JP4106880B2 - 単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法 - Google Patents

単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー(以下、CZという。)法にて引上げられるシリコン等の単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布をコンピュータシミュレーションする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシミュレーション方法として、図8に示すように、総合伝熱シミュレータを用いてCZ法によるシリコン単結晶4引上げ時の引上げ機1内のホットゾーン構造及びそのシリコン単結晶4の引上げ速度に基づいて、シリコン融液2の熱伝導率を操作することによりシリコン融液2の内部温度分布を予測し、この内部温度分布からシリコン単結晶4のメッシュの座標及び温度をそれぞれ求め、更にシリコン単結晶4内の格子間シリコン及び空孔の拡散係数及び境界条件に基づいて拡散方程式を解くことにより、上記格子間シリコン及び空孔の密度分布をコンピュータを用いて求める方法が知られている。このシミュレーション方法では、ホットゾーンの各部材がメッシュ分割されてモデル化される。特にシリコン融液2のメッシュは計算時間を短くするために10mm程度と比較的粗く設定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の格子間シリコン及び空孔の密度分布のシミュレーション方法では、実際の引上げ機においては発生するシリコン融液の対流を考慮しておらず、またシリコン融液のメッシュが比較的粗いため、固液界面形状の再現性が悪く、精度の良い結晶内温度分布を提供できない。そのため、シリコン単結晶内の格子間シリコン及び空孔の密度分布が実測値と大幅に相違する問題点があった。また上記従来のシミュレーション方法では、結晶冷却過程に比較的高温で生成されるシリコン単結晶内の欠陥、例えばボイドや酸素析出物の種類や、密度分布及びサイズ分布は判らなかった。
本発明の目的は、融液の対流を考慮して成長中の単結晶内の温度分布を解析した後に、融液から切離された単結晶の冷却過程を考慮して解析することにより、単結晶内のボイド及び高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布を正確に予測できる、単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1〜図3及び図7に示すように、引上げ機11による単結晶14の融液12からの引上げ開始時から単結晶14の冷却完了時までの引上げ機11のホットゾーンをメッシュ構造でモデル化する第1ステップと、ホットゾーンの各部材毎にメッシュをまとめかつこのまとめられたメッシュに対する各部材の物性値とともに単結晶14の引上げ長及びこの引上げ長に対応する単結晶14の引上げ速度をそれぞれコンピュータに入力する第2ステップと、各部材の表面温度分布をヒータの発熱量及び各部材の輻射率に基づいて求める第3ステップと、各部材の表面温度分布及び熱伝導率に基づいて熱伝導方程式を解くことにより各部材の内部温度分布を求めた後に融液12が乱流であると仮定して得られた乱流モデル式及びナビエ・ストークスの方程式を連結して解くことにより対流を考慮した融液12の内部温度分布を更に求める第4ステップと、単結晶14及び融液12の固液界面形状を単結晶の三重点Sを含む等温線に合せて求める第5ステップと、第3ステップから第5ステップを三重点Sが単結晶14の融点になるまで繰返し引上げ機11内の温度分布を計算して単結晶14のメッシュの座標及び温度を求めこれらのデータをそれぞれコンピュータに入力する第6ステップと、単結晶14の引上げ長及び引上げ高さを段階的に変えて第1ステップから第6ステップまでを繰返し引上げ機11内の温度分布を計算して単結晶14のメッシュの座標及び温度を求めこれらのデータをそれぞれコンピュータに入力する第7ステップと、単結晶14の融液12からの引上げ開始時から単結晶14の冷却完了時までの時間を所定の間隔毎に区切りこの区切られた時間間隔毎に第7ステップで求めた単結晶14のメッシュの座標及び温度のデータから単結晶14の引上げ長及び引上げ高さと単結晶14内の温度分布とを求める第8ステップと、単結晶14内の空孔及び格子間原子の拡散係数及び境界条件に基づいて拡散方程式を解くことにより所定の時間間隔の経過した後の空孔及び格子間原子の密度分布を求める第9ステップと、空孔の密度分布に基づいてボイドの形成開始温度を求める第10ステップと、単結晶14内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が次第に低下してボイドの形成開始温度になったときのボイドの密度を求める第11ステップと、単結晶14内のそれぞれのメッシュの格子点における温度がボイドの形成開始温度より低いときのボイドの半径を求める第12ステップと、第8ステップから第12ステップを単結晶14の冷却が完了するまで繰返す第13ステップとを含むコンピュータを用いて単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーションを行う方法であって、乱流モデル式が次の式(2)で表されるkl−モデル式であり、このモデル式の乱流パラメータCとして0.4〜0.6の範囲内の任意の値が用いられたことを特徴とする、コンピュータを用いて単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーションを行う方法である。
