JP4102095B2 - 内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工方法及び加工装置 - Google Patents

内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工方法及び加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡用湾曲管を構成するカンセツ部品に対し、内視鏡用湾曲管の操作を行う操作ワイヤをガイドするためのガイド凸部を加工する加工方法及び加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、内視鏡用湾曲管5を示し、複数のカンセツ部品1を相互に連結することにより形成されている。各カンセツ部品1は全体が円筒状に形成されており、その両側の各端面には、径方向に180度ずらした位置に一対の耳部1aが形成されている。また、一端面側の耳部1aは他端面側の耳部1aに対して90度ずらした位置に設けられている。このようなカンセツ部品1は、隣接するカンセツ部品1との間で耳部1aを相互に重ね合わせ、重ね合わせた耳部1aにリベット2を挿通して連結することにより内視鏡用湾曲管5が組み立てられる。従って、耳部1aには、リベット2挿通用の挿通孔1bが開口される(図9参照)。
【0003】
このような内視鏡用湾曲管5は体腔内での屈曲操作を可能とするため、操作ワイヤ3が取り付けられる。この操作ワイヤ3の取り付けを行うため、カンセツ部品1には操作ワイヤ3のガイドを行うガイド凸部1cが形成されている。ガイド凸部1cは、カンセツ部品1に対して部分的な拡径を行うことにより、カンセツ部品1の外周面の4箇所に等間隔で形成される。また、各ガイド凸部1cはカンセツ部品1の全長にわたって形成されており、このガイド凸部1cの内側が操作ワイヤ3を取り付けるためのガイド溝となる。このようなことから、カンセツ部品1に対しては、ガイド凸部1cを形成するための部分的な拡径を行う必要がある。
【0004】
図8及び図9は、ガイド凸部1cを形成するため、カンセツ部品1に対して部分的な拡径を行う従来の加工装置であり、特開平10−85173号公報に開示されている。この加工装置は、成形ダイ110と、中型120と、外型130と、パンチ140とを備えている。
【0005】
成形ダイ110はカンセツ部品1の内周面を支持するものであり、カンセツ部品1の内面と対応した円弧状の曲面を外側面に有する4個のダイ部材111がダイ本体112から起立することにより構成されている。各ダイ部材111は、その外側面が同一の円周上に位置するようにダイ本体112に配置されていると共に、円周上で隣接するダイ本体111とは、後述する中型120が組み付け可能な間隔を有している。また、対角線上で対向している一対のダイ部材111の上面には、カンセツ部材1の位置決めを行うための位置決め溝113が形成されている。
【0006】
中型120は成形ダイ110におけるダイ部材111の間に挿入されて組み付けられることにより、カンセツ部品1に対して部分的な拡径を行ってカンセツ部品1にガイド凸部1cを形成するものである。このため、中型120の外面には、ガイド凸部1c成形用の凸条部121が長さ方向に形成されている。また、それぞれの中型120の内面上部には、下側に傾斜したテーパ面122が形成されており、このテーパ面122にパンチ140が当接して押圧することにより、中型120が成形ダイ110の外側に移動し、この移動によってカンセツ部品1にガイド凸部1cを形成するようになっている。
【0007】
外型130は成形ダイ110の外面との間にカンセツ部品1の肉厚以上の間隔を有する径の円筒形状となっている。外型130の内周面には、中型120の凸条部121に対応した凹条部131が90度の等間隔で径方向の4箇所に形成されている。また、外型130の上面には、成形ダイ110の位置決め溝113に対応した位置決め溝133が形成されている。この外型130は成形ダイ110のダイ本体112に設けられている位置決めピン115が下面から挿入することにより、ダイ本体112に対して位置決めされた状態で取り付けられる。
【0008】
パンチ140は図示を省略したプレスシャフトの先端に取り付けられることにより、上下方向に移動自在となっている。そして、下降することにより、成形ダイ110に組み付けられている中型120のテーパ面122に当接してこれを押圧する。この当接を行うため、パンチ140には、中型120のテーパ面122に対応したテーパ面142が4面設けられている。
【0009】
このような加工装置では、図9に示すように、中型120を成形ダイ110に組み付けると共に、それぞれの位置決め溝113,133が連通するように成形ダイ110の外側に外型130を配置した状態で加工を行う。そして、一端面側の耳部1aにピンゲージ160を挿通した状態で、カンセツ部品1を成形ダイ110と外型130との間の挿入する。挿入に際しては、ピンゲージ160を位置決め溝113,133に入れ込んで位置決めする。
