以下、図1〜図22を用いて、本発明によるゲーム機を診断ゲーム機に適用した実施の形態について説明する。本ゲーム機は1〜3人のプレイヤーによるプレイに対応可能とされている。
最初に本ゲーム機による診断ゲームの概略について説明する。ゲームがスタートすると、まず、プレイヤーエントリーステージにおいてプレイヤーの人数(1〜3人)の入力を受け付ける。次に、データ入力ステージに移行し、プレイヤーの電話番号、生年月日、血液型等の入力を受け付けて、ジャンル選択ステージに移行する。ジャンル選択ステージでは、診断の対象となるジャンル(ラブ系、おしゃれ系、カップル系…等)をプレイヤーに選択させる。次の診断ステージでは、ゲーム機のディスプレイを介し、プレイヤーに対して全部で7問の質問を行うとともに、その回答をプレイヤーに選択させる。この質問はジャンル選択ステージで選択されたジャンルに対応した内容とされている。
次のプリント待ちステージでは、ゲーム機からプレイヤーに電話をかける時刻をプレイヤーに設定させた後、診断結果の見方をディスプレイに表示する。その後、診断結果が印刷された3枚綴りのリフィルが払い出される。このリフィルの印刷形式はプレイヤーの人数によって異なるものとされる。
ゲーム終了後、プリント待ちステージにおいて設定された時刻になると、ゲーム機から特定のプレイヤーの携帯電話や一般加入電話等に対して電話がかかる。プレイヤーが複数いる場合には、その中の1人のみに対して電話がかかる。電話では、選択されたジャンルに関するコメント、ゲームのポイント(得点)や全国順位等が告知される。
リフィルに印刷され、あるいは電話で告知される診断結果、ポイント等は、プレイヤーの生年月日、血液型および質問に対する回答等に基づいて決定ないし算出される。
本ゲーム機では、個々のプレイヤーごとにゲームの履歴が記憶され、電話でのコメントには、各プレイヤーの履歴が反映される。また、記憶された履歴を利用することにより、リピーターの入力手順が簡略化される。さらに、プレイ回数の多いリピーターに対する特典として、通常はプレイすることができないテーマ(隠れテーマ)についての選択が認められる場合がある。また、特定の時間帯のみにプレイすることができる隠れジャンルが設定されている。
本ゲーム機では、上述したような診断を行う通常のジャンル以外に、女性向けのゲームとしてスペシャルゲームが用意されている。このスペシャルゲームは、通常のジャンルをプレイしたときに払出されたリフィルに印刷されたキャラクタと、ゲーム終了後の電話でのコメント中で告げられたキャラクタとが一致した場合に限り選択できるゲームである。スペシャルゲームをプレイした場合には、プレイヤー本人に診断内容がリフィルおよび電話で告げられる代わりに、ゲーム機が、履歴として記録されている男の子のプレイヤーの中から最も相性の良い者を選択してその男の子の情報をリフィルに印刷して払出すとともに、その男の子に電話をかけ、スペシャルゲームのプレイヤーの名前等を告げるというものである。
図1は本発明によるゲーム機の斜視図、図2はゲーム機を前方向から見た図、図3は図2のIII−III線方向から見た図、図4は図2のIV−IV線断面図である。
図1に示すように、ディスプレイ1等が設けられた筐体100の前面(プレイヤーが対向する面)上部は、全体として携帯型電話の端末を模した形状とされている。図1〜図4に示すように、本ゲーム機の筐体100の前面には、プレイヤーに対する質問や必要なコメント等を表示するためのディスプレイモニタ1が取り付けられている。モニタ1の上方にはゲームの名称等が表示されるパネル2が取り付けられ、所定の音響を出力するための一対のスピーカ3がパネル2内に嵌め込まれる。モニタ1の直ぐ下方に取り付けられたパネル4には、ゲームの操作手順等の説明が記載されている。
モニタ1の下方にはコントロールパネル10が筐体100の前方に向けて突設される。コントロールパネル10には3組の操作部11が設けられ、各操作部11は、それぞれ2つの押しボタンスイッチ12と、電話機を模した12個のキーからなるキーボード13とを備える。操作部11はゲームに参加する各プレイヤーに対応して設けられ、プレイヤーが3人の場合には全操作部11が各プレイヤーの操作を受け付ける。また、プレイヤーが1人または2人の場合には、3組の操作部11のうち、所定の1つまたは2つのみがプレイヤーの操作を受け付ける。操作部11に対して所定の操作を行うことにより、プレイヤーはプレイ人数や電話番号等の個人データを入力したり、質問の回答を選択したりすることができる。操作方法は通常のゲーム機と同様であるため、その詳細は省略する。
コントロールパネル10の下方には、印刷済みのリフィルを払い出すための払出し口21と、硬貨の投入口22と、硬貨の返却口23と、硬貨の返却レバー24とが設けられている。
筐体100の上部には、筐体100の背面側から前面側に向けて引き伸ばされたフレーム27が取り付けられ(図4参照)、ゲーム筐体100の前面上部を覆うように透明カーテン28がフレーム27を利用して取り付けられている(図1)。
図4に示すように、筐体100の内部には、ゲーム機の動作を制御する制御基板101と、制御基板101に接続され、電話の発信を制御する電話制御基板102と、リフィルに印刷を施すためのプリンタ103とが設けられている。
図5に示すように、制御基板101はモニタ1、プリンタ103、コントロールパネル10(押しボタンスイッチ12、数値入力用キーボード(テンキー)13)、CD−ROM(A)に記録されたゲームのプログラムデータ等を読み取る読取装置104、およびプレイヤーの個人データ等が記憶されるメモリ110が接続される。
図6に示すように、読取装置104にセットされたCD−ROM(A)には、ゲーム進行に必要な各種処理を実行するためのプログラムデータと、モニタ1に表示されるゲーム画面をデータ化したゲーム画面データと、ゲーム中等に再生される音響や各キャラクターの音声をデータ化したゲーム音声・擬音データと、設問をモニタ1に表示するために用いる診断設問データおよびリフィルへの印刷内容をデータ化した診断結果データからなる診断用データと、リフィルへの印字に用いる文字フォントデータとが記録されている。
図7に示すように、メモリ110にはプレイヤーの電話番号、生年月日、血液型、性別、名前、最終プレイ年月日、「A」〜「H」に属する各テーマごとの履歴およびキャラナンバー当選年月日が記録される。テーマごとの履歴には、電話履歴、着信状態、電波状態等の通信に関する履歴が含まれる。
図5に示すように、制御基板101には電話の通信を制御する電話制御基板102が接続され、電話制御基板102にはCD−ROM(B)に記録されたデータを読み取る読取装置105と、携帯電話システムを利用してプレイヤーに所定のコメントを送信する通信端末機106とが接続される。電話によるコメントは、基地局107,109、公衆回線108を介してプレイヤーに伝達される。なお、通信端末機106から基地局107へは無線による通信である。図5に示すように、コメントを受信するプレイヤーは、一般加入電話あるいは携帯型電話のうちいずれを利用することも可能である。
また、図5に示すように、通信処理に用いるメモリ111が電話制御基板102に接続される。
図6に示すように、CD−ROM(B)には電話によるコメントをデータ化した電話用音声データが記録されている。この電話用音声データは、前文、本文、全国順位、キャラクタ、オプションおよびスペシャルの各データから構成される。これらのデータを適宜組み合わせることにより、電話によるコメントが作成される。
以下、図8〜図13を用いて、本ゲーム機のゲーム処理の一部について、ゲームの進行に即して説明する。図8〜図13の処理は制御基板101に実装されたCPUにより実行される。図8はメインルーチンを示しており、ゲーム機の電源を投入すると、所定の立ち上げ処理を実行した後、図8の処理がスタートする。
この処理では、ゲーム機内に設けられたタイマーの時刻を読み、閉店までの時間が1時間以下か否か判断する(ステップS1)。判断が肯定されれば閉店直前用のタイトルデモをモニタ1に表示するとともに(ステップS2)、投入された硬貨が返却口23から排出されるようにして硬貨の投入を禁止し(ステップS3)、ステップS1へ戻る。ステップS1の判断が肯定されれば、通常のタイトルデモをモニタ1に表示し(ステップS4)、硬貨の投入を許容する(ステップS5)。
このゲーム機では、ゲーム機の電源を落とす前に当日分の通信処理を完了させる必要があるため、閉店時刻の直前はゲームをプレイできないようにしている。したがって、閉店時刻の直前はゲームプレイの処理を行うことなく、通信処理のみを実行する。なお、閉店時刻は所定の操作により任意の時刻に設定できる。閉店直前用のタイトルデモは、当日のゲームプレイの受付が終了したことを知らせる内容とすればよい。
ステップS6ではプレイ料金に相当する硬貨が投入されたか否か判断し、判断が肯定されれば、以降の硬貨の投入を禁止してプレイヤーエントリーステージ(ステップS100)、データ入力ステージ(ステップS200)、ジャンル選択ステージ(ステップS300)、診断ステージ(ステップS400)およびプリント待ちステージ(ステップS500)の各処理を順次実行する。一方、ステップS6の処理が否定されれば、ステップS1へ戻る。
図9はプレイヤーエントリーステージ(ステップS100)の処理を示す。図9の処理では、プレイヤーに対してプレイ人数の入力操作を要求する画面をモニタ1に表示し(ステップS102)、操作部11への操作によって1〜3のいずれかのプレイ人数が選択されれば(ステップS104、ステップS106およびステップS108)、そのプレイ人数を記憶して(S110)、データ入力ステージの処理(S200)へ移る。
