JP4104754B2 - D/a変換回路、半導体装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
【0002】
本発明は、D/A変換(デジタル/アナログ変換)回路に関する。特に、半導体装置の駆動回路に用いられるD/A変換回路に関する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】
最近安価なガラス基板上に半導体薄膜を形成した半導体装置、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を作製する技術が急速に発達してきている。その理由は、アクティブマトリクス型半導体表示装置(特にアクティブマトリクス型液晶表示装置)の需要が高まってきたことによる。
【0005】
アクティブマトリクス型液晶表示装置は、マトリクス状に配置された数十〜数百万個もの画素領域にそれぞれTFTが配置され、各画素電極に出入りする電荷をTFTのスイッチング機能により制御するものである。
【0006】
その中でも、表示装置の高精細化、高画質化に伴い、高速駆動が可能なデジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置が注目されてきている。
【0007】
従来のデジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置を図14に示す。従来のデジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、図14に示すようにソース信号線側シフトレジスタ1401、デジタルデコーダのアドレス線(a〜d)1402、ラッチ回路(LAT1)1403、ラッチ回路(LAT2)1404、ラッチパルス線1405、D/A変換回路1406、階調電圧線1407、ソース信号線1408、ゲイト信号線側シフトレジスタ1409、ゲイト信号線(走査線)1410、および画素TFT1411などによって構成されている。ここでは、4ビットのデジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置を例にとっている。なお、ラッチ回路(LAT1およびLAT2)は、4個のラッチ回路が便宜上一まとめに示されている。
【0008】
デジタルデコーダのアドレス線(a〜d)1402に供給されるデジタル信号(デジタル階調信号)が、ソース信号線側シフトレジスタからのタイミング信号によりLAT1群に順次書き込まれる。
【0009】
LAT1群に対するデジタル信号の書き込みが一通り終了するまでの時間は、1ライン期間と呼ばれる。すなわち、一番左側のLAT1に対してデジタルデコーダからのデジタル信号の書き込みが開始される時点から、一番右側のLAT1に対してデジタルデコーダからのデジタル信号の書き込みが終了する時点までの時間間隔が1ライン期間である。
【0010】
LAT1群に対するデジタル信号の書き込みが終了した後、ラッチ1群に書き込まれたデジタル信号は、シフトレジスタの動作タイミングに合わせて、ラッチパルス線にラッチパルスが流れた時にLAT2群に一斉に送出され、書き込まれる。
【0011】
デジタル信号をLAT2群に送出し終えたLAT1群には、ソース信号線側シフトレジスタからの信号により、再びデジタルデコーダに供給されるデジタル信号の書き込みが順次行なわれる。
【0012】
この2順目の1ライン期間中には、2順目の1ライン期間の開始に合わせてLAT2群に送出されたデジタル信号に応じた電圧がソース信号線に供給される。ここで例に挙げている駆動回路は、デジタル信号の階調電圧への変換を、D/A変換回路によって16本の階調電圧のうちの一つを選択することによって実行している。
【0013】
選択された階調電圧は、1ライン期間の間対応するソース信号線に供給される。ゲイト信号線側シフトレジスタからの走査信号によって対応するTFTのスイッチングが行われ、液晶分子が駆動される。
【0014】
上述した動作を走査線の数だけ繰り返すことによって1画面(1フレーム)が形成される。一般に、アクティブマトリクス型液晶表示装置装置では、1秒間に60フレームの画像の書き換えが行われている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ここで、上述したデジタル駆動回路に用いられている従来のD/A変換回路を説明する。図15を参照する。
【0017】
従来の4ビットのD/A変換回路は、複数のスイッチ(sw0〜sw15)および階調電圧線(V0〜V15)を備えている。LAT2群から供給される4ビットのデジタル信号によって複数のスイッチ(sw0〜sw15)のうち1つが選択され、選択されたスイッチに接続されている階調電圧線からソース信号線1407に電圧が供給される仕組みになっている。
【0018】
このようなD/A変換回路が、1本のソース信号線に対して1つ備えられている。
【0019】
ここで説明している従来の4ビットのD/A変換回路の場合、スイッチの数は16個であり、階調電圧線の数は16本である。実際のアクティブマトリクス型液晶表示装置においては、スイッチの面積は大きく、駆動回路全体の面積が大きくなってしまう。
【0020】
ここで、従来用いられている4ビットのD/A変換回路の別の例を取りあげてみる。図16を参照する。図16に示されている4ビットのD/A変換回路は、先に説明した4ビットのD/A変換回路と同じように、LAT2群から供給される4ビットのデジタル信号によって複数のスイッチ(sw0〜sw15)のうち1つが選択され、選択されたスイッチに接続されている階調電圧線からソース信号線に電圧が供給される仕組みになっている。
【0021】
図16に示されるD/A変換回路は、階調電圧線の本数は、5本(V0〜V4)であり、先に説明した図15に示されるような4ビットのD/A変換回路よりも少ない。しかし、スイッチの数は16個である。よって、駆動回路全体の面積の縮小を図ることはできない。
【0022】
ここでは、4ビットのデジタル信号を扱うD/A変換回路について説明しているが、ビット数が増えると、スイッチの数は指数関数的に増加していく。つまり、nビットのデジタル信号を扱う従来のD/A変換回路においては、2n 個のスイッチが必要となってしまう。したがって、駆動回路の面積が大きくなってしまう。
【0023】
上述したような駆動回路の面積が大きいことが、半導体表示装置、特にアクティブマトリクス型液晶表示装置の小型化の妨げの原因の一つとなっている。
【0024】
また、半導体表示装置の高精細化のためには、画素数の増加、つまりはソース信号線の増加が必要となってくる。しかし、上述したように、ソース信号線が増加すると、D/A変換回路の数も増加することになり、駆動回路の面積は増大し、このことが高精細化への妨げの原因の一つとなっている。
【0025】
上述した理由により、面積の小さいD/A変換回路が切望されている。
【0026】
そこで、本発明は上述した問題を鑑みてなされたものであり、面積の小さいD/A変換回路を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明のある実施形態によると、
入力されるnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に対応する階調電圧が出力線に供給されるD/A変換回路であって、
前記nビットのデジタル信号を上位xビットと下位yビットとに分割し(x+y=n;x、yは共に自然数)、
前記nビットのデジタル信号の上位xビットによって(2x +1)本の階調電圧線のうち隣り合う2本の階調電圧線が選択され、
選択された前記隣り合う2本の階調電圧線の階調電圧から、2y 通りの階調電圧が作り出され、
前記nビットのデジタル信号の下位yビットによって、前記2y 通りの階調電圧のうち対応する階調電圧が出力線に供給されることを特徴とするD/A変換回路が提供される。このことによって上記目的が達成される。
【0029】
前記D/A変換回路は、薄膜トランジスタを用いて絶縁基板上に形成されてもよい。
【0030】
また、本発明のある実施形態によると、
入力されるnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に対応する階調電圧が出力線に供給されるD/A変換回路であって、
前記nビットのデジタル信号を上位xビットと下位yビットとに分割し(x+y=n;x、yは共に自然数)、
前記nビットのデジタル信号の上位xビットによって(2x +1)本の階調電圧線のうち、第1〜第(2x +1)の階調電圧線に向かってより高い電圧が供給されている第zおよび第(z+1)の階調電圧線が選択され(1≦z≦2x ;zは自然数)、
選択された前記第zおよび第(z+1)の階調電圧線の階調電圧から、2y 通りの階調電圧が作り出され、
前記nビットのデジタル信号の下位yビットによって、前記2y 通りの階調電圧のうち対応する階調電圧が出力線に供給されることを特徴とするD/A変換回路が提供される。このことによって上記目的が達成される。
【0031】
前記D/A変換回路は、薄膜トランジスタを用いて絶縁基板上に形成されてもよい。
【0032】
また、本発明のある実施形態によると、
マトリクス状に配置された複数のTFTと、
前記複数のTFTを駆動するソース信号線側駆動回路とゲイト信号線側駆動回路と、
を備えた半導体装置であって、
前期ソース信号線側駆動回路は、入力されるnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に対応する階調電圧が出力線に供給されるD/A変換回路を備えており、
前記nビットのデジタル信号を上位xビットと下位yビットとに分割し(x+y=n;x、yは共に自然数)、
前記nビットのデジタル信号の上位xビットによって(2x +1)本の階調電圧線のうち隣り合う2本の階調電圧線が選択され、
選択された前記隣り合う2本の階調電圧線の階調電圧から、2y 通りの階調電圧が作り出され、
前記nビットのデジタル信号の下位yビットによって、前記2y 通りの階調電圧のうち対応する階調電圧が出力線に供給されることを特徴とする半導体装置が提供される。このことによって上記目的が達成される。
【0033】
また、本発明のある実施形態によると、
マトリクス状に配置された複数のTFTと、
前記複数のTFTを駆動するソース信号線側駆動回路とゲイト信号線側駆動回路と、
を備えた半導体装置であって、
前記ソース信号線側駆動回路は、入力されるnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に対応する階調電圧が出力線に供給されるD/A変換回路を備えた駆動回路を有する半導体装置であって、
前記nビットのデジタル信号を上位xビットと下位yビットとに分割し(x+y=n;x、yは共に自然数)、
前記nビットのデジタル信号の上位xビットによって(2x +1)本の階調電圧線のうち、第1〜第(2x +1)の階調電圧線に向かってより高い電圧が供給されている第zおよび第(z+1)の階調電圧線が選択され(1≦z≦2x ;zは自然数)、
選択された前記第zおよび第(z+1)の階調電圧線の階調電圧から、2y 通りの階調電圧が作り出され、
前記nビットのデジタル信号の下位yビットによって、前記2y 通りの階調電圧のうち対応する階調電圧が出力線に供給されることを特徴とする半導体装置が提供される。このことによって上記目的が達成される。
【0034】
また、本発明のある実施形態によると、
複数のTFTと、
前記複数のTFTを駆動するソース信号線側駆動回路とゲイト信号線側駆動回路と、
を備えた半導体装置であって、
前記ソース信号線側駆動回路は、入力されるnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に対応する階調電圧が出力線に供給されるD/A変換回路を備えた駆動回路を有する半導体装置であって、
前記nビットのデジタル信号を上位xビットと下位yビットとに分割し(x+y=n;x、yは共に自然数)、
前記nビットのデジタル信号の上位xビットによって(2x +1)本の階調電圧線のうち、第1〜第(2x +1)の階調電圧線に向かってより高い電圧が供給されている第zおよび第(z+1)の階調電圧線が選択され(1≦z≦2x ;zは自然数)、
選択された前記第zおよび第(z+1)の階調電圧線の階調電圧から、2y 通りの階調電圧が作り出され、
前記nビットのデジタル信号の下位yビットによって、前記2y 通りの階調電圧のうち対応する階調電圧が出力線に供給されることを特徴とする半導体装置が提供される。このことによって上記目的が達成される。
【0035】
前記複数のTFTと、前記ソース信号線側駆動回路と、前記ゲイト信号線側駆動回路とは、薄膜トランジスタを用いて絶縁基板上に一体形成されてもよい。
【0036】
ここで、以下の実施例をもって本発明のD/A変換回路の詳細について説明する。ただし、以下の実施例に記載されているD/A変換回路は、本発明のある実施形態であり、本発明のD/A変換回路は、これらに限定されるわけではない。
【0037】
【実施例】
【0038】
(実施例1)
【0039】
本実施例では、本発明のD/A変換回路のある実施形態について説明する。本実施例では、画素数が、横800×縦600であるアクティブマトリクス型液晶表示装置を用いて、そのソース信号線側駆動回路に備えられたデジタル信号をアナログ階調信号(階調電圧)に変換するD/A変換回路の詳細について説明する。
【0040】
また、本実施例では4ビットのデジタル信号を処理するD/A変換回路を例にとって説明するが、本発明のD/A変換回路は、これに限定されるわけではなく、2ビット以上のデジタル信号を処理するD/A変換回路が実現される。
【0041】