【数2】
Figure 0004106880
ここで、κ t は融液の乱流熱伝導率であり、cは融液の比熱であり、Pr t はプラントル数であり、ρは融液の密度であり、dは融液を貯留するるつぼ壁からの距離であり、kは融液の平均流速に対する変動成分の二乗和である。
【0005】
この請求項1に記載されたシミュレーション方法では、融液12の対流を考慮して融液12から成長する単結晶14内の温度分布を求めるだけでなく、更に冷却過程における単結晶14内の温度分布までも求めることによって、即ち融液12から切離された単結晶14の冷却過程における単結晶14の徐冷及び急冷の効果を考慮して解析することによって、単結晶14内のボイドの密度分布及びサイズ分布を正確に予測できる。
【0006】
請求項2に係る発明は、図4〜図7に示すように、請求項1記載の第1〜第9ステップと、空孔の密度分布に基づいて高温酸素析出物の形成開始温度を求める第10’ステップと、単結晶14内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が次第に低下して高温酸素析出物の形成開始温度になったときの高温酸素析出物の密度を求める第11’ステップと、単結晶14内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が高温酸素析出物の形成開始温度より低いときの高温酸素析出物の半径を求める第12’ステップと、第8、第9、第10’、第11’及び第12’ステップを単結晶14の冷却が完了するまで繰返す第13’ステップとを含むコンピュータを用いて単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーションを行う方法であって、乱流モデル式が次の式(2)で表されるkl−モデル式であり、このモデル式の乱流パラメータCとして0.4〜0.6の範囲内の任意の値が用いられたことを特徴とする、コンピュータを用いて単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーションを行う方法である。
【数2】
Figure 0004106880
ここで、κ t は融液の乱流熱伝導率であり、cは融液の比熱であり、Pr t はプラントル数であり、ρは融液の密度であり、dは融液を貯留するるつぼ壁からの距離であり、kは融液の平均流速に対する変動成分の二乗和である。
【0007】
この請求項2に記載されたシミュレーション方法では、融液12の対流を考慮して融液12から成長する単結晶14内の温度分布を求めるだけでなく、更に冷却過程における単結晶14内の温度分布までも求めることによって、即ち融液12から切離された単結晶14の冷却過程における単結晶14の徐冷及び急冷の効果を考慮して解析することによって、単結晶14内の高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布を正確に予測できる。
なお、本明細書において「高温酸素析出物」とは、ボイド欠陥の内側に析出する内壁酸化膜を球形に近似して扱ったものをいう。また酸素析出物を高温と限定したのは、ボイド欠陥より低温で析出するBMD(Bulk Micro Defect)等の析出核となるものと区別するためである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図7に示すように、シリコン単結晶引上げ機11のチャンバ内には、シリコン融液12を貯留する石英るつぼ13が設けられる。この石英るつぼ13は図示しないが黒鉛サセプタ及び支軸を介してるつぼ駆動手段に接続され、るつぼ駆動手段は石英るつぼ13を回転させるとともに昇降させるように構成される。また石英るつぼ13の外周面は石英るつぼ13から所定の間隔をあけてヒータ(図示せず)により包囲され、このヒータは保温筒(図示せず)により包囲される。ヒータは石英るつぼ13に投入された高純度のシリコン多結晶体を加熱・溶融してシリコン融液12にする。またチャンバの上端には図示しないが円筒状のケーシングが接続され、このケーシングには引上げ手段が設けられる。引上げ手段はシリコン単結晶14を回転させながら引上げるように構成される。
【0009】
このように構成されたシリコン単結晶引上げ機11におけるシリコン単結晶14内のボイドの密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法を図1〜図3及び図7に基づいて説明する。
