JP4101758B2 - 低マルテンサイト温度を有するCu‐Zn‐Al(6%)合金およびその方法 - Google Patents

低マルテンサイト温度を有するCu‐Zn‐Al(6%)合金およびその方法 Download PDF

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Description

本発明は、低マルテンサイト変態温度を有するCu‐Zn‐Al(6%)形状記憶合金、およびマルテンサイト変態温度を低下させる方法に関する。
Cu‐Zn‐Al形状記憶効果(SME)合金は、有望なスマートでインテリジェントな工業物質である(Wayman C.M.,Journal of Matals,32(June 1980),p.129-137;Michael A.D.& Hart W.B.,Metal Material Technology,12(1980),p.434-440)。ニチノールと比較して低コストおよび加工容易性のために、これらは多くの注目を浴びた(White S.M.,Cook J.M.& Stobbs W.M.,Journal De Physique,C4(ICOMAT-82),p.779-783)。しかしながら、ニチノールは優れた性質、長い疲労寿命を有しており、生体適合性である。
周期律表の中央部分には約20の元素があり(Golestaneh A.A.,Physics Today(April 1984),p.62-70)、その合金はAg‐Cd、Au‐Cd、Cu‐Al‐Ni、Cu‐Al‐Mn、Cu‐Au‐Zn、Cu‐Sn、Cu‐Au‐Sn、Cu‐Zn、Cu‐Zn‐Al、Cu‐Zn‐Sn、Cu‐Zn‐Ga、Cu‐Zn‐Si、In‐Ti、Ni‐Al、Ni‐Ti、Fe‐Pt、Fe‐Pdなどのような形状記憶を示す(Wayman C.M.,Journal of Matals,32(June 1980),p.129-137;Michael A.D.& Hart W.B.,Metal Material Technol.,12(1980),p.434-440)。
形状記憶合金(SMA)は独特な性質を有しており、即ちこれらの物質は過去の形状/形態を記憶している。これら合金の重要な特徴は、ある臨界変態温度より上または下において、2つの別々な形状または形態で存在しうる能力である。それは、性質上熱弾性でもある、無拡散性マルテンサイト変態を生じ(Golestaneh A.A.,Physics Today(April 1984),p.62-70)、即ち、臨界温度以下では、温度が下がるにつれてマルテンサント構造が生成および成長するが、その一方で加熱するとマルテンサイトは縮小して、最終的には消失する。
形状記憶合金のマルテンサイトは、鋼材のマルテンサイトとは対照的に軟質である。これら合金の変形は、滑り、双晶形成または粒界滑りによるものではなく、自己調節性(self-accommodating)、多方向性マルテンサイトプレート/バリアントの成長または縮小によるものである(Saburi T.,Wayman C.M.,Takala K.& Nenno S.,Acta Metallurgica(Jan.1980)p.15)。
加熱すると、歪マルテンサイトはその母相へ復帰し、それにより元の未変形形状が復元される。構造の変化は形状および寸法の変化と連係して、合金は高および低温形状の記憶を示す。これらの形状変化と関連した可使力があり、そのため合金は警告、制御、検出、調節など向けの感温性装置へ組み込める。アクチュエータは、調整バイアススプリングを組み込むことにより、狭い温度範囲内で操作するように調整しうる。回復歪率は2〜8%であり、一または二方向記憶に依存する。銅ベース形状記憶合金は、適切な熱‐機械的プロセッシングコールドトレーニング(thermal-mechanical processing called training)をうけた後で、一方向記憶に加えて二方向記憶挙動も示す(Wayman C.M.,Journal of Matals,32(June 1980),p.129-137;Michael A.D.& Hart W.B.,Metal Material Technol.,12(1980),p.434-440)。
トレーニングされると、物質は、各変態温度より上または下で、加熱または冷却時に自発的にその形状を変える。フォワードおよびリバースマルテンサイト変態温度は、各々‘Ms’(冷却時)および‘As’(加熱時)と称される。
Cu‐Zn‐Al三元合金において、形状記憶効果は不等辺四辺形における三角部分の銅に富むコーナーでみられる。この不等辺四辺形を拡大すると、我々は組成をマルテンサイト変態温度と相関させうる(Schetky L.M.,Scientific American,241(Nov.1979),p.68-76)。
アルミニウムの量は4〜10%、亜鉛は10〜30%であり、残部が銅である。マルテンサイト形成温度(‘Ms’)は、組成の非常に小さな変化の結果として、−100〜+300℃で変わる。しかしながら、アルミニウム黄銅の有用範囲は−70〜+150℃である。マルテンサイト変態温度(‘As’)は、極めて組成に影響されやすい。元素として亜鉛またはアルミニウムのわずかな変化(約±0.5%)が、変態温度を±50℃もシフトさせる。したがって、特定の温度で作業する上でアクチュエータにとり望ましい変態温度を得るためには、組成の厳密なコントロールが最も重要である。Al、Znなどのような低融点で揮発性の元素の損失は、溶融に際して、空気型溶融炉で避けられない。真空型溶融炉では、組成の厳密なコントロールが可能だが、それらの設置が極めて高価であるため、小および中規模溶融ユニット/事業向けではない。