【0010】
カンセツ部品1の位置決めの後、パンチ140を下降させて中型120の中心部分に進入させる。この下降によって、パンチ140のテーパ面142が中型のテーパ面122に当接して押圧するため、中型120が外側に押し広げられる。これにより、中型120の凸条部121がカンセツ部品1を押圧しながら外型130の凹条部133に進入するため、カンセツ部品1に対して部分的な拡径を行い、これによりガイド凸部1cをカンセツ部品1に加工することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の加工装置では、ピンゲージ160を成形ダイ110の位置決め溝113及び外型130の位置決め溝133に入れ込むことによりカンセツ部品1の位置決めを行うため、カンセツ部品1の位置決めをオペレータの手で行う必要がある。このため、作業効率が悪いものとなっている。
【0012】
また、中型120を外側に押し広げてカンセツ部品1の部分的な拡径を行う際に、カンセツ部品1が上方向に押し上げられるため、拡径されるガイド凸部1cの位置がずれて加工精度が低下する。
【0013】
さらに、外側に位置する外型130によってカンセツ部品1が固定されるため、ガイド凸部1cの拡径量が規制され、拡径量の調整を行うことができない問題を有している。
【0014】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、カンセツ部品に対して部分的な拡径を行う際に、カンセツ部品の位置決めを自動的に行って作業効率を向上させることができると共に、高精度で加工することができ、しかも拡径量を任意に調整することが可能な内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工方法及び加工装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工方法は、複数が相互に連結されることにより内視鏡用湾曲管を構成するカンセツ部品に対して部分的な拡径を行う加工方法であって、前記部分的な拡径を行う中型が成形ダイに押し広げ可能に組み付けられており、この成形ダイをカンセツ部品に挿入した状態でカンセツ部品の上端面を押さえた後、カンセツ部品の外周面の非拡径部分に規制パンチを当接して当該非拡径部分の拡径を規制し、その後、拡径パンチを成形ダイに侵入させて中型を押し広げることを特徴とする。
【0016】
請求項1の発明では、カンセツ部品の上端面を押さえ、この押さえ状態で、非拡径部分に規制パンチを当接させることによって、非拡径部分への拡径加工を規制する。そして、この状態で、拡径パンチを成形ダイに侵入させることにより、中型を押し広げてカンセツ部品に対する部分的な拡径を行う。
【0017】
請求項1の発明では、カンセツ部品の上端面を押さえることにより、カンセツ部品の自動的な位置決めを行い、その後、規制パンチが非拡径部分に当接して、その拡径を規制し、この状態で、中型を押し広げてカンセツ部品に対して部分的な拡径を行うため、作業効率を向上させることができると共に、高精度での拡径加工を行うことができる。また、規制パンチが非拡径部分に当接することにより、その部分の拡径を規制するため、従来のように、カンセツ部品の外側に位置する外型が不要となる。このため、外型による制限がなくなり、拡径量を任意に調整することができる。
【0018】
請求項2の発明の内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工装置は、複数が相互に連結されることにより内視鏡用湾曲管を構成するカンセツ部品に対して部分的な拡径を行う加工装置であって、前記部分的な拡径を行う中型が押し広げ可能に組み付けられ、加工時にカンセツ部品に挿入される成形ダイと、カンセツ部品の上端面を押さえる押え部材と、カンセツ部品の外周面の非拡径部分に当接して非拡径部分の拡径を規制する規制パンチと、成形ダイに侵入して中型の押し広げを行う拡径パンチを有しており、この拡径パンチが成形ダイに侵入及び退避するように移動する上型とを備え、前記上型は、押え部材がカンセツ部品の上端面を押さえたとき、成形ダイへの接近を停止し、規制パンチがカンセツ部品の外周面に当接したとき、成形ダイへの接近を再開して拡径パンチを成形ダイに侵入させることを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明では、拡径加工に際し、押え部材がカンセツ部品の上端面を押さえるため、カンセツ部品の位置決めを行うことができると共に、拡径加工時にカンセツ部品が押し上げられることがないため、高精度で加工することができる。