JP4107173B2 - ステアリング軸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の操舵部材と舵取機構とを連結し、操舵部材に加えられる操舵トルクを舵取機構に伝達すべく用いられるステアリング軸に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操舵装置の多くは、車室の内部に配されたステアリングホイールと車室の外部に配された舵取機構とをステアリング軸により連結してなり、運転者によるステアリングホイールの回転操作をステアリング軸を介して舵取機構に伝え、該舵取機構の動作により、操舵用の車輪(一般的には前輪)を操舵せしめる構成となっている。
【0003】
以上の如き操舵装置におけるステアリング軸は、車室の内部に回転自在に支持され、上端にステアリングホイールが固定されたコラム軸と、該コラム軸の下端と舵取機構との間に介装され、両端に自在継手を有する中間軸とを備えており、これらのうちのコラム軸は、例えば、上端部に取付けられたステアリングホイールの位置を運転者の運転姿勢及び好みに合わせて調節可能とするテレスコピックステアリング装置への適用を目的として、また中間軸は、車両の走行中に操舵用の車輪を介して舵取機構に加わる振動を吸収し、コラム軸及びステアリングホイールへ伝播することを防止すると共に、各別に位置決めされたコラム軸と舵取機構との間への介装を容易化することを目的として、軸長方向への伸縮が可能な軸として夫々構成されることがある。
【0004】
この種のステアリング軸は、円筒形をなす外軸に内軸を適長に亘って嵌め合わせ、両者の嵌合周上に並設された軸長方向に延びる凹凸部(セレーション又はスプライン)を相互に噛合させて簡素に構成することができるが、この構成においては、嵌合周上にて噛合する夫々の凹凸部間に隙間が生じることが避けられず、内軸から外軸、又は外軸から内軸への回転伝達に際し、両軸が周方向に噛合隙間内にてガタ付き、これらの間に衝突音が発生し、またガタ付きの影響により、例えば、操舵方向の転換時に操舵部材から舵取機構への伝動に遅れを伴い、操舵感の悪化を招来するという不具合がある。
【0005】
このようなガタ付きに起因する不具合の発生を防止するため、一部のステアリング軸においては、内軸及び外軸の嵌合周面に形成された凹凸部の表面に樹脂材料製のコーティング層を形成し、このコーティング層により噛合隙間を埋めるようにしたガタ止め構造が採用されており(例えば、特許文献1参照)、また他の一部のステアリング軸においては、外軸と内軸との嵌合部に板ばねを介装し、この板ばねを外軸及び内軸の周面に弾接させて嵌合隙間を埋めるようにしたガタ止め構造が採用されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
実開平5−86753号公報(第3頁段落0004〜0005)
【特許文献2】
特開平2001−158384号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に開示されたガタ止め構造においては、樹脂コーティングのための設備及び工程が必要であり、更に、コーティング完了後に行われる外軸と内軸との嵌め合わせに際し、一方に形成されたコーティング層を他方にマッチングさせるために工程が必要であって、組立工数の増加に伴う製品コストの上昇を招来するという問題がある。
【0008】
一方、特許文献2に開示されたガタ止め構造は、内軸と外軸との間に板ばねを介装する簡素な構成であり、専用の設備及び工程を必要とせずに実施可能であるが、内軸と外軸とは、前記板ばねの弾性変形を伴って変位することができ、十分なガタ止め効果が得られないという問題があった。
【0009】
