JP4101935B2 - 圧延機の冷却装置 - Google Patents
圧延機の冷却装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4101935B2 JP4101935B2 JP19128398A JP19128398A JP4101935B2 JP 4101935 B2 JP4101935 B2 JP 4101935B2 JP 19128398 A JP19128398 A JP 19128398A JP 19128398 A JP19128398 A JP 19128398A JP 4101935 B2 JP4101935 B2 JP 4101935B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- water
- cooling
- rolling
- control
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B45/00—Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
- B21B45/02—Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
- B21B45/0269—Cleaning
- B21B45/029—Liquid recovering devices
- B21B45/0293—Recovering coolants
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B45/00—Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
- B21B45/02—Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
- B21B45/0203—Cooling
- B21B45/0209—Cooling devices, e.g. using gaseous coolants
- B21B45/0215—Cooling devices, e.g. using gaseous coolants using liquid coolants, e.g. for sections, for tubes
- B21B45/0218—Cooling devices, e.g. using gaseous coolants using liquid coolants, e.g. for sections, for tubes for strips, sheets, or plates
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/10—Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)
- Control Of Metal Rolling (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧延機のロール及び圧延材の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間薄板圧延においては、1200℃程度に加熱された厚み300mm程度の直方体状のスラブをロールで圧延し、所望の厚みにし、最終的に水で冷却して製品としている。また形鋼、棒鋼などの圧延においても加熱、圧延、冷却というサイクルは同じである。以下では熱間薄板圧延を対象に説明する。
【0003】
図9に従来の圧延機の冷却装置を示す。
図9において、1は圧延材、2はワークロールで圧延材と接触しながら回転し、圧延材を薄く引き延ばす。3はバックアップロールで、ワークロール2の胴長方向のたわみを矯正するために設置されている。4は巻取り機で、製品を巻き取って、コイル状の形態で出荷するのが一般的である。
【0004】
また、5は仕上出側温度計、6は巻取り温度計であり、仕上出側温度計5と巻取り温度計6で圧延材1の温度を測定し、それぞれ所望の温度に制御している。
仕上出側温度の制御では、図7に示すように、仕上出側温度計5で測定した結果を、フィードバック(FB)制御により、ロール冷却水噴射ノズル7から噴射する水の流量を調整している。また仕上入り側に温度計が設置されている場合、その温度計の測定値を使用して、フィードフォワード(FF)制御を実施する場合がある。
【0005】
巻取り機前の圧延材温度を制御する巻取り温度制御では、図6(a)に示すように、仕上出側温度計5で測定した結果を、FF制御で巻取り温度制御用冷却水ノズル9から噴射する水の流量を調整し、また巻取り温度計6で測定した結果を、FB制御で巻取り温度制御用冷却水ノズル9から噴射する水の流量を調整する。巻取り温度制御用冷却水ノズル9は、長手方向80〜100m程度に数十列も設置されており、圧延材の冷却には大量の水を使用する。
【0006】
上述のように圧延ラインの2箇所で温度を制御するのは、冷却前と冷却後の温度によって作られる材質が異なるからであり、冷却の速度によっても材質は変化するためである。
【0007】