また、規制パンチがカンセツ部品の非拡径部分に当接して、その部分の拡径を規制し、この状態で、上型の拡径パンチによって中型を押し広げて部分的な拡径を行うため、拡径量を任意に調整することができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2記載の内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工装置であって、前記押え部材が上型と一体的に移動するように上型に取り付けられると共に、拡径パンチは押え部材と独立して成形ダイの方向に移動可能となっていることを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明では、押え部材と拡径パンチとが上型に取り付けられるため、これらを別個に配置する必要がなくなり、簡単な構造とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態により、具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
【0023】
(実施の形態1)
図1〜図5は、本発明の実施の形態1を示し、図1はその全体の正面図である。この実施の形態1の加工装置10は、上下動シリンダ11、シャフト部材12、直前停止シリンダ13、調整駒14、上型15及び成形ダイ16が鉛直線上に位置するように基台17に配置されている。
【0024】
上下動シリンダ11は、基台17の上端部分に垂直方向を向いて固定されており、シャフト部材12は上下動シリンダ11のピストン軸にストッパ20を介して同軸的に連結されている。ストッパ20は厚さが調整可能となっており、その厚さを調整することによりシャフト部材12の移動量を調整するようになっている。この調整によって、後述する上型15の直前停止の位置を調整することができる。
【0025】
直前停止シリンダ13は、シャフト部材12に下動によって上型15が成形ダイ16(カンセツ部品1)の上端面と接触する高さに達して停止した後、上型15をさらに押し下げるためのものである。この直前停止シリンダ13は、基台17の中間部分から水平方向に延びている固定台21上にねじ22によって固定されている。
【0026】
図2は直前停止シリンダ13を示し、シリンダ部13bへの油圧の供給制御を行うことによりピストン部13aが上限位置及び下限位置の間を上下動可能となっている。ピストン部13aの上下動は、電磁弁(図示省略)のON/OFFの切り替えで行い、その制御はシーケンスプログラムによって行われる。シャフト部材12はこの直前停止シリンダ13を上下方向に貫通することにより、直前停止シリンダ13に対して可動となっている。また、シャフト部材12は上型15が直前停止の位置にあるとき、直前停止シリンダ13が作動することにより移動し、この移動によって上型15が直前停止の位置から下死点まで移動する。なお、ピストン部13a及びシャフト部材12が摺動する部分には、オイルシール23によって油洩れが防止されている。
【0027】
調整駒14は上型15の下死点を調整するものである。このため、調整駒14は逆ねじが外周面に形成された一対のねじロッド14a、14bと、これらのねじロッド14a、14bが同軸的に螺合した駒部材14cとを備えており、駒部材14cを回転操作させることにより調整を行うようになっている。
【0028】
上型15はこの調整駒14を介してシャフト部材12に連結されるものであり、この連結を行うための締結部材25が設けられる。上型15は締結部材25の下部に取り付けられており、締結部材25は上下方向への移動を案内する直動ガイド26に取り付けられ、直動ガイド26は基台17の側面に配置されている。また、上型15と締結部材25の上部との間には、上型15が下死点に達したときに生じる衝撃を緩和する緩衝材27が配置されている。
【0029】
図3は、上型15を示し、ブロック状の型本体15aと、型本体15aに取り付けられた拡径パンチ28とを備えている。拡径パンチ28は型本体15aの径方向に取り付けられた支持ピン29を介して型本体15aに取り付けられている。 この上型15には、押え部材30が取り付けられる。押え部材30はカンセツ部品1の上端面に当接してカンセツ部品1を押さえるものである。このため、押え部材30はカンセツ部品の外形と同様な円筒形状に成形されており、その下端面がカンセツ部品1の上端面と接触する。この押え部材30には長手方向の長孔30aが形成されており、この長孔30aに支持ピン29が貫通している。従って、押え部材30は上型15に取り付けられて一体的に移動するが、上型15の拡径パンチ28とは別個独立して移動可能となっている。なお、押え部材30と型本体15aとの間には、コイルばね等の弾性部材31が設けられることにより、押え部材30が弾性的にカンセツ部品1と接触するようになっている。
【0030】
成形ダイ16は、図1に示すように上型15の直下に位置するように基台17に取り付けられており、成形ダイ16の周囲には、規制パンチ33が配置されている。規制パンチ33はカンセツ部品1における非拡径部分の外周面に当接して同部分の拡径を規制するものであり、このため、カンセツ部品1(成形ダイ16)の周囲に複数が配置されている。
【0031】