先ず第1ステップとして、シリコン単結晶14を所定長さL1(例えば100mm)まで引上げた状態におけるシリコン単結晶引上げ機11のホットゾーンの各部材、即ちチャンバ,石英るつぼ13,シリコン融液12,シリコン単結晶14,黒鉛サセプタ,保温筒等をメッシュ分割してモデル化する。具体的には上記ホットゾーンの各部材のメッシュ点の座標データをコンピュータに入力する。このときシリコン融液12のメッシュのうちシリコン単結晶14の径方向のメッシュであってかつシリコン融液12のシリコン単結晶14直下の一部又は全部のメッシュ(以下、径方向メッシュという。)を0.01〜5.00mm、好ましくは0.25〜1.00mmに設定する。またシリコン融液12のメッシュのうちシリコン単結晶14の長手方向のメッシュであってかつシリコン融液12の一部又は全部のメッシュ(以下、長手方向メッシュという。)を0.01〜5.00mm、好ましくは0.1〜0.5mmに設定する。
【0010】
径方向メッシュを0.01〜5.00mmの範囲に限定したのは、0.01mm未満では計算時間が極めて長くなり、5.00mmを越えると計算が不安定になり、繰返し計算を行っても固液界面形状が一定に定まらなくなるからである。また長手方向メッシュを0.01〜5.00mmの範囲に限定したのは、0.01mm未満では計算時間が極めて長くなり、5.00mmを越えると固液界面形状の計算値が実測値と一致しなくなるからである。なお、径方向メッシュの一部を0.01〜5.00の範囲に限定する場合には、シリコン単結晶14直下のシリコン融液12のうちシリコン単結晶14外周縁近傍のシリコン融液12を上記範囲に限定することが好ましく、長手方向メッシュの一部を0.01〜5.00の範囲に限定する場合には、シリコン融液12の液面近傍及び底近傍を上記範囲に限定することが好ましい。
【0011】
第2ステップとして上記ホットゾーンの各部材毎にメッシュをまとめ、かつこのまとめられたメッシュに対して各部材の物性値をそれぞれコンピュータに入力する。例えば、チャンバがステンレス鋼にて形成されていれば、そのステンレス鋼の熱伝導率,輻射率,粘性率,体積膨張係数,密度及び比熱がコンピュータに入力される。またシリコン単結晶14の引上げ長及びこの引上げ長に対応するシリコン単結晶14の引上げ速度と、後述する乱流モデル式(1)の乱流パラメータCとをコンピュータに入力する。
【0012】
第3ステップとして、ホットゾーンの各部材の表面温度分布をヒータの発熱量及び各部材の輻射率に基づいてコンピュータを用いて求める。即ち、ヒータの発熱量を任意に設定してコンピュータに入力するとともに、各部材の輻射率から各部材の表面温度分布をコンピュータを用いて求める。次に第4ステップとしてホットゾーンの各部材の表面温度分布及び熱伝導率に基づいて熱伝導方程式(1)をコンピュータを用いて解くことにより各部材の内部温度分布を求める。ここでは、記述を簡単にするためxyz直交座標系を用いたが、実際の計算では円筒座標系を用いる。
【0013】
【数1】
Figure 0004106880
ここで、ρは各部材の密度であり、cは各部材の比熱であり、Tは各部材の各メッシュ点での絶対温度であり、tは時間であり、λx,λy及びλzは各部材の熱伝導率のx,y及びz方向成分であり、qはヒータの発熱量である。
一方、シリコン融液12に関しては、上記熱伝導方程式(1)でシリコン融液12の内部温度分布を求めた後に、このシリコン融液12の内部温度分布に基づき、シリコン融液12が乱流であると仮定して得られた乱流モデル式(2)及びナビエ・ストークスの方程式(3)〜(5)を連結して、シリコン融液12の内部流速分布をコンピュータを用いて求める。
【0014】
【数2】
Figure 0004106880
ここで、κtはシリコン融液12の乱流熱伝導率であり、cはシリコン融液12の比熱であり、Prtはプラントル数であり、ρはシリコン融液12の密度であり、Cは乱流パラメータであり、dはシリコン融液12を貯留する石英るつぼ13壁からの距離であり、kはシリコン融液12の平均流速に対する変動成分の二乗和である。
【0015】
【数3】
Figure 0004106880
ここで、u,v及びwはシリコン融液12の各メッシュ点での流速のx,y及びz方向成分であり、νlはシリコン融液12の分子動粘性係数(物性値)であり、νtはシリコン融液12の乱流の効果による動粘性係数であり、Fx,Fy及びFzはシリコン融液12に作用する体積力のx,y及びz方向成分である。
【0016】
上記乱流モデル式(2)はkl(ケイエル)−モデル式と呼ばれ、このモデル式の乱流パラメータCは0.4〜0.6の範囲内の任意の値が用いられることが好ましい。乱流パラメータCを0.4〜0.6の範囲に限定したのは、0.4未満又は0.6を越えると計算により求めた界面形状が実測値と一致しないという不具合があるからである。また上記ナビエ・ストークスの方程式(3)〜(5)はシリコン融液12が非圧縮性であって粘度が一定である流体としたときの運動方程式である。
