JP4104276B2 - エバポレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るエバポレータは、自動車用空気調和装置に組み込んで、車室内を空気調和する為の空気を冷却する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置には、内部で冷媒を蒸発させ、外部を流通する空気を冷却するエバポレータを組み込んでいる。この様な、自動車用空気調和装置に組み込むエバポレータとして従来から、例えば特開昭62−798号公報等に記載されている様な構造が知られている。この公報に記載されたエバポレータは、内部に扁平な流路を有する複数の伝熱管素子及び複数のフィンから成るコア部と、このコア部の内部に冷媒を送り込む為の冷媒送り込み口と、上記コア部から冷媒を取り出す為の冷媒取り出し口とを有する。そして、上記各伝熱管素子の内部に冷媒を流通させると共に、これら各伝熱管素子及び上記各フィンの外部に空気調和用の空気を、上記コア部の厚さ方向に通過させる事で、この空気を冷却する。又、特公平7−39895号公報には、コア部の厚さ方向に通過する空気を均一に冷却する事を目的として考えられた構造が記載されている。図19〜20は、この特公平7−39895号公報に記載された構造を有するエバポレータを示している。
【0003】
このエバポレータ1は、それぞれが2枚の金属板を最中状に組み合わせて成る伝熱管素子を複数個、互いに積層する事で構成しており、これら各伝熱管素子の内部に、中間部を180度折り返したU字形の扁平な流路である、上流側流路2a(又は下流側流路2b)を設けている。そして、上記各伝熱管素子の内部で、上記各流路2a、2bの両端に設けたタンク空間を、一部を除いて、隣り合う伝熱管素子同士で互いに連通させる事により、複数のタンク流路3、4、5、6を構成している。又、隣り合う伝熱管素子同士の間には、複数のコルゲート型のフィン(図示せず)を挟持している。冷媒送り込み管7から冷媒送り込み口9を通じて第一タンク流路3内に送り込まれた冷媒は、上記複数の伝熱管素子のうち、コア部11の片半部(図19の左半部)に存在する伝熱管素子内に設けた各上流側流路2a内を、コア部11の外部を流れる空気との間で熱交換しつつ流れる。そして、これら各上流側流路内2aを流れた冷媒は、これら各上流側流路2aの下流端に通じさせた第二タンク流路4の内部を流れた後、この第二タンク流路4の下流端にその上流端を通じさせた第三タンク流路5内を流れる。そして、この冷媒は、上記複数の伝熱管素子のうち、コア部11の他半部(図19の右半部)に存在する伝熱管素子内に設けた各下流側流路2b内を、上記熱交換しつつ流れた後、第四タンク流路6内に送り込まれる。この様に第四タンク流路6内に送り込まれた冷媒は、集合して、冷媒取り出し口10を通じて冷媒取り出し管8から取り出される。又、この特公平7−39895号公報に記載された構造の場合、上記第一タンク流路3と第三タンク流路5とのうち、少なくとも一方のタンク流路の長さ方向中間部に、このタンク流路内の冷媒が流れる空間の断面積を減少させる絞り部12、12を設けている。
【0004】
上述の様に構成し、コア部の内部を流れる冷媒とこのコア部の外部を通過する空気との間で熱交換を行なってこの空気を冷却する、上記特公平7−39895号公報に記載されたエバポレータによれば、上流側、下流側各流路2a、2bに冷媒を或る程度均一に分流して、コア部11を通過する空気を、このコア部11の全面に亙り或る程度均一に冷却する事ができる。例えば、上記第一タンク流路3及び第三タンク流路5の何れにも上記絞り部12を設けない場合には、上記第一タンク流路3又は第三タンク流路5内に送り込まれた冷媒のうち、その慣性が大きい液状冷媒が、第一タンク流路3の両端又第三タンク流路5の奥端までに多く送られ易い。一方、その慣性が小さいガス状冷媒は、第一タンク流路3の両端又第三タンク流路5の奥端までは送られにくい。従って、第一タンク流路3又は第三タンク流路5に通じる各上流側流路2a又は各下流側流路2b同士の間では、各流路毎に液状冷媒の流量が異なる、偏流が生じ易い。一方、エバポレータは、液状冷媒が各伝熱管素子の内部で蒸発する事により複数の伝熱管素子及びフィンの外部を流れる空気との間で熱交換を行なうものである。この為、上述の様に液状冷媒の偏流が生じた場合には、コア部11を通過する空気を、このコア部11の全面に亙り十分に均一に冷却できなくなると共に、圧力損失が増大して、エバポレータ1の熱交換性能を十分に発揮する事が難しくなる。
【0005】
