JP4103540B2 - スライディングモード制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バネマス系等の弾性系を対象としてその挙動を制御するスライディングモード制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば下記特許文献1に示される電磁駆動弁のごときバネマス系を有する制御系が周知である。そして通常、こうした制御系においては、制御対象の変位や変位速度等の状態量が所望の目標状態量に追従するように、PID制御等のフィードバック制御が行われている。しかし、これらPID制御等の従来の制御手法では、外乱や制御対象の特性変化などに対するロバスト性を十分に確保することが困難であった。
【0003】
そこで、近年は、スライディングモード制御をこうした制御系に適用することも行われている。このスライディングモード制御では、高ゲイン制御によって、制御対象の状態量を所望に設計された線形関数によって表現される切換超平面に収束させるとともに、この切換超平面上に束縛するような制御が行われる。
【0004】
このため、このスライディングモード制御によれば、外乱や制御対象の特性変化などに対するロバスト性を十分に確保しつつ、制御対象の状態量を切換超平面上に束縛することができるようになる。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−217859号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このスライディングモード制御を用いて制御対象を制御すべく制御性能を決定しようとすると、複数の要求に基づき上記切換超平面を設計する際に、それら複数の要求が互いに矛盾しあうという問題が生じることがある。
【0007】
例えば、上記公報に記載の電磁駆動弁の制御に関しては、その作動安定性を確保することはもとより、消費電力を極力抑えることや、弁体の開閉に伴う騒音の発生を抑えることなどが、その性能を問う上で重要な要素となっている。このような電磁駆動弁に対し、上記スライディングモード制御を通じて例えば上記弁体の開閉に伴う騒音の発生を抑制しようとする場合には、通常、次のような切換超平面の設計がなされる。すなわち、制御対象である弁体を一方の変位端から他方の変位端側へ変位させる際の、他方の変位端直前での同弁体の変位速度の低減を狙って、その振動を抑制すべく減衰性を高めるような切換超平面の設計がなされる。しかし、このような切換超平面が設定される場合、制御対象である弁体が一方の変位端から他方の変位端へ変位するのに要する変位時間が逆に延びることともなる。
【0008】
このように、スライディングモード制御にかかる切換超平面の設計に際しては、その制御性能の向上を図るべく複数の要素が考慮されることも多いが、それら要求される要素が切換超平面の設計に対して互いに矛盾しあうことも少なくない。そして、こうした要求要素の矛盾が、その制御性能の向上に大きな障害となっている。
【0009】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バネマス系等の弾性系を対象としてその挙動を制御する場合において、複数の要求要素についてもこれらを矛盾なく満足させることのできるスライディングモード制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、弾性部材によって付勢力の付与される制御対象を一方の変位端側から他方の変位端側へと変位させる際に切換超平面を設定し、前記制御対象の状態量がこの設定された切換超平面上に収束するように同制御対象を制御するスライディングモード制御装置であって、前記制御対象の状態量についての予め設定された規範モデルにその該当する変位点で接する超平面として可変設定する設定手段を備えるとともに、前記設定手段により可変設定される切換超平面に基づく前記制御対象の制御は、同制御対象の都度検出される変位点よりも所定量だけ前記他方の変位端側の変位点に対して可変設定される切換超平面に基づいて行われることをその要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、制御対象の変位に応じて前記切換超平面を可変設定することで、制御対象の制御性能としての複数の要求要素を満足することができるようになる。
【0013】
また上記構成によれば、予め設定された規範モデルにその該当する変位点で接する超平面として上記切換超平面を設定することで、切換超平面の可変制御を簡易に行うことができるようになる。なお実際の制御機器においては、通常、制御対象の制御に対して応答遅れを伴う。この点、上記構成によれば、検出される変位点よりも所定量だけ前記他方の変位端側の変位点に対して可変設定される切換超平面に基づいて制御対象の制御を行うことで、この応答遅れを考慮することができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、弾性部材によって付勢力の付与される制御対象を一方の変位端側から他方の変位端側へと変位させる際に切換超平面を設定し、前記制御対象の状態量がこの設定された切換超平面上に収束するように同制御対象を制御するスライディングモード制御装置であって、前記制御対象を規範モデルの動特性に追従させるに際して、その動特性の示す状態量と同制御対象の実際の状態量との偏差に対して定義される前記切換超平面を、前記制御対象の変位に応じて可変設定する設定手段を備えるとともに、 前記設定手段により可変設定される切換超平面に基づく前記制御対象の制御は、同制御対象の都度検出される変位点よりも所定量だけ前記他方の変位端側の変位点に対して可変設定される切換超平面に基づいて行われることをその要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、制御対象の変位に応じて前記切換超平面を可変設定することで、制御対象の制御性能としての複数の要求要素を満足することができるようになる。また規範モデルの動特性への実際の状態量の収束態様を弁体の変位に応じて可変設定することができ、ひいては、制御対象の制御性能としての複数の要求要素を満足することができるようになる。なお実際の制御機器においては、通常、制御対象の制御に対して応答遅れを伴う。この点、上記構成によれば、検出される変位点よりも所定量だけ前記他方の変位端側の変位点に対して可変設定される切換超平面に基づいて制御対象の制御を行うことで、この応答遅れを考慮することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記規範モデルは、前記弾性部材の付勢力による前記制御対象の状態量の遷移に基づき設定されることをその要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、弾性部材及び制御対象からなる物理系の有する固有振動を生かしつつ制御対象の制御を行うことができるようになり、ひいては、制御対象が一方の変位端側から他方の変位端側へ変位するのに要する時間を短縮することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記規範モデルは、前記制御対象の前記他方の変位端近傍において超平面として設定されることをその要旨とする。
