JP4107487B2 - プリンタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クライアントコンピュータにネットワークを介して接続可能なプリンタ装置であって、このプリンタ装置を利用するユーザーを制限するプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のパーソナルコンピュータとプリンタとをネットワークを介して接続し、プリンタを複数のパーソナルコンピュータで共用することが行われている。このように複数のパーソナルコンピュータがプリンタを共用する場合、パーソナルコンピュータのユーザーは誰でもがプリンタを使用することができることとなり、使用の形態によっては、独占的に使用したり、多量の印刷を無定見、不正に行うなど好ましい使用形態で使用されないことがある。そこで、プリンタを使用するユーザーを制限したり、ユーザー毎に印刷可能な印刷量(印刷用紙枚数)を制限するなどの印刷管理をすることが行われている。
【0003】
これまでユーザーを制限するプリンタに係る発明は、いずれもプリンタの使用制限技術が複雑、高度であり、プリンタに組み込んで使用するのにコスト面などで問題があると指摘されていた。このため最近では、できるだけ複雑、高度な技術を用いることなく、安価で適切にプリンタの利用を制限し、それでいて利用性が向上するネットワークプリンタシステムが開発される傾向にある。
【0004】
このようなネットワークプリンタシステムとして、ネットワークに接続されたクライアントコンピュータ、プリンタ装置、利用者制限サーバからなるプリンタ利用者制限システムがあり、より具体的に述べると、利用者制限サーバが、プリンタ装置の利用を許可するユーザーをユーザー管理テーブルとして登録するユーザー管理テーブル記憶部を有し、プリンタ装置が、アクセスを許可するクライアントコンピュータのIPアドレスをアクセス制御リストとしてアクセス制御リスト記憶部に記憶している。
【0005】
また印刷要求を行ってくるクライアントコンピュータに対して、アクセス制御リストに当該クライアントコンピュータのIPアドレスが登録されているか否かに基いてアクセスの許可/不許可を制御するアクセス制御機能を有し、ユーザーがクライアントコンピュータを利用してプリンタ装置に印刷要求を行うに先立って利用者制限サーバに対して、ユーザー名をキーとして当該プリンタ装置を指定した印刷可否判断要求を行い、利用者制限サーバが、この判断要求に対して当該ユーザーがユーザー管理テーブルに利用可能ユーザーとして登録されていると、プリンタ装置に対して当該ユーザーの使用するクライアントコンピュータのIPアドレスのアクセス制御リストへの追加登録を要請し、当該ユーザーのクライアントコンピュータをプリンタ装置に接続し印刷を許可している。
【0006】
追加登録されたIPアドレスのクライアントコンピュータの印刷処理が終了すると、このIPアドレスは削除され、いつまでも印刷可能な状態で登録されていることを防止している(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002-63008号公報(段落(0045)乃至(0052)、(0056)、(0058)、図2、図5)
【0008】
しかしながら、上述のプリンタ利用者制限システムにおいても、アクセス制御リスト変更部等を有する利用者制限サーバを設け、該サーバによるプリンタ装置への接続前段階でのユーザー名及びIPアドレスによる印刷可否の問い合わせ、プリンタ装置によるアクセス権の許可発行など一連の処理を必要とするので、依然としてプリンタ利用者制限システムとしての構成が大掛かりになり、動作も複雑になっていた。
【0009】
また特許文献1には記載されていないが、ネットワークプリンタシステムのクライアントコンピュータ及びプリンタにおいて、利用を制限されるユーザー及びクライアントコンピュータに関する固有情報やプリンタドライバ、ネットワークアドレス等のプリンタ接続情報は、個々の記録メディアに記録されて取り扱われるので、情報の取り扱いが面倒になる、或いはネットワークを介して送受信されるので、情報が漏洩するおそれがあるということがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、ネットワークを介して複数のクライアントコンピュータがプリンタ装置を共用する場合、簡単な構成でプリンタ装置を使用するユーザーを制限することであり、また他の目的は、プリンタ装置やクライアントコンピュータに搭載する情報の取り扱いを容易且つ安全にすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ネットワークを介してクライアントコンピュータに接続可能なプリンタ装置であって、プリンタ装置の使用が許可されたユーザーの識別情報を記憶する記憶手段と、クライアントコンピュータからユーザー識別情報を受信する受信手段と、前記記憶手段に記憶したユーザー識別情報と前記受信手段で受信したユーザー識別情報との照合に基いてクライアントコンピュータとプリンタ装置とのネットワーク接続を制御する手段と、前記ユーザー識別情報を記憶した記憶手段からユーザー識別情報を読み取り又は前記ユーザー識別情報を記憶した記憶手段に当該プリンタ装置が有する少なくともプリンタドライバ及びネットワークアドレスを含むプリンタ機器接続情報を書き込む手段と、を備え、プリンタ装置の有するプリンタ機器接続情報が書き込まれた前記記憶手段が当該プリンタ装置に着脱自在であると共に、当該プリンタ装置とネットワークを介して接続可能なクライアントコンピュータに装着自在かつ当該クライアントコンピュータで読み取り可能であることを特徴とするプリンタ装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
はじめに、本発明の実施形態に係るプリンタ装置が接続された印刷ネットワークシステムについて説明する。
図1は、ネットワーク印刷システムのブロック構成図で、図中、LAN、インターネット等のネットワーク1に、文書作成処理装置であるクライアントコンピュータ2及びプリンタ装置3が接続されている。クライアントコンピュータ2及びプリンタ装置3には、それぞれ不図示のICカード、フレキシブルディスク、携帯電話等の記憶メディアに記憶された各種情報を読み取り及び、書き込みを行うためのICカードリーダ、フレキシブルディスクドライブ、携帯電話ケーブル等の外部記憶駆動装置2a,3aが、クライアントコンピュータ2及びプリンタ装置3に設けられた図示されない接続装置に着脱自在に接続されている。
【0015】
なお、図1には、クライアントコンピュータ2は1台のみ記載されているが、複数台のクライアントコンピュータが接続され、それらの各々からの操作によりネットワーク1を介してプリンタ装置3と接続を確立することによってクライアントコンピュータ2で作成した文書データをプリンタ装置3で共用して印刷することがある。
【0016】
次に、クライアントコンピュータ及びプリンタ装置の構成について説明する。図2は、クライアントコンピュータ及びプリンタ装置の内部構成を示すブロック図である。
クライアントコンピュータ2において、制御部21は、図示しないCPU、RAM、ROM等からなり、クライアントコンピュータ全体を制御する制御部、画面表示/入力部22は、ユーザーに対する指示を図示しない液晶型表示パネルに表示し、またマウスやタッチパネルの操作によりユーザーの要求をクライアントコンピュータに指示するインターフェースであり、またプリンタ機器接続処理部23は、プリンタ機器接続情報管理部25で管理しているプリンタ機器接続情報によりプリンタドライバのインストール、ポート設定等のプリンタ接続処理を行う。
【0017】
ID情報管理部24は、データ取得部27で読み取ったクライアント識別情報を図示しないハードディスク装置に記憶し管理する。プリンタ機器接続情報管理部25は、データ取得部27で読み取ったプリンタドライバ、ネットワークアドレス等のプリンタ機器接続情報を前記ハードディスクに記憶し管理する。
【0018】
データ取得部27は、外部記憶駆動装置2aの記憶メディアから、そこに記憶されているクライアント識別情報及びプリンタドライバ、ネットワークアドレス等のプリンタ機器接続情報を読み取る。また通信部28は、ネットワーク1を介してプリンタ装置3と通信を行い、プリンタ装置3で印刷を行おうとする利用者のユーザー識別情報や印刷用データを送信する。
【0019】
またプリンタ装置3において、制御部31は、クライアントコンピュータ2と同じように図示しないCPU、RAM、ROM等からなり、プリンタ装置全体を制御する制御部、画面表示/入力部32は、ユーザーに対する指示を図示しない液晶型表示パネルに表示し、またマウスやタッチパネルの操作によりユーザーの要求をプリンタ装置に指示するインターフェースである。認証処理部33は、クライアントコンピュータ2から送信されたユーザー識別情報と、後述するデータ取得部37が外部記憶駆動装置3aの記憶メディアから読み取り記憶しているユーザー識別情報とを照合し、同一か否かの判断(認証)を行う。