上記求められたシリコン融液12の内部流速分布に基づいて熱エネルギ方程式(6)を解くことにより、シリコン融液12の対流を考慮したシリコン融液12の内部温度分布をコンピュータを用いて更に求める。
【0017】
【数4】
Figure 0004106880
ここで、u,v及びwはシリコン融液12の各メッシュ点での流速のx,y及びz方向成分であり、Tはシリコン融液12の各メッシュ点での絶対温度であり、ρはシリコン融液12の密度であり、cはシリコン融液12の比熱であり、κlは分子熱伝導率(物性値)であり、κtは式(1)を用いて計算される乱流熱伝導率である。
【0018】
次いで第5ステップとして、シリコン単結晶14及びシリコン融液12の固液界面形状を図2の点Sで示すシリコンの三重点S(固体と液体と気体の三重点(tri-junction))を含む等温線に合せてコンピュータを用いて求める。第6ステップとして、コンピュータに入力するヒータの発熱量を変更し(次第に増大し)、上記第3ステップから第5ステップを三重点がシリコン単結晶14の融点になるまで繰返した後に、引上げ機11内の温度分布を計算してシリコン単結晶のメッシュの座標及び温度を求め、これらのデータをコンピュータに記憶させる。
【0019】
次に第7ステップとして、シリコン単結晶14の引上げ長L1にδ(例えば50mm)だけ加えて上記第1ステップから第6ステップまでを繰返した後に、引上げ機11内の温度分布を計算してシリコン単結晶14のメッシュの座標及び温度を求め、これらのデータをコンピュータに記憶させる。この第7ステップは、シリコン単結晶14の引上げ長L1が長さL2(L2はシリコン融液12から切離されたときのシリコン単結晶14の長さ(成長完了時の結晶長)である。)に達してシリコン単結晶14がシリコン融液12から切離された後、更にシリコン単結晶14が引上げられてその高さH1(H1はシリコン単結晶14の直胴開始部からシリコン融液12の液面までの距離である(図7)。)がH2(H2は冷却完了時のシリコン単結晶14の直胴開始部からシリコン融液12の液面までの距離である。)に達するまで、即ちシリコン単結晶14の冷却が完了するまで行われる。なお、シリコン単結晶14がシリコン融液12から切離された後は、シリコン単結晶14の引上げ高さH1にδ(例えば50mm)だけ加え、上記と同様に上記第1ステップから第6ステップまでを繰返す。
【0020】
シリコン単結晶14の引上げ高さH1がH2に達すると、第8ステップに移行する。第8ステップでは、シリコン単結晶14をシリコン融液12から成長させて引上げ始めたときt0から、シリコン単結晶14をシリコン融液12から切離して更にシリコン単結晶14を引上げ、その冷却が完了したときt1までの時間を、所定の間隔Δt秒(微小時間間隔)毎に区切る。このときシリコン単結晶14内の格子間シリコン及び空孔の拡散係数及び境界条件のみならず、後述するボイド及び高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布を求めるための式に用いられる定数をそれぞれコンピュータに入力する。上記区切られた時間間隔Δt秒毎に、第7ステップで求めたシリコン単結晶14のメッシュの座標及び温度のデータから、シリコン単結晶14の引上げ長L1及び引上げ高さH1と、シリコン単結晶14内の温度分布とを求める。
【0021】
即ち、第1〜第7ステップでシリコン単結晶のメッシュの座標及び温度を引上げ長δ毎に求め、シリコン単結晶を例えば50mm引上げるのに数十分要するため、この数十分間でのシリコン単結晶のメッシュの温度変化を時間の関数として微分することにより、時刻t0からΔt秒後におけるシリコン単結晶14の引上げ長L1及び引上げ高さH1とシリコン単結晶14内の温度分布を算出する。次にシリコン単結晶14内の空孔及び格子間シリコンの拡散係数及び境界条件に基づいて拡散方程式を解くことにより、Δt秒経過後の空孔及び格子間シリコンの密度分布を求める(第9ステップ)。
具体的には、空孔の密度Cvの計算式が次の式(7)で示され、格子間シリコンの密度Ciの計算式が次の式(8)で示される。式(7)及び式(8)において、密度Cv及び密度Ciの経時的進展を計算するために、空孔と格子間シリコンの熱平衡がシリコン単結晶の全表面で維持されると仮定する。
【0022】
【数5】
Figure 0004106880
ここで、K1及びK2は定数であり、Ei及びEvはそれぞれ格子間シリコン及び空孔の形成エネルギーであり、Cv e及びCi eの肩付き文字eは平衡量、kはボルツマン定数、Tは絶対温度を意味する。
上記平衡式は時間で微分され、空孔及び格子間シリコンに対してそれぞれ次の式(9)及び式(10)になる。
【0023】
【数6】
Figure 0004106880
【0024】
ここで、Θ(x)はヘビサイド関数(Heaviside function)である。即ち、x<0のときΘ(x)=0であり、かつx>0のときΘ(x)=1である。またTnは高温酸素析出物の形成開始温度Tpとボイドの形成開始温度Tv0とを比較したときの高い方の温度である。更に式(9)及び(10)のそれぞれ右側の第1項はフィックの拡散式であり、右側の第1項中のDv及びDiは、次の式(11)及び(12)に表される拡散係数である。
