JP4103993B2 - 累進屈折力レンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、累進帯長や近用内寄せ量等の光学性能値を特定する光学性能特定情報が付された累進屈折力レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、累進屈折力レンズには、そのレンズをフレームに枠入れするときの位置決めの基準となるアライメント基準マーク、及びそのレンズの累進帯長、近用内寄せ量、加入度等を識別するマークを刻印することが行われている。また、更に詳細な設計情報をレンズ面に刻印することも行なわれている(特許文献1等参照)。
【0003】
これらのマークは、レンズがフレームに枠入れされた後にも該フレーム内に残る位置に刻印されている。従って、レンズがフレームに枠入れされて消費者が使用する状態になってもマークを読み取ることによって、そのレンズの累進帯長や近用内寄せ量等を識別できる(特許文献2等参照)。
【0004】
尚、上記のようなマークをレンズに刻印する方法としては、ダイヤモンドペンで罫書く方法や、レーザ光を照射して行なう方法等がある(特許文献3等参照)。
【特許文献1】
特開平11-337887号公報(第1-3頁,第1図)
【特許文献2】
特開2000-284234号公報(第1-5頁,第1図)
【特許文献3】
特開2000-28891号公報(第1-7頁,第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した累進帯長、近用打寄せ量、及び加入度は、累進屈折力レンズの評価において特に重要な項目であると考えられる。
まず累進帯長とは、累進屈折力レンズの遠用部と近用部の中間にて連続的に屈折力が変化する累進帯の長さをいう。従って、累進帯長は、その累進屈折力レンズを使用するにあたり、近方視の際に視線をどれだけ下方に向ける必要があるのか、或いは遠方視の際にどれだけ視線を上方に向ける必要があるのかを評価するための重要な光学性能値である。
【0006】
また近用内寄せ量とは、眼の輻輳量を加味して、遠用中心に対して近用中心をやや鼻側に内寄せした量をいう。これも上記累進帯長と同様に、累進屈折力レンズの光学性能を決める大きな要素となる。尚、輻輳とは、人間が近くの物を見るときに、眼球が鼻側に寄る作用をいう。
【0007】
また加入度とは、累進屈折力レンズの遠用屈折力と近用屈折力の差をいう。この加入度は、処方値の一項目とされており、近用領域の広さや、どこまで物を近づけて見ることができるかという累進屈折力レンズの近方視の性能を大きく左右する重要な光学性能値である。更に、この加入度が大きくなるにしたがって、累進屈折力レンズの欠点である近用部側方の「ゆれ」や「ゆがみ」が増加する傾向にあることを考えると、加入度は過不足のない適正な値にする必要がある。この観点からも、加入度が累進屈折力レンズにとって重要な光学性能値であるといえる。
【0008】
以上のように、累進屈折力レンズには、累進帯長、近用内寄せ量、及び加入度という重要な光学性能値がある。しかしながら、従来の累進屈折力レンズでは、これらの光学性能値を識別するマークが刻印されてはいるものの、そのマークを見ただけでは、それに基づいて当該レンズを適切に評価できない場合がある。というのも、それら光学性能値の定義の仕方が必ずしも統一されておらず、複数の定義方法が存在しているからである。
【0009】
具体的に説明すると、例えば累進帯長に関していえば、従来の累進屈折レンズには次のような課題がある。
まず、凸面か凹面の一方のみに累進面をもつタイプの累進屈折力レンズでは、累進面をもつ側の面を基準にして累進帯長を定義するのが普通である。しかし、受注後に設計して製造する場合には、たとえ凸面に累進面をもつレンズであっても、凹面を基準として累進帯長を定義し、設計・製造することもできる。同様に、凹面に累進面をもつタイプのレンズであっても、凸面を基準として累進帯長を定義し、設計・製造することもできる。
また、凸面と凹面の屈折性能を組み合わせて両面で累進屈折性能を作り出すタイプのレンズでは、どちらか一方の面だけが累進面という訳ではないので、凸面と凹面のどちらの面を基準にしても累進帯長を定義できる。
【0010】
このように、累進帯長は凸面を基準にして定義する場合もあるし、また凹面を基準にして定義することもある。何れの面を基準とするかは必ずしも統一されていない。ところが、レンズの凸面を基準にした場合と、凹面を基準にした場合とでは、レンズに刻印されたマークから識別される累進帯長の値が同じであっても、近方視の際に視線をどれだけ下方に向ける必要があるのかという量である近用アイポイントを通る視線の角度が異なる。尚、この問題は、近用打寄せ量に関しても同様にあてはまる問題である。
【0011】