【0020】
ID情報管理部34は、データ取得部37で取得したユーザー識別情報、クライアント識別情報、後述するユーザー情報を図示しないハードディスク装置等に保存する。プリンタ機器接続情報管理部35は、データ取得部37で読み取ったプリンタドライバ、ネットワークアドレス等のプリンタ機器接続情報を前記ハードディスクに記憶し管理する。
【0021】
データ取得部37は、外部記憶駆動装置3aの記憶メディアから、別途の手段で記憶されたユーザー識別情報を読み取り、またプリンタ装置3自身が有しているプリンタドライバ、ネットワークアドレス等のプリンタ機器接続情報を前記記憶メディアに書き込む。通信部39は、ネットワーク1を介してクライアントコンピュータ2と通信を行い印刷データを受信する。なお、外部記憶駆動装置3aの記憶メディアには別途の手段で記憶されたクライアント識別情報、管理者か一般ユーザーかを識別する識別子が付与されたユーザー情報が記憶されている。
【0022】
上述したクライアントコンピュータ及びプリンタ装置の各動作、並びにネットワークシステムの動作を図3乃至図6のフロー図の手順に従って説明する。
図3は、プリンタ装置の動作フロー図であり、この動作は、クライアントコンピュータからの要求により印刷作業を行う前の動作として行われる。
図3において、この動作が開始すると、プリンタ装置3の制御部31は、外部記憶駆動装置3aの記録メディアにアクセスし(ステップS(以下,Sと略称)31)、記録メディアからそこに記憶されているユーザー識別情報を読み取る(S32)。読み取ったユーザー識別情報は、ハードディスク装置に記憶する(S33)。また記録メディアにクライアントコンピュータ2をプリンタ装置3へ接続させるためのプリンタ機器接続情報を書き込み(S34)、この処理を終了する。
【0023】
このような動作が終了しているプリンタ装置3とクライアントコンピュータ2との間でネットワーク接続が開始されると、プリンタ装置3は以下のように動作する。
図4は、ネットワーク接続時のプリンタ装置の動作フローを示す図であり、図4に従って説明すると、プリンタ装置3は、通信部38によりクライアントコンピュータ2からユーザー識別情報を印刷要求として受信し(S41)、認証処理部33で受信したユーザー識別情報と、既にハードディスク装置に記憶しているユーザー識別情報とを照合し(S42)、それらが同じか否かを判断(認証)する(S43)。同じ場合においてはクライアントコンピュータ2とのネットワークを保持し、プリンタ装置3はクライアントコンピュータ2から送信された要求に対しクライアント識別情報に基くクライアントの確認など通常の応答を行い、印刷データを受け取って印刷を行う(S44)。照合したユーザー識別情報が同じであると認証されない場合、クライアントコンピュータ2と応答することなくクライアントコンピュータ2とのネットワーク接続を切断する(S45)。
【0024】
更にネットワーク接続によりプリンタ装置に印刷要求するクライアントコンピュータ2の動作を図5に従って説明する。
図5は、この動作を示すフロー図であり、クライアントコンピュータ2は、はじめに、制御部21が外部記憶駆動装置2aの記録メディアに接続し(S51)、記録メディアから記憶されているクライアント識別情報、プリンタ機器接続情報及び管理者か一般ユーザーかを識別する識別子が付与された前記ユーザー情報を読み取る(S52)。読み取ったこれらの情報は、ハードディスク装置に記憶する(S53)。続いて記憶したプリンタ機器接続情報に基いてプリンタ装置との接続処理を行い(S54)、この処理を終了する。
【0025】
本実施形態のクライアントコンピュータ2は、ユーザー識別情報を送信しない状態においてはプリンタ装置3と通常のネットワーク接続を保持し、該ネットワークを介してメッセージ等を送信することができる。
図6は、クライアントコンピュータのネットワーク接続時の動作フロー図であり、図6に従って説明すると、ユーザーがクライアントコンピュータ2の図示しないタッチパネルからの操作、例えばネットワーク通信を行うキーへのタッチにより、ネットワーク接続の開始を指示すると、クライアントコンピュータ2の制御部21は、ネットワーク通信を行うためのタッチ、つまりネットワーク接続の開始指示であることを判断し、通信部29を介してプリンタ装置3の通信部39との間でネットワークを立ち上げ、ネットワーク接続を開始し更にプリンタ装置3への印刷要求待ち、つまりユーザー識別情報入力待ちの状態となる。
