JP4102944B2 - 編集装置および方法、並びに記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、編集装置および方法、並びに記録媒体に関し、特に、画像に対して簡単にエフェクトを付加することができるようにした編集装置および方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の編集システムとしては、編集対象の素材を記録する記録手段としてビデオテープレコーダ(以下、これを略してVTRと呼ぶ)を用いたものが提案されている。このような編集システムにおいては、スポーツやニュース等といったライブ映像を順次VTRで記録し、その記録された映像を編集素材として読み出して使用することにより、プログラム編集を行うようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の編集システムにおいては、迅速かつ確実に所望の効果を付与することが困難である課題があった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、所望の効果を迅速かつ確実に付与することができるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の編集装置は、編集対象とされている画像の少なくとも一部の画像を縮小した静止画を画像の表示順に配列して表示手段に表示させる配列表示制御手段と、編集対象とされている画像に付加する効果を選択するとともに、選択された効果に対するエフェクト量及び効果時間を含むパラメータを設定する設定手段と、設定手段で設定された効果に対応する効果画像が、表示手段に表示された配列中の、編集対象とされている画像のうち、効果を付加する画像の静止画に隣接して挿入されるように、配列された静止画像の表示位置を変更して効果画像を配置する配置手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項に記載の編集方法は、編集対象とされている画像の少なくとも一部の画像を縮小した静止画を画像の表示順に配列して表示させる配列表示ステップと、編集対象とされている画像に付加する効果を選択するとともに、選択された効果に対するエフェクト量及び効果時間を含むパラメータを設定する設定ステップと、設定ステップで設定された効果に対応する効果画像が、表示された配列中の、編集対象とされている画像のうち、効果を付加する画像の静止画に隣接して挿入されるように、配列された静止画像の表示位置を変更して効果画像を配置する配置ステップとを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、編集対象とされている画像の少なくとも一部の画像を縮小した静止画を画像の表示順に配列して表示させる配列表示ステップと、編集対象とされている画像に付加する効果を選択するとともに、選択された効果に対するエフェクト量及び効果時間を含むパラメータを設定する設定ステップと、設定ステップで設定された効果に対応する効果画像が、表示された配列中の、編集対象とされている画像のうち、効果を付加する画像の静止画に隣接して挿入されるように、配列された静止画像の表示位置を変更して効果画像を配置する配置ステップとを備えるコンピュータプログラムが記録されている。
【0008】
請求項1に記載の編集装置、請求項3に記載の編集方法、および請求項4に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体においては、設定された効果に対応する効果画像が、効果を付加する画像の静止画に隣接して挿入されるように、配列された静止画像の表示位置を変更して効果画像が配置される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、特許請求の範囲に記載の発明の各手段と以下の実施の形態との対応関係を明らかにするために、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但し一例)を付加して本発明の特徴を記述すると、次のようになる。但し勿論この記載は、各手段を記載したものに限定することを意味するものではない。
【0010】
請求項1に記載の編集装置は、編集対象とされている画像の少なくとも一部の画像を縮小した静止画を画像の表示順に配列して表示手段に表示させる配列表示制御手段と、編集対象とされている画像に付加する効果を選択するとともに、選択された効果に対するエフェクト量及び効果時間を含むパラメータを設定する設定手段(例えば、図35のステップS204)と、設定手段で設定された効果に対応する効果画像が、表示手段に表示された配列中の、編集対象とされている画像のうち、効果を付加する画像の静止画に隣接して挿入されるように、配列された静止画像の表示位置を変更して効果画像を配置する配置手段(例えば、図35のステップS211,S212)とを備えることを特徴とする。
【0012】
以下図面を参照して、本発明の一実施の形態を詳述する。なお、本明細書において、システムの用語は、複数の装置で構成される全体の装置を示すものとする。
【0013】
<編集システムの全体構成>
図1において、1は全体として本発明を適用した編集システムを示し、大きく分けてコンピュータ2、ハイブリッドレコーダ3、および映像効果装置(エフェクタ)6によって構成されている。コンピュータ2はCPUや各種処理回路、或いはフロッピーディスク2fを駆動するフロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ等を有する本体2a、当該本体2aに接続されるモニタ2b、キーボード2c、マウス2d、および専用コントローラ2eによって構成される。このようなコンピュータ2は、映像データを編集するためのアプリケーションプログラムがハードディスクドライブに予めインストールされており、オペレーティングシステムの基で、当該アプリケーションプログラムを動作させることにより、編集システムとして起動するようになされている。
【0014】
なお、このアプリケーションプログラムは編集作業に使用される制御コマンドを生成するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を含んでおり、アプリケーションプログラムを起動させたときには、モニタ2b上に当該GUIのためのグラフィック表示が表示されるようになされている。
【0015】
一方、ハイブリッドレコーダ3(その詳細は図18を参照して後述する)は複数のハードディスクがアレイ状に連結されたハードディスクアレイと、当該ハードディスクアレイのバックアップ用として設けられたVTRとによって構成されており、外部から供給されるSDI(Serial Digital Interface)フォーマットのソースビデオ信号V1およびソースオーディオ信号A1を順次記録するようになされている。このハイブリッドレコーダ3は、見かけ上、記録と再生が同時に行われるようになされており、リアルタイムでビデオ信号V1およびオーディオ信号A1を記録しながら、リアルタイムでその記録されたビデオ信号V1およびオーディオ信号A1を再生し得るようになされている。
【0016】
なお、再生されたビデオ信号とオーディオ信号は、ビデオ信号V3およびオーディオ信号A3として、映像効果装置6に供給されるようになされている。またハイブリッドレコーダ3は入力された信号のうち、ビデオ信号V1を、ほぼそのままの状態で、ビデオ信号V2として出力するようになされており、その出力されたビデオ信号V2(信号としてはビデオ信号V1とほぼ同じ)はコンピュータ2の本体2aに供給されるようになっている。因みに、ここで入力されるビデオ信号V1とオーディオ信号A1は、ビデオカメラ等によって撮影されたコンポジットビデオ信号やVTRから送出されるコンポジットビデオ信号と、それに対応するオーディオ信号である。
【0017】
映像効果装置6(その詳細は、図4を参照して後述する)は、ハイブリッドレコーダ3より供給されたビデオ信号V3とオーディオ信号A3のうち、ビデオ信号V3に所定の特殊効果を施した後、ビデオ信号V5として、図示せぬ装置に出力する。このとき、対応するオーディオ信号は、ビデオ信号の処理時間に対応する分だけ遅延され、ビデオ信号V5に重畳して出力される。映像効果装置6はまた、特殊効果を付与したビデオ信号を、ビデオ信号V6として、コンポジットビデオ信号としてコンピュータ2の本体2aに供給している。
【0018】
コンピュータ2の本体2aとハイブリッドレコーダ3、並びに本体2aと映像効果装置6は、RS−422インタフェースの通信フォーマットに基づいた通信ケーブル4によって接続されており、当該通信ケーブル4を介して制御コマンドおよびそれに対する応答コマンドを伝送し得るようになされている。なお、RS−422インタフェースの通信フォーマットは、制御コマンドとそれに対する応答コマンドとを同時に送信/受信できる通信フォーマットである。
【0019】
ここでこの編集システム1の動作を簡単に説明する。まずビデオカメラ等によって撮影されたコンポジットのビデオ信号V1はハイブリッドレコーダ3に入力され、順次記録されて行く。またハイブリッドレコーダ3をスルーしてそのまま出力されるビデオ信号V2はコンピュータ2の本体2aに入力される。本体2aはそのビデオ信号V2に応じた縮小画像を生成し、モニタ2bに表示させる。一方、ハイブリッドレコーダ3は入力されるビデオ信号V1をリアルタイムで符号化し、ハードディスクアレイおよびVTRに記録する。
【0020】
コンピュータ2を操作するオペレータは、表示手段であるモニタ2bに表示されるビデオ信号V2を見ながら、コンピュータ2に接続されたマウス2d等のポインティングデバイスを操作することにより、イン点(編集開始点)やアウト点(編集終了点)等の編集点(所定の効果を付与するための編集点を含む)を指示すると共に、モニタ2bに表示されるGUIを使用して、編集のための制御コマンドを生成する。この制御コマンドはRS−422の制御コマンドとしてハイブリッドレコーダ3と映像効果装置6に伝送される。これによりハイブリッドレコーダ3の再生動作が制御され、再生されたビデオ信号V3は映像効果装置6で必要に応じて所定のエフェクトが付与された後、ビデオ信号V6として、コンピュータ2に供給され、そのモニタ2bに表示されると共に、ビデオ信号V5として外部に送出される。
【0021】
このようにしてこの編集システム1では、モニタ2bを見ながら、マウス2d等のポインティングデバイスを操作することにより、容易に編集作業を行うことができる。またこの編集システム1では、ほぼ同時に記録再生動作ができるハイブリッドレコーダ3と映像効果装置6を使用したことにより、リアルタイムで編集作業を行うことができ、リアルタイム性を損なうことなく、スポーツ中継やニュース報道等の素材にエフェクトを付与して編集することができる。
【0022】
図2は、編集システム1の他の構成例を表している。この構成例においては、ハイブリッドレコーダ3が、ハイブリッドレコーダ3a乃至3dとして4台設けられている。そのうちの1つは、メインチャンネルのハイブリッドレコーダ3aとされ、他の1つは、サブチャンネルのハイブリッドレコーダ3bとされる。メインのハイブリッドレコーダ3aの出力するビデオ信号V3と、オーディオ信号A3は、そのまま映像効果装置6に入力される。これに対して、ハイブリッドレコーダ3b乃至3dの出力するビデオ信号とオーディオ信号は、入出力選択装置7に入力され、そのうちの1つが選択されて、ビデオ信号V4およびオーディオA4として、映像効果装置6に入力される。その他の構成は、図1における場合と同様である。
【0023】
この場合においては、映像効果装置6において、メインチャンネルのビデオ信号とその他のビデオ信号のうち、入出力選択装置7で選択されたビデオ信号に対して、映像効果装置6で所定のエフェクトが付与された後、出力されることになる。
【0024】
この編集システムにおいては、最大4個所からの映像を同期して、記録することが可能である。映像効果装置6は、いわゆるAロールエフェクタとして機能し、2つのチャンネルの映像だけを、エフェクトを付与する処理対象の映像とすることができる。このため、メインチャンネルの映像と、入出力選択装置7で選択した映像を編集対象として、所定のエフェクトを付与することができる。ハイブリッドレコーダ3a乃至3dは、タイムコードが同期しており(それぞれのHDD上に記録されている映像のタイムコードと、記録アドレスが一致しており)、各ハイブリッドレコーダ3a乃至3dに供給するコマンドを同一とすることにより、4個所の映像を同期して記録することができる。そして、そのうちの2個所の映像を同期して再生し、所定のエフェクトを付与して出力することができる。
【0025】
<コンピュータの内部構成>
この項ではコンピュータ2の内部構成について具体的に説明する。図3に示すように、コンピュータ2は、コマンドデータやビデオデータを伝送するためのシステムバス5、コンピュータ全体の制御を行うCPU10、入力されるビデオ信号に対して画像処理等を行う第1および第2のビデオプロセッサ11,12、モニタ2bに表示されるビデオデータやGUIのためのグラフィック表示を管理する表示コントローラ13、ローカルハードディスクドライブ(ローカルHDD)15aを制御するためのHDDインタフェース15、フロッピーディスク2fを駆動するフロッピーディスクドライブ(FDD)16aを制御するためのFDDインタフェース16、マウス(カーソル制御デバイス)2d、専用コントローラ2eおよびキーボード2c等のポインティングデバイスからのコマンドに基づいて制御コマンドを生成するポインティングデバイスインタフェース17、ハイブリッドレコーダ3a乃至3d、映像効果装置6、および入出力選択装置7とRS−422の通信フォーマットに基づいてデータ通信を行うためのソフトウエアドライバを備えた外部インタフェース18を有している。
【0026】
システムバス5は、コンピュータ2の内部でビデオデータやコマンドデータ、或いはアドレスデータ等の通信を行うためのバスであり、ビデオデータを伝送するための画像データバス5aと、コマンドデータ等を伝送するためのコマンドデータバス5bとによって構成されている。
【0027】
画像データバス5aにはCPU10、第1および第2のビデオプロセッサ11,12、表示コントローラ13、HDDインタフェース15およびFDDインタフェース16がそれぞれ接続されており、当該第1および第2のビデオプロセッサ11,12、表示コントローラ13、HDDインタフェース15およびFDDインタフェース16は、この画像データバス5aを介してビデオデータの伝送を行うようになされている。
【0028】
一方、コマンドデータバス5bには、CPU10、第1および第2のビデオプロセッサ11,12、表示コントローラ13、HDDインタフェース15、FDDインタフェース16、ポインティングデバイスインタフェース17、および外部インタフェース18がそれぞれ接続されており(すなわちコンピュータ2内部の全てのブロックが接続されており)、当該コマンドデータバス5bを介してコマンドデータやアドレスデータの伝送を行うようになされている。
【0029】
CPU10はコンピュータ2全体の制御を行うためのブロックであり、コンピュータ2のオペレーティングシステムが格納してあるROM10aと、アップロードされたアプリケーションプログラム等が格納されるRAM10bとを備えている。コンピュータ2を起動する場合には、CPU10はROM10aに記憶されたオペレーティングシステムに基づいたソフトウエアプログラムを実行する。またアプリケーションプログラムをこの起動中のオペレーティングシステムの下で実行する場合には、CPU10はまず、ハードディスクドライブ15aのハードディスクに記録されているアプリケーションプログラムを読み出してRAM10bにアップロードし、その後、当該アプリケーションプログラムを実行する。
【0030】
第1のビデオプロセッサ11は、コンピュータ2に入力される第1のビデオ信号V2を受け取り、当該第1のビデオ信号V2に対してデータ変換を施すと共に、その変換されたビデオデータを一時的にバッファリングするためのブロックである。具体的には、第1のビデオプロセッサ11は、当該ビデオプロセッサ11の全体を制御するプロセッサコントローラ11a、受け取ったアナログのコンポジットビデオ信号V2を、ディジタルのコンポーネントビデオデータに変換するデータ変換部11b、および、データ変換部11bから送出される数フレーム分のビデオデータを一時的に記憶するフレームメモリ11cによって構成される。
【0031】
プロセッサコントローラ11aはデータ変換部11bに対して制御信号を送出することにより、当該データ変換部11bのデータ変換動作を制御すると共に、コンポジットビデオ信号V2からタイムコードを抽出させる。またプロセッサコントローラ11aはフレームメモリ11cに対して制御信号を送出することにより、当該フレームメモリ11cのリード/ライトタイミングおよびリード/ライトアドレスを制御する。因みに、リードタイミングに関しては、プロセッサコントローラ11aは、表示コントローラ13に送出するタイムコードとビデオデータ(フレームデータ)とが対応するようにフレームメモリ11cのリードタイミングを制御する。
【0032】
データ変換部11bはプロセッサコントローラ11aからの制御信号に基づいて、アナログのコンポジットビデオ信号V2をコンポーネントビデオ信号に変換し、その後、当該アナログのコンポーネントビデオ信号をディジタルビデオデータに変換する。なお、タイムコードはアナログのコンポーネントビデオ信号をディジタルビデオデータに変換する際に抽出される。ディジタルに変換されたビデオデータはフレームメモリ11cに送出され、抽出されたタイムコードはプロセッサコントローラ11aに送出される。
【0033】
ここでタイムコードはコンポジットビデオ信号V2の垂直ブランキング期間の14Hと16H、または12Hと14Hの2ラインにエンコードされて挿入されており、いわゆるVITC(Vertical Interval Time Code)と呼ばれるものである。従ってコンポジットビデオ信号V2からタイムコードを抽出する場合には、アナログ信号をディジタルデータに変換する際に、垂直同期期間のディジタル変換されたタイムコードのみをデコードすれば、容易に抽出することができる。因みに、このタイムコードはハイブリッドレコーダ3内において(図18の第2のタイムコード付加部312により)ビデオ信号V2を出力する際に付加されたものである。
【0034】
フレームメモリ11cはデータ変換部11bから供給されるビデオデータを一時的に記憶する。このフレームメモリ11cのリード/ライトタイミングは、上述したようにプロセッサコントローラ11aによって制御される。このフレームメモリ11cは2個のフレームメモリから構成され、合計4Mbyteの記憶容量を有している。このフレームメモリ11cに記憶されるビデオデータは、1フレームが1520画素×960画素からなるビデオデータであり、フレームメモリ11cはこのようなビデオデータを2フレーム分記憶し得るようになされている。
【0035】
フレームメモリ11cに記憶された1520画素×960画素のビデオデータは、プロセッサコントローラ11aの読出し制御に基づいて読み出される。フレームメモリ11cから読み出されるビデオデータは1520画素×960画素、すなわち全画素のビデオデータではなく、380画素×240画素となるように、データ量が間引かれたビデオデータである。ここでデータ量を間引くとは、単にフレームメモリ11cからのビデオデータの読出しのサンプリングレートを1/4にして、読み出されるビデオデータ量を減少させているだけのことである。このようにして読み出された380画素×240画素のビデオデータは、画像データバス5aを介して表示コントローラ13に送出される(この画像は、モニタ2bの後述する図5の記録ビデオ画面21aに表示される)。
【0036】
第2のビデオプロセッサ12は第1のビデオプロセッサと全く同様の構成を有している。すなわちビデオプロセッサ12は、当該ビデオプロセッサ12の全体をコントロールするプロセッサコントローラ12a、受け取ったアナログのコンポジットビデオ信号V6をディジタルのコンポーネントビデオデータに変換するデータ変換部12b、およびデータ変換部12bから送出された数フレーム分のビデオデータを一時的に記憶するフレームメモリ12cを備えている。なお、第1のビデオプロセッサ11と第2のビデオプロセッサ12の異なる点は、第1のビデオプロセッサ11にはハイブリッドレコーダ3が出力したコンポジットビデオ信号V2が入力されているのに対して、第2のビデオプロセッサ12には映像効果装置6が出力したコンポジットビデオ信号V6が入力されている点である。
【0037】
ここでコンポジットビデオ信号V2は、ハイブリッドレコーダ3の内部において入力ビデオ信号V1の垂直同期期間にタイムコードを重畳したビデオ信号であるので、リアルタイムに入力する入力ビデオ信号V1と時間的に同一のビデオ信号である。すなわちフレームメモリ11cに記憶されるビデオデータは、入力ビデオ信号V1をディジタル化したものと同一のビデオデータである。これに対してコンポジットビデオ信号V6は、コンピュータ2からの命令によってハイブリッドレコーダ3から再生され、映像効果装置6により必要に応じてエフェクトが付与されたビデオ信号である。従ってこのコンポジットビデオ信号V6は、入力ビデオ信号V1とは時間的にずれた(タイミングがずれた)ビデオ信号である。
【0038】
この点について以下に詳しく説明する。オペレータがコンピュータ2に対して所望のビデオデータの再生を指令すると、コンピュータ2はハイブリッドレコーダ3(以下、ハイブリッドレコーダ3a乃至3dを個々に区別する必要がない場合、単に、ハイブリッドレコーダ3と記述する。他の装置についても同様とする)に対してそのビデオデータの再生コマンドを送出する。ハイブリッドレコーダ3はコンピュータ2からの再生コマンドに応じてオペレータが指定したビデオデータを再生する。またハイブリッドレコーダ3はビデオデータに対してフレーム単位で対応するタイムコードを記憶しており、その対応関係に基づいてその再生したビデオデータのタイムコードを再生する。
【0039】
そしてハイブリッドレコーダ3は、再生したビデオデータの垂直同期期間にその再生したタイムコードを重畳し、その結果得られるビデオデータを映像効果装置6に伝送できるように、アナログのコンポジットビデオ信号V3に変換し、これを映像効果装置6に送出する。映像効果装置6は、このビデオ信号V3に対して、コンピュータ2からの指令に対応してエフェクトを付与し、コンポジットビデオ信号V6としてコンピュータ2に出力する。このようにしてコンポジットビデオ信号V6はオペレータからの指示によって再生されたビデオ信号であるので、入力ビデオ信号V1とは時間的に非同期な信号である。
【0040】
第2のビデオプロセッサ12に供給されたコンポジットビデオ信号V6は、第1のビデオプロセッサ11に供給されたコンポジットビデオ信号V2と同様に、データ変換部12bおよびフレームメモリ12cを介して所定の信号処理が施された後、380画素×240画素のディジタルビデオデータとして表示コントローラ13に伝送される(この画像は、モニタ2bの後述する図5の再生ビデオ画面23aに表示される)。
【0041】
表示コントローラ13は、モニタ2bに表示されるデータを制御するための制御ブロックである。表示コントローラ13はメモリコントローラ13aとVRAM(ビデオ・ランダム・アクセス・メモリ)13bとを有している。メモリコントローラ13aはコンピュータ2内部の内部同期に従って、VRAM13bのリード/ライトのタイミングを制御する。このVRAM13bには、第1のビデオプロセッサ11のフレームメモリ11cからのビデオデータ、第2のビデオプロセッサ12のフレームメモリ12cからのビデオデータ、およびCPU10からのイメージデータが、それぞれメモリコントローラ13aからのタイミング制御信号に基づいて記憶される。
【0042】
このVRAM13bに記憶されたイメージデータは、コンピュータ2の内部同期に基づいたメモリコントローラ13bからのタイミング制御信号に基づいてVRAM13bから読み出され、モニタ2bにグラフィック表示される。このようにしてモニタ2bに表示されたグラフィック表示が、GUIのためのグラフィック表示となる。ここでCPU10からVRAM13bに送出されるイメージデータは、例えばウインドウ、カーソル、スクロールバー等のイメージデータである。これらの複数種類のイメージデータをモニタ2bに表示させることによって、GUIのためのグラフィック表示を得ることができる。
【0043】
ハードディスクインタフェース15は、コンピュータ2内部に設けられたローカルハードディスクドライブ(HDD)15aと通信するためのインタフェースブロックである。このハードディスクインタフェース15とハードディスクドライブ15aとは、SCSI(Small Computer System Interface)の伝送フォーマットに基づいて通信が行われるようになされている。
【0044】
ハードディスクドライブ15aには、コンピュータ2で起動するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、アプリケーションプログラムを実行する場合には、このハードディスクドライブ15aから読み出されてCPU10のRAM10bにアップロードされる。またこのアプリケーションプログラムを終了する際には、RAM10bに記憶されている編集オペレーションによって作成されたワークデータファイルは、このハードディスクドライブ15aを介してハードディスクにダウンロードされる。
【0045】
フロッピーディスクインタフェース16は、コンピュータ2内部に設けられたフロッピーディスクドライブ(FDD)16aと通信するためのインタフェースブロックである。このフロッピーディスクインタフェース16とフロッピーディスクドライブ16aとは、SCSIの伝送フォーマットに基づいて通信が行われるようになされている。なお、編集オペレーションの編集結果を示すEDL(エデイット・ディシジョン・リスト)等はこのフロッピーディスクドライブ16aを介してフロッピーディスク2fに記録される。
【0046】
ポインティングデバイスインタフェース17は、コンピュータ2に接続されたマウス2d、専用コントローラ2eおよびキーボード2cからの情報を受信するインタフェースブロックである。ポインティングデバイスインタフェース17は、例えばマウス2dに設けられた2次元ロータリエンコーダの検出情報と、マウス2dに設けられた左右のボタンのクリック情報とを当該マウス2dから受け取り、受け取ったそれらの情報をデコードしてCPU10に送出する。同様に、ポインティングデバイスインタフェース17は、専用コントローラ2eおよびキーボード2cからの情報を受け取り、受け取った情報をデコードしてCPU10に送出する。
【0047】
外部インタフェース18は、コンピュータ2の外部に接続されたハイブリッドレコーダ3、映像効果装置6、および入出力選択装置7と通信するためのブロックである。外部インタフェース18はCPU10で生成されたコマンドデータを、RS−422の通信プロトコルに変化するRS−422ドライバを有しており、当該RS−422ドライバを介してハイブリッドレコーダ3に再生コマンド等の制御コマンドを送出したり、入出力選択装置7に所定の信号を選択させる制御コマンドを送出したり、映像効果装置6に所定のエフェクトを付与する制御コマンドを送出したりする。
【0048】
図4は、Aロールエフェクタとして機能する映像効果装置6の内部の構成例を表している。端子704には、ハイブリッドレコーダ3aの出力するメインチャンネルのビデオ信号V3とオーディオ信号A3が入力され、端子703には、入出力選択装置7が選択したハイブリッドレコーダ3b乃至3dのいずれかが出力するビデオ信号V4とオーディオ信号A4が入力される。端子704に入力されたビデオ信号V3とオーディオ信号A3は、シリアルパラレル変換器710により、シリアルデータからパラレルデータに変換された後、タイムベースコレクタ714により、そのタイミングが調整される。タイムベースコレクタ714が出力した信号のうち、ビデオ信号は、フリーズメモリ718に供給され、記憶されるとともに、クロスポイントスイッチ717の端子DIN1に供給される。フリーズメモリ718に記憶された画像データは、そこから読み出され、クロスポイントスイッチ717の端子FMFZに供給されている。
【0049】
タイムベースコレクタ714が出力した信号のうち、オーディオ信号は、オーディオ伸長器743に入力され、伸長処理が施された後、1フレーム遅延回路744により、1フレーム分だけ遅延される。この遅延時間は、画像演算装置720における画像演算処理に必要な時間に対応している。1フレーム遅延回路744の出力は、オーディオ圧縮器745に入力され、圧縮された後、映像音声合成回路725に供給されている。
【0050】
端子703に入力されたビデオ信号V4とオーディオ信号A4は、シリアルパラレル変換器709により、シリアルデータからパラレルデータに変換された後、タイムベースコレクタ713に入力され、タイミング調整が行われ、そのうちの、ビデオ信号V4は、さらにクロスポイントスイッチ717の端子DIN2に入力されている。
【0051】
端子701と702には、外部(External)より供給されるDSK(ダウンストリームキーイング)フィル信号とDSKキー信号が入力されている。DSKフィル信号は、シリアルパラレル変換器707により、シリアルデータからパラレルデータに変換された後、タイムベースコレクタ711により、タイミングが調整され、クロスポイントスイッチ717の端子DSKFに入力されている。DSKキー信号は、シリアルパラレル変換器708により、シリアルデータからパラレルデータに変換された後、タイムベースコレクタ712により、タイミング調整が行われ、クロスポイントスイッチ717の端子DSKSに入力されている。
【0052】
フロッピーディスク742より読み出された内部(Internal)のDSK信号の元になる画像データは、FDDインタフェース741からCPUバス746を介してバッファとして機能するイメージメモリ737に供給され、記憶される。
【0053】
クロスポイントスイッチ717は、端子FMFZ、DIN1、またはDIN2より入力された映像信号の所定のものを選択し、画像演算装置720の端子FRGDまたはBKGDに供給する。端子BKGDには、切り替わる前の映像(バックグラウンドビデオ)が供給され、端子FRGDには、切り替わった後の映像(フォアグラウンドビデオ)が供給される。
【0054】
画像演算装置720の端子DSKSには、GUIの設定により選択されたキー信号(端子702からのキー信号、または、フロッピーディスク742からのキー信号)が供給され、端子DSKFには、GUIにより選択されたフィル信号(端子701からのフィル信号、または内部ジェネレータによるマットカラー信号)が供給される。画像演算装置720の端子EXTKには、端子702からのキー信号が入力される。
【0055】
画像演算装置720は、各端子より入力された画像データに対して、所定のエフェクトを付与し、エフェクトを付与した画像データを端子M/EまたはDFSから出力する。端子M/Eからは、DSKがない画像データが出力され、クロスポイントスイッチ717の端子M/Eに供給される。また、画像演算装置720の端子DFSからは、DSK処理を含む画像データが出力され、クロスポイントスイッチ717の端子DFSに入力される。
【0056】
例えば、メインチャンネルの映像をサブチャンネルの映像にエフェクトをかけて切り換える場合、クロスポイントスイッチ717は、画像演算装置720の端子BKGDに、端子FMFZに入力されるフリーズメモリ718の出力を供給し、画像演算装置720の端子FRGDにタイムベースコレクタ713からクロスポイントスイッチ717の端子DIN2に入力される画像データを供給する。画像演算装置720は、端子FRGDからの画像を、端子BKGDからの画像にエフェクトを付与した画像に切り替えて、端子M/EとDFSから出力し、クロスポイントスイッチ717の対応する端子にフィードバックする。
【0057】
クロスポイントスイッチ717は、端子M/EまたはDFSに入力された画像データのいずれかを選択し、端子MONまたはPGMに出力する。クロスポイントスイッチ717の端子MONから出力された画像データは、コンポジット信号変換器721により、コンポジットビデオ信号に変換され、バッファメモリ722を介して、端子723からビデオ信号V6としてコンピュータ2に出力される。このビデオ信号V6が、後述する図5の再生ビデオ画面23aに表示される。
【0058】
クロスポイントスイッチ717の端子PGMより出力されたビデオデータは、映像出力処理部724に入力され、所定の映像処理がなされた後、映像音声合成回路725に入力され、オーディオ圧縮器745より入力されるオーディオ信号と合成される。映像音声合成回路725より出力された信号は、パラレルシリアル変換器726により、パラレルデータからシリアルデータに変換され、端子727乃至730から図示せぬ装置に出力される。
【0059】
端子705には、所定のビデオ信号が入力される。このビデオ信号は、スルー出力として、そのまま端子706から、図示せぬ装置に出力されるとともに、タイムコード生成部715に入力される。タイムコード生成部715は、端子705より供給されたビデオ信号に同期して、タイムコードを生成する。このタイムコードは、シリアルインタフェース716、CPUバス746を介して、適宜CPU734に供給される。CPU734は、このタイムコードに同期して、各部を制御する。これにより、外部より入力されたビデオ信号に同期した映像効果処理が可能となる。
【0060】
フラッシュメモリ735には、CPU734が処理するプログラムが記憶され、スタティックRAM736には、CPU734が処理する各種のデータが、適宜記憶される。
【0061】
RS−422の端子731と732には、RS−422の通信ケーブル4を介して、パーソナルコンピュータ2が接続される。シリアル入出力コントローラ733は、RS−422の端子731と732を介して授受されるコマンドのインタフェース処理を実行する。
【0062】
CPU734はまた、GPI(ジェネラルパーパスインタフェース)の端子747乃至749から制御できるようになされている。端子747には、エフェクトのオンオフを制御する信号が入力され、端子748には、DSKをオンする信号が入力され、端子749には、DSKをオフする信号が入力されるようになされている。
【0063】
RS−232の端子739には、マウスが接続され、端子740には、ISR(Interactive Status Reporting)の装置、例えば映像効果装置6を監視、診断するソフトウェアを搭載したパーソナルコンピュータ(図示せず)が接続される。シリアルインタフェース738は、これらの端子739と740に接続される装置とのインタフェース処理を実行する。
【0064】
<GUIのためのグラフィック表示>
ピクチャモード
この編集システム1においては、GUIのためのグラフィック表示として2種類のモードが用意されている。その1つは、登録されたイベントのイン点やアウト点の画面を見ながら、イベントの並び換えを行ってプログラムを編集するようになされたピクチャモードであり、もう1つは、登録されたイベントの時間的長さを見ながら、プログラムの尺合わせを行えるようになされたタイムラインモードである。この2つのモードは、後述する図5のモードボタン22bをクリックすることにより、容易に切り換え得るようになされており、これによりオペレータは編集目的に応じて、使い易い方のGUIを選択することができ、編集作業における使い勝手を向上することができる。