【0019】
上記構成によれば、他方の変位側近傍において、上記弾性部材及び制御対象からなる物理系の有する固有振動を低減しつつ制御対象を制御することができるようになる。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記規範モデルは、前記制御対象の複数に分割された変位領域毎に各異なる物理的特性から導かれるモデルとして設定されてなることをその要旨とする。
【0021】
上記構成によれば、変位領域毎に制御に対する異なる要求がある場合に、それら要求を満たす規範モデルを設定することができ、ひいては、制御対象の制御性能としての複数の要求要素を満足することができるようになる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記設定手段により可変設定される切換超平面に基づく前記制御対象の制御は、同制御対象の状態量が前記可変設定される切換超平面近傍の領域にあるときには、他の領域にあるときと比較して当該切換超平面へと到達させるための外力を小さくすることをその要旨とする。
【0025】
サンプリング周期毎にスライディングモード制御がなされる場合には、これに起因して一種の制御遅延が生じるために、制御対象の状態量が超平面近傍で高周波振動をするいわゆるチャタリングが生じることがある。この点、上記構成によれば、弁体の状態量が前記切換超平面近傍の領域にあるときには、他の領域にあるときと比較して前記切換超平面へと到達させるための外力を小さくすることにより、チャタリングの発生を抑制することができるようになる。
【0026】
なお、上記請求項1〜6のいずれかに記載の発明は、請求項7記載の発明によるように、前記制御対象はアーマチャと連結された弁体を備える内燃機関の機関バルブであり、前記アーマチャに作用する電磁力によって前記弁体が前記一方の変位端側及び前記他方の変位端側にそれぞれ吸引されることで前記機関バルブの状態量が制御されるようにしてもよい。これにより、上記各請求項1〜6記載の発明の作用効果を好適に奏することができる。
【0027】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記弁体の状態量を前記可変設定される切換超平面に到達させるためのフィードバックゲインを、当該機関の回転速度、及び機関負荷、及び前記弁体の変位の少なくとも1つに応じて可変設定する手段を更に備えることをその要旨とする。
【0028】
上記構成によれば、弁体に加わる筒内圧等の外力が機関運転状態によって変化することや、弾性部材の付勢力やアーマチャに作用する電磁力が変位によって変わることを考慮して制御を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるスライディングモード制御装置を電磁駆動される機関バルブの制御装置に適用した第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、機関バルブとしての吸気弁及び排気弁は、いずれもその構成及び駆動制御態様が基本的に同じであるため、本実施形態では、機関バルブとして排気弁を駆動制御する装置を例にとって説明する。
【0030】
本実施形態の制御装置において駆動制御対象となる排気弁は、弁体を一方の変位端側に付勢する第1の弾性部材と、これを他方の変位端側に付勢する第2の弾性部材とを備えている。また、弁体にはアーマチャが連結されており、このアーマチャに電磁力が作用すると同弁体が一方の変位端側及び他方の変位端側に吸引されて、同弁体が電磁的に駆動される。
【0031】
具体的には、図1に示されるように、排気弁1は、弁軸4と、同弁軸4の一端に設けられた弁体2と、上記第1及び第2の弾性部材に相当するスプリング14及び24と、弁軸4をシリンダヘッド10において往復動させる電磁駆動部30とを備えている。
【0032】
ここで、シリンダヘッド10には、燃焼室17に通じる排気ポート18が形成されており、また同排気ポート18の開口周縁には上記弁体2が着座される弁座16が形成されている。すなわち、弁軸4の往復動に伴い、弁体2が弁座16に対し離着座されることにより排気ポート18が開閉される。
【0033】
更に、この弁体2をその開方向及び閉方向に付勢するスプリングが設けられている。すなわち、弁軸4の、シリンダヘッド10に対して燃焼室17と反対側の部分にロアリテーナ12が設けられており、このロアリテーナ12とシリンダヘッド10間に、上記第1の付勢部材に相当するロアスプリング14が圧縮状態で配設されている。このロアスプリング14の弾性力(付勢力)によって、弁体2は閉弁方向に付勢されている。
【0034】
一方、弁軸4の、弁体2と反対側の端部にはアッパリテーナ22が設けられており、このアッパリテーナ22と上記電磁駆動部30の図示しないケーシング内に設けられたアッパキャップ20との間に、上記第2の付勢部材に相当するアッパスプリング24が圧縮状態で配設されている。このアッパスプリング24の弾性力(付勢力)により弁体2は開弁方向に付勢されている。
【0035】
また、電磁駆動部30は、上記弁軸4に固定されたアーマチャ34と、このアーマチャ34を挟むように配設されたロアコア36C及びアッパコア38Cとを備えている。ここで、アーマチャ34は、円板状に形成された高透磁率材料からなる。また、ロアコア36C及びアッパコア38Cは、いずれも環状に形成された高透磁率材料を有しており、それらの中央部に、弁軸4が往復動可能に挿通されている。
【0036】
そして、ロアコア36Cにおいてアーマチャ34と対向する面には、弁軸4の軸心を中心とする環状の溝36hが形成され、同溝36h内には環状をなすロアコイル36cが配設されている。このロアコイル36cとロアコア36Cとによって、弁体2を開弁方向に駆動する電磁石(開駆動用電磁石)36が構成される。
【0037】
一方、アッパコア38Cにおいてアーマチャ34と対向する面には、弁軸4の軸心を中心とする環状の溝38hが形成され、同溝38h内には環状をなすアッパコイル38cが配設されている。このアッパコイル38cとアッパコア38Cとによって、弁体2を閉弁方向に駆動するの電磁石(閉駆動用電磁石)38が構成される。
【0038】
なお、図1は、電磁石36、38のいずれにも電磁力が発生していないときの弁体2の状態を示している。この状態では、アーマチャ34は、各電磁石36、38の電磁力によって吸引されることなく、各スプリング14及び24の弾性力が釣り合う位置、すなわちロアコア36C及びアッパコア38C間の略中間の位置にて静止する。
【0039】
そして、アーマチャ34に電磁石36や電磁石38の電磁力が及ぼされると、同アーマチャ34はロアコア36C側やアッパコア38C側に吸引される。この電磁力は、これら電磁石36、38の各コイル36c、38cへの通電によって発生する。