これに対して、上記特公平7−39895号公報に記載された構造の場合には、上記第一タンク流路3と第三タンク流路5とのうち、少なくとも一方のタンク流路に絞り部12、12を設けている。この為、上記第一タンク流路3又は第三タンク流路5内で、上記絞り部12よりも下流側部分に過剰の液状冷媒を送りにくくできる。従って、これら第一タンク流路3又は第三タンク流路5内での液状冷媒の分布が均一化されて、これら第一タンク流路3又は第三タンク流路5に通じる上流側流路2a又は下流側流路2b内での液状冷媒の偏流を生じにくくする事ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特公平7−39895号公報に記載されたエバポレータの場合には、第三タンク流路5内に、この第三タンク流路5内での液状冷媒の分布を均一化する為の絞り部12を設けている為、冷媒の流動音が大きくなる可能性がある。即ち、上記第三タンク流路5内では、第二タンク流路4から送られて来る冷媒の水平方向の流れと、複数の下流側流路2bの上流端開口内に送り込まれる冷媒の流れとが混在し、第一〜第四タンク流路3〜6のうちで、冷媒の流れが最も複雑になっている。又、第三タンク流路5と複数の下流側流路2bとを、ろう付け以前には互いに別体の部材である、タンクと複数のチューブとにより構成した場合には、これら各チューブの先端が上記第三タンク流路5内に突出する状態となる。この為、第三タンク流路5内でチューブの先端付近では、冷媒の流れの乱れによる渦が生じて、この第三タンク流路5内での冷媒の流れはより複雑になる。従って、上述した従来構造の様に、第三タンク流路5に上記絞り部12を設けると、冷媒の流動音が大きくなり、耳障りな騒音を生じ易くなる。
【0007】
又、上記第三タンク流路5に上記絞り部12を設けると、この絞り部12を通過した液状冷媒の流速が速くなり、この液状冷媒の流れ方向が変化しにくくなる。この為、上記絞り部12よりも下流側直後にその上流端が存在する各下流側流路2b内へは、液状冷媒が送られにくくなり、上記絞り部12よりもコア部11の端部側に設ける各下流側流路2b同士の間で、液状冷媒の偏流が生じ易くなる。この様に各下流側流路2b同士の間で液状冷媒の偏流が生じた場合には、一部の下流側流路2bに流れる冷媒の量が少なくなり、当該下流側流路2b部分で、空気との間の熱交換を十分に行なえなくなる。従って、上記特公平7−39895号公報に記載されたエバポレータの場合、上記コア部11を通過後の空気を十分に均一に冷却して、エバポレータの熱交換性能を十分に発揮する事ができない可能性がある。又、上記コア部11を通過後の空気を十分に均一に冷却できないと、自動車室内への吹き出し空気の温度にむらを生じて、乗員にとって快適な冷房状態を実現しにくい。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、耳障りな騒音を大きくする事なく、偏流を生じにくくして、コア部を通過する空気を十分に均一に冷却できる構造を実現すべく発明したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のエバポレータは、前述した従来から知られているエバポレータと同様に、それぞれの内部に扁平な流路を有する複数の伝熱管素子及び複数のフィンから成るコア部と、このコア部の内部に冷媒を送り込む為の冷媒送り込み口と、このコア部から冷媒を取り出す為の冷媒取り出し口とを有し、上記各伝熱管素子の内部に冷媒を流通させると共に、これら各伝熱管素子の外部に空気調和用の空気を、上記コア部の厚さ方向に通過させる状態で使用する。
【0009】
特に、本発明の積層型エバポレータに於いては、上記冷媒送り込み口から送り込まれた冷媒をその長さ方向に広がらせる第一タンク流路と、この第一タンク流路の長さ方向複数個所にそれぞれの上流端を接続されて、この第一タンク流路から送り込まれた冷媒を流す複数の上流側流路と、これら各上流側流路の下端端にその中間部を接続されて、これら各上流側流路から送り込まれた冷媒を長さ方向に流す第二タンク流路と、この第二タンク流路の下流端にその上流端を接続されて、この第二タンク流路から送り込まれた冷媒を長さ方向に流す第三タンク流路と、この第三タンク流路の長さ方向複数個所にそれぞれの上流端を接続されて、この第三タンク流路から送り込まれた冷媒を流す複数の下流側流路と、これら各下流側流路の下流端にその中間部を接続されて、これら各下流側流路から送り込まれた冷媒を集合して上記冷媒取り出し口に向けて流す第四タンク流路と、この第四タンク流路の長さ方向中間部に設けられて、この第四タンク流路内の冷媒が流れる空間の断面積を減少させる絞り部とを備える。
【0010】
【作用】
上述の様に構成する本発明のエバポレータの場合、第四タンク流路の長さ方向中間部に、この第四タンク流路内の冷媒が流れる空間の断面積を減少させる絞り部を設けている為、第三タンク流路内でこの絞り部と対応する部分よりもコア部の端部側には、片寄って多くの液状冷媒を送りにくくして各下流側流路内での偏流を生じにくくできる。更に、上記第四タンク流路内で絞り部を通過した液状冷媒の流速が速くなっても、この第四タンク流路は上記各下流側流路よりも下流側にある為、これら各下流側流路のうち、上記絞り部よりもコア部の端部側に設ける部分での冷媒の偏流が生じ易くなる事はない。更に、本発明のエバポレータの場合、上記絞り部を、第一〜第四タンク流路のうちで最も冷媒の流れが安定している第四タンク流路に設けている為、この絞り部を設けたのにも拘らず、冷媒の流動音を小さく抑える事ができる。この結果、本発明のエバポレータは、耳障りな騒音を大きくする事なく、エバポレータ全体での偏流の程度を小さく抑えて、熱交換性能を十分に確保すると共に、コア部を通過する空気を十分に均一に冷却する事ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜6は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例のエバポレータ1aは、複数枚の金属板を互いに積層する事により構成した、所謂積層型エバポレータとしたものであり、前述した従来構造と同様に、それぞれの内部に扁平な流路である、上流側流路2a又は下流側流路2bを有する複数の伝熱管素子13及び複数のフィン(図示せず)から成るコア部11と、このコア部11の内部に冷媒を送り込む為の冷媒送り込み口9を有する冷媒送り込み管7と、上記コア部11から冷媒を取り出す為の冷媒取り出し口10を有する冷媒取り出し管8とを備える。