図10は、横軸に鉄に含まれる炭素量、縦軸に温度を取って、鉄の組織を示したものである。図10の中の境界線は、変態することを示している。たとえば、炭素を0.77%含むオーステナイト状の鉄を冷却して、727℃以下にすると、フェライトを含む鉄の組織に変態することを示している。
【0008】
また、図11は高温のオーステナイトの状態にある鉄を冷却したときにできる材質を示したものである。オーステナイトから焼き入れ(急冷)すると、硬く脆い性質を持つマルテンサイト(Cが固溶されたα鉄)+残留オーステナイトとなり、焼きなまし(ゆっくり冷却)すると、少し硬く脆いフェライト+パーライト(セメンタイトが層状)が生成する。また焼きならし(やや速めに冷却)すると、硬いが脆くないフェライト+ソルバイト(セメンタイトが粒状)ができ、焼き戻し(焼き入れ後、変態点以下の温度まで再加熱し冷却)すると、硬く靭性のあるフェライト+ソルバイト(セメンタイトが粒状)ができる。
【0009】
このように、温度と炭素量によって、鉄の組織、すなわち材質は変化する。従って炭素量と冷却方法により、鉄の材質を制御することが可能である。このため特に巻取り温度制御は、材質の生成に当たって、重要な機能である。
【0010】
一方、圧延材のみならず、圧延機のロールも冷却する必要がある。図9における圧延材冷却水噴射ノズル8からの冷却水により、ワークロール2を冷却している。
【0011】
図12(a)に示すように、冷却水はロール胴長方向に配置されたノズルから噴射されている。高温の圧延材と接触するロール表面は、やはり高温になり、ロール材質の劣化が起こるため、冷却する必要があり、また圧延が進むにつれロール内部まで熱が浸透し、ロールの熱膨張を起こすので、これを抑える必要がある。
【0012】
これらの冷却に使用される水は、繰り返し使用される。図9に示すように、まず冷却水を溜めておく冷却後水回収プール19があり、ポンプなどでくみ上げて配管系統を通して、上述のロール冷却水噴射ノズル7、圧延材冷却水噴射ノズル8、巻取り温度制御用冷却水ノズル9のノズルまで水が供給される。冷却後の熱を吸収した水は、一般に屋外に設置されている回収水冷却手段11で、常温まで冷却される。このとき熱は屋外の冷気に捨てられるだけである。常温まで冷却された水は、再び圧延材1やロール2を冷却するのに使われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、回収して使用される冷却水の温度には変動がある。たとえば長期間圧延が停止していた場合は、ほぼ外気温に一致するが、操業が連続して行われると、温まった冷却水の温度を完全には冷却することができないため、圧延が始まると冷却水の温度は上昇する。また当然のことながら、外気温の季節変動があり、冷却効果も変化する。
【0014】
巻取り温度制御においては、FF制御で仕上出側温度に基づいて冷却するが、圧延途中の速度の変更があった場合、速度変動が大きな外乱になるため、巻取り温度を目標値通りに合わせることは難しい。この外乱を抑制する目的でFB制御を行うが、FB制御においても巻取り温度制御用冷却水ノズル9から巻取り温度計6までのむだ時間があり、ノズルの開閉の応答も遅いため、オーバーシュートや応答遅れが生じやすい。この上に、上記の水温変化による温度制御能力の低下がある。
【0015】
また急速冷却を必要とする圧延材や、高温から低温まで一気に冷却する圧延材では、そのための大流量装置が必要であり、設備規模が大きくなる。
仕上出側温度制御では、圧延材冷却水噴射ノズル8が設置されているのは仕上圧延機の圧延機スタンド間であり、ノズルの数に制約があり、噴射できる水の流量には限界がある。このため制御できる温度範囲が限定される間題がある。
【0016】
ワークロール2の冷却においても、やはりロール冷却水噴射ノズル7が設置されているのは圧延機スタンド間であり、ノズルの数と噴射できる水量に限界がある。このためワークロール2の熱膨張を十分制御できない場合、図12(b)に示すように、圧延前の断面形状が凸形であった場合、本来は平坦形状またはやや凸形に圧延するべきであるのに、熱膨張したロールにより大きく凹形に圧延する場合がある。圧延前後での急激な断面形状の変化は、圧延材の平坦度を乱し、製品品質が悪くなる他、操業を停止させるなど、不安定にすることもある。
【0017】
ワークロール2や圧延材1の冷却に使用した水に含まれる熱は、外気に捨てられているので、省エネルギー化のため、また地球温暖化ガスの排出抑制のためにも、不利である。
【0018】
本発明は、上述のような間題点を解決するためになされたもので、氷蓄熱を利用して冷却水の温度を常温より低い温度に保つことにより、圧延材やロールの冷却を効率よく行うことができる圧延機の冷却装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る圧延機の冷却装置は、圧延ロールを有する圧延スタンドを少なくとも1台以上有する圧延機の冷却装置であって、圧延ロール及び圧延材の少なくとも一方を冷却するための媒体として、低温水を使用し、前記低温水は、圧延ロール及び圧延材を冷却した後温度が上昇した水を回収水冷却手段により常温まで冷却した水と、氷蓄熱手段により製造した氷点温度の水とを、冷却水供給手段において混ぜ合わせることにより生成されたものであり、前記冷却水供給手段の出側の低温水温度を目標温度に保つために、前記冷却水供給手段の出側の低温水温度の測定結果に基づき、前記氷蓄熱手段から供給される氷点温度の水の水量を調整する氷点水流量制御手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