図4及び図1を参照して、規制パンチ33の配設構造を説明する。図1に示すように、基台17に受け台17aが設けられており、この受け台17a上に逆円錐台形状の円周ガイド17bが形成されている。円周ガイド17bは成形ダイ16を中心とした同心円状となって形成されている。
【0032】
円周ガイド17bには、図4に示すようにガイド板35が取り付けられ、このガイド板35に規制パンチ33が支持されている。ガイド板35は円周ガイド17bに嵌め込まれる蟻溝35aを下面に有しており、円周ガイド17bに沿って円軌跡上を手動で旋回することができる。ガイド板35上には、規制用シリンダ36が固定されており、そのピストン軸36aにジョイント部材37を介して規制パンチ33が連結されている。なお、規制パンチ33は支え部材38によって支持されており、これにより、ブレのない状態でカンセツ部品1に当接するようになっている。また、規制用シリンダ36の作動に抗して規制パンチ33を戻すためのリターンスプリング39が設けられている。
【0033】
成形ダイ16及び拡径パンチ28としては、従来と同様な構造のものが使用される。図5はこれらの構造を示し、成形ダイ16は、カンセツ部品1の内周面を支持するものであり、カンセツ部品1の内面と対応した円弧状の曲面を外側面に有する4個のダイ部材41がダイ本体42から起立することにより構成されている。各ダイ部材41は、その外側面が同一の円周上に位置するようにダイ本体42に配置されていると共に、円周上で隣接するダイ本体41とは、中型43が組み付け可能な間隔を有している。
【0034】
中型43は成形ダイ16におけるダイ部材41の間に挿入されて組み付けられることにより、カンセツ部品1に対して部分的な拡径を行ってカンセツ部品1にガイド凸部1cを形成する(図7参照)。このため、中型43の外面には、ガイド凸部1c成形用の凸条部43aが長さ方向に形成されている。また、それぞれの中型43の内面上部には、下側に傾斜したテーパ面43bが形成されており、このテーパ面43bに拡径パンチ28が当接して押圧することにより、中型43が成形ダイ16の外側に移動し、この移動によってカンセツ部品1にガイド凸部1cを形成する。
【0035】
拡径パンチ28は、上述したように上型15に取り付けられることにより、上型15と一体となって上下動する。そして、その下降により、成形ダイ16に組み付けられている中型43のテーパ面43bに当接してこれを押圧する。この当接を行うため、拡径パンチ28には、中型43のテーパ面43bに対応したテーパ面28bが4面設けられている。
【0036】
次に、この実施の形態による加工を説明する。
【0037】
中型43を成形ダイ16に組み付け、この組み付け状態の成形ダイ16が内部に位置するようにカンセツ部品1を成形ダイ16に取り付けると共に、規制パンチ33がカンセツ部品1における非拡径部分に対応するようにガイド板35を旋回させて規制パンチ33の位置決めを行った後、その位置で固定する。そして、直前停止シリンダ13を上限位置とした状態で、上下動シリンダ11を駆動し、上型15を直前停止位置で停止させる。これにより、上型15に取り付けられている押え部材30の下端面がカンセツ部品1の上端面に当接してカンセツ部品1を押さえる。
【0038】
その後、規制用シリンダ36を駆動して規制パンチ33をカンセツ部品1の非拡径部分に当接させて拡径を規制する。この時点で、直前停止シリンダ13を駆動することによって、上型15を下死点まで下動させる。この下動によって、拡径パンチ28が成形ダイ16内に侵入して、中型43が押し広げられる。これにより、中型43の凸条部43aがカンセツ部品1を内側から押圧するため、カンセツ部品1に対して部分的な拡径を行い、ガイド凸部1cを形成することができる。
【0039】
このような加工では、押え部材30がカンセツ部品1の上端面を押さえることにより、カンセツ部品1の自動的な位置決めを行うため、手作業での位置決めが不要となる。また、この押え状態で、規制パンチ33がカンセツ部品1の非拡径部分に当接して、その拡径を規制し、さらに、中型43を押し広げてカンセツ部品1に対して部分的な拡径を行うため、作業効率を向上させることができると共に、カンセツ部品1が上方に押し上げられることなく定位置で拡径加工されるため、高精度での拡径加工を行うことができる。また、規制パンチ43が非拡径部分に当接することにより、その部分の拡径を規制するため、カンセツ部品1の外側に位置する外型が不要となる。このため、外型による制限がなくなり、拡径量を任意に調整することができる。
【0040】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2を示す。この実施の形態では、上下動シリンダ11に接続されているシャフト部材12の下端に直前停止シリンダ13が連結され、この直前停止シリンダ13に連結シャフト51が連結されている。そして、連結シャフト51に調整駒14が連結され、調整駒14に締結部材25を介して上型15が連結されている。このような実施の形態では、直前停止シリンダ13がシャフト部材12と一体的に作動する一方、連結シャフト51は直前停止シリンダ13のストローク分上下方向に移動するようになっている。