【0012】
上記コア部11を構成する為の各伝熱管素子13は、後で詳しく説明する様に、それぞれの片面に凹部を形成した金属板14を2枚1組とし、互いの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに気密且つ液密に接合する事により造っている。又、これら各伝熱管素子13の内部に、中間部を180度折り返した扁平な上流側流路2a(又は下流側流路2b)を有する。
【0013】
又、上記各金属板14は、芯材(比較的融点が高いアルミニウム合金)の両面にろう材(Siを多く含み、比較的融点が低いアルミニウム合金)を積層した、所謂両面クラッド材としている。前記エバポレータ1aを造るには、上記各金属板14と、前記フィンと、前記冷媒送り込み管7と、前記冷媒取り出し管8とを組み合わせ、加熱炉中で加熱して、上記ろう材により上記各部材14、7、8を、互いにろう付け接合する。
【0014】
上記各伝熱管素子13は、図4に詳示する様な金属板14を2枚、互いの凹部同士を対向させた状態で、最中状に重ね合わせ、互いにろう付けして成る。アルミニウム合金の両面クラッド材である素板にプレス加工を施して成る、上記金属板14は、それぞれの上端部に、互いに独立した第一、第二深凹部15、16を設けている。又、中間部には、これら第一、第二深凹部15、16同士を連通させる、1本の浅凹部17を設けている。この浅凹部17は、中間部を180度折り返している。
【0015】
上記各伝熱管素子13はそれぞれ、上述の様な金属板14を2枚1組として、それぞれの凹部同士を対向させた状態、即ち、第一深凹部15同士、第二深凹部16同士、浅凹部17同士を互いに対向させた状態で、最中状に重ね合わせている。そして、上記第一深凹部15同士が突き合わされた部分に第一タンク空間18を、上記第二深凹部16同士が突き合わされた部分に第二タンク空間19を、それぞれ形成している。
【0016】
又、上記各伝熱管素子13を構成する為に浅凹部17同士が突き合わされた部分を前記上流側流路2a(又は下流側側流路2b)として、この上流側流路2a(又は下流側側流路2b)により上記第一、第二タンク空間18、19同士を連通させている。尚、上記浅凹部17内には多数の突起20を形成している。これら各突起20の先端面は、上記各金属板14同士を最中状に組み合わせる際に、これら各金属板14の周縁部等と共に、互いに突き合わされてろう付けされる。そして、上記各伝熱管素子13の耐圧強度を確保すると共に、上記上流側流路2a、下流側流路2b内を流れる冷媒の流れを攪乱する役目を果たす。
【0017】
前記コア部11は、それぞれが上述した様に構成する複数の伝熱管素子13を、フィンを介して重ね合わせる事により構成している。そして、この様に重ね合わせた状態で、上記コア部11の片半部(図1、2の左半部)に於いてそれぞれが互いに整合する、上記第一タンク空間18同士を互いに連通して、第一タンク流路3を構成している。この為に、上記コア部11の片半部で上記各伝熱管素子13を構成する金属板14に形成した第一深凹部15の底部には、上記コア部11の幅方向中央部及び幅方向一端部(図1、2の左端部)に位置する2枚の金属板14を除き、冷媒を通過させる為の通孔21を形成している。この様にして構成した、上記第一タンク流路3の長さ方向中間部には、前記冷媒送り込み管7の下流端を接続している。従って、前記冷媒送り込み口9を通じて上記冷媒送り込み管7から送り込まれた冷媒は、この第一タンク流路3により長さ方向に広がる状態で流される。又、上記コア部11の片半部に存在する複数の伝熱管素子13の内部に存在する流路を、それぞれ上流側流路2a、2aとしている。従って、これら各上流側流路2a、2aの上流端は、上記第一タンク流路3の長さ方向複数個所に、それぞれ接続されている。
【0018】
又、上記コア部11の片半部に於いてそれぞれが互いに対向する、上記第二タンク空間19同士を、それぞれ互いに連通して、第二タンク流路4を構成している。この為に、上記コア部11の片半部で上記各第伝熱管素子13を構成する金属板14に形成した第二深凹部16の底部には、コア部11の幅方向一端部に存在する1枚の金属板14を除き、冷媒を通過させる為の通孔21を形成している。この様に構成した第二タンク流路4の長さ方向複数個所には、上記各上流側流路2aの下流端が接続されており、この第二タンク流路4は、これら各上流側流路2aから送り込まれた冷媒を水平方向に流す。
【0019】
又、上記コア部11の他半部(図1、2の右半部)に於いてそれぞれが互いに対向する、上記各伝熱管素子13の第二タンク空間19同士を、互いに連通して、その上流端が上記第二タンク流路4の下流端に接続された、第三タンク流路5を構成している。この為に、上記コア部11の他半部で上記各伝熱管素子13を構成する金属板14に形成した第二深凹部16の底部には、上記コア部11の幅方向他端部(図1、2の右端部)に位置する1枚の金属板14を除き、冷媒を通過させる為の通孔21を形成している。従って、この様に構成する第三タンク流路5は、上記第二タンク流路4から送り込まれた冷媒を水平方向に流す。又、上記コア部11の他半部に存在する各伝熱管素子13の内部に存在する流路を、それぞれ下流側流路2b、2bとしている。従って、これら各下流側流路2b、2bの上流端は、上記第三タンク流路5の長さ方向複数個所に、それぞれ接続されている。
【0020】
又、上記コア部11の他半部に於いてそれぞれが互いに整合した状態で重ね合わされる、上記各伝熱管素子13の第一タンク空間18同士を、互いに連通して、その長さ方向複数個所に上記各下流側流路2b、2bの下流端を接続した、第四タンク流路6を構成している。この為に、上記コア部11の他半部で上記各伝熱管素子13を構成する金属板14に形成した第一深凹部15の底部には、上記コア部11の幅方向他端部に位置する1枚の金属板14を除き、冷媒を通過させる為の通孔21を形成している。この様に構成した第四タンク流路6の中間部には、前記冷媒取り出し管8の上流端を接続している。従って、上記各下流側流路2b、2bからこの第四タンク流路6内に送り込まれた冷媒は、集合して、前記冷媒取り出し口10を通じて上記冷媒取り出し管8から取り出される。尚、本例の場合、上述の様に構成する各タンク流路3〜6の内径は、凡そ22mm以下の大きさとしている。又、上記コア部11の両端部に存在する2枚の金属板14の片側に、フィンを介してサイドプレートを固定しても良い。
【0021】
特に、本発明のエバポレータの場合、上記第四タンク流路6の長さ方向中間部で上記コア部11の端部寄り部分に、この第四タンク流路6内の冷媒が流れる空間の断面積を減少させる絞り部12を設けている。この為に、本例の場合は、上記コア部11の他端(図1、2の右端)寄り部分に存在する1個の伝熱管素子13を構成する1枚の金属板14に形成した第一深凹部15の底部に設ける通孔21aの内径を、図5に示す様に、他の金属板14に設けた通孔21の内径よりも小さくして、この通孔21aを設けた第一深凹部15の底部を上記絞り部12としている。この絞り部12により、上記通孔21aの内径を他の通孔21の内径よりも小さくする程度は、エバポレータ1a内を流れる冷媒量及び上記絞り部12を設ける位置等により適宜規制する。又、本発明のエバポレータの場合には、前記第三タンク流路5に上記絞り部12を設けない。又、本例のエバポレータの場合、この絞り部12を、前記冷媒取り出し口10と、上記コア部11の他端部との間部分に設けている。尚、本例のエバポレータの場合には、前記第一タンク流路3内の両端寄り部分にも、上記第四タンク流路6内に設ける絞り部12と同様の絞り部12a、12aを、それぞれ設けている。この為、これら各絞り部12a、12aは、上記第一タンク流路3内で、前記冷媒送り込み口9とこの第一タンク流路3の両端との間に設けられる。
【0022】
上述の様に構成する本発明のエバポレータは、自動車用空気調和装置に組み込んで使用する。エバポレータ1aの使用時には、コンデンサから吐出され、膨張弁を通過した液状若しくは気液混合状態の冷媒を、前記冷媒送り込み管7から前記冷媒送り込み口9を通じて、前記第一タンク流路3内に送り込む。この第一タンク流路3内に送り込まれた冷媒は、図1、2に矢印イ、イで示す様に、この第一タンク流路3全体に長さ方向に広がる。この第一タンク流路3内に広がった冷媒は、続いて、図1に矢印ロ、ロで示す様に、コア部11の片半部を構成する各上流側流路2a、2a内を、第二タンク流路4に向けて、コア部11の外部を通過する空気との間で熱交換を行ないつつ流れる。
【0023】
この様にして上記第二タンク流路4内に流れ込んだ冷媒は、この第二タンク流路4内を、図1、2に矢印ハで示す様に水平方向に流れた後、この第二タンク流路4の下流端にその上流端を接続した第三タンク流路5内を同図に矢印ニで示す様に水平方向に流れる。そして、この第三タンク流路5内に送り込まれた冷媒は、図1に矢印ホ、ホで示す様に、コア部11の他半部を構成する各下流側流路2b、2b内を、上記熱交換を行ないつつ流れ、上記第四タンク流路6内に達する。
【0024】
この様にしてこの第四タンク流路6内に達した冷媒は、図1、2に矢印ヘ、ヘで示す様に、この第四タンク流路6内を流れ、前記冷媒取り出し管10に流出し、この冷媒取り出し管10の下流端に接続した配管を通じて、コンプレッサの吸入口に送られる。
【0025】