【0065】
この項では、まずピクチャモードについて説明する。ピクチャモードの場合には、モニタ2b上に、図5に示すようなグラフィック表示が表示される。この図5に示すように、ピクチャモードのグラフィック表示は、記録ビデオ表示エリア21、タイミング表示エリア22、再生ビデオ表示エリア23、記録ビデオマーキングエリア24、映像効果設定エリア25、リサイクルボックスエリア26i、再生ビデオマーキングエリア27、クリップ表示エリア28、イベント表示エリア29、およびプログラム表示エリア30の10個のエリアに大別されている。
【0066】
記録ビデオ表示エリア21は記録ビデオ画面21a、記録開始点ボタン21b、ノーマルボタン21c、ボイスオーバボタン21d、およびドロップ表示部21eを有している。記録ビデオ画面21aに表示されるビデオ信号は、ハイブリッドレコーダ3aから出力されたコンポジットビデオ信号V2から得られるビデオ信号であって、コンピュータ2により、フレームメモリ11cからVRAM13bに供給される際に、間引き処理によって画像サイズが380画素×240画素に変更されたビデオ信号である。
【0067】
記録開始点ボタン21bは、デジタルビデオテープレコーダ(図18のVTR301)のハードディスク(図18のHDD300)上の記録開始点を、現在の再生位置またはハードディスクの先頭のいずれかに設定するとき操作される。ノーマルボタン21cと、ボイスオーバボタン21dは、択一的に、それぞれのモードを選択するとき操作される。ドロップ表示部21eには、デジタルビデオテープレコーダのフレームモード(NTSC方式のビデオ信号の場合、1秒間のフレーム数は、正確には30ではなく、29.XXXと、端数がでるので、この誤差を吸収するためのタイムコードのカウント方式としてのドロップまたはノンドロップ)が表示される。
【0068】
タイミング表示エリア22のタリー表示部22aには、オンエア設定時における外部信号によるオンエアタリーが表示される。モードボタン22bは、ピクチャモードとタイムラインモードの編集モードを変更するとき操作される。バックアップボタン22cは、HDD(図18のHDD300)のバックアップとしてVTR(図18のVTR301)を使用する場合、操作される。ダビングボタン22dは、ハイブリッドレコーダ3におけるHDDからVTRへのダビング、若しくは、その逆を行う場合に操作される。プリロールボタン22eは、プリロールモードを設定するとき操作される。ディレイボタン22fは、現在記録中の映像を遅延させて、再生ビデオ表示エリア23の再生ビデオ画面23aに表示させるとき操作される。DMC(ダイナミックモーションコントローラ)ボタン22gは、再生速度設定エリア25A(図19を参照して後述する)を表示させ、再生速度を設定するとき操作される。オプションボタン22hは、各種のオプションのメニューを表示させるとき操作される。セットボタン22iは、選択したプログラム、イベントまたはタイムラインを、再生待機状態(オンエアモード)にするとき操作される。
【0069】
時刻表示部22jには現在の時刻が表示される。記録ビデオ信号タイムコード表示部22kには、記録ビデオ表示エリア21に表示されているビデオ信号のタイムコードが表示される。このタイムコードは、第1のビデオプロセッサ11のプロセッサコントローラ11aがコンポジットビデオ信号V2の垂直同期期間から抽出したタイムコードである。再生ビデオ信号タイムコード表示部22mには、再生ビデオ表示エリア23に表示されているビデオ信号のタイムコードが表示される。このタイムコードは、第2のビデオプロセッサ12のプロセッサコントローラ12aがコンポジットビデオ信号V3の垂直同期期間から抽出したタイムコードである。
【0070】
記憶容量残量時間表示部22nには、ハイブリッドレコーダ3のハードディスクの記憶容量の残り時間が表示される。ここに表示される残り時間は、ハイブリッドレコーダ3の全記憶容量が予め分かっているので、現在の時刻から記録開始時刻を減算した値を、ハイブリッドレコーダ3の記録可能時間から減算することにより容易に求めることができる。
【0071】
なお、これらの表示部22j乃至22nの表示は、メニューからの設定に対応して変化する。
【0072】
表示部22oには、映像効果装置6の編集モード(フルエディットモード(FULL)、またはループ記録モード(LOOP))が表示され、表示部22pには、ハイブリッドレコーダ3の記録対象(図18のVTR301、もしくはハードディスク300、または両方)が表示される。表示部22qには、VTRの動作状態が表示される。
【0073】
さらに、表示部22rは、VTRからハードディスクへのダビング速度がハイスピードに設定されているとき表示され、表示部22sには、映像効果装置6がコンピュータ2に接続されているか否かが表示され、表示部22tには、複数のハイブリッドレコーダ3a乃至3dを同期動作させているか否か(後述する図67のシンクプレイボタン904がオンされているか否か)が表示される。
【0074】
オンエア表示部22aはオンエア中であるか否かを示す表示部であり、外部からオンエア中を示すタリー信号が供給されると、その表示色が赤色に変更されるようになっている。このオンエア中であることを示すタリー信号は、映像効果装置6から出力されたコンポジットビデオ信号V6がオンエアされている時に供給される信号である。このようにしてオンエア状態に応じてオンエア表示部22aの表示色を可変しているので、オペレータはオンエア中であることを視覚的に容易に把握することができる。
【0075】
モードボタン22bは、この図5によって示されるピクチャモードと後述するタイムラインモード(図6)とを切り換える際に使用するボタンである。このモードボタン22bをマウス2dを使ってクリックすると、モード切換を指定することができ、表示モードを、ピクチャモードとタイムラインモードとの間で切り換えることができる。
【0076】
プリロールボタン22eはプリロールモードを設定するときに使用するボタンである。またDMC(ダイナミックモーションコントローラ)ボタン22gは、選択したイベントの再生速度を設定するときに使用するボタンである。なお、この2つのボタンについては後で詳細に説明する。
【0077】
再生ビデオ表示エリア23は、再生ビデオ画面23a、メインボタン23b、サブボタン23cを有している。再生ビデオ画面23aに表示されるビデオ信号は、ハイブリッドレコーダ3によって再生され、映像効果装置6から出力されたコンポジットビデオ信号V6から得られるビデオ信号であって、フレームメモリ12cからVRAM13bに供給される際に、間引き処理によって画像サイズが380画素×240画素に変更されたビデオ信号である。
【0078】
メインボタン23bをオンした場合、メインチャンネルのハイブリッドレコーダ3aの出力が再生ビデオ画面23aに表示される。また、サブボタン23cをオンした場合、サブチャンネルのハイブリッドレコーダ3bの再生画像が、再生ビデオ画面23aに表示される。
【0079】
記録ビデオマーキングエリア24は、記録ビデオ画面21aに表示されるビデオデータから、イン点またはアウト点のクリップ画像データをマーキングする時に使用するエリアである。ここで言う「マーキング」の意味は、イン点またはアウト点を指定するという意味、或いはイン点またはアウト点を設定するという意味である。またここで言う「クリップ画像」とは「静止画像」のことである。この記録ビデオマーキングエリア24は、インクリップ表示エリア24a、イン点のタイムコード表示部24b、マークインボタン24c、アウトクリップ表示エリア24d、アウト点のタイムコード表示部24e、およびマークアウトボタン24fに分かれている。
【0080】
インクリップ表示エリア24aは、オペレータがマークインボタン24cをクリックして、イン点としてマーキングしたクリップ画像データを表示するためのエリアである。このインクリップ表示エリア24aに表示されるクリップ画像データは、ハイブリッドレコーダ3から出力されたコンポジットビデオ信号V2から得られる画像データであって、95画素×60画素の画像サイズに間引かれた画像データである。
【0081】
タイムコード表示部24bには、インクリップ表示エリア24aに表示されているクリップ画像データのタイムコードが表示される。このタイムコードは、オペレータがマークインボタン24cをクリックしてイン点をマーキングした時に、第1のビデオプロセッサ11のプロセッサコントローラ11aがコンポジットビデオ信号V2から抽出したタイムコードである。
【0082】
マークインボタン24cはイン点をマーキングするためのボタンである。オペレータは記録ビデオ画面21aに表示されるビデオ画像を見ながら、所望の画像が表示されたタイミングで、このマークインボタン24cをクリックする。マークインボタン24cがクリックされると、このときに記録ビデオ画面21aに表示されているビデオデータに対応したクリップ画像データ(95画素×60画素)が生成され、その生成されたクリップ画像データがインクリップ表示エリア24aに表示される。
【0083】
アウトクリップ表示エリア24dは、オペレータがマークアウトボタン24fをクリックしてマーキングしたアウト点のクリップ画像データを表示するためのエリアである。このアウトクリップ表示エリア24dに表示されるクリップ画像データは、ハイブリッドレコーダ3から出力されたコンポジットビデオ信号V2から得られる画像データであって、95画素×60画素の画像サイズに間引かれた画像データである。
【0084】
タイムコード表示部24eには、アウトクリップ表示エリア24dに表示されるクリップ画像データのタイムコードが表示される。このタイムコードは、オペレータがマークアウトボタン24fをクリックしてアウト点をマーキングした時に、第1のビデオプロセッサ11のプロセッサコントローラ11aがコンポジットビデオ信号V2から抽出したタイムコードである。
【0085】
マークアウトボタン24fはアウト点をマーキングするためのボタンである。オペレータは記録ビデオ画面21aに表示されるビデオ画像を見ながら、所望の画像が表示されたタイミングで、このマークアウトボタン24fをクリックする。マークアウトボタン24fがクリックされると、このときに記録ビデオ画面21aに表示されているビデオデータに対応したクリップ画像データ(95画素×60画素)が生成され、その生成されたクリップ画像データがアウトクリップ表示エリア24dに表示される。
【0086】
映像効果設定エリア25は、カット編集終了後、再生するプログラム順に、プログラム表示エリア30に、イベント表示エリア29からイベントのクリップ画像データをドラッグアンドドロップして、再生プログラムを作成した場合に、そのプログラムイベント列にエフェクトのクリップ画像データを挿入することで、各種映像効果の設定を行う際に用いられる設定ツールボタンが配置されているエリアである。この映像効果設定エリア25については、後で詳細に説明する。
【0087】
リサイクルボックス26iは、生成されたクリップ画像データを消去する時に使用するエリアである。クリップ画像データを消去する時には、マウス2dによってクリップ画像データを指定して、そのクリップ画像データをリサイクルボックス26iのエリアにドラッグアンドドロップすると、消去が実行される。消去したクリップ画像データを復活させる時には、このリサイクルボックス26iをクリックすると、リサイクルボックス26iの中に捨てられたクリップ画像データの全てが表示される。その中から復活させたいクリップ画像データを指定すると、指定されたクリップ画像データが復活する。クリックの結果表示された項目から、強制廃棄処理を選択すると、リサイクルボックス26iに入れた画像データがメモリから消去され、以後、復活することができなくなる。
【0088】
再生ビデオマーキングエリア27は、再生ビデオ画面23aに表示されるビデオ画像からイン点またはアウト点のクリップ画像データをマーキングする時に使用するエリアである。この再生ビデオマーキングエリア27は、インクリップ表示エリア27a、イン点のタイムコード表示部27b、マークインボタン27c、アウトクリップ表示エリア27d、アウト点のタイムコード表示部27e、マークアウトボタン27f、および無効ボタン27g,27hに分かれている。
【0089】
インクリップ表示エリア27aは、オペレータがマークインボタン27cをクリックして、イン点としてマーキングしたクリップ画像データを表示するためのエリアである。このインクリップ表示エリア27aに表示されるクリップ画像データは、映像効果装置6から出力されたコンポジットビデオ信号V6から得られる画像データであって、95画素×60画素の画像サイズに間引かれた画像データである。
【0090】
タイムコード表示部27bには、インクリップ表示エリア27aに表示されるクリップ画像データのタイムコードが表示される。このタイムコードは、オペレータがマークインボタン27cをクリックしてイン点をマーキングした時に、第2のビデオプロセッサ12のプロセッサコントローラ12aがコンポジットビデオ信号V6から抽出したタイムコードである。
【0091】
マークインボタン27cはイン点をマーキングするためのボタンである。オペレータは再生ビデオ画面23aに表示されるビデオ画像を見ながら、所望の画像が表示されたタイミングにおいて、このマークインボタン27cをクリックする。マークインボタン27cがクリックされると、このときに再生ビデオ画面23aに表示されているビデオデータに対応したクリップ画像データ(95画素×60画素)が生成され、その生成されたクリップ画像データがインクリップ表示エリア27aに表示される。
【0092】
アウトクリップ表示エリア27dは、オペレータがマークアウトボタン27fをクリックしてマーキングしたアウト点のクリップ画像データを表示するためのエリアである。このアウトクリップ表示エリア27dに表示されるクリップ画像データは、映像効果装置6から出力されたコンポジットビデオ信号V6から得られる画像データであって、95画素×60画素の画像サイズに間引かれた画像データである。
【0093】
タイムコード表示部27eには、アウトクリップ表示エリア27dに表示されているクリップ画像データのタイムコードが表示される。このタイムコードは、オペレータがマークアウトボタン27fをクリックしてアウト点をマーキングした時に、第2のビデオプロセッサ12のプロセッサコントローラ12aがコンポジットビデオ信号V6から抽出したタイムコードである。
【0094】
マークアウトボタン27fは、アウト点をマーキングするためのボタンである。オペレータは、再生ビデオ画面23aに表示されるビデオ画像を見ながら、所望の画像が表示されたタイミングにおいて、このマークアウトボタン27fをクリックする。マークアウトボタン27fがクリックされると、このときに再生ビデオ画面23aに表示されているビデオデータに対応したクリップ画像データ(95画素×60画素)が生成され、その生成されたクリップ画像データがアウトクリップ表示エリア27dに表示される。
【0095】
無効ボタン27gをクリックすると、インクリップ表示エリア27aに表示されているクリップ画像に対応するイン点が無効にされる。無効ボタン27hをクリックすると、アウトクリップ表示エリア27dに表示されているクリップ画像に対応するアウト点が無効にされる。
【0096】
表示部26aには、ワークファイルの名称が表示され、表示部26bには、ピクチャモード時においては、プログラム表示部30に表示されているプログラムファイルの名称が表示され、タイムラインモードの場合においては、タイムラインファイルの名称が表示される。
【0097】
変速再生メモリボタン26c,26eおよび26gは、変速再生速度を設定するとき、または設定された変速再生速度を読み出すとき操作される。表示部26d,26f,26hには、それぞれその左側の対応する変速再生メモリボタン26c,26e,26gで設定されている変速再生速度が表示される。表示部26jには、例えば、ボイスオーバ編集モードが設定されると、「VOICE OVER」の文字が表示される。スクラッチパッド26kは、後述するセットインボタン37、セットアウトボタン38、セットデュレーションボタン39を使用して、タイムコードを入力することにより、イン点またはアウト点を設定するとき操作される。
【0098】
クリップ表示エリア28は、記録ビデオマーキングエリア24に設けられたマークインボタン24cまたはマークアウトボタン24fを連続して(例えば、イン点を2回連続して、またはアウト点を2回連続して)クリックすることによってマーキングされたクリップ画像データ、および再生ビデオマーキングエリア27に設けられたマークインボタン27cまたはマークアウトボタン27fを連続して(例えば、イン点を2回連続して、またはアウト点を2回連続して)クリックすることによってマーキングされたクリップ画像データを表示するためのエリアである。このクリップ表示エリア28に表示されるクリップ画像データは、イベントのイン点またはアウト点として使用されていないクリップ画像データである。イン点とアウト点が対で指定された場合、その区間の画像はイベントとされ、その区間(イベント)のイン点またはアウト点として指定されたクリップ画像データは、イベント表示エリア29に表示される。クリップ表示エリア28は、クリップ画像データ表示エリア28a、タイムコード表示部28b、クリップタイプ表示部28c、クリップ番号表示部28d、クリップタイトル表示部28g、送りボタン28e、および戻しボタン28fを有している。
【0099】
クリップ画像データ表示エリア28aには、記録側のインクリップ表示エリア24a若しくはアウトクリップ表示エリア24d、または再生側のインクリップ表示エリア27a若しくはアウトクリップ表示エリア27dの何れかに表示された画像が移動表示される。その大きさは、95画素×60画素の画像サイズである。
【0100】
タイムコード表示部28bには、クリップ画像データ表示エリア28aに表示されるクリップ画像データのタイムコードが表示される。このタイムコードは、インクリップ表示エリア24a、アウトクリップ表示エリア24d、インクリップ表示エリア27aまたはアウトクリップ表示エリア27dの何れかの表示エリアから、クリップ画像データ表示エリア28aにクリップ画像データを移動する時に、対応するタイムコード表示部24b,24e,27bまたは27eのものが、同様に移動される。
【0101】
クリップタイプ表示部28cには、クリップ画像データ表示エリア28aに表示されているクリップ画像データがイン点またはアウト点のいずれのクリップ画像データであるのかを示す文字が表示される。例えば、クリップ画像データ表示エリア28aに表示されているクリップ画像データが、インクリップ表示エリア24aから得られたクリップ画像データであるのであれば、赤い色の「IN」の文字が表示される。またクリップ画像データ表示エリア28aに表示されているクリップ画像データがアウトクリップ表示エリア24dから得られたクリップ画像データであるのであれば、赤い色の「OUT」の文字が表示される。またクリップ画像データ表示エリア28aに表示されているクリップ画像データがインクリップ表示エリア27aから得られたクリップ画像データであるのであれば、緑色の「IN」の文字が表示される。またクリップ画像データ表示エリア28aに表示されているクリップ画像データがアウトクリップ表示エリア27dから得られたクリップ画像データであるのであれば、緑色の「OUT」の文字が表示される。
【0102】
クリップ番号表示部28dには、クリップ画像データ表示エリア28aに表示されているクリップ画像データに付されたクリップ番号が表示される。このクリップ番号は、クリップ画像データがマーキングされた順に自動的にクリップ画像データに付される番号である。クリップタイトル表示部28gには、そのクリップに付されたタイトルが表示される。
【0103】
送りボタン28eおよび戻しボタン28fは、クリップ表示エリア28内のクリップ画像データの表示を前に(図5において右方向に)進めるか、または後ろに(図5において左方向に)戻す時に使用するボタンである。多数のクリップ画像データを生成した場合には、クリップ表示エリア28の大きさは有限であるので、全てのクリップ画像データを同時に表示することができなくなる。そのような時に、この送りボタン28eおよび戻しボタン28fを操作してクリップ画像データを前に進めるか、または後ろに戻すことによって、全てのクリップ画像データをモニタ上に表示させることができる。
【0104】
イベント表示エリア29は、記録ビデオマーキングエリア24に設けられたマークインボタン24cとマークアウトボタン24fを順にまたはその逆に(対になるように)クリックすることによって生成されたイベントのクリップ画像データ、および再生ビデオマーキングエリア27に設けられたマークインボタン27cとマークアウトボタン27fを順にまたはその逆に(対になるように)クリックすることによって生成されたイベントのクリップ画像データを表示するためのエリアである。1つのイベントに対して、イン点のクリップ画像データまたはアウト点のクリップ画像データの何れかのクリップ画像データが表示される。イベント表示エリア29は、クリップ表示エリア28と同様に、クリップ画像データ表示エリア29a、タイムコード表示部29b、クリップタイプ表示部29c、イベント番号表示部29d、イベントタイトル表示部29g、送りボタン29e、および戻しボタン29fを有する。
【0105】
クリップタイプ表示部29cには、クリップ画像データ表示エリア29aに表示されているイベントのクリップ画像データがイン点またはアウト点のいずれのクリップ画像データであるのかを示す文字が表示される。イベントのクリップ画像データとしてイン点のクリップ画像データが表示されていると、このクリップタイプ表示部には「IN」の文字が表示される。イン点のクリップ画像データの代わりにアウト点のクリップ画像データを表示したい場合には、このクリップタイプ表示部29cをクリックすると、アウト点のクリップ画像データが表示される。その後は、クリップタイプ表示部29cをクリックする度に、イン点のクリップ画像データとアウト点のクリップ画像データの表示が交互に入れ替わる。
【0106】
イベント番号表示部29dには、生成されたイベントに対して付されたイベント番号が表示される。このイベント番号は、イベントが生成された順に自動的にイベントに付される番号であって、クリップ番号とは全く関係のない番号である。イベントタイトル表示部29gには、イベントに付されたタイトルがキャラクタ文字で表示される。なお、このタイトルはタイトルメニューによって登録することができ、イベント毎に登録することが可能である。
【0107】
プログラム表示エリア30はイベント表示エリア29に表示されているイベントをコピーしてプログラムを作成するのに使用されるエリアであり、イベント表示エリア29に表示されているイベントのクリップ画像データのコピーが表示されるようになされている。イベントを並び替えてプログラムを作成する場合には、まずイベント表示エリア29に表示されているイベントのクリップ画像データのうち、所望のものをドラッグアンドドロップして、プログラム表示エリア30にコピーする。これによりイベント表示エリア29に表示されているイベントを自由に並び替えてプログラムを作成することができる。このときプログラム表示エリア30に表示されているイベントのクリップ画像データをドラッグアンドドロップして、再びプログラム表示エリア30内の他の場所に移動することにより、当該プログラム表示エリア30内においてもイベントを自由に並び替えることもできる。この場合、イベントは移動されるのであって、コピーされるのではない。
【0108】
このようなプログラム表示エリア30は、イベント表示エリア29と同様に、クリップ画像データ表示エリア30a、タイムコード表示部30b、クリップタイプ表示部30c、イベント番号表示部30d、イベントタイトル表示部30g、送りボタン30e、および戻しボタン30fを有している。なお、これらについては、基本的に、イベント表示エリア29におけるものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0109】
但し、このプログラム表示エリア30には、エフェクトクリップ画像データが表示される場合がある。この場合においては、エフェクト画像データ表示エリア30Aに、エフェクトを表す図形や文字が表示され、その右上のエフェクト番号表示部30Dには、エフェクト番号が表示される。エフェクト番号表示部30Dの左側のエフェクトタイトル表示部30Gには、PinP,Wipeなどのエフェクトのタイトルが表示される。エフェクト画像データ表示エリア30Aの右下のタイムコード表示部30Bには、エフェクトを挿入する位置のタイムコードが表示される。
【0110】
記録開始および終了ボタン31aは、ハイブリッドレコーダ3と映像効果装置6に対して記録開始(記録停止時)または記録終了(記録開始時)の制御コマンドを送出するためのボタンである。記録動作停止時に、記録開始および終了ボタン31aがクリックされると、CPU10は記録開始および終了ボタン31aが押されたことを検出し、外部インタフェース18に対して記録開始コマンドを出力するように命令する。外部インタフェース18はこの命令を受けてRS−422で定義されている記録開始コマンド(REC START コマンド)をハイブリッドレコーダ3に送出する。ハイブリッドレコーダ3は、受け取った記録開始コマンドに応じてビデオ信号V1のハードディスクおよびVTRへの記録を開始する。
【0111】
これに対して記録動作中に、記録開始および終了ボタン31aがクリックされると、CPU10は記録開始および終了ボタン31aが押されたことを検出し、外部インタフェース18に対して記録終了コマンドを出力するように命令する。外部インタフェース18はこの命令を受けてRS−422で定義されている記録終了コマンド(REC STOP コマンド)をハイブリッドレコーダ3に送出する。ハイブリッドレコーダ3は、受け取った記録終了コマンドに応じてビデオ信号V1のハードディスクおよびVTRへの記録を終了する。
【0112】
プレビューボタン32は、選択したイベントやプログラムをプレビュー(いわゆる内容確認)する時に使用するボタンである。イベントやプログラムを指定すると、指定されたイベントやプログラムのクリップ画像データが再生ビデオ画面23aに静止画(STILL)状態で表示される。この時にこのプレビューボタン32がクリックされると、CPU10はプレビューボタン32が押されたことを検出し、外部インタフェース18に対して再生開始コマンドを出力するように命令する。外部インタフェース18はこの命令を受けてRS−422で定義されている再生開始コマンド(PLAY START コマンド)をハイブリッドレコーダ3と映像効果装置6に送出する。ハイブリッドレコーダ3は、受け取った再生開始コマンドに応じてハードディスク(またはVTR)からコンポジットビデオ信号V3の再生を開始する。映像効果装置6はコンポジットビデオ信号V3に、指令に対応してエフェクトを付与したコンポジットビデオ信号V6を生成する。
【0113】
ニューイベントボタン33は、新たにイベントを作成するときに使用するボタンである。オペレータによって指定されたイベントに対して、イン点およびアウト点が変更されたイベントを別の新たなイベントとして登録する場合にこのニューイベントボタン33がクリックされる。プロテクトボタン34は、ループ記録時、データの上書きを禁止するとき操作される。リプレイスボタン35は、選択したイベントのイン点およびアウト点を変更したいときに使用するボタンである。オペレータによって指定されたイベントに対して、イン点およびアウト点が変更されたイベントを別の新たなイベントとしてではなく、指定されたそのイベントとして置き換える場合にこのリプレイスボタン35がクリックされる。デリートボタン36は、選択したイベントやプログラムを消去するときに使用するボタンである。消去されたイベントやプログラムはリサイクルボックス26iの中に捨てられる。
【0114】
セットインボタン37は、イン点を数値で設定するとき操作され、セットアウトボタンを38は、アウト点を数値で設定するとき操作される。セットデュレーションボタン39は、イン点からの期間を数値で指定してアウト点を指定したり、あるいは、アウト点からの期間を数値で指定してイン点を指定するとき操作される。
【0115】
VTR制御ボタン31bは、VTRを制御するVTR制御パネルをポップアップ表示させるとき操作される。ハードディスクコントロールボタン31cは、ハードディスクコントロールパネルをポップアップ表示させるとき操作される。ダビングボタン31dは、VTRとハードディスクの間においてダビングを行うとき、テープ/ディスクダビングセッティングパネルをポップアップ表示させるとき操作される。
【0116】
<タイムラインモード>
次にこの項では、タイムラインモードについて説明する。タイムラインモードの場合には、モニタ2b上に図6に示すようなグラフィック表示が表示される。この図6に示すように、タイムラインモードのグラフィック表示においては、図5のピクチャモード時のクリップ表示エリア28とイベント表示エリア29がタイムライン表示エリア40に変更されている。そして、図5のプログラム表示エリア30の位置に、イベント表示エリア29が表示されている。その他の表示は、図5に示したピクチャモードのときのものと同様である。
【0117】
タイムライン表示エリア40は、各イベントの時間的な長さを確認しながらプログラムを編集することができる表示エリアである。このタイムライン表示エリア40は、その一部を拡大して図7に示すように、タイムスケール表示部40a、GPI/DSKトラック40b、エフェクトトラック40c、ビデオトラック40d、第1乃至第4のオーディオトラック40e乃至40h、スクロールボタン40i,40j、サーチボタン40m、フレームボタン40n、およびエディットバー40kを有している。
【0118】
タイムスケール表示部40aには時間尺(以下、タイムスケールと呼ぶ)が表示されるようになっており、このタイムスケールを基準として各イベントの時間的な長さを明示するようになっている。このタイムスケールはフレーム単位のスケールであり、その目盛りの最小単位はユーザ設定により任意のフレーム数に設定される。
【0119】
GPI/DSKトラック40bは、GPI(ジェネラル・パーパス・インタフェース:編集装置から制御コマンドを出力して外部機器を制御するための汎用インタフェース)またはDSKの制御コマンドの出力点を指定するためのエリアである。GPIまたはDSKの出力点は、イン点やアウト点に関わりなく任意の位置に設定し得る。GPIはGPI設定ボタン46dn,46dp(後述する)を利用して設定することができる。GPIまたはDSKの出力点の位置には、マーク40baが表示されるようになされており、これによってオペレータは自分が指定した位置を容易に確認することができる。このようにしてGPI/DSKトラック40bにおいてGPIまたはDSKの出力点を指定することにより、その指定した出力点において制御コマンドを出力して外部機器を制御することができる。なお、GPI/DSKトラック40bによって指定されたGPIまたはDSKの出力点を有効にする場合には、GPI/DSKボタン40bcをクリックすれば良い。
【0120】
エフェクトトラック40cには、エフェクトを設定した位置に、マーク40caが表示される。これにより、オペレータは、自分がエフェクトを指定した位置を容易に確認することができる。エフェクトトラック40cにおいて指定されたエフェクトを有効にする場合には、エフェクトボタン40cbをクリックすればよい。
【0121】
ビデオトラック40dは、イベント表示エリア29からドラッグされたイベントを並び替える等してプログラムを編集するためのエリアである。このビデオトラック40dに表示されるイベントは、イベント表示エリア29からドラッグされたイベント、若しくは後述するプログラムビューエリア42のプログラムコールボタン42b(図6)によって呼び出されたピクチャモードのプログラム表示エリア30に並んでいるイベントである。
【0122】
またこのビデオトラック40d内においては、ピクチャモードのときのように、イベントのイン点やアウト点のクリップ画像データは表示されず、イベント番号およびそのイベントに付されたタイトルが表示される。但し、各イベントの表示領域の大きさは、そのイベントの長さに応じて異なるようになされており、これによってそのイベントの長さをタイムスケール表示部40aのタイムスケールと対比させながら視覚的に確認することができるようになっている。また各イベントの長さが視覚的に確認し得るので、編集したプログラム全体の長さも視覚的に確認し得る。従って編集したプログラムが所望の長さ内に収まっているか否かを容易に確認することができる。
【0123】
またこのビデオトラック40d内では、各イベントを任意の位置に移動したり、任意のイベントを他のイベント内に割り込ませることができるようになされており、これによりイベントを任意の順番に並び替えて所望の順序のプログラムを生成することができる。因みに、イベントを移動したり、割り込ませたときには、イベント間で隙間ができないように繋げられる。
【0124】
イベントの移動先や割り込み先は基準位置マークであるエデイットバー40kによって指定される。このエデイットバー40kは画面のほぼ中心位置に固定表示されており、移動先や割り込み先を指定する場合には、イベント表示をスクロールボタン40i,40jを操作してスクロールさせることにより、移動先や割り込み先の候補位置をエデイットバー40kのところに合わせる。これによりその位置が移動先や割り込み先として指定される。
【0125】
なお、このビデオトラック40dに対して操作を行う場合には、ビデオボタン40dbをクリックすれば、当該ビデオトラック40dを操作可能状態にすることができる。
【0126】
第1乃至第4のオーディオトラック40e乃至40hは、各イベントのオーディオデータを編集するためのエリアである。この第1乃至第4のオーディオトラック40e乃至40hにオーディオデータを取り込む場合には、オーディオボタン40ea乃至40haをクリックした上で、イベント表示エリア29からイベントをドラッグすれば、そのイベントに対応するオーディオデータを取り込むことができる。なお、取り込まれたオーディオデータに対してはイベント番号およびそのイベントに付されたタイトルが表示される。
【0127】
この第1乃至第4のオーディオトラック40e乃至40h内においても、ビデオトラック40dと同様に、各イベントのオーディオデータを任意の位置に移動したり、任意のイベントのオーディオデータを他のイベントのオーディオデータ内に割り込ませることができる。その際の位置指定は、ビデオ編集における場合と同様に、オーディオデータをスクロールボタン40i,40jを操作してスクロールすることにより、移動先や割り込み先の候補位置をエデイットバー40kのところに合わせれば良い。
【0128】
なお、第1乃至第4のオーディオトラック40e乃至40hにより、合計4チャンネル分のオーディオデータの編集が可能である。
【0129】
スクロールボタン40i,40jはGPI/DSKトラック40bから第4のオーディオトラック40hまでの区間を、全体的に、右または左方向にフレーム単位でスクロールさせるときに操作するボタンである。このスクロールボタン40i,40jのうち、送りたい方向のボタンをクリックすると、その方向にスクロールが実行される。
【0130】
