JP4105668B2 - 建物 - Google Patents

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本発明は、建物に係り、特に大型の収納空間を備えたものに関する。
大型の収納室を備えた建物の一例として、特許文献1に記載のものが知られている。この建物では、1階と2階との間に収納室(収納空間)が設けられており、この収納室に隣接して居室が設けられている。この収納室の天井高は1.4m程度であり、収納室への出入口は居室に面して設けられている。したがって、収納室へは居室から出入口を通って自由に出入りでき、また、収納室の天井高が1.4m程度あるので、大人でも腰を屈めた状態で出入りできるとともに、収納室内での作業も比較的容易に行うことができる。
特開2004−11336号公報
ところで、上記のような建物では、収納室の下方にも1階の部屋が設けられているが、この部屋用の照明や空調等の設備を何処に設けるかについては、前記特許文献1には記載されていない。部屋用の照明や空調等の設備は、通常その部屋の天井や壁に設けるのが一般的である。
したがって、上記のような建物でも、収納室の下方の部屋用の設備を、その部屋の天井や壁に設けると、この設備が部屋に突出してしまい、見映えがよくないばかりか、邪魔になる場合もある。
また、天井に設備を設けた場合、設備のメンテナンスをする際に、梯子や脚立が必要となったり、場合によっては天井裏に上る必要があり、非常に手間がかかる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、部屋用の設備を部屋に突出させることなく、かつ、設備のメンテナンスも容易となる建物を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、天井高が0.9〜1.4mの収納空間3を備え、この収納空間3の床3aの下方に部屋1が設けられた建物において、
前記部屋1用の照明5が前記収納空間3に設けられており、前記収納空間3の床3aに前記照明5の機能を前記部屋1に導入するための開口部6が設けられており、
前記照明5は前記開口部6に臨んでいることを特徴とする。
ここで、前記収納空間3への出入口は、該収納空間3を形成する壁に設けるのが望ましい。その場合、この出入口は、例えば、居室や、階段の踊り場等に面して設ける。これによって収納空間3に容易に出入りできる。
請求項1に記載の発明によれば、照明5が収納空間3に設けられており、照明5の機能は収納空間3の床3aに設けられた開口部6から下方の部屋2に導入できるので、照明5が部屋1に突出するのを防止できる。
また、収納空間3に入って照明5のメンテナンスを行えるので、メンテナンスが容易となる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の建物において、
前記照明5を覆うカバー部材が前記収納空間3の床3aまたは前記第2の部屋2の床2aに取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする。
ここで、カバー部材は、樹脂、属、合板等でボックス状に形成した比較的硬質なものが望ましいが、樹脂シートなどの比較的柔軟な素材で形成してもよい。カバー部材をボックス状に形成すれば、その上を棚としても利用できる。
請求項に記載の発明によれば、カバー部材を取り付けることによって、照明5を保護できるとともに、収納空間3内の塵等が開口部を通して下方の部屋1または上方の第2の部屋2に侵入するのを防止できる。また、カバー部材を取り外すことによって、照明5のメンテナンスや設備の取り替え等を容易に行うことができる。
請求項に記載の発明は、例えば図3(a),(b)に示すように、請求項に記載の建物において、
前記カバー部材7の少なくとも一部は透光性を有していることを特徴とする。
ここで、「カバー部材の少なくとも一部は透光性を有している」とは、カバー部材の少なくとも一部が透光性を有する素材で形成されているのは勿論のこと、カバー部材の一部に光を通すことが可能な開口部が形成されている場合も含む。
請求項に記載の発明によれば、カバー部材7の少なくとも一部は透光性を有しているので、設備5が照明設備である場合に、その光を収納空間3にも導入することができ、収納空間3を照らすことができる。
本発明によれば、天井高が0.9〜1.4mの収納空間の床の下方に設けられた部屋用の照明が該収納空間に設けられており、この収納空間の床に照明の機能を前記部屋に導入するための開口部が設けられているので、照明の機能はこの開口部から下方の部屋に導入できるので、照明が部屋に突出するのを防止できる。したがって、部屋の天井や壁面がスッキリとしたものとなる。
また、梯子や脚立等を使用することなく、収納空間に入って照明のメンテナンスを行えるので、メンテナンスが容易となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る建物の概略構成を示す断面図である。この図に示す建物は、2階建ての建物であり、1階の部屋1と2階の第2の部屋2との間に収納空間3が設けられている。収納空間3の天井高は、0.9〜1.4m程度に設定されており、この収納空間3に隣接して居室4が設けられている。この居室4の床4aと、収納空間3の床3aとは同レベルに位置しており、収納空間3への出入口は収納空間3と居室4とを仕切る壁に設けられており、さらに居室4に面している。したがって、収納空間3には、居室4から出入口を通って出入り可能となっている。なお、収納空間3の天井高は0.9〜1.4m程度に設定されているので、大人が腰を屈めた状態で収納空間3に出入りできるとともに、収納空間3で作業できるようになっている。また、収納空間3に椅子等を載置すれば、大人が椅子に座って作業できるようになっている。
また、前記収納空間3には、1階の部屋1用の設備5が設けられている。すなわち、図2に示すように、収納空間3の床3aの中央部には、開口部6が床3aを貫通して形成されており、この開口部6に臨むようにして設備5が床3aに設けられている。開口部6は設備5の機能を部屋1に導入するためのものであり、設備5の大きさに合わせて形成されている。
設備5は、例えば、照明設備や空調設備であり、設備5の周囲に設けられた支持部5aを開口部6周囲の床3aに設置することによって、開口部6に臨むようにして設備5が床3aに設けられている。
また、収納空間3の床3aには、設備5を覆うカバー部材7が取り外し可能に取り付けられている。このカバー部材7は、樹脂等によってボックス状に形成されたもので、比較的硬質なものとなっている。また、カバー部材7は設備5とともに、開口部6を覆うようになっている。カバー部材7を床3aに取り外し可能に取り付けるには、例えば、床面3aにリング状の受け材を開口部6を囲むようにして固定しておき、この受け部に前記カバー部材7を取り外し可能となるように嵌め込めばよい。
ここで、設備5が照明設備である場合、図3(a)に示すように、照明ランプ5bを支持部5cによって開口部6に臨ませた状態で、床3aに支持させる。支持部5bは照明ランプ5bが取り付けられる取付部から放射状に延びるようにして複数形成されたものである。また、カバー部材7は、その全体が透明または半透明の透光性を有する樹脂によってボックス状に形成されたものである。
したがって、照明ランプから照射される光は開口部6を通して、直接照明として下の部屋1を照らすが、光の一部は透光性を有するカバー部材7を通して、収納空間3にも導入されて、該収納空間3を照らすことができる。
また、設備5が間接照明である場合、図3(b)に示すように、開口部6の周囲の床面上に、照明ランプ5dを設置すればよい。この場合、照明ランプ5dから照射される光は開口部6の内周面等を反射して、下の部屋1を間接的に照らす。また、光の一部は透光性を有するカバー部材7を通して、収納空間3にも導入されて、該収納空間3を照らすことができる。
さらに、設備5が空調設備である場合、図3(c)に示すように、空調設備5を支持部5aによって開口部6に臨ませた状態で、床3aに支持させる。支持部5bは空調設備5の周囲に形成されたリング状のものである。また、カバー部材7は、樹脂や金属によってボックス状に形成されたものであり、その側面には換気口7aが複数形成されている。この換気口7aには図示は省略するが、ガラリが設けられている。
したがって、空調設備5から供給される空気は開口部6を通して下の部屋1に導入されるが、空気の一部はカバー部材7の換気口7aを通して、収納空間3にも導入することができる。
また、設備5が床3aから突出しない照明設備の場合、図3(d)に示すように、開口部6の内周面に内側に突出する突出部6aを形成しておき、この突出部6aに照明設備5の枠5eを設置すればよい。枠5eの内部には、照明ランプ5fが設けられている。また、枠5eの上部開口部には蓋5gが取り付けられており、下部開口部にはカバー5hが取り付けられている。蓋5fおよびカバー5gは、それぞれ透明または半透明の透光性を有する樹脂によって形成されている。また、蓋5gの上面は床3aの床面とほぼ面一になっており、カバー5hは床3aの下面より若干下方に位置している。
このような照明設備5では、照明ランプ5fから照射される光は開口部6を通して、直接照明として下の部屋1を照らすが、光の一部は透光性を有する蓋5gを通して、収納空間3にも導入されて、該収納空間3を照らすことができる。
本実施の形態によれば、天井高が0.9〜1.4mの収納空間3の床3の下方に設けられた部屋1用の設備5が該収納空間3に設けられており、この収納空間3の床3aに設備5の機能を部屋1に導入するための開口部6が設けられているので、設備5の機能はこの開口部6から下方の部屋1に導入できるので、設備5が部屋1に突出するのを防止できる。したがって、部屋1の天井や壁面がスッキリとしたものとなる。
また、梯子や脚立等を使用することなく、収納空間3に入って設備のメンテナンスや交換作業を行えるので、それらの作業が容易となる。
また、カバー部材7を取り付けることによって、設備5を保護できるとともに、収納空間3内の塵等が開口部6を通して下方の部屋1に侵入するのを防止できる。また、カバー部材7を取り外すことによって、設備5のメンテナンスや取り替え等を容易に行うことができる。
図4は、本発明の他の実施の形態を示すもので、建物の要部の断面図である。この実施の形態では、図1〜図3に示した実施の形態と同様に、1階の部屋1と2階の第2の部屋2との間に収納空間3が設けられている。
そして、収納空間3の床3aの壁際に設備5,5がそれぞれ設けられている。すなわち、収納空間3の壁際に位置する床3aには、開口部10,10が床3aを貫通して形成されており、この開口部10に臨むよにして設備5が床3aに設けられている。開口部10は設備5の機能を部屋1に導入するためのものであり、設備5の大きさに合わせて形成されている。
設備5,5は空調設備であり、例えば一方の空調設備5が吹き出し側となっており、他方の空調設備5は吸い込み側となるような24時間換気型の空調設備である。また、空調設備5には、図5に示すように、ダクト5eが接続されており、このダクト5eから空調設備5に新鮮な空気が送り込まれ、一方、部屋1内の使用済みの空気が送り出されるようになっている。
また、収納空間3の床3aには、設備5を覆うカバー部材11が取り外し可能に取り付けられている。このカバー部材11は、樹脂や金属等によってボックス状に形成されたもので、比較的硬質なものとなっている。また、カバー部材11は設備5やダクト5eとともに、開口部10を覆うようになっている。
また、カバー部材11の側面には、図示しない換気口が複数形成されている。この換気口にはガラリが設けられている。
したがって、空調設備5から供給される空気は開口部10を通して下の部屋1に導入されるが、空気の一部はカバー部材11の換気口を通して、収納空間3にも導入することができる。
前記カバー部材11の上方には、棚12が設けられている。この棚12はカバー部材11の長手方向に沿って延在するものであり、カバー部材11の上面と、棚12の上面とで2段の収納棚を構成している。
また、収納空間3には、図4に示すように、第2の部屋2の床2aの裏面側の壁際に設備15,15がそれぞれ設けられている。すなわち、収納空間3の壁際に位置する床2aには、開口部16,16が床2aを貫通して形成されており、この開口部16に臨むよにして設備15が床2aの裏面側に設けられている。開口部16は設備15の機能を上の第2の部屋2に導入するためのものであり、設備15の大きさに合わせて形成されている。
また、床2aの裏面には、設備15を覆うカバー部材11が取り外し可能に取り付けられている。このカバー部材11は、樹脂や金属等によってボックス状に形成されたもので、比較的硬質なものとなっている。また、カバー部材11は設備15とともに、開口部10を覆うようになっている。
また、カバー部材11の側面には、図示しない換気口が複数形成されている。この換気口にはガラリが設けられている。
したがって、空調設備15から供給される空気は開口部16を通して2の部屋2に導入されるが、空気の一部はカバー部材11の換気口を通して、収納空間3にも導入することができる。なお、設備15,15は上記設備5,5と同様に24時間換気型の空調設備で
あるが、床2aの壁際から上方に空気を吹き出すので、特に暖房用の空調設備とするのが望ましい。
本実施の形態によれば、上記図1〜図3に示す実施の形態と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、設備5,15が収納空間3の壁際に設けられているのでさほど邪魔にならないという効果を得ることができる。
また、設備5,15が空調設備であるので、収納空間3の床3aの下方に設けられた部屋1や収納空間3の上に設けられた第2の部屋2の壁に沿って空気が流れるので、空調を効果的に効かせることができる。
なお、本実施の形態では、設備5,15を空調設備としたが、設備5,15は照明設備であってもよい。この場合、照明設備の光が部屋1または第2の部屋2の壁に反射して部屋1,2に届くので、照明設備を間接照明として使用する場合に好適である。
本発明に係る建物の一例を示すもので、その概略構成を示す断面図である。 同、建物の要部の断面図である。 同、収納空間の床に設備を設けた状態を示す断面図である。 本発明に係る建物の他の一例を示すもので、建物の要部の断面図である。 同、収納空間の要部を示す斜視図である。
符号の説明
1 部屋
2 第2の部屋
2a 第2の部屋の床
3 収納空間
3a 収納空間の床
5,15 設備
6,10,16 開口部
7,11 カバー部材
7a 換気口

Claims (3)

  1. 天井高が0.9〜1.4mの収納空間を備え、この収納空間の床の下方に部屋が設けられた建物において、
    前記部屋用の照明が前記収納空間に設けられており、前記収納空間の床に前記照明の機能を前記部屋に導入するための開口部が設けられており、
    前記照明は前記開口部に臨んでいることを特徴とする建物。
  2. 請求項1に記載の建物において、
    前記照明を覆うカバー部材が前記収納空間の床または前記第2の部屋の床に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする建物。
  3. 請求項に記載の建物において、
    前記カバー部材の少なくとも一部は透光性を有していることを特徴とする建物。
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