【0025】
【数7】
Figure 0004106880
【0026】
ここで△Ev及び△Eiはそれぞれ空孔及び格子間シリコンの活性化エネルギーであり、dv及びdiはそれぞれ定数である。また式(9)及び式(10)のそれぞれ右側の第2項中の
【数8】
Figure 0004106880
は熱拡散による空孔及び格子間シリコンの活性化エネルギーであり、kBはボルツマン定数である。式(9)及び式(10)のそれぞれ右側の第3項のkivは空孔及び格子間シリコンペアの再結合定数である。式(9)及び式(10)のそれぞれ右側の第4項のNv0はボイドの密度であり、rv0はボイドの半径であり、更に式(9)の右側の第5項のNpは高温酸素析出物の密度であり、Rpは高温酸素析出物の半径であり、γはSiO2析出物が歪まずに析出するために必要な酸素1原子当りの空孔消費量である。
【0027】
一方、上記式(9)が成立つのは、空孔が析出するための流速が十分大きく、SiマトリックスとSiO2との単位質量当りの体積差を埋められる場合、即ちDv(Cv−Cv e)≧γD00の場合である。上記以外の場合には、次式(13)が成立つ。
【0028】
【数9】
Figure 0004106880
次に第10ステップとして、上記拡散方程式を解くことにより求めた空孔の密度Cv分布に基づいて、ボイドの形成開始温度Tv0を次の式(14)から求める。
【0029】
【数10】
Figure 0004106880
ここで、Cvmはシリコン融液の融点Tmでの空孔平衡濃度であり、Evは空孔形成エネルギーであり、Tmはシリコン単結晶14の融点温度である。またσvはシリコン単結晶14の結晶面(111)における界面エネルギーであり、ρはシリコン単結晶14の密度であり、kBはボルツマン定数である。
【0030】
第11ステップとして、シリコン単結晶14内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が次第に低下してボイドの形成開始温度Tv0になったときに、次の近似式(15)を用いてボイドの密度Nv0を求める。
【0031】
【数11】
Figure 0004106880
更に第12ステップとして、シリコン単結晶14内のそれぞれのメッシュの格子点における温度がボイドの形成開始温度Tv0より低いときのボイドの半径rv0を、次の式(16)から求める。
【0032】
【数12】
Figure 0004106880
ここで、t1はシリコン単結晶14のメッシュの格子点における温度がボイドの形成開始温度Tv0まで低下したときの時刻であり、rcrはボイドの臨界径である。上記第8ステップから第12ステップをシリコン単結晶14の冷却が完了するまで繰返す(第13ステップ)。なお、式(9)〜式(16)は連成してコンピュータにより解く。
【0033】
一方、上記シリコン単結晶引上げ機11におけるシリコン単結晶14内の高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法を図4〜図7に基づいて説明する。
第1〜第9ステップまでは、上記ボイドの密度分布及びサイズ分布を求める場合と同一である。
次いで第10’ステップとして、拡散方程式(9)及び(10)を解くことにより求めた空孔の密度Cv分布に基づいて、高温酸素析出物の形成開始温度Tpを次の式(17)から求める。
【0034】
【数13】
Figure 0004106880
ここで、C0は酸素濃度であり、C0mはシリコン融液12の融点Tmでの酸素平衡濃度であり、E0は酸素溶解エネルギーである。またEvは空孔形成エネルギーであり、σpはシリコン単結晶14内のSiとSiO2との界面エネルギーである。更にγはSiO2析出物が歪まずに析出するために必要な酸素1原子当りの空孔消費量であり、その値は0.68である。
【0035】
次に第11’ステップとして、シリコン単結晶14内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が次第に低下して高温酸素析出物の形成開始温度Tpになったときに、次の近似式(18)を用いて高温酸素析出物の密度Npを求める。なお、式(18)において、a2は定数である。
【0036】
【数14】
Figure 0004106880
更に第12’ステップとして、シリコン単結晶14内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が高温酸素析出物の形成開始温度Tpより低いときの高温酸素析出物の半径Rpを、次の式(19)から求める。
【0037】
【数15】
Figure 0004106880
ここで、t2はシリコン単結晶14のメッシュの格子点における温度が高温酸素析出物の形成開始温度Tpまで低下したときの時刻であり、Rcrは高温酸素析出物の臨界径である。
【0038】
一方、上記式(19)が成立つのは、空孔が析出するための流速が十分大きく、SiマトリックスとSiO2との単位質量当りの体積差を埋められる場合、即ちDv(Cv−Cv e)≧γD00の場合である。上記以外の場合には、次式(20)が成立つ。