図10はデータ入力ステージの処理を示す。図10の処理では、データの入力を各々のプレイヤーに要求する画面をモニタ1に表示し(ステップS201)、その後、電話番号および生年月日が入力されるのを待って(ステップS202)、入力された番号が本ゲーム機における発信禁止番号か否か判断し(ステップS204)、判断が肯定されれば警告をモニタ1に表示して(ステップS206)ステップS202へ戻る。このように、本ゲーム機は電話番号入力時のチェック機能を有し、上記ステップS204では、国内の個人の電話番号以外の電話番号を発信禁止番号として設定し、その入力を禁止する。当然、発信禁止番号の設定方法は任意であり、また、発信電話番号を持たない構成も可能である。
ステップS204の判断が否定されれば、生年月日が入力されるのを待って(ステップS208)、その後、メモリ110に記録されている電話番号および生年月日等を照会して(S210)、入力された電話番号および生年月日と一致すれば、ステップS222へスキップする。このように本ゲーム機では、電話番号等を暗証番号として利用しており、電話番号等が記録されている場合にはすでにメモリ110に記録されている個人データを利用するので、リピーターは電話番号および生年月日以外の個人データを入力する必要がない。
ステップS210において、入力された電話番号および生年月日と一致するデータがメモリ110に記録されていなければ、血液型(ステップS214)、性別(ステップS216)および名前(ステップS218)の入力を受けて、入力された個人データをメモリ110に記録する(ステップS220)。
次に、ステップS222において、対応するプレイヤーの入力操作が終了したと判定されればジャンル選択ステージ(S300)の処理へ移行し、未終了と判定されればステップS202へ戻る。
図11はジャンル選択ステージの処理を示す。この処理では、図15および図16に示す全部で9つ(A〜Hおよびスペシャル)のジャンルの中から、プレイヤーの意思に従って1つのジャンルを選択する。また、選択されたジャンルに属するテーマ(例えばジャンルAが選択されている場合にはA1〜A5のコードで表されたテーマ)の中から1つのテーマをプレイヤーの意思に従って選択する。
但し、9つのジャンルのうち、「H」のジャンルは「隠れジャンル」とされており、特定の時間帯、例えば午後8時以降にのみプレイすることができる。また、スペシャルゲームのジャンル(図16の最下欄)は、後述する特定の条件が満たされている場合に限りプレイすることができる。さらに、「A」〜「G」のジャンルでは、それぞれ1つずつ「隠れテーマ」(A5,B5,C5,D5,E5,F5およびG5)が設定されており、これらの隠れテーマは、同じジャンルに属する他の4つのすべてのテーマについて診断の電話を受けたプレイヤーがいる場合にのみ、プレイが可能となる。隠れテーマのプレイが選択可能な否かは、メモリ110に記録されたプレイヤーの履歴を参照して判断される。
次に、ジャンル選択ステージの処理の詳細について説明する。この処理では,最初にスペシャルゲームが選択可能か否か判断し(ステップS302)、判断が肯定されればステップS308へ進み、スペシャルゲームを含むジャンル一覧をモニタ1に表示して、その中から1つのジャンルを選択するようにプレイヤーに要求し、ステップS316へ進む。ステップS302の判断が否定されれば、ステップS310へ進む。
ステップS310では隠れジャンルが選択可能か否か、すなわち上記特定の時間帯であるか否か判断し、判断が肯定されれば、隠れジャンルを含むジャンル一覧をモニタ1に表示して、その中から1つのジャンルを選択するようにプレイヤーに要求し、ステップS316へ進む(S312)。ステップS310の判断が否定されれば、隠れジャンルを含みスペシャルゲームが除外されたジャンル一覧をモニタ1に表示して、その中から1つのジャンルを選択するようにプレイヤーに要求し、ステップS316へ進む(S314)。
上記ステップS302の判断は、メモリ110に記憶されたキャラナンバー当選年月日とプレイ日との比較に基づく。プレイ日がキャラナンバー当選日あるいはその次の日であれば、判断が肯定される。
ステップS316ではモニタ1に表示されたジャンルの中からプレイヤーが1つのジャンルを選択したか否か判断し(ステップS316)、判断が肯定されればステップS318へ進む。ステップS316では、プレイヤーが複数の場合には、「A」または「B」のジャンルを選択することはできず、判断が否定される。したがって、「A」または「B」のジャンルはプレイヤーが1人の場合のみに選択可能とされる。