更にこれらのガタ止め構造においては、コーティング層の経時的な摩耗、及び板ばねの経時的な変形が避けられず、特に、前述の如く、車両走行中の振動を吸収するために常時伸縮する中間軸として構成された場合、伸縮の繰り返しによりガタ止め効果が徐々に失われ、ガタ付きに伴う前述した不具合の発生を長期に亘って防止することは難しい。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、内外に嵌め合わされた内軸と外軸との間のガタ止めを、専用の設備及び工程を要することなく簡素に実現すると共に、得られたガタ止め効果を長期に亘って良好に維持することができ、ガタ付きに起因する不具合の発生を有効に防止し得るステアリング軸を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係るステアリング軸は、円形断面を有する内軸と円筒形をなす外軸とを適長に亘って内外に嵌め合わせ、両軸の一方から他方への回転伝達を、嵌合周上にて噛合し、軸長方向に延設された凹凸部の作用により、軸長方向の相対移動を許容しつつ行わせる構成としてあるステアリング軸において、前記内軸の一部に設けられた中空部と、該中空部の周壁に貫通形成された複数の保持孔と、これらの保持孔の夫々に径方向への移動可能に保持され、前記周壁の内側への夫々の突出部に、軸長方向の同じ向きに傾斜するように設けられたテーパ面を有する複数のガタ止め部材と、前記中空部の内側に配され、軸長方向の一側に向けて縮径する外周面を前記複数のガタ止め部材のテーパ面に一括して当接させてある筒形の押圧部材と、該押圧部材を縮径側に向けて押圧付勢する付勢手段と、前記複数のガタ止め部材を各別の支持片を介して一面に支持し、前記中空部内への挿入が可能な支持板とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、内軸の中空部の周壁に形成された保持孔の夫々に保持されたガタ止め部材が、内側のテーパ面に当接する押圧部材に加えられる付勢手段の押圧付勢により径方向外向きに移動し、内軸に外嵌された外軸の内周面に押し付けられ、内軸と外軸との間に生じるガタ付きを防止するガタ止め作用をなす。このガタ止め作用は、各別の支持片を介して共通の支持板の一面に支持した複数のガタ止め部材を内軸に設けた中空部内に一括して挿入し、夫々の保持孔に保持させ、更に押圧部材及び付勢手段を順次組み付けることにより簡素に実現される。夫々のガタ止め部材は、押圧部材を介して加えられる付勢手段の押圧付勢により外軸への押し付け状態を保ち、摩耗等の経時的な要因によるガタ止め効果の低下を防止して、長期に亘って良好なガタ止め効果を維持する。
【0015】
更に本発明の第2発明に係るステアリング軸は、第1発明におけるガタ止め部材が、前記保持孔の外側への露出面に、前記内軸外周の凹凸部に整合する凹凸部を備えることを特徴とする。
【0016】
この発明においては、保持孔から露出して外軸の内周に押し付けられるガタ止め部材の一面に、内軸外周のセレーション、スプライン等の凹凸部に整合する凹凸部を設け、外軸内周のセレーション、スプライン等の凹凸部と噛合させて、両軸のガタ付きをより確実に防止する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るステアリング軸を備えるステアリング装置の構成を示す模式図である。
【0018】
図中1は、コラム軸であり、該コラム軸1は、円筒形をなすコラムハウジング2の内部に同軸的に支承されており、該コラムハウジング2の中途部及び一端部を夫々支持するアッパブラケット20及びロアブラケット21により、ロアブラケット21の側を前下方(図における左下方)に向けた傾斜姿勢にて車室の内部に取付けられている。
【0019】
コラムハウジング2の上部に突出するコラム軸1の上端部には、操舵部材としてのステアリングホイール10が、車室内部の運転者に対面するように嵌着固定されている。またコラムハウジング2の下部に突出するコラム軸1の下端部は、車室の外部に配された舵取機構4の入力軸40に、軸心を交叉及び偏心させて対向しており、これらは、両端に自在継手3c,3cを備える中間軸3を介して連結されている。以上の構成により運転者により操舵のためにステアリングホイール10に加えられる操舵トルクは、本発明に係るステアリング軸を構成するコラム軸1及び中間軸3を介して舵取機構4の入力軸40に伝達され、該舵取機構4の動作により操舵が実行される。
【0020】