【0039】
【数16】
Figure 0004106880
上記第8、第9、第10’、第11’及び第12’ステップをシリコン単結晶14の冷却が完了するまで繰返す(第13’ステップ)。なお、上記式(9)〜式(13)及び式(17)〜式(20)は連成してコンピュータにより解く。
【0040】
上述のように、シリコン融液12の対流を考慮してシリコン融液12から成長するシリコン単結晶14内の温度分布を求めた後に、シリコン融液12から切離されたシリコン単結晶14の冷却過程、即ちシリコン単結晶14がシリコン融液12から切離された後のシリコン単結晶14の引上げ速度を考慮し、シリコン単結晶14の徐冷及び急冷の効果を結果に反映して解析することにより、シリコン単結晶14内のボイド及び高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布を正確に予測できる。この結果、シリコン融液12から引上げられるシリコン単結晶14内の欠陥の密度分布及びサイズ分布を所望の分布にするために、引上げ機11の設計段階で引上げ機11の構造を検討することができる。
なお、この実施の形態では、単結晶としてシリコン単結晶を挙げたが、GaAs単結晶,InP単結晶,ZnS単結晶若しくはZnSe単結晶でもよい。
【0041】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図7に示すように、石英るつぼ13に貯留されたシリコン融液12から直径6インチのシリコン単結晶14を引上げる場合の、シリコン単結晶14内のボイドの密度分布及びサイズ陥分布を、図1〜図3のフローチャートに基づくシミュレーション方法により求め、更にシリコン単結晶14内の高温酸素析出物の密度分布及びサイズ陥分布を、図4〜図6のフローチャートに基づくシミュレーション方法により求めた。
【0042】
即ち、シリコン単結晶引上げ機11のホットゾーンをメッシュ構造でモデル化した。ここで、シリコン融液12のシリコン単結晶14直下のシリコン単結晶14の径方向のメッシュを0.75mmに設定し、シリコン融液12のシリコン単結晶14直下以外のシリコン単結晶14の径方向のメッシュを1〜5mmに設定した。またシリコン融液12のシリコン単結晶14の長手方向のメッシュを0.25〜5mmに設定し、乱流モデル式の乱流パラメータCとして0.45を用いた。更にシリコン単結晶14の引上げ開始時t0から冷却完了時t1までの引上げ長及び引上げ高さの段階的な変更を50mmずつとした。このような条件下で、シリコン融液12の対流を考慮してシリコン単結晶14内の温度分布を求めた。
【0043】
次にシリコン単結晶14の引上げ開始時t0から冷却完了時t1までの時間を所定の間隔Δt秒(微小な時間の間隔)毎に区切り、この時間間隔Δt秒毎に上記シリコン単結晶14のメッシュの座標及び温度のデータから、シリコン単結晶14の引上げ長及び引上げ高さとシリコン単結晶内14の温度分布を求め、更にボイドの形成開始温度を求めてボイドの密度分布及びサイズ分布を求めた。即ち、シリコン単結晶14をシリコン融液12から切離した後のシリコン単結晶14の徐冷及び急冷を考慮して、シリコン単結晶14内のボイドの密度分布及びサイズ陥分布をコンピュータを用いてそれぞれ求めた。その結果を図9(a)及び(b)に示す。
【0044】
一方、上記と同様に、シリコン単結晶14の引上げ開始時t0から冷却完了時t1までの時間を所定の間隔Δt秒(微小な時間の間隔)毎に区切り、この時間間隔Δt秒毎に上記シリコン単結晶14のメッシュの座標及び温度のデータから、シリコン単結晶14の引上げ長及び引上げ高さとシリコン単結晶内14の温度分布を求め、更に高温酸素析出物の形成開始温度を求めて高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布を求めた。即ち、シリコン単結晶14をシリコン融液12から切離した後のシリコン単結晶14の徐冷及び急冷を考慮して、シリコン単結晶14内の高温酸素析出物の密度分布及びサイズ陥分布をコンピュータを用いてそれぞれ求めた。その結果を図9(c)及び(d)に示す。
【0045】
<比較例1>
実施例1と同一形状のシリコン単結晶を引上げたときにライフタイムを実験により求めた。その結果を図9(e)に示す。
【0046】
図9(a)及び図9(b)から明らかなように、シリコン単結晶内のボイドの密度分布は下方に向うに従って多くなり、シリコン単結晶内のボイドのサイズ分布は上方に向うに従って大きくなった。
図9(c)及び図9(d)から明らかなように、シリコン単結晶内の高温酸素析出物の密度分布は略V字状に最も多くなる領域が現れ、シリコン単結晶内の高温酸素析出物の密度分布も略V字状に最も多くなる領域が現れた。
