JP4610171B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents
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Description
、デファレンシャル装置の断面図である。
スリップデファレンシャル装置)を示している。
3は、リングギヤを締結固定するためのフランジ部205を有している。デフケース20
3は、フランジ部205の部分で2分割され、本体部207と蓋体部209とのいわゆる
2ピース構造となっている。デフケース203の本体部207内周面には、回転軸心に沿
った方向に渡って回転係合用のスプライン部208が設けられている。
ている。左右のサイドギヤ211,213には、左右のアクスルシャフト215,217
が結合される。前記左右のサイドギヤ211,213には、周方向複数のピニオンギヤ2
19が噛み合っている。各ピニオンギヤ219は、ピニオンシャフト221に回転自在に
支持されている。
235が介設されている。各摩擦板組223,225のインナープレートは、各サイドギ
ヤ211,213のスプライン部227,229に噛み合い、同アウタープレートはデフ
ケース203側のスプライン部208に噛み合い、デフケース203に対して回転方向に
係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可能となっている。
れ、該プレッシャーリング231,233に隣接して、球面ワッシャ235,237が設
けられている。プレッシャーリング231,233及び球面ワッシャ235,237は、
前記デフケース203側のスプライン部208に噛み合い、デフケース203に対して回
転方向に係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可能となっている。
が設定されている。
トルク入力があると、デフケース203が回転する。デフケース203の回転によって、
スプライン部208を介し、プレッシャーリング231,233及び球面ワッシャ235
,237がトルク入力を受ける。このトルク入力によって、球面ワッシャ235とピニオ
ンシャフト221との間のカム面を介して、ピニオンシャフト221がデフケース203
の回転軸心を中心に回転し、ピニオンギヤ219を介して左右のサイドギヤ211,21
3にトルクが伝達される。左右のサイドギヤ211,213からは、左右のアクスルシャ
フト215,217側へトルク伝達が行われ、左右の車輪が回転駆動される。
間のカム面の働きで、トルク入力に応じ球面ワッシャ235,237が相互の間隔を広げ
るように左右方向へ移動力を受ける。この移動力で、プレッシャーリング231,233
が連動し、左右の摩擦板組223,225がデフケース203の端壁との間で締結される
。
し、左右のサイドギヤ211,213に差動制限力が付与される。従って、左右の車輪が
差動回転しようとするとき、摩擦板組223,225によって差動制限が行われる。この
差動制限力は、ドライブピニオンシャフト側から入力されるトルクの大きさに応じて増大
することになる。
(プリロード設定の問題点)
前記トルク感応型LSDにおいては、初期特性を改善するため、スプリング等で摩擦板
組223,225を加圧し、イニシャルトルクを付与することが行われる。しかしながら
、スプリング等を組み込むために、特別な部品や加工等が必要となり、コストアップの原
因となっていた。
(スプライン、ラグ部の問題)
前記デフケース203のトルクをピニオンギヤ219、サイドギヤ211,213等に
伝達するため、スプライン部208の加工が必要であり、コスト高の原因となっていた。
33や摩擦板223,225に対し強度が低く設定されている。このため、スプライン部
208に圧痕等が生じスムーズな軸推力の伝達を妨げ差動制限トルクの低下、ヒステリシ
スの発生、それに伴うレスポンスの低下等を生じる恐れがあった。
(フランジ分割の問題点)
前記のようにデフケース203がフランジ部205の部分で分割された構造では、フラ
ンジ部205での支持剛性低下により当該フランジに締結固定されるリングギヤの噛み合
い反力に起因するかみ合い位置の変化が生じ易く、噛み合い音等を招き易いものとなって
いた。また、フランジ部205の分割面の滑り等により、リングギヤ締結用のボルトの緩
み等が発生し易いという問題があった。
ト穴やねじ部のスペースを確保するために、ケース内径を小さくしなければならず、その
結果、ピニオンギヤ219、サイドギヤ211,213など内蔵される部品の径も小さく
なり、充分な強度性能を確保することが困難となる恐れがある。
(重量の問題)
LSDは、エンジンのトルクが変速機や最終減速機により増幅され伝達されるため非常
に高い強度が要求される。特にベアリングが挿入される蓋軸部は軽が小さい上、強大なギ
ヤの噛み合い反力が作用するため高い繰り返し応力が作用する。更に通常該ベアリング挿
入部にはベアリングが圧入保持されるため、当該部をアルミ合金等で製作すると、破損し
たり、ベアリングの嵌め合いがルーズになったりする不具合が発生する。また、ケース本
体をアルミ合金等で製作すると、鉄系材料でも問題の多い押圧部材や摩擦部材にトルクを
伝達するスプライン部に著しいへこみ等が発生する。このためデフケース203等にアル
ミ合金等を使用して成立させることが極めて困難であった。その結果、最も軽量化が進ん
でいない部分となっていた。
スプリングを組み込むために、特別な部品や加工等が必要であった点、デフケースのトル
クを伝達するためのスプライン部等の加工が煩雑であり、またスプライン部にトルク伝達
による圧痕等が生じやすいという点、デフケースのフランジ部での分割では、フランジ部
での剛性が低くなる点、LSDは軽量化が最も進んでいない点である。
与することを特徴とする。
し、前記皿ばねは、前記可動部材の変位に応じて付勢力を変更することを特徴とする。
係合し該ジグの軸回転により回転連動して前記可動部材を変位させることを特徴とする。
回転部材側に摩擦部材及び押圧部材を係合させるスプライン部等を設ける必要がなく、加
工が極めて容易となる。
ードを付与するため、付勢手段を支持する特別な部品や加工が不要となり、構造が簡単で
、重量増大を抑制し、安価に製造することもできる。
し、前記皿ばねは、前記可動部材の変位に応じて付勢力を変更するため、可動部材を外部
操作によって操作し、皿ばねの付勢力を簡単に調整することができる。
係合し該ジグの軸回転により回転連動して前記可動部材を変位させるため、ジグの軸回転
により可動部材を容易に調整し、皿ばねの付勢力を容易に変更することができる。
ス3と、一対の第2回転部材としてのサイドギヤ5,7と、第3回転部材としてのピニオ
ンギヤ9とを備えている。
ブピニオンギヤからトルク入力を受ける伝動部材としてのリングギヤが締結される。本体
部11には、回転軸心に沿った方向の端部に組込用の開口部17が設けられている。本体
部3には、フランジ部15側の端壁19にボルト挿通孔21が設けられている。ボルト挿
通孔21は、デフケース3の回転周方向に所定間隔で複数設けられている。ボルト挿通孔
21に連続して、図1,図2のように本体部11の内周面に、断面が半円状のボルト挿通
溝23が端部の開口部17に渡って設けられている。
。本体部11の端壁19側には、ボス部27が設けられている。ボス部27は、ボールベ
アリング等によってデファレンシャルキャリア側に回転自在に支持される。
貫通孔29が設けられている。
挿入され、蓋体部13のボルト挿通孔29を貫通している。ボルト挿通孔29外でボルト
31にナット33が締結され、本体部11と蓋体部13とが締結結合されている。このボ
ルト31の配置により、デフケース3内の外周側に回転軸心に沿った方向にピン部材とし
てボルト31を延設した構成となっている。
5は、ボールベアリング等によってデファレンシャルキャリア側に回転自在に支持される
。
ヤ5,7のボス部37,39には、係合用のラグ部41,43が設けられている。サイド
ギヤ5,7には、前記デフケース3のボス部27,35を貫通する一対の軸であるアクス
ルシャフトが結合される。
ギヤ9は、前記各サイドギヤ5,7に噛み合い、各サイドギヤ5,7を連動結合する。こ
の連動結合によりデフケース3及び各サイドギヤ5,7間のトルク伝達を可能にすると共
に、各サイドギヤ5,7間の相対回転を許容する。
組45,47が配置されている。この摩擦板組45,47は、サイドギヤ5,7間の差動
回転をその締結力に応じて制限する。摩擦板組45,47のインナープレートは、前記サ
イドギヤ5,7のラグ部41,43に回転方向に係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可
能となっている。摩擦板組45,47のアウタープレートは、前記各ボルト31に回転方
向に係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可能となっている。摩擦板組45,47は、ボ
ルト31に係合することによってデフケース3に係合した構成となっている。
1が設けられている。プレッシャープレート49,51は、前記ボルト11に回転方向に
係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可能となっている。プレッシャープレート49,5
1は、ボルト31に係合することによって、デフケース3に係合した構成となっている。
ム面53,55は、例えば山形凹状に形成され、断面円形のピニオンシャフト44に回転
方向に係合する構成となっている。尚、ピニオンシャフト44の外面にも、山形凸状のカ
ム面を設け、カム面53,55に係合させる構成にすることも可能である。
ヤ9を支持している。前記プレッシャープレート49,51の対向面61,63は、前記
取付窓25内へ若干突出している。取付窓25内で前記ボルト31に付勢手段としてのコ
イルスプリング65が支持されている。コイルスプリング65は、前記プレッシャープレ
ート49,51の対向面61,63に弾接している。コイルスプリング65の付勢力によ
って、プレッシャープレート49,51を介し摩擦板組45,47にプリロードを付与し
ている。
、デフケース3が回転する。デフケース3の回転によって、ボルト31に係合するプレッ
シャープレート49,51にトルクが伝達され、カム面53,55を介して、ピニオンシ
ャフト44にトルク伝達が行われる。このトルク伝達によって、ピニオンギヤ9、サイド
ギヤ5,7が一体に回転する。サイドギヤ5,7からは、左右のアクスルシャフトを介し
てトルク伝達が行われ、左右の車輪が回転駆動される。
よって、プレッシャープレート49,51が摩擦板組45,47側へ移動する。この移動
によって、プレッシャープレート49,51と、端壁19、蓋体部13との間で、摩擦板
組45,47が締結される。
大に応じて、カム面53,55のカム力が増大するため、摩擦板組45,47がトルクに
応じて締結力を強める。この摩擦板組45,47の締結力によって、サイドギヤ5,7と
デフケース3とが摩擦係合し、サイドギヤ5,7間の差動制限が行われる。この差動制限
力は、前記のように、トルクの増大に応じて増大する。
になる。
し、摩擦板組45,47にプリロードが与えられているため、当初から差動制限力を得な
がらトルク伝達を行うことができる。
に自転することにより、サイドギヤ5,7間の差動回転を許容することができ、該差動回
転を摩擦板組45,47のプリロード及びトルクに応じた摩擦力によって制限することが
できる。
ルトの緩み等の発生を大幅に抑制することができる。
ャープレート49,51等の係合部とコイルスプリング65の支持部とを兼ねているため
、デフケース3の内周径を充分に確保することができる。このため、デフケース3の内容
物であるサイドギヤ5,7、ピニオンギヤ9、プレッシャープレート49,51、摩擦板
45,47等を大きくすることができ、十分な強度、性能を確保することができる。
、係合用のスプライン部、ラグ部等の特殊加工が不要で、製造が容易となり、安価に製造
することができる。
がトルク伝達時に強く係合しても、圧痕等の発生を抑制することができる。この圧痕等の
抑制によって、カム面53,55による発生スラスト力がプレッシャープレート49,5
1を介して摩擦板組45,47へ効率よく伝達することができる。このようなスラスト力
伝達により、性能を確実に維持することができ、高い駆動レスポンスを得ることができる
。
ケース3は、フランジ部15を備えた本体部11Aの回転軸心に沿った方向の両端部に開
口部67,17を備えている。この各開口部67,17双方に、蓋体部69,13が備え
られている。
3が設けられている。
ルト貫通孔29を貫通し、ナット33が締結されている。
アルミ合金等とすることができる。
、ベアリングが圧入され、リングギヤの噛み合い反力による高荷重を受ける。このため、
ボス部27,35の部分は、鉄係鋳物やスチールを用いる必要があり、アルミ合金等での
成立は極めて困難である。
るボス部27,35の部分は、スチール等とすることができ、全体的に大幅な軽量化を図
ることができながら、信頼性に優れたLSDを得ることができる。
ード調整を可能としたものである。
73及び皿ばね75は、共にボルト31に嵌合配置されている。
部材77と回転駆動部材79との間には、カム構造81が設けられている。従って、回転
駆動部材79を回転させると押圧移動部材77との相対回転によりカム構造81が働き、
押圧移動部材77が皿ばね75を押圧する方向へ移動する。
転駆動部材79は、プレッシャープレート49の内端面63に当接している。前記押圧移
動部材77には、係合部85が設けられている。係合部85は、デフケース3の本体部1
1A側に係合している。
側の対向面61に当接している。
る。ジグ89には、係合部としてフェースギヤ89が周回状に設けられている。ジグ89
の先端には、凸部93が設けられている。デフケース3の本体部11Aには、凸部93を
嵌合させる支持穴95が設けられている。この支持穴95に凸部93を嵌合させると、ジ
グ89のフェースギヤ91が回転駆動部材79のフェースギヤ83に係合する。
のである。
ァレンシャル装置1Bは、デファレンシャルキャリア99の本体部101内に支持されて
いる。デファレンシャル装置1Bのリングギヤ103は、ドライブピニオンシャフト10
5のドライブピニオンギヤ107に噛み合っている。このようなデファレンシャルキャリ
ア99の本体部101の後部には、リヤカバー109が取り付けられている。
