JP4101939B2 - 有極性アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

有極性アルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミニウム電解コンデンサに関するものである。さらに詳しくは、アルミニウム電解コンデンサからの駆動用電解液の漏出防止技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1および図2はそれぞれ、アルミニウム電解コンデンサの構成要素を示す説明図、およびアルミニウム電解コンデンサの断面図である。
小型アルミニウム電解コンデンサは、一般に、図1および図2に示すように、陽極箔と陰極箔の間に電解紙を介して巻回したコンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2の陽極箔及び陰極箔から引き出された陽極リード端子3及び陰極リード端子4のアルミニウム製の各丸棒部31、41が各端子挿通孔51、52にそれぞれ嵌められたゴム封口体5と、駆動用電解液を含浸したコンデンサ素子2をゴム封口体5とともに封止するアルミニウム製のケース6とから構成されている。
【0003】
アルミニウム電解コンデンサにおいても近年、デジタル回路等の発達に対応するため、低損失、低インピーダンス特性が要求されている。これらの要求に対応するための重要な技術は、主として、コンデンサ素子に含浸される駆動用電解液の低比抵抗化である。
この要求を満たす駆動用電解液としては、γ−ブチロラクトン単独溶媒、あるいはγ−ブチロラクトンを主溶媒としそれにエチレングリコールなどを配合した混合溶媒中に、o−フタル酸やマレイン酸の4級アンモニウム塩などを溶質として溶解した駆動用電解液が用いられている。
【0004】
このような有機溶剤を用いた駆動用電解液は、高温雰囲気中でゴム封口体を透過しての消失が激しく、このような消失はコンデンサ特性の著しい劣化を招来させる。そこで、このような駆動用電解液を用いる際には、ゴム封口体としてガス透過性の低いブチルゴムを使用するなど、気密面で各種の設計的配慮がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の駆動用電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサでは、従来のアルミニウム電解コンデンサではみられない新たな不具合が指摘されている。すなわち、アルミニウム電解コンデンサを負荷状態で長期間の使用、あるいは無負荷状態で長期間の放置を行ったときに、ゴム封口体の陰極側の端子挿通孔部から駆動用電解液が漏出し、漏出した駆動用電解液によって回路基板上で配線パターンがショートを発生するという不具合である。
【0006】
そこで、本発明の課題は、前記のような活性な薬品を駆動用電解液に用いても、電解液の漏出の発生しない有極性アルミニウム電解コンデンサを実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴム封口体の陰極側の端子挿通孔部から駆動用電解液が漏出するのを防止するために行った各種検討から得られた新たな知見に基づくものであり、ゴム封口体の陰極側の端子挿通部に接するリード端子のアルミニウム製の丸棒部と、該端子に接続されている陰極箔の電極電位差に着目したものである。すなわち、従来の有極性アルミニウム電解コンデンサにおいて、陰極箔はこれに接続するリード端子のアルミニウム製の丸棒部より電極電位が卑であるため、陰極箔とアルミニウム製の丸棒部とによって局部電池が形成される。このため、従来の有極性アルミニウム電解コンデンサにおいて、陰極側のリード端子の丸棒部での電極反応により、該丸棒部付近の駆動用電解液でアルカリ化が進行してしまう。その結果、陰極側のリード端子の丸棒部付近で駆動用電解液に接するゴム封口体にアルカリ劣化、すなわち、端子挿通孔の内面のゴム弾性の低下が進行し、この部分からの駆動用電解液の漏出が起こるのである。
【0008】
このような知見に基づいて、本発明は、この局部電池の極性を逆転させることにより、駆動用電解液の漏出を防ぐことに特徴を有する。
すなわち、本発明では、陽極箔と陰極箔の間に電解紙を介して巻回したコンデンサ素子と、該コンデンサ素子の前記陽極箔及び前記陰極箔から引き出された陽極リード端子及び陰極リード端子のアルミニウム製の各丸棒部が各端子挿通孔にそれぞれ嵌められたゴム封口体と、4級アンモニウム塩もしくはイミダゾリニウム塩を含む非水系の駆動用電解液を含浸した前記コンデンサ素子を前記ゴム封口体とともに封止するケースとを有する有極性アルミニウム電解コンデンサにおいて、前記陰極箔として、交流エッチング処理後、0.5Vから5Vの化成電圧にて化成処理を施したアルミニウム(Al)箔を用いることを特徴とする。
【0009】
本願明細書でいう非水系の駆動用電解液とは、水を10%以上も配合するエチレングリコール−水系の駆動用電解液とは違って、水を全く配合しないか、あるいは配合しても5%以下の駆動用電解液のことをいう。
アルミニウム電解コンデンサの分野において、陰極箔に化成処理を施したものを用いるという技術は、従来は、エチレングリコール−水系の溶媒にアンモニウム塩(NH4 塩)を溶解させた駆動用電解液を用いる場合に陰極箔の水和劣化、あるいは充放電時の陰極箔の容量低下を防止する技術として用いられることはあったが、本発明では、4級アンモニウム塩もしくはイミダゾリニウム塩を含む非水系の駆動用電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサにおいて、化成処理を施した陰極箔を用いる点に特徴を有する。
【0010】
本発明では、陰極箔は陰極のリード端子のアルミニム製の丸棒部より電極電位が貴になる。従って、陰極側のリード端子の丸棒部と陰極箔とによって局部電池が形成されても、丸棒部の表面では、丸棒部周辺における駆動用電解液においてアルカリ化が進行するような電極反応が起こらない。それ故、陰極側のリード端子の丸棒部付近で駆動用電解液に接するゴム封口体にアルカリ劣化、すなわち、端子挿通孔の内面のゴム弾性の低下が発生しないので、この部分からの駆動用電解液の漏出を防止することができる。
【0011】
また、交流エッチングを行った陰極箔はエッチングが細かいので、その分、活性なため、電極電位が卑である傾向にある。しかるに本発明では、このような交流エッチングを行った陰極箔に化成処理を行うため、その効果が顕著である。
【0012】
なお、陰極箔の化成電圧については、用いるリード端子の丸棒部の材質及び形状、駆動用電解液の種類により異なるが、0.5V以上は必要である。但し、化成電圧が5Vを越える場合には、陰極容量の低下をまねくだけであまり効果的ではない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。ここで用いるアルミニウム電解コンデンサの構造は、図1および図2を参照して説明したとおりなので、その説明を省略する。
[実施例1]
まず、γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒に、テトラエチルアンモニウムのフタル酸塩を主溶質として15重量%配合して駆動用電解液を調製した。次に、この駆動用電解液を用い、定格電圧16V、静電容量330μF、ケースサイズ10mm、長さ12.5mmの電解コンデンサを作製する。
【0014】
ここで用いた陰極箔は、純度が99%のアルミニウム箔に6%塩酸溶液中で交流電解エッチングを施した後、0.05V、0.5V、1.5V、2.5V、5.0Vの化成電圧で化成処理を施したものである。
比較用としては、従来から使用されているAl箔に交流エッチング処理を施した未化成の陰極箔を用いた。
【0015】
これらの陰極箔を用いて電解コンデンサをそれぞれ500個作製し、エージング処理を施した後、温度85℃、湿度85%の高温高湿雰囲気中にて定格電圧印加、無負荷放置試験を2000時間行い、試験後の各コンデンサ試料について駆動用電解液の漏出状況を確認した。
その結果を表1及び表2に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0004101939
【0017】
【表2】
Figure 0004101939
表1及び表2に示すように、陰極箔として交流エッチング後に0.5Vから5Vの化成処理を施したアルミニウム箔を用いたアルミニウム電解コンデンサでは駆動用電解液の漏出が発生せず、高い信頼性が得られることが判明した。
なお、テトラエチルアンモニウムのフタル酸塩に代えて、テトラエチルアンモニウムのマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウムのフタル酸塩あるいはマイレイン酸塩などといったその他の4級アンモニウム塩を用いた駆動用電解液で行った評価においても、やはり、交流エッチングを施した陰極箔に化成処理を施したものを用いたアルミニウム電解コンデンサでは駆動用電解液の漏出が発生しないことが確認できた。
[実施例2]
次に、γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒に、イミダゾリニウムのフタル酸塩を主溶質として15重量%配合して駆動用電解液を調製した。次に、この駆動用電解液を用い、定格電圧16V、静電容量330μF、ケースサイズ10mm、長さ12.5mmの電解コンデンサを作製する。
【0018】
ここで用いた陰極箔は、純度が99%のアルミニウム箔に6%塩酸溶液中で交流電解エッチングを施した後、0.05V、0.5V、1.5V、2.5V、5.0Vの化成電圧で化成処理を施したものである。
比較用としては、従来から使用されているAl箔に交流エッチング処理を施した未化成の陰極箔を用いた。
【0019】
これらの陰極箔を用いて電解コンデンサをそれぞれ500個作製し、エージング処理を施した後、温度85℃、湿度85%の高温高湿雰囲気中にて定格電圧印加、無負荷放置試験を8000時間行い、試験後の各コンデンサ試料について駆動用電解液の漏出状況を確認した。
その結果を表3及び表4に示す。
【0020】
【表3】
Figure 0004101939
【0021】
【表4】
Figure 0004101939
表3及び表4に示すように、陰極箔として交流エッチング後に0.5Vから5Vの化成処理を施したアルミニウム箔を用いたアルミニウム電解コンデンサでは駆動用電解液の漏出が発生せず、高い信頼性が得られることが判明した。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、駆動用電解液に4級アンモニウム塩もしくはイミダゾリニウム塩を含む駆動用電解液を用いた場合、従来の陰極箔では駆動用電解液が漏出していたものが、本発明のように、交流エッチング後に化成処理を施した陰極箔を用いることにより、陰極リード端子の丸棒部より陰極箔表面の電極電位を駆動用電解液中で貴になるように構成すると、駆動用電解液の漏出を確実に防止することができる。それ故、低損失、低インピーダンス特性を有するアルミニウム電解コンデンサの信頼性を向上させることができるので、本発明の持つ工業的、実用的価値は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム電解コンデンサの構成要素を示す斜視図である。
【図2】アルミニウム電解コンデンサの縦断面図である。
【符号の説明】
2 コンデンサ素子
3 陽極リード端子
4 陰極リード端子
5 ゴム封口体
6 アルミニウム製のケース
31、41 アルミニウム製の丸棒部
51、52 ゴム封口体の端子挿通孔

Claims (1)

  1. 陽極箔と陰極箔の間に電解紙を介して巻回したコンデンサ素子と、該コンデンサ素子の前記陽極箔及び前記陰極箔から引き出された陽極リード端子及び陰極リード端子のアルミニウム製の各丸棒部が各端子挿通孔にそれぞれ嵌められたゴム封口体と、4級アンモニウム塩もしくはイミダゾリニウム塩を含む非水系の駆動用電解液を含浸した前記コンデンサ素子を前記ゴム封口体とともに封止するケースとを有する有極性アルミニウム電解コンデンサにおいて、
    前記陰極箔として、交流エッチング処理後、0.5Vから5Vの化成電圧にて化成処理を施したアルミニウム箔を用いることを特徴とする有極性アルミニウム電解コンデンサ。
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