サーチボタン40mは、タイムライン表示エリア40上で選択したイベント内の画像、あるいは、イベントとイベントの継ぎ目の画像を、再生ビデオ画面23aに表示させ、確認するとき操作される。スクロール単位表示部40nには、スクロールボタン40i,40jをクリックして、スクロールを行うときの単位が表示される。この表示部40nをクリックして、その表示を、フレーム(Frame)、秒(Second)、分(Minute)、イベント(Event)、トップ/エンド(Top/End)に変更することができる。トップ/エンドが選択されると、スクロールボタン40i,40jがクリックされたとき、イベントの先頭または末尾まで一気にスクロールが行われることになる。
【0131】
図6に示すように、タイムライン表示エリア40の右側には、タイムラインの全期間の長さ(フレーム数)を表示する表示部45aが設けられており、その下方には、プレビューを指示するとき操作されるプレビューボタン45bが設けられている。さらに、その下側には、ボイスオーバのためのチャンネルを指定するボタン45cが4チャンネル分設けられている。
【0132】
タイムライン表示エリア40の下方に表示されるエデイットツール表示部46dには、タイムライン表示エリア40におけるプログラム編集に使用するコマンドを指示するためのコマンドボタンが表示されている。イベントロックボタン46daは、同一イベントの複数のトラックを同時に移動させるとき、それらのトラックボタンをクリックしてからクリックされる。これにより、選択したトラックがリンクされ、一緒にドラッグすることができるようになる。イベント移動ボタン46dbは、選択したイベントから、末尾のイベントまでをまとめて移動する場合にクリックされる。マッチカットボタン46dcは、エディットバー40kの位置でイベントを分割するときクリックされる。このボタンは、イベントの一部を削除するようなときに使用される。アンドゥボタン46ddは、移動、修正、削除などの操作を取り消すとき操作される。
【0133】
オーバレイ編集ボタン46deをクリックした場合、イベント表示エリア29から、タイムライン表示エリア40上へイベントをドラッグすると、エディットバー40kの位置にイン点を合わせて、そのイベントがタイムライン上に挿入される。バックタイムドオーバレイ編集ボタン46dfをクリックした後、イベント表示エリア29からタイムライン表示エリア40上へイベントをドラッグすると、エディットバー40kの位置にアウト点を合わせて、そのイベントがタイムライン上に挿入される。インサート編集ボタン46dgをクリックした後、イベント表示エリア29からタイムライン表示エリア40上へイベントをドラッグすると、エディットバー40kの位置にイン点を合わせて、そのイベントがタイムライン上に挿入される。
【0134】
オーバレイ編集ボタン46deを操作した場合には、タイムライン上の挿入位置に既にイベントがあるとき、そのイベントは上書きされるが、このインサート編集ボタン46dgが操作された場合には、タイムライン上の挿入位置に既にイベントがあるとき、そのイベントが新しいイベントを中央にして左右に分割される。削除ボタン46dhは、タイムライン上のイベントを選択した後クリックすることで、選択されているイベントを削除することができる。削除されるイベントがロックされている場合には、ロックされている複数のイベントがまとめて削除される。
【0135】
リップルツールボタン46diは、タイムライン上でのイベントの挿入または削除に合わせて、挿入位置または削除位置以降の全てのイベントをスライドさせたいときにクリックされる。トリムツールボタン46djは、イベントのイン点やアウト点を修正したとき、修正量に応じて、プログラム全体のデュレーションを変化させるときクリックされる。イン点の修正時のアウト点は固定されたままで、イン点の左隣のイベントは、修正した方向に移動される。同様に、アウト点の修正時、イン点は固定されたままで、アウト点の右隣のイベントは、修正した方向に移動される。
【0136】
スライドツールボタン46dkは、タイムライン上のイベントのイン点またはアウト点を変更し、後続のイベントのイン点を同じ変更量だけスライドさせるときクリックされる。選択したイベントのイン点を変更して、そのイベントのデュレーションが短くなった場合、後続のイベントのイン点がスライドし、後続のイベントのデュレーションが長くなる。スリップツールボタン46dmは、選択したイベントのデュレーションを変えずに、イン点とアウト点を修正するときクリックされる。イン点とアウト点のいずれかを修正すると、もう一方が同じ方向に移動し、イベントのデュレーションは一定に保持される。
【0137】
GPIボタン46dn,46dpは、メニューから設定した2つの種類(系統)のGPI出力点を設定するとき操作される。
【0138】
表示部46eには、タイムスケール表示部40aに表示されるタイムスケールの1メモリが表すフレーム数が表示される。この表示は、+ボタン46fbまたは−ボタン46faをクリックすることで、増減させることができる。
【0139】
ポイントプレビューボタン46gaは、タイムライン表示エリア40上で選択したイベントと、その前のイベントのつなぎ目をプレビューしたいときクリックされる。ループボタン46gbは、タイムラインプログラムを何度も繰り返しプレビューしたいときクリックされる。
【0140】
次にタイムライン表示エリア40の下方に表示されるプログラムビューエリア42について説明する。タイムライン表示エリア40においては、基本的に各イベントの長さに応じてイベントの表示エリアの長さを変えており、これによって各イベントの長さを視覚的に分かり易くしている。但し、各イベントのクリップ画像データは表示されないので、各イベントがどのような画像のイベントであるのかが分かりずらくなるおそれがある。そこでこの編集システム1の場合には、プログラムビューエリア42を設けることによりタイムラインモードのときでも各イベントがどのような画像のものであるかを容易に分かるようにしている。
【0141】
プログラムビューエリア42は、ビューエリア42a、プログラムコールボタン42b、送りボタン42c、および戻しボタン42dを有している。ビューエリア42aは、各イベントのイン点またはアウト点のクリップ画像データを表示するエリアである。このビューエリア42aに表示されるクリップ画像データの並び順は、タイムライン表示エリア40で作成したプログラムのイベントの並び順に一致している。これによりタイムライン表示エリア40で作成したプログラムのイベントの並び順を、クリップ画像データによって容易に確認することができ、プログラムがどのような画像の並びであるかを容易に確認することができる。因みに、このビューエリア42aにおいて表示される各クリップ画像データは、イベント表示エリア29のクリップ画像データを間引くことによって生成された画像データであり、その画像サイズはイベント表示エリア29に表示されるクリップ画像データのほぼ半分の大きさのものである。
【0142】
プログラムコールボタン42bは、ピクチャモードのプログラム表示エリア30に表示されているイベントを、タイムライン表示エリア40およびビューエリア42aに呼び出すためのプログラム呼出指示を入力するときに使用するボタンである。このプログラムコールボタン42bをクリックすると、プログラムの呼び出しが指示され、プログラム表示エリア30に表示されているイベントを、並び順が変わらないまま、タイムライン表示エリア40に呼び出すことができる。また、同様に、ビューエリア42aにプログラム表示エリア30の並び順と同じクリップ画像データが呼び出され、表示される。このようにプログラムコールボタン42bを設けてプログラムの呼び出しを指示できるようにしたことにより、他のモード(ピクチャモード)で生成したプログラムをタイムラインモードに容易に呼び出すことができ、他のモードで生成したプログラムであっても、時間合わせの編集を容易に行うことができる。
【0143】
送りボタン42cおよび戻しボタン42dは、ビューエリア42a内のクリップ画像データの表示を前に進めるか、または後ろに戻すときに使用するボタンである。作成したプログラムが複数のイベントからなる場合には、ビューエリア42aに全てのクリップ画像データを表示することができない。そのようなとき、この送りボタン42cまたは戻しボタン42dを操作して、クリップ画像データを前に進めるか、または後ろに戻すことによって、全てのクリップ画像データを表示することができる。
【0144】
<クリップ画像データの管理方法>
次にクリップデータ、イベントデータ、プログラムデータの記憶方法について説明する。但し、ここで言うクリップデータとは、クリップ表示エリア28にクリップ画像データを表示するためのデータおよびクリップ画像データを記憶させるためのデータを含んでいる。イベントデータおよびプログラムデータに関しても同様である。
【0145】
まず図8を参照して、クリップデータ、イベントデータ、プログラムデータ、エフェクトデータおよびDSKデータ用の第1のマネージメントレコードデータを説明する。この第1のマネージメントレコードデータは、クリップデータ用、イベントデータ用、プログラムデータ用、エフェクトデータ用、およびDSKデータ用にそれぞれ1つずつ設けられている。つまり、クリップデータ用の第1のマネージメントレコードデータは、クリップ表示エリア28に表示される全てのクリップ画像データを管理するためのデータである。またイベントデータ用の第1のマネージメントレコードデータは、イベント表示エリア29に表示される全てのクリップ画像データを管理するためのデータである。さらにプログラムデータ用の第1のマネージメントレコードデータは、プログラム表示エリア30に表示される全てのクリップ画像データを管理するためのデータである。エフェクトデータ用またはDSK用の第1のマネージメントレコードデータは、プログラム表示エリア30に表示されるすべてのエフェクト画像データまたはDSK画像データを管理するためのデータである。この実施の形態においては、この第1のマネージメントレコードデータは、クリップデータ用、イベントデータ用、プログラムデータ用、エフェクトデータ用、またはDSKデータ用として、それぞれ1つの第1のマネージメントレコードデータが存在するだけである。
【0146】
第1のマネージメントレコードデータは、前にリンクされているデータへのポインタ、後にリンクされているデータへのポインタ、1ページ分の表示横サイズ、1ページ分の表示縦サイズ、画面上の表示位置、表示先頭位置、およびリンク総数に関するデータを有している。
【0147】
前にリンクされているデータへのポインタとは、この第1のマネージメントレコードデータの前にリンクされているマネージメントレコードデータのポインタを示すためのデータである。前にリンクされているマネージメントレコードデータが存在しないのであれば、ここには自分のポインタが記憶される。後にリンクされているデータへのポインタとは、この第1のマネージメントレコードデータの後にリンクされているマネージメントレコードデータのポインタを示すデータである。後にリンクされているマネージメントレコードデータが存在しないのであれば、ここには自分のポインタが記憶される。
【0148】
1ページ分の表示横サイズとは、クリップ表示エリア28、イベント表示エリア29またはプログラム表示エリア30の各表示エリアにおいて、横方向に表示されるクリップ画像データの最大表示数を示すデータである。この実施の形態では、クリップ表示エリア28、イベント表示エリア29およびプログラム表示エリア30の各表示エリアは、共に、10個のクリップ画像データを表示できるので、1ページ分の表示横サイズとしては「10個」を示すデータが、それぞれの第1のマネージメントレコードデータに記憶されている。
【0149】
1ページ分の表示縦サイズとは、クリップ表示エリア28、イベント表示エリア29またはプログラム表示エリア30の各表示エリアにおいて、縦方向に表示されるクリップ画像データの最大表示数を示すデータである。この実施の形態では、クリップ表示エリア28、イベント表示エリア29またはプログラム表示エリア30は、共に、1個のクリップ画像データだけを表示するので、1ページ分の表示縦サイズとして「1個」を示すデータがそれぞれの第1のマネージメントレコードデータに記憶されている。
【0150】
画面上の表示位置とは、クリップ画像データがどの表示エリアに表示されるのかを示すためのデータである。この実施の形態では、画面上の下段にクリップ表示エリア28を、画面上の中段にイベント表示エリア29を、画面上の上段にプログラム表示エリア30を、それぞれ設けている。そこでクリップデータ用の第1のマネージメントレコードデータであれば画面上の表示位置として「下段」を示すデータが記憶され、イベントデータ用の第1のマネージメントレコードデータであれば画面上の表示位置として「中段」を示すデータが記憶され、プログラムデータ用の第1のマネージメントレコードデータであれば画面上の表示位置として「上段」を示すデータが記憶される。
【0151】
表示先頭位置とは、クリップ表示エリア28、イベント表示エリア29またはプログラム表示エリア30の各表示エリアにおいて、どの位置からクリップ画像データの表示が開始されるのかを示すためのデータである。この実施の形態では、クリップ表示エリア28に10個のクリップ画像データ、イベント表示エリア29に10個のクリップ画像データ、プログラム表示エリア30に10個のクリップ画像データが、それぞれ表示されるので、合計30個のクリップ画像データが表示できることになる。その合計30個の表示位置を、画面上の上段から順に番号を付けて表示位置を管理している。
【0152】
例えばプログラム表示エリア30の表示位置は番号「1」乃至「10」の表示位置、イベント表示エリア29の表示位置は番号「11」乃至「20」の表示位置、クリップ表示エリア28の表示位置は番号「21」乃至「30」の表示位置、というように決められている。従ってクリップデータ用の第1のマネージメントレコードデータであれば表示位置先頭として「21」を示すデータが記憶され、イベントデータ用の第1のマネージメントレコードデータであれば表示先頭位置として「11」を示すデータが記憶され、プログラムデータ用の第1のマネージメントレコードデータであれば表示先頭位置として「1」を示すデータが記憶される。
【0153】
リンク総数とは、第1のマネージメントレコードデータの後にリンクされているマネージメントレコードデータの総数を示すデータである。
【0154】
次に図9を参照して、クリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータを説明する。このクリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータは、クリップ表示エリア28に表示されるクリップ画像データを、クリップ画像データ毎に管理するためのデータである。従ってクリップ表示エリア28に表示されるクリップ画像データの数と同じ数のクリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータが存在することになる。
【0155】
クリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータは、前にリンクされているデータへのポインタ、後にリンクされているデータへのポインタ、属性、クリップ画像データハンドル、クリップタイプ、タイムコードデータ、およびクリップ画像データのインデックス番号を有している。
【0156】
前にリンクされているデータへのポインタとは、この第2のマネージメントレコードデータの前にリンクされているマネージメントレコードデータのポインタを示すデータである。第2のマネージメントレコードデータは、必ず前に第1のマネージメントレコードデータまたは第2のマネージメントレコードデータが存在するので、必ず前にリンクされているデータのポインタが記憶される。後にリンクされているデータへのポインタとは、この第2のマネージメントレコードデータの後にリンクされているマネージメントレコードデータのポインタを示すデータである。後にリンクされているマネージメントレコードデータが存在しないのであれば、ここには自分のポインタが記憶される。
【0157】
属性とは、この第2のマネージメントレコードデータがクリップデータ用であるのか、イベントデータ用であるのか、またはプログラムデータ用であるのかを示すデータである。クリップ画像データハンドルとは、クリップ画像データが記憶されているアドレス(ハイブリッドレコーダ3のハードディスクのアドレス)を示すデータである。従って所望のクリップ画像データに対応する第2のマネージメントレコードデータ内のクリップ画像データハンドルを参照することによって、そのクリップ画像データが記憶されているアドレスを得ることができる。クリップタイプとは、第2のマネージメントレコードデータによって管理されているクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるのか、アウト点のクリップ画像データであるのかを示すデータである。
【0158】
タイムコードデータとは、第2のマネージメントレコードデータによって管理されているクリップ画像データのタイムコードを示すデータである。クリップ画像データのインデックス番号とは、クリップ画像データに付与されたインデックス番号のことである。このインデックス番号は、イン点、アウト点およびイベントの生成に関係無く、マーキングされた全てのクリップ画像データに順に付与される番号である。すなわちクリップ番号表示部28dに表示されるクリップ番号と同一の番号である。このインデックス番号によって全てのクリップ画像データが管理される。
【0159】
次に図10を参照して、イベントデータ用およびプログラムデータ用の第2のマネージメントレコードデータについて説明する。イベントデータ用の第2のマネージメントレコードデータは、イベント表示エリア29に表示されるクリップ画像データを、クリップ画像データ毎に管理するためのデータである。従ってイベント表示エリア29に表示されるクリップ画像データの数と同じ数のイベントデータ用の第2のマネージメントレコードデータが存在する。同様に、プログラムデータ用の第2のマネージメントレコードデータは、プログラム表示エリア30に表示されるクリップ画像データを、クリップ画像データ毎に管理するためのデータである。従ってプログラム表示エリア30に表示されるクリップ画像データの数と同じ数のプログラムデータ用の第2のマネージメントレコードデータが存在する。
【0160】
イベントデータ用およびプログラムデータ用の第2のマネージメントレコードデータは、前にリンクされているデータへのポインタ、後にリンクされているデータへのポインタ、属性、イベント番号、タイトル、サブタイトル、イン点のクリップ画像データハンドル、イン点のクリップタイプ、イン点のタイムコードデータ、イン点のクリップ画像データのインデックス番号、アウト点のクリップ画像データハンドル、アウト点のクリップタイプ、アウト点のタイムコードデータ、アウト点のクリップ画像データのインデックス番号、スロータイプ、シンボルタイプ、およびシンボルのタイムコードデータを有している。
【0161】
前にリンクされているデータへのポインタ、後にリンクされているデータへのポインタ、および属性に関しては、先に説明したクリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータと同様であるのでここでは説明を省略する。イベント番号とは、イベントに対して生成された順に付与される番号である。このイベント番号はイベント番号表示部29dに表示される。タイトルおよびサブタイトルとは、登録したイベントに対して予め付与されたタイトルおよびサブタイトルであり、実際のキャラクタで記憶されている。このうちタイトルはタイトル表示部29gに表示される。
【0162】
イン点のクリップ画像データハンドルとは、イン点のクリップ画像データが記憶されているアドレスを示すデータである。従って所望のイン点のクリップ画像データに対応する第2のマネージメントレコードデータ内のイン点のクリップ画像データハンドルを参照することにより、そのイン点のクリップ画像データが記憶されているアドレスを得ることができる。イン点のクリップタイプとは、第2のマネージメントレコードデータによって管理されているイン点のクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるのか、アウト点のクリップ画像データであるのかを示すデータである。ここでは全てイン点のクリップ画像データであるので、イン点を示すデータが記憶される。
【0163】
イン点のタイムコードデータとは、第2のマネージメントレコードデータによって管理されているイン点のクリップ画像データのタイムコードを示すデータである。イン点のクリップ画像データのインデックス番号とは、イン点のクリップ画像データに付与されたインデックス番号である。先に説明したクリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータ内のインデックス番号と同様に、このイン点のクリップ画像データのインデックス番号は、イン点、アウト点およびイベントの生成に関係無く、マーキングされた全てのクリップ画像データに順に付与される番号である。
【0164】
アウト点のクリップ画像データハンドルとは、アウト点のクリップ画像データが記憶されているアドレスを示すデータである。従って所望のアウト点のクリップ画像データに対応する第2のマネージメントレコードデータ内のアウト点のクリップ画像データハンドルを参照することにより、そのアウト点のクリップ画像データが記憶されているアドレスを得ることができる。アウト点のクリップタイプとは、第2のマネージメントレコードデータによって管理されているアウト点のクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるのか、アウト点のクリップ画像データであるのかを示すデータである。ここでは全てアウト点のクリップ画像データであるので、アウト点を示すデータが記憶される。
【0165】
アウト点のタイムコードデータとは、第2のマネージメントレコードデータによって管理されているアウト点のクリップ画像データのタイムコードを示すデータである。アウト点のクリップ画像データのインデックス番号とは、アウト点のクリップ画像データに付与されたインデックス番号である。先に説明したクリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータ内のインデックス番号と同様に、このアウト点のクリップ画像データのインデックス番号は、イン点、アウト点およびイベントの生成に関係無く、マーキングされた全てのクリップ画像データに順に付与される番号である。
【0166】
スロータイプとは、第2のマネージメントレコードデータによって管理されるイベントまたはプログラムが再生速度設定エリア25A(図19を参照して後述する)を使用して再生速度が制御されているか、または通常の再生速度かを示すデータである。シンボルタイプとは、第2のマネージメントレコードデータによって管理されるイベントのイン点とアウト点の期間にシンボルとして定義されたクリップ画像データが在るか否かを示すデータである。ここで言うシンボルとは、そのイベントを表すための代表的なクリップ画像データのことを意味している。シンボルのタイムコードデータとは、シンボルとして設定されたクリップ画像データのタイムコードである。
【0167】
図11は、エフェクトデータ用の第2のマネージメントレコードデータの構成を表している。このエフェクトデータ用の第2のマネージメントレコードデータは、前にリンクされているデータのポインタ、後にリンクされているデータのポインタ、属性、効果映像選択データ、効果タイプ、効果番号、効果方向、効果時間、ボーダ指定、ボーダ幅、背景色有効フラグ、背景色、X−位置座標、Y−位置座標、Z−位置座標、効果補助パラメータ、フェーダ位置、および再設定可能フラグにより構成されている。
【0168】
前にリンクされているデータのポインタ、後ろにリンクされているデータのポインタ、および属性は、図10のイベントデータおよびプログラムデータ用の第2のマネージメントレコードデータにおける場合と同様である。属性は、この第2のマネージメントレコードデータがエフェクトデータ用であることを表している。先頭からここまでの9バイトのデータは、図9に示すクリップデータ用、または図10に示すイベントデータおよびプログラムデータ用の第2のマネージメントレコードデータと同様の構成とされている。これにより、新しいデータ構造が追加された場合においても、管理方法を変化させることなく、対応できるようになされている。
【0169】
効果映像選択データは、以降のデータを格納しているメモリのアドレスを表している。効果タイプは、ピクチャインピクチャ、ワイプなどのエフェクトパターンのタイプ(カテゴリ)を表している。効果番号は、エフェクトに対して付与されている番号である。この効果番号は、効果番号表示部30Dに表示される。効果方向は、エフェクトを作用させる方向が、時間的に前の方向であるのか、後ろの方向であるのかを表している。効果時間は、エフェクトを作用させる時間(トランジション)を表している。ボーダ指定は、ボーダの有無の指定を表し、ボーダ幅は、設定したボーダ幅を表している。
【0170】
背景色有効フラグは、背景色の有無の指定を表している。背景色は、背景色の指定を表している。X−位置座標、Y−位置座標、およびZ−位置座標は、それぞれエフェクトを作用させる位置座標を表している。
【0171】
効果補助パラメータは、各エフェクトパターン設定時に固有なパラメータの保持を表している。フェーダ位置は、フェーダ値(エフェクトの変化量)を表している。再設定可能フラグは、プログラムラインにおいて、再設定が可能であるか否かを表している。
【0172】
図12はDSKデータ用の第2のマネージメントレコードデータの構成を表している。このデータは、前にリンクされているデータのポインタ、後にリンクされているデータのポインタ、属性、効果映像選択データ、効果時間、フェーダ位置、フェーダ逆転有効フラグ、ボーダ指定、ボーダタイプ、ボーダ位置、ボーダ色、キー反転指定、クリップ値、ゲイン値、マスク指定、マスクインバート指定、マスク矩形領域、および塗りつぶしフラグにより構成されている。
【0173】
前にリンクされているデータのポインタと後にリンクされているデータのポインタは、上述した場合と同様である。属性は、DSKデータ用であることを表している。この場合においても、先頭から9バイトのデータは、図9乃至図11に示した第2のマネージメントレコードデータと同様の構成とされ、新しいデータ構造が追加された場合においても、管理方法の変更が不要となるようになされている。
【0174】
効果映像選択データは、以降のデータを格納しているメモリのアドレスを表している。効果時間は、DSKトランジション時間を表している。フェーダ位置は、フェーダ時(エフェクトの変化量)を表している。フェーダ逆転有効フラグは、次のDSK実行時に、自動的にトランジション方向を逆転させるか否かを表している。
【0175】
ボーダ指定は、ボーダ(枠)の指定を表している。ボーダタイプは、ボーダの種類を指定している。ボーダ位置は、ボーダの位置を指定している。ボーダ色は、ボーダの色を指定している。キー反転指定は、キーデータを反転させて使用するか否かを指定している。クリップ値は、クリップ値を指定している。ゲイン値は、ゲイン値を指定している。マスク指定は、マスク指定の有無を表している。マスクインバート指定は、マスク反転の有効無効を指定している。マスク矩形領域は、マスク矩形領域の座標を保持している。塗りつぶしフラグは、フィル信号の選択を指定している。
【0176】
次に上述した第1のマネージメントレコードデータおよび第2のマネージメントレコードデータを使用して、どのようにクリップ画像データを管理するかを、図13乃至図17に示す具体例を用いて説明する。まず図13に示される「マーキング」の行は、イン点またはアウト点のどちらでマーキングされたかを示している。この例では、左から順にIN、IN、OUT、IN、IN、IN、OUT、IN、OUT、IN、IN、OUTと12回マーキングしたことを意味している。「インデックス番号(INDEX NO.)」の行には、マーキングされたイン点およびアウト点のクリップ画像データに付与されたインデックス番号が示されている。このインデックス番号は、マーキングされた全てのクリップ画像データに対して、イン点およびアウト点に関係無く、順に付与される番号である。従って図13に示されるように、マーキングした各クリップ画像データに「1」乃至「12」のインデックス番号が順に付与される。
【0177】
「クリップ番号(CLIP NO.)」の行には、クリップ表示エリア28のクリップ番号表示エリア28dに表示されるクリップ番号が示されている。なお、クリップ番号表示エリア28dに表示されるクリップ番号は、インデックス番号とと同一の番号である。「イベント番号(EVENT NO.)」の行には、イベント表示エリア29のイベント番号表示エリア29dに表示されるイベント番号が示されている。このイベント番号は、インデックス番号およびクリップ番号とは全く関係無く、イベントの生成順に自動的に付与されて行く番号である。
【0178】
図14は、図13に示されるようにマーキングしたとき、クリップ表示エリア28、イベント表示エリア29およびプログラム表示エリア30に、どのクリップ画像データが表示されるのかを示した図である。クリップ表示エリア28には、インデックス番号「1」のクリップ画像データ、インデックス番号「4」のクリップ画像データ、インデックス番号「5」のクリップ画像データ、およびインデックス番号「10」のクリップ画像データが順に表示されている。
【0179】
イベント表示エリア29には、作成された4つのイベントが表示されている。すなわちイベント番号「1」のイベントとしてインデックス番号「2」のイン点のクリップ画像データが表示され、イベント番号「2」のイベントとしてインデックス番号「6」のイン点のクリップ画像データが表示され、イベント番号「3」のイベントとしてイン点のインデックス番号「8」のクリップ画像データが表示され、イベント番号「4」のイベントとしてイン点のインデックス番号「11」のクリップ画像データがそれぞれ順に表示される。各イベントのアウト点のクリップ画像データ(インデックス番号「3」のクリップ画像データ、インデックス番号「7」のクリップ画像データ、インデックス番号「9」のクリップ画像データ、およびインデックス番号「12」のクリップ画像データ)は、現在、対応するイン点のクリップ画像データが表示されているので、表示されていない。
【0180】
プログラム表示エリア30には、イン点およびアウト点を指定しただけではクリップ画像データは表示されない。この例では、イベント表示エリア29に表示された4個のイベントを入れ替えて、図14に示されるようなプログラムを作成したものとする。そのプログラムとは、イベント番号「2」のイベント、イベント番号「1」のイベント、およびイベント番号「3」のイベントの順に、連続したプログラムである。従ってプログラム表示エリア30には、イベント番号「2」のイベントとして登録されたインデックス番号「6」のクリップ画像データ、イベント番号「1」として登録されたインデックス番号「2」のクリップ画像データ、イベント番号「3」として登録されたインデックス番号「8」のクリップ画像データが表示される。
【0181】
但しこの例においては、さらに、イベント番号「2」のイベントと、イベント番号「1」のイベントの間に、「ワイプ」のエフェクトのクリップ画像データが挿入されている。さらに、イベント番号「1」のイベントと、イベント番号「3」のイベントの間に、「ワイプ」のエフェクトのクリップ画像データが挿入されている。このエフェクトのクリップ画像データの挿入は、映像効果設定エリア25から所望のエフェクトをドラッグアンドドロップすることで行われる。その詳細は、図34を参照して後述する。
【0182】
図15乃至図17は、第1のマネージメントレコードデータおよび第2のマネージメントレコードデータによってどのようにクリップ画像データが管理されているかを示す図である。
【0183】
図15は、クリップ表示エリア28に表示されるクリップ画像データを管理する様子を示している。マネージメントレコードデータ101は、クリップデータ用の第1のマネージメントレコードデータである。図8に示したように、このクリップデータ用の第1のマネージメントレコードデータ101は、クリップ表示エリア28のエリア全体と、クリップ表示エリア28に表示されるクリップ画像データの位置を管理するためのデータを有している。
【0184】
第1のマネージメントレコードデータ101の後にリンクされているマネージメントレコードデータ201は、クリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータである。この第2のマネージメントレコードデータ201は、インデックス番号「1」のクリップ画像データを管理するためのデータである。図9に示したように、第2のマネージメントレコードデータ201は、インデックス番号「1」のクリップ画像データが記憶されているアドレスを示すクリップ画像データハンドルを有している。
【0185】
第2のマネージメントレコードデータ201の後にリンクされているマネージメントレコードデータ204は、クリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータである。この第2のマネージメントレコードデータ204は、インデックス番号「4」のクリップ画像データを管理するためのデータであり、インデックス番号「4」のクリップ画像データが記憶されているアドレスを示すクリップ画像データハンドルを有している。
【0186】
同様に、第2のマネージメントレコードデータ204の後には、インデックス番号「5」のクリップ画像データを管理するための第2のマネージメントレコードデータ205がリンクされ、第2のマネージメントレコードデータ205の後には、インデックス番号「10」のクリップ画像データを管理するための第2のマネージメントレコードデータ210がリンクされている。
【0187】
図16は、イベント表示エリア29に表示されるクリップ画像データを管理する様子を示している。マネージメントレコードデータ102は、イベントデータ用の第1のマネージメントレコードデータである。図8に示したように、この第1のマネージメントレコードデータ102は、イベント表示エリア29のエリア全体と、イベント表示エリア29に表示されるクリップ画像データの位置を管理するためのデータを有している。
【0188】
第1のマネージメントレコードデータ102の後にリンクされているマネージメントレコードデータ202は、イベントデータ用の第2のマネージメントレコードデータである。図10に示したように、この第2のマネージメントレコードデータ202は、インデックス番号「2」で示されるイン点のクリップ画像データと、インデックス番号「3」で示されるアウト点のクリップ画像データとを管理するためのデータを有している。具体的には、この第2のマネージメントレコードデータ202は、インデックス番号「2」で示されるイン点のクリップ画像データが記憶されているアドレスを示すイン点のクリップ画像データハンドルと、インデックス番号「3」で示されるアウト点のクリップ画像データが記憶されているアドレスを示すアウト点のクリップ画像データハンドルとを有している。
【0189】
同様に、第2のマネージメントレコードデータ202の後には、インデックス番号「6」のイン点のクリップ画像データおよびインデックス番号「7」のアウト点のクリップ画像データを管理するための第2のマネージメントレコードデータ206がリンクされ、第2のマネージメントレコードデータ206の後には、インデックス番号「8」のイン点のクリップ画像データおよびインデックス番号「9」のアウト点のクリップ画像データを管理するための第2のマネージメントレコードデータ208がリンクされ、第2のマネージメントレコードデータ208の後には、インデックス番号「11」のイン点のクリップ画像データおよびインデックス番号「12」のアウト点のクリップ画像データを管理するための第2のマネージメントレコードデータ211がリンクされている。