【0041】
この実施の形態の作動は、実施の形態1と同様であり、上下動シリンダ11を駆動し、上型15を直前停止位置で停止させて、上型15に取り付けられている押え部材30によってカンセツ部品1を押さえる。そして、規制用シリンダ36を駆動して規制パンチ33をカンセツ部品1の非拡径部分に当接させて拡径を規制する。その後、直前停止シリンダ13を駆動し連結シャフト51を下動させて、上型15を下死点まで下動させ、拡径パンチ28による中型43の押し広げを行うことにより、カンセツ部品1に対して部分的に拡径されたガイド凸部1cを形成する。
【0042】
この実施の形態では、実施の形態1と同様な作用を行うことができるのに加えて、カンセツ部品1を押さえる圧力と、規制パンチ33の中型43への挿入圧力とを異なるように設定することができるため、品質を向上させることが可能となる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、カンセツ部品の上端面を押さえて、カンセツ部品の自動的な位置決めを行い、その後、規制パンチの非拡径部分への当接によって部分的な拡径を規制し、この状態で、カンセツ部品に対して部分的な拡径を行うため、作業効率を向上させることができると共に、高精度での拡径加工を行うことができる。また、規制パンチが非拡径部分に当接することにより、その部分の拡径を規制するため、外型が不要となり、外型による制限がなくなり、拡径量を任意に調整することができる。
【0044】
請求項2の発明によれば、押え部材がカンセツ部品の上端面を押さえるため、カンセツ部品の位置決めを行うことができると共に、拡径加工時にカンセツ部品が押し上げられることがないため、高精度で加工することができ、さらには、カンセツ部品に対する拡径量を任意に調整することができる。
【0045】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、押え部材と拡径パンチとが上型に取り付けられるため、これらを別個に配置する必要がなくなり、簡単な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の全体正面図である。
【図2】直前停止シリンダの断面図である。
【図3】上型の断面図である。
【図4】規制パンチ周辺部分の断面図である。
【図5】成形ダイ、拡径パンチ、中型を示す斜視図である。
【図6】実施の形態2の全体正面図である。
【図7】(a)は内視鏡用湾曲管の側面図、(b)は端面図である。
【図8】カンセツ部品に対して部分的な拡径を行う従来方法の斜視図である。
【図9】カンセツ部品に対して部分的な拡径を行う従来方法の最終段階の斜視図である。
【符号の説明】
1 カンセツ部品
1c ガイド凸部
11 上下動シリンダ
12 シャフト部材
13 直前停止シリンダ
15 上型
16 成形ダイ
28 拡径パンチ
30 押え部材
43 中型

Claims (3)

  1. 複数が相互に連結されることにより内視鏡用湾曲管を構成するカンセツ部品に対して部分的な拡径を行う加工方法であって、
    前記部分的な拡径を行う中型が成形ダイに押し広げ可能に組み付けられており、この成形ダイをカンセツ部品に挿入した状態でカンセツ部品の上端面を押さえた後、カンセツ部品の外周面の非拡径部分に規制パンチを当接して当該非拡径部分の拡径を規制し、その後、拡径パンチを成形ダイに侵入させて中型を押し広げることを特徴とする内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工方法。
  2. 複数が相互に連結されることにより内視鏡用湾曲管を構成するカンセツ部品に対して部分的な拡径を行う加工装置であって、
    前記部分的な拡径を行う中型が押し広げ可能に組み付けられ、加工時にカンセツ部品に挿入される成形ダイと、
    カンセツ部品の上端面を押さえる押え部材と、
    カンセツ部品の外周面の非拡径部分に当接して非拡径部分の拡径を規制する規制パンチと、
    成形ダイに侵入して中型の押し広げを行う拡径パンチを有しており、この拡径パンチが成形ダイに侵入及び退避するように移動する上型とを備え、
    前記上型は、押え部材がカンセツ部品の上端面を押さえたとき、成形ダイへの接近を停止し、規制パンチがカンセツ部品の外周面に当接したとき、成形ダイへの接近を再開して拡径パンチを成形ダイに侵入させることを特徴とする内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工装置。
  3. 前記押え部材が上型と一体的に移動するように上型に取り付けられると共に、拡径パンチは押え部材と独立して成形ダイの方向に移動可能となっていることを特徴とする請求項2記載の内視鏡用湾曲管のカンセツ部品の加工装置。
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