【0040】
本実施形態では、こうした電磁石36、38の各コイル36c、38cへの通電制御を、排気弁1(弁体2、弁軸4)の変位に基づいて行うようにしている。具体的には、本実施形態にかかる機関バルブの制御装置は、アッパキャップ20に変位量センサ42を備える。この変位量センサ42は、同センサ42とアッパリテーナ22との間の距離に応じて変化する電圧(検出信号)を出力するものであり、この電圧に基づいてアッパリテーナ22の変位量、換言すれば、弁体2の変位量を検出する。そして、この変位量センサ42の検出結果を用いることで、排気弁1の変位に基づいて上記通電制御を行う。
【0041】
この通電制御は、内燃機関の各種制御を総括して行う電子制御装置40によって行われる。この電子制御装置40は、CPUやメモリ、電磁石36、38の各コイル36c、38cに励磁電流を供給する駆動回路の他、変位量センサ42の検出信号が取り込まれる入力回路、この検出信号をA/D変換するA/D変換器(いずれも図示略)等を備えている。
【0042】
ここで、この電子制御装置40による排気弁1への通電制御を通じて開閉駆動される排気弁1の動作態様について説明する。
この排気弁1の閉弁状態においては、同排気弁1を全閉位置に保持するために、換言すれば弁体2を弁座16に着座した位置にて保持するために、保持電流が閉駆動用電磁石38に供給される。この保持電流の供給により、アーマチャ34が閉駆動用電磁石38の電磁力によりアッパコア38C側に吸引される。この吸引力により、アッパスプリング24の弾性力に抗して弁体2が弁座16に着座するとともに、アーマチャ34がアッパコア38Cに接した状態が保持されるようになる。
【0043】
次に、排気弁1の開駆動時期が到来すると、保持電流の供給が中断される。これにより、アッパスプリング24の弾性力により、排気弁1が開弁する。換言すれば、アーマチャ34がロアコア36C側に移動することで、弁体2が弁座16から離れ、燃焼室17側に向けて移動するようになる。
【0044】
そして、この排気弁1の全閉位置から全開位置への変位過程において、開駆動用電磁石36の通電制御が行われる。そして、例えばアーマチャ34がロアコア36Cに接することで排気弁1が全開位置に達すると、その状態を保持すべく開駆動用電磁石36に保持電流が供給される。この保持電流の供給により、アーマチャ34が開駆動用電磁石36の電磁力によりロアコア36C側に吸引される。この吸引力により、ロアスプリング14による弾性力に抗して弁体2が全開位置にて保持されるようになる。
【0045】
これに対し、排気弁1の閉駆動時期が到来すると、排気弁1を全開位置にて保持するための保持電流の供給が中断される。これにより、排気弁1は、ロアスプリング14の弾性力により、閉弁方向に向けて、換言すれば、弁体2が弁座16へ向けて変位する。
【0046】
そして、この排気弁1の全開位置から全閉位置への変位過程において、閉駆動用電磁石38の通電制御が行われる。そして、弁体2が弁座16に着座する全閉位置となると、その状態を保持すべく閉駆動用電磁石38に保持電流が供給される。
【0047】
このように、一方の変位端から他方の変位端へ上記弁体2を変位させるに際し、本実施形態においては、以下のようにして、スライディングモード制御を用いて各電磁石36、38の通電制御を行う。なお、全閉位置から全開位置への変位過程と、全開位置から全閉位置への変位過程とにおいては、各電磁石36、38の制御態様は同様であるため、以下では、全閉位置から全開位置への変位過程を例にとって説明する。
【0048】
本実施形態では、制御対象となる弁体2の変位は、全閉位置と全開位置とを結ぶ1次元空間(線分)であり、同弁体2の動的特性を示す状態量は、弁体2の変位と変位速度となる。そして、これら弁体2の変位及び変位速度を自由度とする2次元の線形空間上で、これら弁体2の変位及び変位速度(状態量)を、上記2次元空間内の(1次元)線形部分空間としての予め設定された切換超平面(線分)へ収束させるように制御を行う。そして、機関バルブの制御性能に関する複数の要求要素を満足すべく、この切換超平面を、弁体2の変位に応じて可変設定する。
【0049】
詳しくは、上記弁体2の状態量についての予め設定された規範モデルにその該当する変位点で接する超平面として、上記切換超平面を設定する。具体的には、この規範モデルは、基本的には、外乱や減衰要素、電磁力がないとの仮定のもとに想定される弁体2の変位態様(弁体2の変位と変位速度との軌跡)に基づき設定される。ただし、他方の変位端近傍においてはこの規範モデルは、超平面として設定される。この超平面は、他方の変位端において変位速度が「0」となるように設定される。更に、この超平面は、他方の変位端近傍において、その変位速度の変化率が、外乱や減衰要素、電磁力がないとの仮定のもとに想定される弁体2の変位態様に基づき設定される上記規範モデルのものよりも小さくなるように設定されている。
【0050】
これにより、切換超平面は、他方の変位端近傍以外では、外乱や減衰要素、電磁力がないとの仮定のもとに想定される弁体2の変位態様に基づき設定される上記規範モデルに基づき設定されることとなる。一方、全開位置近傍においては、全開位置において変位速度が「0」となる上記超平面として設定されることとなる。
【0051】
図2に、本実施形態にかかる切換超平面の具体的な設定態様について示す。同図2に示すように、Low端面(全開位置)近傍以外の弁体2の変位領域については、規範モデルは次のようになっている。すなわち、弁体2が全閉位置にある状態からアッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力のみによって全開位置へと変位していく際の弁体2の変位及び変位速度の軌跡となっている。
【0052】
この軌跡(規範モデル)は、ロアスプリング14及びアッパスプリング24からなる弾性体及びこれに連結された排気弁1の可動部を物理系とする物理モデルから算出される2次の曲線となる。すなわち、可動部の重量M、ロアスプリング14及びアッパスプリング24からなる弾性体の弾性定数K、同弾性体の釣り合いの位置を基準とした排気弁1(弁体2)の変位(検出値)xとして、この物理系の運動方程式は、下式(c1)となる。
【0053】
【数1】
この式(c1)の解である弁体2の変位xは、周期関数として求まり、これから、その微分値として変位速度が同じく周期関数として求まる。そして、これら変位及び変位速度によって、これらの関係式が図2に示す2次の曲線として求まる。
【0054】
また、同図2に示すように、Low端面(全開位置)近傍の弁体2の変位領域については、上記規範モデルを、上記2次曲線よりも変位に対する変位速度の変化率の小さな1次元の超平面(線分)とする。
【0055】
このような規範モデルに基づいて上記切換超平面を弁体2の変位に応じて可変設定することで、排気弁1の制御において要求される複数の要求要素の満足を図る。すなわち、Low端面(全開位置)近傍以外においては、上記弾性体の有する付勢力のみによって弁体2を変位させるときの弁体2の変位態様に従うように実際の弁体2の変位態様を制御することで、この物理系の有する固有振動を生かして弁体2を変位させることができる。これにより、Up端面(全閉位置)からLow端面(全開位置)への変位に要する時間を低減することができる。
【0056】
これに対し、Low端面(全開位置)近傍では、変位速度の変化率の小さな上記超平面上に上記状態量を束縛することで、アーマチャ34のロアコア36C上面への着座時の衝撃の抑制を図る。
【0057】
このように弁体2の変位に応じて可変設定される切換超平面上に上記状態量を束縛するように排気弁1の制御を行うことで、変位時間を低減しつつも着座時の衝撃を緩和する制御を行うことができる。これに対し、例えば着座時の衝撃の緩和を図るべく図2で一点鎖線で示す切換超平面を用いて排気弁1を制御する場合には、変位時間が増大する。
【0058】
こうした切換超平面上へ状態量を束縛させるスライディングモード制御を行うための排気弁1への通電制御態様の設定は、以下のようにして行われる。
まず、図2の2次の規範モデルに弁体2の変位xで接する切換超平面(2次の規範モデルの変位xにおける接線)と、同図2の1次の規範モデルを下式(c2)にて定義する。
【0059】
【数2】
この式(c2)において、係数a、bは、実際には、弁体2の変位xの関数である。更に、これら切換超平面を定義する線形関数である切換関数σを下式(c3)にて定義する。
【0060】
【数3】
上式(c3)からもわかるように、切換関数σをゼロとする超平面が切換超平面である。
【0061】
次に、排気弁1の実際の物理系を、ロアスプリング14及びアッパスプリング24が上記可動部に連結されたものにおいて、可動部と固定部との間の摺動抵抗と、アーマチャ34に作用する電磁力とが付与される系とする。この系の運動方程式は、上記重量M、弾性定数K、バルブ変位xに加えて、可動部及び固定部間の減衰係数C、及びスライディングモード状態でのアーマチャ34に作用する電磁力であるスライディングモード入力Ulを用いて、下式(c4)で表記される。
【0062】
【数4】
スライディングモード状態では上記排気弁1の状態量は切換超平面上に、換言すれば切換関数σがゼロとなる超平面に束縛されている。このため、上記スライディングモード入力Ulは、この運動方程式(c4)と切換関数σの時間微分がゼロであることとを用いて、下式(c5)で表される。
【0063】
【数5】
また、上記状態量が切換超平面から離間したときに、これを切換超平面上に収束させる到達モード入力(フィードバック入力)Unlを下式(c6)で定義する。
【0064】
【数6】
ここで、フィードバックゲインGは、切換超平面へ到達する条件、換言すればスライディングモードに到達する条件である到達条件を満足するように設定する。この到達条件を満たすゲインGを、本実施形態ではリアプノフ関数法を用いて設定する。すなわち、例えばV=1/2×σ×σTをリアプノフ関数として、下式(c7)で表記されるこの時間微分が負となるようにゲインGを設定する。
【0065】
【数7】
上式(c7)において、リアプノフ関数の時間微分が負となるように、所定の絶対値を有しつつゲインGの正負を設定することで、上記到達モード入力Unlを用いて切換関数σがゼロへと収束するようになる。
【0066】
ここで、本実施形態にかかる排気弁1の開弁制御について、図4を用いて説明する。図4は、同制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、所定周期毎に繰り返し実行される。
【0067】
この一連の処理においては、まずステップ100において弁体2の変位が所定の閾値以下となったか否かを判断し、同閾値以下となるとステップ110に移行する。この閾値は、例えば開駆動用電磁石36によるアーマチャ34の吸引力が所定値以上となるときに設定する。
【0068】
一方、ステップ110では、検出される弁体2の変位xに基づき上記切換関数を算出する。これは、例えば上記電子制御装置40内に、予め先の図2に示した規範モデルを格納する記憶機能を備えるとともに、弁体2の変位xにおける同規範モデルの接線を算出することで実現することができる。また、これに代えて、弁体2の各変位xにおける上式(c3)の係数a及びb等の切換関数に関するデータ(マップ等)を保持する記憶機能を、上記電子制御装置40内に備えるようにしてもよい。
【0069】
こうして算出された切換関数に基づき、ステップ120ではスライディングモード入力Ulを算出する。すなわちここでは、上記変位xでの切換関数から、上式(c5)を用いてスライディングモード入力Ulを算出する。更に、ステップ130においては、到達モード入力Unlを、同じく変位xでの切換関数から上式(c6)に基づいて算出する。
【0070】
こうして算出されたスライディングモード入力Ul及び到達モード入力Unlから、ステップ140において、アーマチャ34に作用する電磁力である制御入力Uを算出する。そして、ステップ150において、変位量センサ42によって検出される変位xに基づきアーマチャ34及びロアコア36C間のギャップを算出するとともに、ステップ160において、このギャップを用いて排気弁1への通電制御電流量を算出する。この算出は、以下のようにして行う。
【0071】
すなわち、ギャップ及び電磁力から電磁石36に通電される電流量を定める物理モデル式を記憶する機能を電子制御装置40に設けることによって制御電流の算出を行う。ちなみに、上記アーマチャ34及びロアコア36C間のギャップと開駆動用電磁石36に通電される電流量とによってアーマチャ34に作用する電磁力が決定される。したがって、このギャップと電磁石36に通電される電流量とからアーマチャ34に作用する電磁力を決定する物理モデル式を定義することができる。そしてこれから、ギャップと電磁力(制御入力U1、U2…)とから電磁石36に通電される電流量を定める物理モデル式を得ることができる。
【0072】
また、図3に示すように、ギャップ及び電磁力と電磁石36に通電される電流量との関係を定めたマップを記憶する機能を上記電子制御装置40内に設けてもよい。なお、上記制御入力Uが負のときには、全閉方向への力を付与する必要があるが、開駆動用電磁石36によってアーマチャ34に作用する電磁力は全開方向の力であるため、通電制御量を「0」とする。
【0073】
こうして制御電流が算出されると、これに基づいてステップ170にて制御電流に基づく排気弁1への通電制御を行う。
以上説明した本実施形態では、以下の効果が得られるようになる。
【0074】
(1)弁体2の変位に応じて切換超平面を可変設定することで、排気弁1の制御に関しての複数の要求を満足することができるようになる。
(2)アッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力のみによる弁体2の変位態様に基づく規範モデルを設定するとともに、これと各変位点で接する超平面をその該当する変位点での切換超平面とした。これにより、アッパスプリング24及びロアスプリング14と可動部の質量によって得られる固有振動を生かしつつ排気弁1を制御することができ、弁体2の変位に要する時間を低減することができるようになる。
