JP4104720B2 - 超音波診断用塗布組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断にあたり、超音波の伝達を向上させ、皮膚と診断器具との滑りを滑らかにするために、診断部位または診断器具に塗布する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波を用いた検査および診断方法は、被測定体への悪影響が少ない方法として多くの分野で用いられている。特に医療分野においては、人体に対して安全性の高い診断方法として広く普及している。このような医療分野における超音波診断の際には、透明なゼリー状の組成物を測定部位または測定器具に塗布し、超音波の伝達の向上と測定部位と測定器具との間の滑りの向上を図っている。このゼリー状の組成物の使用後は、衣服などへの付着を避けるため、あるいはこの組成物に由来するべとつきが残るのを防ぐため、看護婦などが塗布したゼリー状組成物を拭き取っている。このように従来のゼリー状組成物は、拭き取りの労力を看護婦などの医療関係者に求めるものであり、また、被診断者の皮膚の触感(べとつき)の問題、被診断者の感じる安全性に対するイメージの悪さの問題があるので、拭き取り不要で、触感が良く、現実の安全性および安全性のイメージが高い超音波診断用塗布組成物に対する需要が期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、超音波の伝達を向上させ、皮膚と器具との滑りを滑らかにすることのみならず、使用後のべとつきが少なく、皮膚に対する現実の安全性および安全性イメージに優れ、適度な美容効果を有する組成物であって、それらの特性により、被診断部位の表面から拭き取る必要がない超音波診断用塗布組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、超音波診断用塗布組成物をエモリエント成分を含んだものとすることで上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明に係る超音波診断用塗布組成物は、エモリエント成分を含有することを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
エモリエント成分
本発明の組成物は皮膚に柔軟性や潤いを与えるエモリエント成分を含むことを特徴としている。本発明の組成物に用いられるエモリエント成分は、通常の化粧品または皮膚塗布用の薬剤に使用可能なものであって、エモリエント効果を有する物質およびそれらの混合物であれば特に限定されないが、例えば好ましくは、植物性油脂、動物性油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、精油およびシリコーンなどの一般的な油剤を挙げることができる。
【0007】
このうち植物性油脂としては、例えば好ましくは、カカオ脂、シア脂、アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ホホバ油、綿実油、小麦胚芽油およびツバキ油などを挙げることができる。動物性油脂としては、例えば好ましくはミンク油、牛脂および豚脂などを挙げることができる。ロウ類としては、例えば好ましくはカウナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウおよびラノリンなどを挙げることができる。炭化水素類としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、スクワランおよびセレシンなどを挙げることができる。高級脂肪酸類としては、好ましくは炭素数10個から30個のもの、例えば好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびイソステアリン酸などを挙げることができる。高級アルコール類としては、好ましくは炭素数10個から30個のもの、例えば好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、硬化ナタネ油アルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコールおよびコレステロールなどを挙げることができる。エステル類としては、例えば好ましくはオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルチミン酸イソプロピル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、パルミチン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、および2−エチルヘキサン酸セチルなどを挙げることができる。精油としては、例えば好ましくはハッカ油、トウヒ油、ラベンダー油、メントールおよびカンファーなどを挙げることができる。シリコーンとしては、例えば好ましくはメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンなどを挙げることができる。
【0008】
これらのエモリエント成分のうち、使用感及び安定性に優れる点で、好ましいエモリエント成分は植物性油脂であり、そのうち、カカオ脂、シア脂、アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ホホバ油、綿実油、小麦胚芽油およびツバキ油がより好ましい。
