷媒回路図である。
【図2】本発明による空気調和装置の特徴を抜き出して示した冷媒回路図である。
【符号の説明】
10 圧縮機(高圧容器型)
11 圧縮機(低圧容器型)
15 アキュームレータ
30 吐出管
31 オイルセパレータ
32 逆止弁
33 流路抵抗器
34 オイル戻し弁
35 吸込み管
36 小アキュームレータ
37 制御弁
38 第1均油管
39 第2均油管
100 空気調和装置
A 高圧容器型圧縮機の必要十分オイルレベル位置
B 低圧容器型圧縮機のオイルレベル位置
C 第2均油管接続位置
Claims (5)
- 高圧容器圧縮機と、低圧容器圧縮機とを並列に接続して構成する空気調和装置において、前記高圧容器圧縮機の容器と、前記低圧容器圧縮機の容器とを、制御弁を備えた第1冷媒配管で接続し、さらに、前記低圧容器圧縮機の容器と、前記高圧容器圧縮機の吸込み管とを、第2冷媒配管で接続し、
前記制御弁を一定間隔時間毎に、一定時間開放させたことを特徴とする空気調和装置。 - 前記第1冷媒配管の前記高圧容器圧縮機の容器へ接続する高さ位置を、前記高圧容器圧縮機の必要十分なオイル量におけるオイル面位置としたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記第2冷媒配管の前記低圧容器圧縮機の容器へ接続する高さ位置を、前記低圧容器圧縮機の必要十分なオイル量におけるオイル面位置としたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
- 前記第2冷媒配管の前記低圧容器圧縮機の容器へ接続する高さ位置を、前記低圧容器圧縮機の最低オイル量におけるオイル面位置としたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
- 前記第2冷媒配管の前記高圧容器圧縮機の吸込み管へ接続する位置を、前記第2冷媒配管を接続する前記低圧容器圧縮機の容器の位置より高さ方向の低い位置としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気調和装置。
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