このような構成とすることにより、圧延材やロールの冷却を効率よく行うことができる。
【0021】
また、圧延材や圧延ロールの冷却水の温度を所望の温度に制御することが可能となり、操業状態や季節の影響を受けることがなくなる。また氷による蓄熱を利用するため、操業していない時の余裕のある電力や、夜間の安価な電力を利用することができる。
【0023】
また、本発明に係る圧延機の冷却装置は、仕上げ圧延機及び仕上げ圧延機により圧延された圧延材を巻き取る巻取り機を備え、仕上げ圧延機の仕上げ出側温度制御、巻取り機前の圧延材温度を制御する巻取り温度制御、及び圧延ロールの冷却に、低温水を使用することもできる。
【0024】
このような構成とすることにより、巻取り温度制御では材質制御が容易になり、製造できる材質の範囲が広がる。また、仕上出側温度制御では、冷却が有効な範囲が広がり、制御性が向上する。このため巻取り温度制御の入側温度が安定し、巻取り温度制御にも有利になる。
【0025】
更に、本発明に係る圧延機の冷却装置は、仕上げ圧延機及び仕上げ圧延機により圧延された圧延材を巻き取る巻取り機を備え、巻取り機前の圧延材温度を制御する巻取り温度制御におけるフィードフォワード制御のために、低温水を使用してもよい。
【0026】
このような構成とすることにより、巻取り温度制御における材質制御が容易になる。
また、本発明に係る圧延機の冷却装置は、仕上げ圧延機及び仕上げ圧延機により圧延された圧延材を巻き取る巻取り機を備え、巻取り機前の圧延材温度を制御する巻取り温度制御におけるフィードバック制御のために、低温水を使用してもよい。
【0027】
このような構成とすることにより、フィードバック制御におけるバルブの応答遅れを改善することができ、冷却効率を高めることができる。
更にまた、本発明に係る圧延機の冷却装置は、圧延ロールを有する圧延スタンドを少なくとも1台以上有し、圧延ロールを冷却する場合、ロール胴長方向における熱膨張量が大きい部分に低温水をかけて膨張を抑制することもできる。
【0028】
このような構成とすることにより、ロールの膨張による圧延材の形状不良、操業の不安定化をなくすことができる。
また、本発明に係る圧延機の熱回収装置は、圧延ロールを有する圧延スタンドを少なくとも1台以上有し、圧延ロール及び圧延材を冷却した後の水から、それに含まれる熱を回収する熱回収手段と、この熱回収手段により回収された熱を利用する利用手段とを備えてもよい。
【0029】
このような構成とすることにより、回収される冷却水に含まれる熱を有効に回収して利用することにより省エネルギー化を実現することができる。
ここで、熱回収手段をヒートポンプで構成される熱回収手段とし、利用手段を発電手段とすることもできる。
このような構成とすることにより、回収した熱を利用することで発電手段の発電原単価を下げることができ、省エネルギー化に活用することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において従来例を示す図を含めて、同符号は同一部分または対応部分を示す。また、図1、図3、及び図5では、圧延スタンドがタンデムに配置された熱間薄板圧延機を例としている。
【0031】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、使用済みで温水になった冷却水は冷却後水回収プール19を用いて回収され、回収水冷却手段(従来の方法で屋外の空気に水をさらし、冷却する方法を適用するもの)11で常温(例えば、通常30℃程度)まで冷却され、そこから送出された常温水は、冷却水供給手段12に入る。一方氷蓄熱手段13では、製氷を行い、この氷で水を冷やすことができる。氷で0℃(氷点)まで冷やされた水(氷点水)は、冷却水供給手段12において、回収水冷却手段11からの常温水と混合され、常温水を、常温水よりかなり低い温度、通常10℃以下に冷却する。
【0032】
混合後の水(低温水)の温度は、常温水と氷点水の混合比を変えることで実現できる。冷却水供給手段12から送出される水の温度を測定する温度計15を設置し、この温度計測定値に基づいて、氷点水流量制御手段14が、流量制御バルブ16を操作することで、氷蓄熱手段13から冷却水供給手段12へ向かう氷点水の流量を調整する。
【0033】
氷蓄熱手段13としては、図2に示すように冷凍機による製氷手段がある。例えば電力により駆動される冷凍機21に水を供給し、氷を作る。この氷を溜めておき、水槽22に投入し、氷を解凍することで氷点水を製造できる。電力は夜間電力や自家発電電力などを使用すれば、エネルギー消費量を抑え、安価に運転することができる。
【0034】
なお、氷蓄熱手段13においては、冷凍機21で製造した氷を、回収水冷却手段11から配送される常温水に投入し、氷点水としても良い。
所望の温度に制御された冷却水供給手段12からの低温水は、配管などを通って常温水・低温水分配手段10に配送される。常温水・低温水分配手段10では、回収水冷却手段11から来る常温水と、冷却水供給手段2から来る低温水のどちらをロール冷却水噴射ノズル7、圧延材冷却水噴射ノズル8、巻取り温度制御用冷却水ノズル9のバルブに供給するか(または、常温水と低温水との分配割合)が、巻取り温度制御、仕上げ出側温度剰御、ロール冷却の各制御手段から与えられ、これらの各制御手段の制御にしたがって分配する。