上記結果を図9(e)の実際に測定した例と比較すると、実測例中のボイドなどが現れる領域と、図9(a)及び図9(b)におけるボイドが存在する領域とが一致し、実測例中のOSFリングが観察される領域と、図9(c)及び図9(d)でのV字状の領域とが一致することが判った。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、融液の対流を考慮して融液から成長する単結晶内の温度分布をコンピュータを用いて求めるだけでなく、更に冷却過程における単結晶内の温度分布までも求めることによって、即ち融液から切離された単結晶の冷却過程における単結晶の徐冷及び急冷の効果を考慮することによって、単結晶内の欠陥の密度分布及びサイズ分布をコンピュータを用いて求める。この結果、単結晶内のボイド及び酸素析出物の密度分布及びサイズ分布を正確に予測できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態シリコン単結晶内のボイドの密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法の前半を示すフローチャート。
【図2】そのボイドの密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法の中盤を示すフローチャート。
【図3】そのボイドの密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法の後半を示すフローチャート。
【図4】シリコン単結晶内の高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法の前半を示すフローチャート。
【図5】その高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法の中盤を示すフローチャート。
【図6】その高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布のシミュレーション方法の後半を示すフローチャート。
【図7】本発明のシリコン融液をメッシュ構造としたシリコン単結晶の引上げ機の要部断面図。
【図8】従来例のシリコン融液をメッシュ構造としたシリコン単結晶の引上げ機の要部断面図。
【図9】実施例1のボイド及び高温酸素析出物の密度分布及びサイズ分布と、比較例1の実際に測定した例を示す図。
【符号の説明】
11 シリコン単結晶引上げ機
12 シリコン融液
14 シリコン単結晶
S シリコンの三重点

Claims (2)

  1. 引上げ機(11)による単結晶(14)の融液(12)からの引上げ開始時から前記単結晶(14)の冷却完了時までの前記引上げ機(11)のホットゾーンをメッシュ構造でモデル化する第1ステップと、
    前記ホットゾーンの各部材毎にメッシュをまとめかつこのまとめられたメッシュに対する前記各部材の物性値とともに前記単結晶(14)の引上げ長及びこの引上げ長に対応する前記単結晶(14)の引上げ速度をそれぞれコンピュータに入力する第2ステップと、
    前記各部材の表面温度分布をヒータの発熱量及び前記各部材の輻射率に基づいて求める第3ステップと、
    前記各部材の表面温度分布及び熱伝導率に基づいて熱伝導方程式を解くことにより前記各部材の内部温度分布を求めた後に融液(12)が乱流であると仮定して得られた乱流モデル式及びナビエ・ストークスの方程式を連結して解くことにより対流を考慮した前記融液(12)の内部温度分布を更に求める第4ステップと、
    前記単結晶(14)及び前記融液(12)の固液界面形状を前記単結晶の三重点(S)を含む等温線に合せて求める第5ステップと、
    前記第3ステップから前記第5ステップを前記三重点(S)が前記単結晶(14)の融点になるまで繰返し前記引上げ機(11)内の温度分布を計算して前記単結晶(14)のメッシュの座標及び温度を求めこれらのデータをそれぞれ前記コンピュータに入力する第6ステップと、
    前記単結晶(14)の引上げ長及び引上げ高さを段階的に変えて前記第1ステップから前記第6ステップまでを繰返し前記引上げ機(11)内の温度分布を計算して前記単結晶(14)のメッシュの座標及び温度を求めこれらのデータをそれぞれ前記コンピュータに入力する第7ステップと、
    前記単結晶(14)の前記融液(12)からの引上げ開始時から前記単結晶(14)の冷却完了時までの時間を所定の間隔毎に区切り前記区切られた時間間隔毎に第7ステップで求めた前記単結晶(14)のメッシュの座標及び温度のデータから前記単結晶(14)の引上げ長及び引上げ高さと前記単結晶(14)内の温度分布とを求める第8ステップと、
    前記単結晶(14)内の空孔及び格子間原子の拡散係数及び境界条件に基づいて拡散方程式を解くことにより前記所定の時間間隔の経過した後の空孔及び格子間原子の密度分布を求める第9ステップと、
    前記空孔の密度分布に基づいてボイドの形成開始温度を求める第10ステップと、
    前記単結晶(14)内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が次第に低下して前記ボイドの形成開始温度になったときの前記ボイドの密度を求める第11ステップと、