具体的には、図6に示すように、眼球1の回旋中心2から累進屈折力レンズ3側へ視線を向けるモデルを想定する。このモデルにおいて、累進帯長4が凸面3aを基準に定義されている場合に、その凸面3a上の遠用アイポイント及び近用アイポイントを通過する視線は、それぞれ符号5,6に示すものとなる。一方、累進帯長4が凹面3bを基準に定義されている場合に、その凹面3b上の遠用アイポイント及び近用アイポイントを通過する視線は、それぞれ符号7,8に示すものとなる。
【0012】
そうすると、図示のように累進帯長4の定義値が同じであっても、その累進帯長が凸面3aを基準に定義された場合と、凹面3bを基準に定義された場合とでは、特に近方視の視線6,8の角度という観点からいえば明らかに異なる。従って、累進帯長の定義値が特定されただけでは、例えば近方視の際に視線をどれだけ下方に向ける必要があるのかという具体的な観点からは、該累進屈折力レンズの光学性能を正確に評価できないという課題がある。
【0013】
次に、加入度に関していえば、従来の累進屈折力レンズには、次のような課題があった。
日本や米国の市場では、加入度は、凸面に累進面をもつタイプの累進屈折力レンズでは、凸面上における近用部の基準点にレンズメータの開口部を当てて測定した屈折力と、同じく凸面上における遠用部の基準点にレンズメータの開口部を当てて測定した屈折力との差として定義されるのが通常である。
しかし欧州では、凸面に累進面をもつタイプの累進屈折力レンズに対しても、凹面上における近用部の基準点にレンズメータの開口部を当てて測定した屈折力と、同じく凹面上における遠用部の基準点にレンズメータの開口部を当てて測定した屈折力との差として加入度を定義する場合もある。
【0014】
一方、凹面に累進面をもつタイプの累進屈折力レンズでは、凹面上における近用部の基準点にレンズメータの開口部を当てて測定した屈折力と、同じく凹面上における遠用部の基準点にレンズメータの開口部を当てて測定した屈折力との差として加入度が定義されるのが普通である。
【0015】
また、凹面に累進面をもつタイプの累進屈折力レンズでは、設計時に装用状態を考慮した補正がされるものもある。その場合には、凹面上における近用部の基準点にレンズメータを当てて測定した屈折力と、凹面の遠用部の基準点にレンズメータを当てて測定した屈折力との差が、装用状態の考慮による補正の分だけ注文の加入度とは異なることになる。
【0016】
また、凸面及び凹面の屈折性能を組み合わせて両面で累進屈折性能を作り出すタイプのレンズでは、どちらか一方の面だけが累進面という訳ではないので、凸面と凹面のどちらの面を基準にしても加入度を定義できる。
【0017】
更に、加入度をどのような検眼方法により決定したかという情報を基に、検眼時に被検眼者の眼に入る光波面と、被検眼者が眼鏡レンズを装用して物体を見たときに眼に入る光波面とが一致もしくは近似するように、眼鏡レンズの光学値を選定して加入度を決定するという方法もある。
【0018】
以上のように、加入度の定義の仕方には、さまざまなものがある。従って、単に加入屈折力の値が特定されただけでは、必ずしもその値が如何なる方式で定義されたものかが判然としないため、レンズの評価基準が異なってしまうという課題がある。
【0019】
本発明の目的は、上記の課題を解決するものとして、累進帯長や近用内寄せ量、加入屈折力と複数存在するその定義を表示することにより、累進屈折力レンズの光学性能値に基づいて、該レンズを適切に評価することを可能とする手段を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、累進屈折力レンズにおいて、この累進屈折力レンズの光学性能値を特定する光学性能特定情報と、前記光学性能値の定義方法を特定する定義方法特定情報と、が付されていることを特徴とする累進屈折力レンズが提供される。この累進屈折力レンズによれば、定義方法特定情報により、光学性能値の定義方法を特定できるから、仮にその光学性能値の定義方法が統一されていない場合であっても、該光学性能値に基づいてこのレンズを適切に評価できる。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、前記定義方法特定情報として、前記光学性能値がこの累進屈折力レンズの凸面と凹面の何れを基準にして定義されたかを特定する基準面特定情報が付されていることを特徴とする累進屈折力レンズが提供される。
【0022】
本発明の具体的態様によれば、第2の態様において、前記評価値特定情報として、この累進屈折力レンズの累進帯長を特定する累進帯長特定情報、及び近用内寄せ量を特定する近用内寄せ量特定情報の少なくとも何れか一方が付されていることを特徴とする累進屈折力レンズが提供される。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、第1又は2の態様において、前記光学性能特定情報として、この累進屈折力レンズの加入度の値を特定する加入度特定情報が付され、前記定義方法特定情報として、当該加入度がこの累進屈折力レンズの凸面と凹面の何れを基準にして定義されたか、又はこの累進屈折力レンズを装用した場合の視線位置及び眼球の回旋中心に基づいて算出されたかを少なくとも特定する加入度定義方法特定情報が付されていることを特徴とする累進屈折力レンズが提供される。