【0190】
図17は、プログラム表示エリア30に表示されるクリップ画像データを管理する様子を示している。マネージメントレコードデータ103は、プログラムデータ用の第1のマネージメントレコードデータである。図8に示したように、この第1のマネージメントレコードデータ103は、プログラム表示エリア30のエリア全体と、プログラム表示エリア30に表示されるクリップ画像データの位置を管理するためのデータを有している。
【0191】
プログラムデータ用の第1のマネージメントレコードデータ103の後には、インデックス番号「6」のイン点のクリップ画像データおよびインデックス番号「7」のアウト点のクリップ画像データで構成される番号「2」のイベントを管理するための第2のマネージメントレコードデータ206がリンクされ、第2のマネージメントレコードデータ206の後には、エフェクト番号「1」のエフェクトを管理するための第2のマネージメントレコードデータ201Eが接続されている。図11に示したように、この第2のマネージメントレコードデータ201Eは、エフェクト番号「1」で示されるエフェクトデータを管理するためのデータを有している。この第2のマネージメントデコードデータ201Eの後ろには、インデックス番号「2」のイン点のクリップ画像データおよびインデックス番号「3」のアウト点のクリップ画像データで構成される番号「1」のイベントを管理するための第2のマネージメントレコードデータ202がリンクされ、第2のマネージメントレコードデータ202の後には、エフェクト番号「2」のエフェクトを管理するための第2のマネージメントレコードデータ202Eが接続されている。そして、この第2のマネージメントレコードデータ202Eの後には、インデックス番号「8」のイン点のクリップ画像データおよびインデックス番号「9」のアウト点のクリップ画像データで構成される番号「3」のイベントを管理するための第2のマネージメントレコードデータ208がリンクされている。
【0192】
ここでイベントデータの管理を表している図16と、プログラムデータの管理を表している図17とを比較して見る。インデックス番号「2」のクリップ画像データ、インデックス番号「6」のクリップ画像データ、およびインデックス番号「8」のクリップ画像データの記憶の順番は、エフェクトが挿入されている点を除き、図16と図17との間で全く変更されていない。つまり、これはクリップ画像データの記憶位置は全く変更されていないことを意味している。図16と図17との間で異なる点は、第2のマネージメントレコードデータのリンク順が変更されているということである。すなわちこの編集システム1では、イベントの表示順番を変更する際、イベントを表すクリップ画像データの記憶位置を変更するのではなく、クリップ画像データを直接管理している第2のマネージメントレコードデータのリンクの順番を変更するようにしている。これにより、この編集システム1では、イベントの表示順を高速に変更し得るといった格別な効果が得られる。
【0193】
またイベントの表示順の変更に限らず、クリップ表示エリア28に表示されているクリップ画像データの表示順の変更に関しても全く同じである。例えばクリップ画像データを削除したり、新たに追加したりして、クリップ画像データの表示順が変更されたとしても、実際にクリップ画像データの記憶位置を移動するのではなく、第2のマネージメントレコードデータのリンク情報(すなわち前および後にリンクされているデータへのポインタ部分)を修正してリンク順番を変更するだけで容易に表示順を変更し得る。
【0194】
以上のことは、エフェクトについても同様である。すなわち、この例の場合、映像効果データ(エフェクトデータ)もクリップ画像データと同様に取り扱われる(従って、映像効果データは、エフェクト設定クリップ画像データとも称する)。その結果、その順番の変更や削除は、対応する第2のマネージメントレコードデータのリンクの順番を変更するだけで処理される。これにより、高速にエフェクトを処理することが可能となる。
【0195】
次に図13における1回目のマーキングから12回目までのマーキング動作を、各回路ブロックの動きを含めて以下に具体的に説明する。まずマーキングを始める前に、RAM10bに確保されたワークデータを記憶するための領域の先頭アドレスには、クリップデータ用の第1のマネージメントレコードデータ101、イベントデータ用の第1のマネージメントレコードデータ102、およびプログラムデータ用の第1のマネージメントレコードデータ103が既に生成されている。但し、この状態では、いずれの第1のマネージメントレコードデータも、リンクしている第2のマネージメントレコードデータがまだ無いので、「後にリンクされているデータへのポインタ」には、自分のアドレスが記憶されている。
【0196】
〔1回目のマーキング(イン点)〕
1回目のマーキングが行われると、フレームメモリ11cからの読出しを制御することによって、95画素×60画素のクリップ画像データが形成される。形成されたクリップ画像データは、インデックス番号「1」のクリップ画像データとしてRAM10bの空きエリアに記憶される。この記憶と同時に、その形成されたクリップ画像データはインクリップ表示エリア24aに表示される。このときこのクリップ画像データを管理する第2のマネージメントレコードデータ201は、CPU10の中のレジスタに一時的に記憶されており、RAM10bには記憶されていない。その理由は、この時点では、この第2のマネージメントレコードデータ201は、どのマネージメントレコードデータにリンクするのかまだ不明であるからである。
【0197】
〔2回目のマーキング(イン点)〕
2回目のマーキングが行われると、同様にインデックス番号「2」のクリップ画像データが形成され、RAM10bの空きエリアに記憶される。このとき2回続けてイン点がマーキングされたので、インクリップ表示エリア24aに表示されていたインデックス番号「1」のクリップ画像データは、イベントとして使用されないことになる。従ってインクリップ表示エリア24aに表示されていたインデックス番号「1」のクリップ画像データは、クリップ表示エリア28に移動される。またこの2回目のマーキングにより、このインデックス番号「1」のクリップ画像データを管理する第2のマネージメントレコードデータ201は、クリップデータ用の第1のマネージメントレコードデータ101にリンクすると決定される。依って、図15に示すように、CPU10のレジスタに一時的に記憶されていた第2のマネージメントレコードデータ201は、第1のマネージメントレコードデータ101にリンクされるようにしてRAM10bに記憶される。
【0198】
一方、この2回目のマーキングで生成されたインデックス番号「2」のクリップ画像データは、インデックス番号「1」のクリップ画像データに代わって新たにインクリップ表示エリア24aに表示される。1回目のマーキングと同様に、このインデックス番号「2」のクリップ画像データを管理する第2のマネージメントレコードデータ202は、新たにCPU10の中のレジスタに一時的に記憶される。
【0199】
〔3回目のマーキング(アウト点)〕
3回目のマーキングが行われると、同様にインデックス番号「3」のクリップ画像データが形成され、RAM10bの空きエリアに記憶される。この3回目のマーキングはアウト点であるので、インデックス番号「2」のクリップ画像データをイン点とし、インデックス番号「3」のクリップ画像データをアウト点としたイベントが形成される。従ってインクリップ表示エリア24aに表示されていたインデックス番号「2」のクリップ画像データは、インクリップ表示エリア24aに表示されている状態で、イベント表示エリア29にコピーされる。またこの3回目のマーキングにより、レジスタに記憶されていたインデックス番号「2」のクリップ画像データを管理する第2のマネージメントレコードデータ202は、イベントデータ用の第1のマネージメントレコードデータ102にリンクすると決定される。依って図16に示すように、CPU10のレジスタに一時的に記憶されていた第2のマネージメントレコードデータ202は、第1のマネージメントレコードデータ102にリンクされるようにしてRAM10bに記憶される。
【0200】
一方、この3回目のマーキングで生成されたインデックス番号「3」のクリップ画像データは、アウトクリップ表示エリア24dに新たに表示される。なお、インデックス番号「3」のクリップ画像データを管理する第2のマネージメントレコードデータ202は、第1のマネージメントレコードデータ102にリンクすることが決定しているので、CPU10の中のレジスタには記憶されない。
【0201】
〔4回目のマーキング(イン点)〕
4回目のマーキングが行われると、同様にインデックス番号「4」のクリップ画像データが形成され、RAM10bの空きエリアに記憶される。この記憶と同時に、その形成されたクリップ画像データは、インクリップ表示エリア24aに表示される。また1回目のマーキングと同様に、このインデックス番号「4」のクリップ画像データを管理する第2のマネージメントレコードデータ204は、CPU10の中のレジスタに一時的に記憶される。なお、アウトクリップ表示エリア24dに表示されていたインデックス番号「3」のクリップ画像データは既に記憶されているので、アウトクリップ表示エリア24dからクリアされる。
【0202】
〔5回目のマーキング(イン点)〕
5回目のマーキングが行われると、同様にインデックス番号「5」のクリップ画像データが形成され、RAM10bの空きエリアに記憶される。この場合、2回続けてイン点がマーキングされたので、インクリップ表示エリア24aに表示されていたインデックス番号「4」のクリップ画像データは、クリップ表示エリア28に移動される。またこの5回目のマーキングにより、CPU10のレジスタに記憶されていた第2のマネージメントレコードデータ204は、図15に示すように、第2のマネージメントレコードデータ201にリンクされるようにしてRAM10bに記憶される。
【0203】
一方、その形成されたインデックス番号「5」のクリップ画像データは、インクリップ表示エリア24aに表示される。また4回目のマーキングと同様に、このインデックス番号「5」のクリップ画像データを管理する第2のマネージメントレコードデータ205は、CPU10の中のレジスタに一時的に記憶される。以下、それ以降のマーキングに関しても、同様の処理が行われるので、ここでは説明を省略する。
【0204】
なお、図14に示す例においては、プログラム表示エリア30に、イベント表示エリア29から、所定のイベントがコピーされ、さらに所定のイベントの間に、エフェクトが挿入されている。次に、この場合の動作を、図17を参照して説明する。
【0205】
すなわち、以上のようにしてマーキングを行うと、イベント表示エリア29には、イベント番号「1」のイベントを構成するインデックス番号「2」のクリップ画像データ、イベント番号「2」のイベントを構成するインデックス番号「6」のクリップ画像データ、インデックス番号「3」のイベントを構成するインデックス番号「8」のクリップ画像データ、およびイベント番号「4」のイベントを構成するインデックス番号「11」のクリップ画像データが、順番に表示される。
【0206】
この状態において、ユーザがマウス2dを操作して、インデックス番号「6」のクリップ画像データを、プログラム表示エリア30上にドラッグアンドドロップすると、図17に示すように、第1のマネージメントレコードデータ103に、インデックス番号「6」のイン点のクリップ画像データと、インデックス番号「7」のアウト点のクリップ画像データで構成されるイベントを管理する第2のマネージメントレコードデータ206が、第1のマネージメントレコードデータ103にリンクされる。
【0207】
以下同様に、イベント表示エリア29に表示されているインデックス番号「2」のイン点のクリップ画像データを、プログラム表示エリア30のインデックス番号「6」の後方の位置にドラッグアンドドロップすると、第2のマネージメントレコードデータ206に、インデックス番号「2」のイン点のクリップ画像データと、インデックス番号「3」のアウト点のクリップ画像データとで構成されるイベント番号「1」のイベントを管理する第2のマネージメントレコードデータ202がリンクされる。
【0208】
さらに同様にして、イベント表示エリア29上に表示されているインデックス番号「8」のイン点のクリップ画像データをマウス2dを操作して、プログラム表示エリア30上のインデックス番号「2」のクリップ画像データの後方にドラッグアンドドロップすると、インデックス番号「8」のイン点のクリップ画像データと、インデックス番号「9」のアウト点のクリップ画像データで構成されるイベント番号「3」のイベントを管理する第2のマネージメントレコードデータ208が、第2のマネージメントレコードデータ202にリンクされる。
【0209】
このような状態において、所定のエフェクトを映像効果設定エリア25から選択し、それをプログラム表示エリア30のインデックス番号「6」のクリップ画像データと、インデックス番号「2」のクリップ画像データの間にドラッグアンドドロップすると、第2のマネージメントレコードデータ206の後ろのリンク先は、それまでの第2のマネージメントレコーダ202から、エフェクト番号「1」の第2のマネージメントレコードデータ201Eに変更される。また、第2のマネージメントレコードデータ202の前のリンク先は、それまでの第2のマネージメントレコードデータ206から、第2のマネージメントレコードデータ201Eに変更される。
【0210】
同様にして、映像効果設定エリア25から、エフェクト番号「2」を選択し、それをプログラム表示エリア30上のインデックス番号「2」のクリップ画像データと、インデックス番号「8」のクリップ画像データの間にドラッグアンドドロップすると、第2のマネージメントレコードデータ202の後ろのリンク先が、それまでの第2のマネージメントレコードデータ208から、エフェクト番号「2」を管理する第2のマネージメントレコードデータ202Eに変更される。また、第2のマネージメントレコードデータ208の前のリンク先も、それまでの第2のマネージメントレコードデータ202から、第2のマネージメントレコードデータ202Eに変更される。
【0211】
以上のようにして、映像効果データ(エフェクト設定クリップ画像データ)は、通常のクリップ画像データと同様に処理される。
【0212】
<ハイブリッドレコーダの構成>
次に図18を参照してハイブリッドレコーダ3(3a乃至3d)について説明する。この図18に示すように、ハイブリッドレコーダ3は、入力されるビデオ信号V1の記録と再生を、見かけ上ほぼ同時に行うことができる複数のアレイ構造とされているハードディスクドライブ(HDD)300と、そのハードディスクドライブ300への記録および再生をバックアップするビデオテープレコーダ(VTR)301とを有しており、これにより、例えばスポーツ中継のときに映像を常に記録しながら決定的な瞬間の映像を再生することができると共に、ハードディスクドライブ300に記録または再生エラーが発生したとしても、ビデオテープレコーダ301のバックアップによってその決定的な瞬間の映像を逃さず、確実に記録および再生を行うことができるようになっている。
【0213】
このようなハイブリッドレコーダ3の構成について以下に具体的に説明する。まずハイブリッドレコーダ3には、RS−422の通信プロトコルに基づいたインタフェース部302が設けられており、このインタフェース部302によってコンピュータ2の外部インタフェース18から送られてくる記録開始、記録終了、再生開始、再生終了等といった制御コマンドを受け取るようになされている。このインタフェース部302はその受け取った制御コマンドをCPU303に渡す。
【0214】
CPU303はハイブリッドレコーダ3の全体動作を制御するものであり、インタフェース部302から受けた制御コマンドに応じて各部の動作を制御する。これによりハイブリッドレコーダ3は入力されるビデオ信号V1とオーディオ信号A1を記録したり、その記録したビデオ信号を再生して、再生ビデオ信号V3とオーディオ信号A3として出力したりする。
【0215】
まずビデオカメラ等のソース側から連続的に供給されたビデオ信号V1とオーディオ信号A1は、シリアルパラレル(S/P)変換器314で、シリアルデータからパラレルデータに変換された後、ビデオ信号V1は、第1のスイッチ304に入力される。この第1のスイッチ304にはこの他にも、デコーダ305から出力されるビデオ信号も入力される。この第1のスイッチ304は、CPU303からの制御信号に基づいて、ハードディスクドライブ300およびビデオテープレコーダ(VTR)301に記録するビデオ信号を選択するものであり、ビデオ信号V1、またはデコーダ305から出力されるビデオ信号のうちの、いずれか一方を選択してエンコーダ306に出力する。
【0216】
なお、通常は、ビデオ信号V1を記録するので、第1のスイッチ304としてはビデオ信号V1を選択する。因みに、デコーダ305から出力されたビデオ信号を選択する場合は、ハードディスクドライブ300に記録されているビデオ信号をビデオテープレコーダ301に転送して記録する場合である。
【0217】
エンコーダ306は、第1のスイッチ304から供給されるアナログのビデオ信号をディジタルのビデオ信号に変換すると共に、そのディジタル化されたビデオ信号をMPEG規格(Moving Picture Experts Group)に基づいてフレーム単位で圧縮符号化する。
【0218】
一方、シリアルパラレル変換器314から出力されたオーディオ信号A1は、オーディオデータ制御部317に入力される。オーディオデータ制御部317にはまた、スイッチ315がマイクロホン8より入力されたオーディオ信号、またはその他の装置から供給されたオーディオ信号の一方を選択し出力したオーディオ信号が、A/D変換器316によりA/D変換された後、供給されている。オーディオデータ制御部317は、CPU303の制御のもと、シリアルパラレル変換器314より入力されるオーディオ信号、またはA/D変換器316から入力されるオーディオ信号の一方を選択し、エンコーダ306に出力している。エンコーダ306は、オーディオデータ制御部317から入力されたオーディオデータもMPEG規格に基づいて圧縮し、ビデオデータに多重化して出力する。
【0219】
オーディオデータ制御部317にはまた、第3のスイッチ310が出力したHDD300またはVTR301からの再生オーディオデータが供給されている。オーディオデータ制御部317は、この再生オーディオデータを処理した後、デコーダ305に供給している。さらに、オーディオデータ制御部317は、HDD300またはVTR301からの再生オーディオデータをD/A変換器318に出力し、D/A変換させた後、オーディオアウトの端子319を介してスピーカ320に出力し、放音させるようになされている。
【0220】
第2のスイッチ307にはエンコーダ306から出力された符号化ビデオ信号とオーディオ信号の他に、ビデオテープレコーダ301から出力されたビデオ信号とオーディオ信号も入力されている。この第2のスイッチ307はCPU303からの制御信号に基づいて、ハードディスクドライブ300に供給するビデオ信号とオーディオ信号を選択するものであり、エンコーダ306から出力された符号化ビデオ信号とオーディオ信号、またはビデオテープレコーダ301から出力されたビデオ信号とオーディオ信号のうちいずれか一方の組を選択して出力する。なお、通常、ハードディスクドライブ300は符号化ビデオ信号とオーディオ信号を記録するので、第2のスイッチ307は符号化ビデオ信号とオーディオ信号を選択する。因みに、ビデオテープレコーダ301から出力されるビデオ信号とオーディオ信号を選択する場合は、ビデオテープレコーダ301に記録されているビデオ信号とオーディオ信号をハードディスクドライブ300に転送して記録する場合である。
【0221】
第2のスイッチ307によって選択されたビデオ信号とオーディオ信号は入力バッファメモリ308に入力される。この入力バッファメモリ308は、ビデオ信号とオーディオ信号を、例えば15フレーム分記憶できるだけの記憶容量を有しており、入力されるビデオ信号とオーディオ信号を一時的に記憶する。
【0222】
ハードディスクドライブ300は複数のハードディスク300A(図66を参照して後述する)をアレイ状に連結したハードディスクアレイを備えており、これによりビデオ信号とオーディオ信号に対して十分な記憶容量を有している。このハードディスクドライブ300はCPU303からの制御信号によって記録動作が指示されると、入力バッファメモリ308に記憶されているビデオ信号とオーディオ信号を逐次読み出して、フレーム単位でハードディスクアレイに記憶する。またハードディスクドライブ300はCPU303から制御信号によって再生動作が指示されると、CPU303から指示された箇所のビデオ信号とオーディオ信号をハードディスクアレイから読み出して再生する。その再生されたビデオ信号とオーディオ信号は例えば15フレーム分の記憶容量を有している出力バッファメモリ309に出力され、一時的に記憶される。この出力バッファメモリ309は、一時的に記憶したビデオ信号とオーディオ信号を逐次読み出して第3のスイッチ310に出力する。
【0223】
ここでこのハードディスクドライブ300の記録および再生動作について、以下に具体的に説明する。このハイブリッドレコーダ3においては、ハードディスクドライブ300の記録および再生動作は全てCPU303によって管理されている。CPU303はタイムコード生成部313から出力されるタイムコードを基に、記録するビデオ信号の各ビデオフレームに対してタイムコードを割り当てると共に、当該ビデオ信号の各ビデオフレームに対して記録アドレスを割り当てる。そしてCPU303はこの割り当てたタイムコードと記録アドレスを対応表として記憶する。
【0224】
記録動作時、CPU303はハードディスクドライブ300に対して記録アドレスと記録コマンドを指示する。これによりハードディスクドライブ300は指示された記録アドレスにビデオ信号を記録して行く。
【0225】
一方、再生動作時、コンピュータ2からタイムコードによって読み出すビデオ信号が指示されると、CPU303は、上述した対応表を参照して指示されたタイムコードのビデオフレームがどこに記録されているかを調べる(すなわち記録アドレスを調べる)。そしてCPU303は再生コマンドと共に、調べた記録アドレスをハードディスクドライブ300に指示する。これによりハードディスクドライブ300は指示されたアドレスからビデオ信号を再生する(コンピュータ2が要求するビデオ信号を再生する)。このようにしてCPU303はタイムコードと記録アドレスの対応関係を対応表として記憶することにより、コンピュータ2からタイムコードによって再生位置が指示された場合でも、速やかに指示された再生位置を再生することができる。なお、オーディオ信号も、対応するビデオ信号と同様に記録再生される。
【0226】
なお、上述したタイムコード生成部313は、外部から外部タイムコード(Ext.TC)が供給される場合には、その外部タイムコードをタイムコードとしてCPU303に供給し、外部タイムコードが供給されない場合には、自らタイムコードを生成してCPU303に供給するようになされている。
【0227】
次にハードディスクドライブ300の入力側および出力側に設けられている入力バッファメモリ308および出力バッファメモリ309の役割について説明する。2つのバッファメモリ308、309は、ハードディスクドライブ300の記録動作と再生動作を、見かけ上、並列的に行わせるための緩衝部として機能する。このハードディスクドライブ300は、入力バッファメモリ308がビデオ信号を取り込む速度よりも少なくとも2倍以上の速度で記録動作が行えるようになっていると共に、出力バッファメモリ309がビデオ信号を読み出す速度よりも少なくとも2倍以上の速度で再生動作が行えるようになっている。このため入力側と出力側にバッファメモリ308、309を設けておけば、入力バッファメモリ308がビデオ信号とオーディオ信号を取り込んでいる間に、ハードディスクドライブ300は再生動作を行って出力バッファメモリ309にビデオ信号とオーディオ信号を蓄えることができ、また出力バッファメモリ309がビデオ信号とオーディオ信号を読み出している間に、ハードディスクドライブ300は入力バッファメモリ308からビデオ信号とオーディオ信号を読み出して記録動作を行うことができる。従ってこのようにハードディスクドライブ300の入力側および出力側にバッファメモリ308、309を設けておけば、ハードディスクドライブ300の記録動作と再生動作を、見かけ上、同時にすることができる。
【0228】
ここで再び図18に戻って各部の説明を続ける。上述したようにエンコーダ306から出力される符号化ビデオ信号とオーディオ信号はビデオテープレコーダ301にも供給される。ビデオテープレコーダ301はハードディスクドライブ300のバックアップ用として設けられたものであり、CPU303からの制御信号に基づいて記録動作または再生動作を行う。例えばハードディスクドライブ300が記録動作を行っている場合には、記録バックアップ用として動作するので、ビデオテープレコーダ301はハードディスクドライブ300の記録動作と並行して入力されるビデオ信号とオーディオ信号をビデオテープに記録する。またハードディスクドライブ300がCPU303からの指示を受けて再生動作を行っている場合には、再生バックアップ用として動作するので、ハードディスクドライブ300が再生しているビデオ信号およびオーディオ信号と同じビデオフレームのビデオ信号およびオーディオ信号をビデオテープから再生して出力する。
【0229】
なお、このビデオテープレコーダ301の記録および再生動作も、ハードディスクドライブ300と同様にCPU303によって管理されているが、ビデオテープレコーダの場合にはハードディスクドライブのようにアドレスによって位置が指定できないので、CPU303はアドレス情報の代わりにタイムコードそのものを指示する。すなわちビデオテープレコーダ301は記録時にはCPU303から与えられるタイムコードを付加して記録し、再生時にはCPU303から指示されるタイムコードを基に読み出し位置を確定して再生動作を行う。
【0230】
ビデオテープレコーダ301から再生されたビデオ信号およびオーディオ信号は、ハードディスクドライブ300から再生されたビデオ信号およびオーディオ信号と同様に、第3のスイッチ310に入力される。この第3のスイッチ310はCPU303からの制御信号に基づいて、再生ビデオ信号V3として出力するビデオ信号を選択するものである。すなわちこの第3のスイッチ310は、ハードディスクドライブ300で再生されたビデオ信号と、ビデオテープレコーダ301で再生されたビデオ信号のうち、いずれか一方をCPU303からの制御信号に基づいて選択する。なお、通常は、ハードディスクドライブ300で再生されたビデオ信号が選択される。ビデオテープレコーダ301側のビデオ信号が選択される場合は、ハードディスクドライブ300側のビデオ信号にエラーが発生した場合である。
【0231】
第3のスイッチ310によって選択されたビデオ信号はデコーダ305に供給される。デコーダ305は、フレーム単位で圧縮符号化されているビデオ信号を復号するものであり、入力されるビデオ信号をMPEG規格に基づいて復号する。またデコーダ305は復号されたディジタルのビデオ信号をアナログのビデオ信号に変換し、これを第1のタイムコード付加部311に出力する。
【0232】
第3のスイッチ310は、選択したオーディオ信号をオーディオデータ制御部317に供給する。オーディオデータ制御部317は、入力されたオーディオ信号に所定の処理を施した後、デコーダ305に出力する。デコーダ305は、オーディオ信号をMPEG規格に基づいて復号し、アナログのオーディオ信号として、ビデオ信号に多重化して第1のタイムコード付加部311に出力する。
【0233】
第1のタイムコード付加部311は、CPU303から供給されるタイムコードに基づいて、デコーダ305から出力されるビデオ信号の垂直同期期間にタイムコードを付加する。但し、デコーダ305から出力されるビデオ信号がビデオテープレコーダ301によって再生されたビデオ信号の場合には、既にタイムコードが付加されているのでタイムコードを付加せず、ハードディスクドライブ300によって再生されたビデオ信号の場合のみタイムコードを付加する。なお、ビデオ信号に付加するタイムコードは、記録時に割り当てたタイムコードと一致したものである。この第1のタイムコード付加部311によってタイムコードが付加されたビデオ信号は、再生ビデオ信号V3としてオーディオ信号A3とともに、外部に出力されると共に、映像効果装置6に送出される。
【0234】
なお、このハイブリッドレコーダ3からは、再生ビデオ信号V3およびオーディオ信号A3の他にも、入力ビデオ信号V1とほぼ同じビデオ信号V2が出力される。このビデオ信号V2は、第2のタイムコード付加部312によって入力ビデオ信号V1に対してタイムコードを付加したビデオ信号である。この場合、第2のタイムコード付加部312は、CPU303から出力されるタイムコードに基づいて、入力ビデオ信号V1の垂直同期期間にタイムコードを付加し、これをビデオ信号V2として出力する。その際、第2のタイムコード付加部312は、タイムコードとそれが付加されるビデオフレームとの対応関係がビデオ信号V3と同じになるように、ビデオ信号V1にタイムコードを付加して行く。これは、例えば第1のタイムコード付加部311において、あるビデオフレームに「00:01:23:45」というタイムコードを付けたとすると、ビデオ信号V1のうちそのビデオフレームに対応するビデオフレームに、同じタイムコード「00:01:23:45」を付加するということである。
【0235】
このようにしてこのハイブリッドレコーダ3は、ハードディスクドライブ300にビデオ信号V1を記録しながら、当該ハードディスクドライブ300からビデオ信号V3を再生し得るようになされており、記録動作と再生動作をほぼ同時に行えるようになされている。またこのハイブリッドレコーダ3の場合には、ハードディスクドライブ300のバックアップ用としてビデオテープレコーダ301を備えており、ハードディスクドライブ300側に何らかの不具合が発生した場合でも、確実に記録および再生動作を行えるようになされている。
【0236】
さらに、オーディオデータ制御部317は、図53を参照して後述するように、ボイスオーバ編集時にプレビュー再生するとき、再生オーディオ信号を所定のレベルだけ減衰してD/A変換器318に供給し、スピーカ320から出力する。
【0237】
<再生速度設定>
〔再生速度設定エリア〕
次にイベントの再生速度設定について説明する。この編集システム1では、ピクチャモードまたはタイムラインモードのいずれにおいても、映像効果設定エリア25の表示を、再生速度設定エリア25Aの表示に変更させ、これを使用して、イベントの再生速度をフレーム単位で設定することができるようになっている。これにより、例えば野球中継において、ホームランを打った瞬間のイベントに対してスロー再生を設定することができ、そのホームランシーンのイベントをスロー再生して、バッターの動きやボールの行方を一段とリアルに表現した映像を視聴者に提供することができる。またフレーム単位で再生速度を設定できるので、例えばピッチャーがボールを投げるシーンでは比較的早めのスロー再生を行い、バッターがボールを打つ瞬間のシーンでは比較的遅めのスロー再生を設定することができ、イベント内で異なるスロー再生を設定して、一段と迫力のある映像を視聴者に提供することができる。
【0238】
ここで図19を参照しながら、この点について以下に具体的に説明する。まず図19に示す再生速度設定エリア25Aは、タイミング表示エリア22のオプションボタン22hをクリックすることによりプルダウンメニューを表示させ、その中からDMC(ダイナミックモーションコントロール)ボタンを操作することで、映像効果設定エリア25に代えて表示させることができる。この再生速度設定エリア25Aは、ラーンボタン25Aa、スピードフイットボタン25Ab、通常再生速度設定ボタン25Ac、イベント番号表示部25Ad、イベントデュレーション表示部25Ae、タイムラインスケール表示部25Af、タイムランナー表示部25Ag、ポイント表示部25Ah、イン点タイムコード表示部25Ai、アウト点タイムコード表示部25Aj、およびメモリ残量インジケータ部25Akを有している。
【0239】
ラーンボタン25Aaは、後述する専用コントローラ2eを使用して再生速度を設定するときに使用するボタンである。このラーン(LEARN)ボタン25Aaをクリックした後で、専用コントローラ2eを使用して再生速度情報を入力すると、その速度情報が記憶され、イベントの再生速度が設定される。スピードフイット(FIT)ボタン25Abは、イン点からアウト点までの長さ(いわゆるデュレーション)をキーボード2cから数値入力することにより再生速度を自動設定するときに使用するボタンである。このスピードフイットボタン25Abをクリックした後で、キーボード2cからデュレーション値を入力すれば、そのデュレーション値を基に最適な再生速度が自動設定される。
【0240】
通常再生速度設定(NORMAL)ボタン25Acは、再生速度の設定を取り消すときに使用するボタンである。再生速度が設定されているイベントを指定した後、この通常再生速度設定ボタン25Acをクリックすると、その設定されている再生速度が取り消され、通常の再生速度すなわち1倍速が設定される。イベント番号表示部25Adは指定されたイベントのイベント番号を表示するエリアである。表示されるイベント番号は、イベント表示エリア29のイベント番号表示部29dで表示されるイベント番号と同じものである。
【0241】
イベントデュレーション表示部25Aeは、指定されたイベントのイン点からアウト点までの長さ、すなわちデュレーションを表示するエリアである。このイベントデュレーション表示部25Aeはデュレーションをフレーム単位で表示する。タイムラインスケール表示部25Afは、指定されたイベントのデュレーションを視覚的に表すための目盛り、すなわちスケールを表すエリアである。このタイムラインスケール表示部25Afに表示されるスケールは、フレーム単位のものである。
【0242】
タイムランナー表示部25Agは、後述する専用コントローラ2eで再生速度を設定しているとき、または再生速度が設定されたイベントをプレビューしているとき、現在、イベント内のどの位置が設定または再生されているかを表示する位置表示部である。このタイムランナー表示部25Agには人間が走っている形をしたアイコン25gaが表示されるようになっており、タイムラインスケール表示部25Afのスケールを基準にした当該アイコン25gaの表示位置により、現在設定または再生されているイベント内の位置を明示し得るようになっている。従ってオペレータは、そのアイコン25gaの位置によって視覚的にどの位置の設定または再生が行われているかを容易に理解することができる。
【0243】
またこの場合には、アイコン25gaが設定または再生の進行に伴って、順次、スケールに沿ってイン点からアウト点に向かって移動するが、その際、設定されている再生速度に応じてアイコン25gaの移動速度が変化するので、イベント中のどの部分の再生速度が速く、どの部分の再生速度が遅いかといったことをオペレータは視覚的に容易に確認することができる。
【0244】
ポイント表示部25Ahは、指定されたイベントのイン点からアウト点までの間で、編集操作中に設定された他のイン点またはアウト点があるか否かを示すエリアである。このポイント表示部25Ahでは、そのような他のイン点またはアウト点が存在すると、その位置にポインタ25haを表示するようになされている。これによりそのポインタ25haの有無により、オペレータは他の編集点の存在を容易に把握することができる。イン点タイムコード表示部25Aiおよびアウト点タイムコード表示部25Ajは、それぞれ選択されたイベントのイン点およびアウト点のタイムコードを表示するエリアである。
【0245】
メモリ残量インジケータ部25Akは、ラーンボタン25Aaをクリックし、専用コントローラ2eを使用して再生速度を設定して、その再生速度をCPU10のRAM10bに記憶させるとき、最大ラーン継続時間に対する残量を示すエリアである。1つのイベントに対して再生速度の設定のために割り当てられている記憶領域は予め決められているので、その記憶領域の残り容量を調べれば、残量は容易に算出することができる。このようなメモリ残量インジケータ部25Akを設けることにより、視覚的にメモリの残量が分かるので、最大ラーン継続時間をオーバーするような再生速度設定を未然に回避することができる。
【0246】
<専用コントローラ>
次に図20を参照して、再生速度設定に使用される専用コントローラ2eについて説明する。図20に示すように、専用コントローラ2eは、複数の操作ボタンの他に、ロータリーエンコーダであるサーチダイアル400とスライドエンコーダであるモーションコントロールレバー401を有しており、この2つの操作部を使用して、マニュアル操作で、再生速度を自由に入力し得るようになされている。
【0247】
まずこの専用コントローラ2eの操作パネル面に設けられている操作ボタンの配置について説明する。操作パネル面の中央上部には、ラーン(LEARN)ボタン402、スタート(START)ボタン403、ストップ(STOP)ボタン404、記録側選択(R)ボタン405、再生側選択(P)ボタン406、プレイ(PLAY)ボタン407、スティル(STILL)ボタン408、マークイン(MARK IN)ボタン409、およびマークアウト(MARK OUT)ボタン410が設けられている。またこれらの操作ボタンの下方位置には、上述したサーチダイアル400と、シャトル(SHUTTL)ボタン411、ジョグ(JOG)ボタン412、バリアブル(VAR)ボタン413、およびバリアブルインジケータ414が設けられている。
【0248】
これに対して操作パネル面の右側には、上から順にプレビュー(PREVIEW)ボタン415、カーソルボタン416、およびエンター(ENTER)ボタン417が設けられている。一方、操作パネルの左側には、上述したモーションコントロールレバー401が操作パネルの上下に対してスライドし得るように設けられている。
【0249】
これらの操作ボタンのうちラーンボタン402は、モーションコントロールレバー401またはサーチダイアル400によって再生速度を設定し、それを記憶するときに使用するボタンである。このラーンボタン402を押した後、モーションコントロールレバー401またはサーチダイアル400を操作してからマークアウトボタン410を押すまでの間、再生速度の記憶が行われる。なお、このラーンボタン402は、機能的には再生速度設定エリア25Aに表示されているラーンボタン25Aaとほぼ同じである。
【0250】
スタートボタン403は、ハイブリッドレコーダ3に対して記録開始コマンドを出力して記録ビデオ表示エリア21に表示されているビデオ信号を記録するときに操作するボタンである。またストップボタン404はハイブリッドレコーダ3に対して記録停止コマンドを出力して、記録ビデオ表示エリア21に表示されているビデオ信号の記録動作を停止するときに操作するボタンである。なお、これらのボタン403、404は、機能的にはモニタ2bに表示されている記録開始および終了ボタン31aと同じである。
【0251】
記録側選択ボタン405および再生側選択ボタン406は、専用コントローラ2eによってコントロールする対象を選択するときに使用するボタンである。専用コントローラ2eによって記録側をコントロールする場合には記録側選択ボタン405を押し、再生側をコントロールする場合には再生側選択ボタン406を押す。
【0252】
プレイボタン407は、ハイブリッドレコーダ3に対して再生開始コマンドを出力して、再生ビデオ表示エリア23にビデオ信号を表示させるときに使用するボタンである。またスティルボタン408はハイブリッドレコーダ3に対して再生停止コマンドを出力して、再生ビデオ表示エリア23に表示されているビデオ信号の再生動作を停止するときに使用するボタンである。このスティルボタン408を押すと、再生ビデオ画面23aには静止画が表示される。
【0253】
マークインボタン409およびマークアウトボタン410は、それぞれイン点およびアウト点を設定するときに使用するボタンである。なお、これらのボタン409、410は、記録側選択ボタン405が押されているときには、記録ビデオマーキングエリア24のマークインボタン24cおよびマークアウトボタン24fと同じように動作し、再生側選択ボタン406が押されている場合には、再生ビデオマーキングエリア27のマークインボタン27cおよびマークアウトボタン27fと同じように動作する。
【0254】
シャトルボタン411はサーチダイアル400をシャトルモードで動作させたいときに押すボタンであり、ジョグボタン412はサーチダイアル400をジョグモードで動作させたいときに押すボタンである。またバリアブルボタン413はサーチダイアル400をバリアブルモードで動作させたいとき、またはモーションコントロールレバー401を動作させたいときに押すボタンである。なお、バリアブルボタン413を1回押すと、右側のバリアブルインジケータ414が点灯してサーチダイアル400がバリアブルモードに設定され、もう1回押すと、左側のバリアブルインジケータ414が点灯してモーションコントロールレバー401が使用可能状態になり、さらにもう1回押すと、左右のバリアブルインジケータ414が消灯してサーチダイアル400およびモーションコントロールレバー401が使用不可能状態になる。
【0255】
プレビューボタン415は、図6のプレビューボタン45b、および図5と図6のプレビューボタン32と同様の機能を有しており、選択したイベントやプログラムをプレビューしたいときに使用するボタンである。イベントやプログラムを選択した状態でこのプレビューボタン415を押すと、そのイベントまたはプログラムの再生開始コマンドがハイブリッドレコーダ3に出力され、再生ビデオ画面23aにそのイベントまたはプログラムのビデオ信号が表示される。
【0256】
カーソルボタン416は、上方向ボタン、下方向ボタン、左方向ボタンおよび右方向ボタンの4つのボタンで構成され、クリップ表示エリア28、イベント表示エリア29またはプログラム表示エリア30においてクリップ画像データを選択するときにカーソルを移動させるためのボタンである。
【0257】
エンターボタン417には2種類の機能が割り当てられている。1つは再生ビデオマーキングエリア27において設定したイン点からアウト点までを新たにイベントとして登録するときに登録指示を入力する機能であり(モニタ2bに表示されているニューイベントボタン33と同じ)、もう1つは選択したイベントやプログラムを送出するときに送出指示を入力する機能である。
【0258】
サーチダイアル400はオペレータの回転操作に応じた再生速度情報を入力するロータリーエンコーダである。このサーチダイアル400は上述したように、シャトルボタン411、ジョグボタン412およびバリアブルボタン413を押すことにより、シャトルモード、ジョグモードおよびバリアブルモードの3つのモードで動作する。
【0259】
まずシャトルモードのときは、このサーチダイアル400の回転位置によって、−100倍速から+100倍速までの再生速度情報を入力することができる。なお、このモードのときには、サーチダイアル400は静止画、+10倍速および−10倍速の位置でクリック状態になる。
【0260】
また、ジョグモードのときには、このサーチダイアル400の回転位置によって、−1倍速から+1倍速までの再生速度情報を入力することができる。さらに、バリアブルモードのときには、このサーチダイアル400の回転位置によって、−1倍速から+3倍速までの再生速度情報を入力することができる。なお、このモードのときには、サーチダイアル400は、静止画および+1倍速の位置でクリック状態になる。
【0261】
このようにコントロール範囲を狭めることによって細かい再生速度を設定し得るジョグモード、粗い再生速度設定によって広範囲の設定を行えるシャトルモード、または、プラス側の設定範囲を広げたバリアブルモードを選択し得るようにしたことにより、オペレータは自分の設定したい再生速度に応じてそれを切り換え、再生速度を自由自在に設定することができる。
【0262】
モーションコントロールレバー401はオペレータのスライド操作に応じた再生速度情報を入力するスライドエンコーダである。このモーションコントロールレバー401を上下にスライドさせることにより、静止画から+1倍速までの再生速度情報を入力することができる。なお、このモーションコントロールレバー401の両側部には、範囲拡張ボタン401aが設けられており、この範囲拡張ボタン401aを押すことにより、入力し得る再生速度情報を−1倍速から+3倍速までの範囲に拡張することができる。
【0263】
このようにモーションコントロールレバー401によって、静止画から+1倍速までの再生速度情報を入力し得るようにしたことにより、オペレータはその範囲内で再生速度を自由自在に設定することができる。また再生速度情報を入力する機構として、回転操作方式のサーチダイアル400と、スライド操作方式のモーションコントロールレバー401とを設けたことにより、オペレータは自分の使いやすい方を選択して再生速度情報を入力することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0264】
なお、ここで説明した専用コントローラ2eの各種操作ボタンから入力された指示情報や、サーチダイアル400およびモーションコントロールレバー401から入力された再生速度情報は、ポインティングデバイスインタフェース17を介してCPU10に送出される。これによりCPU10はその指示情報に応じた動作制御を行うと共に、指定されたイベントに対してその再生速度情報に応じた再生動作を行う。なお、ラーンボタンが押されている場合には、CPU10はその再生速度情報を、指定されたイベントの再生速度としてRAM10bに記憶する。
【0265】
因みに、再生速度情報を記憶する際には、例えば図21に示すようなデータフォーマットで記憶する。すなわち指定されたイベントのイン点からアウト点までの各ビデオフレーム毎にスピードデータを記憶するようになされている。なお、スピードデータはサーチダイアル400またはモーションコントロールレバー401から出力され、ポインティングデバイスインタフェース17によってデコーダされたディジタルデータである。再生時には、CPU10はこのフォーマットで記憶されているスピードデータを読み出して再生速度を制御する。その際、CPU10は、スピードデータをN、再生速度をvとして、v=10(N/32−2)なる演算を行い、その結果得た値を再生速度とする。従って例えばスピードデータNが「64」のときには、再生速度は「1.0」となり、スピードデータNが「32」のときには、再生速度は「0.1」となる。
【0266】
<再生速度の設定方法>
次に再生速度設定エリア25Aを使用して再生速度を設定する際の設定手順を説明する。まず再生速度の設定方法としては、大きく分けて3つの方法がある。第1の方法は専用コントローラ2eを使用せずに再生速度情報(スピードデータ)をキーボード2cから入力する方法であり、第2の方法はイベントを指定した上で専用コントローラ2eを使用して再生速度情報(スピードデータ)を入力する方法であり、第3の方法はイベントを指定せずに専用コントローラ2eを使用して再生速度情報を入力する方法である。
【0267】
第1の方法の場合には、まずイベント表示エリア29から再生速度を設定したい所望のイベントをクリック操作を行って指定する。次にタイミング表示エリア22のオプションボタン22hをクリック操作して、再生速度設定エリア25Aを表示させる。その中には、指定したイベントの番号およびデュレーションが表示される。次に再生速度設定エリア25Aのスピードフイットボタン25Abをクリックする。これによりキーボードから再生速度情報を入力し得るようになるので、オペレータは再生速度情報を入力する。なお、この場合には、実際には再生速度情報(スピードデータ)そのものを入力するのではなく、デュレーション値を入力する。この操作により、そのデュレーション値に応じた最適な再生速度がそのイベントに対して自動設定される。
【0268】
なお、その後、そのイベントをプレビューするのであれば、プレビューボタン32をクリックすれば良い。またその設定された再生速度を保存するのであれば、ニューイベントボタン33またはリプレイスボタン35をクリックすれば良い。
【0269】
第2の方法の場合には、まずイベント表示エリア29から再生速度を設定したい所望のイベントをクリック操作を行って指定する。次にタイミング表示エリア22のオプションボタン22hをクリック操作する。これにより再生速度設定エリア25Aが表示され、その中には、指定したイベントの番号およびデュレーションが表示される。次に再生速度設定エリア25Aのラーンボタン25Aaをクリック操作する。これにより再生速度設定可能状態になるので、専用コントローラ2eのモーションコントロールレバー401またはサーチダイアル400を操作して再生速度情報を入力する。この入力された再生速度は、CPU10のRAM10bに順次記憶される。その後、再生速度の設定を終了させるのであれば、終了させたい位置で再生ビデオマーキングエリア27のマークアウトボタン27fまたは専用コントローラ2eのマークアウトボタン410を押せば、再生速度の設定が終了する。なお、この設定された再生速度を保存するのであれば、ニューイベントボタン33またはリプレイスボタン35をクリックすれば良い。
【0270】
第3の方法の場合には、まず再生ビデオ表示エリア23の再生ビデオ画面23aを見ながら所望の位置で専用コントローラ2eのラーンボタン402を押す。これによりイン点が設定されると共に、再生速度設定可能状態になるので、同様に、専用コントローラ2eのモーションコントロールレバー401またはサーチダイアル400を操作して再生速度情報を入力すれば良い。この入力された再生速度は、CPU10のRAM10bに順次記憶される。この後、再生速度の設定を終了させるのであれば、終了させたい位置で再生ビデオマーキングエリア27のマークアウトボタン27fまたは専用コントローラ2eのマークアウトボタン410を押せば、再生速度の設定が終了する。なお、この設定された再生速度を保存するのであれば、ニューイベントボタン33またはリプレイスボタン35をクリックすれば良い。
【0271】
<プリロールモード>
次にこの編集システム1に設けられているプリロールモードについて説明する。通常、イベントを生成する場合には、オペレータは、記録ビデオ画面21aに表示されるビデオデータを見ながら、記録ビデオマーキングエリア24のマークインボタン24cまたはマークアウトボタン24fをクリックしてイン点またはアウト点を指示する。これによりこの編集システム1では、その指示されたイン点からアウト点までのビデオデータがイベントとして登録される。この登録されたイベントを確認する場合には、オペレータは、イベント表示エリア29に表示されているそのイベントをクリックして指定した後、プレビューボタン32をクリックする。これによりそのイベントの再生動作が開始され、再生ビデオ画面23aには、そのイベントのイン点からアウト点までのビデオデータが表示される。
【0272】
ところでイベントのイン点を指示するとき、オペレータは記録ビデオ画面21aに表示されているビデオデータを見ながらマークインボタン24cを操作してイン点を指示するようになされているので、マークインボタン24cの操作遅れ等により、イベントとして登録したい場面の後にイン点を指示してしまうことがある。例えば野球中継においてホームランを打った場面をイベントとして登録する場合、一般には、ピッチャーがボールを投げてからバッターの打ったボールがスタンドインする迄の間をイベントとして登録することが所望されるが、ホームランの場面であるか否かはバッターの打ったボールがスタンドインする迄は分からないので、必然的にイン点を指示するのが遅れてしまう。このようにイン点が遅れたイベントでは、大事な場面が含まれていないので、そのイベントを修正しなければならない。
【0273】
そこでこの編集システム1の場合には、オペレータが指定したイン点の位置よりも所定時間前の位置から自動的に再生動作を開始し、マーキングポイントを容易に修正し得るようになされたプリロールモードが設けられている。このプリロールモードについて、以下に具体的に説明する。
【0274】
まずプリロールモードにおいて使用される時間、すなわちオペレータが指定したイン点から前に再生開始点をシフトするための時間(以下、これをキューアップ時間と呼ぶ)は、メニューの環境設定において自由に設定し得るようになされている。このキューアップ時間を設定する場合には、メニューとして用意されている環境設定を呼び出し、その中のキューアップ項目を選択する。このキューアップ項目の選択により、画面上には、図22に示すようなキューアップ設定画面が表示される。このキューアップ設定画面において、設定時間表示エリア500をクリックした後、キューアップ時間として設定する時間を秒単位でキーボード2cから入力すれば、その時間が設定時間表示エリア500に表示されて仮設定される。
【0275】
なお、設定時間表示エリア500の隣にあるジョグボタン501のうち所望方向のボタンをクリックすると、その方向に時間が秒単位でシフトして行くようになっているので、このジョグボタン501を使用してキューアップ時間を入力しても良い。
【0276】
このようにしてキューアップ時間を入力した後、設定ボタン502をクリックすると、設定時間表示エリア500に表示されている時間がキューアップ時間として正式に登録される。具体的には、入力されたキューアップ時間がRAM10bの環境設定データ用の記憶領域に格納される。なお、キャンセルボタン503をクリックすると、設定時間表示エリア500に表示されている時間がリセットされ、新たにキューアップ時間を入力し得る状態になる。因みに、設定ボタン502をクリックすると、このキューアップ設定画面は自動的に画面上から消えるようになっている。
【0277】
このようにしてキューアップ時間が設定されている状態で、タイミング表示エリア22のプリロールボタン22eをクリック操作すると、プリロールモードの起動が指示され、これにより当該プリロールボタン22eが点灯してプリロールモードが起動する。なお、プリロールモードを解除する場合には、再びプリロールボタン22eをクリック操作すると、プリロールモードの終了が指示され、これにより当該プリロールボタン22eが消灯してプリロールモードが解除される。
【0278】
プリロールモードが起動されている状態で、オペレータが記録ビデオマーキングエリア24のマークインボタン24cをクリックすると、イン点が指示されると共に、そのイン点として指示されたクリップ画像データがインクリップ表示エリア24aに表示される。またこれと同時に、設定されているキューアップ時間が読み出され、図23に示すように、イン点として指示された位置のタイムコードからそのキューアップ時間だけ前にシフトした位置のタイムコードが算出される。そしてこの算出されたタイムコードの位置を再生開始点として、ハイブリッドレコーダ3に再生コマンドを出力することにより、この編集システム1では、その再生開始点から再生動作が自動的に開始される。この再生されたビデオ信号V3は、映像効果装置6を介してビデオ信号V6として再生ビデオ画面23aに表示されるので、オペレータはこの再生ビデオ画面23aを見ながら、再生ビデオマーキングエリア27のマークインボタン27cをクリックすることにより、イン点を容易に修正することができる。なお、その後、マークアウトボタン27fをクリックしてアウト点を指示し、ニューイベントボタン33をクリックすれば、そのイン点からアウト点までの区間のビデオデータがイベントとして登録される。
【0279】
このようにしてプリロールモードを予め起動しておけば、例えば野球中継のときにバッターの打ったボールがスタンドインした時点でマークインボタン24cをクリックしてイン点を指示した場合でも、そのイン点から所定時間前の位置から自動的に再生動作が行われるので、その再生画面を見ながら再生側のマークインボタン27cをクリックしてイン点を指示するだけで、容易にイン点を修正することができる。例えばピッチャーがボールを投げた時点にイン点を修正すれば、バッターがボールを打った瞬間等、所望の場面を含むをイベントをリアルタイムで容易に作成することができる。
【0280】
<ワークデータフォルダ>
次にこの項では、ワークデータフォルダについて説明する。この編集システム1においては、編集オペレーションによって生成されたイベントやプログラム等に関するワークデータは、通常、RAM10bに格納されているが、アプリケーションプログラムを終了して編集オペレーションを終了するときには、それらのワークデータはコンピュータ2の内部に設けられたハードディスクドライブ15aにダウンロードされ、当該ハードディスクドライブ15a内のハードディスクに記憶される。その際、ワークデータはフォルダと呼ばれる階層構造で記憶される。
【0281】
ここで図24を用いて、この点について以下に具体的に説明する。図24に示すように、イベントやプログラム等に関するワークデータは、それぞれフォルダと呼ばれる階層構造で記憶される。このフォルダは、MS−DOS等におけるデイレクトリとほぼ同じであり、ワークデータフォルダ600を最上位の階層とし、そのワークデータフォルダ600の階層下に下位のフォルダ601乃至603を形成して、各データファイルを階層構造で管理しながら記憶するようになされている。なお、ワークデータフォルダ600は、この編集システム1を起動したときにコンピュータ2によってハードディスクドライブ15aに形成される。
【0282】
まずクリップ表示エリア28やイベント表示エリア29、或いはプログラム表示エリア30等に表示されるクリップ画像データは、ワークデータフォルダ600の下位に形成されたクリップフォルダ601の階層下にクリップ画ファイルとして、それぞれクリップ画像データ単位で記憶される。このクリップ画ファイルの中身はクリップ画像データそのものであり、クリップ画像を示すビデオデータが書き込まれる。またこのクリップ画ファイルのファイル名としては、括弧内に示すように、クリップ画像データ毎に付与されたインデックス番号に拡張子の「.pic」を付加した名前が使用される。
【0283】
またイベント内の代表的なクリップ画像として登録されたシンボル画像データは、ワークデータフォルダ600の下位に形成されたシンボルフォルダ602の階層下にシンボル画ファイルとして、それぞれシンボル画像データ単位で記憶される。このシンボル画ファイルの中身としてはシンボル画像を示すビデオデータが書き込まれる。またこのシンボル画ファイルのファイル名としては、括弧内に示すように、シンボル画像が含まれるイベント番号に拡張子の「.pic」を付加した名前が使用される。
【0284】
プログラムに関するワークデータは、下位フォルダが形成されず、直接、ワークデータフォルダ600の階層下にプログラムファイルとして記憶される。このプログラムファイルの中には、プログラムを構成するイベントのイベント番号が順番に書き込まれるようになっており、当該プログラムファイルを参照することによってプログラムがどのイベントによって形成されているかを知ることができるようになっている。またこのプログラムファイルのファイル名としては、プログラムファイルであることを示す「PROG」に拡張子の「.dat」を付加した名前が使用される。
【0285】
イベントに関するワークデータも、下位フォルダが形成されず、直接、ワークデータフォルダ600の階層下にイベントファイルとして記憶される。このイベントファイルの中には、イン点とアウト点のクリップ番号がイベント番号毎に順に書き込まれるようになっており、当該イベントファイルを参照することによって、各イベントを形成するイン点とアウト点のクリップ番号が分かるようになっている。またこのイベントファイルのファイル名としては、イベントファイルであることを示す「EVNT」に拡張子の「.dat」を付加した名前が使用される。
【0286】
クリップ画像データに関するワークデータも、下位フォルダが形成されず、直接、ワークデータフォルダ600の階層下にクリップファイルとして記憶される。このクリップファイルの中には、クリップ画像データのインデックス番号とタイムコードが、クリップ番号毎に順に書き込まれるようになっており、当該クリップファイルを参照することによって、各クリップ画像データがどのインデックス番号の画像データで形成されているかを知ることができるようになっている。またクリップファイルのファイル名としては、クリップファイルであることを示す「CLIP」に拡張子の「.dat」を付加した名前が使用される。
【0287】
また再生速度設定エリア25Aを使用して設定したイベントの再生速度を示すスピードデータ(図21参照)は、ワークデータフォルダ600の下位に形成されたスローデータフォルダ603の階層下にスローデータファイルとして、それぞれイベント単位で記憶される。このスローデータファイルの中には、図21に示したようなスピードデータがフレーム毎に書き込まれるようになっており、当該スローデータファイルを参照することによって、そのイベントに対して設定された再生速度を知ることができるようになっている。またこのスローデータファイルのファイル名としては、括弧内に示すように、イベント毎に付与されたイベント番号に拡張子の「.dat」を付加した名前が使用される。
【0288】
このようにしてこの編集システム1では、アプリケーションプログラムを終了するときには、編集オペレーションによって生成したイベントやプログラム等に関するワークデータを階層構造で、ハードディスクドライブ15aのハードディスクに記憶するようになされている。これによりアプリケーションプログラムを再起動したときには、ハードディスクに記憶されているこれらのワークデータを読み出してプログラム表示エリア30やイベント表示エリア29等に終了前と同じクリップ画像データを表示することができ、アプリケーションプログラム終了前の状態に復帰することができる。またこのようにしてワークデータを記憶することにより、後からそのワークデータを読み出してEDL(エデイット・ディシジョン・リスト)等の編集リストを出力することもできる。
【0289】
<コンピュータの動作説明>
この項では、フローチャートを用いて各処理におけるコンピュータ2の動作について説明する。なお、以降の説明で使用されるフローチャートは、基本的にCPU10の動作を説明しているものである。
【0290】
〔初期動作〕
まず図25を用いてコンピュータ2の初期動作について説明する。最初にステップS1において、オペレータによりアプリケーションプログラムの実行が指定されると、コンピュータ2のCPU10は動作を開始する。次のステップS2では、アプリケーションプログラムがハードディスクドライブ15aのハードディスクに記憶されているので、CPU10は当該CPU10内に設けられた動作用のRAM10bにアプリケーションプログラムをアップロードする。
【0291】
次のステップS3では、CPU10はRAM10bにアップロードしたアプリケーションプログラムを実行する。次のステップS4では、CPU10は、これから行われる編集作業によって生成される複数のクリップ画像データや編集データ等を記憶するためのメモリ領域をRAM10bに確保する。なお、このとき図15乃至図17に示したようなクリップデータ用、イベントデータ用およびプログラムデータ用の第1のマネージメントレコーダもRAM10bに生成される。
【0292】
次のステップS5では、CPU10は、これから行われる編集作業によって生成されるプログラムやイベントに関するワークデータを記憶するためのワークデータフォルダをハードディスクドライブ15aのハードディスクに生成する。
【0293】
次のステップS6では、GUIのためのグラフィック表示をモニタ2bに表示するため、CPU10はコンピュータ2の内部クロックに同期して、グラフィックデータをVRAM13bにリアルタイムで転送する。これにより次のステップS7において、VRAM13bに記憶されているグラフィックデータと同一のグラフィックがモニタ2bに表示される。
【0294】
次のステップS8では、CPU10はビデオ信号V2を記録ビデオ画面21aに表示するか否かの判定を行う。この判定はオペレータによるビデオ表示の指定に基づいて行われる。もし、ビデオ表示の指定が無いのであれば、編集オペレーションを行わないと判定してステップS16に進み、処理を終了する。通常の場合であれば、編集オペレーションを行うためビデオ表示の指定があるので、ステップS9に進んでビデオ信号V2の表示処理に移る。
【0295】
ステップS9では、CPU10は、ハイブリッドレコーダ3に対してRS−422の制御コマンドを出力することにより、当該ハイブリッドレコーダ3にビデオ信号V2の出力を指示する。これを受けたハイブリッドレコーダ3は、入力されるビデオ信号V1にタイムコードを付加してビデオ信号V2を生成し、コンピュータ2に送出する。
【0296】
次のステップS10では、データ変換部11bが、入力されるコンポジットビデオ信号V2からタイムコードを抽出すると共に、当該コンポジットビデオ信号V2をディジタルのコンポーネントビデオデータに変換する。変換されたビデオデータはフレームメモリ11cに入力され、フレーム単位で一時的に記憶される。また抽出されたタイムコードデータはプロセッサコントローラ11aに供給され、当該プロセッサコントローラ11aを介してCPU10に送出される。
【0297】
次のステップS11では、フレームメモリ11cに記憶されているビデオデータがVRAM13bに転送される。転送されるビデオデータは、フレームメモリ11cからの読み出しサンプル数が少なくなっているので、380画素×240画素に縮小されたビデオデータである。なお、このとき画像データバス5aの調停が行われることにより、ビデオデータの他にもGUIのためのイメージデータがCPU10からVRAM13bに転送されるようになされている。またこのときVRAM13bに記憶されるビデオデータをリアルタイムで更新することにより、モニタ2bにリアルタイムでビデオデータを表示することが可能となる。
【0298】
次のステップS12では、VRAM13bに記憶されたイメージデータとビデオデータがリアルタイムでモニタ2bに表示される。次のステップS13では、記録ビデオ画面21aに表示されているビデオデータをハイブリッドレコーダ3に記録するか否かをCPU10が判定する。この判定はオペレータによる記録開始および終了ボタン31aのクリック操作に基づいて行われる。すなわち記録開始および終了ボタン31aがクリックされれば、ビデオデータを記録すると判定して次のステップS14に進み、記録開始および終了ボタン31aがクリックされなければビデオデータを記録しないと判定してステップS16に進み、処理を終了する。
【0299】
ステップS14では、CPU10は記録開始コマンドを外部インタフェース18に送出する。これを受けた外部インタフェース18はその記録開始コマンドをRS−422規格の通信フォーマットに変換し、ハイブリッドレコーダ3に送出する。これによりハイブリッドレコーダ3は入力されるビデオ信号V1の記録動作を開始する。
【0300】
次のステップS15では、ハイブリッドレコーダ3によって記録動作が開始されたので、CPU10は全ての初期設定が終了したと判断してこのフローチャートに示されるような初期動作の手順を終了する。
【0301】
〔記録側におけるマーキング〕
次に記録ビデオマーキングエリア24を使用したマーキングについて、図26に示すフローチャートを用いて説明する。なお、このマーキングは、図13乃至図17の説明を参照すると、より理解しやすくなる。
【0302】
まず図25に示した初期動作の手順を終了すると、このマーキング動作が行える状態になり、ステップS20から入って処理を開始する。ステップS21では、CPU10は新たにマーキングがされたか否かを判断する。マーキングがされたか否かの判断は、記録ビデオマーキングエリア24のマークインボタン24cまたはマークアウトボタン24fのエリア内にカーソルが位置する状態でマウス2dがクリックされたか否かに基づいて行われる。その際、マウス2dのクリック操作により割り込みコマンドが発生するので、CPU10はこの割り込みコマンドの発生に応じてマーキングの判断を行う。その判断の結果、マークインボタン24cがクリックされたのであれば、イン点が指定されたと判断してステップS22に進み、マークアウトボタン24fがクリックされたのであれば、アウト点が指定されたと判断してステップS30に進む。
【0303】
ステップS22では、イン点のクリップ画像データを生成する。このイン点のクリップ画像データは、フレームメモリ11cに記憶されているビデオデータをVRAM13bに読み出すことにより生成される。その際、読出しのサンプル数を少なくすることによりデータ量を1/16に間引いているので、クリップ画像データとしては95画素×60画素の画像サイズのものが生成される。
【0304】
ステップS23では、VRAM13bのインクリップ表示エリア用の記憶領域に記憶されているイン点のクリップ画像データが読み出され、インクリップ表示エリア24aに表示される。
【0305】
ステップS24では、CPU10は、ステップS21におけるマーキングが最初のイン点のマーキングであるか否かを判断する。その結果、最初のマーキングであればステップS21に戻り、2回目以上のマーキングであればステップS25に進む。
【0306】
ステップS25では、CPU10は、先にマーキングされたクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるか否かを判断する。その結果、先にマーキングされたクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるのであればステップS26に進み、先にマーキングされたクリップ画像データがアウト点のクリップ画像データであるのであればステップS27に進む。
【0307】
ステップS26では、先にマーキングされたイン点のクリップ画像データをクリップ表示エリア28に移動する。つまりイン点が2回続けてマーキングされたため、先にマーキングされたクリップ画像データはイベントとしては使用されず、クリップ表示エリア28に移動される。なお、このとき図13乃至図17に示すように、クリップ表示エリア28に移動されたクリップ画像データについての第2のマネージメントレコードデータが生成される。
【0308】
一方、ステップS27では、CPU10は、先にマーキングされたアウト点のクリップ画像データによってイベントが生成されたか否かを判断する。その結果、先のマーキングによってイベントが生成されているのであればステップS29に進み、先のマーキングによってイベントが生成されていないのであればステップS28に進む。
【0309】