特に、本発明のエバポレータの場合、上記第四タンク流路6の長さ方向中間部に、この第四タンク流路6内の冷媒が流れる空間の断面積を減少させる絞り部12を設けている為、第三タンク流路5内でこの絞り部12と対応する部分よりもコア部11の端部側には、片寄って多くの液状冷媒を送りにくくして、下流側流路2b、2b内での偏流を生じにくくできる。即ち、これら各下流側流路2b、2bのうち、上記絞り部12よりも上記コア部11の端部側に位置する一部の下流側流路2b、2bの背圧が高くなり、上記第三タンク流路5内を流れる冷媒の勢いに拘らず、これら一部の下流側流路2b、2b内に、過剰の冷媒が送り込まれるのを防止する。例えば、本発明のエバポレータの場合と異なり、上記第四タンク流路6に上記絞り部12を設けない場合、第三タンク流路5内に送り込まれた冷媒は、その慣性が大きくなる液状冷媒がコア部11の端部側に多く送り込まれる。この為、下流側流路2b、2b内で液状冷媒の偏流が生じて、図7に斜線部で示す様に、コア部11の他半部(図7の右半部)で中心寄りに存在する部分を通過する空気を十分に冷却できず、このコア部11を通過する空気を十分に均一に冷却する事ができない。これに対して、本発明のエバポレータの場合には、下流側流路2b、2b内での偏流を生じにくくできるので、上記コア部11を通過する空気を十分に均一に冷却する事ができる。
【0026】
更に、本発明の場合、上記第四タンク流路6内で絞り部12を通過後の液状冷媒の流速が速くなっても、この第四タンク流路6は上記各下流側流路2b、2bよりも下流側にある為、上記下流側流路2b、2bのうち、上記絞り部12よりもコア部11の端部側に設ける部分内での液状冷媒の偏流が生じ易くなる事はない。
【0027】
更に、本発明のエバポレータの場合、第一〜第四タンク流路3〜6のうちで最も冷媒の流れが安定している第四タンク流路6内に上記絞り部12を設けている為、この絞り部12を設けたのにも拘らず、冷媒の流動音を小さく抑える事ができる。即ち、第四タンク流路6内では、下流側流路2b、2bの下流端から流出して冷媒取り出し口8に向かう冷媒の比較的単純な流れのみが存在している。この為、上記第四タンク流路6内では、第一〜第四タンク流路3〜6のうちで冷媒の流れが最も安定している。
【0028】
本発明の発明者は、この様にこれら各タンク流路3〜6内で冷媒の流れが最も安定しているのが、第四タンク流路6である事を確認する為の実験として、エバポレータ1aの使用時でのこれら各タンク流路3〜6内での振動加速度レベルを測定する実験を行なった。図8は、この実験の結果を示している。この図8の(1)は第一タンク流路3部分に、(2)は第二タンク流路4部分に、(3)は第三タンク流路5部分に、(4)は第四タンク流路6部分に、それぞれ振動センサを配置する事により、それぞれの部分での上下方向振動加速度レベルを測定した結果を示すものである。又、(A)は、コンプレッサの回転数が900min-1 (r.p.m.)の場合を、(B)は、同じく1500min-1 (r.p.m.)の場合を、それぞれ示している。又、各図に於いて、実線は、コンプレッサを起動後で安定した場合を、点線は、コンプレッサを起動直後で不安定な場合を、鎖線は、コンプレッサを停止した場合を、それぞれ示している。この図8に示した実験結果から分かる様に、冷媒の流れは、第四タンク流路6内で最も安定しており、逆に第三タンク流路5内で最も不安定である。従って、本発明の場合には、冷媒の流れが最も安定している第四タンク流路6に前記絞り部12を設けて、冷媒の流れが最も不安定である第三タンク流路5に絞り部を設けない事で、冷媒の流動音が大きくなる事を防止している。この結果、本発明のエバポレータによれば、耳障りな騒音を大きくする事なく、エバポレータ1a全体での偏流の程度を小さく抑えて、熱交換性能を十分に確保すると共に、コア部11を通過する空気を十分に均一に冷却する事ができる。又、本例では、上記絞り部12を、前記冷媒取り出し口10と、前記コア部11の他端部との間部分に設けている為、このコア部11の他端寄り部分に片寄って多くの液状冷媒が送り込まれるのをより十分に防止して、エバポレータ1a全体での偏流の程度をより小さく抑える事ができる。
【0029】
尚、本例では、前記第一タンク流路3内の両端寄り部分にも、上記第四タンク流路6内に設ける絞り部12と同様の絞り部12a、12aを、それぞれ設けている。従って、冷媒送り込み口9から上記第一タンク流路3内に送り込まれた冷媒のうち、片寄って多くの液状冷媒が、この第一タンク流路3の両端寄り部分に送り込まれる事を防止して、上流側タンク流路2a、2a内の偏流を防止する事ができる。又、この様に上記第一タンク流路3に絞り部12a、12aを設ける事が、冷媒の流動音をそれ程大きくしないで済む事は、前述した図8に示した実験結果を見ても明らかである。但し、冷媒の流動音をより小さく抑える為に、上記第一タンク流路3に設けた絞り部12a、12aを省略する事もできる。
【0030】
次に、本発明の発明者が本発明の効果を確認する為に行なった実験として、エバポレータ1a全体で偏流が生じる程度を確認する為に行なった実験に就いて説明する。この実験は、エバポレータ1aの使用時でのこのエバポレータ1aの全面に亙る各部の表面温度分布を測定する事により行なった。図9(A)(B)は、それぞれエバポレータ1a表面の温度分布を示しており、(A)は、従来構造で第三タンク流路5に絞り部12を設けた場合を、図9(B)は、本発明の場合を、それぞれ示している。又、これら(A)(B)に於いて、各部の色が、濃くなる程、低温である事を示しており、反対に薄くなる程、高温である事を示している。この図9に示した実験結果から分かる様に、本発明のエバポレータは、従来構造に比べて、エバポレータ1a全体での偏流が生じる程度を小さくし、このエバポレータ1aで熱交換されにくい部分を少なくして、コア部11を通過する空気を十分に均一に冷却する事ができる。
【0031】
又、本発明の発明者は、本発明の効果を確認する為に、エバポレータ1aの使用時にこのエバポレータ1a近傍で生じる騒音を測定する実験も行なった。図10、11は、本発明の場合と、第三タンク流路5に絞り部12を設けた従来構造の場合とに就いて、エバポレータ1aの使用時にこのエバポレータ1a部分で発生する騒音レベルを測定した実験結果を示している。又、図10は、コンプレッサの回転数が900min-1 (r.p.m.)の場合を、図11は、同じく回転数が1500min-1 (r.p.m.)の場合を、それぞれ示している。又、各図で実線が本発明の場合を、鎖線が従来構造の場合を、それぞれ示している。これら図10、11に示した実験結果から分かる様に、本発明の場合は、従来構造の場合に比べて、冷媒の流動音を小さく抑えて、耳障りな騒音を小さくする事ができる。尚、コンプレッサの停止時に於いても微小な騒音が生じているが、これはエバポレータ1aに熱交換の為に当てる微風に基づく風騒音であり、人に聞こえる程の騒音ではない。
【0032】
次に、図12〜18は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例は、上述した第1例の場合と異なり、複数のタンク流路3〜6と上流側、下流側流路2a、2b(図18)とを、それぞれ異なる種類の部材である、第一、第二のタンク22、23と複数の伝熱管素子24、24とにより構成した場合に就いて、本発明を適用したものである。即ち、本例のエバポレータ1bは、第一、第二のタンク22、23と、これら各タンク22、23の長さ方向中間部にそれぞれの上端部を接合した、複数の伝熱管素子24、24と、隣り合う伝熱管素子24、24同士の間に挟持したフィン25、25と、1対のサイドプレート26、26とを備える。そして、上記複数の伝熱管素子24、24とフィン25、25とにより、コア部11aを構成している。
【0033】
このコア部11aを構成する各伝熱管素子24、24は、図17に詳示する様に、それぞれの片面に凹部28を形成した金属板27、27を2枚1組とし、互いの凹部28同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて、互いに気密且つ液密にろう付け接合する事により造っている。そして、これら各伝熱管素子24、24の内部に、中間部を180度折り返したU字形の扁平な上流側流路2a(又は下流側流路2b)を形成している。
【0034】
上記各伝熱管素子24、24を構成する各金属板27、27は、芯材の両面にろう材を積層した、所謂両面クラッド材としている。又、これら各金属板27、27の素板にプレス加工を施す事で、それぞれの上端縁に、互いに間隔をあけて1対の突出部29、29を形成すると共に、それぞれの片面に、中間部を180度折り返したU字形の凹部28を形成している。この凹部28の両端は、上記各突出部29、29の上端縁に迄連続させている。
【0035】
上記各伝熱管素子24、24はそれぞれ、上述の様な金属板27、27を2枚1組として、それぞれの凹部28同士を対向させた状態で、最中状に重ね合わせてろう付け接合している。そして、これら各凹部28同士が突き合わされた部分により、中間部を180度折り返した扁平な上流側流路2a(又は下流側側流路2b)を構成している。又、上記各金属板27、27同士を重ね合わせた状態で、これら各金属板27、27の上端縁に設けた各突出部29、29同士が突き合わされた部分により、次述する第一、第二のタンク22、23の一部に挿入する為の挿入部30、30を構成している。尚、上記各凹部17内には多数の突起20、20を形成している。そして、これら複数の突起20、20の先端面同士を突き合わせてろう付け接合する事により、上記各伝熱管素子24、24の耐圧強度を確保すると共に、上記上流側流路2a(又は下流側流路2b)内を流れる冷媒の流れを攪乱する事ができる様にしている。
【0036】
又、前記第一、第二の各タンク22、23は、それぞれがアルミニウム合金の両面クラッド材である素板にプレス加工を施して成る、座板31とタンク本体32とを組み合わせ、互いに気密且つ液密にろう付け接合する事により造っている。このうちの座板31の長さ方向中間部には複数のスリット状の接続孔33、33を、それぞれこの座板31の両側面を貫通する状態で形成している。これら各接続孔33、33には、上記各伝熱管素子24、24の上端部に設けた各挿入部30、30を殆ど隙間なく挿入自在としている。又、上記第一のタンク22を構成するタンク本体32の一部に、冷媒送り込み口9と冷媒取り出し口10とを設け、これら冷媒送り込み口9と冷媒取り出し口10とに、それぞれ冷媒送り込み管7と冷媒取り出し管8とを接続自在としている。
【0037】
そして、上記座板31とタンク本体32とを組み合わせて、互いにろう付け接合する事により、上記第一、第二の各タンク22、23を構成している。この際、上記第一のタンク22の内側中央部には、仕切り板34を設けて、この仕切り板34により上記第一のタンク22の内部を2分割している。そして、上記第一のタンク22の内部で、上記仕切り板34よりも冷媒送り込み口9側を第一タンク流路3とし、上記仕切り板34よりも冷媒取り出し口10側を第四タンク流路6としている。又、上記第二のタンク23の内部で、上流側半部(図12、18の左半部)を第二タンク流路4とし、下流側半部(図12、18の右半部)を第三タンク流路5としている。。
【0038】
前記エバポレータ1bを造る場合には、上記第一、第二の各タンク22、23を構成すべく、上記座板31とタンク本体32とを互いに組み合わせた状態で、上記各タンク22、23に設けた各接続孔33、33に、上記複数の伝熱管素子24、24の上端部に設けた各挿入部30、30を挿入する。そして、隣り合う伝熱管素子24、24同士の間にフィン25、25を挟持し、前記コア部11aの幅方向両端部にサイドプレート26、26を重ね合わせた状態で、上記各部材31、32、24、25、26同士をろう付け接合する。
【0039】
特に、本例の場合には、上記第一のタンク22の内部で上記第一タンク流路3に対応する部分の2個所位置に、それぞれが図15に詳示する様な形状を有する、1対の第一の堰板35、35を固定している。即ち、これら各第一の堰板35、35は、上半部外周縁を上記第一のタンク22を構成するタンク本体32の内面に沿う形状に形成すると共に、両端部に1対の係止部36、36を形成している。そして、これら各係止部36、36を上記タンク本体32の下端縁に係止自在としている。又、上記各第一の堰板35、35の下端縁に、円弧状の凹部37を形成している。そして、上記第一のタンク22の内部のうち、上記第一のタンク流路3に対応する部分で、前記冷媒送り込み口9を挟んで両側に位置する部分に上記各第一の堰板35、35を、上記タンク本体32の下端縁に上記各係止部36、36を係止する状態で固定している。
【0040】
又、上記第一のタンク22の内部で上記第四タンク流路6に対応する部分の中間部に、図16に詳示する様な第二の堰板38を固定している。この第二の堰板38の場合にも、上記各第一の堰板35、35の場合と同様に、上半部外周縁を上記タンク本体32の内面に沿う形状に形成すると共に、両端部に、このタンク本体32の下端縁に係止自在な係止部36、36を形成している。又、この第二の堰板38の場合には、上端側に少し寄った部分に、両側面を貫通する通孔39を形成している。本例の場合には、上記第二の堰板38が、請求項に記載した絞り部に相当する。そして、上記第一のタンク22の内部のうち、上記第四タンク流路6に対応する部分で、前記冷媒取り出し口10よりもコア部11aの一端(図12、18の右端)側に、上記第二の堰板38を固定している。又、前記第二のタンク23の内部には、上記第一、第二の堰板35、38の何れも設けない。尚、上記第一、第二の各堰板35、38は、図13に示す様に、上記第一のタンク22の内部で、前記各挿入孔33、33から外れた部分に設ける。従って、これら各挿入孔33、33にそれぞれの端部を、上記第一のタンク22の内面側に突出する状態で挿入した各伝熱管素子24、24と、上記各堰板35、38とが干渉する事はない。
【0041】
上述の様に構成する本例のエバポレータによれば、第一、第四タンク流路3、6の中間部に、この第一、第四タンク流路3、6内の冷媒が流れる空間の断面積を減少させる、第一、第二の堰板35、38を設けている為、前述の図1〜6に示した第1例の場合と同様に、上流側、下流側流路2a、2b内での偏流を生じにくくして、上記コア部11を通過する空気を十分に均一に冷却する事ができる。しかも、上記第一、第二の堰板35、38を設けたのにも拘らず、冷媒の流動音を小さく抑える事ができる。更に、本例の場合には、上記第一タンク流路3の中間部に設けた各第一の堰板35、35の下端縁に凹部37を形成している。この為、上記第一タンク流路3の内部で、重力の作用により下方を流れ易い液状冷媒が、上記各第一の堰板35、35よりも上記第一タンク流路3の両端側に、過度に送り込まれにくくなる事を防止できる。又、上記上流側流路2a、2aのうち、上記第一タンク流路3の長さ方向中央寄り部分にそれぞれの上流側端部を接続した上流側流路2a、2aに、液状冷媒が流れにくくなる、偏流を生じにくくする事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜6に示した第1例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0042】
尚、本例の場合には、エバポレータ1bの上端部に第一、第二の各タンク22、23を設けているが、エバポレータ1bの下端部に第一、第二のタンク22、23を設ける場合には、上記各第一の堰板35、35の外周縁のうち、上記第一のタンク22を構成するタンク本体32の内面と対向する部分に上記凹部37を形成する。そして、この凹部37が、上記各第一の堰板35、35の下端側に形成される様にする。又、本例の場合には、上記第四タンク流路6の中間部に、その一部に通孔39を有する第二の堰板38を設けているが、この第二の堰板38の代わりに、外周縁の一部に凹部37を形成した第一の堰板35を設けて、この第一の堰板35を請求項に記載した絞り部とする事もできる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の積層型エバポレータは、以上に述べた通り構成され作用するので、耳障りな騒音を大きくする事なく、偏流を生じにくくして、熱交換性能を十分に確保すると共に、コア部を通過する空気を十分に均一に冷却する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例に於いて、冷媒の流れ状態を説明する為の略透視斜視図。
【図2】同じく略透視平面図。
【図3】エバポレータを構成する伝熱管素子を、側方から見た状態で示す略透視図。
【図4】図3に示した伝熱管素子を構成する金属板を示しており、(A)は図1のα方向から、(B)は図1のβ方向から、それぞれ見た図。
【図5】図3に示した伝熱管素子を構成する金属板のうち、一部に絞り部を設けた金属板を示す、図4(B)の上部に相当する図。
【図6】第三タンク流路から複数の下流側流路に向けて、冷媒が流れる状態を説明する為の略透視正面図。
【図7】従来構造で第四タンク流路に絞り部を設けない場合での、図6と同様の図。
【図8】各タンク流路に絞り部を設けない場合に於ける、これら各タンク流路部分での振動加速度レベルと、周波数との関係を示す線図。
【図9】エバポレータの使用時にこのエバポレータの表面の温度分布を測定した結果を、従来構造の場合(A)と本発明の場合(B)とで比較して示す図。
【図10】エバポレータの使用時にこのエバポレータ近傍で生じる騒音を測定した結果を、コンプレッサの回転数が900min-1 の場合に就いて示す図。
【図11】同じく、コンプレッサの回転数が1500min-1 の場合に就いて示す図。
【図12】本発明の実施の形態の第2例を示す斜視図。
【図13】図12のX−X断面図。
【図14】同じくY−Y断面図。
【図15】第一の堰板を厚さ方向から見た図。
【図16】第二の堰板を厚さ方向から見た図。
【図17】本発明の実施の形態の第2例のエバポレータの部分分解斜視図。
【図18】本発明の実施の形態の第2例に於いて、冷媒の流れ状態を説明する為の略透視斜視図。
【図19】従来構造の1例の冷媒の流れ状態を説明する為の、略透視斜視図。
【図20】同じく略透視平面図。
【符号の説明】
1、1a、1b エバポレータ
2a 上流側流路
2b 下流側流路
3 第一タンク流路
4 第二タンク流路
5 第三タンク流路
6 第四タンク流路
7 冷媒送り込み管
8 冷媒取り出し管
9 冷媒送り込み口
10 冷媒取り出し口
11、11a コア部
12、12a 絞り部
13 伝熱管素子
14 金属板
15 第一深凹部
16 第二深凹部
17 浅凹部
18 第一タンク空間
19 第二タンク空間
20 突起
21、21a 通孔
22 第一のタンク
23 第二のタンク
24 伝熱管素子
25 フィン
26 サイドプレート
27 金属板
28 凹部
29 突出部
30 挿入部
31 座板
32 タンク本体
33 接続孔
34 仕切り板
35 第一の堰板
36 係止部
37 凹部
38 第二の堰板
39 通孔

Claims (2)

  1. それぞれの内部に扁平な流路を有する複数の伝熱管素子及び複数のフィンから成るコア部と、このコア部の内部に冷媒を送り込む為の冷媒送り込み口と、このコア部から冷媒を取り出す為の冷媒取り出し口とを有し、上記各伝熱管素子の内部に冷媒を流通させると共に、これら各伝熱管素子の外部に空気調和用の空気を、上記コア部の厚さ方向に通過させる状態で使用するエバポレータに於いて、
    上記冷媒送り込み口から送り込まれた冷媒をその長さ方向に広がらせる第一タンク流路と、この第一タンク流路の長さ方向複数個所にそれぞれの上流端を接続されて、この第一タンク流路から送り込まれた冷媒を流す複数の上流側流路と、これら各上流側流路の下端端にその中間部を接続されて、これら各上流側流路から送り込まれた冷媒を長さ方向に流す第二タンク流路と、この第二タンク流路の下流端にその上流端を接続されて、この第二タンク流路から送り込まれた冷媒を長さ方向に流す第三タンク流路と、この第三タンク流路の長さ方向複数個所にそれぞれの上流端を接続されて、この第三タンク流路から送り込まれた冷媒を流す複数の下流側流路と、これら各下流側流路の下流端にその中間部を接続されて、これら各下流側流路から送り込まれた冷媒を集合して上記冷媒取り出し口に向けて流す第四タンク流路と、この第四タンク流路の長さ方向中間部に設けられて、この第四タンク流路内の冷媒が流れる空間の断面積を減少させる絞り部とを備えた事を特徴とするエバポレータ。
  2. 冷媒取り出し口は第四タンク流路の長さ方向中間部に設けられており、絞り部は、この冷媒取り出し口よりもコア部の端に寄った部分に設けられている、請求項1に記載したエバポレータ。
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