【0026】
ここで、ユーザーが印刷要求のためにタッチパネル操作部から自分のユーザー識別情報を入力すると、制御部21はユーザー識別情報の入力が行われたか否かを判断する(S61)。入力された場合においては(S61,YES)、ユーザー識別情報をネットワーク1を介してプリンタ装置3に送信する(S62)。ユーザー識別情報が入力されない場合(S61,NO)、そのままネットワーク接続を保持し、必要なメッセージ等の送信を行う。なお、ユーザー識別情報が送信された場合は、プリンタ装置3において図4で説明したネットワーク接続の接続維持又は切断処理が行われることになる。
【0027】
本実施形態によれば、プリンタ装置3がクライアントコンピュータ2からの要求によりネットワークを介して印刷データを受信して印刷を行う場合、ユーザー識別情報の認証によってネットワークの接続をオン、オフしてユーザーを制限するので、簡単な構成でユーザー制限を行うことができる。またユーザー識別情報やクライアント識別情報が記憶された記憶メディアからユーザー識別情報を読み出しできると共に、この記憶メディアにプリンタ接続情報を書き込みできる。しかも記憶メディアはプリンタ装置の外部記憶駆動装置に着脱自在である。従って、この記憶メディアをプリンタ装置3から取り外しクライアントコンピュータ2に装着することにより、クライアント識別情報やプリンタ接続情報の読み取りを行うことができ、情報の取り扱いが容易且つ安全になる。更に、クライアントコンピュータ2では、そのハードディスクに記憶したユーザー情報に基いて、ユーザーを例えば企業、事業所の管理者か一般従業者かを識別する識別子を付与したユーザー情報により使用者区分によって管理することができる。
【0028】
【発明の効果】
(1)プリンタ装置がクライアントコンピュータからの要求によりネットワークを介して印刷データを受信して印刷を行う場合、ユーザー識別情報の認証によってネットワークの接続を制御してユーザーを制限するので、簡単な構成でユーザー制限を行うことができる。
(2) ユーザー識別情報やクライアント識別情報が記憶された記憶手段からユーザー識別情報を読み出しできると共に、この記憶手段にプリンタ機器接続情報を書き込みできる。
(3)記憶手段はプリンタ装置の接続装置に着脱自在であるので、この記憶手段をプリンタ装置から取り外しクライアントコンピュータに装着することにより、上記コンピュータにおいてプリンタ機器接続情報の読み取りを行うことができ、情報の取り扱いが容易且つ安全になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷ネットワークシステムのブロック構成図である。
【図2】クライアントコンピュータ及びプリンタ装置の内部構成ブロック図である。
【図3】プリンタ装置の動作フロー図である。
【図4】プリンタ装置のネットワーク接続時の動作フロー図である。
【図5】クライアントコンピュータの動作フロー図である。
【図6】クライアントコンピュータのネットワーク接続時の動作フロー図である。
【符号の説明】
1…LAN
2…クライアントコンピュータ
3…プリンタ装置
4…外部記憶駆動装置
21…制御部
22…図面表示/ユーザー入力部
23…プリンタ機器接続処理部
24…ID情報管理部
25…プリンタ機器接続情報管理部
27…データ取得部
28…通信部
Claims (1)
- ネットワークを介してクライアントコンピュータに接続可能なプリンタ装置であって、プリンタ装置の使用が許可されたユーザーの識別情報を記憶する記憶手段と、クライアントコンピュータからユーザー識別情報を受信する受信手段と、前記記憶手段に記憶したユーザー識別情報と前記受信手段で受信したユーザー識別情報との照合に基いてクライアントコンピュータとプリンタ装置とのネットワーク接続を制御する手段と、前記ユーザー識別情報を記憶した記憶手段からユーザー識別情報を読み取り又は前記ユーザー識別情報を記憶した記憶手段に当該プリンタ装置が有する少なくともプリンタドライバ及びネットワークアドレスを含むプリンタ機器接続情報を書き込む手段と、を備え、
プリンタ装置の有するプリンタ機器接続情報が書き込まれた前記記憶手段が当該プリンタ装置に着脱自在であると共に、当該プリンタ装置とネットワークを介して接続可能なクライアントコンピュータに装着自在かつ当該クライアントコンピュータで読み取り可能であることを特徴とするプリンタ装置。
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