【0035】
この第1の実施形態においては、圧延材や圧延用ロールの冷却水の温度を所望の温度に制御することが可能となり、操業状態や季節の影響を受けることがなくなる。また氷による蓄熱を利用するため、操業していない時の余裕のある電力や、夜間の安価な電力を利用することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態の構成を示すブロック図である。図3において、圧延材1やロール2を冷却し、温度が高くなった水(例えば、通常50〜60℃程度の水)を回収水冷却手段11に供給する前に、熱回収手段17により熱を回収し、その熱を利用可能とすると同時に、回収水冷却手段11での冷却効果を増大させる。
【0037】
図4に熱回収手段17の具体的な構成を示す。即ち、一般の冷蔵庫やエアコンに使用されている、ポンプ及びモータ(図示せず)により冷媒を循環させるヒートポンプ41を用い、回収された水に含まれる低温(例えば、通常50〜60℃程度)の熱を回収し、この熱を蓄積して高温水(例えば100℃の水)あるいは蒸気として、発電手段18に提供する。熱を奪われた回収水は、回収水冷却手段11に配送され、外気での冷却が行われる。このため効率的な冷却が可能である。
【0038】
発電手段18は、主熱源20からの熱に加えて、熱回収手段17からの熱を併用することで発電原単価を下げることができ、省エネルギー化に活用することができる。発電手段18により発生した電力は、図1中の氷蓄熱手段13の冷凍機に供給する電力などに使用することができる。
【0039】
この第2の実施形態においては、今まで利用されていなかった使用後の冷却水の熱を回収し、その熱を有効に利用することができる。このため省エネルギー化を実現することができ、地球温暖化ガスの排出抑制もつながる。さらに温まった水から熱を奪うため、回収した冷却水の温度を常温まで短時間で下げることができ、圧延設備全体の中での冷却水の循環流量を減らすことが可能となり、設備容量も少なくて済む。
【0040】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態は、第1の実施形態のシステムと、第2の実施形態のシステムとを組み合わせて構成したものである。即ち、図1に示す各手段、及び図3に示す各手段を組み合わせて、図5に示すようなシステムを構築することができる。
この第3の実施形態の動作については、第1及び第2の実施形態の動作より理解することができるので、その説明は省略する。
【0041】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図6は、第4の実施形態の構成を示す図である。
【0042】
一般に巻取り機前の圧延材温度を制御する巻取り温度制御は、図6(a)に示すように、FF制御60とFB制御61から構成されるが、大量の水を使用するため、低温水を全て使用することは、逆に不経済になる場合がある。そこで材質制御に使用するFF制御60の場合と、バルブ応答の遅れなどによる冷却効果の改善効果があるFB制御61に使用する。
【0043】
材質制御に使用するFF制御60では、特に高温から一気に低温まで冷却する必要がある場合があり、その時はたとえば図6(b)の冷却パターン1に示すような常温水、低温水のパターンとする。
【0044】
FB制御61では、巻取り温度計6により巻取り温度を測定しながら冷却水の流量を制御するため、バルブの0N/OFFや流量の制御を頻繁に行うため、バルブの応答が間題になる場合がある。バルブには一般に遅れがあり、また冷却水の冷却効果の現われ方の遅れや温度測定の遅れなどもあり、温度制御性が悪くなる。そこでFB制御に低温水を用いることで冷却効率を高め、小流量でも冷却性を良くし、温度制御性を改善する。
【0045】
図6(c)の冷却パターン2は、一般的な場合のFB制御61に低温水を用いることを示しているが、図6(b)の材質制御の場合の冷却パターン1においてもFF制御60に低温水を用いるとともに、FB制御61に低温水を用いている。
【0046】
次に、図7は仕上出側温度制御としてのFB制御71の構成例であるが、低温水を使用することで、従来設備と同じ規模、同じ流量でも温度制御範囲が広げることができる。また仕上出側温度計5から遠い圧延材冷却ノズル8は、無駄時間が大きく制御性が悪くなるため、仕上出側温度計5に近い後段の圧延材冷却ノズル8で低温水を使用することが有効である。
【0047】
この第4の実施形態においては、巻取り温度制御では材質制御が容易になり、製造できる材質の範囲が広がる。また、仕上出側温度制御では、冷却が有効な範囲が広がり、制御性が向上する。このため巻取り温度制御の入側温度が安定し、巻取り温度制御にも有利になる。
【0048】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図8は、第5の実施形態の構成を示す図である。
【0049】
一般に圧延用ロールの胴長は、圧延材の幅より大きく、そのためワークロール2の表面では圧延材1に触れて高温になる部分と、触れずに低温である部分がある。当然高温部分は熱膨張量が大きくなり、図8に示すように胴長方向の真ん中の部分が膨らむ形となる。
【0050】