【0024】
本発明の第4の態様によれば、第1乃至第3の態様において、この累進屈折力レンズの設計中心を通る水平基準線上には、フレーム枠入れのためのアライメント基準マークが該設計中心を対称に2点付され、これらアライメント基準マークは、フレームへ枠入れされた後もレンズ表面上に残る位置に配置されていて、前記光学性能特定情報及び前記定義方法特定情報が、前記アライメント基準マークの近傍に付されていることを特徴とする累進屈折力レンズが提供される。
【0025】
本発明において、アライメント基準マーク、光学性能特定情報、及び定義方法特定情報は、文字(英字や数字等を含む)や図形等の形態で付すことができる。
また、レンズに情報を付すことは、具体的には、該情報をレーザや罫書き等によってレンズ面に刻印すること、或いはインクジェット等によってレンズ面に印刷すること等により実現できる。
【0026】
本発明の第5の態様によれば、第1乃至第4の態様において、前記定義方法特定情報が記号化されて付されていると共に、当該記号の意味内容を、予め作成されたコード表を参照して識別できるようにしたことを特徴とする累進屈折力レンズが提供される。
【0027】
本発明の具体的な態様によれば、第1乃至第5の態様において、前記定義方法特定情報が記号化されて付されていると共に、同一の前記記号によって、複数種の前記光学性能値の定義方法が特定されるようにしたことを特徴とする累進屈折力レンズも提供される。
【0028】
本発明の具体的な態様によれば、第1乃至第5の態様による累進屈折力レンズにおいて、前記定義方法特定情報が、この累進屈折力レンズの凹面又は凸面の何れか一方にのみ付されていることを特徴とする累進屈折力レンズも提供される。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、実施の形態による累進屈折力レンズの全体を示し、同図(b)は該レンズ面の要部を拡大して示す。この累進屈折力レンズ9には、該レンズ9をフレームへ枠入れするときのアライメントの基準となるアライメント基準マーク10a,10b、該レンズ9の商品名を特定する商品特定情報11a、該レンズの累進帯の長さを特定する累進帯長特定情報11b、該レンズの素材屈折率を特定する素材屈折率特定情報11c、該レンズの加入度を特定する加入度特定情報11d、及び加入度や累進帯長等の定義の仕方を特定する定義方法特定情報11eが刻印されている。
【0030】
尚、図1(a),(b)において、符号12は遠方視のときに使用する遠用領域(遠用部)を示し、符号13は近方視のときに使用する近用領域(近用部)を示し、符号14は該レンズ9の水平基準線を示し、符号15は該レンズの設計中心を示す。但し、これら遠用領域12、近用領域13、水平基準線14、設計中心15は説明のために便宜的に図示したものであり、実際にレンズ9上に付される訳ではない。
【0031】
また、図1(a),(b)では模式的に破線で示しているが、実際には遠用部12と近用部13とに明確な境界がある訳ではなく、両者の中間には連続的に屈折力の変化する累進帯がある。また、図1に示したレンズ9は、同図中、左側を耳側とし、右側を鼻側とする右眼用レンズであり、近用部13が遠用部12よりも鼻側へ内寄せされているのがわかる。尚、左眼用レンズは、例えばこの右眼用レンズ9の各構成要素を、設計中心15を通る垂直線(子午線)に対して左右対称としたレイアウトになるため図示を省略する。
【0032】
図1に示すように、2点のアライメント基準マーク10a,10bは、このレンズ9の設計中心15を通る水平基準線14上に、該設計中心15を対称に付されている。つまり2点のアライメント基準マーク10a,10bは、水平基準線14上で、かつ設計中心15から等距離を隔てた位置に刻印されている。
これらアライメント基準マーク11a,11bは、このレンズ9をフレームへ枠入れされた後もレンズ9の表面上に残る位置に刻印されている。具体的には、レンズの設計中心15からアライメント基準マーク11a,11bまでの距離は例えば17[mm]とされている。
【0033】
そして、このアライメント基準マーク10a,10bの近傍に、商品特定情報11a、累進帯長特定情報11b、素材屈折率特定情報11c、加入度特定情報11d、及び定義方法特定情報11eが刻印されている。詳細には、商品特定情報11a、累進帯長特定情報11b、及び素材屈折率特定情報11cは耳側のアライメント基準マーク10aの近接する下方に刻印され、加入度特定情報11d及び定義方法特定情報11eは、鼻側のアライメント基準マーク10bの近接する下方に刻印されている。
【0034】
従って、図1に示すのは未加工状態のいわゆる丸レンズであるが、これを眼鏡フレームの形状に加工した後であっても、全ての情報11a,11b,11c,11d,11eがアライメント基準マーク10a,10bとともにレンズ面上に残ることになる。
但し、アライメント基準マーク10a,10b、及び情報11a,11b,11c,11d,11eは、いずれもこの累進屈折力レンズ9の使用部分に刻印されるため、できるだけ目立たないようにいわゆる隠しマークとされている。隠しマークは、通常肉眼では認識できず、特殊な光源(例:蛍光灯)を当てたり、特定の角度から目視して始めて確認できるから、視野の妨げになることはない。
【0035】
さて、商品特定情報11aは、記号化されて付されている。該記号は、英字からなる。図1に示す例では、該記号として「ID」を付している。この記号「ID」の意味内容は、予め作成された商品コード表によって識別できるようになっている。つまり下記表1に掲げるように、商品コード表では、記号毎にその記号に対応する商品名が割り当てられている。従って、この商品コード表を参照すれば、コードの項目の「ID」に対応する商品名が「HOYALUX ID」であることを識別できる。
【表1】
【0036】
次に、累進帯長特定情報11bも、記号化されて付されている。該記号は、数字又は英字からなる。図1に示す例では、該記号として「4」を付している。この記号「4」の意味内容は、予め作成された累進帯長コード表によって識別できるようになっている。つまり下記表2に掲げるように、累進帯長コード表では、記号毎にその記号に対応する累進帯長の値が割り当てられている。従って、この累進帯長コード表を参照すれば、コードの項目の「4」に対応する累進帯長が「14mm」であることを識別できる。尚、表2中、累進帯長の単位はミリメートルである。
【表2】
【0037】
ここで表2において、累進帯長への記号の割り当て方にも特徴がある。通常、累進帯長の値は、表2に掲げるように、10mm〜25mm程度におさまる。そこで、累進帯長が10mm〜19mmの範囲では、その累進帯長の値を表す記号として、その値の下一桁の数字を使用する。そして、累進帯長が20mm以上の範囲では、20mm,21mm,22mm…にそれぞれ記号として英字A,B,C…を割り当てる。
【0038】
こうすると、累進帯長の値が実際には二桁であるにも拘わらず、数字又は英字からなる一つの記号を用いながら、しかも分かり易く累進帯長と記号とを一対一に対応付けることができる。また、付された記号が数字であれば、その数字の値を下一桁の値とする10mm〜19mmの累進帯長であり、英字であれば20mm以上の累進帯長であることが、必ずしも累進帯長コード表(表2参照)を参照しなくても容易に確認できる。
【0039】
次に、素材屈折率特定情報11cも、記号化されて付されている。該記号は、数字からなる。図1に示す例では、該記号として「4」を付している。この記号「4」の意味内容は、予め作成された素材屈折率コード表によって識別できるようになっている。つまり下記表3に掲げるように、素材屈折率コード表では、記号毎にその記号に対応するレンズ素材の屈折率の値が割り当てられている。従って、この素材屈折率コード表を用いれば、コードの項目の「4」に対応する素材屈折率が「1.7」であることを識別できる。
【表3】
【0040】
次に、加入度特定情報11dも、記号化されて付されている。該記号は、二桁の数字からなる。図1に示す例では、該記号として「27」を付している。この記号「27」の意味内容は、予め作成された加入度コード表によって識別できるようになっている。つまり下記表4に掲げるように、加入度コード表では、記号毎にその記号に対応する加入度の値が割り当てられている。従って、この加入度コード表を用いれば、コードの項目の「27」に対応する加入度が「2.75D」であることを識別できる。尚、表4中、加入度の単位はジオプタ[D]である。
【表4】
【0041】
ここで表4において、加入度(加入屈折力)への記号の割り当て方にも特徴がある。通常、加入度数は表4に掲げるように、0.25Dピッチにて0.50D〜4.00D程度の範囲を使用する。そこで本発明では、加入度に割り当てる記号として、その加入度における一の位の数字と、十分の一の位の数字とをこの順に組合わせた数字列を採用した。
【0042】
具体的には、加入度2.75Dに対応する記号としては、その「2.75」の一の位の数字である「2」と、十分の一の位の数字である「7」とをこの順に組合わせた数字列である「27」を採用する。また、加入度0.75Dに対応する記号としては、その0.75の一の位の数字である「0」と、十分の一の位の数字である「7」とをこの順に組合わせた数字列である「07」を採用する。
【0043】
こうすると、逆に記号から加入度を類推することも容易である。例えば、記号が「32」の場合は、この数字列のうち「3」を一の位の数字とし、「2」を十分の一の位の数字とするものとして、加入度3.25Dを特定できる。というのも、記号「32」からだけでは加入度の百分の一の位の数字である「5」は特定できないが、加入度数が0.25ピッチで規則的に刻まれているため、その規則性を考慮すると、「3」を一の位の数字とし、「2」を十分の一の位の数字とする加入度数は3.25Dしかないからである。
