JP4103484B2 - 自動車シートの衝撃吸収構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車、バス、貨物トラック等の自動車のシートに加わる衝撃を吸収する自動車シートの衝撃吸収構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
自動車の衝突事故等において、その衝撃を吸収して乗員の安全を図るために種々の提案がなされており、例えば、特開平10−6894号公報では、自動車のキャビン底部を車体と一体に連結した底パネルとこの底パネルと別体のフロアパネルとからなる2重床構造とし、フロアパネルを底パネル上に衝撃吸収装置を介して移動可能に設置すると共に、フロアパネル上にシートを設置してなる衝撃吸収構造が提案されている。
【0003】
ところで、特開平10−6894号公報に記載の衝撃吸収構造は、底パネルに対してフロアパネルを可動にしているために、フロアパネルの外縁とサイドステップ、フロントパネル及びリアパネルとの間に隙間を設ける必要があり、しかも、乗員に加わる衝撃をできるだけ小さいものとするには、底パネルに対するフロアパネルの可動範囲を大きくする必要があるために、斯かる隙間は比較的幅広となる結果、この隙間を閉鎖する遮蔽板もまた大きくならざるを得ない。
【0004】
また特開平10−6894号公報に提案されている衝撃吸収構造では、常時、底パネルに対してフロアパネルが可動であるために、急ブレーキのような際にも不要なシート移動が生じて、操縦性、乗り心地を阻害する虞がある。
【0005】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、フロアパネルとサイドステップ、フロントパネル及びリアパネル等との間に隙間を設けなくてもよい上に、通常時にはシートがフロアーに対して移動することがなく、操縦性、乗り心地に支障を与えない自動車シートの衝撃吸収構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の自動車シートの衝撃吸収構造は、自動車内のフロアーに対して前後方向に移動自在に支持されたシートをフロアーに対して前後方向に関して手動解除自在に固定すると共に、当該固定をシートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により自動解除する固定手段と、フロアー及びシートのうちの一方に手動解除自在に連結されていると共に、当該連結においてシートのフロアーに対する前後方向の移動エネルギを吸収するエネルギ吸収手段とを具備している。
【0007】
斯かる第一の態様の衝撃吸収構造によれば、固定手段により、通常時には、シートを前後方向の移動に関してフロアーに対して固定でき、しかも、斯かる固定をシートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により自動解除するようになっているために、フロアーとサイドステップ、フロントパネル及びリアパネル等との間にフロアーの移動を許容するための隙間を設けなくてもよい上に、通常時にはシートがフロアーに対して移動することがなく、而して、操縦性、乗り心地に支障を与えなく、加えて、シートへの前後方向の一定以上の加速度の付加によりフロアーへのシートの固定が自動解除される一方、この解除状態でのシートのフロアーに対する前後方向の移動エネルギがエネルギ吸収手段により吸収されるために、シートへの前後方向の一定以上の加速度に起因する衝撃を吸収して乗員の安全を図ることができる。
【0008】
固定手段は、本発明の第二の態様の衝撃吸収構造のように、前後方向の離散的な複数の位置に関してシートをフロアーに対して固定するようになっていると、シートの前後方向の位置を変えることができるので好ましく、また、本発明の第三の態様の衝撃吸収構造のように、係合部と、シートをフロアーに対して前後方向に関して固定するべく、係合部に係合する被係合部と、シートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により係合部の被係合部への係合解除を許容する許容手段と、シートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により係合部の被係合部への係合解除を生起する生起手段とを具備しており、ここで、係合部と被係合部とのうちの一方は、シートに対して前後方向に関して固定されており、係合部と被係合部とのうちの他方は、フロアーに対して前後方向に関して固定されているとよい。
【0009】
係合部と被係合部とのうちの一方は、本発明の第四の態様の衝撃吸収構造のように、前後方向に関して離散的に配されている複数の凹所を具備しており、係合部と被係合部とのうちの他方は、複数の凹所のうちの少なくとも一つに嵌合されると共に上下方向に移動自在な突起を具備していても、本発明の第五の態様の衝撃吸収構造のように、係合部と被係合部とのうちの他方は、前後方向に関して離散的に配されている複数の凹所を具備しており、係合部と被係合部とのうちの一方は、複数の凹所のうちの少なくとも一つに嵌合されると共に上下方向に移動自在な突起を具備していてもよい。
【0010】
許容手段は、好ましくは本発明の第六の態様の衝撃吸収構造のように、突起を凹所に向かって弾性的に付勢する弾性部材を具備しており、斯かる弾性部材としては、好ましくはコイルばねであるが、本発明はこれに限定されず、皿ばね、空気ばね等のその他のばねであってもよい。
【0011】
生起手段は、好ましくは本発明の第七の態様の衝撃吸収構造のように、少なくとも、凹所を規定する傾斜面と、この傾斜面に相補的な形状を有した突起の傾斜面とからなり、両傾斜面は、シートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により凹所への係合を解除させる力を弾性部材の弾性力に抗して突起に付与するようになっているとよい。
【0012】
また、固定手段は、係合部、被係合部、許容手段及び生起手段に加えて、本発明の第八の態様の衝撃吸収構造のように、シートに回動自在に連結された回動部材と、フロアーに固着された固定部材とを具備しており、係合部と被係合部とのうちの一方は回動部材に設けられており、係合部と被係合部とのうちの他方は固定部材に設けられており、係合部と被係合部との係合、係合解除を回動部材に対する手動回動で行うことができるようになっているとよい。
【0013】
エネルギ吸収手段は、好ましくは本発明の第九の態様の衝撃吸収構造のように、固定部及び可動部を有すると共に固定部に対する可動部の前後方向の移動で移動エネルギを吸収するエネルギ吸収器と、エネルギ吸収器の可動部をシート及びフロアーのうちの一方に手動解除自在に連結する連結機構とを具備しており、ここで、連結機構は、シート及びフロアーのうちの一方に前後方向に関して固定して配された係合部と、エネルギ吸収器の可動部に配されていると共にエネルギ吸収器の可動部をシート及びフロアーのうちの一方に連結するべく、係合部に係合する被係合部とを具備しており、エネルギ吸収器の固定部は、シート及びフロアーのうちの他方に前後方向に関して固定して配されているとよい。
【0014】
斯かるエネルギ吸収手段において、好ましくは本発明の第十の態様の衝撃吸収構造のように、エネルギ吸収器の固定部はシリンダを具備しており、エネルギ吸収器の可動部は、シリンダ内に配された膨大部と、この膨大部が設けられていると共にシリンダを貫通したロッドとを具備しており、エネルギ吸収器は、シリンダ内に収容された粘性流体を更に具備しており、連結機構は、シート及びフロアーのうちの一方に回動自在に連結された回動部材を更に具備しており、連結機構の係合部及び被係合部のうちの一方は、連結機構の回動部材に設けられており、連結機構の係合部及び被係合部のうちの他方は、ロッドに設けられているとよい。
【0015】
連結機構の係合部及び被係合部において、本発明の第十一の態様の衝撃吸収構造のように、そのうちの一方は、前後方向に関して離散的に配されている複数の凹所を具備しており、そのうちの他方は、連結機構の複数の凹所のうちの少なくとも一つに嵌合される突起を具備していても、これに代えて、本発明の第十二の態様の衝撃吸収構造のように、そのうちの一方は、連結機構の複数の凹所のうちの少なくとも一つに嵌合される突起を具備しており、そのうちの他方は、前後方向に関して離散的に配されている複数の凹所を具備していてもよい。
【0016】
本発明では、その第十三の態様の衝撃吸収構造のように、固定手段の手動解除とエネルギ吸収手段の手動解除とを連動して行い得るようになっているとよい。
【0017】
次に本発明を、図に示す好ましい具体例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は、これら具体例に何ら限定されないのである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1及び図2において、本例の自動車シートの衝撃吸収構造1は、自動車内のフロアー2に対して前後方向A及びBに移動自在に支持されたシート3をフロアー2に対して前後方向A及びBに関して手動解除自在に固定すると共に、当該固定をシート3への一定以上の加速度の付加により自動解除する固定手段4と、フロアー2及びシート3のうちの一方、本例ではシート3に手動解除自在に連結されていると共に、当該連結においてシート3のフロアー2に対する前後方向A及びBの移動エネルギを吸収するエネルギ吸収手段5とを具備している。
【0019】
シート3は、レール等の支持機構を介してフロアー2に前後方向A及びBに移動自在に支持されており、斯かる支持機構は、公知であるので詳細な説明を省略する。シート3としては、自動車の前部シートであっても、中間部シート、後部シートのいずれであってもよい。
【0020】
固定手段4は、シート3にヒンジ機構11を介してR1及びR2方向に回動自在に連結された長尺の回動部材12と、フロアー2に溶接又はボルト等により固着された固定部材13と、回動部材12の孔14に移動自在に設けられた係合部としての突起15と、固定部材13に前後方向A及びBに関して離散的に配されて設けられていると共に、シート3をフロアー2に対して前後方向A及びBに関して固定するべく、いずれか一つが突起15と嵌合して係合する被係合部としての複数の凹所16と、シート3への前後方向A及びBの一定以上の加速度の付加により突起15の凹所16への係合解除を許容する許容手段17と、シート3への前後方向A及びBの一定以上の加速度の付加により突起15の凹所16への係合解除を生起する生起手段18と、回動部材12をR2方向に回動付勢するように、凹所19におけるシート3と回動部材12との間に配されたコイルばね20と、回動部材12のR2方向の回動を規制する規制手段21とを具備している。
【0021】
ヒンジ機構11は、シート3に固着された一対のブラケット31と、ブラケット31に回転自在に支持されている軸部材32とを具備しており、回動部材12は、その一端部33で軸部材32に固着されており、これによりシート3にR1及びR2方向に回動自在に連結されて支持されている。
【0022】
突起15は、上下方向に移動自在である一方、シート3に対して前後方向A及びBに関して固定されるように、孔14に装着されて回動部材12に設けられており、複数の凹所16のうちの一つの凹所16に嵌合されて係合されるようになっている。
【0023】
突起15が嵌合される凹所16は、固定部材13に設けられている結果、フロアー2に対して前後方向A及びBに関して移動しないように固定されている。
【0024】
許容手段17は、突起15を凹所16に向かって弾性的に付勢する弾性部材としてのコイルばね41を具備しており、コイルばね41は、孔14に装着されて回動部材12に設けられている。
【0025】
生起手段18は、凹所16を規定する傾斜面45と、傾斜面45に相補的な形状を有した突起15の傾斜面46とからなり、両傾斜面45及び46は、シート3への前後方向A及びBの一定以上の加速度の付加により凹所16への係合を解除させる力をコイルばね41の弾性力に抗して突起15に付与するようになっている。
【0026】
コイルばね20は、一端部が凹所19においてシート3に連結され、他端部が回動部材12に連結されて、回動部材12をR2方向に回動付勢している。
【0027】
規制手段21は、円弧状に長く伸びて一方のブラケット31に設けられたスリット51と、スリット51に配されていると共に、回動部材12に植設されたピン52とを具備しており、回動部材12がR2方向に回動されて傾斜面46が傾斜面45へ当接し、これにより突起15が少し上方に移動してコイルばね41が多少縮められると、スリット51においてピン52のブラケット31への当接で回動部材12のR2方向のそれ以上の回動を禁止するようになっている。
【0028】
以上の固定手段4は、通常時には、図1に示すように、複数の凹所16のうちの一つの凹所16への突起15の嵌合でもって、固定部材13を介してシート3をフロアー2に対して前後方向A及びBに関して移動しないように固定している。シート3の前後方向A及びBの位置調節のために、フロアー2に対してシート3を前後方向A及びBに移動させる場合には、図3に示すように、コイルばね20の弾性力に抗して回動部材12を手動により軸部材32を中心としてR1方向に回動させて、突起15の凹所16への嵌合による係合を解除して、その後、フロアー2に対してシート3を前後方向A及びBに移動させ、所望位置で回動部材12をコイルばね20の弾性力をもって軸部材32を中心としてR2方向に回動させて、突起15を複数の凹所16のうちの一つの凹所16へ嵌合させて係合させる。このように突起15の凹所16への係合解除は、回動部材12に対する手動回動でなされ、そして、固定手段4は、複数の凹所16の夫々の凹所16の位置に対応する前後方向A及びBの離散的な複数の位置に関してシート3をフロアー2に対して固定するようになっている。
【0029】
固定手段4に対して横方向(前後方向A及びBと直交する方向)に並置されたエネルギ吸収手段5は、固定部61、可動部62及び粘性流体63を有すると共に固定部61に対する可動部62の前後方向A及びBの移動で移動エネルギを吸収するエネルギ吸収器64と、エネルギ吸収器64の可動部62をシート3及びフロアー2のうちの一方、本例ではシート3に手動解除自在に連結する連結機構65とを具備している。
【0030】
固定部61は、内部に粘性流体63を収容していると共に、フロアー2に溶接又はボルト等により固着されたシリンダ71を具備しており、而して、固定部61は、シート3及びフロアー2のうちの他方、本例ではフロアー2に前後方向A及びBに関して固定して配されている。
【0031】
可動部62は、シリンダ71内に当該シリンダ71との間に隙間72をもって配された膨大部73と、膨大部73が一体的に設けられていると共にシリンダ71を貫通したロッド74とを具備している。
【0032】
エネルギ吸収器64は、シリンダ71に対するロッド74を介する膨大部73の前後方向A及びBの移動で、隙間72を介する粘性流体63の流動を生じさせて、ロッド74に加わる前後方向A及びBの移動エネルギを粘性流体63の流動でもって吸収するようになっている。
【0033】
連結機構65は、シート3及びフロアー2のうちの一方、本例ではシート3にヒンジ機構11を介してR1及びR2方向に回動自在に連結された回動部材81と、回動部材81に一体的に固着して設けられて、シート3に対して前後方向A及びBに関して固定して配された係合部としての突起82と、ロッド74に前後方向A及びBに関して離散的に配されて設けられていると共にロッド74をシート3及びフロアー2のうちの一方、本例ではシート3に連結するべく、いずれか一つが突起82と嵌合して係合する被係合部としての複数の凹所83とを具備している。
【0034】
回動部材81は、その一端部85で軸部材32に固着されており、これによりシート3にR1及びR2方向に回動自在に連結されていると共に、回動部材12のR1及びR2方向の回動に連動されてR1及びR2方向に回動されるようになっている。
【0035】
連結機構65は、通常時には、図2に示すように、複数の凹所83のうちの一つの凹所83への突起82の嵌合でもって、回動部材81を介してロッド74をシート3に対して前後方向A及びBに関して移動しないように固定している。シート3の前後方向A及びBの位置調節のために、上述の通り、回動部材12が手動により軸部材32を中心としてR1方向に回動されると、回動部材81もまた、図4に示すように、軸部材32を中心としてR1方向に回動される結果、突起82の凹所83への嵌合による係合を解除し、その後、回動部材12が軸部材32を中心としてR2方向に回動されると、回動部材81もまた軸部材32を中心としてR2方向に回動される結果、突起82を複数の凹所83のうちの一つの凹所83へ嵌合させて係合させるようになって、シート3の前後方向A及びBの位置調節においては、ロッド74を前後方向A及びBに移動させないで、シリンダ71内において膨大部73を前後方向A及びBの略中央部に配された状態を維持するようになっている。このようにエネルギ吸収手段5における連結機構65の解除は、固定手段4の手動解除と連動して行い得るようになっている。
【0036】
以上の衝撃吸収構造1では、シート3に例えば前方向Aの一定以上の加速度が付加されると、傾斜面45と傾斜面46との間にコイルばね41の弾性力に抗して突起15を上昇させる力が生じて、図5に示すように、突起15を凹所16から抜け出させて突起15の凹所16への嵌合を自動的に解除させて、シート3の前方向Aへの移動を許容する一方、シート3の前方向Aへの移動と共に、図6に示すように、突起82の凹所83への嵌合を介してロッド74を前方向Aへ移動させて、膨大部73をシリンダ71内で前方向Aに移動させ、ロッド74に加わる前方向Aの移動エネルギ、換言すれば、シート3の前方向Aへの移動エネルギを粘性流体63の隙間72を介する流動でもって吸収し、シート3に加わる衝撃を吸収する。シート3に後方向Bの一定以上の加速度が付加される場合も同様である。
【0037】
而して、斯かる衝撃吸収構造1によれば、固定手段4により、通常時には、シート3を前後方向A及びBの移動に関してフロアー2に対して固定でき、しかも、斯かる固定をシート3への前後方向A及びBの一定以上の加速度の付加により自動解除するようになっているために、フロアー2とサイドステップ、フロントパネル及びリアパネル等との間にフロアー2の移動を許容するための隙間を設けなくてもよい上に、通常時にはシート3がフロアー2に対して移動することがなく、而して、操縦性、乗り心地に支障を与えなく、加えて、シート3への前後方向A及びBの一定以上の加速度の付加によりフロアー2へのシート3の固定が自動解除される一方、この解除状態でのシート3のフロアー2に対する前後方向A及びBの移動エネルギがエネルギ吸収手段5により吸収されるために、シート3への前後方向A及びBの一定以上の加速度に起因する衝撃を吸収して乗員の安全を図ることができる。
【0038】
なお、本衝撃吸収構造1を用いる場合には、シートベルトはその各端部をシート3に連結するとよい。
【0039】
ところで上記の例では、固定手段4において、回動部材12に突起15を設け、固定部材13に凹所16を設けたが、これに代えて、回動部材12に凹所16を設け、固定部材13に突起15を設けてもよく、同様に、連結機構65において、回動部材81に突起82を設け、ロッド74に凹所83を設けたが、これに代えて、回動部材81に凹所83を設け、ロッド74に突起82を設けてもよい。また、固定手段4において、回動部材12をシート3に回動自在に連結したが、これに代えて、回動部材12をフロアー2に回動自在に連結してもよく、同様に、連結機構65において、回動部材81をシート3に回動自在に連結し、シリンダ71をフロアー2に固定したが、これに代えて、回動部材81をフロアー2に回動自在に連結し、シリンダ71をシート3に固定してもよい。
【0040】
更に前記の例では、傾斜面45及び46から生起手段18を構成したが、これに代えて、加速度センサーを別途設けてこの加速度センサーでシートへの前後方向の一定以上の加速度の付加を検出し、この検出信号によりシート3のフロアー2への固定を自動解除、例えば上記例では突起15と凹所16との係合を自動解除するように固定手段4を構成してもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、フロアパネルとサイドステップ、フロントパネル及びリアパネルとの間に隙間を設けなくてもよい上に、通常時にはシートがフロアーに対して移動することがなく、操縦性、乗り心地に支障を与えない自動車シートの衝撃吸収構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の好ましい一例の側面説明図である。
【図2】図1に示す例の側面断面説明図である。
【図3】図1に示す例の動作説明図である。
【図4】図1に示す例の動作説明図である。
【図5】図1に示す例の動作説明図である。
【図6】図1に示す例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 衝撃吸収構造
2 フロアー
3 シート
4 固定手段
5 エネルギ吸収手段
Claims (12)
- 自動車内のフロアーに対して前後方向に移動自在に支持されたシートをフロアーに対して前後方向に関して手動解除自在に固定すると共に、当該固定をシートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により自動解除する固定手段と、フロアー及びシートのうちの一方に手動解除自在に連結されていると共に、当該連結においてシートのフロアーに対する前後方向の移動エネルギを吸収するエネルギ吸収手段とを具備しており、固定手段の手動解除とエネルギ吸収手段の手動解除とを連動して行い得るようになっている自動車シートの衝撃吸収構造。
- 固定手段は、前後方向の離散的な複数の位置に関してシートをフロアーに対して固定するようになっている請求項1に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- 固定手段は、係合部と、シートをフロアーに対して前後方向に関して固定するべく、係合部に係合する被係合部と、シートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により係合部の被係合部への係合解除を許容する許容手段と、シートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により係合部の被係合部への係合解除を生起する生起手段とを具備しており、係合部と被係合部とのうちの一方は、シートに対して前後方向に関して固定されており、係合部と被係合部とのうちの他方は、フロアーに対して前後方向に関して固定されている請求項1又は2に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- 係合部と被係合部とのうちの一方は、前後方向に関して離散的に配されている複数の凹所を具備しており、係合部と被係合部とのうちの他方は、複数の凹所のうちの少なくとも一つに嵌合されると共に上下方向に移動自在な突起を具備している請求項3に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- 係合部と被係合部とのうちの他方は、前後方向に関して離散的に配されている複数の凹所を具備しており、係合部と被係合部とのうちの一方は、複数の凹所のうちの少なくとも一つに嵌合されると共に上下方向に移動自在な突起を具備している請求項3に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- 許容手段は、突起を凹所に向かって弾性的に付勢する弾性部材を具備している請求項4又は5に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- 生起手段は、少なくとも、凹所を規定する傾斜面と、この傾斜面に相補的な形状を有した突起の傾斜面とからなり、両傾斜面は、シートへの前後方向の一定以上の加速度の付加により凹所への係合を解除させる力を弾性部材の弾性力に抗して突起に付与するようになっている請求項6に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- 固定手段は、シートに回動自在に連結された回動部材と、フロアーに固着された固定部材とを具備しており、係合部と被係合部とのうちの一方は回動部材に設けられており、係合部と被係合部とのうちの他方は固定部材に設けられており、係合部と被係合部との係合、係合解除を回動部材に対する手動回動で行うことができるようになっている請求項3から7のいずれか一項に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- エネルギ吸収手段は、固定部及び可動部を有すると共に固定部に対する可動部の前後方向の移動で移動エネルギを吸収するエネルギ吸収器と、エネルギ吸収器の可動部をシート及びフロアーのうちの一方に手動解除自在に連結する連結機構とを具備しており、連結機構は、シート及びフロアーのうちの一方に前後方向に関して固定して配された係合部と、エネルギ吸収器の可動部に配されていると共にエネルギ吸収器の可動部をシート及びフロアーのうちの一方に連結するべく、係合部に係合する被係合部とを具備しており、エネルギ吸収器の固定部は、シート及びフロアーのうちの他方に前後方向に関して固定して配されている請求項1から8のいずれか一項に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- エネルギ吸収器の固定部はシリンダを具備しており、エネルギ吸収器の可動部は、シリンダ内に配された膨大部と、この膨大部が設けられていると共にシリンダを貫通したロッドとを具備しており、エネルギ吸収器は、シリンダ内に収容された粘性流体を更に具備しており、連結機構は、シート及びフロアーのうちの一方に回動自在に連結された回動部材を更に具備しており、連結機構の係合部及び被係合部のうちの一方は、連結機構の回動部材に設けられており、連結機構の係合部及び被係合部のうちの他方は、ロッドに設けられている請求項9に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- 連結機構の係合部及び被係合部のうちの一方は、前後方向に関して離散的に配されている複数の凹所を具備しており、連結機構の係合部及び被係合部のうちの他方は、連結機構の複数の凹所のうちの少なくとも一つに嵌合される突起を具備している請求項9又は10に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
- 連結機構の係合部及び被係合部のうちの一方は、連結機構の複数の凹所のうちの少なくとも一つに嵌合される突起を具備しており、連結機構の係合部及び被係合部のうちの他方は、前後方向に関して離散的に配されている複数の凹所を具備している請求項9又は10に記載の自動車シートの衝撃吸収構造。
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