まず、図1及び図29を参照する。図1及び図29には本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置の概略構成図が示されている。本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、第1のソース信号線側シフトレジスタ101、デジタルデコーダのアドレス線(a、b)102、ラッチ回路(LAT1, 0〜LAT1, 799)103、ラッチ回路(LAT2, 0〜LAT2, 799)104、ラッチパルス線105、第1のD/A変換回路(1st−D/A, 0〜799)106、階調電圧線(V0〜V4)107、第1の出力線108、第2のソース信号線側シフトレジスタ109、デジタルデコーダのアドレス線(c、d)110、ラッチ回路(LAT3, 0〜LAT3, 799)111、ラッチ回路(LAT4, 0〜LAT4, 799)112、ラッチパルス線113、第2のD/A変換回路(2nd−D/A, 0〜2nd−D/A, 799)114、第2の出力線115、ゲイト信号線側駆動回路としてゲイト信号線側シフトレジスタ116、ソース信号線117、ゲイト信号線(走査線)118、および画素TFT119などによって構成されている。
【0042】
まお、図1及び図29では省略してあるが、その他バッファやアナログスイッチなどが適時設けられる。
【0043】
外部から供給される4ビットのデジタル信号のうち、上位2ビットのデジタル信号がアドレス線102のaおよびbに供給され、下位2ビットのデジタル信号がアドレス線110のcおよびdに供給されるようになっている。
【0044】
5本の階調電圧線(V0〜V4)107には、V0〜V4間に印加される電圧を抵抗分割することによって、異なる電圧が供給されるようになっている。また、最も高い電圧がV4に印加されており、最も低い電圧がV0に印加されている。
【0045】
ここで、最も低い電圧が供給される階調電圧線を第1の階調電圧線とし、最も高い電圧が供給される階調電圧線を第5の階調電圧線とする。よって、5本の階調電圧線は、第1〜第5の階調電圧線に向かってより高い電圧が供給されていることがわかる。
【0046】
第1のソース線側シフトレジスタ101は、ラッチ回路LAT1, 0〜LAT1, 799にラッチ信号(タイミング信号)を順次供給する。ラッチ回路LAT1, 0〜LAT1, 799は、第1のソース線側シフトレジスタから供給されるラッチ信号により、アドレス線102のaおよびbからデジタル信号を順次取り込み、保持する。
【0047】
ラッチ回路LAT1, 799へのデジタル信号の取り込みが終了した瞬間に、ラッチパルス線105にラッチ信号が供給され、LAT2, 0〜LAT2, 799の全てのラッチ回路に、LAT1, 0〜LAT1, 799からデジタル信号が同時に取り込まれ、保持される。LAT2, 0〜LAT2, 799に取り込まれたデジタル信号は、1ライン期間の間、第1のD/A変換回路106に送出される。
【0048】
ここで、1つのラッチ回路(LAT1, 0およびLAT2, 0)の回路図を図2に示す。ラッチ回路(LAT1, 0)およびラッチ回路(LAT2, 0)は、それぞれ同じ回路から成っている。
【0049】
LAT1, 0は、クロックドインバータ201、203、204および206、ならびにインバータ202および205から成り、 アドレス線102のaおよびbよりデジタル信号を取り込み、保持する。クロックドインバータ201、203、204および206のスイッチングには、第1のソース信号線側シフトレジスタ101からのラッチ信号(lat1, 0)およびその反転信号(反転lat1,0)が使用される。
【0050】
LAT2, 0は、クロックドインバータ207、209、210および212、ならびにインバータ208および211から成り、 LAT1,0からデジタル信号を取り込み、保持する。クロックドインバータ207、209、210および212のスイッチングには、ラッチパルス線105からのラッチ信号(lat2)およびその反転信号(反転lat2)が使用される。LAT2, 0は、第1のD/A変換回路にデジタル信号を送出する。
【0051】
なお、アドレス線102のaおよびbに供給されるデジタル信号が2段のラッチ回路を経て第1のD/A変換回路106に供給されることから、本実施例では、説明の便宜上、第1のD/A変換回路に接続される信号線をaおよびbと呼んでいる。
【0052】
第1のD/A変換回路(1st−D/A, 0〜1st−D/A, 799)106には、LAT2, 0〜LAT2, 799から2ビットのデジタル信号がそれぞれ供給される。第1のD/A変換回路(1st−D/A, 0〜1st−D/A, 799)106は、供給される2ビットのデジタル信号をアナログ信号(階調電圧)に変換し、第1の出力線108(108−1および108−2)を通じて第2のD/A変換回路(2nd−D/A, 0〜2nd−D/A, 799)114に供給する。
【0053】
第1のソース線側シフトレジスタ101がLAT1, 0〜799へラッチ信号を順次送出するタイミングに同期して、第2のソース線側シフトレジスタ109は、LAT3, 0〜799へラッチ信号を順次送出する。つまり、第1のソース信号線側シフトレジスタがLAT1, 0にラッチ信号を送出するタイミングと、第2のソース信号線側シフトレジスタがLAT3, 0にラッチ信号を送出するタイミングとは同じである。また、第1のソース信号線側シフトレジスタがLAT1, 1にラッチ信号を送出するタイミングと、第2のソース信号線側シフトレジスタがLAT3, 1にラッチ信号を送出するタイミングとも同じである。
【0054】
第2のソース信号線側シフトレジスタ109からのラッチ信号によって、LAT3, 0〜LAT3. 799は、アドレス線110のcおよびdから2ビットのデジタル信号を順次取り込み、保持する。ラッチ回路LAT3, 799へデジタル信号の取り込みが終了した瞬間に、ラッチパルス線113にラッチ信号が供給され、LAT4, 0〜LAT4, 799の全てのラッチ回路がLAT3, 0〜LAT3, 799からデジタル信号を同時に取り込み、保持する。LAT4, 0〜LAT4, 799に取り込まれたデジタル信号は、第2のD/A変換回路114に送出される。
【0055】
第2のD/A変換回路(2nd−D/A, 0〜2nd−D/A, 799)は、第1のD/A変換回路の出力線108から供給される階調電圧と、供給される2ビットのデジタル信号とに基づき、ソース信号線につながる第2の出力線115へ階調電圧を供給する。
【0056】
第2の出力線115へ供給される階調電圧は、バッファ(図示せず)などを通してソース信号線117に供給される。ゲイト信号線側シフトレジスタ116からの走査信号に応じて、対応するゲイト信号線118に接続されている画素TFT119がONとなり、階調電圧が液晶分子に印加される。
【0057】
このようにして、選択された走査線に接続されている全ての画素TFTが一度にONとなり、液晶分子が駆動される。そして、全ての走査線が順次選択され、1フレームの画像が形成される。本実施例では、1秒間に60フレームの画像の形成を行う。
【0058】
ここで、本実施例の第1のD/A変換回路106および第2のD/A変換回路114について、図3および図4を用いて詳しく説明する。
【0059】
図3を参照する。図3は、第1のD/A変換回路106および第2のD/A変換回路114の概略図である。まず、図3を用いて第1のD/A変換回路106および第2のD/A変換回路114の動作を説明する。
【0060】
第1のD/A変換回路106は、4つの内部スイッチ(swA1〜swA4)を含むスイッチ回路swAと、4つの内部スイッチ(swB1〜swB4)を含むスイッチ回路swBと、階調電圧線107(V0〜V4)とによって構成される。第2のD/A変換回路114は、4つの内部スイッチ(swC1〜swC4)を含むスイッチ回路swCと、4つの抵抗(R1〜R4)とによって構成される。なお、ここでは、配線自体が有する固有抵抗は便宜上考慮していない。
【0061】
本実施例においては、swA4はV4に接続されている。swA3およびswB4はV3に接続されている。swA2およびswB3はV2に接続されている。swA1およびswB2はV1に接続されている。また、swB1はV0に接続されている。
【0062】
第1のD/A変換回路106においては、ラッチ回路を経てアドレス線aおよびbから供給される2ビットのデジタル信号が、swAおよびswBを制御する。ラッチ回路を経てアドレス線aおよびbから供給されるデジタル信号に応じて、swAの4つの内部スイッチ(swA1〜swA4)のうち、いずれか一つのスイッチだけが閉じるように設計されており、同時に2以上のスイッチが閉じることはない。また、アドレス線aおよびbから供給されるデジタル信号に応じて、swBの4つの内部スイッチ(swB1〜swB4)のうち、いずれか一つのスイッチだけが閉じるように設計されており、 これらも同時に2以上のスイッチが閉じることはない。さらに、swAの4つの内部スイッチ(swA1〜swA4)とswBの4つの内部スイッチ(swB1〜swB4)とが閉じるタイミングには、次のような関係がある。すなわち、swA1が閉じる時はswB1が閉じ、swA2が閉じる時はswB2が閉じ、swA3が閉じる時はswB3が閉じ、かつswA4が閉じる時はswB4が閉じるように設計されている。従って、swAとswBとによって、常に隣り合う2本の階調電圧線が選択されることになる。このようにして、いかなる2ビットのデジタル信号が入力された場合でも、swAとswBとによって2つの隣り合う階調電圧線が選択され、階調電圧が第1の出力線108(108−1および108−2)に供給される。ここで、swAの4つの内部スイッチによって選択される第1の出力線を、第1の出力線(H)108−1と呼ぶことにし、swBの4つの内部スイッチによって選択される第1の出力線を、第1の出力線(L)108−2と呼ぶことにする。
【0063】
第2のD/A変換回路114においては、ラッチ回路を経てアドレス線cおよびdから供給される2ビットのデジタル信号が、swCを制御する。ラッチ回路を経てアドレス線cおよびdから供給されるデジタル信号に応じて、swCの4つの内部スイッチ(swC1〜swC4)のうち、いずれか一つのスイッチだけが閉じるように設計されている。第1の出力線(H)108−1と第1の出力線(L)108−2とに供給されている階調電圧が第2のD/A変換回路114に印加される。第1の出力線(H)108−1と第1の出力線(L)108−2とは、4つの直列に接続された抵抗(R1〜R4)によって接続されている。第1の出力線(H)108−1と第1の出力線(L)108−2とに供給されている階調電圧から、第2のD/A変換回路の4つの抵抗(R1〜R4)によって異なる4つの階調電圧が作られる。よって、swCの4つの内部スイッチ(swC1〜swC4)のうち、いずれか一つのスイッチが閉じると、対応する階調電圧が第2の出力線115に供給される。第2の出力線115へ供給される階調電圧は、バッファ(図示せず)などを通してソース信号線117に供給される。
【0064】
次に、図4を用いて、本実施例の第1のD/A変換回路106および第2のD/A変換回路114の回路構成について説明する。ただし、図4に示される回路構成は、第1のD/A変換回路および第2のD/A変換回路を実現するための一実施形態にすぎず、これに限定されるわけではない。
【0065】
図4に示されるように本実施例の第1のD/A変換回路106は、16個のNチャネル型TFT(Tr4,1 、Tr4,2 、Tr3,1 、Tr3,2 、Tr3,5 、Tr3,6 、Tr2,1 、Tr2,2 、Tr2,5 、Tr2,6 、Tr1,1 、Tr1,2 、Tr1,5 、Tr1,6 、Tr0,1 、およびTr0,2 )と、16個のPチャネル型TFT(Tr4,3 、Tr4,4 、Tr3,3 、Tr3,4 、Tr3,7 、Tr3,8 、Tr2,3 、Tr2,4 、Tr2,7 、Tr2,8 、Tr1,3 、Tr1,4 、Tr1,7 、Tr1,8 、Tr0,3 、およびTr0,4 )と、5本の階調電圧線(V0〜V4)とを含んでいる。
【0066】
5本の階調電圧線(V0〜V4)107においては、最も高い電圧がV4に印加されており、最も低い電圧がV0に印加されている。
【0067】
5本の階調電圧線(V0〜V4)107には、独立して電圧が供給されても良い。ただし、この場合においても、最も高い電圧がV4に印加され、最も低い電圧がV0に印加されるようにする必要がある。
【0068】
階調電圧線V4に注目すると、2個のNチャネル型TFT(Tr4,1 およびTr4,2 )が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr4,3 およびTr4,4 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が階調電圧線V4に並列に接続されている。また、アドレス線aおよびbからのデジタル信号が、ラッチ回路を経て第1のD/A変換回路に供給されることから、ここでは、説明の便宜上、ラッチ回路から供給される信号線をaおよびbとし、これらの反転信号(反転aおよび反転b)を考える。信号線a、b、反転aおよび反転bは、それぞれTr4,1 、Tr4,2 、Tr4,3 、Tr4,4 のゲイト電極に接続されている。これらの信号線a、b、反転a、および反転bに供給されるデジタル信号によって、Tr4,1 、Tr4,2 、Tr4,3 、Tr4,4 のスイッチングが制御され、これら全てのTFTがONとなった時、階調電圧線V4に供給される電圧が第1の出力線(H)108−1に供給される。
【0069】