【0075】
(3)Low端面において変位速度がゼロとなるとともに、Low端面近傍において上記2次の規範モデルよりも変位速度の変化率の小さな超平面を規範モデルとした。換言すれば、Low端面において変位速度がゼロとなるとともに、Low端面近傍において上記2次の規範モデルよりも変位速度の変化率の小さな切換超平面を設定した。これにより、Low端面に着座する際の振動を好適に低減する制御を行うことができる。
【0076】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかるスライディングモード制御装置を電磁駆動される機関バルブの制御装置に適用した第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心として図面を参照しつつ説明する。
【0077】
本実施形態では、先の図2に示した規範モデルの動特性に追従させるように排気弁1を制御(モデル規範形適応制御)する際に、同規範モデルの状態量への実際の状態量の収束態様をスライディングモード制御にて制御する。以下、これについて詳述する。
【0078】
まず、実際の排気弁1の物理モデルを定義する。これは、ロアスプリング14及びアッパスプリング24が上記可動部に連結されたものにおいて、可動部と固定部との間の摺動抵抗と、アーマチャ34に作用する電磁力と、筒内圧等、可動部に及ぼされる外力が付与される系とする。この系の運動方程式は、上記重量M、弾性定数K、バルブ変位xに加えて、可動部及び固定部間の減衰係数C、及び上記外力f、及び上記規範モデルの動特性に追従させるべくアーマチャ34に作用する電磁力である入力uとして、
【0079】
【数8】
この運動方程式は、行列を用いて以下のように表記することができる。
【0080】
【数9】
これに対し、排気弁1の状態量が所定の規範モデルに沿う物理系の運動方程式を以下に示す。
【0081】
【数10】
この式において、行列Amや、ベクトルBm、更には入力rを設定することで、所望の特性を有する規範モデルの物理系を表現することができる。特に、先の図2に示した規範モデルにおいて、2次のモデル部分は、例えば上式(c8)から減衰項と電磁力の入力項とを除いた以下の行列Am及びBmを用いて表現することができる。
【0082】
【数11】
また、先の図2に示す規範モデルのうち、1次のモデル部分は、例えばバルブ変位に対する変位速度の変化率をγとして、以下の行列Am及びBmによって表現することができる。
【0083】
【数12】
なお、上式(c11)や(c12)の代わりに、上式(c10)の入力rを適宜設定することによって同様の規範モデルを表現してもよい。
【0084】
上式(c9)及び(c10)において、規範モデルの動的特性を示す状態量と実際の排気弁1の状態量との偏差を、ベクトルe=Xm−Xを用いて表記する。そして、このベクトルeを切換超平面上に設定することで、排気弁1の状態量を規範モデルの動的特性を示す状態量に所望の態様にて追従させる。以下、図5を参照して本実施形態の切換超平面の設定態様について説明する。
【0085】
図5(a)に、互いに異なる切換超平面が設定される領域A及び領域Bを示す。この図5(a)には、排気弁1がUp端面からLow端面へと変位する際のバルブ変位の遷移例が示されており、Low端面近傍を境としてUp端面側が領域A、Low端面側が領域Bとそれぞれ設定されている。そして、図5(b)に領域Aでの切換超平面の設定態様を、また図5(c)に領域Bでの切換超平面の設定態様をそれぞれ示す。これら図5(b)及び図5(c)に示すように、本実施形態においては、領域Bにおける偏差xm−xに対するその時間微分の傾きを領域Aのものよりも大きく設定する。このように設定することで、電磁力による上記アーマチャ34の引き付け能力が上昇するLow端面近傍において、切換超平面の原点への収束速度を上昇させることができる。したがって、Low端面近傍において、規範モデルへの収束速度を上昇させることができるようになる。
【0086】
なお、これら領域A及び領域Bに対応する切換超平面を定義する切換関数に関するデータは、上記電子制御装置40に保持される。
ここで、上記規範モデルの動的特性へ追従させるために、上記アーマチャ34に作用させる電磁力の設定態様について説明する。
【0087】
まず、上式(c9)及び(c10)から、ベクトルeの時間微分は、下記のようになる。
【0088】
【数13】
ここで、切換関数σ=S・eと定義する。スライディングモード状態では、切換関数σの時間微分がゼロであることから、以下の式が成り立つ。
【0089】
【数14】
これにより、スライディングモード状態での入力(スライディングモード入力)は、下式(c15)となる。
【0090】
【数15】
この式(c15)において、上式(c9)や(c11)、先の図5に示す切換超平面Sを用い、また外力fを「0」とすることでスライディングモード入力Ulを設定する。ここで、外力fは、当該機関の運転状態等によって変化するものであるため、本実施形態では、この外力fを加味せずにスライディングモード入力Ulを設定し、この外力fの影響は、到達モード入力にて吸収することとする。
【0091】
なお、実際の状態量が規範モデルの動特性を示す状態量に収束するように切換超平面を設定すべく、この設定に際しては以下のような制約を課す。
まず、上式(c15)を、上記式(c14)に代入して、下式(c16)を得る。
【0092】
【数16】
この式(c16)において、マッチング条件Am−A=B・K1、Bm=B・K2、f=B・K3を代入すると、下式(c17)を得る。
【0093】
【数17】
この式(c17)において、上記状態量間の偏差eにかかる係数行列が安定となるように切換関数(切換行列S)を設定すれば、偏差eはゼロに収束するようになる。
【0094】
ここで、本実施形態にかかる排気弁1の開弁制御について、図6を用いて説明する。図6は、同制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、所定周期ごとに繰り返し実行される。
【0095】
この一連の処理においては、ステップ200において、先の図4のステップ100と同様、弁体2の変位が所定の閾値以下となったか否かを判断し、同閾値以下となるとステップ210に移行する。
【0096】
一方、ステップ210では、検出される弁体2の変位が先の図5の領域A及び領域Bのいずれの領域に属するかを判断するとともに、対応する領域の切換関数を上記電子制御装置40内のメモリ等から読み込む。
【0097】
次に、ステップ220において、当該処理時における規範モデルの動的特性を示す状態量である目標変位や変位速度(目標状態量)を算出する。これら目標状態量は、排気弁1(弁体2)の開弁制御開始時若しくは排気弁1の変位開始時から当該処理時までの時間に基づき算出される。この算出は、上式(c10)に基づき上記電子制御装置40内で算出する構成としてもよく、また、各サンプリング時間毎の上記目標状態量をマップとして記憶する機能を上記電子制御装置40に備える構成としてもよい。