なお図1に示すステアリング装置は、コラムハウジング2の下端部近傍に操舵補助用のモータ22を備え、また該モータ22よりも上位置のコラムハウジング2の内部にトルクセンサ23を備えており、ステアリングホイール10に加えられる操舵トルクをトルクセンサ23により検出し、この検出トルクに基づいて駆動されるモータ22の回転力をコラムハウジング2内部のコラム軸1に伝え、前述の如く行われる操舵を補助する電動パワーステアリング装置として構成されているが、以下に示す本発明に係るステアリング軸の特徴的な構成は、運転者によりステアリングホイール10に加えられる回転トルクのみによって操舵を行わせるマニュアル式のステアリング装置にも適用可能であり、また舵取機構4に付設された油圧シリンダの発生力により操舵を補助する油圧パワーステアリング装置にも適用可能である。
【0021】
本発明に係るステアリング軸を構成するコラム軸1は、図1中に一部を破断して示すコラムハウジング2の中途部内側において、適長に亘って内外に嵌合された内軸1a及び外軸1bを備えており、これらの嵌め合い長さの増減により伸縮可能に構成されている。この伸縮は、コラム軸1の上端に嵌着固定されたステアリングホイール10の位置を運転者の運転姿勢及び好みに合わせて調節するために、所謂、テレスコピック調節を行わせるべく利用されている。
【0022】
コラムハウジング2の中途を支持するアッパブラケット20には、コラムハウジング2の長手方向に延びる支持孔24が形成されており、コラムハウジング2は、この支持孔24に挿通された支持ボルト25を、レバー26の操作により締め付けて固定されている。テレスコ調節は、支持ボルト25を緩めてコラムハウジング2の固定を解除し、該支持ボルト25を支持孔24に沿って滑らせて行われる。
【0023】
ステアリング軸を構成する中間軸3も同様に、適長に亘って内外に嵌合された内軸3a及び外軸3bを備えており、これらの嵌め合い長さの増減により伸縮可能に構成されている。この伸縮は、各別に位置決めされたコラム軸10と舵取機構4の入力軸40との間への中間軸3の組み付けを容易に行わせるべく利用されており、また、車両の走行中に舵取機構4から加わる振動を吸収して、コラム軸1及びステアリングホイール10へ伝播することを防止する作用をなす。
【0024】
図2は、中間軸3を構成する内軸3a及び外軸3bの嵌合部の縦断面図である。図示の如く内軸3aは、円形断面を有する中実軸であり、外軸3bは、内軸3aの嵌め込みが可能な円筒形の中空軸である。内軸3aの外周面及び外軸3bの内周面には、夫々への嵌め込み側端部から適長に亘ってスプライン(凹凸部)30,31が形成されており、内軸3a及び外軸3bは、これらのスプライン30,31を噛合させて一体回転可能に連結されている。
【0025】
また内軸3aの軸心部には、外軸3bへの嵌め込み側端面から適長に亘って中空部32が設けられ、この中空部32の周壁には、矩形に開口する複数の保持孔33,33…が周方向に等配をなして貫通形成されており、このような中空部32の内側には、ガタ止め部材5,5…、押圧部材6、押しばね7及び蓋板8を備えるガタ止め手段が構成されている。
【0026】
図3は、内軸3aの中空部32内に構成されるガタ止め手段の分解斜視図である。本図に示す如くガタ止め部材5,5…は、中空部32の周壁に貫通形成された保持孔33,33…の夫々に対応する矩形形状を有する樹脂材料製のブロックであり、リング状をなす支持板50の一面に、同向きに突設された細寸の支持片51,51…により周方向に等配をなして支持されている。
【0027】
このように支持されたガタ止め部材5,5…の外面は、内軸3aの外径と略同径の円周上に位置しており、これらには、内軸3aの外周面に形成されたスプライン30に対応するスプライン52,52…が形成されている。またガタ止め部材5,5…の内面は、支持板50の側が縮径するように夫々が等しい角度にて傾斜するテーパ面53,53…となっている。
【0028】
押圧部材6は、短寸円筒形の部材であり、該押圧部材6の外周面は、ガタ止め部材5,5…の内周のテーパ面53,53…に対応する傾斜を有して一側に向けて縮径する押し面60としてあり、また内周面には、押し面60が縮径する側の端部に内向きに張り出すように当て縁61が周設されている。
【0029】
押しばね7は、押圧部材6の内側への遊嵌が可能な巻き径を有するコイルばねである。また蓋板8は、内軸3aの端面に開口する中空部32の閉止が可能な外径を有し、軸心部を貫通するエア抜き孔80を備える中抜き円板であり、その一面の軸心部には、押しばね7を外嵌保持するための保持突起81(図2参照)が突設されている。