【0044】
詳細には、表4に掲げるように、記号の下一桁が「0」又は「5」の場合には加入度数の百分の一の位の数字が「0」であり、記号の下一桁が「2」又は「7」の場合には加入度数の百分の一の位の数字が「5」であるという規則性がある。従って、この規則性を考慮すれば、必ずしも加入度コード表を参照しなくても、記号から加入度の値を容易に識別できる。
【0045】
以上のように、本発明による加入度数への記号の割り当て方法に従えば、実際には「3.75」のように3つの数字を含む情報を、「37」のように2つの数字列に短縮でき、なおかつ必ずしも加入度数コード表を参照しなくても記号から該記号に対応する加入度数を容易に求めることができる。
【0046】
次に、定義方法特定情報11eも記号化されて付されている。該記号は、一つの英字からなる。図1に示す例では、該記号として「Y」を付している。この記号「Y」の意味内容は、予め作成された定義コード表によって識別できるようになっている。つまり下記表5に掲げるように、定義コード表では、記号毎にその記号に対応する加入度や累進帯長等の定義の仕方が割り当てられている。従って、この定義コード表を参照すれば、記号「Y」に基づいて、加入度特定情報11dによって特定される加入度数が「装用加入度数」により定義されていると共に、累進帯長特定情報11bによって特定される累進帯長が凹面側にて定義されていること、即ち凹面を基準に定義されていることを識別できる。
【0047】
つまり本実施の形態において、この定義方法特定情報11eは、レンズ9の加入度数が凸面加入度数、凹面加入度数、装用加入度数のうち何れにより定義されているかを特定する加入度定義方法特定情報としての役割と、累進帯長及び近用内寄せ量がこのレンズ9の凸面と凹面の何れを基準にして定義されているかを特定する基準面特定情報としての役割とを兼ねている。そして、それら複数の役割を単一の英字によって担っている。
尚、本実施の形態では、近用内寄せ量を特定する近用内寄せ量特定情報の刻印は省略しているが、この近用内寄せ量特定情報を刻印する場合には、その定義の基準となる面は累進帯長の定義の基準となる面と一致することになる(表5参照)。
【0048】
【表5】
【0049】
ここで、加入度の定義方法(加入度の測定方式)である「凸面加入度数」、「凹面加入度数」、及び「装用加入度数」について説明する。
「凸面加入度数」は、上記加入度特定情報11dによって特定される加入度値が、このレンズ9の凸面を基準に定義されていることを特定する情報である。つまり、凸面加入度数とは、累進屈折力レンズ9の凸面上における近用ポイントでの屈折力と、遠用ポイントでの屈折力との差をいう。
【0050】
この凸面加入度数の測定は次の方式に従う。まず図2に示すように、累進屈折力レンズ28の凸面27上における遠用ポイントでの測定位置にレンズメータの開口部29を当てると共に、近用ポイントでの測定位置にレンズメータの開口部30を当てた状態でレンズメータによる測定を行う。そして、遠用ポイントにおける測定位置の遠用部透過光線31方向の屈折力と、近用ポイントにおける測定位置の近用部透過光線32方向の屈折力とを求め、両者の差を凸面加入度数とする。
【0051】
次に「凹面加入度数」は、上記加入度特定情報11dによって特定される加入度値が、このレンズ9の凹面を基準に定義されていることを特定する情報である。つまり、凹面加入度数とは、累進屈折力レンズ9の凹面上における近用ポイントでの屈折力と、遠用ポイントでの屈折力との差をいう。
【0052】
この凹面加入度数の測定は次の方式に従う。まず図3に示すように、累進屈折力レンズ33の凸面34上における遠用ポイントでの測定位置にレンズメータの開口部35を当てると共に、近用ポイントでの測定位置にレンズメータの開口部36を当てた状態でレンズメータによる測定を行う。そして、遠用ポイントにおける測定位置の遠用部透過光線37方向の屈折力と、近用ポイントにおける測定位置の近用部透過光線38方向の屈折力とを求め、両者の差を凹面加入度数とする。
【0053】
次に「装用加入度数」は、上記加入度特定情報11dによって特定される加入度数が、このレンズ9を装用した場合の視線位置及び眼球の回旋中心に基づいて算出されたことを特定する情報である。つまり、図4に示すように、眼球46の回旋中心45を考慮して、装用状態での眼球46に入る光線が所定の加入度数になるように当該累進屈折力レンズを設計したとき、その加入度数を装用加入度数と呼ぶ。
【0054】
この加入度数の測定は、基本的には上記凹面加入度数の測定と同様であるが、近用部測定時のレンズメータ開口部42が凹面40に垂直に設置された状態で近用屈折力を測定するため、眼球46の回旋方向47での近用屈折力を測定することができない。従って、凹面加入度数と全く同一の方法では装用加入度数を測定することができないため、装用加入度数の測定では、近用屈折力として累進屈折力レンズの設計と眼球回旋中心45から別途算出されるチェック用加入度数を用いる。
【0055】
以上、情報11a〜11eの各々について説明したが、これら情報11a〜11eの配置順序にも特徴がある。つまり、これらの情報11a〜11eからなる記号群が表す全体としての文字列が、数字と英字を交互に配列したものとなるようにしている。また、耳側のアライメント基準マーク10aの近傍位置と、鼻側のアライメント基準マーク10bの近傍位置とに分けて該記号群を刻印したから、その間の区切りも明確となる。これにより、該記号群における区切りが明確となるから、情報11a〜11eの個々を区別するのが容易になる。
【0056】
具体的には本実施の形態では、耳側のアライメント基準マーク10aの近接する下方に刻印されている情報11a,11b,11cは、全体として「ID44」なる文字列を構成している。この文字列は、英字列「ID」と数字列「44」とが結合されてなるから、両者の間に区切りがあるのが明確であり、「ID44」に複数の情報が含まれていることを容易に認識できる。その結果、特に当業者であれば、「ID」が商品特定情報11aであり、「44」のうち十の位の「4」が累進帯長特定情報11bであり、一の位の「4」が素材屈折率特定情報11cであることを迅速に把握できる。尚、この文字列の変形例としては「4ID4」や「44ID」等も考えられる。
【0057】
また鼻側のアライメント基準マーク10bの近接する下方に刻印されている情報11d,11eは、全体として「27Y」なる文字列を構成しているこの文字列も、数字列「27」と英字「Y」が結合されてなるから、両者の間に区切りがあるのが明確であり、「27Y」に複数の情報が含まれていることを容易に認識できる。その結果、特に当業者であれば、「27」が加入度特定情報11dであり、「Y」が定義方法特定情報11eであることを迅速に把握できる。尚、この文字列の変形例としては「Y27」等も考えられる。
【0058】
尚、比較例として、上記情報11a〜11eを全て数字で表現する場合を想定する。この場合、例えば商品特定情報を「99」とし、定義方法特定情報を「7」とすると、刻印内容は「9944」、「277」となる。しかし、この刻印内容では、担っている情報量は本実施の形態の場合と同様であるにも拘わらず、全てが数字であるために区切りが不明確であり、その意味内容を推測することは困難である。
また、本実施の形態と同様に英数字を用いる場合であっても、文字群を例えば「IDW」、「4427」の如く配列した場合には、この文字群の区切りが不明確となるため個々の情報を判別するのが困難となってしまうことになる。
【0059】
次に、上述したアライメント基準マーク10a,10b、商品特定情報11a、累進帯長特定情報11b、素材屈折率特定情報11c、加入度特定情報11d、及び定義方法特定情報11eの刻印方法について説明する。図5は、刻印装置の要部構成を示す。この刻印装置は、大きく分けて、レーザ制御部25と装置位置制御部26とから構成されている。
レーザ制御部25において、レーザ発振器16は、刻印のためのレーザを発振する。刻印のためのレーザとしては、CO2レーザ、エキシマレーザ、又はYAGレーザ等を用いることができる。一実施例においてレーザ発振16は、発振出力最大30[W]、平均12[W]、発光ピーク波長が10.6[μm]のCO2レーザ発振する。
【0060】
このレーザ発振器16から出射されたレーザ光17は、ビームエキスパンダ18によってそのスポットが拡径され、一対の反射板19,20にて方向を変えられ、集光レンズ(例:fθレンズ)21で累進屈折力レンズ22表面の所定の刻印位置に集光される。尚、符号22が示すものは、凸面研磨後の半製品(セミフィニッシュドレンズ)であってもよい。
【0061】
レーザ制御部25において、一対の反射板19,20のうち一方はX方向用であり他方はY方向用である。これら反射板19,20の姿勢を制御することによって、レーザのスポット位置をレンズ22面上で任意に走査させることができる。このようにして、レーザのスポットをレンズ22面上にて文字や図形等に沿ってトレースすることにより、上記各情報11a,11b,11c,11d,11eとしての記号やアライメント基準マーク10a,10bを刻印できる。
【0062】
一方、マーキングの対象となるレンズ22は、装置位置制御部26側において載置台23に保持されている。載置台23は、符号24に示すように、XYZの三次元方向に可動となっている。従って、該載置台23の三次元位置を制御することにより、レンズ22表面の任意の位置にレーザ光を集光させながら、所望の記号等を刻印できる。
【0063】
具体的には、アライメント基準位置に所望のマーク(例:丸印)をアライメント基準マーク10a,10bとして刻印すると共に、商品名、累進帯長、素材屈折率、加入度、並びに加入度及び累進帯長の定義方法の情報をそれぞれ記号化して情報11a〜11eとして刻印する。具体的には表1〜表5に掲げたコード表にしたがい、アライメント基準マーク10a,10bに近接しかつ水平基準線14よりも下方に上記情報11a〜11eを刻印する。図1に示したレンズ9では、刻印内容が「ID44」及び「27Y」となっている。
【0064】
一実施例では、アライメント基準マーク10a,10b及び上記情報11a〜11eを刻印するときの好適な条件として、レーザパワーを70%とし、スキャンスピードを650[mm/sec]とし、重ね刻印繰り返し回数を6回とする。尚、この場合において、連続して3回重ね刻印した後は、数秒の待ち時間をおいて、残り3回の繰り返し刻印を行うのが好ましい。こうすれば、レンズ表面の加熱による変形を最小限に抑えることができる。
一実施例において、刻印の形状は、文字高さ2.0[mm]、文字幅2.0[mm]、線幅0.12[mm]である。
【0065】
本実施の形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)この累進屈折力レンズ9によれば、そのレンズ面に定義方法特定情報11eが刻印されているから、該定義方法特定情報11eにより、当該レンズ9の光学性能値としての累進帯長及び加入度の定義方法を特定できる。従って、仮にそれら累進帯長及び加入度の定義方法が統一されていない場合であっても、レンズ面に刻印された累進帯長特定情報11b及び加入度特定情報11dにより特定される累進帯長及び加入度の値に基づいて、当該レンズ9を適切に評価できる。
【0066】
(2)商品特定情報11a、累進帯長特定情報11b、素材屈折率特定情報11c、加入度特定情報11d、及び定義方法特定情報11eは、アライメント基準マーク10a,10bの近傍に刻印されているから、当該各情報11a〜11eもまたアライメント基準マーク10a,10bと同様に、レンズ9がフレームに枠入れされた後もレンズ面上に残る。従って、フレーム玉型加工前はもちろん、フレームへの枠入れ後においても、レンズ面上に刻印された情報11a〜11eに基づいて、当該レンズ9の詳細情報を常時判別できるという利便性がある。その結果、加入屈折力レンズの生産及び管理の効率を向上できる。
【0067】
(3)定義方法特定情報11eを記号化して刻印すると共に、当該記号の意味内容を予め作成された定義コード表(表5参照)を用いて識別できるようにしたから、単一の記号(例:「Y」)によって、累進帯長(及び近用内寄せ量)や加入度等の複数種の光学性能値の定義方法を特定できるようになる。これにより、この定義方法特定情報11eの分だけレンズ9にもたせる情報量は増加しているにも拘わらず、実際の刻印数は増加させずに済む。
【0068】
(4)また定義方法特定情報11e以外にも、累進帯長特定情報11b及び加入度特定情報11dについては、必ずしもコード表を参照しなくても理解できる程度の分かり易さを残しながら、できるだけ少ない文字数で表現した記号を用いており、素材屈折率特定情報11cについては一文字の記号を用いたので、実際のレンズ面への刻印数を最小限に抑えることができる。
【0069】
(5)刻印の内容は、数字のみでなく英字も併用すると共に、刻印される記号の全体としての配列そのものにも情報をもたせることにより、各記号の区切りが明確となり、刻印内容の識別が容易になる。
【0070】
(6)鼻側には商品特定情報11a、累進帯長特定情報11b、及び素材屈折率特定情報11cを表示し、耳側には加入度特定情報11d、及び定義方法特定情報11eを表示しているから、それらの情報を識別するのと同時に、その累進屈折力レンズが左眼用又は右眼用のいずれの設計であるかも判別できることになる。また、鼻側において刻印されている記号群(例:「ID44」)の文字数は4であり、耳側において刻印されている記号群(例:「27Y」)の文字数は3であるから、このことを利用しても累進屈折力レンズの左眼用、右眼用の別を簡易的に見分けることもできる。更には、アライメント基準マーク10a,10bの形状を左右で異ならせて、耳側、鼻側の判別を容易にすることもできる。これにより、生産にかかる負担を軽減し、生産及び管理の効率を高め、コスト低減を実現できる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、累進帯長の定義の基準になる面と、近用内寄せ量の定義の基準となる面とは、通常一致するため、一つの基準面特定情報(定義方法特定情報11e)において、累進帯長及び近用内寄せ量の定義の基準となる面を特定できる。但し、累進帯長の定義の基準になる面と、近用内寄せ量の定義の基準となる面とが、それぞれ別々の基準面特定情報によって独立して特定されるようにしてもよい。
【0072】
また、累進帯長特定情報及び近用内寄せ量特定情報の双方を省略する形態も考えられる。この場合、定義方法特定情報11eには、基準面特定情報としての機能を担わせる必要がなくなるから、定義コード表(表5参照)の情報量を半分に減らすことができる。この場合、上記表5掲げる定義コード表に代えて、例えば下記表6に掲げる定義コード表を用いることができる。
【表6】
【0073】
この表6の定義コード表を用いる場合には、定義方法特定情報が、レンズ9の加入度数が凸面加入度数、凹面加入度数、装用加入度数のうち何れにより定義されているかを特定する加入度定義方法特定情報としての役割のみを果たすことになる。具体的には、鼻側において「27W」と刻印されている場合には、上記表6を参照して、「W」から加入度の定義方法が装用加入度数であることを識別できる。
【0074】
また、累進屈折力レンズの光学性能値としては、累進帯長、近用内寄せ量、素材屈折率、加入度等があるが、これら以外の光学性能値を表す情報を刻印してもよいし、またこれらの中から適宜に取捨選択して刻印するようにしてもよい。更に、レンズ面には、その商品のグレードやタイプ等を特定する情報も刻印してよい。
【0075】
また、刻印方法としては、レンズ成型の型に刻印をし、レンズ上にその刻印を転写する方法もある。また、刻印実施のタイミングについても特に限定されず、レンズ面加工及び反射防止膜の表面処理終了後に膜の上からCO2レーザにて処理してもよい。また、凸面研磨後、加工中のレンズがブロックされている状態でケガキを入れてもよい。刻印にはCO2レーザを用いたが、ダイヤペン等による罫書きによってもマークを刻印できる。
【0076】
また、上記表1〜6に掲げたコード表を電子データ化し、ネットワーク通信回線を介して眼鏡店や眼科医等へ配信することもできる。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、累進帯長や近用内寄せ量等の光学性能値に基づいて累進屈折力レンズを適切に評価できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による累進屈折力レンズを模式的に示した図。
【図2】凸面加入度数の測定方式を説明するための図。
【図3】凹面加入度数の測定方式を説明するための図。
【図4】装用加入度数の測定方式を説明するための図。
【図5】刻印装置の要部構成を示す図。
【図6】従来技術の問題点を説明するための図。
【符号の説明】
1…眼球、2…眼球回旋中心、3…累進屈折レンズ、3a…凸面、3b…凹面、4…累進帯長、5,6,7,8…視線、9…累進屈折力レンズ、10a,10b…アライメント基準マーク、11a…商品特定情報、11b…累進帯長特定情報、11c…素材屈折率特定情報、11d…加入度特定情報、11e…定義方法特定情報、12…遠用部、13…近用部、14…水平基準線、15…設計中心、16…レーザー発信器、17…レーザ光、18…ビームエキスパンダ、19,20…反射板、21…集光レンズ、22…累進屈折力レンズ、23…載置台、24…載置台の可動方向、25…レーザ制御部、26…装置位置制御部、27,33,39…凸面、28,34,40…凹面、29,30,35,36,41,42…レンズメータの開口部、31,37,43…遠用部透過光線、32,38,44,47…近用部透過光線、45…眼球回旋中心、46…眼球。
Claims (2)
- 累進屈折力レンズにおいて、
この累進屈折力レンズの光学性能値を特定する光学性能特定情報と、前記光学性能値の定義方法を特定する定義方法特定情報とが付されており、
前記光学性能特定情報として、この累進屈折力レンズの加入度の値を特定する加入度特定情報、累進帯長の値を特定する累進帯長特定情報、及び近用内寄せ量を特定する近用内寄せ量特定情報が付され、
前記定義方法特定情報として、前記光学性能値がこの累進屈折力レンズの凸面と凹面の何れを基準にして定義されたかを特定する基準面特定情報と、前記加入度がこの累進屈折力レンズの凸面と凹面の何れを基準にして定義されたか、又はこの累進屈折力レンズを装用した場合の視線位置及び眼球の回旋中心に基づいて算出されたかを少なくとも特定する加入度定義方法特定情報とが付されていることを特徴とする累進屈折力レンズ。 - 請求項1に記載の累進屈折力レンズにおいて、
この累進屈折力レンズの設計中心を通る水平基準線上には、フレーム枠入れのためのアライメント基準マークが該設計中心を対称に2点付され、
これらアライメント基準マークは、フレームへ枠入れされた後もレンズ表面上に残る位置に配置されていて、
前記光学性能特定情報及び前記定義方法特定情報が、前記アライメント基準マークの近傍に付されているとともに、
前記光学性能特定情報としての累進帯長特定情報及び素材屈折率特定情報、並びに、商品特定情報が耳側のアライメント基準マークの近傍に付され、
前記光学性能特定情報としての加入度特定情報、並びに定義情報特定情報が耳側のアライメント基準マークの近傍に付されていることを特徴とする累進屈折力レンズ。
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