ステップS318では、隠れテーマが選択可能な状態か否か、すなわち選択されたジャンルに属する他の4つのすべてのテーマについて電話を受けたプレイヤーがいるか否か判断する(ステップS318)。この判断が肯定されれば、選択されているジャンルに属する隠れテーマを含むテーマ一覧をモニタ1に表示して、その中から1つのテーマを選択するようにプレイヤーに要求し、ステップS324へ進む(ステップS320)。この判断が否定されれば、選択されているジャンルに属し隠れテーマを除くテーマ一覧をモニタ1に表示して、その中から1つのテーマを選択するようにプレイヤーに要求し、ステップS324へ進む(ステップS322)。なお、選択されたジャンルに隠れテーマが存在しない場合も、上記ステップS322を経由してステップS324へ進む。ステップS324ではモニタ1に表示された中から1つのテーマが選択されるのを待って、診断ステージ(ステップS400)へ進む。
図12は診断ステージの処理を示す。この処理では、スペシャルゲームが選択されているか否か判断し(ステップS401)、判断が否定されればステップS402へ進んで全プレイヤーのポイントを「0」に、設問に対応する変数Pを「1」にそれぞれリセットし、その後、P番目の設問をモニタ1に表示して(ステップS404)全プレイヤーが回答を選択するのを待って(ステップS406)、各プレイヤーの回答を記憶する(ステップS408)。次に、P=7か否か判断し(ステップS410)、判断が否定されればPの値に「1」を加算し(ステップS412)、ステップS404へ進む。ステップS410の判断が肯定されればステップS414へ進む。
一方、ステップ401の判断が肯定されればステップS422へ進んで設問に対応する変数Pを「1」にリセットし、その後、P番目の設問をモニタ1に表示してプレイヤーが回答を選択するのを待って(ステップS424)、回答を記憶する(ステップS428)。次に、P=7か否か判断し(ステップS430)、判断が否定されればPの値に「1」を加算し(ステップS432)、ステップS424へ進む。ステップS430の判断が肯定されればステップS414へ進む。
ステップS414では、リフィルの印刷に必要な印刷データの作成等を行う。ステップS414の処理の詳細については後述するが、このステップでは、ポイントの算出や全国順位の算出等、リフィルへの印刷データの作成に必要なすべての処理を行う。その後、電話のコール先を決定するとともにコメントの音声データを作成して(ステップS416)、ステップS418へ進む。ステップS416の処理の詳細は後述する。ステップS418では、プレイヤーのプレイ履歴、最終プレイ年月日および必要に応じてキャラナンバー当選年月日をメモリ110に記録して、プリント待ちステージ(ステップS500)へ進む。
上記ステップS416において、コール先は、複数のプレイヤーがいる場合には、例えば最もポイントの高かった、あるいは低かった人等に定めることができる。また、プレイヤーが1人の場合にはそのプレイヤーがコール先であり、スペシャルゲームが選択されている場合には、プレイヤーとの相性が最も良い男の子(履歴が記録されたプレイヤー)がコール先である。この相性は、ステップS416において、プレイヤーの個人データおよび質問の回答と、履歴として記録されたデータとを比較して算出される。比較した結果、相性を示す数値が最も高いプレイヤーが電話をかける相手として選択される。
図13はプリント待ちステージの処理を示す。この処理では、スペシャルゲームが選択されているか否か判断し(ステップS502)、判断が肯定されればステップS510へスキップする。ステップS502の判断が否定されれば、一般加入電話を利用するプレイヤーがいるか否か判断し(ステップS504)、ステップS504の判断が肯定されればステップS508へ進み、ステップS504の判断が否定されればステップS506へ進む。上記ステップS504の判断はプレイヤーの電話番号に基づく。ステップS506では、ゲーム機から電話をかける時刻(コールタイム)として、ゲーム終了から(1)約5分後、(2)約10分後、および(3)約15分後の3つのうちから1つを選択するように、プレイヤーに要求する表示をモニタ1に出力し、その中から1つが選択されるのを待って、ステップS510へ進む。一方、ステップS508では、ゲーム機から電話をかける時刻(コールタイム)として、ゲーム終了から(1)約5分後、(2)約10分後、(3)約15分後、および(4)約60分後の4つのうちから1つを選択するように、プレイヤーに要求する表示をモニタ1に出力し、その中から1つが選択されるのを待って、ステップS510へ進む。
ステップS510では、リフィルのプリントアウトを開始して、次いでプリントアウトされる診断結果の見方をモニタ1に表示し(ステップS512)、ステップS1(図8)へ戻る。なお、時間の設定は例示であって、他の時間を設定可能としてもよい。
上記ステップS504の判断に応じてコールタイムとして選択できる時刻の範囲を異なるものとしたのは、一般加入電話ではゲーム終了直後に電話を受けることが困難であることを考慮したものである。すなわち、プレイヤーに一般加入電話を利用する者がいる場合には、ゲーム終了から約60分経過後の設定を可能とすることにより、ゲーム機からの電話を容易に自宅等で受けることができるように配慮している。
図14は、設定されたコールタイムに合わせて、通信端末機106を介してゲーム機からプレイヤーに向けて電話をかけるための通信処理を示す。通信処理は電話制御基板102において、図8〜図13の処理と並行して実行され、正常にメッセージを送信するまで、所定の回数(例えば3回)を限度として電話をかける。プレイヤーには、ゲーム終了後にゲーム機から電話がかかることとなる。
複数の送信先が同時に存在する場合には、特定のプレイヤーに対して1回目にかける電話を優先する。これは、電話をかける時間(コールタイム)がプレイヤーの意思に従って設定されているため、その設定時刻がなるべく守られるような処理を行うのが合理的だからである。通信処理はゲームの受け付け終了後、閉店までの間も続行され、これによりその日のゲームに基づいて設定された送信先のすべてについて電話をかけることが可能とされている。
また、このゲーム機では、実際にプレイヤーが応答した場合や、無応答であった場合、あるいは電話機の留守番電話や電話局の留守番電話サービスが応答した場合、等のいくつかのケースに対処できるようにされている。
例えば、(1)電話の呼び出し音(コール)があった後に応答があり、しかも通信が正常に終了すれば通話が成功したものと判断する。(2)コールがあった後に応答があったが、通話中に回線が切断されれば通話が失敗したものと判断する。(3)コールがあった後に応答があったが、通話中に特有の発信音が受信されれば、留守番電話機能による、あるいは留守番電話サービスによる応答があったものと判断する。(4)コールする前に応答があれば、a)留守番電話機能による、あるいは留守番電話サービスによる応答があった、あるいは、b)携帯型電話の電源がオフされているか電波状態が悪い、ものと判断する。(5)所定時間コールしても応答がない場合には、何らかの事情で電話にでることができなかったものと判断する。
一般に、人が電話にでる場合には、コール音を聞いた後に応答することになるから、上記(4)のようにコールする前に応答があれば、留守番電話等の装置が応答したものと判断する。また、事業者によっては、ある一定時間コールしても応答がない場合には、留守番電話サービスに接続するようにしているので、その時間を考慮し、上記(5)では、例えば約15秒間あるいはさらに短い時間のコールを目安として判断する。さらに、コールがあった後に応答があれば、通常は人が応答したものと判断することができるが、電話機の設定等によっては留守番電話機能あるいは留守番電話サービスが応答しているケースもありうるので、通話中に「ピー」という発信音が受信された場合には、上記(3)のように留守番電話機能等による応答であると判断する。なお、上記(3)では、例えば、特定周波数の継続音が検出された場合に、留守番電話機能等の発信音が受信されたと判断することができる。
次に、図14の通信処理の詳細について説明する。通信処理では、メモリ111に、メモリ110の履歴から新たな送信先候補の電話番号を読み込み、候補の中から送信先を決定した後(ステップS602)、送信先の電話番号を発信する(ステップS604)。なお、上記のようにステップS602では、複数の候補が競合する場合には初回のコールを優先し、2回目以降のコール、あるいはスペシャルゲームに基づく送信先等を後の処理に回すようにする。スペシャルゲームに基づく電話、あるいは後述するオプションの音声を送信する電話には時刻の指定がないため、ステップS602における通信先決定時の優先順位としては低くても問題が生じない。
次いで、回線が接続不能である、すなわち送信先が話し中、または電話回線の異常があるか否か判断し(ステップS606)、判断が肯定されればステップS622へスキップし、判断が否定されれば回線が接続されたか否か判断する(ステップS608)。ステップS608の判断が肯定されればステップS622へスキップして回線を切断し、判断が否定されればコール(呼び出し音)が開始されたか否か判断する(ステップS610)。上記ステップS608において判断が肯定される場合には1回のコールもなく回線が接続されたことを意味するので、この場合には上記(4)に相当するものとして回線を切断している(ステップS622)。上記ステップS606およびステップS608の判断結果は、そのつどメモリ111に書き込まれる。
ステップS610ではコールが開始されたか否か判断し、判断が否定されればステップS606へ戻り、ステップS610の判断が否定されれば回線が接続されたか否か判断する(ステップS612)。ステップS612の判断が否定されれば、コール開始から15秒間経過したか否か判断し(ステップS614)、ステップS614の判断が否定されればステップS612へ戻り、ステップS614の判断が肯定されればステップS622へ進む。一方、ステップS612の判断が肯定されればメッセージを送信して(ステップS616)、送信後、正常に通信ができたか否か判断し、判断結果をメモリ111に書き込む(ステップS618)。ステップS618の判断が肯定されればステップS620へ進み、メッセージの通信が完了した旨の情報をプレイ履歴としてメモリ110に記録する。その後、メモリ111に記憶されている送信先の候補からそのプレイヤーを削除して(ステップS628)、ステップS602へ戻る。
一方、ステップS618の判断が否定されればステップS622へ進む。上記ステップS618では、通話中に留守番電話機能等に特有の発信音が検出された場合(上記(3)の場合)、および回線の接続が切断された場合(上記(2)の場合)には、正常な送信ができなかったものとしてステップS622へ進むようにしている。
ステップS622では回線を切断し、その後、リトライ回数をカウントアップしてメモリ111に書き込むとともに、メモリ110の電話通信に関する履歴を書き換える(ステップS624)。次に、リトライ回数が所定数、例えば3回よりも大きいか否か判断し、判断が肯定されれば送信先の候補からそのプレイヤーを削除してステップS602へ戻り(ステップS628)、一方、ステップS626の判断が否定されれば、ステップS630において、メモリ110の電話通信に関する履歴を書き換えるとともに、所定時間待機して、ステップS602へ戻る。
ステップS630で待機するのは、自動発信のリダイヤル規制を考慮したものである。待機時間は、次の発信時刻に合わせた長さとされるが、例えば、約2分間隔で電話をかけるように設定される。なお、同一プレイヤーに対する2回目以降の発信時刻は、リトライ回数、接続失敗の要因等を考慮して決定される。
<ポイントの計算方法>
次に、図15および図16を用いて、通常のジャンル(スペシャルゲーム以外のジャンル)におけるポイントの計算方法について説明する。ポイントの計算はステップS414(図12)において実行される。図15および図16は各テーマにおけるポイントの計算方法を示す図である。なお、図15および図16は全体で1つの表を構成するが、表示上の関係から1つの表を上下に分割してそれぞれ図15および図16として表示している。従って、図16の各欄の項目表記は図15のそれを参照されたい。
(1)パラメータ値:プレイヤーの生年月日およびプレイ日に基づいてセンス、心、パワーに関するパラメータ値を算出し、テーマごとに決められた2つの項目(センス、心、パワーのうちの2つ)についてのパラメータ値から0,3または5点の中からポイントを決め、2つのポイントを加算する。
(2)血液型:プレイヤーの血液型により、予めテーマごとに付与されたポイントを加算する。但し、図15にも示すように、「C」のジャンルでは2人の血液型の組み合わせによりポイントを決定する。
(3)設問回答結果:全部で7問の設問に対する回答の3者択一の結果により、0,3または5点を加算する。但し、「C」のジャンルでは2人の回答の組み合わせによりポイントを決定する。
上記(1)〜(3)のポイントを加算すると、0〜50の範囲のポイントになる。このポイントを5段階に分け、ポイントクラスに応じた診断結果を得ることになる。
<リフィルの印刷内容>
次に、図17〜図19を用いてリフィルの印刷内容について説明する。リフィルの印刷内容のデータはステップS414(図12)において作成され、リフィルはステップS510(図13)においてプリントアウトされる。ポイントの算出や全国順位の算出等に必要なテーブルはメモリに格納されており、読み込まれたテーブルに基づいて印刷データが作成される。なお、後述する音声データの作成についても、メモリに格納されたテーブルに基づいて行われる。
図17はプレイヤーが3人いる場合の1人分のみが印刷されたリフィルを示している。図17に示すように、払出される用紙はミシン目によって3枚のリフィル201A〜201Cが互いに切り離し可能に連結した仕様となっている。