【0030】
図4、図5及び図6は、図3に示すガタ止め手段の組み付け手順の説明図である。まず図4に示す如く、内軸3aの中空部32内に端面の開口を経てガタ止め部材5,5…を嵌め込む。この嵌め込みは、各ガタ止め部材5,5…の周方向位置を中空部32の周壁に貫通形成された保持孔33,33…に整合させ、これらの一側を支持する支持板50を先として行われる。
【0031】
これによりガタ止め部材5,5…は、図4に示す如く、各別の支持片51,51…の屈曲を伴って中空部32内に押し込まれ、対応する保持孔33,33…の形成位置に達し、支持片51,51…の弾性復元により各保持孔33,33…内に嵌まり込む。このとき、各ガタ止め部材5,5…の外面は、図5に示す如く、内軸3aの外周面に整合し、前者のスプライン52,52…が後者のスプライン30に連続した状態となり、また各ガタ止め部材5,5…内側のテーパ面53,53…は、中空部32の内周面よりも内側に突出し、内軸3aの軸長方向に夫々が同じ向きに傾斜するように位置することとなる。
【0032】
以上の実施の形態においては、複数のガタ止め部材5,5…を支持板50により支持してあるから、これらを一括して中空部32に押し込む簡易な操作により、周壁に形成された各別の保持孔33,33…に保持させることができる。また、図5に示す如く得られる保持姿勢は、支持板50の作用により維持されるから、この後に以下に示す如く行われる押圧部材6、押しばね7及び蓋板8の組み付けを容易に行わせることができる。
【0034】
以上の如くガタ止め部材5,5…の組み付けを終えた後、内軸3aの中空部32内に押圧部材6を、押し面60の縮径側を先として挿入し、次いで、この押圧部材6の内側に押しばね7を嵌め込み、最後に、中空部32の開口部に蓋板8を嵌め、かしめ、溶接等の固定手段により固定して、該蓋板8の保持突起81と前記押圧部材6内周の当て縁61とに押しばね7の両端を弾接せしめて、図6に示す如くガタ止め手段の組み付けが完了する。
【0035】
この組み付けにより押圧部材6は、蓋板8との間に介装された押しばね7のばね力により中空部32の内奥側に向けて押圧付勢され、外周の押し面60がガタ止め部材5,5…内側のテーパ面53,53…に一括して押し付けられる。この押し付けによりガタ止め部材5,5…は、夫々のテーパ面53,53…に加わる押し付け力の分力により、図6中に白抜矢符にて示す如く径方向の外向きに押圧され、夫々の保持孔33,33…に沿って移動して、スプライン52が形成された外面を内軸3aの外周面から突出させた状態となる。
【0036】
中間軸3は、以上の如くガタ止め手段が組み付けられた内軸3aに、図6中に2点鎖線により示す如く外軸3bを外嵌せしめて、図2に示す如く構成される。このときガタ止め部材5,5…は、外軸3bにより外側から押圧され、押圧部材6による内側からの付勢に抗して夫々の保持孔33,33…内に押し込まれ、各ガタ止め部材5,5…外面のスプライン52,52…は、夫々の周方向位置において内軸3aの外周面に形成されたスプライン30に整合し、該スプライン30と共に外軸3bの内周面に形成されたスプライン31に噛合される。
【0037】
このときガタ止め部材5,5…は、押圧部材6を介して加わる押しばね7のばね力により外軸3bの内周面に押し付けられ、両者の嵌合周面において、スプライン52,52…とスプライン31とが隙間なく噛合する。これにより内軸3aと外軸3bとは、周方向にガタ付くことなく一体回転することができ、ガタ付きに伴う前述した不具合を有効に解消することができる。
【0038】
なお、ガタ止め部材5,5…の外面は、スプライン52,52…を設けることなく平坦面とし、外軸3bの内周面に押し付けて、両面間の摩擦によりガタ止め作用を行わせることも可能である。
【0039】
また中間軸3は、前述の如く、車両の走行中に舵取機構4から加わる振動を吸収すべく伸縮し、この伸縮は、内軸3aと外軸3bとがスプライン30,31の噛合部における摺動を伴って軸長方向に相対移動することにより生じる。
【0040】