次に階調電圧線V3に注目すると、2個のNチャネル型TFT(Tr3,1 およびTr3,2 )が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr3,3 およびTr3,4 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が階調電圧線V3に並列に接続されている。また、ラッチ回路からの信号線a、b、反転a、および反転bは、それぞれTr3,1 、Tr3,4 、Tr3,3 、Tr3,2 のゲイト電極に接続されている。これらの信号線a、b、反転a、および反転bに供給されるデジタル信号によって、Tr3,1 、Tr3,2 、Tr3,3 、Tr3,4 のスイッチングが制御され、これら全てのTFTがONとなった時、階調電圧線V3に供給される電圧が第1の出力線(H)108−1に供給される。
【0070】
また階調電圧線V3においては、2個のNチャネル型TFT(Tr3,5 およびTr3,6 )が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr3,7 およびTr3,8 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が階調電圧線V3にさらに並列に接続されている。また、ラッチ回路からの信号線a、b、反転aおよび反転bは、それぞれTr3,5 、Tr3,6 、Tr3,7 、Tr3,8 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、階調電圧線V3に供給される電圧が第1の出力線(L)108−2に供給される。
【0071】
次に階調電圧線V2に注目すると、2個のNチャネル型TFT(Tr2,1 およびTr2,2 )が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr2,3 およびTr2,4 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が階調電圧線V2に並列に接続されている。また、ラッチ回路からの信号線a、b、反転aおよび反転bは、それぞれTr2,3 、Tr2,2 、Tr2,1 、Tr2,4 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、階調電圧線V2に供給される電圧が第1の出力線(H)108−1に供給される。
【0072】
また階調電圧線V2においては、2個のNチャネル型TFT(Tr2,5 およびTr2,6 )が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr2,7 およびTr2,8 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が階調電圧線V2にさらに並列に接続されている。また、ラッチ回路からの信号線a、b、反転aおよび反転bは、それぞれTr2,5 、Tr2,8 、Tr2,7 、Tr2,6 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、階調電圧線V2に供給される電圧が第1の出力線(L)108−2に供給される。
【0073】
階調電圧線V1においても、上述したような構成の回路が並列に接続されている。そして、ラッチ回路からの信号線a、b、反転aおよび反転bは、それぞれTr1,3 、Tr1,4 、Tr1,1 、Tr1,2 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、階調電圧線V1に供給される電圧が第1の出力線(H)108−1に供給される。また、ラッチ回路からの信号線a、b、反転aおよび反転bは、それぞれTr1,7 、Tr1,6 、Tr1,5 、Tr1,8のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、階調電圧線V1に供給される電圧が第1の出力線(L)108−2に供給される。
【0074】
階調電圧線V0においても、上述したような構成の回路が並列に接続されている。そして、ラッチ回路からの信号線a、b、反転aおよび反転bは、それぞれTr0,3 、Tr0,4 、Tr0,1 、Tr0,2 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、階調電圧線V0に供給される電圧が第1の出力線(L)108−2に供給される。
【0075】
以下の表1に、信号線a、b、反転aおよび反転bに供給されるデジタル信号の組合わせによる、第1の出力線(H)108−1および(L)108−2に出力される階調電圧線の組合わせを示す。
【0076】
【表1】
【0077】
信号線a、b、反転aおよび反転bに入力されるデジタル信号によって、隣り合う2本の階調電圧線が選択され、第1の出力線(H)108−1および第1の出力線(L)108−2に供給されることが表1 に示されている。
【0078】
一方、第2のD/A変換回路114は、8個のNチャネルTFT(Tr5,1 、Tr5,2 、Tr6,1 、Tr6,2 、Tr7,1 、Tr7,2 、Tr8,1 、Tr8,2 )と8個のPチャネルTFT(Tr5,3 、Tr5,4 、Tr6,3 、Tr6,4 、Tr7,3 、Tr7,4 、Tr8,3 、Tr8,4 )と4つの抵抗(R1〜R4)とを含んでいる。
【0079】
第2のD/A変換回路114においては、第1のD/A変換回路106の第1の出力線(H)108−1と第1の出力線(L)108−2とが4つの直列に接続された抵抗(R1〜R4)によって接続されている。このような構成によって、第2のD/A変換回路114は、4つの異なる電圧を作り出している。
【0080】
抵抗R1と抵抗R2との接続点に注目すると、2個のNチャネル型TFT(Tr8,1 およびTr8,2 )が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr8,3 およびTr8,4 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が抵抗R1とR2との接続点に接続されている。また、アドレス線cおよびdからのデジタル信号が、ラッチ回路を経て第2のD/A変換回路に供給されることから、ここでは、説明の便宜上、ラッチ回路から供給される信号線をcおよびdとし、これらの反転信号(反転cおよび反転d)を考える。
【0081】
また、ラッチ回路からの信号線c、d、反転cおよび反転dは、それぞれTr8,1 、Tr8,2、Tr8,3 、Tr8,4 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、第1の出力線(H)108−1に供給される電圧から抵抗R1で電圧降下する分だけを引いた電圧が第2の出力線115に供給される。言い換えると、第2の出力線115に供給される電圧は、第1の出力線(L)108−2に供給される電圧に抵抗(R2+R3+R4)で電圧降下する分だけをたした電圧となる。従って、 第2の出力線に供給される電圧は、出力先の画素TFTの電位にかかわらず一定に保たれる。
【0082】
次に、抵抗R2とR3との接続点に注目すると、2個のNチャネル型TFT(Tr7,1 およびTr7,2 )が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr7,3 およびTr7,4 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が抵抗R2とR3との接続点に接続されている。また、ラッチ回路からの信号線c、d、反転cおよび反転dは、それぞれTr7,1 、Tr7,4 、Tr7,3 、Tr7,2 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、第1の出力線(H)108−1に供給される電圧から抵抗(R1+R2)で電圧降下する分だけを引いた電圧が第2の出力線115に供給される。言い換えると、第2の出力線115に供給される電圧は、第1の出力線(L)108−2に供給される電圧に抵抗(R3+R4)で電圧降下する分だけをたした電圧となる。従って、 この場合も、第2の出力線に供給される電圧は、出力先の画素TFTの電位にかかわらず一定に保たれる。
【0083】
次に、抵抗R3とR4との接続点に注目すると、2個のNチャネル型TFT(Tr6,1 およびTr6,2)が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr6,3 およびTr6,4 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が抵抗R3とR4との接続点に接続されている。また、ラッチ回路からの信号線c、d、反転cおよび反転dは、それぞれTr6,4 、Tr6,2 、Tr6,1 、Tr6,3 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、第1の出力線(H)108−1に供給される電圧から抵抗(R1+R2+R3)で電圧降下する分だけを引いた電圧が第2の出力線115に供給される。言い換えると、第2の出力線115に供給される電圧は、第1の出力線(L)108−2に供給される電圧に抵抗R4で電圧降下する分だけをたした電圧となる。従って、 この場合も、第2の出力線に供給される電圧は、出力先の画素TFTの電位にかかわらず一定に保たれる。
【0084】
次に、抵抗R4と第1の出力線(L)108−2との接続点に注目すると、2個のNチャネル型TFT(Tr5,1 およびTr5,2 )が直列に接続された回路と、2個のPチャネル型TFT(Tr5,3 およびTr5,4 )が直列に接続された回路とが直列に接続されており、前記2つの回路が直列に接続されてできた回路の両端が抵抗R4と第1の出力線(L)108−2との接続点に接続されている。また、ラッチ回路からの信号線c、d、反転cおよび反転dは、それぞれTr5,4 、Tr5,3 、Tr5,2 、Tr5,1 のゲイト電極に接続されている。これら全てのTFTがONとなった時、第1の出力線(H)108−1に供給される電圧から抵抗(R1+R2+R3+R4)で電圧降下する分だけを引いた電圧が第2の出力線115に供給される。言い換えると、第2の出力線115に供給される電圧は、第1の出力線(L)108−2に供給される電圧となる。従って、 この場合も、第2の出力線に供給される電圧は、出力先の画素TFTの電位にかかわらず一定に保たれる。
【0085】
なお、第1のD/A変換回路106の第1の出力線(H)108−1と(L)108−2とから出力される階調電圧線の組み合わせによって、第2のD/A変換回路114に流れる電流は変化する。そこで、第2のD/A変換回路114に流れる電流を表2にI1 〜I4 のように定義する。
【0086】
【表2】
【0087】
ここで、以下の表3に、信号線a、b、c、d、反転a、反転b、反転cおよび反転dに供給されるデジタル信号の組み合わせによる、最終的に第2出力線115に出力される電圧を示す。
【0088】
【表3】
【0089】
信号線a、b、c、d、反転a、反転b、反転cおよび反転dに入力されるデジタル信号によって、16通りの異なる電圧が第2の出力線115に出力されることが表3に示されている。
【0090】
よって、本実施例では、4ビットのデジタル信号のうち上位2ビットのデジタル信号によって4通りの階調電圧を選択することができ、下位4ビットによって選択された階調電圧から更に4通りの階調電圧を出力することができる。よって、4(上位2ビット)×4(下位2ビット)=16通りの階調電圧を任意に選択することができる。
【0091】
また、本実施例のD/A変換回路は、図3からも理解されるように、階調電圧線の本数が5本であり、 しかもスイッチの数が12個である。これは、従来のD/A変換回路と比較して、面積が小さくて済み、駆動回路全体の小型化を実現することができる。さらに、D/A変換回路の小型化が図れることより、アクティブマトリクス液晶表示装置の高精細化をも実現することができる。
【0092】
また、本実施例のD/A変換回路は、上述したように、画素TFTの電位が変化しても第2のD/A変換回路の第2の出力線から供給される電圧は常に安定しているので、安定した電圧を画素TFTに供給することができる。
【0093】
なお、本実施例では、4ビットのデジタル信号を上位2ビットと下位2ビットとに分割し、それぞれがswAおよびswBとswCとのスイッチングを制御するようにしたが、4ビットのデジタル信号の分割はこれに限定されるわけではない。
【0094】
例えば、 上位3ビットをswAおよびswBのスイッチングに使用し、下位1ビットをswCのスイッチングに使用することもできる。この場合、swAおよびswBの内部スイッチの数は、それぞれ8個となり(swA1〜swA8、swB1〜swB8)、階調電圧線の本数は9本(V0〜V8)となる。また、swCの内部スイッチの数は2個(swC1およびswC2)となり、抵抗の数は2個(R1およびR2)となる。swAに3ビットのデジタル信号が入力され、swAの8個の内部スイッチのうち1つが閉じ、1つの階調電圧線が選択され、その電圧が第1の出力線(H)に供給される。また、swBに3ビットのデジタル信号が入力され、swBの8個の内部スイッチのうち1つが閉じ、1つの階調電圧線が選択され、その電圧が第1の出力線(L)に供給される。swCには1ビットのデジタル信号が入力され、swCの2個の内部スイッチのうち1つが閉じ、対応する階調電圧が第2の出力線に供給される。第2の出力線へ供給される階調電圧は、バッファなどを通してソース信号線に供給される。
【0095】