ロール胴長方向に一様に同一温度の冷却水をかけていたのでは、この膨らんだ形は同様であるから、熱膨張量の大きい部分に低温水をかける。熱膨張量の大きい部分の長さは圧延材の幅に選ぶことができ、その長さに対応する冷却水のノズルに低温水を供給し、その他のノズルに常温水を供給する。低温水の供給が限定されるときは、圧延材の温度が高く、熱膨張量の大きい前段圧延スタンドのロールに適用すると効果が高い。
【0051】
一般に、ワークロール2の圧延材1に触れる部分の表面は、冷却しない場合は120〜120℃位になるが、常温水をかけて冷却した場合でも60〜70℃位になり、ワークロール2の直径600mm〜800mmに対し0.5mm位膨張するが、低温水をかけることによって、膨張をこれより少なくすることができる。
【0052】
この第5の実施形態においては、圧延用ロールの熱膨張を容易に抑制して、ロールプロフィールを制御することが可能になり、ロールの膨張による圧延材の形状不良、操業の不安定化をなくすことができる。
なお上記では、熱間薄板圧延機を例にとって説明したが、他の形態の圧延機にも容易に適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の圧延機の冷却装置によれば、氷蓄熱を利用して冷却水の温度を常温より低い温度に保つことにより、圧延材やロールの冷却を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】 第1の実施形態における氷蓄熱手段の構成例を示す図。
【図3】 本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図4】 第2の実施形態における熱回収手段の構成例を示す図。
【図5】 本発明の第3の実施形態の構成を示すブロック図。
【図6】 本発明の第4の実施形態における巻取り温度制御の構成例及び冷却パターンを示す図。
【図7】 本発明の第4の実施形態における仕上出側温度制御の構成例を示す図。
【図8】 本発明の第5の実施形態におけるワークロールへの冷却水のかけ方を示す図。
【図9】 従来の圧延機の冷却装置を示すブロック図。
【図10】 温度と鉄の組織との関係を示す図。
【図11】 鉄の冷却によってできる材質を示す図。
【図12】 ワークロールの冷却方法と熱膨張の影響を示す図。
【符号の説明】
1…圧延材
2…ワークロール
3…バックアップロール
4…コイラー(巻取り機)
5…仕上出側温度計
6…巻取り温度計
7…ロール冷却水噴射ノズル
8…圧延材冷却水噴射ノズル
9…巻取り温度制御用冷却水ノズル
10…常温水・低温水分配手段
11…回収水冷却手段
12…冷却水供給手段
13…氷蓄熱手段
14…氷点水流量制御手段
15…流量計
16…流量制御バルブ
17…熱回収手段
18…発電手段
19…冷却後水回収プール
20…主熱源
21…冷凍機
22…水槽
41…ヒートポンプ
60…FF制御
61、71…FB制御
Claims (2)
- 圧延ロールを有する圧延スタンドを少なくとも1台以上有する圧延機の冷却装置であって、
前記圧延ロール及び圧延材の少なくとも一方を冷却するための媒体として低温水を使用し、
前記低温水は、圧延ロール及び圧延材を冷却した後温度が上昇した水を回収水冷却手段により常温まで冷却した水と、氷蓄熱手段により製造した氷点温度の水とを、冷却水供給手段において混ぜ合わせることにより生成されたものであり、
前記冷却水供給手段の出側の低温水温度を目標温度に保つために、前記冷却水供給手段の出側の低温水温度の測定結果に基づき、前記氷蓄熱手段から供給される氷点温度の水の水量を調整する氷点水流量制御手段を備えたことを特徴とする圧延機の冷却装置。 - 前記圧延機は熱間薄板圧延機であって、その熱間薄板圧延機の仕上げ圧延機及び前記仕上げ圧延機により圧延された圧延材を巻き取る巻取り機を備え、前記仕上げ圧延機の仕上げ出側温度制御、前記巻取り機前の圧延材温度を制御する巻取り温度制御に低温水を利用し、低温水の使用量を削減するために、仕上げ出側温度制御のフィードバック制御、および、材質管理の厳しい高品質材の巻取り温度制御に低温水を使用することを特徴とする請求項1に記載の圧延機の冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19128398A JP4101935B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | 圧延機の冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19128398A JP4101935B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | 圧延機の冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000015322A JP2000015322A (ja) | 2000-01-18 |
JP4101935B2 true JP4101935B2 (ja) | 2008-06-18 |
Family