【0098】
そして、ステップ230では、こうした規範モデルの動的特性を示す状態量や上記切換関数、更には検出される変位や変位速度を用い、上式(c15)からスライディングモード入力Ulを算出する。
【0099】
更に、ステップ240では、ステップ210で読み込まれた切換関数を用いて上式(c6)から到達モード入力Unlを算出する。そして、先の図4のステップ140〜170の処理と同様の処理である、ステップ250から280の処理を行いこの処理を一旦終了する。
【0100】
以上説明した本実施形態では、以下の効果が得られるようになる。
(4)モデル規範適応制御において、規範モデルの動的特性を示す状態量と実際の状態量との偏差を切換超平面上に束縛するとともに、この切換超平面を弁体2の変位に基づき可変設定した。これにより、規範モデルの動的特性への実際の状態量の収束態様を弁体2の変位に応じて可変設定することができる。このため、例えばアッパスプリング24及びロアスプリング14、開駆動用電磁石36、閉駆動用電磁石38によって排気弁1に付与される動力が変位に応じて異なることを考慮した通電制御を行うことができる。
【0101】
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかるスライディングモード制御装置を電磁駆動される機関バルブの制御装置に適用した第3の実施形態について、上記第1及び第2の実施形態との相違点を中心として図面を参照しつつ説明する。
【0102】
上記各実施形態では、上式(c6)にて表記される到達モード入力(フィードバック入力)UnlのフィードバックゲインGを定数とした。これに対し、本実施形態では、このゲインGを機関の回転速度NE、機関負荷Q、及び弁体2の変位xに応じて可変設定する。すなわち、機関の回転速度NEや機関負荷Qが大きいほど弁体2等にかかる外乱は大きなものとなるため、回転速度NEや機関負荷Qが大きくなるほどゲインGを大きく設定する。また、全開位置近傍においてはアッパスプリング24及びロアスプリング14によって弁体2が全閉方向に付勢される力が強くなるために、ゲインGを大きくして全開位置方向への引き付け力を強化する。
【0103】
更に本実施形態では、実際の状態量が切換超平面近傍の領域にあるとき、他の領域にあるときと比較して上記切換超平面へと到達させる到達モード入力Unlの大きさを小さく設定する。これにより、切換関数が正となる領域と負となる領域とで到達モード入力Unlが切り替わることによって、実際の状態量が切換超平面近傍で高周波振動を引き起こすいわゆるチャタリングの発生を抑制することができる。詳しくは、本実施形態では、図7に示されるような平滑関数を用いる。
【0104】
こうして設定される本実施形態の到達モード入力Unlを、下式(c18)に示す。
【0105】
【数18】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0106】
(5)到達モード入力UnlのゲインGを、機関回転速度、負荷、弁体2の変位に応じて可変設定した。これにより、弁体2に加わる筒内圧等の外力が機関運転状態によって変化することや、アーマチャ34に作用する電磁力や排気弁1に作用するアッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力が変位によって変わることを考慮して制御を行うことができる。
【0107】
(6)実際の状態量が切換超平面近傍の領域にあるときに上記到達モード入力Unlの大きさを他の領域と比較して小さく設定することで、チャタリングの発生を抑制することができる。
【0108】
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・先の図5では、弁体2の変位に応じて異なる2つの切換超平面を設定したが、3つ以上でもよい。
【0109】
・規範モデルの設定態様は、先の図2に示したものに限らない。例えば図8に示すように、全開位置から全閉位置まで全て外力や減衰項、電磁力がなくアッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力のみによって想定される弁体2の状態量の遷移としてもよい。
【0110】
また、上記アッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力によって想定される上記弁体2の状態量の遷移に基づき設定される規範モデルとしても、先の図2に示したものに限らない。要は、電磁力や筒内圧等の外力がないとの想定の下での弁体2の状態量の遷移に基づき規範モデルを設定すればよい。例えば上式(c8)における可動部及び固定部間の減衰項を加えたものとしてもよい。図9に、Low端面近傍以外ではアッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力と上記減衰項とによる弁体2の遷移に基づく規範モデルを、またLow端面及びその近傍では先の図2に示したもと同様の超平面を規範モデルとして設定した例を示す。
【0111】
・上記第3の実施形態において、到達モード入力Unlを正とする領域のうち少なくとも切換超平面がゼロとなる領域の近傍の領域においてこの到達モード入力Unlを小さく設定しもよい。これにより、実際の状態量を切換超平面上に制御する際に制御入力Uが負の値となることを抑制することができる。
【0112】
ちなみに、先の図1に示した排気弁1は、開駆動用電磁石36によるアーマチャ34の引き付け制御によって制御される。すなわち、先の図4や図6に示した制御入力Uは、開駆動用電磁石36がアーマチャ34に及ぼす電磁力によって生成される。したがって、開駆動用電磁石36がアーマチャ34に及ぼす電磁力によってアーマチャ34の動作方向と逆方向の力を加えることができないため、制御入力Uが負の場合には制御入力Uはゼロに設定される。この点、制御入力Uが負となることを抑制することで、電磁力による切換制御を適切に行うことができる。
【0113】
(第4の実施形態)
以下、本発明にかかるスライディングモード制御装置を電磁駆動される機関バルブの制御装置に適用した第4の実施形態について、上記第1〜第3の実施形態及びその変形例との相違点を中心として図面を参照しつつ説明する。
【0114】
上記各実施形態及びその変形例では、一方の変位端から他方の変位端へ、換言すれば全閉位置から全開位置へ変位させる制御を行った。これに対し、本実施形態では、一方の変位端から他方の変位端側へ、換言すれば全閉位置から全開位置近傍へ変位させるとともに、同全開位置近傍で固定制御を行う。このように、全開位置近傍で弁体2を固定制御することで、アーマチャ34がロアコア36Cに接する前にアーマチャ34を固定させることができ、着座音の発生を回避することができる。更に、各開弁動作時にアーマチャ34がロアコア36Cに接しないために、これらの耐久性も向上する。
【0115】
図10に、本実施形態にかかる排気弁1の制御態様を示す。図10(a)は、弁体2が全閉位置(Up端面)から全開位置(Low端面)側の変位点(−xm)へと変位するまでの弁体2の変位態様の一例を示すタイムチャートである。また、図10(b)には閉駆動用電磁石38への通電電流を、図10(c)には開駆動用電磁石36への通電電流をそれぞれ示す。すなわち、弁体2を全閉位置にて保持するための保持電流の閉駆動用電磁石38への供給を時刻t1に中止することで開弁制御がなされると、弁体2は全開位置側へ変位するようになる。そして、時刻t2から開駆動用電磁石36によって弁体2(アーマチャ34)を引き付ける制御を行う。こうして時刻t3に弁体2が所定の変位点に到着すると、その変位点にて弁体2を固定するための保持電流が開駆動用電磁石36に供給される。
【0116】
こうした制御を行うべく、本実施形態では規範モデルを図11に例示すように設定する。すなわち、ここでは、弁体2を固定制御する変位点(−xm)よりも全閉側の変位点(−xl)までは、先の図9に示すように、アッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力と、減衰項とによって弁体2の状態量が遷移する軌跡(曲線)が規範モデルとなっている。そして、上記変位点(−xl)の近傍においては、固定制御する変位点(−xm)で変位速度がゼロとなり、且つ上記曲線の規範モデルよりも変位に対する変位速度の変化率が大きな超平面(線分)を規範モデルとして設定する。
【0117】
こうした規範モデルを用いた排気弁1の開弁制御は、先の第2の実施形態同様にすればよい。すなわち、図11に示す規範モデルの動特性に追従させるように排気弁1を制御(モデル規範形適応制御)する際に、同規範モデルの状態量への実際の状態量の収束態様をスライディングモード制御にて制御するようにすればよい。また、これに代えて先の第1の実施形態のように、図11に示す規範モデルに当該変位点で接する超平面を切換超平面として設定してスライディングモード制御を行ってもよい。
【0118】
なお、図11に例示する規範モデルに限らず、固定制御する変位点(−xm)において変位速度がゼロとなる適宜の規範モデルを用いるようにすればよい。例えば全閉位置側の規範モデルとして先の図2等に示したようにアッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力によって弁体2の状態量が遷移する軌跡として規範モデルと設定するなどしてもよい。
【0119】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(7)排気弁1を全開位置近傍で固定制御するため、アーマチャ34がロアコア36Cに接する前にアーマチャ34を固定させることができ、着座音を低減させることができる。更に、各開弁動作時にアーマチャ34がロアコア36Cに接しないために、これらの耐久性を向上させることもできる。
【0120】
なお、上記第4の実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・弁体2を一方の変位端から他方の変位端側へ、換言すれば全閉位置から全開位置近傍へ変位させるとともに同全開位置近傍で固定制御を行うものに限らない。例えば、図12に例示すような制御でもよい。この図12では、弁体2が弁座16に着座する位置として定義される全閉位置においては、アーマチャ34がアッパコア38Cに接することは無いような設定がなされている。このため、全閉時におけるアーマチャ34及びアッパコア38C間の打音を回避することができる。
【0121】
更に、図13に例示すように、リフト量可変制御を行ってもよい。この図13では、弁体2の変位が中立位置よりも全閉位置側にて固定制御される例を示している。したがって、この場合、閉駆動用電磁石38がアーマチャ34を引き付ける力によってスライディングモード制御を行う。
【0122】
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態に共通して変更可能な要素としては以下のものがある。
【0123】
・開弁時において開駆動用電磁石36によるアーマチャ34の吸引力のみを利用したが、閉駆動用電磁石38によるアーマチャ34の吸引力を併せ用いてもよい。
【0124】
・到達条件を満たすゲインの設定は、リアプノフ関数法を用いるものに限らず例えば到達則法等、任意の手法を用いてよく、また、到達モード入力も上式(c6)や(c18)に例示したものに限らない。
【0125】
・各変位点で定義される切換超平面に弁体2の状態量が収束するようにこれを制御する代わりに、この変位点よりも所定量だけ全開位置側の変位点における切換超平面に上記状態量が収束するように制御を行ってもよい。すなわち、例えば第1の実施形態において、図14に模式的に示すように、検出される弁体2の変位xyよりも所定量だけ後の変位点xzでの切換超平面を用いてスライディングモード制御を行う。これは、例えば先の図4に示す手順において、実際に検出される変位xyに対して所定の変位量Δxを加算した後、これを用いてステップ110〜ステップ140までの処理を行うようにすればよい。これにより実際の制御に伴う電磁力の応答遅れを考慮した制御を行うことができる。
【0126】
・弁体2に作用する外力を考慮してスライディングモード入力を算出してもよい。これは例えば、排気弁1にあっては筒内圧及び排気圧を検出しこれらの差圧に応じて弁体2に作用する力を算出することで、また、吸気弁にあっては筒内圧及び吸気圧を検出しこれらの差圧に応じて弁体に作用する力を算出することで、それぞれ考慮することができる。また、これに代えて、検出可能な状態量からこの外乱を、換言すれば上記各差圧を推定するようにしてもよい。この推定手法としては、例えばオブザーバを設定することが考えられる。このオブザーバは、例えば上式(c8)において外力fを除いたものを弁体2の開閉動作をシミュレートするバネ・質量振動モデルとして、このモデルに基づいて内部状態を観測するものとして設定される。これにより、検出可能な状態量から外力fを推定することができる。
【0127】
・機関バルブの構成としては、先の図1に例示したものに限らない。例えば各電磁石36や38内に永久磁石を備えるようにし、これら永久磁石の磁力によって弁体2を全開位置や全閉位置に保持する制御等を行ってもよい。この場合には、開弁制御時や閉弁制御時に、弁体2を固定する永久磁石の磁束と反対向きの磁束を各電磁石36及び38に発生させ、この弁体2を固定制御する永久磁石の磁束を打ち消すようにする。また、こうした構成においても、アッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力による弁体2の状態量の遷移に基づく規範モデルの設定を、上記実施形態及びその変形例のように設定することができる。すなわち、
(ア)アッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力とが作用する場合の弁体2の変位態様。換言すれば、永久磁石の電磁力や上式(c8)における外力fや減衰項が存在しないときの弁体2の変位態様。