ステップS28では、先のマーキングによってアウトクリップ表示エリア24dに表示されていたアウト点のクリップ画像データをクリップ表示エリア28に移動する。これは、先のマーキングによって生成されたアウト点のクリップ画像データはイベントとして使用されなかったが、今後使用することもあり得るのでマーキング履歴として残しておくためである。
【0310】
これに対してステップS29では、アウトクリップ表示エリア24dに表示されていたアウト点のクリップ画像データをクリアする。この場合、アウトクリップ表示エリア24dに表示されているクリップ画像データは、既に、イベントのアウト点として使用されているので、これ以上表示する必要がないからである。
【0311】
一方、ステップS21における判断によってアウト点のマーキングが検出されたためステップS30に進んだ場合には、ここでアウト点のクリップ画像データを生成する。このアウト点のクリップ画像データも、フレームメモリ11cに記憶されているビデオデータをVRAM13bに読み出すことにより生成される。またこの場合にも、読出しの際に、データ量を1/16に間引くことによって95画素×60画素のクリップ画像データが生成される。
【0312】
ステップS31では、VRAM13bのアウトクリップ表示エリア用の記憶領域に記憶されているアウト点のクリップ画像データが読み出され、アウトクリップ表示エリア24dに表示される。
【0313】
次のステップS32では、CPU10は、ステップS21におけるマーキングが最初のアウト点のマーキングであるか否かを判断する。その結果、最初のマーキングであればステップS21に戻り、2回目以上のマーキングであればステップS33に進む。
【0314】
ステップS33では、CPU10は、先にマーキングされたクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるか否かを判断する。その結果、先にマーキングされたクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるのであればステップS34に進み、先にマーキングされたクリップ画像データがアウト点のクリップ画像データであるのであればステップS36に進む。
【0315】
ステップS34では、CPU10は、先にマーキングされたイン点と後からマーキングされたアウト点までの区間をイベントとして登録する。このようにこの編集システム1では、イン点の後にアウト点のマーキングが行われると、自動的にイベントとして登録される。なお、このときには、図13乃至図17に示したように、イベントに関しての第2のマネージメントレコードデータが生成される。
【0316】
次のステップS35では、生成されたイベントのイン点のクリップ画像データをイベント表示エリア29にコピーし、当該イベント表示エリア29にクリップ画像データを表示する。
【0317】
一方、ステップS36では、CPU10は、先にマーキングされたアウト点のクリップ画像データによってイベントが生成されたか否かを判断する。その結果、先のマーキングによってイベントが生成されているのであればステップS38に進み、先のマーキングによってイベントが生成されていないのであればステップS37に進む。
【0318】
ステップS37では、先のマーキングによって生成されたアウト点のクリップ画像データをクリップ表示エリア28に移動する。これは、先のマーキングによって生成されたアウト点のクリップ画像データはイベントとして使用されなかったが、今後使用することもあり得るのでマーキング履歴として残しておくためである。
【0319】
これに対してステップS38では、インクリップ表示エリア24aに表示されていたイン点のクリップ画像データをクリアする。これは、インクリップ表示エリア24aに表示されているクリップ画像データと、先にマーキングされたアウト点のクリップ画像データとによってイベントが生成されたため、インクリップ表示エリア24aに表示されているクリップ画像データは今後使用されることがないので、これ以上表示する必要がないからである。
【0320】
ステップS26、ステップS28、ステップS29、ステップS35、ステップS37またはステップS38の処理が終了すると、CPU10はステップS39に進み、ここでマーキング動作を終了するか否かを判断する。マーキング動作を継続するのであれば再びステップS20に戻って処理を繰り返し、マーキング動作を終了するのであればステップS40に進んで処理を終了する。
【0321】
〔再生側におけるマーキング〕
次にハイブリッドレコーダ3から再生されたビデオ信号V3に対して、映像効果装置6で必要に応じてエフェクトを付与したビデオ信号V6を見ながら、再生ビデオマーキングエリア27を使用してマーキングする場合について、図27および図28に示すフローチャートを用いて説明する。まずこのマーキングは、既にクリップ画像データが記憶されている状態からスタートする。ステップS50から入ったステップS51において、CPU10はクリップ表示エリア28のクリップ画像データが指定されたか否かを判断する。このときCPU10は、カーソルがクリップ画像データ表示エリア28aにある状態で、マウス2dがダブルクリック(2回連続したクリック操作)されると、そのクリップ画像データが指定されたと判断する。その結果、クリップ画像データの指定があった場合には、次のステップS52において、指定されたクリップ画像データが再生ビデオマーキングエリア27に表示される。すなわちイン点のクリップ画像データが指定されたのであればインクリップ表示エリア27aに表示され、アウト点のクリップ画像データが指定されたのであればアウトクリップ表示エリア27dに表示される。
【0322】
次のステップS53では、CPU10は、指定されたクリップ画像データのタイムコードを参照し、そのタイムコードのビデオデータをスチル再生させるための制御コマンドを外部インタフェース18に送出する。これを受けた外部インタフェース18は、そのスチル再生コマンドをRS−422規格の通信フォーマットに変換してハイブリッドレコーダ3に送出する。これによりハイブリッドレコーダ3は、受け取ったタイムコードを基にタイムコードと記録アドレスの対応表を参照して記録アドレスを調べ、その記録アドレスの位置からビデオデータを読み出すことにより、指示されたビデオデータを再生する。このビデオデータはビデオ信号V3として映像効果装置6に入力され、そこからさらにビデオ信号V6としてコンピュータ2内の第2のビデオプロセッサ12に送出される。
【0323】
ステップS54では、第2のビデオプロセッサ12においてビデオ信号V6からのタイムコードの抽出が行われると共に、ビデオ信号V6をディジタルのコンポーネントビデオデータに変換する画像処理が行われる。なお、この変換されたビデオデータは第2のビデオプロセッサ12内のフレームメモリ12cに一時的に記憶される。
【0324】
ステップS55では、フレームメモリ12cに記憶されているスチル再生ビデオデータを380画素×240画素となるように縮小した上でVRAM13bに転送する。
【0325】
次のステップS56では、そのVRAM13bに記憶されている再生ビデオデータを再生ビデオ画面23aに表示する。この場合、ハイブリッドレコーダ3からはリアルタイムのビデオデータでなく、指示されたクリップ画像データに対応したスチルビデオデータだけが送出されるので、再生ビデオ画面23aには静止画が表示される。
【0326】
ステップS57では、CPU10は、再生ビデオ画面23aに表示されているスチルビデオデータに対して再生が指示されたか否かを判断する。このときCPU10は、再生ビデオ画面23aにスチルビデオデータが表示されている状態でプレビューボタン32がクリックされると、再生が指示されたと判断する。
【0327】
再生指示があった場合には、次のステップS58において、CPU10は再生開始コマンドを外部インタフェース18に送出する。これを受けた外部インタフェース18は、その再生開始コマンドをRS−422規格の通信フォーマットに変換してハイブリッドレコーダ3に送出する。これによりハイブリッドレコーダ3は、再生ビデオ画面23aに表示されているビデオデータに対応する記録アドレスから順にビデオデータを読み出すことにより、その再生ビデオ画面23aに表示されているビデオデータに続く通常の再生ビデオデータを生成する。この再生ビデオデータはビデオ信号V3として映像効果装置6に入力され、そこからさらにビデオ信号V6としてコンピュータ2内の第2のビデオプロセッサ12に送出される。
【0328】
次のステップS59では、CPU10はマーキングがされたか否かを判断する。マーキングがされたか否かの判断は、再生ビデオマーキングエリア27のマークインボタン27cまたはマークアウトボタン27fのエリア内にカーソルが位置する状態でマウス2dがクリックされたか否かに基づいて行われる。その際、マウス2dのクリック操作により割り込みコマンドが発生するので、CPU10はこの割り込みコマンドの発生に応じてマーキングの判断を行う。その判断の結果、マークインボタン27cがクリックされたのであれば、イン点が指定されたと判断してステップS60に進み、マークアウトボタン27fがクリックされたのであれば、アウト点が指定されたと判断してステップS63に進む。
【0329】
ステップS60では、イン点のクリップ画像データを生成する。このイン点のクリップ画像データは、フレームメモリ12cに記憶されているビデオデータをVRAM13bに読み出すことにより生成される。その際、読出しのサンプル数を少なくすることによりデータ量を1/16に間引いているので、クリップ画像データとしては95画素×60画素の画像サイズのものが生成される。次のステップS61では、VRAM13bのインクリップ表示エリア用の記憶領域に記憶されているイン点のクリップ画像データが読み出され、インクリップ表示エリア27aに表示される。
【0330】
ステップS62では、先にマーキングされ、インクリップ表示エリア27aに表示されていたイン点のクリップ画像データをクリップ表示エリア28に移動する。なお、先にマーキングがされておらず、インクリップ表示エリア27aにクリップ画像データが表示されていなかった場合には、この処理は行われない。このステップS62の処理が終わると、CPU10はステップS70に進む。
【0331】
一方、アウト点のマーキングのためステップS63に進んだ場合には、ここでアウト点のクリップ画像データを生成する。このアウト点のクリップ画像データも、フレームメモリ12cに記憶されているビデオデータをVRAM13bに読み出すことにより生成される。またこの場合にも、読出しの際に、データ量を1/16に間引くことによって95画素×60画素のクリップ画像データが生成される。ステップS64では、VRAM13bのアウトクリップ表示エリア用の記憶領域に記憶されているアウト点のクリップ画像データが読み出され、アウトクリップ表示エリア27dに表示される。
【0332】
次のステップS65では、CPU10は、先にマーキングされたクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるか否かを判断する。その結果、先にマーキングされたクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるのであればステップS66に進み、先にマーキングされたクリップ画像データがアウト点のクリップ画像データであるのであればステップS67に進む。ステップS66では、CPU10はイベントとして新しく登録するか否かの判断を行う。この判断は、オペレータによるニューイベントボタン33のクリック操作に基づいて行われる。ニューイベントボタン33がクリックされ、イベント登録が指示された場合にはステップS68に進み、ニューイベントボタン33がクリックされず、イベント登録が指示されなかった場合にはステップS67に進む。
【0333】
ステップS68では、CPU10は、イン点からアウト点までの区間をイベントとして登録する。このようにこの編集システム1では、イン点の後にアウト点がマーキングされ、さらにニューイベントボタン33がクリックされると、そのイン点からアウト点までの区間が新たなイベントとして登録される。なお、このときには、図13乃至図17に示したように、イベントに関しての第2のマネージメントレコードデータが生成される。
【0334】
次のステップS69では、生成されたイベントのイン点のクリップ画像データをイベント表示エリア29にコピーし、当該イベント表示エリア29にクリップ画像データを表示する。この処理が終了すると、CPU10は次のステップS70に進む。
【0335】
一方、先のマーキングによって生成されたクリップ画像データがアウト点のクリップ画像データであったためステップS67に進んだ場合には、ここで先のマーキングによって生成されたアウト点のクリップ画像データをクリップ表示エリア28に移動する。なお、先にマーキングがされておらず、アウトクリップ表示エリア27dにクリップ画像データが表示されていなかった場合には、この処理は行われない。この処理が終わると、CPU10はステップS70に進む。
【0336】
ステップS70では、CPU10は、再生ビデオ画面23aに表示されているビデオデータの再生停止が指示されたか否かを判断する。この判断は、専用コントローラ2eのスティルボタン408が押されたか否かに基づいて判断する。再生停止が指示されなかった場合には、ステップS59に戻って処理を繰り返し、再生停止が指示された場合には、次のステップS71に進む。ステップS71では、CPU10は再生停止コマンドを外部インタフェース18に送出する。これを受けた外部インタフェース18はその再生停止コマンドをRS−422規格の通信フォーマットに変換してハイブリッドレコーダ3に送出する。これによりハイブリッドレコーダ3はビデオデータの読出し動作を停止して、再生動作を停止する。このステップS71の処理が終了すると、CPU10はステップS72に移ってマーキングの処理を終了する。
【0337】
〔トリミング〕
次に生成されているイベントを指定してイン点またはアウト点を変更する処理、いわゆるトリミングについて、図29に示すフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートは既にイベントが生成されている状態からスタートするものとする。
【0338】
まずステップS80から入ったステップS81において、CPU10は、イベント表示エリア29のクリップ画像データが指定されたか否かを判断する。このときCPU10は、カーソルがクリップ画像データ表示エリア29aにある状態で、マウス2dがダブルクリック(2回連続したクリック操作)されると、そのクリップ画像データが指定されたと判断する。クリップ画像データの指定があった場合には、次のステップS82において、CPU10は指定されたクリップ画像データのタイムコードを参照し、そのタイムコードのビデオデータをスチル再生させるための再生コマンドを外部インタフェース18を介してハイブリッドレコーダ3に送出する。この再生コマンドに基づいてハイブリッドレコーダ3が指定されたビデオデータを再生して再生ビデオデータを生成することにより、再生ビデオ画面23aには指定されたクリップ画像データに対応した再生ビデオデータが表示される。
【0339】
次のステップS83では、CPU10は専用コントローラ2eのシャトルボタン411が押されたか否かを判断する。シャトルボタン411が押されたのであれば、次のステップS84に進み、ここでCPU10は専用コントローラ2eのサーチダイアル400が回転されたか否かを判断する。サーチダイアル400が回転されたのであれば、ステップS85に進み、ここでCPU10はサーチダイアル400の動いた方向と距離を演算する。そしてCPU10は、その求めた方向と距離および現在再生ビデオ画面23aに表示されているビデオデータのタイムコードに基づいて、指定されたビデオデータのタイムコードを算出する。具体的には、回転が右方向であれば、現在表示されているビデオデータのタイムコードに移動距離分のタイムコードを加えることにより指定されたビデオデータのタイムコードを算出し、回転が左方向であれば、現在表示されているビデオデータのタイムコードから移動距離分のタイムコードを引くことにより指定されたビデオデータのタイムコードを算出する。
【0340】
ステップS86では、CPU10はその求めたタイムコードのビデオデータを再生させるための再生コマンドを外部インタフェース18を介してハイブリッドレコーダ3に送出する。
【0341】
ステップS87では、この再生コマンドに基づいてハイブリッドレコーダ3が指定されたタイムコードのビデオデータを再生することにより、再生ビデオ画面23aには指定されたタイムコードの再生ビデオデータが表示される。
【0342】
次のステップS88では、CPU10はマーキングがされたか否かを判断する。マーキングがされたか否かの判断は、再生ビデオマーキングエリア27のマークインボタン27cまたはマークアウトボタン27fのエリア内にカーソルが位置する状態でマウス2dがクリックされたか否かに基づいて行われる。その判断の結果、マークインボタン27cまたはマークアウトボタン27fのいずれかがクリックされたのであればステップS89に進み、いずれもクリックされなければステップS83に戻って処理を繰り返す。
【0343】
ステップS89では、マーキングされたクリップ画像データを生成する。このクリップ画像データは、フレームメモリ12cに記憶されているビデオデータをVRAM13bに読み出すことにより生成される。その際、読出しのサンプル数を少なくすることによりデータ量を1/16に間引いているので、クリップ画像データとしては95画素×60画素の画像サイズのものが生成される。
【0344】
ステップS90では、そのVRAM13bに記憶されているクリップ画像データが読み出され、再生ビデオマーキングエリア27のインクリップ表示エリア27aまたはアウトクリップ表示エリア27dに表示される。具体的には、イン点としてマーキングされたのであれば、クリップ画像データはインクリップ表示エリア27aに表示され、アウト点としてマーキングされたのであれば、クリップ画像データはアウトクリップ表示エリア27dに表示される。
【0345】
ステップS91では、CPU10はニューイベントボタン33が押されたか否かを判断する。この判断は、ニューイベントボタン33の位置にカーソルがある状態でマウス2dがクリックされたか否かに基づいて行われる。その結果、ニューイベントボタン33が押されたのであればステップS92に進み、ニューイベントボタン33が押されなかったのであればステップS94に進む。
【0346】
ステップS92では、イン点またはアウト点をステップS88でマーキングされたクリップ画像データに置き換え、それを新たなイベントとして登録する。例えばステップS88においてイン点がマーキングされたと判定されたのであれば、その新たなイン点と既に登録されているアウト点までの区間を新たなイベントして登録し、ステップS88においてアウト点がマーキングされたと判定されたのであれば、既に登録されているイン点とその新たなアウト点までの区間を新たなイベントして登録する。なお、このときには、図13乃至図17に示したように、イベントに関しての第2のマネージメントレコードデータが新たに生成される。
【0347】
次のステップS93では、その新たなイベントのイン点のクリップ画像データがイベント表示エリア29に表示される。この処理が終了すると、CPU10は次のステップS97に移ってトリミングの処理を終了する。
【0348】
一方、ニューイベントボタン33が押されなかったためステップS94に進んだ場合には、CPU10は、リプレイスボタン35が押されたか否かを判断する。この判断は、リプレイスボタン35の位置にカーソルがある状態でマウス2dがクリックされたか否かに基づいて行われる。その結果、リプレイスボタン35が押されたのであればステップS95に進み、リプレイスボタン35が押されなかったのであればステップS83に戻って処理を繰り返す。
【0349】
ステップS95では、CPU10は、イン点またはアウト点をステップS88でマーキングされたと判定されたクリップ画像データに置き換える。すなわちこの場合には、イベントに関する第2のマネージメントレコードデータの内容をマーキングされたイン点またはアウト点のクリップ画像データに置き換えるだけであり、新たにイベントを登録するのではなく、元のイベントの内容を更新するだけである。
【0350】
次のステップS96では、その更新されたイベントのイン点のクリップ画像データをイベント表示エリア29の元のイベントの位置に表示する。この処理が終了すると、CPU10は次のステップS97に移ってトリミングの処理を終了する。
【0351】
〔プリロール〕
次に指定されたマーキングポイントよりも所定時間前の位置から自動的に再生動作を開始してマーキングポイントを修正するプリロール動作について、図30および図31に示すフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートは、ハイブリッドレコーダ3がビデオ信号V1の記録動作を開始している状態であって、かつ記録ビデオ画面21aにビデオ信号V2が表示されている状態からスタートするものとする。
【0352】
まずステップS100から入ったステップS101において、CPU10は、プリロールモードの起動が設定されているか否かを判断する。この判断は、タイミング表示エリア22にあるプリロールボタン22eが既にクリックされてプリロールモードの起動が指定されているか否かに基づいて行われる。
【0353】
次のステップS102では、CPU10は、環境設定においてプリロール時間として上述したキューアップ時間が既に設定されているか否かを判断する。この判断は、RAM10b内の環境設定データ用の記憶領域にキューアップ時間が格納されているか否かに基づいて行われる。これらの判断の結果、プリロールモードの起動が指示され、かつプリロール時間が設定されているのであれば、CPU10は次のステップS103に進む。
【0354】
ステップS103では、CPU10は、記録ビデオマーキングエリア24のマークインボタン24cがクリックされて、イン点のマーキングが行われたか否かを判断する。その結果、イン点のマーキングが行われたのであれば、ステップS104に移り、ここでそのイン点のクリップ画像データを生成する。なお、このクリップ画像データは、フレームメモリ11cに記憶されているビデオデータをVRAM13bに読み出すことにより生成される。その際、読出しのサンプル数を少なくすることによりデータ量を1/16に間引いているので、クリップ画像データとしては95画素×60画素の画像サイズのものが生成される。
【0355】
ステップS105では、そのVRAM13bに記憶されているクリップ画像データが読み出され、記録ビデオマーキングエリア24のインクリップ表示エリア24aに表示される。次のステップS106では、CPU10はキューアップのためのタイムコードを演算する。具体的には、指定されたイン点のクリップ画像データのタイムコードを参照すると共に、設定されているキューアップ時間を参照し、指定されたイン点からキューアップ時間分だけ前にシフトした位置(すなわち再生開始点)のタイムコードを算出する。
【0356】
次のステップS107では、CPU10は、その算出したタイムコードの位置からリアルタイムでビデオデータを再生させるための再生コマンドを外部インタフェース18に送出する。これを受けた外部インタフェース18は、その再生コマンドをRS−422規格の通信フォーマットに変換してハイブリッドレコーダ3に送出する。これによりハイブリッドレコーダ3は、指示されたタイムコードに対応する記録アドレスからビデオデータを順に読み出して行くことにより、指示されたタイムコードの位置から始まる再生ビデオデータを生成する。このビデオデータはビデオ信号V3として映像効果装置6に入力され、そこからビデオ信号V6としてコンピュータ2内の第2のビデオプロセッサ12に送出される。
【0357】
ステップS108では、第2のビデオプロセッサ12においてビデオ信号V6からのタイムコードの抽出が行われると共に、ビデオ信号V6をディジタルのコンポーネントビデオデータに変換する画像処理が行われる。なお、この変換されたビデオデータは、第2のビデオプロセッサ12内のフレームメモリ12cに一時的に記憶される。
【0358】
ステップS109では、フレームメモリ12cに記憶されている再生ビデオデータを380画素×240画素となるように縮小した上で、VRAM13bに転送する。
【0359】
ステップS110では、そのVRAM13bに記憶されている再生ビデオデータを、再生ビデオ画面23aに表示する。これによりオペレータが指定したイン点よりもキューアップ時間分だけ前の位置から始まるリアルタイムのビデオデータが再生ビデオ画面23aに表示されることになる。
【0360】
次のステップS111では、CPU10はマーキングがされたか否かを判断する。マーキングされたか否かの判断は、再生ビデオマーキングエリア27のマークインボタン27cまたはマークアウトボタン27fのエリア内にカーソルが位置する状態でマウス2dがクリックされたか否かに基づいて行われる。その結果、マークインボタン27cがクリックされたのであれば、イン点が指定されたと判断してステップS112に進み、マークアウトボタン27fがクリックされたのであれば、アウト点が指定されたと判断してステップS115に進む。
【0361】
ステップS112では、イン点のクリップ画像データを生成する。このイン点のクリップ画像データは、フレームメモリ12cに記憶されているビデオデータをVRAM13bに読み出すことにより生成される。その際、読出しのサンプル数を少なくすることによりデータ量を1/16に間引いているので、クリップ画像データとしては95画素×60画素の画像サイズのものが生成される。ステップS113では、VRAM13bに記憶されているイン点のクリップ画像データが読み出され、インクリップ表示エリア27aに表示される。ステップS114では、先にマーキングされ、インクリップ表示エリア27aに表示されていたイン点のクリップ画像データをクリップ表示エリア28に移動する。なお、先にマーキングがされておらず、インクリップ表示エリア27aにクリップ画像データが表示されていなかった場合には、この処理は行われない。このステップS114の処理が終えると、CPU10はステップS122に進む。
【0362】
一方、アウト点のマーキングのためステップS115に進んだ場合には、ここでアウト点のクリップ画像データを生成する。このアウト点のクリップ画像データも、フレームメモリ12cに記憶されているビデオデータをVRAM13bに読み出すことにより生成される。またこの場合にも、読出しの際に、データ量を1/16に間引くことによって95画素×60画素のクリップ画像データが生成される。ステップS116では、VRAM13bに記憶されているアウト点のクリップ画像データが読み出され、アウトクリップ表示エリア27dに表示される。
【0363】
ステップS117では、CPU10は、先にマーキングされたクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるか否かを判断する。その結果、先にマーキングされたクリップ画像データがイン点のクリップ画像データであるのであればステップS118に進み、先にマーキングされたクリップ画像データがアウト点のクリップ画像データであるのであればステップS119に進む。
【0364】
ステップS118では、CPU10はイベントとして新しく登録するか否かの判断を行う。この判断は、オペレータによるニューイベントボタン33のクリック操作に基づいて行われる。ニューイベントボタン33がクリックされ、イベント登録が指示された場合にはステップS120に進み、ニューイベントボタン33がクリックされず、イベント登録が指示されなかった場合にはステップS119に進む。
【0365】
ステップS120では、CPU10は、イン点からアウト点までの区間をイベントとして登録する。なお、このときには、図13乃至図17に示したように、イベントに関しての第2のマネージメントレコードデータが生成される。ステップS121では、生成されたイベントのイン点のクリップ画像データをイベント表示エリア29にコピーし、当該イベント表示エリア29にクリップ画像データを表示する。この処理が終了すると、CPU10は次のステップS122に進む。
【0366】
一方、先のマーキングによって生成されたクリップ画像データがアウト点のクリップ画像データであったためステップS119に進んだ場合には、ここで先のマーキングによって生成されたアウト点のクリップ画像データをクリップ表示エリア28に移動する。なお、先にマーキングがされておらず、アウトクリップ表示エリア27dにクリップ画像データが表示されていなかった場合には、この処理は行われない。このステップS119の処理が終わると、CPU10はステップS122に進む。
【0367】
ステップS122では、CPU10は、再生ビデオ画面23aに表示されているビデオデータの再生停止が指示されたか否かを判断する。その結果、再生停止が指示されなかった場合には、ステップS111に戻って処理を繰り返し、再生停止が指示された場合には、次のステップS123に進む。
【0368】
ステップS123では、CPU10は再生停止コマンドを外部インタフェース18を介してハイブリッドレコーダ3に送出する。これによりハイブリッドレコーダ3はビデオデータの読出し動作を停止して、再生動作を停止する。このステップS123の処理が終了すると、CPU10はステップS124に移ってプリロールの処理を終了する。
【0369】
〔プログラム作成〕
次に生成されたイベントを使用してプログラムを作成するときの処理について、図32に示すフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートは、既にイベントが生成されている状態からスタートするものとする。まずステップS130から入ったステップS131において、CPU10はイベントが指定されたか否かを判断する。このときCPU10は、カーソルがイベント表示エリア29のクリップ画像データ表示エリア29aにある状態で、マウス2dがダブルクリック(2回連続したクリック操作)されると、そのイベントが指定されたと判断する。
【0370】
その結果、イベントの指定があった場合には、次のステップS132において、CPU10はその指定されたイベントをアクテイブ状態、すなわち移動可能状態にする。
【0371】
次のステップS133では、CPU10は、マウス2dがクリックされたままの状態でカーソルが移動されたか否か、すなわちドラッグされたか否かを判断する。その結果、ドラッグされたのであれば次のステップS134において、カーソルの動いた方向と距離を演算する。次のステップS135では、CPU10は、その演算した方向と距離に基づいて、指定されたイベントのクリップ画像データの表示位置を変更する。なお、このステップS133からステップS135までの処理は速やかに行われるため、モニタ2bの画面上においてはカーソルと共にイベントのクリップ画像データが動いて行くように見える。
【0372】
ステップS136では、CPU10は、マウス2dのクリックボタンが離されたか否か、すなわちクリックが解除されたか否かを判断する。その判断の結果、クリックが解除されていなければステップS133に戻って処理を繰り返し、クリックが解除されたのであれば次のステップS137に移り、そこでクリックが解除されたときのカーソルの位置を演算する。
【0373】
ステップS138では、CPU10は、算出したカーソル位置に基づき、当該カーソル位置によって指定されるイベントの表示位置よりも右側に他のイベントが表示されているか否かを判断する。その結果、右側に他のイベントが表示されているのであればステップS139に移り、右側に他のイベントが表示されていないのであればステップS140に移る。
【0374】
ステップS139では、CPU10は、その右側に表示されている他のイベントの表示位置をさらに右側に移動し、指定されたイベントを挿入し得るようにする。これが終わると、CPU10はステップS140に移る。
【0375】
ステップS140では、CPU10は、カーソルによって指定されたプログラム表示エリア30上の位置に、指定されているイベントのクリップ画像データを表示する。ステップS141では、CPU10は、ステップS140によるイベント挿入に合わせて、プログラムに関する第2のマネージメントレコードデータのデータ内容を更新する。具体的には、第2のマネージメントレコードデータ内の前または後ろにリンクしているデータへのポインタ部分を修正する。なお、新たに挿入したイベントに関しては第2のマネージメントレコードデータがないので、これについては新たに生成する。
【0376】
この処理が終了すると、CPU10は次のステップS142に移って編集リストを作成し、さらに次のステップS143に進み、プログラム作成処理を継続するか否かを判断し、継続するのであればステップS131に戻って処理を繰り返し、プログラム作成処理を終了するのであればステップS144に移って処理を終了する。
【0377】
以上のようにして、プログラム表示エリア30に所定のイベントを配列したとき、図14を参照して上述したように、映像効果設定エリア25から、所定のエフェクトを選択し、所定の位置に挿入配置することで、所定のイベントに対して、エフェクトを作用させることができる。
【0378】
ここで、図33を参照して、映像効果設定エリア25について説明する。映像効果設定エリア25は、図33、並びに図5および図6に示すように、ボタン25a乃至25m、ボタン25n−1乃至25n−10、およびボタン25pを有している。ボタン25a乃至25mは、予め用意されている所定のエフェクトを設定するとき操作されるボタンである。この例においては、ボタン25aはワイプ(Wipe)、ボタン25bはミックス(Mix)、ボタン25cはモザイク(Mosaic)、ボタン25dはピクチャインピクチャ(P in P)、ボタン25eはページターン(Page Turn)、ボタン25fはDSK、ボタン25gはモディファイ(Modify)、ボタン25hはカット(Cut)、ボタン25iはスライド(Slide)、ボタン25jはフリップ/タンブル(Flip/Tumble)、ボタン25kは2D、ボタン25mは3D、の各エフェクトが対応されている。
【0379】
ワイプは、選択したワイプパターンに従って、古い画像をぬぐいさるように消しながら、新しい画像を挿入するエフェクトである。ミックスは、古い画像をフェードアウトさせながら、新しい画像をフェードインさせるエフェクトである。モザイクは、画像をモザイク状にするエフェクトである。ピクチャインピクチャは、1つの画像の中に、他の1つの画像を縮小して表示するエフェクトである。ページターンは、ページをめくるようにして、古い画像から新しい画像に切り替えるエフェクトである。DSKは、既にエフェクトをかけた画像に、さらに、文字や図形を挿入するエフェクトである。
【0380】
モディファイは、画面を縦横、上下などに区切り、鏡に写したような画像としたり、画像の一部分を画面一杯に拡大したり、スポットライトを当てたような画像にするエフェクトである。カットは、古い画像を新しい画像に瞬時に切り換えるエフェクトである。スライドは、新しい画像が画面の端から表れて、画面上を滑るようにして、古い画像と切り替わるエフェクトである。2Dは、2次元回転するエフェクトであり、3Dは、3次元回転するエフェクトである。
【0381】
また、ボタン25n−1乃至25n−10は、ユーザが予め各パラメータを所定の値に設定したエフェクトを登録したボタンである。従って、このボタン25n−iを操作すると、予め設定した所定のエフェクトを読み出すことができる。
【0382】
ボタン25pは、ダイレクトボタンとされ、このボタンを押したとき、ダイレクトエフェクト操作ウインドウ(図46を参照して後述する)がプルダウン表示される。
【0383】
ここで、図34のフローチャートを参照して、ユーザが、設定した所定のエフェクトを、ボタン25n−1乃至25n−10に割り付ける処理について説明する。ユーザは、所定のエフェクトをボタン25n−1乃至25n−10のいずれかに割り付けるとき、映像効果設定エリア25内のエフェクトが設定されているボタンを選択し、これをドラッグする。例えば、ワイプのボタン25aをオンして、後述するようにして、所定のパラメータを設定することができる。設定されたパラメータに基づくワイプのエフェクトを使用する場合には、ボタン25aを、以後用いるようにすればよいが、パラメータの値を他の値に設定したワイプのエフェクトも利用したいような場合(すなわち、2種類以上のワイプを、必要に応じて使い分ける場合)、パラメータの値が所定の値に設定された第1のワイプのエフェクトを、例えば、ボタン25n−1に割り付けることができる。このようにすれば、以後、パラメータをその値に設定した第1のワイプを利用したい場合、ワイプのボタン25aの代わりに、ボタン25n−1を用いることができる。そして、ボタン25aは、パラメータを他の値に設定した第2のワイプの場合に利用することができる。
【0384】
このようなために、ボタン25aに設定したエフェクトを、ボタン25n−1に割り付ける場合、ユーザは、ボタン25aをマウス2dを操作してドラッグし、ボタン25n−1上でドロップする。このため、ステップS161において、CPU10は、エフェクトが設定されているボタンがドラッグされるまで待機し、ドラッグされた場合には、ステップS162に進み、マウス2dのボタンが離されたか否かを判定する。マウス2dのボタンが離された場合には、ステップS163に進み、マウス2dのボタンが離された位置は、ユーザエフェクト割り付け可能なボタン、すなわち、ボタン25n−1乃至25n−10のいずれかの上であるか否かが判定される。これらのボタン25n−1乃至25n−10以外の位置で、マウス2dのボタンが離された場合には、割り付け処理を行うことができないので、ステップS161に戻る。
【0385】
ステップS163において、マウス2dのボタンがボタン25n−1乃至25n−10のいずれかの上で離された(ドロップされた)と判定された場合には、ステップS164に進み、そのボタンに、ドラッグされたボタンに設定されているエフェクトを割り付ける処理を実行する。例えば、ボタン25aをボタン25n−1上にドラッグアンドドロップすると、ボタン25aに設定されているエフェクトが、ボタン25n−1に割り付けられることになる。
【0386】
次に、図35のフローチャートを参照して、プログラム表示エリア30上に、所定のエフェクト設定クリップ画像データをドラッグアンドドロップして、所定のイベントに対してエフェクトを付加させる場合の設定処理について説明する。
【0387】
最初に、ステップS201において、映像効果設定エリア25内のボタン25a乃至25p、またはボタン25n−1乃至25n−10のいずれかが押されるまで待機する。ステップS201において、映像効果設定エリア25の所定のボタンが操作されたと判定された場合、ステップS202に進み、CPU10は、このとき操作されたボタンに対応するダイアログなどを表示させる。例えば、ワイプのボタン25aが操作された場合、図36に示すようなエフェクト設定ダイアログがプルダウン表示される。このダイアログの表示部701には、このエフェクト設定ダイアログが対応しているエフェクトの名称が表示される。いまの場合、ワイプのボタン25aを操作したので、ここには、「Wipe」の文字が表示される。例えば、ミックスのボタン25b、またはモザイクのボタン25cを操作した場合には、この表示部701には、「Mix」または「Mosaic」の文字が、それぞれ表示される。
【0388】
表示部702には、エフェクトを作用させる方向が表示されている。ノーマル(Normal)を選択すると、時間が経過する方向にエフェクトが作用し、リバース(Reverse)を選択すると、時間をさかのぼる方向にエフェクトが作用する。表示部703には、表示部704に表示されているエフェクトパターンの中から選択したパターンの番号が表示される。表示部704には、この例の場合、12種類のワイプのパターンが表示されている。スライドボタン705を操作することで、ここに表示されていないパターンを表示部704に表示させることができる。ユーザは、所定のパターンをマウス2dでクリックすることで、そのパターンを選択することができる。選択されたパターンの番号が表示部703に表示される。
【0389】
表示部76には、エフェクトの作用する時間(実行開始から終了までの時間)をフレーム数で設定するための表示がなされている。10,15,30,45または60のいずれかを選択することで、その数字に対応するフレームを直接的に設定することができる。あるいは、スライドボタン708、クイックボタン709,710を操作することで、表示部707に任意のフレーム数を表示、設定させることができる。プレビューボタン711は、各種のパラメータを設定し、そのエフェクトの実際の変化を確認するとき操作される。
【0390】
キャンセルボタン713は、設定したパラメータをキャンセルするとき操作され、OKボタン714は、パラメータの設定を完了したとき操作される。ディテールボタン712は、より詳細なエフェクトのパラメータを設定するとき操作される。このディテールボタン712が操作されると、図37に示すようなエフェクト詳細設定ダイアログがプルダウン表示される。
【0391】
図37に示すエフェクト詳細設定ダイアログにおいては、表示部721に、エッジに関するパラメータが表示されている。その表示部722には、エッジのタイプが表示されている。このエッジのタイプとしては、ボーダ、またはソフトエッジを選択することができる。表示部722の下方には、スライドボタン723とスクロールボタン724が設けられており、これらをマウス2dで操作し、スライドボタン723を所定の位置に配置することで、エッジの幅を所定の値に設定することができる。チェックボックス725は、ボーダのカラーを選択するとき操作される。このチェックボックス725をクリックすると、カラーピッカー(Color Picker)ダイアログ(図示せず)が表示され、それを用いてボーダの色を選択することができる。チェックボタン721aは、表示部721における表示設定を有効にするとき操作される。
【0392】
表示部731には、エフェクト実行時のバックグラウンドまたはフォアグラウンドとは別の背景パターンと背景色のマットに関するパラメータが表示されている。表示部732には、背景(バックグラウンド)のパラメータが表示され、表示部733には、マットパターンの番号が表示される。
【0393】
表示部741には、エフェクトコントロールのパラメータが表示されている。この例では、表示部744に、エフェクトのパラメータの名称が表示され、その名称のパラメータを、スライドボタン742またはスクロールボタン743を操作することで、所定の値に設定することができるようになされている。この例では、4つのパラメータが表示されるようになされている。これにより、選択したエフェクトパターンに固有なパラメータの設定が行われる。
【0394】
表示部751においては、エフェクト実行時に画像の一部分だけが見えるように画枠を小さくするクロップのパラメータが表示、設定される。表示部752には、クロップ領域を反転する(ON)かしない(OFF)かを設定することができる。スライドボタン753とスクロールボタン754でクロップ領域の左端、スライドボタン758とスクロールボタン759でクロップ領域の右端、スライドボタン755とスクロールボタン756でクロップ領域の上端、そして、スライドボタン760とスクロールボタン761でクロップ領域の下端を、それぞれ指定することができる。チェックボタン751aは、表示部751における表示設定を有効にするとき操作される。
【0395】
表示部770には、XYZの座標を入力するボタンが表示されている。スライドボタン771とスクロールボタン772によりX座標が、スライドボタン773とスクロールボタン774によりY座標が、そしてスライドボタン775とスクロールボタン776によりZ座標(大きさ)が、それぞれ入力されるようになされている。この入力は、選択したエフェクトパターンが座標系の設定を必要とする場合に行われる。
【0396】
さらに、OKボタン783は、設定したエフェクトを確定するとき操作され、キャンセルボタン782は、設定したパラメータをキャンセルするとき操作され、プレビューボタン781は、設定したパラメータを確認するとき操作される。
【0397】
図35の説明に戻って、以上のように、図36と図37に示すエフェクト設定ダイアログあるいはエフェクト詳細設定ダイアログを用いて、所定のエフェクトのパラメータを設定すると、ステップS203で、設定したパラメータがCPU10のRAM10bに記憶される。
【0398】
また、上述したように、例えばワイプのボタン25aをオンして、図36に示すエフェクト設定ダイアログを表示させ、さらに必要に応じて、ディテールボタン712を操作して、図37に示すエフェクト詳細設定ダイアログを表示させ、所定のパラメータを設定した後、ボタン25aをボタン25n−1にドラッグアンドドロップすることで、設定したパラメータに対応するエフェクトを、ボタン25n−1に対応させることができる。このようにすると、以後、このボタン25n−1を、ボタン25a乃至25mと同様に、プログラム表示エリア30の所定の位置にドラッグアンドドロップすることで、そのエフェクトをプログラム上に設定することが可能となる。
【0399】
そこで、以上のような設定が行われた後、ステップS204において、映像効果設定エリア25のボタンがドラッグされるまで待機し、所定のボタンが操作されたとき、ステップS205に進み、カーソルの動いた方向と距離がCPU10により演算される。ステップS206では、CPU10は、指定されたエフェクト設定クリップ画像データの表示位置を移動する。
【0400】
例えば、図33に示すように、カーソルをボタン25n−1(数字1が表示されているボタン)に配置し、そこでマウス2dをクリックし、ドラッグすると、カーソルの周囲にエフェクト設定クリップ画像データの枠30E−1が表示され、その枠30E−1がドラッグに対応して枠30E−2,枠30E−3のように移動する。
【0401】
ステップS207においては、カーソルの現在位置が計算され、その現在位置がプログラム表示エリア30の領域内に位置する場合には、カーソルを、図38に示すように、プログラム表示エリア30上のクリップ画像データのいずれの間に挿入するかを示す形状に変化させる。
【0402】
すなわち、例えば、図39(A)に示すように、ドラッグしたエフェクトに対応するエフェクト設定クリップ画像データの枠30Eの中心が、クリップ画像データ30a2と30a3の間に最も近い位置に配置されている場合には、その中心から、そのクリップ画像データ30a2とクリップ画像データ30a3の境界部の方向に指向するカーソルとされる。これに対して、同図(B)に示すように、枠30Eの中心がクリップ画像データ30a1とクリップ画像データ30a2の境界部に近い場合には、その中心から、その境界部の方向に指向するカーソル形状とされる。
【0403】
以上の原理をまとめると、図40に示すようになる。すなわち、枠30Eの中心が、近い方向の境界部に指向するカーソル形状となるように、カーソル形状が変化される。これにより、ユーザは、その時点でドラッグを解除して、枠30Eをドロップしたとき、そのエフェクト設定クリップ画像データは、クリップ画像データ30a2とクリップ画像データ30a3の間に挿入されるのか、あるいは、クリップ画像データ30a1とクリップ画像データ30a2の間に挿入されるのかを容易に判定することができる。
【0404】
次に、図35のステップS208に進み、マウス2dのボタンが離されたか否かが判定され、離されていなければ、ステップS204に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。ステップS208において、マウス2dのボタンが離されたと判定された場合、ステップS209に進み、その離されたときのカーソルの位置が計算され、ステップS210では、エフェクト設定クリップ画像データに対応する枠30Eの中心が、その中心が位置するクリップ画像データ(例えば、図39のクリップ画像データ30a2)の右側の境界部に近いか否かが判定される。
【0405】
枠30Eの中心が、図39(A)に示すように、クリップ画像データの右側の境界部に近い場合には、ステップS211に進み、そのクリップ画像データ30a2の右側に表示されているクリップ画像データ30a3を1クリップ画像データ分だけ右側に移動し、そのクリップ画像データが、それまで位置していた位置に枠30Eに対応するエフェクト設定クリップ画像データを挿入配置する。これに対して、図39(B)に示すように、枠30Eの中心が、それが位置するクリップ画像データの左側の境界部に近いと判定された場合、ステップS212に進み、そのクリップ画像データ30a2を1クリップ画像データ分だけ右側に移動し、クリップ画像データ30a2がそれまで位置していた位置に、枠30Eに対応するエフェクト設定クリップ画像データを挿入配置する。
【0406】
次に、ステップS213に進み、マネージメントレコードデータを更新する処理が実行される。すなわち、図39(A)の場合には、クリップ画像データ30a2の第2のマネージメントレコードデータにエフェクト設定クリップ画像データ30A1の第2のマネージメントレコードデータをリンクし、それにさらに、クリップ画像データ30a3の第2のマネージメントレコードデータをリンクする。
【0407】
これに対して、図39(B)に示す例においては、クリップ画像データ30a1に対応する第2のマネージメントレコードデータに、エフェクト設定クリップ画像データ30A1の第2のマネージメントレコードデータがリンクされ、それにさらに、クリップ画像データ30a2の第2のマネージメントレコードデータがリンクされる。
【0408】
さらに、ステップS214に進み、プログラム作成処理を継続するか否かを判定し、継続する場合には、ステップS201に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。プログラム作成処理を継続しない場合には、処理が終了される。
【0409】
次に、図41のフローチャートを参照して、ピクチャインピクチャ設定時のサブ画面領域調整処理、すなわち、図41に示すように、再生ビデオ画面23aにおいて、親画面として、大きく表示されている画面中の所定の位置に表示される子画面(サブ画面)の表示位置を調整する処理について説明する。
【0410】
最初に、ステップS231において、ユーザは、映像効果設定エリア25のピクチャインピクチャボタン25dをクリックし、図36に示すようなエフェクト設定ダイアログを表示させる。但し、いまの場合、ピクチャインピクチャボタン25dがクリックされたので、その表示部701には、P in Pの文字が表示される。次に、ステップS232において、ユーザは、エフェクト設定ダイアログのディテールボタン712を操作し、図37に示すようなエフェクト詳細設定ダイアログを表示させる。
【0411】
さらに、ステップS233において、設定するエフェクトがピクチャインピクチャであるか否かを判定し、ピクチャインピクチャ以外のエフェクトを設定する場合には、ステップS245に進み、その対応するエフェクトの設定処理を実行する。
【0412】
これに対して、設定するエフェクトがピクチャインピクチャである場合には、ユーザは、上述したように、例えば、ロケーションの表示部770において、ピクチャインピクチャの表示座標を設定するなどの所定の設定処理を行った後、OKボタン783をオンする。このとき、CPU10は、ステップS234において、図42に示すように、再生ビデオ画面23a上に、ピクチャインピクチャサブ画面領域設定バーBAR1を、設定に対応する位置にオーバーレイ表示させる。
【0413】
次に、ステップS235に進み、バーBAR1の内部のピクチャインピクチャサブ画面領域がドラッグされるまで待機し、ドラッグされた場合には、ステップS236,S238,S240において、領域の角BARCがドラッグされたのか(ステップS236)、辺BARLがドラッグされたのか(ステップS238)、または領域の内部BARRがドラッグされたのか(ステップS240)が、それぞれ判定される。
【0414】
ステップS236において、角BARCがドラッグされたと判定された場合、ステップS237に進み、ドラッグされたマウスカーソルの座標を計算し、その計算結果に対応して、ピクチャインピクチャの領域の大きさを変更する(バーBAR1の大きさを変更する)。ステップS238において、辺BARLがドラッグされたと判定された場合には、ステップS239に進み、バーBAR1のボーダ幅の大きさが、ドラッグしたカーソルの座標の計算結果に対応して変更される。ステップS240において、領域の内部BARRがドラッグされたと判定された場合には、ステップS241に進み、領域の中心点がドラッグ位置に対応して移動される。ドラッグされたのが、角BARC、辺BARLまたは領域の内部BARRのいずれでもない場合には、ステップS240からステップS236に戻る。すなわち、この場合には、操作ミスとして、特別の処理を行わない。
【0415】
なお、バーBAR1をマウス2dで直接操作することで入力された値は、図37のエフェクト詳細設定ダイアログの表示部770の表示にも反映される。
【0416】
以上のようにして、エフェクト詳細設定ダイアログを操作することで、ピクチャインピクチャのサブ画面領域設定を変更することができるが、再生ビデオ画面13a上において、カーソルを操作することで、サブ画面領域設定を直接修正変更することもできる。従って、ユーザは、親画面を見ながら、最適な子画面(サブ画面)の位置を適宜設定することが可能となる。
【0417】
ステップS237,S239,S241の処理の後、ステップS242に進み、エフェクト設定ダイアログのOKボタン714がクリックされたか否かを判定し、クリックされていない場合には、ステップS235に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。ステップS242において、OKボタン714がクリックされたと判定された場合には、ステップS243に進み、ピクチャインピクチャのパラメータの設定状態を保存する処理が実行される。すなわち、これらのパラメータの値は、CPU10のRAM10bに保存される。
【0418】
なお、この処理は、図47を参照して後述するスプリットの割合を調整する場合にも、適用することができる。
【0419】
図42において、メインボタン23bまたはサブボタン23cを操作することで、再生ビデオ画面23aの親画面の画像を、メインのハイブリッドレコーダ3aの出力する画像、またはサブのハイブリッドレコーダ3bの出力する画像に、それぞれ切り替えることができる。M/Eボタン23dが操作された場合には、DSK映像を含まない映像効果処理後の画像が親画面に表示される。DFSボタン23eが操作された場合には、DSKを含む全ての映像効果処理後の画像が表示される。GSM(Good Shot Marker)ボタン23fは、グッドショットマーカーを書き込んだ画像データを検索し、表示させる場合に操作される。すなわち、ユーザが、GSMボタン23fを操作した後、スクロールボタン23faを操作すると、ハイブリッドレコーダ3のハードディスクに予め記録されている所定の画像データのグッドショットマーカーが検索され、そのグッドショットマーカーの記録位置からキューアップ時間だけさかのぼった位置から画像が表示されることになる。
【0420】
次に、図43のフローチャートを参照して、DSK設定時のマスク領域調整処理について説明する。最初に、ステップS261において、ユーザは、映像効果表示エリア25のDSKボタン25f(図33)を操作し、図44に示すようなDSK設定ダイアログを表示させる。同図に示すように、このDSK設定ダイアログにおいては、DSKスイッチ表示部851において、ダウンストリームキーモードの設定をオンまたはオフすることができる。ダウンストリームキー(DSK)モードを設定した場合には、エフェクトをかけた画像に対して、さらに文字や図形を挿入することができる。
【0421】
ボーダの表示部852においては、チェックボタン852aが設けられており、このチェックボタン852aをチェックすることで、ボーダの表示部852に設定したパラメータを有効とすることができる。表示部853には、ボーダのタイプを表示設定させることができる。ボーダのタイプは、幅の広いボーダ(ワイドボーダ)、幅の狭いボーダ(ナローボーダ)、背後の陰のようなボーダ(ドロップボーダ)、またはナローボーダとドロップボーダを組み合わせたダブルボーダのいずれかとすることができる。
【0422】
表示部855においては、ドロップボーダまたはダブルボーダを選択したときのボーダの位置を選択表示することができる。この位置としては、左上、右上、右下、または左下のいずれかを選択することができる。
【0423】
チェックボックス854は、ボーダカラーを設定するとき、クリックされる。このチェックボックス854がクリックされると、各種の色を設定するためのカラーピッカーダイアログが表示される。ユーザは、必要に応じて、このカラーピッカーダイアログを用いて、ボーダの色を設定する。
【0424】
キーの表示部860では、挿入する文字や図形の形をクリックキー操作信号やキーソース信号でくりぬいた部分を埋めるキーフィル信号に関する設定を行うことができる。表示部861では、キーソース信号として、内部信号(internal)を用いるか、または外部信号(external)を用いるかを指定することができる。表示部862では、キーソース信号が黒か白か(信号の極性)に応じて、黒い背景から白い文字を抜き取って挿入する場合には、noneが選択され、白い背景から黒い文字を抜き取って挿入する場合には、invertが選択される。表示部863では、使用するキーフィル信号を指定する。このキーフィル信号としては、DSK VIDEO(図4のDSK FILL INの端子701から入力されるフィル信号、DSK MAT(内部発生DSKマット)、SELF(図4のフロッピーディスク742から読み込んだ画像データ)、またはnone(フィル信号なし。すなわち、文字や図形のボーダのみが挿入される)のいずれかを選択指定することができる。
【0425】
チェックボックス864は、表示部863でDSK MATを指定した場合、カラーピッカーダイアログを表示して、マットを選択するとき操作される。
【0426】
クリップスライドボタン865またはクリップスクロールボタン866は、挿入した文字や図形の輪郭がはっきりしない場合、クリップスライドボタン865を所定の位置に配置することで、クリップレベルを調整するとき操作される。
【0427】
ゲインスライドボタン867とゲインスクロールボタン868は、挿入した文字や図形の濃さを調整するとき操作される。
【0428】
デンシティースライドボタン869とデンシティースクロールボタン870は、挿入した文字や図形の透明度を調整するとき操作される。
【0429】
表示部871は、コンピュータに別のフロッピーディスクを挿入して、キーフィル信号用画像データを変更したいとき操作され、表示設定される。
【0430】
マスクの表示部890においては、挿入する文字や図形の不要な部分を隠す(マスクする)場合の設定が行われる。設定したマスクを有効にする場合、チェックボタン890aがチェックされる。表示部891においては、マスクする領域(矩形の領域)の外側をマスクする(NORMAL)のか、または、内側をマスクする(INVERT)のかが選択される。スライドボタン892,894,896,898、並びに、スクロールボックス893,895,897,899は、マスクする領域の左端、右端、上端、または下端を指定するとき操作される。
【0431】
トランジションの表示部900においては、ダウンストリームキーエフェクトを開始してから終了するまでの時間をフレーム数で指定することができる。表示部901では、10,15,30,45または60の所定のフレーム数を設定することができる。また、(User)を選択した場合には、表示部902に任意の値のフレーム数を設定することができる。プレビューボタン905は、このダイアログの設定に基づくストリームキー設定エフェクト実行の様子をプレビューしたいときクリックされる。プレビュー画面は、再生ビデオ画面23aに表示される。
【0432】
フェーダのスライドボタン903またはスクロールボタン904を操作することで、所定のトランジション位置のプレビュー画面を確認することができる。
【0433】
キャンセルボタン911は、このDSK設定ダイアログで設定したパラメータをキャンセルするとき操作され、OKボタン912は、設定を有効とするとき操作される。
【0434】
ユーザは、以上に説明したDSK設定ダイアログを用いて、所定のパラメータを設定する。
【0435】
次に、ステップS262に進み、DSK設定ダイアログのマスクのチェックボックス890aがチェックされ、マスク設定がオンされているか否かが判定される。ステップS262において、マスク設定がオンされていないと判定された場合には、ステップS263に進み、DSK設定ダイアログを用いてその他の設定処理が行われる。
【0436】
ステップS262において、マスク設定がオンされていると判定された場合には、ステップS264に進み、CPU10は、図45に示すように、再生ビデオ画面23a上に、DSK設定ダイアログのマスクの表示部890において設定された左右上下の端部の位置に対応して、DSKマスク領域バーBAR2L,BAR2R,BAR2T,BAR2Bを表示させる。
【0437】
ステップS265においては、バーBAR2L乃至BAR2Bがマウス2dによりドラッグされるまで待機し、ドラッグされた場合には、ステップS266に進み、マウスポインタの座標から、そのバーの新たな位置を計算し、その計算された位置にバーを移動表示させる。例えば、バーBAR2Lが現在の表示位置より右または左にドラッグされた場合、そのドラッグされた位置に移動表示される。また、例えばバーBAR2Tが現在の表示位置より上または下方向にドラッグされた場合には、そのドラッグ後の位置に移動表示される。このようにして、ユーザは、DSK設定ダイアログを用いて、マスク領域を設定することができるだけでなく、実際の表示画面を見ながら、マウス2dを操作することで、マスク領域を設定することができる。従って、より適切な設定が可能となる。
【0438】
なお、ステップS266で、画面を見ながら、バーBAR2L乃至BAR2Bを直接操作して、マスク領域が設定された場合にも、その設定位置がDSK設定ダイアログのマスクの表示部890に反映される。
【0439】
次に、ステップS267に進み、DSK設定ダイアログのOKボタン912がオンされたか否かが判定され、オンされていない場合には、ステップS265に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。OKボタン912がオンされたと判定された場合には、ステップS268に進み、DSK設定ダイアログを用いて設定されたパラメータがRAM10bに保存される。
【0440】
このシステムは、ライブ映像を扱うことを得意としており、ライブ映像に対しても、リアルタイムでエフェクトを付与する(今、起きている映像に、クリックのみで、所定のエフェクトを付与する)ことができるようになされている。但し、ライブ映像に付与することができるエフェクトは、DSK処理の他は、ピクチャインピクチャまたはスプリット処理のうちの、ライブで使用される頻度の高いものだけに限定されている。
【0441】
ライブ映像に対してエフェクトを付与する場合、映像効果設定エリア25のダイレクトボタン25pが操作される。このダイレクトボタン25pが操作されると、図46に示すダイレクトエフェクト操作ウインドウが表示される。DSKインターナルオンボタン801は、図4の映像効果装置6のフロッピーディスク742から読み込まれたキー信号またはフィル信号によるDSK処理を開始または終了させるとき操作される。DSKエクスターナルボタン802は、図4のDSK FILL IN端子701から入力されるDSKフィル信号、またはDSK KEY IN端子702から入力されるDSKキー信号によるDSK処理を開始または終了させるとき操作される。
【0442】
DSKセットアップボタン803は、上記したDSK処理実行時におけるセットアップを行うための、上述した図44に示すDSK設定ダイアログを表示させるときオンされるボタンである。
【0443】
ダイレクトアウトセットアップボタン805は、図47に示すダイレクトエフェクト設定ダイアログを表示させるとき操作されるボタンであり、ダイレクトアウトオンボタン804は、ダイレクトアウトセットアップボタン805を操作して、ダイレクトエフェクト設定ダイアログを表示させ、設定されたパラメータに基づく画面表示を開始または終了させるとき操作されるボタンである。例えば、上述したようにして、ピクチャインピクチャにおける子画面の位置を所定の位置に調整した後、このダイレクトアウトオンボタン804を操作することで、調整された位置に子画面が表示された画像を出力することができる。
【0444】
図47に示すように、ダイレクトエフェクト設定ダイアログにおいては、表示部811において、新たにエフェクトを設定するとき、あるいは既存のエフェクトを呼び出すとき、そこにパターン番号を指定することができるようになされている。
【0445】
アウトプットスタイルの表示部812においては、2種類のピクチャインピクチャと4種類のスプリットの合計6種類のダイレクトエフェクトパターンの中のいずれか1つを選択することができるようになされている。メインインサブ表示部813を選択すると、サブ画像の中にメイン画像を挿入するピクチャインピクチャが実行される。サブインメイン表示部814を選択すると、メイン画像の中にサブ画像を挿入するピクチャインピクチャが実現される。V−M/S表示部815を選択すると、画面を左右に2分割し、左側にメイン画像を、右側にサブ画像を、それぞれ表示するスプリット画像を実現することができる。V−S/M表示部816を選択すると、画面を左右に2分割し、左側にサブ画像、右側にメイン画像を、それぞれ表示するスプリットを実現することができる。H−M/S表示部817を選択すると、画面を上下に2分割し、上にメイン画像を、下にサブ画像を、それぞれ表示するスプリット画像を実現することができる。H−S/M表示部818を選択すると、画面を上下に2分割し、上にサブ画像を、下にメイン画像を、それぞれ表示するスプリット画像を実現することができる。
【0446】
エッジの表示部821においては、アウトプットスタイルの表示部812で選択したエフェクトパターンのエッジの設定が行われる。エフェクトパターンにエッジを付ける場合には、チェックボタン821aがチェックされる。表示部822においては、エッジとしてボーダまたはソフトエッジのいずれか一方を選択することができる。チェックボックス823をチェックすることで、ボーダまたはソフトエッジのいずれか一方を選択することができる。WIDTH/SOFTの表示部のスライドボタン824またはスクロールボタン825を操作することで、ボーダエッジまたはソフトエッジの幅を選択することができる。
【0447】
インナーピクチャロケーションの表示部831においては、アウトプットスタイルの表示部812でピクチャインピクチャを選択した場合、挿入する画面(子画面)のサイズと位置を指定することができる。Xは、子画面の中心点のX座標を表し、Yは、子画面の中心点のY座標を表す。また、Sizeは、スライドボタン836またはスクロールボタン837を操作することで、スライドボタン836を所定の位置に配置させ、子画面の大きさを設定することができる。
【0448】
キャンセルボタン838は、このダイレクトエフェクト設定ダイアログにおいて設定したパラメータをキャンセルするとき操作され、OKボタン839は、これを有効とするとき操作される。
【0449】
このシステムにおいてはまた、オーディオ信号を他のオーディオ信号に変えて出力するボイスオーバー機能を有している。次に、このボイスオーバー機能について、図48のフローチャートを参照して説明する。
【0450】
最初に、ステップS281において、ユーザは、タイミング表示エリア22のモードボタン22bを操作して、タイムラインモードを設定させる。そして、ボイスオーバーボタン21dをオンする。このとき、CPU10は、ステップS282に進み、ボイスオーバー編集モードを設定する。そして、CPU10は、ステップS283において、図6のステータス表示エリアとしての表示部26jに「VOICE OVER」の文字を表示させる。
【0451】
次に、ステップS284において、ユーザは、タイムライン表示エリア40のビデオトラック40dにイベントを並べる処理を実行する。この処理は、例えばプログラム表示エリア30に表示された所定のクリップ画像データを、マウス2dを操作してドラッグアンドドロップすることで行うことができる。
【0452】
次に、ステップS285に進み、ユーザは、図6に示すボイスオーバーチャンネル指定ボタン45cを操作して、4つのチャンネルの中からボイスオーバーチャンネルを指定する。図49は、4つのチャンネルのうち、第4チャンネルをボイスオーバーチャンネルとして指定した場合のタイムライン表示エリア40を示している。同図に示すように、この場合においては、第4番目のチャンネルのみがボイスオーバーチャンネルとされ、そこに新たなオーディオ信号が記録されることになる。
【0453】
次に、ステップS286に進み、ユーザは、タイムライン表示エリア40のエディットバー40kを基準にして、ボイスオーバーのイン点とアウト点を指定する。この指定は、図7に示すタイムライン表示エリア40のサーチボタン40m、あるいは、スクロールボタン40i,40jをオンして、再生ビデオ画面23aにフレーム単位で表示されている画像を見ながら、マークインボタン27cまたはマークアウトボタン27fを操作することで行われる。
【0454】
図50は、イン点を先に指定した場合のタイムライン表示エリア40の表示例を表している。同図に示すように、イン点が指定されると、それより時間的に後のオーディオトラック40hの範囲が網掛け表示される。これに対して、アウト点が先に指定されると、図51に示すように、エディットバー40kより時間的に前方の範囲が網掛け表示される。イン点とアウト点の両方が設定されると、図52に示すように、イン点とアウト点の間の範囲が網掛け表示される。ユーザは、これにより、ボイスオーバーする範囲を視覚的に確認することができる。
【0455】
以上のようにして、ボイスオーバーする範囲を設定したとき、次に、ユーザは、プレビューして、その設定した範囲を確認することができる。この場合の処理について、図53のフローチャートを参照して説明する。
【0456】
プレビューを開始するとき、最初にステップS301において、ユーザは、図6のプレビューボタン45bをオンする。このとき、CPU10は、ステップS302において、RS−422を介して、ハイブリッドレコーダ3を制御し、プレビュー再生を実行させる。このとき、CPU10は、図54に示すように、ボイスオーバーのイン点より所定の時間(例えば、5秒間)だけ前の位置から再生を開始して、ボイスオーバーのアウト点より所定の時間(例えば、5秒間)分だけ後の位置まで再生を行う。この例の場合、ボイスオーバーのイン点とアウト点より5秒間だけ前後の範囲を実際に再生させる範囲としているが、この5秒間という時間は、任意の値に設定することが可能である。