の孔が設けられ、この孔にはフィラープラグが装着されている。このフィラープラグを取
り外すことによって、前記ジグ89を容易に挿入することができる。なお、ジグ89を挿
入するための他の専用の孔を設定することも可能である。
せ、ジグ89のフェースギヤ91を回転駆動部材79のフェースギヤ83に噛み合わせる
。この状態で、ジグ89を軸回転させると、回転駆動部材79が回転連動する。この回転
連動で、カム構造81が働き、押圧移動部材77が皿ばね75側へ移動する。この移動で
、スペーサ87と押圧移動部材77との間で皿ばね75が押圧され、皿ばね75の反力が
増大する。この皿ばね75の反力は、一方では押圧移動部材77、回転駆動部材79、プ
レッシャープレート51を介して、摩擦板組47へ伝達され、他方ではスペーサ87、プ
レッシャープレート49を介して、摩擦板組45へ伝達される。
初から差動制限力を付与することができる。
リロードを極めて容易に調整することができる。
フト105を外して行うなど、その作業は大がかりなものとなり、ユーザ等が簡単に調整
することはできなかった。
リロード調整を極めて簡単に行うことができる。
111そのものとしたものである。デフケース3は、フランジ部15Cで2分割され、本
体部11Cと蓋体部69Cとからなっている。
合部115,117に嵌合して、デフケース3内に固定されている。このピン部材111
に対し、プレッシャープレート49,51、摩擦板組45,47が回転方向に係合し、取
付窓25に付勢手段71が取り付けられている。
3 デフケース(第1回転部材)
5,7 サイドギヤ(第2回転部材)
9 ピニオンギヤ(第3回転部材)
11,11A,11C 本体部
13,69,69C 蓋体部
15 フランジ部
17,67 開口部
31 ボルト(ピン部材、締結具)
45,47 摩擦板組(摩擦部材)
49,51 プレッシャープレート
65 コイルスプリング(付勢手段)
71 付勢手段
73 可動部材
75 皿ばね
83 フェースギヤ(係合受け部)
91 フェースギヤ(係合部)
89,89C ジグ
111 ピン部材
Claims (5)
- 車体側に回転自在に支持され外周面のフランジ部に取り付けられた伝動部材からトルクの入出力を行うケース状の第1回転部材と、
前記第1回転部材内に相対回転自在に支持され一対の軸がそれぞれ結合される一対の第2回転部材と、
前記第1回転部材内に配置されて前記各第2回転部材に連動結合され自転により各第2回転部材間の相対回転を許容する第3回転部材とを備え、
前記第1,第2回転部材側に係合し前記第2回転部材の差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、
前記第1,第3回転部材側に係合し前記第1回転部材の回転を第3回転部材の公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記トルクに応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材とを備えたデファレンシャル装置において、
前記第1回転部材を、本体部と蓋体部とで構成し、
前記本体部は、前記フランジ部及び回転軸心に沿った方向の両端部に開口部を有し、
前記蓋体部は、前記各開口部に取り付けられ、
前記第1回転部材内の外周側に、回転軸心に沿った方向に前記蓋体部を前記本体部に締結するピン部材を延設し、
前記ピン部材に、前記摩擦部材及び押圧部材を係合させて前記第1回転部材側に係合する構成とした、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、
前記本体部は、スチールよりも軽量なアルミ合金等の軽材料で形成され、
前記蓋体部は、スチールで形成された、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1又は2に記載のデファレンシャル装置であって、
前記ピン部材に、付勢手段を支持し、
前記付勢手段は、前記押圧部材を付勢して前記摩擦部材にプリロードを付与する
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項3記載のデファレンシャル装置であって、
前記付勢手段は、可動部材と皿ばねとからなり、
前記可動部材は、外部操作により変位し、
前記皿ばねは、前記可動部材の変位に応じて付勢力を変更する
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項4記載のデファレンシャル装置であって、
前記可動部材に、係合受け部を設け、
前記係合受け部は、外部操作用のジグの係合部が係合し該ジグの軸回転により回転連動して前記可動部材を変位させる
ことを特徴とするデファレンシャル装置。
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