このとき、外軸3b内周のスプライン31は、ガタ止め部材5,5…のスプライン52,52…に対しても摺動し、これらの噛合部に経時的な摩耗が発生するが、前述の如くガタ止め部材5,5…は、内側のテーパ面53,53…に当接する押圧部材6を介して加わる押しばね7のばね力により径方向外向きに押圧付勢されており、前記摩耗により噛合隙間が増大した場合、この噛合隙間を埋めるべく各ガタ止め部材5,5…が夫々の保持孔33,33…に沿って径方向外向きに移動し、スプライン52,52…とスプライン31との噛合状態が良好に維持され、内軸3aと外軸3bとのガタ付きを長期に亘って確実に防止することができる。
【0041】
なお、以上の実施の形態においては、保持孔33,33…へのガタ止め部材5,5…の組み付けを、夫々のテーパ面53,53…の傾斜を中空部32の開口側が拡径するように行い、これらのテーパ面53,53…を、中空部32の開口側から内奥側に向けて付勢された押圧部材6により押圧する構成としてあるが、ガタ止め部材5,5…の組み付けをテーパ面53,53…の傾斜を逆向きとして行い、これらのテーパ面53,53…を、中空部32の内奥側に組み込まれ、開口側に向けて付勢された押圧部材6により押圧せしめる構成とすることも可能である。
【0042】
また、以上の実施の形態においては、中間軸3の構成について述べたが、内軸1aと外軸1bとを適長に亘って内外に嵌め合わせてなり、前述したテレスコピック調節のために伸縮せしめられるコラム軸1についても全く同様の構成を採用することができ、ガタ付きによる不具合を解消し、良好な回転伝達を行わせることが可能となる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係るステアリング軸においては、内外に嵌め合わされた内軸と外軸とのガタ付きのない連結を、専用の設備及び工程を要することなく簡素に実現し、また、得られたガタ止め効果を長期に亘って良好に維持することができ、内軸と外軸との衝突音の発生を防止すると共に、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクを遅れを伴わずに舵取機構に伝達し、良好な操舵感の実現に寄与することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリング軸を備えるステアリング装置の構成を示す模式図である。
【図2】中間軸を構成する内軸及び外軸の嵌合部の縦断面図である。
【図3】内軸の中空部内に構成されるガタ止め手段の分解斜視図である。
【図4】図3に示すガタ止め手段の組み付け手順の説明図である。
【図5】図3に示すガタ止め手段の組み付け手順の説明図である。
【図6】図3に示すガタ止め手段の組み付け手順の説明図である。
【符号の説明】
1 コラム軸(ステアリング軸)
1a 内軸
1b 外軸
3 中間軸(ステアリング軸)
3a 内軸
3b 外軸
5 ガタ止め部材
6 押圧部材
7 押しばね(付勢手段)
30,31 スプライン(凹凸部)
32 中空部
33 保持孔
50 支持板
52 スプライン(凹凸部)
53 テーパ面
Claims (2)
- 円形断面を有する内軸と円筒形をなす外軸とを適長に亘って内外に嵌め合わせ、両軸の一方から他方への回転伝達を、嵌合周上にて噛合し、軸長方向に延設された凹凸部の作用により、軸長方向の相対移動を許容しつつ行わせる構成としてあるステアリング軸において、
前記内軸の一部に設けられた中空部と、
該中空部の周壁に貫通形成された複数の保持孔と、
これらの保持孔の夫々に径方向への移動可能に保持され、前記周壁の内側への夫々の突出部に、軸長方向の同じ向きに傾斜するように設けられたテーパ面を有する複数のガタ止め部材と、
前記中空部の内側に配され、軸長方向の一側に向けて縮径する外周面を前記複数のガタ止め部材のテーパ面に一括して当接させてある筒形の押圧部材と、
該押圧部材を縮径側に向けて押圧付勢する付勢手段と、
前記複数のガタ止め部材を各別の支持片を介して一面に支持し、前記中空部内への挿入が可能な支持板と
を備えることを特徴とするステアリング軸。 - 前記ガタ止め部材は、前記保持孔の外側への露出面に、前記内軸外周の凹凸部に整合する凹凸部を備える請求項1記載のステアリング軸。
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