また、本実施例では、4ビットのデジタル信号を扱うD/A変換回路について説明したが、本発明によると、nビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号を扱うD/A変換回路が実現され得る。この場合、nビットのデジタル信号を、上位xビットと下位yビットとに分割して捉えることができる(x+y=n)。この場合、swAの内部スイッチの数は2x 個(swA1〜swA2x )となり、swBの内部スイッチの数も同じく2x 個(swB1〜swB2x )となる。また、階調電圧線の本数は(2x +1)本となる。さらに、swCの内部スイッチの数は2y 個(swC1〜swC2y )となり、抵抗の数も2y 個(R1〜R2y )となる。
【0096】
ここで、(2x +1)本の階調電圧線において、最も低い電圧が印加されている階調電圧線を第1の階調電圧線とし、最も高い電圧が印加されている階調電圧線を第(2x +1)の階調電圧線とすることができる。この場合、 第1〜第(2x +1)の階調電圧線に向かってより高い電圧が供給されていることになる。
【0097】
nビットのデジタル信号の上位xビットによって(2x +1)本の階調電圧線のうち、第zおよび第(z+1)の階調電圧線が選択され(1≦z≦2x ;zは自然数)、第1の出力線(H)および(L)にそれらの階調電圧が出力されるとすると、 選択された第zと第(z+1)との階調電圧線に供給されている階調電圧から、第2のD/A変換回路の2y 個の抵抗(R1〜R2y )によって異なる2y の階調電圧が作られる。そして、nビットのデジタル信号の下位yビットによって、2y の電圧のうち対応する電圧が選択され、第2の出力線に供給される。
【0098】
また、上述したように、nビットのデジタル信号を上位xビットと下位yビットとに分割して用いた場合、選択され得る階調電圧の数は、2x (上位xビット)×2y (下位yビット)=2(x+y) =2n となり、この場合も、階調電圧の数を減少させることはない。
【0099】
ここで、本実施例のD/A変換回路を備えたアクティブマトリクス型液晶表示装置の製造方法について以下に述べることにする。なお、以下の製造方法は、本発明の一実施例にすぎず、他の製造方法によっても本発明のD/A変換回路が実現され得る。
【0100】
ここでは、絶縁表面を有する基板上に複数のTFTを形成し、画素マトリクス回路、上述したD/A変換回路を備えた駆動回路、およびロジック回路等をモノリシックに構成する例を図10〜図13に示す。なお、本実施例では、画素マトリクス回路の1つの画素と、他の回路(D/A変換回路を備えた駆動回路、ロジック回路等)の基本回路であるCMOS回路とが同時に形成される様子を示す。また、本実施例では、Pチャネル型TFTとNチャネル型TFTとがそれぞれ1つのゲイト電極を備えている場合について、その作製工程を説明するが、ダブルゲイト型やトリプルゲイト型のような複数のゲイト電極を備えたTFTによるCMOS回路をも同様に作製することができる。
【0101】
図10を参照する。まず、絶縁表面を有する基板として石英基板1001を準備する。石英基板の代わりに熱酸化膜を形成したシリコン基板を用いることもできる。また、石英基板上に一旦非晶質珪素膜を形成し、それを完全に熱酸化して絶縁膜とする様な方法をとっても良い。さらに、絶縁膜として窒化珪素膜を形成した石英基板、セラミックス基板またはシリコン基板を用いても良い。
【0102】
1002は非晶質珪素膜であり、最終的な膜厚(熱酸化後の膜減りを考慮した膜厚)が10〜75nm(好ましくは15〜45nm)となる様に調節する。なお、成膜に際して膜中の不純物濃度の管理を徹底的に行うことは重要である。
【0103】
本実施例の場合、非晶質珪素膜1002中では結晶化を阻害する不純物であるC(炭素)およびN(窒素)の濃度はいずれも5×1018atoms/cm3 未満(代表的には5×1017atoms/cm3 以下、好ましくは2×1017atoms/cm3 以下)、O(酸素)は1.5×1019atoms/cm3 未満(代表的には1×1018atoms/cm3 以下、好ましくは5×1017atoms/cm3 以下)となる様に管理する。なぜならば各不純物がこれ以上の濃度で存在すると、後の結晶化の際に悪影響を及ぼし、結晶化後の膜質を低下させる原因となるからである。本明細書中において膜中の上記の不純物元素濃度は、SIMS(質量2次イオン分析)の測定結果における最小値で定義される。
【0104】
上記構成を得るため、本実施例で用いる減圧熱CVD炉は定期的にドライクリーニングを行い、成膜室の清浄化を図っておくことが望ましい。ドライクリーニングは、200〜400℃程度に加熱した炉内に100〜300sccmのClF3 (フッ化塩素)ガスを流し、熱分解によって生成したフッ素によって成膜室のクリーニングを行えば良い。
【0105】
なお、本出願人の知見によれば炉内温度300℃とし、ClF3 (フッ化塩素)ガスの流量を300sccmとした場合、約2μm厚の付着物(主に珪素を主成分する)を4時間で完全に除去することができる。
【0106】
また、非晶質珪素膜1002中の水素濃度も非常に重要なパラメータであり、水素含有量を低く抑えた方が結晶性の良い膜が得られる様である。そのため、非晶質珪素膜1002の成膜は減圧熱CVD法であることが好ましい。なお、成膜条件を最適化することでプラズマCVD法を用いることも可能である。
【0107】
次に、非晶質珪素膜1002の結晶化工程を行う。結晶化の手段としては特開平7−130652号公報記載の技術を用いる。同公報の実施例1および実施例2のどちらの手段でも良いが、本実施例では、同広報の実施例2に記載した技術内容(特開平8−78329号公報に詳しい)を利用するのが好ましい。
【0108】
特開平8−78329号公報記載の技術は、まず触媒元素の添加領域を選択するマスク絶縁膜1003を形成する。マスク絶縁膜1003は触媒元素を添加するために複数箇所の開口部を有している。この開口部の位置によって結晶領域の位置を決定することができる。
【0109】
そして、非晶質珪素膜の結晶化を助長する触媒元素としてニッケル(Ni)を含有した溶液をスピンコート法により塗布し、Ni含有層1004を形成する。なお、触媒元素としてはニッケル以外にも、コバルト(Co)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、ゲルマニウム(Ge)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)等を用いることができる(図10(A))。
【0110】
また、上記触媒元素の添加工程は、レジストマスクを利用したイオン注入法またはプラズマドーピング法を用いることもできる。この場合、添加領域の占有面積の低減、横成長領域の成長距離の制御が容易となるので、微細化した回路を構成する際に有効な技術となる。
【0111】
次に、触媒元素の添加工程が終了したら、450℃で1時間程度の水素出しの後、不活性雰囲気、水素雰囲気または酸素雰囲気中において500〜700℃(代表的には550〜650℃)の温度で4〜24時間の加熱処理を加えて非晶質珪素膜1002の結晶化を行う。本実施例では窒素雰囲気で570℃で14時間の加熱処理を行う。
【0112】
この時、非晶質珪素膜1002の結晶化はニッケルを添加した領域1005および1006で発生した核から優先的に進行し、基板1001の基板面に対してほぼ平行に成長した結晶領域1007および1008が形成される。この結晶領域1007および1008を横成長領域と呼ぶ。横成長領域は比較的揃った状態で個々の結晶が集合しているため、全体的な結晶性に優れるという利点がある(図10(B))。
【0113】
なお、上述の特開平7−130652号公報の実施例1に記載された技術を用いた場合も微視的には横成長領域と呼びうる領域が形成されている。しかしながら、核発生が面内において不均一に起こるので結晶粒界の制御性の面で難がある。
【0114】
結晶化のための加熱処理が終了したら、マスク絶縁膜1003を除去してパターニングを行い、横成長領域1007および1008でなる島状半導体層(活性層)1009、1010、および1011を形成する(図10(C))。
【0115】
ここで1009はCMOS回路を構成するNチャネル型TFTの活性層、1010はCMOS回路を構成するPチャネル型TFTの活性層、1011は画素マトリクス回路を構成するNチャネル型TFT(画素TFT)の活性層である。
【0116】
活性層1009、1010、および1011を形成したら、その上に珪素を含む絶縁膜でなるゲイト絶縁膜1012を成膜する(図10(C))。
【0117】
そして、次に図10(D)に示す様に触媒元素(ニッケル)を除去または低減するための加熱処理(触媒元素のゲッタリングプロセス)を行う。この加熱処理は処理雰囲気中にハロゲン元素を含ませ、ハロゲン元素による金属元素のゲッタリング効果を利用するものである。
【0118】
なお、ハロゲン元素によるゲッタリング効果を十分に得るためには、上記加熱処理を700℃を超える温度で行なうことが好ましい。この温度以下では処理雰囲気中のハロゲン化合物の分解が困難となり、ゲッタリング効果が得られなくなる恐れがある。
【0119】
そのため本実施例ではこの加熱処理を700℃を超える温度で行い、好ましくは800〜1000℃(代表的には950℃)とし、処理時間は0.1〜6hr、代表的には0.5〜1hrとする。
【0120】
なお、本実施例では酸素雰囲気中に対して塩化水素(HCl)を0.5〜10体積%(本実施例では3体積%)の濃度で含有させた雰囲気中において、950℃で、30分の加熱処理を行う例を示す。HCl濃度を上記濃度以上とすると、活性層1009、1010、および1011の表面に膜厚程度の凹凸が生じてしまうため好ましくない。
【0121】
また、ハロゲン元素を含む化合物してHClガスを用いる例を示したが、それ以外のガスとして、代表的にはHF、NF3 、HBr、Cl2 、ClF3 、BCl2 、F2 、Br2 等のハロゲンを含む化合物から選ばれた一種または複数種のものを用いることができる。
【0122】
この工程においては活性層1009、1010、および1011中のニッケルが塩素の作用によりゲッタリングされ、揮発性の塩化ニッケルとなって大気中へ離脱して除去されると考えられる。そして、この工程により活性層1009、1010、および1011中のニッケルの濃度は5×1017atoms/cm3 以下にまで低減される。
【0123】
なお、5×1017atoms/cm3 という値はSIMS(質量二次イオン分析)の検出下限である。本出願人が試作したTFTを解析した結果、1×1018atoms/cm3 以下(好ましくは5×1017atoms/cm3 以下)ではTFT特性に対するニッケルの影響は確認されなかった。ただし、本明細書中における不純物濃度は、SIMS分析の測定結果の最小値でもって定義される。
【0124】
また、上記加熱処理により活性層1009、1010、および1011とゲイト絶縁膜1012との界面では熱酸化反応が進行し、熱酸化膜の分だけゲイト絶縁膜1012の膜厚は増加する。この様にして熱酸化膜を形成すると、非常に界面準位の少ない半導体/絶縁膜界面を得ることができる。また、活性層端部における熱酸化膜の形成不良(エッジシニング)を防ぐ効果もある。
【0125】
また、触媒元素のゲッタリングプロセスを、マスク絶縁膜1003を除去した後、活性層をパターンニングする前に行なってもよい。また、触媒元素のゲッタリングプロセスを、活性層をパターンニングした後に行なってもよい。また、いずれのゲッタリングプロセスを組み合わせて行なってもよい。
【0126】
なお、触媒元素のゲッタリングプロセスを、P(リン)を用いることによって行うこともできる。このリンによるゲッタリングプロセスを上述したゲッタリングプロセスに組み合わせても良い。また、リンによるゲッタリングプロセスのみを用いても良い。
【0127】
さらに、上記ハロゲン雰囲気における加熱処理を施した後に、窒素雰囲気中で950℃で1時間程度の加熱処理を行なうことで、ゲイト絶縁膜1012の膜質の向上を図ることも有効である。
【0128】
なお、SIMS分析により活性層1009、1010、および1011中にはゲッタリング処理に使用したハロゲン元素が、1×1015atoms/cm3 〜1×1020atoms/cm3 の濃度で残存することも確認されている。また、その際、活性層1009、1010、および1011と加熱処理によって形成される熱酸化膜との間に前述のハロゲン元素が高濃度に分布することがSIMS分析によって確かめられている。
【0129】
また、他の元素についてもSIMS分析を行った結果、代表的な不純物であるC(炭素)、N(窒素)、O(酸素)、S(硫黄)はいずれも5×1018atoms/cm3 未満(典型的には1×1018atoms/cm3 以下)であることが確認された。
【0130】
次に、図示しないアルミニウムを主成分とする金属膜を成膜し、パターニングすることによって後のゲイト電極の原型1013、1014、および1015を形成する。本実施例では2wt%のスカンジウムを含有したアルミニウム膜を用いる(図11(A))。
【0131】
なお、このアルミニウムを主成分とする金属膜のかわりに、ゲイト電極に不純物が添加された多結晶珪素膜を用いてもよい。
【0132】
次に、特開平7−135318号公報記載の技術により多孔性の陽極酸化膜1016、1017、および1018、無孔性の陽極酸化膜1019、1020、および1021、ゲイト電極1022、1023、および1024を形成する(図11(B))。
【0133】
こうして図11(B)の状態が得られたら、次にゲイト電極1022、1023、および1024、多孔性の陽極酸化膜1016、1017、および1018をマスクとしてゲイト絶縁膜1012をエッチングする。そして、多孔性の陽極酸化膜1016、1017、および1018を除去して図11(C)の状態を得る。なお、図11(C)において1025、1026、および1027で示されるのは加工後のゲイト絶縁膜である。
【0134】
次に、一導電性を付与する不純物元素の添加工程を行う。不純物元素としてはNチャネル型ならばP(リン)またはAs(砒素)、P型ならばB(ボロン)またはGa(ガリウム)を用いれば良い。
【0135】
本実施例では、Nチャネル型およびPチャネル型のTFTを形成するための不純物添加をそれぞれ2回の工程に分けて行う。
【0136】
最初に、Nチャネル型のTFTを形成するための不純物添加を行う。まず、1回目の不純物添加(本実施例ではP(リン)を用いる)を高加速電圧80keV程度で行い、 n- 領域を形成する。このn- 領域は、Pイオン濃度が1×1018atoms/cm3 〜1×1019atoms/cm3 となるように調節する。
【0137】
さらに、2回目の不純物添加を低加速電圧10ke V程度で行い、n+ 領域を形成する。この時は、 加速電圧が低いので、ゲイト絶縁膜がマスクとして機能する。また、このn+ 領域は、シート抵抗が500Ω以下(好ましくは300Ω以下)となるように調節する。
【0138】
以上の工程を経て、CMOS回路を構成するNチャネル型TFTのソース領域1028、ドレイン領域1029、低濃度不純物領域1030、チャネル形成領域1031が形成される。また、画素TFTを構成するNチャネル型TFTのソース領域1032、ドレイン領域1033、低濃度不純物領域1034、チャネル形成領域1035が確定する(図11(D))。
【0139】
なお、図11(D)に示す状態ではCMOS回路を構成するPチャネル型TFTの活性層は、Nチャネル型TFTの活性層と同じ構成となっている。
【0140】
次に、図12(A)に示すように、Nチャネル型TFTを覆ってレジストマスク1036を設け、P型を付与する不純物イオン(本実施例ではボロンを用いる)の添加を行う。
【0141】
この工程も前述の不純物添加工程と同様に2回に分けて行うが、Nチャネル型をPチャネル型に反転させる必要があるため、前述のPイオンの添加濃度の数倍程度の濃度のB(ボロン)イオンを添加する。
【0142】
こうしてCMOS回路を構成するPチャネル型TFTのソース領域1037、ドレイン領域1038、低濃度不純物領域1039、チャネル形成領域1040が形成される(図12(A))。
【0143】
以上の様にして活性層が完成したら、ファーネスアニール、レーザーアニール、ランプアニール等の組み合わせによって不純物イオンの活性化を行う。それと同時に添加工程で受けた活性層の損傷も修復される。
【0144】
次に、層間絶縁膜1041として酸化珪素膜と窒化珪素膜との積層膜を形成し、コンタクトホールを形成した後、ソース電極1042、1043、および1044、ドレイン電極1045、1046を形成して図12(B)に示す状態を得る。なお、層間絶縁膜1041として有機性樹脂膜を用いることもできる。
【0145】
図12(B)に示す状態が得られたら、有機性樹脂膜からなる第1の層間絶縁膜1047を0.5〜3μmの厚さに形成する。有機性樹脂膜としては、ポリイミド、アクリル、ポリイミドアミド等が用いられる。有機性樹脂膜の利点は、成膜方法が簡単である点、容易に膜厚を厚くできる点、比誘電率が低いので寄生容量を低減できる点、平坦性に優れている点などが挙げられる。なお、上述した以外の有機性樹脂膜を用いることもできる。
【0146】
次に、第1の層間絶縁膜1047上に遮光性を有する膜でなるブラックマスク1048を100nmの厚さに形成する。なお、本実施例では、ブラックマスク1048としてチタン膜を用いるが、黒色顔料を含む樹脂膜等を用いることもできる。
【0147】
なお、ブラックマスク1048にチタン膜を用いる場合には、 駆動回路や他の周辺回路部の配線の一部をチタンによって形成することができる。このチタンの配線は、ブラックマスク1048の形成時に、同時に形成され得る。
【0148】
ブラックマスク1048を形成したら、第2の層間絶縁膜1049として酸化珪素膜、窒化珪素膜、有機性樹脂膜のいずれかまたはそれらの積層膜を0.1〜0.3μmの厚さに形成する。そして層間絶縁膜1047および層間絶縁膜1049にコンタクトホールを形成し、画素電極1050を120nmの厚さに形成する。本実施例の構成によると、ブラックマスク1048と画素電極1050とが重畳する領域で補助容量が形成されている(図12(C))。なお、本実施例は透過型のアクティブマトリクス液晶表示装置の例であるため画素電極1050を構成する導電膜としてITO等の透明導電膜を用いる。
【0149】
次に、基板全体を350℃の水素雰囲気で1〜2時間加熱し、素子全体の水素化を行うことで膜中(特に活性層中)のダングリングボンド(不対結合手)を補償する。以上の工程を経て同一基板上にCMOS回路および画素マトリクス回路を作製することができる。
【0150】
次に、図13に示すように、上記の工程によって作製されたアクティブマトリクス基板をもとに、アクティブマトリクス型液晶表示装置を作製する工程を説明する。
【0151】
図12(C)の状態のアクティブマトリクス基板に配向膜1051を形成する。本実施例では、配向膜1051には、ポリイミドを用いた。次に、対向基板を用意する。対向基板は、ガラス基板1052、透明導電膜1053、配向膜1054とで構成される。
【0152】
なお、本実施例では、配向膜には、液晶分子が基板に対して平行に配向するようなポリイミド膜を用いた。なお、配向膜形成後、ラビング処理を施すことにより、液晶分子がある一定のプレチルト角を持って平行配向するようにした。
【0153】
次に、 上記の工程を経たアクティブマトリクス基板と対向基板とを公知のセル組み工程によって、シール材やスペーサ(共に図示せず)などを介して貼り合わせる。その後、両基板の間に液晶材料1055を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。よって、図13に示すような透過型のアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。
【0154】
なお本実施例では、液晶パネルがTN(ツイストネマチック)モードによって表示を行うようにした。そのため、1対の偏光板(図示せず)がクロスニコル(1対の偏光板が、それぞれの偏光軸を直交させるような状態)で、液晶パネルを挟持するように配置された。
【0155】
よって、本実施例では、液晶表示装置に電圧が印加されていないとき白表示となる、いわゆるノーマリホワイトモードで表示を行うことが理解される。
【0156】
なお、本実施例の液晶パネルは、FPCを取り付ける端面のみアクティブマトリクス基板が外部に出ており、残りの3つの端面は揃っている。
【0157】
上述した製造方法によって、本実施例のD/A変換回路は、アクティブマトリクス液晶表示装置の他の駆動回路、他の周辺装置と共に、石英基板やガラス基板などの絶縁基板上に一体形成され得ることが理解される。また、本実施例のD/A変換回路のそれぞれの階調電圧線に接続される2個のPチャネル型TFTと2個のNチャネル型TFTとは、同一半導体層上に形成されても良い。あるいは、2個の独立したPチャネル型TFTと2個の独立したNチャネル型TFTとがコンタクトを介して金属配線などによって接続されるようにしても良い。しかし、前者の場合の方がよりD/A変換回路の小面積化が図れるので好ましい。
【0158】
ここで、本実施例の作製方法によって作製され半導体薄膜について説明する。上述した本実施例の作製方法によると、非晶質珪素膜を結晶化させて、連続粒界結晶シリコン(いわゆるContinuous Grain Silicon:CGS)と呼ばれる結晶シリコン膜を得ることができる。
【0159】
本実施例の作製方法によって得られた半導体薄膜の横成長領域は棒状または偏平棒状結晶の集合体からなる特異な結晶構造を示す。以下にその特徴について示す。
【0160】
〔横成長領域の結晶構造に関する知見〕
【0161】
上記実施例の作製工程に従って形成した横成長領域は、微視的に見れば複数の棒状(または偏平棒状)結晶が互いに概略平行に特定方向への規則性をもって並んだ結晶構造を有する。このことはTEM(透過型電子顕微鏡法)による観察で容易に確認することができる。
【0162】
また、本発明者らは上述した本実施例の作製方法によって得られた半導体薄膜の結晶粒界をHR−TEM(高分解能透過型電子顕微鏡法)で詳細に観察した(図24)。ただし、本明細書中において結晶粒界とは、断りがない限り異なる棒状結晶同士が接した境界に形成される粒界を指すものと定義する。従って、例えば別々の横成長領域がぶつかりあって形成される様なマクロな意味あいでの粒界とは区別して考える。
【0163】
ところで前述のHR−TEM(高分解能透過型電子顕微鏡法)とは、試料に対して垂直に電子線を照射し、透過電子や弾性散乱電子の干渉を利用して原子・分子配列を評価する手法である。同手法を用いることで結晶格子の配列状態を格子縞として観察することが可能である。従って、結晶粒界を観察することで、結晶粒界における原子同士の結合状態を推測することができる。
【0164】
本出願人らが得たTEM写真(図24)では異なる二つの結晶粒(棒状結晶粒)が結晶粒界で接した状態が明瞭に観察された。また、この時、二つの結晶粒は結晶軸に多少のずれが含まれているものの概略{110}配向であることが電子線回折により確認されている。
【0165】
ところで、前述の様なTEM写真による格子縞観察では{110}面内に{111}面に対応する格子縞が観察された。なお、{111}面に対応する格子縞とは、その格子縞に沿って結晶粒を切断した場合に断面に{111}面が現れる様な格子縞を指している。格子縞がどの様な面に対応するかは、簡易的には格子縞間の距離により確認できる。
【0166】
この時、本出願人らは上述した本実施例の作製方法によって得られた半導体薄膜のTEM写真を詳細に観察した結果、非常に興味深い知見を得た。写真に見える異なる二つの結晶粒ではどちらにも{111}面に対応する格子縞が見えていた。そして、互いの格子縞が明らかに平行に走っているのが観察されたのである。
【0167】
さらに、結晶粒界の存在と関係なく、結晶粒界を横切る様にして異なる二つの結晶粒の格子縞が繋がっていた。即ち、結晶粒界を横切る様にして観測される格子縞の殆どが、異なる結晶粒の格子縞であるにも拘らず直線的に連続していることが確認できた。これは任意の結晶粒界で同様であった。
【0168】
この様な結晶構造(正確には結晶粒界の構造)は、結晶粒界において異なる二つの結晶粒が極めて整合性よく接合していることを示している。即ち、結晶粒界において結晶格子が連続的に連なり、結晶欠陥等に起因するトラップ準位を非常に作りにくい構成となっている。換言すれば、結晶粒界において結晶格子に連続性があるとも言える。
【0169】
なお、図25に、本発明者らはリファレンスとして従来の多結晶珪素膜(いわゆる高温ポリシリコン膜)についても電子線回折およびHR−TEM観察による解析を行った。その結果、異なる二つの結晶粒において互いの格子縞は全くバラバラに走っており、結晶粒界で整合性よく連続する様な接合は殆どなかった。即ち、結晶粒界では格子縞が途切れた部分が多く、結晶欠陥が多いことが判明した。
【0170】
本出願人らは、本願発明のアクティブマトリクス型液晶表示装置の液晶パネルに利用する半導体薄膜の様に格子縞が整合性良く対応した場合の原子の結合状態を整合結合と呼び、その時の結合手を整合結合手と呼ぶ。また、逆に従来の多結晶珪素膜に多く見られる様に格子縞が整合性良く対応しない場合の原子の結合状態を不整合結合と呼び、その時の結合手を不整合結合手(又は不対結合手)と呼ぶ。
【0171】
本願発明で利用する半導体薄膜は結晶粒界における整合性が極めて優れているため、上述の不整合結合手が極めて少ない。本発明者らが任意の複数の結晶粒界について調べた結果、全体の結合手に対する不整合結合手の存在割合は10%以下(好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下)であった。即ち、全体の結合手の90%以上(好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上)が整合結合手によって構成されているのである。
【0172】
また、本実施例の作製工程に従って作製した横成長領域を電子線回折で観察した結果を図26(a)に示す。なお、図26(b)は比較のために観察した従来のポリシリコン膜(高温ポリシリコン膜と呼ばれるもの)の電子線回折パターンである。
【0173】
図26(a)、(b)に示す電子線回折パターンは電子線の照射エリアの径が4.25μmであり、十分に広い領域の情報を拾っている。ここで示している写真は任意の複数箇所を調べた結果の代表的な回折パターンである。
【0174】
図26(a)の場合、〈110〉入射に対応する回折スポット(回折斑点)が比較的きれいに現れており、電子線の照射エリア内では殆ど全ての結晶粒が{110}配向していることが確認できる。一方、図26(b)に示す従来の高温ポリシリコン膜の場合、回折スポットには明瞭な規則性が見られず、{110}面以外の面方位の結晶粒が不規則に混在することが判明した。
【0175】
この様に、結晶粒界を有する半導体薄膜でありながら、{110}配向に特有の規則性を有する電子線回折パターンを示す点が本願発明で利用する半導体薄膜の特徴であり、電子線回折パターンを比較すれば従来の半導体薄膜との違いは明白である。
【0176】
以上の様に、本実施例の作製工程で作製された半導体薄膜は従来の半導体薄膜とは全く異なる結晶構造(正確には結晶粒界の構造)を有する半導体薄膜であった。本出願人らは本願発明で利用する半導体薄膜について解析した結果を特願平9-55633 号、同9-165216号、同9-212428号でも説明している。
【0177】
また、上述の様な本願発明で利用する半導体薄膜の結晶粒界は、90%以上が整合結合手によって構成されているため、キャリアの移動を阻害する障壁(バリア)としては機能は殆どない。即ち、本願発明で利用する半導体薄膜は実質的に結晶粒界が存在しないとも言える。
【0178】
従来の半導体薄膜では結晶粒界がキャリアの移動を妨げる障壁として機能していたのだが、本願発明で利用する半導体薄膜ではその様な結晶粒界が実質的に存在しないので高いキャリア移動度が実現される。そのため、本願発明で利用する半導体薄膜を用いて作製したTFTの電気特性は非常に優れた値を示す。この事については以下に示す。
【0179】
〔TFTの電気特性に関する知見〕
【0180】
本願発明で利用する半導体薄膜は実質的に単結晶と見なせる(実質的に結晶粒界が存在しない)ため、それを活性層とするTFTは単結晶シリコンを用いたMOSFETに匹敵する電気特性を示す。本発明者らが試作したTFTからは次に示す様なデータが得られている。
【0181】
(1)TFTのスイッチング性能(オン/オフ動作の切り換えの俊敏性)の指標となるサブスレッショルド係数が、Nチャネル型TFTおよびPチャネル型TFTともに60〜100mV/decade(代表的には60〜85mV/decade )と小さい。
(2)TFTの動作速度の指標となる電界効果移動度(μFE)が、Nチャネル型TFTで200 〜650cm2/Vs (代表的には250 〜300cm2/Vs )、Pチャネル型TFTで100 〜300cm2/Vs (代表的には150 〜200cm2/Vs )と大きい。
(3)TFTの駆動電圧の指標となるしきい値電圧(Vth)が、Nチャネル型TFTで-0.5〜1.5 V、Pチャネル型TFTで-1.5〜0.5 Vと小さい。
【0182】
以上の様に、極めて優れたスイッチング特性および高速動作特性が実現可能であることが確認されている。
【0183】
なお、CGSを形成するにあたって前述した結晶化温度以上の温度(700〜1100℃)でのアニール工程は、結晶粒内の欠陥低減に関して重要な役割を果たしている。そのことについて以下に説明する。
【0184】
図27(a)は、前述の結晶化工程までを終了した時点での結晶シリコン膜を25万倍に拡大したTEM写真であり、結晶粒内(黒い部分と白い部分はコントラストの差に起因して現れる)に矢印で示されるようなジグザグ上に見える欠陥が確認される。
【0185】
このような欠陥としては主としてシリコン結晶格子面の原子の積み重ね順序が食い違っている積層欠陥であるが、転位などの場合もある。図27(a)は{111}面に平行な欠陥面を有する積層欠陥と思われる。そのことは、ジグザグ状に見える欠陥が約70°の角度をなして折れ曲がっていることからも確認できる。
【0186】
一方、図27(b)に示すように、同倍率で見た本発明に用いた結晶シリコン膜は、結晶粒内にはほとんど積層欠陥や転位などに起因する欠陥が見られず、非常に結晶性が高いことが確認できる。この傾向は膜面全体について言えることであり、欠陥数をゼロにすることは現状では困難であるものの、実質的にはゼロと見なせる程度にまで低減することができる。
【0187】
即ち、本発明のアクティブマトリクス型液晶表示装置の液晶パネルに用いた結晶シリコン膜は、結晶粒内の欠陥がほとんど無視し得る程度にまで低減され、且つ、結晶粒界が高い連続性によってキャリア移動の障壁になりえないため、単結晶または実質的に単結晶と見なせる。
【0188】
このように図27(a)と(b)との写真が示した結晶シリコン膜はどちらも結晶粒界にほぼ同等の連続性を有しているが、結晶粒内の欠陥数には大きな差がある。図27(b)に示した結晶シリコン膜が図27(a)に示した結晶シリコン膜よりも遥かに高い電気特性を示す理由はこの欠陥数の差による所が大きい。
【0189】
以上のことから、CGSを作製するにあたって、触媒元素のゲッタリングプロセスは必要不可欠な工程であることが判る。本発明者らは、この工程によって起こる現象について次のようなモデルを考えている。
【0190】
まず、図27(a)に示す状態では結晶粒内の欠陥(主として積層欠陥)には触媒元素(代表的にはニッケル)が偏析している。即ち、Si-Ni-Siといった形の結合が多数存在していると考えられる。
【0191】
しかしながら、触媒元素のゲッタリングプロセスを行うことで欠陥に存在するNiが除去されるとSi-Ni 結合は切れる。そのため、シリコンの余った結合手は、すぐにSi-Si 結合を形成して安定する。こうして欠陥が消滅する。
【0192】
勿論、高い温度での熱アニールによって結晶シリコン膜中の欠陥が消滅することは知られているが、ニッケルとの結合が切れて、未結合手が多く発生するためのシリコンの再結合がスムーズに行われると推測できる。
【0193】
また、本発明者らは結晶化温度以上の温度(700〜1100℃)で加熱処理を行うことで結晶シリコン膜とその下地との間が固着し、密着性が高まることで欠陥が消滅するというモデルも考えている。
【0194】
こうして得られた結晶シリコン膜(図27(b))は、単に結晶化をおこなっただけの結晶シリコン膜(図27(a)と比較して格段に結晶粒内の欠陥数が少ないという特徴を有している。この欠陥数の差は電子スピン共鳴分析(Electron Spin Resonance :ESR)によってスピン密度の差となって現れる。現状では本発明に用いた結晶シリコン膜のスピン密度は少なくとも1×1018個/cm3 以下(代表的には5×1017個/cm3 以下)である。
【0195】
以上のような結晶構造および特徴を有する本発明に用いた結晶シリコン膜を、連続粒界結晶シリコン(Continuous Grain Silicon:CGS)と呼んでいる。
【0196】
(実施例2)
【0197】
本実施例では、本発明のD/A変換回路の別の実施形態について説明する。なお、本実施例では8ビットのD/A変換回路を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されるわけではなく、2ビット以上の信号を扱うD/A変換回路が実現される。
【0198】
また、本実施例においては、画素数が、横1920×縦1080である液晶表示装置の駆動回路に備えられたD/A変換回路を例にとって説明する。
【0199】
図5を参照する。図5には本実施例の液晶表示装置の概略構成図が示されている。本実施例の液晶表示装置は、第1のソース信号線側シフトレジスタ501、デジタルデコーダのアドレス線(a、b、c、d)502、ラッチ回路(LAT1, 0〜LAT1, 1919)503、ラッチ回路(LAT2, 0〜LAT2, 1919)504、ラッチパルス線505、スイッチング回路506、第1のD/A変換回路(1st−D/A, 0〜1st−D/A, 479)507、階調電圧線(V0〜V16)508、第1のD/A変換回路の第1の出力線509(509−1および509−2)、第2のソース信号線側シフトレジスタ510、デジタルデコーダのアドレス線(e、f、g、h)511、ラッチ回路(LAT3, 0〜LAT3, 1919)512、ラッチ回路(LAT4, 0〜LAT4, 1919)513、ラッチパルス線514、スイッチング回路515、第2のD/A変換回路(2nd−D/A, 0〜2nd−D/A, 479)516、第2のD/A変換回路の第2の出力線517、スイッチング回路518、ゲイト信号線側シフトレジスタ519、ソース信号線520、ゲイト信号線(走査線)521、および画素TFT522などによって構成されている。
【0200】
外部から供給される8ビットのデジタル信号のうち、上位4ビットのデジタル信号がアドレス線a、b、cおよびdに供給され、下位4ビットのデジタル信号がアドレス線e、f、gおよびhに供給されるようになっている。
【0201】
17本の階調電圧線(V0〜V16)508には、V0〜V16間に印加される電圧を抵抗分割することによって、それぞれ異なる電圧が供給されるようになっている。また、V16の方がV0よりも高い電圧がに印加されている。つまり、本実施例においても、実施例1と同様にV16、V15、………、V1、V0の順に高い電圧が印加されている。
【0202】
第1のソース信号線側シフトレジスタ501が、ラッチ回路503(LAT1, 0〜LAT1, 1919)にラッチ信号を順次供給し、ラッチ信号が入力されるタイミングでラッチ回路503がアドレス線502(a、b、c、d)からデジタル信号が取り込まれ、保持されるむステップ、およびラッチ回路504(LA2, 0〜LAT2, 1919)にラッチ信号が入力され、ラッチ回路503からデジタル信号が取り込まれ、保持されるステップは、実施例1に従うのでここでは省略する。
【0203】
ラッチ回路504(LAT2, 0〜LAT2, 1919)に取り込み、保持された4ビットのデジタル信号は、スイッチング回路506に入力される。本実施例では、第1のD/A変換回路501および第2のD/A変換回路510がソース信号線4本に1つの割合で備わっている。そのため、スイッチング回路506による、ラッチ回路の選択が必要となっている。実際には、それぞれのラッチ回路は、4分の1ライン期間づつ選択されることになる。なお、スイッチング回路506の機能の詳細については、本出願人による特願平9−286098号の実施例1に記載されているので参照されたい。
【0204】
本実施例では、4本のソース信号線に対して1組のD/A変換回路(第1のD/A変換回路および第2のD/A変換回路)が備わっているので、4つのラッチ回路LAT2, 0〜3においては、それぞれ1ライン期間の4分の1の期間ずつだけ、スイッチング回路506によって選択され、 第1のD/A変換回路(1st−D/A, 0)に4ビットのデジタル信号を供給する。
【0205】
4ビットのデジタル信号は、第1のD/A変換回路507によって、階調電圧に変換され、第2のD/A変換回路516に供給される。
【0206】
第2のソース線側シフトレジスタ510が、ラッチ回路512(LAT3, 0〜LAT3, 1919)にラッチ信号を順次供給し、ラッチ信号が入力されるタイミングでアドレス線511(e、f、g、h)からデジタル信号を取り込み、保持するステップは、およびラッチ回路513(LAT4, 0〜LAT4, 1919)にラッチ信号が入力され、ラッチ回路512からデジタル信号が取り込まれ、保持されるステップは、実施例1に従うのでここでは省略する。なお、本実施例においても、第1のソース信号線側シフトレジスタがラッチ回路503(LAT1, 0〜LAT1, 1919)にラッチ信号を送出するタイミングと、第2のソース信号線側シフトレジスタがラッチ回路512(LAT3, 0〜LAT3, 1919)にラッチ信号を送出するタイミングとは同じである。
【0207】
ラッチ回路(LAT4, 0〜LAT4, 1919)に取り込み、保持された4ビットのデジタル信号は、スイッチング回路515に入力される。ここでも、スイッチング回路506による、ラッチ回路の選択が必要となっている。ここでも、ラッチ回路は、4分の1ライン期間づつ選択される。こうして、第2のD/A変換回路516には、ラッチ回路から4ビットのデジタル信号が順次取り込まれる。
【0208】
第2のD/A変換回路516は、入力されるデジタル信号に応じた階調電圧を出力線517に供給する。
【0209】
ここで、本実施例の第1および第2のD/A変換回路について説明する。図6を参照する。図6は、第1のD/A変換回路507および第2のD/A変換回路516の概略図である。まず、図6を用いて第1のD/A変換回路507および第2のD/A変換回路516の動作を説明する。
【0210】
第1のD/A変換回路507は、16個のスイッチ(swA1〜swA16)を含むスイッチ回路swAと、16個のスイッチ(swB1〜swB16)を含むスイッチ回路swBと、17本の階調電圧線(V0〜V16)とによって構成される。第2のD/A変換回路516は、16個のスイッチ(swC1〜swC16)を含むスイッチ回路swCと、16個の抵抗(R1〜R16)とによって構成される。なお、ここでは、配線自体が有する固有抵抗については便宜上考慮していない。
【0211】
第1のD/A変換回路507において、スイッチング回路506によって選択されたラッチ回路を経てアドレス線a、b、cおよびdから供給される4ビットのデジタル信号が、swAおよびswBを制御する。swAの16個のスイッチ(swA1〜swA16)において、ラッチ回路を経てアドレス線a、b、cおよびdから供給されるデジタル信階調号に応じて、いずれか一つのスイッチだけが閉じるようになっており、 同時に2以上のスイッチが閉じることはない。また、swBの16個のスイッチ(swB1〜swB16)においても、ラッチ回路を経てアドレス線a、b、cおよびdから供給されるデジタル信号に応じて、いずれか一つのスイッチだけが閉じるようになっており、 同時に2以上のスイッチが閉じることはない。さらに、swAの4つのスイッチとswBの4つのスイッチとが閉じるタイミングには、次のような関係がある。すなわち、swA1が閉じる時はswB1が閉じ、swA2が閉じる時はswB2が閉じ、swA3が閉じる時はswB3が閉じ、かつswA4が閉じる時はswB4が閉じるように設計されている。他のスイッチに関しても、swAnとswBnと(1≦n≦16;nは自然数)が同時に閉じるようになっている。従って、swAとswBとによって、常に2つの隣り合う階調電圧線が選択されることになる。このようにして、swAとswBとによって2つの隣り合う階調電圧線が選択され、第1の出力線(H)509−1と第1の出力線(L)509−2とに供給される。
【0212】
第2のD/A変換回路516において、ラッチ回路を経てアドレス線e、f、gおよびhから供給される4ビットのデジタル信号が、swCを制御する。swCの16個のスイッチ(swC1〜swC16)において、アドレス線e、f、gおよびhから供給されるデジタル信号に応じて、いずれか一つのスイッチだけが閉じるようになっている。
【0213】
第1の出力線(H)509−1に供給されている階調電圧と、第1の出力線(L)509−2に供給されている階調電圧から、16個の抵抗(R1〜R16)によって16の異なる階調電圧が作られる。swCの16個のスイッチのうち、いずれか一つのスイッチが閉じ、対応する階調電圧が第2の出力線517に供給される。第2の出力線517へ供給される階調電圧は、バッファ(図示せず)などを通してソース信号線520に供給される。
【0214】
よって、本実施例では、8ビットのデジタル信号のうち上位4ビットによって16通りの階調電圧を選択することができ、下位4ビットによって選択された階調電圧から更に16通りの階調電圧を出力することができる。よって、16(上位4ビット)×16(下位4ビット)=256通りの階調電圧を選択することができる。
【0215】
図7および図8には、本実施例の第1のD/A変換回路507および第2のD/A変換回路516の回路構成の1例が挙げられている。
【0216】
次に図9を参照する。図9には、図7および図8に示されている本実施例のD/A変換回路の回路パターンの一部(図7に示されている第1のD/A変換回路の回路507パターンの一部)が示されている。図9において、901〜905は、N型の不純物が添加された半導体活性層である。906〜910は、P型の不純物が添加された半導体活性層である。911〜914はゲイト電極配線であり、本実施例では2wt%のSc(スカンジウム)を含有したAl(アルミニウム)が用いられている。915〜917および918〜931は第2配線であり、本実施例ではAlが用いられている。932および933は第3配線である。代表的に934で示されているような黒く塗りつぶされている部分は、ゲイト電極と第2配線と、あるいは第2配線と第3配線との接続(コンタクト)をとっている部分である。
【0217】
なお、図中で同じ模様の配線は、それぞれ同じ配線層にあるものとする。また、図中で破線によって示されている部分は、上部の配線によって隠れている下部の配線を示す。
【0218】
なお、915は階調電圧線V16であり、916は階調電圧線V15であり、917は階調電圧線V14である。
【0219】
本実施例では、この第3配線は、液晶表示装置のアクティブマトリクス基板側のBM(ブラックマスク)層を形成する時に同時に形成されているが、別の配線層を用いて形成されても良い。その場合、用いられる材料(Al、Ti等)によってその線幅や膜厚を変えることが望ましい。例えば、 第3配線の材料にTiを用いた場合、TiはAlと比較して抵抗率が高いので、線幅を太くしたり、膜厚を厚くしたりすることが望ましい。また、第3配線に、例えばAlとTiといったような2種類以上の金属の積層構造を用いても良い。
【0220】
ここで、本実施例のD/A変換回路を従来のD/A変換回路と比較してみる。本実施例の8ビットのD/A変換回路は、図6からも理解されるように、階調電圧線の本数が17本であり、しかもスイッチの数が48個である。従来の8ビットのD/A変換回路は、階調電圧数が256あるいは17であり、スイッチの数も256個である。したがって、従来のD/A変換回路と比較して、スイッチの数を極端に減少させることができ、面積が小さくて済み、駆動回路全体の小型化を実現することができる。さらに、D/A変換回路の小型化が図れることより、アクティブマトリクス液晶表示装置の高精細化をも実現することができる。
【0221】
なお、本実施例では、8ビットのデジタル信号を上位4ビットと下位4ビットとに分割し、それぞれがswAおよびswBとswCとのスイッチングを制御するようにしたが、8ビットのデジタル信号の分割はこれに限定されるわけではない。たとえば、8ビットのデジタル信号を上位6ビットと下位2ビットとに分割し、それぞれがswAおよびswBとswCとのスイッチングを制御するようにすることもできる。
【0222】
また、本実施例のD/A変換回路においても、画素TFTの電位が変化しても第2のD/A変換回路の第2の出力線から供給される電圧は常に安定しているので、安定した電圧を画素TFTに供給することができる。
【0223】
なお、本実施例のD/A変換回路も、液晶表示装置の他の駆動回路、他の周辺装置と共に、石英基板やガラス基板などの絶縁基板上に一体形成され得る。本発明のD/A変換回路は、実施例1の製造方法によって作成され得る。また、他の製造方法によっても作成され得る。
【0224】
また、本実施例のD/A変換回路のそれぞれの階調電圧線に接続される4個のPチャネル型TFTと4個のNチャネル型TFTとは、同一半導体層上に形成されているが、4個の独立したPチャネル型TFTと4個の独立したNチャネル型TFTとがコンタクトを介して金属配線などによって接続されるようにしても良い。しかし、前者の場合の方がよりD/A変換回路の小面積化が図れるので好ましい。
【0225】
ここで図21に、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置の写真を示す。図21(A)によると、良好なチェックパターンの表示が行われていることがわかる。また図21(B)によると、良好な256の階調表示が行なわれていることがわかる。
【0226】
図22および図23は、本実施例のD/A変換回路を動作させ、データを測定した時のオシロスコープ図である。
【0227】
図22は、本実施例の第1のD/A変換回路に供給される階調電圧線V0〜V16(図6参照)の電圧データを示している。階調電圧線V0〜V16の17通りの安定した電圧が供給されていることがわかる。
【0228】
図23は、本実施例の第2のD/A変換回路の第2の出力線に出力される電圧データを示している。下位4ビットのでデジタル信号によって16通りの安定した電圧が第2の出力線に出力されていることがわかる。なお、出力信号に見られるグリッチは、DE信号によるものであり、ソース信号線のアナログデータ信号のチャージには影響はない。
【0229】
(実施例3)
【0230】
本実施例では、実施例1に記載されているスイッチ回路の具体的な回路構成の一例について説明する。本実施例では、4ビットのデジタルビデオデータを扱うアクティブマトリクス型液晶表示装置の主用部のブロック図を示すことにする。シフトレジスタ回路、ラッチ回路、D/A変換回路等については実施例1を参照することができる。なお、本実施例で説明するスイッチ回路は、実施例2で述べたアクティブマトリクス型液晶表示装置にも用いられ得る。
【0231】
図17を参照する。図17には、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置の主要部のブロック図が示されている。実施例1と記載が異なる点は、ソース信号線側駆動回路が、画素マトリクス回路を挟んで上下に用いられていること、ゲイト信号線側駆動回路が画素マトリクス回路を挟んで左右に用いられていること、ソース信号線側駆動回路にレベルシフタ回路が用いられていること、デジタルビデオデータ分割回路が設けられていること等がある。また、レベルシフタ回路は必要に応じて用いればよく、必ずしも用いなくても良い。
【0232】
本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、ソース信号線側駆動回路A1701、ソース信号線側駆動回路A1702、ゲイト信号線側駆動回路A1712、ソース信号線側駆動回路A1715、画素マトリクス回路1716、およびデジタルビデオデータ分割回路1710を有している。
【0233】
ソース信号線側駆動回路A1701は、シフトレジスタ回路1702、バッファ回路1702、ラッチ回路(1)1704、ラッチ回路(2)1705、セレクタ(スイッチ)回路(1)1708、レベルシフタ回路1707、D/A変換回路1708、セレクタ(スイッチ)回路(2)1709を備えている。ソース信号線側駆動回路A101は、奇数番目のソース信号線に映像信号(階調電圧信号)を供給する。なお、本実施例では、上記実施例1で説明したスイッチ回路に相当する回路をセレクタ回路と呼ぶことにする。説明の都合上、第1および第2のD/A変換回路をD/A変換回路1708としてひとまとめに記載している。
【0234】
ソース信号線側駆動回路において、ラッチ回路(2)1705までの動作については、実施例1あるいは実施例2を参照することができる。
【0235】
セレクタ回路(1)1706で選択された、ラッチ回路から4ビットのデジタルビデオデータのうち上位2ビットのデジタルビデオデータがレベルシフタ1707に供給される。レベルシフタ1707によってデジタルビデオデータの電圧レベルは上げられ、D/A変換回路1708の第1のD/A変換回路に供給する。D/A変換回路1708は、2ビットのデジタルビデオデータをアナログ信号(階調電圧)に変換し、第2のD/A変換回路に供給する。第2のD/A変換回路は、4ビットのデジタルビデオデータの下位2ビットのデジタルビデオデータによって第1のD/A変換回路より供給される階調電圧よりさらに階調電圧を選択し、セレクタ回路(2)1709に供給する。セレクタ回路(2)1709によって選択されるソース信号線に順次供給される。ソース信号線に供給されるアナログ信号は、ソース信号線に接続されている画素マトリクス回路の画素TFTのソース領域に供給される。この一連の動作は、実施例1を参照されたい。
【0236】
1711はソース信号線側駆動回路Bであり、構成はソース信号線側駆動回路A1701と同じである。ソース信号線側駆動回路B1711は、偶数番目のソース信号線に映像信号を供給する。
【0237】
1715はゲイト信号線側駆動回路Bであり、ゲイト信号線側駆動回路A1712と同じ構成をとる。本実施例では、このようにゲイト信号線側駆動回路を画素マトリクス回路1716の両端に設け、両方のゲイト信号線側駆動回路を動作させることによって、片方が動作しない場合にも表示不良を引き起こすことが無い。
【0238】
1710はデジタルビデオデータ分割回路である。デジタルビデオデータ分割回路1710は、外部から入力されるデジタルビデオデータの周波数を1/mに落とすための回路である。デジタルビデオデータを分割することにより、駆動回路の動作に必要な信号の周波数も1 /mに落とすことができる。なおデジタルビデオデータ分割回路を画素マトリクス回路や他の駆動回路と同じ基板上に一体形成することは、本出願人による特許出願である特願平9−356238号に開示されている。前記特許出願には、デジタルビデオデータ分割回路の動作の説明が詳細になされており、本実施例のデジタルビデオデータ分割回路の動作を理解する上で参考にされたい。
【0239】
ここで、本実施例のセレクタ回路(1)1706およびセレクタ回路(2)1709の構成ならびに動作について説明する。セレクタ回路の基本概念は、実施例1で説明したスイッチ回路と同じである。本実施例では、ソース信号線4本毎に一つのセレクタ回路(1)およびセレクタ回路(2)が用いられている。よって、ソース信号線側駆動回路(A)には、240個のセレクタ回路(1)および240個のセレクタ回路(2)が用いられており、ソース信号線側駆動回路(B)には、240個のセレクタ回路(1)および240個のセレクタ回路(2)が用いられている。
【0240】
図18を参照する。図18には、説明の便宜上、ソース信号線側駆動回路(A)の最も左のセレクタ回路(1)のみが示されている。実際のソース信号線側駆動回路には、このセレクタ回路が240個用いられている。
【0241】
本実施例のセレクタ回路(1)の一つは、図18に示されるように、8個の3入力NAND回路と、2個の4入力NAND回路と、2個のインバータを有している。本実施例のセレクタ回路(1)1506には、ラッチ回路(2)1505からの信号が入力され、ラッチ回路(2)1505からの信号線L0, 0、L0, 1、L1, 0、L1, 1、...、L1919, 0、L1919, 1のうち、信号線L0, 0、L0, 1、L1, 0、L1, 1、L2, 0、L2, 1、L3, 0、L3, 1が図16に示されるセレクタ回路(1)に接続されている。La, bという記載は、左からa番目のソース信号線に供給されるデジタルビデオデータのbビット目の信号が供給されることを意味する。また、セレクタ回路(1)には、信号線SS1およびSS2からタイミング信号が入力される。セレクタ回路(1)からの信号は、レベルシフタ1507に入力され、その後D/A変換回路1508に入力される。
【0242】
ここで、図19を参照する。図19には、セレクタ回路(2)が示されている。図19には、説明の便宜上、最も左のセレクタ回路(2)が示されている。実際のソース信号線側駆動回路には、このセレクタ回路が240個用いられている。
【0243】
本実施例のセレクタ回路(2)は、図19に示されるように、3個のPチャネル型TFTと3個のNチャネル型TFTとを有するアナログスイッチ4個と、3個のインバータを有している。セレクタ回路(2)には、D/A変換回路1708によってアナログ信号に変換されたアナログ映像信号(階調電圧)が入力される。
【0244】
図20には、セレクタ回路(1)1706入力される2ビットのデジタルビデオデータおよびセレクタ回路(1)1706ならびにセレクタ回路(1)1709に入力されるタイミング信号のタイミングチャートが示されている。LSはラッチ信号であり、1ライン期間(horizontal scanning period)の開始時に、ラッチ回路(2)に供給される信号である。bit−0およびbit−1は、ラッチ回路(2)から出力されるデジタル画像信号の0ビット目、1ビット目のデータをそれぞれ示す。なお、ここでは、図16に示されるセレクタ回路(1)に接続されているラッチ回路(2)からの信号線L0, 1およびL0, 0にはそれぞれ、A1およびA0というデジタル信号が供給され、信号線L1, 1およびL1, 0にはそれぞれ、B1およびB0というデジタル信号が供給され、信号線L2, 1およびL2, 0にはそれぞれ、C1およびC0というデジタル信号が供給され、信号線L3, 1およびL3, 0にはそれぞれ、D1およびD0というデジタル信号が供給されるとする。
【0245】
セレクタ回路(1)において、SS1およびSS2に供給されるタイミング信号に基づいて、bit−1およびbit−0に出力される信号が選択される。つまり、最初の(1/4)ライン期間には、bit−1にはA1が出力され、かつbit−0にはA0が出力される。次の(1/4)ライン期間には、bit−1にはB1が出力され、かつbit- 0にはB0が出力される。次の(1/4)ライン期間には、bit−1にはC1が出力され、かつbit−0にはC0が出力される。そして、最後の(1/4)ライン期間には、bit−1にはD1が出力され、かつbit−0にはD0が出力される。このように、(1/4)ライン期間づつラッチ回路(2)からのデータがレベルシフタ回路に供給されることになる。
【0246】
D/A変換回路から供給されるアナログ映像信号は、セレクタ回路(2)によって選択され、ソース信号線に供給される。この場合も、(1/4)ライン期間ずつ対応するソース信号線にアナログ映像信号が供給されるが、デコードイネイブル信号(DE)によってアナログ信号の電圧が完全に確定している間だけ、ソース信号線にアナログ映像信号が供給されることになる。
【0247】
なお、本実施例では、4ビットのデジタルビデオデータを扱ったが、4ビット以上のデジタルビデオデータを扱うこともできる。
【0248】
また、本実施例では、ソース信号線4本に一つD/A変換回路を設けるため、スイッチ回路を用い、D/A変換回路の数を従来の4分の1としたが、、D/A変換回路の数をこれ以外の数にする事も出来る。たとえば、ソース信号線8本につき1つのD/A変換回路を割り当てた場合、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置ではD/A変換回路の数は240個となり、駆動回路のさらなる面積縮小が実現される。このように、何本のソース信号線につき1つのD/A変換回路を割り当てるかは、本実施例に限定されるものではない。
【0249】
上記実施例では、代表的に実施例1あるいは2に示された本発明のD/A変換回路を液晶表示装置の駆動回路に用いる例を説明した。この場合、液晶表示装置に用いられる表示方法としては、ネマチック液晶を用いたTNモードや電界制御複屈折を利用したモード、液晶と高分子との混合層、いわゆる高分子分散モードなどにも用いることができる。なお、上記実施例では、透過型のアクティブマトリクス型液晶表示装置の駆動回路に本発明のD/A変換回路を用いる場合について説明したが、本発明のD/A変換回路は、反射型のアクティブマトリクス型液晶表示装置の駆動回路にも用いられ得る。
【0250】
さらに、代表的に実施例1あるいは2に示された本発明のD/A変換回路を備えたデジタル駆動方式の駆動回路は、上述したように画素TFTの線順次走査を行い、その画素数は今後のATV(Advanced TV)に対応できる程莫大である。よって、応答速度の速い無しきい値反強誘電性液晶を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置に用いると、さらにその効果を発揮する。
【0251】
また、代表的に実施例1あるいは2に示された本発明のD/A変換回路を、印加電圧に応答して光学的特性が変調され得るその他のいかなる表示媒体を備えた表示装置の駆動回路に用いてもよい。例えば、エレクトロルミネセンス素子などを用いた表示装置の駆動回路に用いても良い。
【0252】
また、代表的に実施例1あるいは2に示された本発明のD/A変換回路を、イメージセンサなどの半導体装置の駆動回路に用いることもできる。この場合、イメージセンサの受光部と、受光部で電気信号に変換された映像を表示する画像表示部とが一体形成されたイメージセンサにも適応させることができる。また、イメージセンサは、ラインセンサあるいはエリアセンサのどちらにでも適応可能である。
【0253】
(実施例4)
本実施例では、本発明を用いた様々な電子機器について説明する。なお、本実施例に挙げる電子機器とは、本発明のD/A変換回路を搭載した製品と定義する。
【0254】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、スチルカメラ、プロジェクター、プロジェクションTV、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ(ノート型を含む)、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話等)などが挙げられる。それらの一例を図28に示す。これらの電子機器には、上述の実施例1〜3の本発明のD/A変換回路を用いた表示装置を用いることができる。
【0255】
図28(A)は携帯電話であり、本体2001、音声出力部2002、音声入力部2003、表示装置2004、操作スイッチ2005、アンテナ2006で構成される。本発明のD/A変換回路は音声出力部2002、音声入力部2003、表示装置2004等に適用することができる。
【0256】
図28(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示装置2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106、で構成される。本発明のD/A変換回路は表示装置2102、音声入力部2103、受像部2106に適用することができる。
【0257】
図28(C)はモバイルコンピューター(モービルコンピューター)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示装置2205で構成される。本発明のD/A変換回路は受像部2203、表示装置2205等に適用できる。
【0258】
図28(D)はヘッドマウントディスプレイであり、本体2301、表示装置2302、バンド部2303で構成される。本発明のD/A変換回路は表示装置2302に適用することができる。
【0259】
図28(E)はリア型プロジェクターであり、本体2401、光源2402、表示装置2403、偏光ビームスプリッター2404、リフレクター2405、2406、スクリーン2407、で構成される。本発明のD/A変換回路は表示装置2403に適用することができる。
【0260】
図28(F)はフロンと型プロジェクターであり、本体2501、光源2502、表示装置2503、光学系2504、スクリーン2505で構成される。本発明のD/A変換回路は表示装置2503に適用することができる。
【0261】
以上の様に、本発明のD/A変換回路の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、他にも電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどにも活用することができる。
【0262】
【発明の効果】
【0263】
本発明によると、スイッチの少ないD/A変換回路が実現できる。また、デジタル信号のビット数が大きくなるに従って、スイッチの数を従来と比較して極端に減少させることができる。よって、大画面、高精細な半導体表示装置における、大きなビット数のデジタル信号を扱うD/A変換回路でさえも、小面積で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のD/A変換回路を備えたアクティブマトリクス型液晶表示装置の概略構成図である。
【図2】 ラッチ回路の回路図である。
【図3】 本発明のD/A変換回路の構成図である。
【図4】 本発明のD/A変換回路の回路例である。
【図5】 本発明のD/A変換回路を備えたアクティブマトリクス型液晶表示装置の構成図である。
【図6】 本発明のD/A変換回路の構成図である。
【図7】 本発明のD/A変換回路の回路例である。
【図8】 本発明のD/A変換回路の回路例である。
【図9】 本発明のD/A変換回路の回路パターン図である。
【図10】 本発明のD/A変換回路を備えた液晶表示装置の一製造方法を示す図である。
【図11】 本発明のD/A変換回路を備えた液晶表示装置の一製造方法を示す図である。
【図12】 本発明のD/A変換回路を備えた液晶表示装置の一製造方法を示す図である。
【図13】 本発明のD/A変換回路を備えた液晶表示装置の一実施例である。
【図14】 従来のデジタル駆動方式の液晶表示装置の構成図である。
【図15】 従来のデジタル駆動方式の液晶表示装置に用いられているD/A変換回路である。
【図16】 従来のデジタル駆動方式の液晶表示装置に用いられているD/A変換回路である。
【図17】 本発明のある実施形態による半導体表示装置のブロック図である。
【図18】 本発明のある実施形態によるセレクタ回路(スイッチ回路)の回路構成図である。
【図19】 本発明のある実施形態によるセレクタ回路(スイッチ回路)の回路構成図である。
【図20】 本発明のある実施形態によるセレクタ回路のタイミングチャートである。
【図21】 本発明のある実施形態によるアクティブマトリクス型液晶表示装置の写真図である。
【図22】 本発明のある実施形態によるD/A変換回路の出力信号のオシロスコープ図である。
【図23】 本発明のある実施形態によるD/A変換回路の出力信号のオシロスコープ図である。
【図24】 CGSのTEM写真図である。
【図25】 高温ポリシリコンのTEM写真図である。
【図26】 CGSおよび高温ポリシリコンの電子線回折パターンを示す写真図である。
【図27】 CGSおよび高温ポリシリコンのTEM写真図である。
【図28】 本願発明を用いた様々な電子機器の図
【図29】 本発明のD/A変換回路を備えたアクティブマトリクス型液晶表示装置の概略構成図である。
【符号の説明】
106 第1のD/A変換回路
107 階調電圧線
108−1 第1の出力線(H)
108−2 第1の出力線(L)
114 第2のD/A変換回路
115 第2の出力線
Claims (5)
- 入力されるnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に対応する階調電圧を出力線に供給するD/A変換回路であって、
2 x 個の第1のスイッチ、2 x 個の第2のスイッチ、2 y 個の第3のスイッチ、2 y 個の抵抗及び(2 x +1)本の階調電圧線を有し(x、yは自然数、x+y=n)、
前記(2 x +1)本の階調電圧線は、第1の階調電圧線から第(2 x +1)の階調電圧線の順に高い電圧を供給しており、
前記nビットの上位xビットのデジタル信号によって、前記2 x 個の第1のスイッチから選択された1つと、前記2 x 個の第2のスイッチから選択された1つが導通状態になり、前記(2x+1)本の階調電圧線のうち第z及び第(z+1)の階調電圧線(1≦z≦2 x 、zは自然数)の階調電圧が、前記2 y 個の第3のスイッチと前記2 y 個の抵抗を含む回路に供給され、
前記nビットの下位yビットのデジタル信号によって、前記2 y 個の第3のスイッチから選択された1つが導通状態になり、前記第z及び前記第(z+1)の階調電圧線の階調電圧と前記2 y 個の抵抗を用いて生成された階調電圧が前記出力線に供給され、
前記2 x 個の第1のスイッチと前記第2 x 個の2のスイッチは、それぞれ、直列に接続されたPチャネル型TFTとNチャネル型TFTを有し、前記Pチャネル型TFTと前記Nチャネル型TFTは、同一の半導体層を用いて形成されることを特徴とするD/A変換回路。 - 前記D/A変換回路は、薄膜トランジスタを用いて絶縁基板上に形成されることを特徴とする請求項1に記載のD/A変換回路。
- 複数のTFTと、
前記複数のTFTを駆動するソース信号線側駆動回路とゲイト信号線側駆動回路と、
を備えた半導体装置であって、
前記ソース信号線側駆動回路は、入力されるnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に対応する階調電圧を出力線に供給するD/A変換回路を備えており、
2 x 個の第1のスイッチ、2 x 個の第2のスイッチ、2 y 個の第3のスイッチ、2 y 個の抵抗及び(2 x +1)本の階調電圧線を有し(x、yは自然数、x+y=n)、
前記(2 x +1)本の階調電圧線は、第1の階調電圧線から第(2 x +1)の階調電圧線の順に高い電圧を供給しており、
前記nビットの上位xビットのデジタル信号によって、前記2 x 個の第1のスイッチから選択された1つと、前記2 x 個の第2のスイッチから選択された1つが導通状態になり、前記(2x+1)本の階調電圧線のうち第z及び第(z+1)の階調電圧線(1≦z≦2 x 、zは自然数)の階調電圧が、前記2 y 個の第3のスイッチと前記2 y 個の抵抗を含む回路に供給され、
前記nビットの下位yビットのデジタル信号によって、前記2 y 個の第3のスイッチから選択された1つが導通状態になり、前記第z及び前記第(z+1)の階調電圧線の階調電圧と前記2 y 個の抵抗を用いて生成された階調電圧が前記出力線に供給され、
前記2 x 個の第1のスイッチと前記第2 x 個の2のスイッチは、それぞれ、直列に接続されたPチャネル型TFTとNチャネル型TFTを有し、前記Pチャネル型TFTと前記Nチャネル型TFTは、同一の半導体層を用いて形成されることを特徴とする半導体装置。 - 前記複数のTFTと、前記ソース信号線側駆動回路と、前記ゲイト信号線側駆動回路とは、薄膜トランジスタを用いて絶縁基板上に一体形成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
- 請求項3または請求項4に記載の前記半導体装置を有する電子機器。
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