【0457】
また、CPU10は、ステップS303において、ハイブリッドレコーダ3のCPU303にコマンドを出力してオーディオデータ制御部317(図18)を制御させ、図55に示すように、ボイスオーバーのイン点より前の5秒間の間は、HDD300から再生出力され、第3のスイッチ310から入力されるボイスオーバのチャンネル(いまの場合、第4チャンネル)のオーディオ信号を通常のレベルでスピーカ320から出力させるが、ボイスオーバーのイン点とアウト点の区間においては、10dB分だけ減衰させる。そして、ボイスオーバーのアウト点から後の5秒間の間は、再び通常のレベルでオーディオ信号を出力させる。従って、ユーザは、聴覚的に、ボイスオーバーの範囲を確認することが可能となる。
【0458】
なお、プレビュー再生時、対応するビデオ画像が再生ビデオ画面23aに表示されるのはもとよりである。
【0459】
以上のようにして、プレビュー再生を行った後、ユーザは、ボイスオーバーの範囲を修正する必要があるか否かをステップS304で判定する。修正する必要があると判定した場合には、ステップS305に進み、ボイスオーバー入力処理を実行する。そして、図48に示したボイスオーバー入力処理を行った後、ステップS301に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0460】
ステップS304において、ボイスオーバーの範囲を修正する必要がないと判定された場合、ステップS306に進み、ユーザは、一旦設定したボイスオーバーの範囲を削除する必要があるか否かを判定する。削除する必要がある場合には、ステップS307に進み、ユーザは、デリートボタン36を操作する。このとき、CPU10は、ステップS308に進み、一旦設定されたボイスオーバーの範囲を削除する処理を実行する。ステップS306において、設定したボイスオーバーの範囲を削除する必要がないと判定された場合には、プレビュー処理が終了される。
【0461】
以上のようにして、設定したボイスオーバーの範囲をプレビューにより確認した後、実際にボイスオーバーを実行して、第4チャンネルに新たな音声信号を記録することができる。次に、図56のフローチャートを参照して、この場合のボイスオーバー記録処理について説明する。
【0462】
最初にステップS321において、ユーザは、記録開始および終了ボタン31aをオンする。このボタン31aがオンされたとき、ステップS322に進み、CPU10は、RS−422を介して、ハイブリッドレコーダ3を制御し、再生と記録動作を開始させる。このとき、ハイブリッドレコーダ3のCPU303は、HDD300を制御し、図55に示したように、プレビューした範囲と同一の範囲を再生させる。但し、ボイスオーバするオーディオ信号の記録は、図57に示したように、予め設定したマージンの分だけイン点より前の位置から開始させる。そして、ステップS323に進み、CPU10は、イン点合図出力処理を実行する。このイン点合図出力処理の詳細は、図58に示されている。
【0463】
すなわち、イン点合図出力処理においては、最初にステップS341において、ボイスオーバーのイン点より3秒前に達するまで待機し、達した場合には、ステップS342に進み、イン点より3秒前であることを表すキャラクタを表示させるとともに、音声信号を出力させる。すなわち、CPU10は、再生ビデオ画面23aに、例えば図59に示すように、手の指で3を表す図形(図60(A))を表示させる。また、CPU10は、図61に示すように、イン点より3秒前であることを表す音声信号「ピッ」を、CPU303を介してオーディオデータ制御部317を制御して、スピーカ320から出力させる。
【0464】
次に、ステップS343において、イン点まで2秒前に達するまで待機し、イン点まで2秒前に達したとき、ステップS344に進み、合図のキャラクタ表示と音声出力を実行する。すなわち、このとき、CPU10は、再生ビデオ画面23aに、図60(B)に示すような指で数字2を示す図形を表示させる。また、図61に示すように、2秒前であることを表す音声「ピッ」を、スピーカ320から出力させる。
【0465】
さらに、ステップS345に進み、イン点より1秒前に達するまで待機した後、イン点より1秒前に達したとき、ステップS346に進み、合図のキャラクタ表示と音声の出力処理を実行する。この場合、再生ビデオ画面23aに、図60(C)に示すような指で1の数字を表す図形が表示されるとともに、図61に示すように、イン点より1秒前であることを表す「ピッ」が出力される。
【0466】
次に、ステップS347においては、イン点に達するまで待機し、イン点に達したとき、ステップS348に進み、合図のキャラクタ表示を実行する。すなわち、この場合、再生ビデオ画面23aに、図60(D)に示すボイスオーバーの開始を示す手の図形を表示させる。これにより、アナウンサは、ボイスオーバする音声の発生のタイミングを図ることができる。
【0467】
以上のようにして、ボイスオーバーのイン点に達すると、CPU10は、ステップS324において、ハイブリッドレコーダ3のCPU303を制御し、再生音声信号のレベルを減衰させる。このコマンドに対応して、CPU303は、オーディオデータ制御部317を制御し、オーディオ信号のレベルを10dB分だけ減衰して、スピーカ320から出力させる。
【0468】
また、ボイスオーバーの音声信号を入力するアナウンサは、再生ビデオ画面23aに、図60(D)に示す図形が表示されたタイミングにおいて、マイクロホン8からボイスオーバーする音声信号の入力を開始する。この音声信号は、スイッチ315、A/D変換器316を介してオーディオデータ制御部317に入力され、オーディオデータ制御部317において、HDD300から再生されたオーディオ信号に合成される。いまの場合、HDD300から再生されたオーディオ信号を10dBだけ減衰して、マイクロホン8から入力されたオーディオ信号と合成するようにしたが、HDD300から再生されたオーディオ信号を完全に減衰させれば、実質的に、HDD300から再生されたオーディオ信号を、マイクロホン8から入力されたオーディオ信号に差し替えることができる。
【0469】
オーディオデータ制御部317から出力されたオーディオ信号は、デコーダ305、第1のスイッチ304、エンコーダ306を介して、ビデオテープレコーダ301に入力され、記録されるとともに、第2のスイッチ307、バッファ308を介して、HDD300に入力され、ハードディスクのオーディオ専用のAA領域(図66を参照して後述する)に記録される。
【0470】
次に、図56のステップS325に進み、アウト点合図出力処理を実行する。このアウト点合図出力処理の詳細は、図62に示されている。そのステップS361乃至ステップS368における処理は、図58に示したイン点合図出力処理のステップS341乃至ステップS348における処理と基本的に同様の処理である。すなわち、この場合においては、再生ビデオ画面23aに、アウト点に達する3秒前に図60(A)に示す図形が表示され、2秒前に同図(B)に示す図形が表示され、1秒前に同図(C)に示す図形が表示され、そして、アウト点に達したとき、同図(D)に示す図形が表示される。また、図61に示したように、アウト点に達する3秒前、2秒前、または1秒前に、それぞれ「ピッ」の音声信号が出力される。
【0471】
これにより、アナウンサは、ボイスオーバーする音声信号を締めくくるタイミングを図ることができる。
【0472】
図56に戻って、以上のようにして、アウト点合図出力処理が終了した後、ステップS326に進み、記録が完了するまで待機する。この記録も、図57に示したように、ボイスオーバーのアウト点の終了後、マージンの分の時間が経過するまで継続される。ステップS326において、アウト点からマージンの分の時間が経過したと判定された場合、ステップS327に進み、記録処理が終了される。但し、再生は、図55に示したプレビューの範囲と同一の範囲にわたって行われる。このようにして、記録処理が完了すると、図63に示すように、タイムライン表示エリア40の第4チャンネルのボイスオーバーの設定範囲の先頭に、記録完了を表すマイクロホンの図形が表示されるとともに、「VOICE OVER」の文字がボイスオーバーの区間に表示される。
【0473】
このようにして、ボイスオーバーによって記録される範囲は、図57に示すように、ボイスオーバーの範囲として指定されたイン点より、プロテクトマージンで設定された範囲だけ前の位置から、アウト点からプロテクトマージンで設定された時間だけ後の位置までとされる。このプロテクトマージンも、所定の値に予め設定することが可能である。なお、このプロテクトマージンは、プレビュー再生時における5秒間の期間とは別途定義されるものである。
【0474】
以上のようにして、ボイスオーバーの記録が完了したら、再びプレビューを行い、仕上がりを確認することができる。そして、仕上がりが確認できたとき、タイムラインファイルとして、ボイスオーバの各種パラメータを保存する処理を実行する。図64は、この場合の保存処理を表している。
【0475】
すなわち、最初に、ステップS391において、ユーザは、メニューバー20(図6)のタイムライン(Time Line)ボタンをオンする。このとき、ステップS392において、プルダウンメニューが表示されるので、ユーザは、そのプルダウンメニューの中から、ステップS393において、保存ボタンを選択し、オンする。このとき、ステップS394において、CPU10は、ボイスオーバのパラメータをRAM10bに保存する。次に、ステップS395に進み、CPU10は、図65に示すように、第4のオーディオチャンネルのボイスオーバー区間の網掛け表示を消去し、ユーザに保存処理が終了したことを認識させる。さらに、ステップS396に進み、CPU10は、ボイスオーバー編集モードを終了させ、ノーマルモードに移行する処理を実行する。
【0476】
図66は、以上のようなボイスオーバー処理を実行するハイブリッドレコーダ3のHDD300で駆動されるハードディスク300Aの記録領域を模式的に表している。同図に示すように、ハードディスク300Aは、ゾーン1乃至ゾーン7に区分されている。このうちのシリンダ番号またはセクタ番号が若い領域にファイルシステム領域が形成され、その次にビデオデータとオーディオデータを記録するCA(Continuous Area)領域1が形成され、その次にオーディオデータだけを記録するAA(Audio Area)領域が形成されている。上述したボイスオーバのオーディオデータは、このAA領域に記録される。AA領域の次には、オーディオデータとビデオデータの両方を記録するCA領域2が形成されている。その次のRA領域には、エディットデシジョンリスト(EDL)のデータ、ハイブリッドレコーダ3のパネルのボタンの処理に関するプログラムなどが記録されている。さらに、その次の整理モード用領域は、一時的にデータを退避する場合などのために使用される。最後の自己診断領域には、初期化動作を行うときのプログラムやデータなどが記録されている。
【0477】
上述したように、図2に示した編集システムにおいては、コンピュータ2に対して、最大5台の装置を接続することが可能である。そして、コンピュータ2は、この5台の装置を同期して動作させることができるようになされている。この同期動作のための操作について、以下に説明する。
【0478】
接続されている装置の同期動作を制御するとき、ユーザは、タイミング表示エリア22のオプションボタン22hをオンし、プルダウンメニューを表示させる。そして、そのプルダウンメニューの中から、マルチコントロールパネルを選択すると、CPU10は、図67に示すようなマルチコントロールパネルを表示させる。このマルチコントロールパネルの表示部901には、5台の装置のビデオテープレコーダの状態が表示される。
【0479】
この例の場合、メインレコーダとサブレコーダは、停止状態とされているので、対応する表示部901には、STOPが表示されている。
【0480】
また、表示部902には、パーソナルコンピュータ2の5つのポートに接続された各装置に関する情報が表示される。この例の場合、最も番号が小さいコントロールポートに接続されたレコーダがメインレコーダとされ、MAINと表示される。そして、番号が2番目に小さいコントロールポートに接続されたレコーダがサブレコーダとされ、SUBと表示される。メインレコーダとサブレコーダ以外のレコーダは、SYNCと表示される。装置が接続されていないポートには、DISCONNECTと表示される。映像効果装置6が接続されているポートには、EFFECTERと表示される。
【0481】
表示部903には、5つのコントロールポートボタン903A乃至903Eが表示されている。シンクプレイボタン904は、各ポートに接続された複数の装置に対する同期制御設定をロックするとき、またはアンロックするとき操作される。シンクプレイボタン904をロック状態にすると、5つのコントロールボタン903A乃至903Eのインジケータ903a乃至903eが緑色に点灯する。このとき、5つの装置は全て同期して動作する。
【0482】
図68は、図67に示したマルチコントロールパネルを操作して、マルチ同期処理を行う場合の処理例を表している。
【0483】
最初にステップS411において、デフォルトとして、CPU10は、同期モードを設定する。すなわち、シンクプレイボタン904がオンされた状態をデフォルトとして設定する。この場合、ステップS412において、接続されている装置のうち、同期処理可能な装置のコントロールポートボタン903A乃至903Eのインジケータ903a乃至903eが緑色に発光される。
【0484】
次に、ステップS413において、シンクプレイボタン904がオンされたか否かが判定され、オンされた場合には、ステップS415に進み、現在同期モードが設定されているか否かが判定される。同期モードが設定されていない場合には、ステップS411に戻り、同期モードを設定し、ステップS412で、同期処理可能な装置のコントロールポートボタンのインジケータを緑色に発光させる。
【0485】
ステップS415において、現在同期モードではないと判定された場合には、ステップS416に進み、同期モードを解除する処理が実行される。そして、ステップS417において、同期処理可能な装置のコントロールボタンのインジケータを消灯させる。その後、ステップS413に戻る。
【0486】
ステップS413において、シンクプレイボタン904がオンされていないと判定された場合には、ステップS414に進み、コントロールポートボタン903A乃至903Eがオンされたか否かが判定される。コントロールポートボタン903A乃至903Eがオンされていない場合には、ステップS413に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0487】
ステップS414において、コントロールポートボタン903A乃至903Eがオンされたと判定された場合、ステップS418に進み、そのコントロールポートボタンに対応して同期モードが設定されているか否かが、ステップS418で判定される。操作されたコントロールポートボタンが同期モードに設定されている場合には、ステップS419に進み、そのコントロールポートボタンは、メインチャンネルのコントロールポートボタン903Aであるか否かが判定される。メインチャンネルのコントロールポートボタン903Aである場合には、同期モードを解除することができないので、ステップS413に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0488】
ステップS418において、いま操作されたコントロールポートボタンに対応するチャンネルが、同期モードに設定されていないと判定された場合、並びに、ステップS419において、いま操作されたコントロールポートボタンのチャンネルが、メインチャンネルではないと判定された場合、ステップS420に進む。ステップS420においては、操作されたコントロールポートボタンに対応する装置が、同期動作しているか否かが判定される。対応する装置が同期動作していると判定された場合には、ステップS421に進み、その装置の同期動作を解除する。そして、ステップS422において、そのインジケータを消灯する。ステップS420において、対応する装置が同期動作していないと判定された場合には、ステップS423に進み、その装置を同期動作させる。そして、ステップS424に進み、そのインジケータを緑色に発光させる。ステップS422とステップS424の処理の後、ステップS413に戻る。
【0489】
このように、同期制御の対象から外したい機器がある場合には、対応する番号のコントロールポートボタンをクリックし、そのボタンのインジケータを消灯させる。但し、コントロールボタンをクリックすることでは、メインチャンネルのメインレコーダを同期制御から外すことはできない。メインチャンネルを同期制御から外すには、シンクプレイボタン904をクリックして、同期制御設定をアンロックの状態にした後、メインチャンネルのコントロールポートボタンをクリックしてインジケータを消灯させる。
【0490】
次に、複数の装置(ハイブリッドレコーダ3)を同期して、動作させる場合の処理について、以下に説明する。いま、例えば、マークインボタン27cが操作された場合において、そのとき再生ビデオ画面23aに表示されている画像を特定するための処理について説明する。最初に、図69のフローチャートを参照して、マークインボタン27cが操作された場合に対応して、生成されるマークデータ生成処理について説明する。
【0491】
ステップS441において、マークインボタン27cが操作されると、ステップS442において、CPU10は、第1のビデオプロセッサ11に対して、画像取り込みを指示する。また、CPU10は、ステップS443に進み、マークインボタン27cが操作されたタイミングにおける画像の圧縮処理を行い、ステップS444で、その画像圧縮処理を完了すると、ステップS445において、その画像データ取り込み処理を実行する。
【0492】
一方、CPU10は、ステップS442で画像取り込みを指示した後、ステップS446で圧縮した画像のタイムコードを読み取る。そして、さらに、ステップS447において、タイムコードに対応するハイブリッドレコーダ3のハードディスクのアドレスを内蔵する対応表から求める。
【0493】
このように、ステップS445で圧縮画像を取り込むとともに、ステップS447で、その圧縮画像に対応する画像が記録されているアドレスを求めることで、ステップS448において、マークポイントデータを確定する処理が実行される。すなわち、CPU10は、以後、マークインボタン27cを操作して、指定した画像を、このマークポイントデータから、必要に応じて、適宜求めることができる。
【0494】
以上のようにして、所定のタイミングで、例えば、メインチャンネルの画像を指定することができるが、同じタイミングの、例えばサブチャンネルの画像も、上述したようにして、ピクチャインピクチャの画像として、同時に表示させることが可能である。このため、CPU10が、図70に示すように、第1のタイミングで外部インタフェース18に対して指令を出力すると、この指令は、所定のリファレンス信号に同期して、第2のタイミングで、外部インタフェース18からハイブリッドレコーダ3aとハイブリッドレコーダ3bに、RS−422のケーブル4を介して、同時に送信される。
【0495】
すなわち、図71に示すように、例えば、フレームF2のタイミングで指令が発生されたとすると、この指令は、その直後のリファレンス信号に同期して、第2のタイミングでハイブリッドレコーダ3aと3bの両方に、同時に出力される。ハイブリッドレコーダ3aと3bは、いずれもリファレンス信号に同期して動作している。従って、2台のハイブリッドレコーダ3aと3bの両方から、同じタイミングの画像信号を得ることが可能となる。
【0496】
以上の構成において、この編集システム1の場合には、GUIのためのグラフック表示として2種類のモードが用意されている。その1つは登録されたイベントのイン点やアウト点のクリップ画像データを見ながらイベントを並び換えてプログラムを編集するピクチャモードであり、もう1つは登録されたイベントの時間的な長さを視覚的に見ながらイベントを並び換えてプログラムを編集するタイムラインモードである。この編集システム1では、この2つのモードはモードボタン22bをクリックすることにより容易に切り換えられるようになっており、これによりオペレータは編集目的に応じて使いやすい方のGUIを選択することができる。従ってこの編集システム1の場合には、従来の編集システムに比して、編集作業における使い勝手が向上している。
【0497】
例えばプログラムに時間的な制約がないような場合には、ピクチャモードを選択すれば、各イベントのイン点またはアウト点のクリップ画像データを見ながら編集することができ、生成されるプログラムがどのような内容のイベントで構成されているかを確認しながら編集作業を行うことができる。またプログラムに時間的な制約があるような場合には、タイムラインモードを選択すれば、各イベントの表示領域がイベントの長さに応じて変わるので、それを見ながらイベントを割り込ませたり、イベントを上書きしたりして、所望の長さのプログラムを容易に生成することができる。
【0498】
またこの編集システム1の場合には、タイムラインモードにおいてプログラムビューエリア42を設け、当該プログラムビューエリア42によってプログラムを構成する各イベントのイン点のクリップ画像データを表示するようにしている。これによりタイムラインモードであっても、生成したプログラムがどのような内容のイベントで構成されているかを容易に確認することができる。
【0499】
またこの編集システム1の場合には、マークインボタン24cを操作してイン点を指定したとき、そのイン点の位置よりも所定時間前の位置から自動的に再生動作を行うプリロールモードが設けられている。従って、このようなプリロールモードを予め起動しておけば、例えば野球中継のときにバッターの打ったボールがスタンドインした時点でマークインボタン24cをクリックしてイン点を指定した場合でも、そのイン点から所定時間前の位置から自動的に再生動作が行われるので、その再生画面を見ながら再生側のマークインボタン27cをクリックすれば容易にイン点を修正することができ、例えばバッターがボールを打った瞬間等、所望の場面を含むイベントをリアルタイムで容易に作成することができる。
【0500】
またこの編集システム1の場合には、再生速度設定エリア25Aを使用してイベントの再生速度を任意の速度に設定し得るようになされている。これにより例えば野球中継においてホームランを打った瞬間のイベントに対してスロー再生を設定することができ、そのホームランシーンのイベントをスロー再生して、バッターの動きやボールの行方を一段とリアルに表現したイベントを生成して視聴者に提供することができる。
【0501】
またこの編集システム1の場合には、記録と再生が同時に行えるハイブリッドレコーダ3を用いるようにしたことにより、記録と再生を同時に行ってリアルタイム編集を行うことができる。さらにこの編集システム1の場合には、ソース側のビデオ信号V2や、編集したイベントやプログラムを再生して得られるビデオ信号V6、或いはイベントやプログラム等を示すクリップ画像データを1つのモニタ2bに表示するようにしたことにより、従来のように複数のモニタを設ける必要がなくなるので、現場での限られた環境の中でも十分に編集作業を行うことができると共に、編集システム全体の構成を簡易にすることができる。
【0502】
以上の構成によれば、生成したプログラムの各イベントの時間的な長さを表示領域の大きさによって示すタイムライン表示エリア40と共に、プログラムを構成する各イベントのイン点またはアウト点のクリップ画像データを示すプログラムビューエリア42をモニタ2bに表示するようにしたことにより、プログラムビューエリア42を見れば、生成したプログラムがどのような内容のイベントで構成されているかを容易に確認することができる。また記録と再生が同時に行えるハイブリッドレコーダ3を用いるようにしたことにより、記録と再生を同時に行ってリアルタイム編集を行うことができる。かくするにつき高速なリアルタイム編集を実現できる使い勝手の向上した編集システム1を実現することができる。
【0503】
なお上述の実施の形態においては、記録再生装置として、ハードディスクドライブ300とビデオテープレコーダ301とからなるハイブリッドレコーダ3を用いた場合について述べたが、単にハードディスクドライブからなる記録再生装置を用いるようにしても良い。要は、ソースビデオデータを記録媒体に記録する記録手段と、ソースビデオデータを記録媒体に記録しながら当該記録媒体に記録されているソースビデオデータを再生する再生手段と、その記録されるソースビデオデータと再生されるソースビデオデータとを出力する出力手段とを有し、記録と再生が同時に行えるような記録再生装置であれば、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0504】
また上述の実施の形態においては、キーボード2cやマウス2d、或いは専用コントローラ2eを用いて編集システム1に対する各種指示や各種情報を入力した場合について述べたが、その他の入力デバイスを用いて各種指示や各種情報を入力しても良く、要は、オペレータからの各種指示や各種情報を編集システム1に対して入力するようなユーザインタフェース手段を設けるようにすれば良い。
【0505】
さらに上述の実施の形態においては、CPU10および表示コントローラ13によってタイムライン表示エリア40およびプログラムビューエリア42のモニタ2bへの表示を制御した場合について述べたが、これら2つの制御手段を1つにまとめた制御手段によって、タイムライン表示エリアおよびプログラム表示エリアの表示手段への表示を制御するようにしても良い。
【0506】
なお、上記したような処理を行うコンピュータプログラムをユーザに提供する提供媒体としては、磁気ディスク、CD-ROM、固体メモリなどの記録媒体の他、ネットワーク、衛星などの通信媒体を利用することができる。
【0507】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載の編集装置、請求項に記載の編集方法、および請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、設定された効果に対応する効果画像を、効果を付加する画像の静止画に隣接して挿入されるように、配列された静止画像の表示位置を変更して効果画像を配置するようにしたので、簡単かつ確実に所望の効果を付加する編集処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による編集システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態による編集システムの他の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1または図2の編集システムを構成するコンピュータの内部構成を示すブロック図である。
【図4】図1または図2の映像効果装置6の構成例を示すブロック図である。
【図5】ピクチャモードのときのGUIの例を示す図である。
【図6】タイムラインモードのときのGUIの例を示す図である。
【図7】タイムライン表示エリアの構成を示す図である。
【図8】第1のマネージメントレコードデータを説明する図である。
【図9】クリップデータ用の第2のマネージメントレコードデータを説明する図である。
【図10】イベントデータおよびプログラムデータ用の第2のマネージメントレコードデータを説明する図である。
【図11】エフェクトデータ用の第2のマネージメントレコードデータを説明する図である。
【図12】DSKデータ用の第2のマネージメントレコードデータを説明する図である。
【図13】インデックス番号、クリップ番号およびイベント番号を説明する図である。
【図14】各表示エリアの表示例を示す図である。
【図15】クリップ表示エリアの管理方法を説明する図である。
【図16】イベント表示エリアの管理方法を説明する図である。
【図17】プログラム表示エリアの管理方法を説明する図である。
【図18】図1または図2のハイブリッドレコーダの構成を示すブロック図である。
【図19】再生速度設定エリアの構成を示す図である。
【図20】図1または図2の専用コントローラの外観構成を示す図である。
【図21】スピードデータの記憶フォーマットを説明する図である。
【図22】キューアップ設定画面の表示例を示す図である。
【図23】プリロールモードを説明する図である。
【図24】ワークデータを記憶するための階層構造を説明する図である。
【図25】初期動作を説明するフローチャートである。
【図26】記録側のマーキング動作を説明するフローチャートである。
【図27】再生側のマーキング動作を説明するフローチャートである。
【図28】再生側のマーキング動作を説明するフローチャートである。
【図29】トリミング動作を説明するフローチャートである。
【図30】プリロール動作を説明するフローチャートである。
【図31】プリロール動作を説明するフローチャートである。
【図32】プログラム作成動作を説明するフローチャートである。
【図33】映像効果設定エリアの表示例を示す図である。
【図34】エフェクト割り付け処理を説明するフローチャートである。
【図35】プログラム作成時のエフェクト設定処理を説明するフローチャートである。
【図36】エフェクト設定ダイアログの表示例を示す図である。
【図37】エフェクト詳細設定ダイアログの表示例を示す図である。
【図38】カーソルの変化を説明する図である。
【図39】エフェクト設定クリップ画像データの挿入位置を説明する図である。
【図40】カーソルの変化の原理を説明する図である。
【図41】ピクチャインピクチャ設定時のサブ画面領域調整処理を説明するフローチャートである。
【図42】ピクチャインピクチャ領域設定画面の表示例を示す図である。
【図43】DSK設定時のマスク領域調整処理を説明するフローチャートである。
【図44】DSK設定ダイアログの表示例示す図である。
【図45】マスク領域設定画面の表示例を示す図である。
【図46】ダイレクトエフェクト操作ウインドウの表示例を示す図である。
【図47】ダイレクトエフェクト設定ダイアログの表示例を示す図である。
【図48】ボイスオーバ入力処理を説明するフローチャートである。
【図49】ボイスオーバチャンネルを説明する図である。
【図50】ボイスオーバのイン点を説明する図である。
【図51】ボイスオーバのアウト点を説明する図である。
【図52】ボイスオーバの範囲を説明する図である。
【図53】プレビュー処理を説明するフローチャートである。
【図54】プレビュー動作時における再生範囲を説明する図である。
【図55】プレビュー動作時におけるオーディオ信号の減衰を説明する図である。
【図56】ボイスオーバ記録処理を説明するフローチャートである。
【図57】ボイスオーバ記録時の記録範囲を説明する図である。
【図58】イン点合図出力処理を説明するフローチャートである。
【図59】図58のステップS342における表示例を示す図である。
【図60】図58のステップS342,S344,S346,S348における表示例を示す図である。
【図61】図58のステップS342,S344,S346における音声の出力例を説明する図である。
【図62】アウト点の合図出力処理を説明するフローチャートである。
【図63】ボイスオーバの記録完了時の表示例を示す図である。
【図64】保存処理を説明するフローチャートである。
【図65】保存処理終了後の表示例を示す図である。
【図66】図18のHDDで駆動されるハードディスクの記録領域を説明する図である。
【図67】マルチコントロールパネルの表示例を示す図である。
【図68】マルチ同期処理を説明するフローチャートである。
【図69】マークデータ生成処理を説明するフローチャートである。
【図70】同期処理を説明する図である。
【図71】信号の出力のタイミングを説明する図である。
【符号の説明】
1 編集システム, 2 コンピュータ, 2a 本体, 2b モニタ, 2c キーボード, 2d マウス, 2e 専用コントローラ, 2f フロッピーディスク, 3,3a乃至3d ハイブリッドレコーダ, 6 映像効果装置, 7 入出力選択装置, 8,8a乃至8d マイクロホン, 10 CPU, 11 第1のビデオプロセッサ, 12 第2のビデオプロセッサ, 13 表示コントローラ, 19 オーディオプロセッサ, 21 記録ビデオ表示エリア, 22 タイミング表示エリア, 23 再生ビデオ表示エリア,24 記録ビデオマーキングエリア, 25 映像効果設定エリア, 25A再生速度設定エリア, 26i リサイクルボックスエリア, 27 再生ビデオマーキングエリア, 28 クリップ表示エリア, 29 イベント表示エリア, 30 プログラム表示エリア, 40 タイムライン表示エリア, 300 ハードディスクドライブ, 301 ビデオテープレコーダ, 314 映像音声合成回路, 317 オーディオデータ制御部, 717 クロスポイントスイッチ, 720 画像演算装置

Claims (4)

  1. 編集対象とされている画像の少なくとも一部の画像を縮小した静止画を前記画像の表示順に配列して表示手段に表示させる配列表示制御手段と、
    前記編集対象とされている画像に付加する効果を選択するとともに、選択された効果に対するエフェクト量及び効果時間を含むパラメータを設定する設定手段と、
    前記設定手段で設定された効果に対応する効果画像が、前記表示手段に表示された前記配列中の、編集対象とされている画像のうち、前記効果を付加する画像の前記静止画に隣接して挿入されるように、前記配列された前記静止画像の表示位置を変更して前記効果画像を配置する配置手段と
    を備えることを特徴とする編集装置。
  2. 前記効果画像には、前記設定手段で設定された効果を連想させるシンボル図形が表示されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の編集装置。
  3. 編集対象とされている画像の少なくとも一部の画像を縮小した静止画を前記画像の表示順に配列して表示させる配列表示ステップと、
    前記編集対象とされている画像に付加する効果を選択するとともに、選択された効果に対するエフェクト量及び効果時間を含むパラメータを設定する設定ステップと、
    前記設定ステップで設定された効果に対応する効果画像が、前記表示された前記配列中の、編集対象とされている画像のうち、前記効果を付加する画像の前記静止画に隣接して挿入されるように、前記配列された前記静止画像の表示位置を変更して前記効果画像を配置する配置ステップと
    を備えることを特徴とする編集方法。
  4. 編集対象とされている画像の少なくとも一部の画像を縮小した静止画を前記画像の表示順に配列して表示させる配列表示ステップと、
    前記編集対象とされている画像に付加する効果を選択するとともに、選択された効果に対するエフェクト量及び効果時間を含むパラメータを設定する設定ステップと、
    前記設定ステップで設定された効果に対応する効果画像が、前記表示された前記配列中の、編集対象とされている画像のうち、前記効果を付加する画像の前記静止画に隣接して挿入されるように、前記配列された前記静止画像の表示位置を変更して前記効果画像を配置する配置ステップと
    を備えるコンピュータプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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