図17に示す名前エリア202にはプレイヤーの名前がカタカナ(最大4文字)で印字される。また、キャラポイントエリア203には現在のキャラポイントの数だけ着色されたハートマークが印刷される。キャラポイントはジャンル(A〜G)ごとに、診断テーマをプレイし、かつ電話を受けることができるとそのプレイヤーに加算されるポイントである。したがって、1人プレイの場合には必ずポイントが加算される。キャラポイントが4ポイントたまると、そのジャンルの隠れプレイ(A5、B5、C5、D5、E5、F5またはG5)がプレイできる。複数プレイヤーでのプレイ時には、その中の1人でも4ポイントたまっていれば、隠れテーマがプレイできる。なお、図16のキャラポイントエリア203には、キャラポイントが3ポイントたまった状態が示されている(3つのハートマークに着色されている)。
中央エリア204には、選択されたテーマに即したメインの総合診断内容が印字される。3人でのプレイの場合には各リフィル201A〜201Cごとに総合診断内容が印字される。
ところで、各ジャンルには、そのジャンルの診断を行う特定のキャラクターが設定されている。図15に示すように、例えば「A」のジャンルにはキャラクターとして「リナ」が、「B」のジャンルには「グリン」がそれぞれ設定されている。ゲーム上、これらのキャラクターが各ジャンルのゲームを進行するとともに診断を行うものとされ、リフィルの総合診断内容には各ジャンルに設定されたキャラクターの言葉が印字される。なお、電話のコメントにも対応するキャラクターの音声が用いられる。
一部のテーマを除き、総合診断内容として各テーマごとに40パターンの文言が用意されている。これはテーマごとに、血液型(4種類)とポイントクラス(0〜10,11〜20,21〜30,31〜40,41〜50の5クラス)との組み合わせ(20通り)が設定され、その組み合わせごとに2パターンの診断内容が用意されたものである。複数プレイヤー中、2人のプレイヤーの血液型およびポイントクラスが偶然一致した場合には、2人のプレイヤーに対して別の診断内容が提示される。また、3人のプレイヤーの血液型およびポイントクラスが一致した場合には、1人のプレイヤーについては1つ上のポイントクラス、あるいは1つ下のポイントクラスの診断内容が提示される。これにより、同時プレイの複数プレイヤーに対して同じ診断内容が示されることが回避されるので、診断の信頼性を失わせることがない。
なお、「C」のジャンルでは、テーマごとに、プレイヤーの血液型と2人のポイントクラスに基づいて決まる組み合わせ(36通り)が設定され、その組み合わせごとに2パターンの診断内容が用意されている。
1人または2人のプレイの場合には、リフィル201Cの中央エリア204に種明かしが印字される。種明かしは、設問のうち絵問題についての種明かしを印字したものである。具体的には、絵問題、絵問題の主旨(問題の回答に基づき何を診断するのか)、回答として各選択肢を選択した場合の診断結果、およびプレイヤー自身の回答が印字される。このような種明かしはコレクションの対象となるので、リピーターを増加させる効果を発揮する。
リフィルの中枠エリア205には、全国順位205aとキャラナンバーズ205bとが印刷される。全国順位205aは「A」〜「E」のアルファベットと、各アルファベットに割り付けられた全国順位およびポイントが印字される。「A」〜「E」のうちのいずれかが本当の全国順位であるが、リフィルを見ただけでは実際の順位は分からない。しかし、電話のコメントにおいて「A」〜「E」のいずれかが告げられ、これによりプレイヤーは全国順位およびポイントを知ることができる。なお、複数のプレイヤーがいる場合、電話の送信先は各プレイヤーのポイントにより決定し、例えばポイントの最も高いプレイヤーあるいは低いプレイヤーに電話をかけるようにしているが、リフィルにおいて全国順位およびポイントを明示しないので、リフィルから送信先を割り出すことができない。したがって、電話を待つスリルを失わせるおそれがない。
キャラナンバーズ205bには、上記キャラクターのうちのいずれかが3人配列して印刷される。そして、電話で告げられたキャラクターがキャラナンバーズ205bに示されたキャラクターと一致すれば、電話を受けたプレイヤーはスペシャルゲームに参加する資格を得ることができる。但し、スペシャルゲームの参加資格の有効期限は次の日までである。有効期限内であれば、そのプレイヤーは何回でもプレイできる。また、複数人プレイの場合、その中の1人が資格をもっていれば、全員がスペシャルゲームをプレイすることができる。なお、複数プレイの場合に、電話の送信先から漏れたプレイヤーに対して、スペシャルゲームに参加する資格を与える確率を高くしてもよい。
一部のテーマ(「C」あるいは「G」等のジャンルに属するテーマ等)ではキャラナンバーズに代えて、おすすめスタイル(おすすめのスタイル)を印字する。