    前記単結晶(14)内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が前記ボイドの形成開始温度より低いときの前記ボイドの半径を求める第12ステップと、
    第8ステップから第12ステップを前記単結晶(14)の冷却が完了するまで繰返す第13ステップと
    を含むコンピュータを用いて単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーションを行う方法であって、
    前記乱流モデル式が次の式(2)で表されるkl−モデル式であり、このモデル式の乱流パラメータCとして0.4〜0.6の範囲内の任意の値が用いられたことを特徴とする、コンピュータを用いて単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーションを行う方法
    Figure 0004106880
    ここで、κ t は融液の乱流熱伝導率であり、cは融液の比熱であり、Pr t はプラントル数であり、ρは融液の密度であり、dは融液を貯留するるつぼ壁からの距離であり、kは融液の平均流速に対する変動成分の二乗和である。
  2. 引上げ機(11)による単結晶(14)の融液(12)からの引上げ開始時から前記単結晶(14)の冷却完了時までの前記引上げ機(11)のホットゾーンをメッシュ構造でモデル化する第1ステップと、
    前記ホットゾーンの各部材毎にメッシュをまとめかつこのまとめられたメッシュに対する前記各部材の物性値とともに前記単結晶(14)の引上げ長及びこの引上げ長に対応する前記単結晶(14)の引上げ速度をそれぞれコンピュータに入力する第2ステップと、
    前記各部材の表面温度分布をヒータの発熱量及び前記各部材の輻射率に基づいて求める第3ステップと、
    前記各部材の表面温度分布及び熱伝導率に基づいて熱伝導方程式を解くことにより前記各部材の内部温度分布を求めた後に融液(12)が乱流であると仮定して得られた乱流モデル式及びナビエ・ストークスの方程式を連結して解くことにより対流を考慮した前記融液(12)の内部温度分布を更に求める第4ステップと、
    前記単結晶(14)及び前記融液(12)の固液界面形状を前記単結晶の三重点(S)を含む等温線に合せて求める第5ステップと、
    前記第3ステップから前記第5ステップを前記三重点(S)が前記単結晶(14)の融点になるまで繰返し前記引上げ機(11)内の温度分布を計算して前記単結晶(14)のメッシュの座標及び温度を求めこれらのデータをそれぞれ前記コンピュータに入力する第6ステップと、
    前記単結晶(14)の引上げ長及び引上げ高さを段階的に変えて前記第1ステップから前記第6ステップまでを繰返し前記引上げ機(11)内の温度分布を計算して前記単結晶(14)のメッシュの座標及び温度を求めこれらのデータをそれぞれ前記コンピュータに入力する第7ステップと、
    前記単結晶(14)の前記融液(12)からの引上げ開始時から前記単結晶(14)の冷却完了時までの時間を所定の間隔毎に区切り前記区切られた時間間隔毎に第7ステップで求めた前記単結晶(14)のメッシュの座標及び温度のデータから前記単結晶(14)の引上げ長及び引上げ高さと前記単結晶(14)内の温度分布とを求める第8ステップと、
    前記単結晶(14)内の空孔及び格子間原子の拡散係数及び境界条件に基づいて拡散方程式を解くことにより前記所定の時間間隔の経過した後の空孔及び格子間原子の密度分布を求める第9ステップと、
    前記空孔の密度分布に基づいて高温酸素析出物の形成開始温度を求める第10’ステップと、
    前記単結晶(14)内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が次第に低下して前記高温酸素析出物の形成開始温度になったときの前記高温酸素析出物の密度を求める第11’ステップと、
    前記単結晶(14)内のそれぞれのメッシュの格子点における温度が前記高温酸素析出物の形成開始温度より低いときの前記高温酸素析出物の半径を求める第12’ステップと、
    第8、第9、第10’、第11’及び第12’ステップを前記単結晶(14)の冷却が完了するまで繰返す第13’ステップと
    を含むコンピュータを用いて単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーションを行う方法であって、
    前記乱流モデル式が次の式(2)で表されるkl−モデル式であり、このモデル式の乱流パラメータCとして0.4〜0.6の範囲内の任意の値が用いられたことを特徴とする、コンピュータを用いて単結晶内欠陥の密度分布及びサイズ分布のシミュレーションを行う方法
    Figure 0004106880
    ここで、κ t は融液の乱流熱伝導率であり、cは融液の比熱であり、Pr t はプラントル数であり、ρは融液の密度であり、dは融液を貯留するるつぼ壁からの距離であり、kは 融液の平均流速に対する変動成分の二乗和である。
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