(イ)アッパスプリング24及びロアスプリング14の付勢力と減衰項が作用する場合の弁体2の変位態様。換言すれば、永久磁石の電磁力や上式(c8)における外力fが存在しないときの弁体2の変位態様。
【0128】
また、例えば、ロアスプリング14やアッパスプリング24については、これを適宜の弾性部材としてもよい。更に、排気弁1の両変位端のうち、一方の変位端に付勢する弾性部材のみを備える構成としてもよい。更に、アーマチャと電磁石との間に吸引力を働かせる代わりに、同アーマチャと電磁石との間に斥力を働かせることで、排気弁1を駆動制御してもよい。
【0129】
・排気弁1の変位を検出する手段としては、上記変位量センサに限らない。例えば、弁体2や弁軸4、アーマチャ34等の動作速度を検出するセンサを用いてもよい。この場合、バルブ変位は検出される速度の積分によって把握することができる。
【0130】
・規範モデルを用いることなく、弁体2の変位に応じて切換超平面を適宜可変設定するようにしてもよい。
・更に、機関バルブに限らず、弾性部材による付勢力の付与される任意の制御対象を一方の変位端側から他方の変位端側へ変位させる際に、前記制御対象の状態量が切換超平面上に収束するように同制御対象を制御するときには、本発明の適用は有効である。なお、この際、一方の変位端側から他方の変位端側へ変位させる際の変位領域は必ずしも1次元空間でなくてもよい。更に、この際、この物理系の運動方程式や規範モデル、制御入力等も線形関数にて表記できるものに限らない。
【0131】
・制御対象の変位に応じて切換超平面を可変設定する設定手段としては、上記電子制御装置に備えられるものに限らない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスライディングモード制御装置を、機関バルブの制御装置に適用した第1の実施形態の全体構成を示す図。
【図2】同実施形態における切換超平面の設定態様を示す図。
【図3】ギャップ及び制御入力と通電電流量との関係を定めたマップを示す図。
【図4】同実施形態にかかる排気弁の開弁制御手順を示すフローチャート。
【図5】本発明にかかるスライディングモード制御装置を、機関バルブの制御装置に適用した第2の実施形態における切換超平面の設定態様を示す図。
【図6】同実施形態にかかる排気弁の開弁制御手順を示すフローチャート。
【図7】本発明にかかるスライディングモード制御装置を、機関バルブの制御装置に適用した第3の実施形態における到達モード入力の設定態様を示す図。
【図8】上記第1〜第3の実施形態の変形例において用いられる規範モデルを示す図。
【図9】上記第1〜第3の実施形態の変形例において用いられる規範モデルを示す図。
【図10】本発明にかかるスライディングモード制御装置を、機関バルブの制御装置に適用した第4の実施形態における排気弁の制御態様を示すタイムチャート。
【図11】同実施形態において用いられる規範モデルを示す図。
【図12】同実施形態の変形例における排気弁の制御態様を示すタイムチャート。
【図13】同実施形態の変形例における排気弁の制御態様を示すタイムチャート。
【図14】上記第1〜第4の実施形態及びそれらの変形例について、それらを更に変形した例を示す図。
【符号の説明】
1…排気弁、2…弁体、4…弁軸、10…シリンダヘッド、12…ロアリテーナ、14…ロアスプリング、16…弁座、17…燃焼室、18…排気ポート、20…アッパキャップ、22…アッパリテーナ、24…アッパスプリング、30…電磁駆動部、34…アーマチャ、36…開駆動用電磁石、36c…ロアコイル、36C…ロアコア、36h…溝、38…閉駆動用電磁石、38c…アッパコイル、38C…アッパコア、38h…溝、40…電子制御装置、42…変位量センサ。
Claims (8)
- 弾性部材によって付勢力の付与される制御対象を一方の変位端側から他方の変位端側へと変位させる際に切換超平面を設定し、前記制御対象の状態量がこの設定された切換超平面上に収束するように同制御対象を制御するスライディングモード制御装置であって、
前記制御対象の変位に応じて前記切換超平面を、前記制御対象の状態量についての予め設定された規範モデルにその該当する変位点で接する超平面として可変設定する設定手段を備えるとともに、
前記設定手段により可変設定される切換超平面に基づく前記制御対象の制御は、同制御対象の都度検出される変位点よりも所定量だけ前記他方の変位端側の変位点に対して可変設定される切換超平面に基づいて行われる
ことを特徴とするスライディングモード制御装置。 - 弾性部材によって付勢力の付与される制御対象を一方の変位端側から他方の変位端側へと変位させる際に切換超平面を設定し、前記制御対象の状態量がこの設定された切換超平面上に収束するように同制御対象を制御するスライディングモード制御装置であって、
前記制御対象を規範モデルの動特性に追従させるに際して、その動特性の示す状態量と同制御対象の実際の状態量との偏差に対して定義される前記切換超平面を、前記制御対象の変位に応じて可変設定する設定手段を備えるとともに、
前記設定手段により可変設定される切換超平面に基づく前記制御対象の制御は、同制御対象の都度検出される変位点よりも所定量だけ前記他方の変位端側の変位点に対して可変設定される切換超平面に基づいて行われる
ことを特徴とするスライディングモード制御装置。 - 前記規範モデルは、前記弾性部材の付勢力による前記制御対象の状態量の遷移に基づき設定される
請求項1又は2記載のスライディングモード制御装置。 - 前記規範モデルは、前記制御対象の前記他方の変位端近傍において超平面として設定される
請求項3記載のスライディングモード制御装置。 - 前記規範モデルは、前記制御対象の複数に分割された変位領域毎に各異なる物理的特性から導かれるモデルとして設定されてなる
請求項1〜4のいずれかに記載のスライディングモード制御装置。 - 前記設定手段により可変設定される切換超平面に基づく前記制御対象の制御は、同制御対象の状態量が前記可変設定される切換超平面近傍の領域にあるときには、他の領域にあるときと比較して当該切換超平面へと到達させるための外力を小さくする
請求項1〜5のいずれかに記載のスライディングモード制御装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のスライディングモード制御装置において、
前記制御対象はアーマチャと連結された弁体を備える内燃機関の機関バルブであり、前記アーマチャに作用する電磁力によって前記弁体が前記一方の変位端側及び前記他方の変位端側にそれぞれ吸引されることで前記機関バルブの状態量が制御される
ことを特徴とするスライディングモード制御装置。 - 請求項7記載のスライディングモード制御装置において、
前記弁体の状態量を前記可変設定される切換超平面に到達させるためのフィードバックゲインを、当該機関の回転速度、及び機関負荷、及び前記弁体の変位の少なくとも1つに応じて可変設定する手段を更に備える
ことを特徴とするスライディングモード制御装置。
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