図17に示すように、診断結果が中央エリア204に印字されたリフィルの小枠エリア206には、ゲーム機が電話をかける時刻が印字される。なお、上述のように電話をかける時刻はゲーム終了から、約5分後、約10分後、約15分後、および約60分後のいずれかである。
また、上記パラメータ値に関するチャートが中央エリア204に印刷されたリフィル201Bの小枠エリア206には、ラッキーアイテムが印字される。図18および図19はラッキーアイテムの決定方法を説明する図である。ラッキーアイテムはプレイヤーの生年月日、プレイ日、およびポイントの3要素に基づいて決定する。まず、図18に示すように、プレイヤーの生年月日(星座)とプレイ日とから、「火」、「地」、「風」、「水」の4つのタイプに分類する。次に、図19に示すように、5段階に分けられたポイントクラスと、上記4つのタイプとの組み合わせごとに4パターンずつラッキーアイテムが設定され、所定の組み合わせに該当する4つのラッキーアイテムの中から、ランダムに1つのアイテムを抽出する。図19にコード番号として示すラッキーアイテムは全部で80種類となるが、同様のアイテム群がテーマごとに用意されている。なお、ラッキーアイテムとして、具体的には、例えば、「ドライブなら競馬場」、「飲み物なら抹茶」等の文言がリフィル上に印字される。
<電話音声(コメント)の作成>
次に、図20〜図22を用いて、電話音声(コメント)の作成手順について説明する。電話音声は、ステップS416(図12)において、CD−ROM(B)に記録された音声データを組み合わせることにより文節合成して作成される。図20〜図22に示すように、音声の内容は、前文、本文、全国順位、キャラナンバーズ、オプションおよびスペシャルからなる。図20に示すように、前文および本文はテーマごとに異なる文言が用意され、全国順位、オプションおよびスペシャルはテーマと無関係に同一ジャンル内では共通の文言とされている。各ジャンルの音声はそれぞれのジャンルに対応したキャラクターの声、および言い方に基づいたものとされており、ジャンルごとに設定された所定のキャラクターから電話がかかることで、プレイヤーに親密感を与えることができる。
前文はコメントの導入として機能し、各テーマに対して、それぞれ音声コード**10〜13で示す4種類が用意され、**10は初めてゲームを行うプレイヤーに対して、**11はそのジャンルを初めてプレイするプレイヤーに対して用いられる。また、**12および**13はそのジャンルのリピーターに対してランダムに選択される。初めてゲーム、あるいはそのジャンルのプレイを行うプレイヤーであるか否かは、メモリ110に記録されたプレイ履歴に基づき判断される。このように、プレイヤーの履歴に応じて異なる前文を用意することにより、プレイヤーからみて、より自然で親しみの持てるコメントを作成することができる。
本文は診断内容に対応するメッセージの部分であり、各テーマに対して、それぞれ音声コードとして**20〜29で示す10種類が用意され、ランダムに選択される。
全国順位は各ジャンルごとに、アルファベット「A」〜「E」をそれぞれ告げる音声が用意されている。上記のように、リフィルの印字と電話によるアルファベット「A」〜「E」のいずれかを告げる音声との組み合わせによって、プレイヤーが実際のポイントや全国順位を知ることができるようにされている。
キャラナンバーズは、ジャンルごとに、ゲームで用いられているすべてのキャラクターのそれぞれの名前を告げるための6種類の音声が用意される。上記のように、リフィルに印刷されたキャラクターと電話で告げられたキャラクターとが一致した場合には、プレイヤーに対してスペシャルゲームに参加する資格が与えられる。
以上の前文、本文、全国順位およびキャラナンバーズはスペシャルゲーム以外のジャンルが選択された場合に順次組み合わされて、一連のコメントとして用いられる。これに対して、オプションおよびスペシャルは他の音声と組み合わされることなく単独で使用される。オプションはゲーム直後にかける電話音声とは無関係であって、プレー数日後に、「また来てね」のメッセージを送信するためのものである。なお、オプションは送信すべきゲーム直後のコメントが少ない場合により頻繁に送信することができ、この場合、リピータを増加させてゲーム機の稼働率を高めることができるという効果がある。
上記通信端末機106として、PHSシステムの端末機を用いてもよいし、他の携帯型電話のシステムや一般加入電話(有線)を用いて通信を行ってもよい。
また上記実施の形態では、ゲーム終了後にプレイヤーに対して電話をかけるようにしているが、電話をかける代わりにあるいは電話での通信とともに、ポケベルに対応可能とし、プレイヤーのポケベルに向けて所定の文字を送信するようにしてもよい。この場合、プレイヤーの電話番号からポケベルのメーカーを割り出すとともに、そのフォーマットに合わせたコードを送信するようにしてもよい。