ID=16271995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19128398A Expired - Lifetime JP4101935B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | 圧延機の冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4101935B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5568271B2 (ja) * | 2009-09-17 | 2014-08-06 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 熱回収装置 |
US9180506B2 (en) | 2013-03-15 | 2015-11-10 | Novelis Inc. | Manufacturing methods and apparatus for targeted cooling in hot metal rolling |
CN110765671B (zh) * | 2019-12-05 | 2022-07-08 | 中冶南方工程技术有限公司 | 一种热轧工作辊温度分布获取方法及装置 |
CN111715709B (zh) * | 2020-06-16 | 2021-03-09 | 江门绿润环保科技有限公司 | 一种纳米铁粉的回收方法 |
-
1998
- 1998-07-07 JP JP19128398A patent/JP4101935B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000015322A (ja) | 2000-01-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2291457A1 (en) | Coiling temperature control method and system | |
EP1179375B1 (en) | Method for producing hot rolled steel sheet and apparatus therefor | |
CN107062771A (zh) | 化霜控制方法及风冷冰箱 | |
WO2010083726A1 (zh) | 一种热轧带钢及钢板板形控制的方法和设备 | |
JP2005510359A (ja) | 金属ホットストリップを圧延するための冷却区間の前段の仕上ラインに対する制御方法 | |
JP4101935B2 (ja) | 圧延機の冷却装置 | |
CN104768666B (zh) | 喷嘴头、冷却装置、热轧钢板的制造装置、以及热轧钢板的制造方法 | |
JP2000313920A (ja) | 高温鋼板の冷却装置および冷却方法 | |
CN106863611A (zh) | 一种混凝土预冷水冷骨料工艺 | |
RU2001106994A (ru) | Способ изготовления горячекатаных полос и листов | |
CN112126753A (zh) | 一种用于辊式淬火机的金属板带材测温装置和控温方法 | |
KR890002799B1 (ko) | 연속 소둔로 냉각대의 스트립 온도 제어방법 | |
JPH0390206A (ja) | 熱延鋼板の冷却制御方法 | |
JPS57165102A (en) | Hot rolling method for continuously cast unidirectional electromagnetic steel slab | |
JP3901839B2 (ja) | プラスチック成形装置の冷却機構及び冷却方法 | |
JP2003025008A (ja) | 熱間圧延における被圧延金属材の冷却制御方法 | |
JP2713003B2 (ja) | 鋼帯の冷却方法および冷却装置 | |
JPS6259172B2 (ja) | ||
CN106799400A (zh) | 一种轧机均匀快冷系统 | |
JP2819984B2 (ja) | 鋼ストリップの冷却方法 | |
JP2003145208A (ja) | 圧延機および圧延方法 | |
KR101175408B1 (ko) | 압연 롤과 이를 사용한 유니버셜 압연기 | |
JPS61136636A (ja) | ストリップの連続焼鈍における冷却乾燥方法 | |
KR20120032872A (ko) | 압연기용 워크롤 냉각장치 | |
CN204919177U (zh) | 分段去皱的节水节电制革设备 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20040326 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040824 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071218 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080318 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080321 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140328 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |