JP4104936B2 - 逆光補正制御装置、逆光補正制御方法 - Google Patents

逆光補正制御装置、逆光補正制御方法

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、監視カメラ等のビデオカメラにおいて逆光状態でも最適な露光が得られるようにする逆光補正制御装置およびそ逆光補正制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に監視等で用いられるビデオカメラは、逆光状態で見たい部分の露光が十分に得られない場合、ある一定値で露光量を大きく設定するか、見たい部分に映像信号の撮像エリアを設定し、その撮像エリア内の明るさの信号に基づいて露光制御を行うことにより、逆光状態であっても見たい部分の露光量が最適となるような逆行補正を行っている。
【0003】
特に、撮像エリアを設定する方式は見たい部分が撮像エリア内となるように設定することにより、撮像エリア外の明るさに影響されず画面全体の明るさ(露光)を最適に制御することができる。
【0004】
逆行補正の制御方法の従来技術として、特開平6−197268号公報を挙げて簡単に説明する。この逆行補正の方法は、設定撮像(受光)エリアを一種類とし、被写体の状況によってその撮像エリアを任意の位置に移動できるようにしたものである。撮像エリアは任意の位置に設定できるものの、カメラや被写体の状況に応じて自動的に最適な位置に切り換えることができないため、単に撮像エリアを選択して設定する場合と機能的に何ら変わりはない。
【0005】
このため、被写体が移動した場合やカメラを動かして画角を変えて見たい部分が設定撮像エリアから外れた場合に、見たい部分の明るさ(露光)を最適に制御できなくなり、その都度手動で設定撮像エリアの設定を変更しなければならず手間がかかった。また、カメラが手の届かない場所にある場合は事実上設定の変更は不可能であった。カメラを遠隔地から制御できるシステムを構築する方法もあるが制御線の引き込み、システムでの機能対応を考えるとコストアップとなり現実的ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の逆光補正は、見たい部分が設定した撮像エリアから外れた場合に、見たい部分の明るさを最適にするには、その都度手動で設定する撮像エリアの変更をしなければならず、カメラが手の届かない場所にある場合の変更は困難であった。
【0007】
この発明の目的は、様々な条件下においても逆光状態を自動的に判定し、映像出力信号の明るさ(露光)が最適になるよう制御できるビデオカメラの逆光補正制御装置および逆光補正制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、この発明に係る逆光補正装置では、被写体を撮像した映像信号の撮像エリアを複数に分割し、分割された前記撮像エリア毎の明るさを検出する第1の手段と、前記複数の撮像エリアの中で所定の撮像エリアを選択し、選択された撮像エリア内の明るさ信号および撮像エリア外の明るさ信号を検出する第2の手段と、前記第2の手段により検出された前記撮像エリア内外の明るさの比率またはコントラスト差を計算する手段と、前記計算手段より得られる結果に基づき逆光状態であると判断したとき、前記選択した撮像エリア内の明るさを基に撮像装置の露光量を調整する手段とを具備したことを特徴とする。
【0009】
また、被写体を撮像した映像信号の撮像エリアを複数に分割し、分割された前記記撮像エリア毎の明るさを検出する手段と、前記複数の撮像エリアの中から任意の組み合わせあるいはそれぞれ個々の撮像エリア毎の撮像エリア内外の明るさの比率あるいはコントラスト差を計算する手段と、前記手段の計算結果に基づき、前記複数の撮像エリア内の逆光状態を判定してその度合を比較する手段と、前記比較手段より得られた結果に基づき、各撮像エリア内の明るさの検出信号に重みを付けて前記各明るさ検出信号を加算する手段と、前記加算する手段より得られた出力に基づきビデオカメラの露光量を調整する手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態における撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は入力される被写体の露光量を調整するための絞り機能を備えたレンズである。このレンズ1で撮像する露光量を、絞り機能を制御することにより多段階に調整できる。レンズ1で露光量が調整された映像は、例えばCCD(Charge-Coupled Devices)の撮像素子2へ導かれ、この撮像素子2によって光電変換されてアナログ映像信号となる。撮像素子2は電子シャッター機能を有し、多段階のシャッター速度の設定が可能である。
【0012】
露光調整としては、レンズ絞りの代わりに電子シャッター機能を用いることも可能である。また、ここでは記載していないが映像信号回路内のAGCアンプの利得を制御することにより露光を調整する方法もある。
【0013】
撮像素子2から出力された信号は、サンプル/ホールド回路3を介して画素単位でサンプルホールドされて画素信号として取り出してA/D変換器4に入力し、ここでデジタル信号に変換する。このデジタル信号は、信号処理回路5へ供給してガンマやホワイトバランスなどの映像信号処理が施される。
【0014】
信号処理回路5の出力は、NTSCエンコーダ6でNTSC信号にエンコードされた後、D/A変換器7でアナログ映像信号に変換されて最終映像信号として出力する。
【0015】
信号処理回路5の映像信号の一部は明るさ検出回路10に供給し、画面全体の明るさを検出した明るさ検出信号Yaを出力する。明るさ検出信号Yaは撮像エリア制御回路11、切換スイッチ9の固定端子9aにそれぞれ供給する。撮像エリア制御回路11では、ビデオカメラのスイッチまたはメニューなどでユーザが設定した映像信号の撮像エリア内の明るさYnと撮像エリア外の明るさ信号Yeを出力する。明るさ信号Ynは、明るさデータ補正回路12および逆光度計算回路13にそれぞれ供給する。明るさ信号Yeは逆光度計算回路13に供給する。逆光度計算回路13では、撮像エリア内の明るさ信号Ynと撮像エリア外の明るさ信号Yeの比率を計算した結果を逆光度Kとして出力する。
【0016】
ここで、逆光度Kを求める計算は、例えば(Yn×α)/(Ye×β)に表される式で求める。なお、αは、全画面の面積/撮像エリア内の面積であり、βは、全画面の面積/撮像エリア外の面積であり、明るさ信号Yn,Yeの値を面積の大きさに依存することがないように全画面相当に換算するための補正係数である。
【0017】
逆光度Kは、逆光度の大きさ比較判定する判定回路14に入力する。判定回路14の判定結果に基づき、明るさデータが明るさデータ補正回路12において撮像エリア内の明るさYnに基づいて補正された補正後の信号に重み付け回路15で重みを付された重み付け信号Ycを出力する。重み付け信号Ycは固定端子9bに供給する。
【0018】
切換スイッチ9は逆光補正ON/OFFを設定する制御信号Csよって選択された信号を、可動端子9cよりレンズ制御回路8に供給する。レンズ制御回路8は切換スイッチ9から出力される信号に基づいてレンズ1の絞りを制御することにより、映像信号の露光制御を行う。
【0019】
切換スイッチ9が固定端子9aに切り換えられた逆光補正しないOFF設定の場合は、レンズ制御回路8には全画面の明るさ検出信号Yaを供給する。また、切換スイッチ9が固定端子9bに切り換えられた逆光補正するON設定の場合は、撮像エリア内に基づく重み付け信号Ycを供給する。
【0020】
この発明の逆光補正制御方法について図2のフローチャートを用いながら説明する。
最初に各撮像エリア内の明るさYn、エリア外の明るさYeを検出する(S1)。次に、エリア設定毎に逆光度Kを、(Yn×α)/(Ye×β)=Kで計算する(S2)。逆光度Kが1より大きい場合は、撮像エリア外がエリア内より明るい状況であり、この場合は必ず逆光である。エリア設定1については(Yn1×α1)/(Ye1×β1)=K1で、エリア設定2については(Yn2×α2)/(Ye2×β2)=K2で、というように、各グループに逆光度Kの大きい撮像エリアを袖出する(S3)。ただし、K>1の逆光状態であるものの中からとする。
【0021】
撮像エリア分割が図3の場合は、エリア設定1がK1、エリア設定2がK2、エリア設定3がK3、エリア設定4がK4、エリア設定5がK5、エリア設定6がK6となる。ここでグループ毎に逆光度が最大のエリアを判定する。例えば、グループAにおいてK2>K1>K3であればエリア設定2(S3)を、グループBにおいてK5>K6>K4であればエリア設定5(S4)を選択(抽出)されることになる。そして抽出された撮像エリア2、5の明るさ検出結果Yn2、Yn5に重みを付けて加算する(S5)。
【0022】
さらに、加算した結果、レンズ制御回路8でレンズ1の絞りを制御する重み付け信号Ycを生成し(S6)、ビデオカメラの露光量をレンズ1により制御する。
次に、図3に示す撮像エリア分割例を用いながら重み付けの方法について説明する。
図3(a)に示すように1〜3の撮像エリアに分割する場合、その組み合わせを含めると、図3(b)〜(g)に示す6通りとなる。ここで、同じ面積のエリア設定となるものを1つのグループとする。この例の場合は2種類であり、Aグループとしてエリア設定1〜3、Bグループとしてエリア設定4〜6に分ける。それぞれの撮像エリアの逆光度を計算して各グループ内でその逆光度が最大であるものを判別する。ただし、K>1である。
【0023】
グループAのエリア設定2とグループBのエリア設定5の撮像エリアよりの重み付け信号Ycを計算した結果を図4に示す。ここではグループAの中ではエリア設定2が、グループBの中ではエリア設定5の逆光度が最大であったものとしている。この場合、グループAに対する重みをP、グループBに対する重みをQとすると、重み付け回路15より出力される重み付け信号Ycは、Yc=Yn2×α2×P+Yn5×α5×Qの式で表される。ただし、ここではP+Q=1とする。
【0024】
重みP,Qは、撮像エリア内の面積が大きい(グループ)ほど大きく設定するのが良いことが実験結果で分かっている。例えば、P=0.7、Q=0.3のようにして決めるが、この値は単純に面積比より決定してもよい。その場合はP=2/3、Q=1/3となる。実際にはフィールドテスト等の実験で判断して決定する。
【0025】
ところで、検出エリア(明るさはYn)の面積が大きいほど、検出エリア内とエリア外を被写体が横切る確率が小さくなる。つまり、動く被写体によって検出エリアの明るさYnが変動する確立が少なくなる。その結果Ynを基に計算されるYcの変動も小さくなる。エリアが小さいと被写体がエリア内とエリア外を横切る確率が高くなり、その境界上を行ったり来たりする被写体があると検出エリアの明るさYnが変動し易くなる。そのため、エリアの大きい検出結果(この場合はグループBよりグループB)により大きな重みをつけて画面全体の明るさを制御した方が、より安定した明るさ制御(逆行補正制御)を行うことが可能となる。よって、重みP,Qはエリア領域内の面積が大きい(グループ)ほど大きく設定するのがよい。
【0026】
この実施の形態によれば、被写体の状況に応じて、最適な撮像エリアを自動的に選択して様々な撮像条件下で逆光状態を自動的に判定して映像出力信号の明るさが最適となる逆光補正が実現可能となる。
【0027】
この発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。たとえば撮像エリアの分割のグループは、2種類として説明したかこれに限らず、撮像エリアをさらに細かく分割することによって多くのグループ分けを行って判定し、その結果に基づいて制御することにより、よりよい精度の逆光補正を行うことができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のビデオカメラの逆光補正装置によれば、被写体の状況に応じて、最適な撮像エリアを自動的に選択して様々な撮像条件下で逆光状態を自動的に判定して映像出力信号の明るさが最適となる逆光補正が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態におけるビデオカメラの逆光補正装置の構成について説明するためのブロック図。
【図2】 図1の逆光補正制御の動作について説明するためのフローチャート。
【図3】 この発明における明るさ検出の撮像エリア分割例について説明するための説明図。
【図4】 この発明における撮像エリア制御について説明するための説明図。
【符号の説明】
1・・・レンズ
2・・・撮像素子
3・・・サンプルホールド回路
4・・・A/D変換器
5・・・カメラ信号処理回路
6・・・NTSCエンコーダ
7・・・D/A変換器
8・・・レンズ制御回路
9・・・切換スイッチ
10・・・明るさ検出回路
11・・・撮像エリア制御回路
12・・・明るさデータ補正回路
13・・・逆光度の計算回路
14・・・判定回路
15・・・重み付け回路

Claims (7)

  1. 被写体を撮像した映像信号の撮像エリアを複数に分割し、分割された前記撮像エリア毎の明るさを検出する第1の手段と、
    前記複数の撮像エリアの中で所定の撮像エリアを選択し、選択された撮像エリア内の明るさ信号および撮像エリア外の明るさ信号を検出する第2の手段と、
    前記第2の手段により検出された前記撮像エリア内外の明るさの比率またはコントラスト差を計算する手段と、
    前記計算手段より得られる結果に基づき逆光状態であると判断したとき、前記選択した撮像エリア内の明るさを基に撮像装置の露光量を調整する手段とを具備したことを特徴とする逆光補正装置。
  2. 被写体を撮像した映像信号の撮像エリアを複数に分割し、分割された前記撮像エリア毎の明るさを検出する手段と、
    前記複数の撮像エリアの中から任意の組み合わせあるいはそれぞれ個々の撮像エリア毎の撮像エリア内外の明るさの比率あるいはコントラスト差を計算する手段と、
    前記手段の計算結果に基づき、前記複数の撮像エリア内の逆光状態を判定してその度合を比較する手段と、
    前記比較手段より得られた結果に基づき、各撮像エリア内の明るさの検出信号に重みを付けて前記各明るさ検出信号を加算する手段と、
    前記加算する手段より得られた出力に基づきビデオカメラの露光量を調整する手段とを具備することを特徴とする逆光補正装置。
  3. 前記計算手段から得られる信号の値は、前記撮像エリア外が前記撮像エリア内より明るいときに大きくなるものとし、前記撮像エリア外が前記撮像エリア内より明るく、かつ前記計算手段から得られる信号がある所定の判定基準より大きければ逆光状態であると判定することを特徴とする請求項1または2記載の逆光補正装置。
  4. 前記各撮像エリア内の明るさ信号に重みを付ける手段は、前記計算手段から得られる信号が大きい前記撮像エリア内の信号ほどより大きな重みをつけることを特徴とする請求項2記載の逆光補正装置。
  5. 前記各撮像エリア内の明るさ信号に重みを付ける手段は、前記複数の撮像エリアの中から任意の組み合わせ、あるいはそれぞれ個々の撮像エリアの大きさ(面積)が大きいほど、より大きな重みをつけることを特徴とする請求項2記載の逆光補正装置。
  6. 前記各撮像エリアの組み合わせあるいは、個々の撮像エリアの逆光状態を判定し比較した結果を基に得られた結果に重み付けし、前記信号を基に露光量を調整する手段とを具備することを特徴とする請求項2記載の逆光補正装置。
  7. 露光量調整手段は、レンズ絞りあるいは映像信号回路の増幅器の利得制御あるいは撮像素子の電子シャッター時間を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の逆光補正装置。
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