【0009】
このエモリエント成分は、その含有量が多すぎると、使用時にべとつきが生じたり、超音波診断用塗布組成物としての機能が低下し、少なすぎると美容効果が低下するため、好ましくは超音波診断用塗布組成物全体の0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%、含む。
【0010】
その他の成分
本発明の超音波診断用塗布組成物に含まれる成分は、人体に対して有害でない限り特に限定されないが、典型的には通常人の皮膚に塗布する組成物に用いられる成分を含むことができる。それらの成分としては、例えば非イオン界面活性剤などの界面活性剤、湿潤剤、防腐剤、増粘剤、中和剤、抗酸化剤、各種ビタミン、薬効成分、香料、顔料および色素、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、多価アルコール、水溶性高分子、エタノールなどを挙げることができる。
【0011】
油性成分と水性成分との混合形態
本発明の超音波診断用塗布組成物の混合形態は、超音波の伝達を向上させることができ、さらに補助的に油分を補うことにより美容効果が期待できかつ、使用後のべとつきが少ないなどの理由から、好ましくは、O/W型のエマルジョンまたはW/O型のエマルジョンであり、より好ましくは、O/W型のエマルジョンである。すなわち、無水型または無油型のゼリー状のものは好ましいものではない。したがって、外観上は半透明および/または乳白色の組成物が好ましい。
【0012】
使用方法
本発明の超音波診断用塗布組成物は、超音波を用いる検査、好ましくは、医療分野における診断の際に、超音波診断が行われる部位の皮膚または超音波診断を行う器具に塗布することができる。診断後は、皮膚に付着した本発明の超音波診断用塗布組成物を皮膚から除去する必要はなく、好ましくは必要に応じ皮膚に擦り込むことができる。しかしながら、皮膚に炎症があるなどの別の事情がある場合は、拭き取ることも可能である。
【0013】
【実施例】
(実施例1)
表1に示した成分のうち、乳化剤、エモリエント成分、湿潤剤および防腐剤を加熱溶融し、溶剤(精製水)の一部に攪拌しながら徐々に加え乳化した。この混合物を精製水の一部に増粘剤を分散した液に加え、冷却した後に中和剤を加えて中和して、超音波診断用塗布組成物を調製した。
【0014】
(実施例2)
実施例1と同様に、表2に示した成分のうち、乳化剤、エモリエント成分、湿潤剤および防腐剤を加熱溶融し、精製水の一部に攪拌しながら徐々に加え乳化した。この混合物を精製水の一部に増粘剤を分散した液に加え、冷却した後に中和剤を加えて中和して超音波診断用塗布組成物を調製した。
【0015】
(実施例3)
表3に示した成分のうち、乳化剤、エモリエント成分、湿潤剤および防腐剤を加熱溶融し、精製水の一部に攪拌しながら徐々に加え乳化した。この混合物を精製水の一部に増粘剤を分散した液に加え、冷却した後に中和剤を加えて中和した後、保湿剤を加えて超音波診断用塗布組成物を調製した。
【0016】
(実施例4)
実施例1と同様に、表4に示した成分のうち、乳化剤、エモリエント成分、湿潤剤および防腐剤を加熱溶融し、精製水の一部に攪拌しながら徐々に加え乳化した。この混合物を精製水の一部に増粘剤を分散した液に加え、冷却した後に中和剤を加えて中和して超音波診断用塗布組成物を調製した。
【0017】
(実施例5)
実施例1と同様に、表5に示した成分のうち、乳化剤、エモリエント成分、湿潤剤および防腐剤を加熱溶融し、精製水の一部に攪拌しながら徐々に加え乳化した。この混合物を精製水の一部に増粘剤を分散した液に加え、冷却した後に中和剤を加えて中和して超音波診断用塗布組成物を調製した。
【0018】
(実施例6)
10名の女性パネラーによって、実施例6と比較例1および2の官能試験を実施した。超音波診断用塗布組成物を塗布した直後のべとつき、塗布10分後のべとつき、塗布後の保湿感の各項目につき以下の基準により判定し、平均点で示した。
実施例6は比較例1および2のいずれと対比しても、塗布直後、塗布10分後のいずれにおいてもべとつきが少なく、保湿感が高いことが分かる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によって、超音波診断用塗布組成物の本来の使用目的である、超音波の伝達を向上させ、皮膚と器具との滑りを滑らかにすることのみならず、適度な美容効果を有し、使用後のべとつきが少なく、かつ、皮膚に対する現実の安全性および安全性イメージに優れた組成物であって、被診断部位の表面から拭き取る必要がない超音波診断用塗布組成物が提供できる。
Claims (1)
- カカオ脂、シア脂、アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ホホバ油、綿実油、小麦胚芽油およびツバキ油からなる群から選ばれる植物性油脂またはそれらの混合物を超音波診断用塗布組成物全体の0.01〜20重量%含有する超音波診断用塗布組成物であって、前記超音波診断用塗布組成物が、乳白色のO/W型のエマルジョンであり、超音波診断が行われた部位の表面からの除去が不要な組成物であることを特徴とする、超音波診断用塗布組成物。
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