JP4103149B2 - 2−置換5−クロロイミダゾール−4−カルブアルデヒドの製造方法 - Google Patents

2−置換5−クロロイミダゾール−4−カルブアルデヒドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、一般式
【0002】
【化5】
Figure 0004103149
【0003】
〔式中、Rは水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基またはアリール基である。〕
の2−置換5−クロロイミダゾール−4−カルブアルデヒドを製造する新規な方法に関する。
【0004】
一般式Iの2−置換5−クロロイミダゾール−4−カルブアルデヒドは、血圧降下薬(US特許4355040)または除草剤活性化合物(DE−A2804435)を製造するための重要な中間体である。
【0005】
グリシンエステルのハロゲン化水素酸塩をイミドエステルで環化して3,5−ジヒドロイミダゾールを得、それをN,N−ジメチルホルムアミドの存在下でオキシ塩化リンを使用して目的生成物に転化することは、EP−A0614892により知られている。 この製造方法には、グリシンメチルエステルを毎回、相当するハライドからその場で遊離させなければならないという不利益がある。 その上、グリシンエステルハロゲン化水素酸塩は比較的高価な出発物質である。
【0006】
本発明の目的はそれゆえ、これらの不都合な点を考慮に入れ、大規模な工業プロセスに要求される要件に応じることが可能な、経済的な製造方法を開発することである。
【0007】
この目的は、請求項1の新規な製造方法により達成することができた。
【0008】
一般的な置換基R,R1,R2およびR3 は次のとおりである。
【0009】
アルキル基は、直鎖または分岐鎖の(C1〜C6)−アルキル基、とくにメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基およびその異性体、またはヘキシル基およびその異性体である。
【0010】
Rに対する好ましいアルキル基はブチル基である。 R1 に対する好ましいアルキル基は(C1〜C4)−アルキル基、とくに好ましくはメチル基である。
【0011】
アルケニル基は、直鎖または分岐鎖の(C1〜C6)−アルケニル基、とくに1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基およびその異性体、またはヘキセニル基およびその異性体である。 好ましいアルケニル基は2−ブテニル基または3−ブテニル基である。
【0012】
シクロアルキル基は、適切には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基である。
【0013】
アリールアルキル基は、適切にはフェニル−(C1〜C6)−アルキル基、好ましくはベンジル基である。 アリール基は同様に、好ましくはフェニル基である。
【0014】
アリール基は、アルキル基、ハロゲン、ニトロ基またはアミノ基のような置換基を、その芳香環中に1箇またはそれ以上有することができる。
【0015】
ハロゲンの語は、適切に塩素、臭素またはヨウ素を含み、好ましくは塩素である。
【0016】
本発明の製造方法の第一工程においては、グリシンを一般式
【0017】
【化6】
Figure 0004103149
【0018】
〔式中、Rは上述のとおり、R1 はアルキル基である。〕
のイミドエステルと反応させ、一般式
【0019】
【化7】
Figure 0004103149
【0020】
〔式中、Rは上述のとおり。〕
の化合物を得る。
【0021】
都合よく、この反応は第一工程において、4〜12のpH、好ましくは5〜9のpH、およびおおよそ−20〜80℃の温度、好ましくは0〜30℃の温度で行なう。
【0022】
グリシンは、通常、メタノールまたはエタノールのような脂肪族アルコールを任意の割合で水と混合したもののような適切な溶媒中に分散させた状態にする。
【0023】
イミドエステルは、トルエン、クロロベンゼンのような不活性溶媒中、または脂肪族アルコール中の溶液の形で、加えることができる。
【0024】
第一工程における反応相手は、適切に化学量論的に使用される。 都合よく2時間から48時間の反応時間の後、得られた一般式III の化合物を、当業技術に既知の方法で、反応混合物から単離することができる。 しかし、単離せずにさらに反応させ、直接最終生成物を得ることが好ましい。
【0025】
第二工程および最終工程においては、一般式III の化合物を、いわゆるビルスマイアー(Vilsmeier)試薬により最終生成物に転化させる。
【0026】
ビルスマイアー試薬は、塩素化剤および一般式
【0027】
【化8】
Figure 0004103149
【0028】
〔式中、R2およびR3は同一または異なるものであって、(C1〜C4)−アルキル基またはアリール基である。〕
のホルムアミドから成る。 好ましいホルムアミドはN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0029】
塩素化剤は、都合よく、オキシ塩化リン、塩化チオニル、ホスゲンまたはホスゲン放出性化合物、三塩化リンまたは五塩化リンを使用する。 好ましい塩素化剤はオキシ塩化リンである。
【0030】
ビルスマイアー試薬中の塩素化剤と一般式IVのホルムアミドのモル比は、1:1と4:1の間が好都合である。
【0031】
ビルスマイアー試薬は過剰量使用し、同時に溶媒として役立たせるのが好都合である。
【0032】
しかしながら、トルエン、クロロベンゼンまたはキシレンのような不活性溶媒を加えることもまた可能である。
【0033】
第二工程における反応の反応温度は、60〜200℃が好適である。
【0034】
この反応の間に、一般式
【0035】
【化9】
Figure 0004103149
【0036】
〔式中、R,R2およびR3は上述のとおり。〕
のN,N−置換アミノメチレンイミダゾリンが、中間体として形成される。
【0037】
この中間体は、刊行されたヨーロッパ特許出願EP−A0653422の発明の主題である。
【0038】
通常1時間から24時間の反応時間の後、対応する2−置換5−クロロイミダゾール−4−カルブアルデヒドが、当業技術者に既知の方法で、好適には反応混合物を水で処理することおよび適切な溶媒による抽出により、高い収率と純度で得られる。
【0039】
【実施例】
〔実施例1〕
(ペンタンイミドイルアミノ)酢酸の製造
グリシン(18.77g,0.25mol)をメタノール(80ml)および水(4.5ml)中で撹拌した懸濁液を0℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム溶液を加えることにより、pHを9.6に調整した。 メチルペンタンイミデート(42%トルエン溶液68.81g=0.25mol)を5分間にわたり、この懸濁液に加えた。 室温で18時間撹拌した後、懸濁液を濾過し、フィルターケークをトルエン(75ml)で洗浄し、乾燥した。
【0040】
収率:25.45g(純度>95%,H−NMRによる)、グリシン基準で64%。
【0041】
Figure 0004103149
【0042】
〔実施例2〕
(ペンタンイミドイルアミノ)酢酸の製造
グリシン(18.77g,0.25mol)をメタノール(80ml)および水(4.5ml)中で撹拌した懸濁液を0℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム溶液を加えることにより、pHを9.6に調整した。 メチルペンタンイミデート(42.9%トルエン溶液67.12g=0.25mol)を7分間にわたり、この懸濁液に加えた。 この反応混合物を室温で5時間撹拌した。 それから、30mbarから150mbarの減圧下に、メタノールおよび水を蒸留して除去した。 トルエンを合計250ml、この蒸留の間に加えた。 それから混合物を濾過し、フィルターケークをトルエン(75ml)で洗浄し、乾燥した。
【0043】
収率:39.61g(純度>90%,H−NMRによる)、グリシン基準で90%。
【0044】
〔実施例3〕
2−ブチル−5−クロロイミダゾール−4−カルブアルデヒドの製造
オキシ塩化リン(43.80g,280mmol)をトルエン(75ml)中の(ペンタンイミドイルアミノ)酢酸(15.80g,100mmol)の懸濁液に、5分間にわたり加えた。 混合物を80℃に加熱し、これにN,N−ジメチルホルムアミド(20.57g,280mmol)を、7分間にわたり混合した。 この間に温度は96℃に上昇した。 100℃で2時間撹拌した後、混合物を30℃に冷却した。 それから反応混合物を、温度に常に30℃以下に保つようなやり方で、水80mlに撹拌しながら注いだ。 酢酸エチル(80ml)およびセリット(5g)を加えた後、混合物のpHを30%水酸化ナトリウム溶液により1.2に調整した。 混合物を濾過し、それから30℃で相分離を行なった。 有機層を水で2回洗浄し、それから濃縮し乾固させた。
【0045】
表題化合物が収率13.39g(HPLC純度81.4%)、(ペンタンイミドイル−アミノ)酢酸基準で58%で得られた。
【0046】
〔実施例4〕
2−ブチル−5−クロロイミダゾール−4−カルブアルデヒドの製造((ペンタンイミドイルアミノ)酢酸の単離を伴わない)
グリシン37.91g(0.50mol)、水9.0g(0.50mol)およびメタノール160mlの白色懸濁液を0℃に冷却した。 pHを、30%水酸化ナトリウム溶液を加えることにより9.5に調整した。 メチルペンタンイミデートのトルエン溶液(41%≡0.50mol)140.46gを11分間にわたり滴下し、その間温度は0℃に保った。 反応混合物を室温で20時間撹拌した。 その後、濃硫酸を加えることにより、pHを10.13から7.0に調整した。 トルエン500mlを加え、メタノールおよび水を真空下で蒸留して除去した。 蒸留の後、トルエン72.6gを加えた。 薄い黄色みがかった懸濁液を0℃に冷却し、オキシ塩化リン219.0g(1.40mol)を11分間にわたり加えた。 20分後、混合物を80℃に加熱し、ジメチルホルムアミド102.9g(1.40mol)を加え、混合物を100℃に2時間加熱し、35℃に冷却してから撹拌しながら水350mlに注ぎ、その間温度は30℃以下に保った。 混合物に酢酸エチル300mlおよびセリット20gを加え、25〜30℃で15分間撹拌した。 pHを、30%水酸化ナトリウム溶液275.0mlを加えることにより、1.2に調整した。 セリットを約30℃で吸引濾過し、約30℃で相を分離させた。 有機層を水で2回洗浄し、濃縮し乾固させた。
【0047】
収率:68.1g(HPLC純度85.0%)、グリシン基準で62%。
【0048】
〔実施例5〕
(ベンズイミダゾイルアミノ)酢酸の製造
水(0.9g)およびメタノール(16ml)中のグリシン(3.81g,50mmol)の白色懸濁液を室温で撹拌し、水酸化ナトリウム溶液を加えることによりpH9.6に調整し、エチルベンズイミデート(7.69g,50mmol)と混合した。 混合物を50℃に1時間加熱し、室温まで冷却した。 生成した固体を濾過分離し、トルエンで洗浄して室温/30mbarで乾燥した。
【0049】
収率:6.81g(約95%純度,H−NMRによる)、グリシン基準で74%。
【0050】
Figure 0004103149
【0051】
〔実施例6〕
5−クロロ−2−フェニル−3H−イミダゾール−4−カルブアルデヒドの製造トルエン(25ml)中の(ベンズイミドイルアミノ)酢酸(4.38g,25mmol)の懸濁液に、0℃でオキシ塩化リン(10.73g,70mmol)を5分間にわたり混合した。 トルエン(19ml)を加えた後、混合物を80℃に加熱し、N,N−ジメチルホルムアミド(5.12g,70mmol)と混合し、さらに100℃で2時間反応させた。 反応混合物を水(19ml)に注ぎ、その間温度は30℃以下に保ち、反応フラスコを酢酸エチル(15ml)ですすいだ。 反応混合物にセリット(2.25g)を混合し、25℃で0.5時間撹拌し、30%水酸化ナトリウム溶液(7.3ml)を加えることによりpHを1.2に調整した。 混合物を濾過し、相を分離させた。 有機層を水で2回洗浄し、濃縮し乾固させた。
【0052】
収率:4.13g(約95%純度,H−NMRによる)、(ベンズイミダゾイルアミノ)酢酸基準で76%。
【0053】
Figure 0004103149

Claims (7)

  1. 一般式
    Figure 0004103149
    〔式中、Rは水素、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基またはアリール基である。〕
    の2−置換5−クロロイミダゾール−4−カルブアルデヒドの製造方法であって、第一工程において、グリシンを一般式
    Figure 0004103149
    〔式中、Rは上述のとおり、R1 はアルキル基である。〕
    のイミドエステルと反応させて一般式
    Figure 0004103149
    〔式中、Rは上述のとおり。〕
    の化合物を得、第二工程において、この化合物を塩素化剤および一般式
    Figure 0004103149
    〔式中、R2およびR3は同一または異なるものであって、(C1〜C4)−アルキル基またはアリール基である。〕
    のホルムアミドから成るビルスマイアー(Vilsmeier)試薬により転化し、最終生成物を得ることを特徴とする製造方法。
  2. 一般式III の化合物を単離せずに実施することを特徴とする、請求項1の製造方法。
  3. 第一工程で、反応を4〜12のpHおよび−20〜80℃の温度において行なうことを特徴とする、請求項1または2の製造方法。
  4. ビルスマイアー試薬中で使用する塩素化剤がオキシ塩化リンであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかの製造方法。
  5. ビルスマイアー試薬中で使用する一般式IVのホルムアミドがN,N−ジメチルホルムアミドであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかの製造方法。
  6. ビルスマイアー試薬中の塩素化剤と一般式IVのホルムアミドとのモル比が、1:1と4:1の間であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかの製造方法。
  7. ビルスマイアー試薬による反応を60〜200℃の温度で進めることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかの製造方法。
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