空気型溶融炉では、溶融に際して、これらの損失を補い必要な処置を厳正に講じたとしても、このような元素の損失の危険性が常に存在する。異組成で望ましくないマルテンサイト変態温度の合金は、忌避または再溶融されねばならない。こうして費やされた努力と投入は無駄になるのである。亜鉛またはアルミニウムの損失はマルテンサイト変態温度を上昇させ、その一方でこれら元素の増加は変態温度を低下させることも観察された。
このように、本発明はマルテンサイト変態温度の上昇または低下に関する。
Cu‐Zn‐4%Al合金において(Adnyana D.N.,Wire Journal International(1984),p.52-61)、マルテンサイト変態温度の低下は比較的少なく、即ち約20〜25℃であった。
特に空気型溶融炉では、銅ベースおよび他の合金の溶融に際して、亜鉛、アルミニウム、スズ、鉛などのような揮発性低融点元素の蒸発が常にある。これらの損失は避けられないが、溶融に際してあらゆる注意を払い、正確に秤量された量で各元素を加え、元素損失を補い、溶融に際して処置を厳正に講じることにより、最少に抑えられる。
真空炉はこれらの損失を正確にコントロールするが、それらの設置は高価であるため、小および中規模溶融/鋳物ユニット向けではない。Cu‐Zn‐Al形状記憶合金(SMA)もこれらの例外ではない。マルテンサイト変態温度(‘As’)は形状記憶合金で重要なパラメーターであり、極めて組成に影響されやすい。亜鉛またはアルミニウムのわずかな変化(±0.5%)は、溶融損失の結果として、マルテンサイト変態温度を±50℃もシフトさせるのである。そのとき鋳造および加工された物質はスクラップにされて、再溶融されねばならず、そのため努力、労力および機械の浪費を招く。
実験研究では、調整バイアススプリングの使用によるか、または熱処理での亜鉛の選択的エッチング/浸出により、As温度を15〜20℃上昇させうることを示している。As温度の低下は、一度生じてしまうと、問題を呈する。US特許4,634,477は形状記憶合金を列挙している。しかしながら、この特許はマルテンサイト温度の低下について述べていない。
発明の目的
本発明の主目的は、Cu‐Zn‐Al(6%)の組成を有する、低マルテンサイト温度の形状記憶合金を提供することである。
本発明の別な目的は、良い記憶応答を有する形状記憶合金を提供することである。
本発明の更に別の目的は、良い回復および疲労寿命性を有する形状記憶合金を提供することである。
本発明の更に別の目的は、焼割れを防げる形状記憶合金を提供することである。
本発明の別な目的は、Cu‐Zn‐Al(6%)の組成を有する形状記憶合金のマルテンサイト変態温度(As)を低下させるための方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、変態温度を低下させるために、110℃から30℃への低温再β処理、即ち80℃の低下による改良プロセスを提供することである。
発明の要旨
本発明は、Cu‐Zn‐Al(6%)の組成を有する、低マルテンサイト温度の形状記憶合金に関する。本発明は、74.4%銅、19.5%亜鉛&6.1%アルミニウムの組成で、110〜112℃の‘As’温度を有する物質を選択することにより、上記合金のマルテンサイト温度を低下させるプロセスにも関する。このプロセスでは、既に高温でβ化された物質が、物質を適切に利用するために、それより低温で再β化に付される。
発明の詳細な説明
したがって、本発明は低マルテンサイト変態温度を有する形状記憶合金を提供するものであり、その合金は6%のアルミニウムと一緒に62〜86%の銅および10〜28%の亜鉛の範囲で銅および亜鉛を含んでなる。
本発明の一態様では、上記の合金はマルテンサイト変態温度を約80℃まで低下させる。
本発明のもう1つの態様では、上記の合金は約575℃の再β化温度で良い形状記憶を示す。
本発明の別な態様では、上記の合金は良い疲労性を有することで、焼割れを防いでいる。
本発明の更に別の態様では、一度加工された上記の合金は他の温度関連の装置または用途で利用しうる。
本発明の更にもう1つの態様では、上記の合金は良い形状記憶応答性を有している。
本発明は、既高温β化物質の再β処理による、請求項1に記載された形状記憶合金のマルテンサイト変態温度(As)を低下させるための方法も提供し、その方法は下記ステップ:
(i)6%のアルミニウムと共に62〜86%の銅および10〜28%の亜鉛の範囲で銅および亜鉛を含んでなる合金を選択し、
(ii)空気中チャコールカバー下にて操作する誘導炉で合金組成物を溶融させた後、望ましい形状へ鋳造し、
(iii)800℃で約2時間にわたり上記の組成物を均質化した後、冷却し、
(iv)酸化スケール形成を除くために表面機械加工し、
(v)合金組成を分析し、
(vi)約575℃で約3分間にわたり成形物質を再加熱し、
(vii)上記の物質を冷水で焼入れし、
(viii)完全なマルテンサイト構造を得て、
(ix)マルテンサイト構造の軟質形状記憶物質を同定し、および
(x)該物質の温度および構造を記録すること
を含んでなる。
本発明の一態様では、マルテンサイト変態温度(As)は約80℃まで低下する。
本発明の別な態様では、亜鉛またはアルミニウムの損失はマルテンサイト変態温度を上昇させ、一方これら元素の増加は変態温度を低下させる。
本発明の更に別の態様では、一度鋳造および加工された物質は他の温度関連の装置または用途で利用しうる。
本発明の更にもう1つの態様では、形状記憶応答性が影響をうけない。
本発明の更に他の態様では、2ステップのβ化と、それによる変態温度の低下は、高アルミニウム含有率6〜10%形状記憶合金にとり有効である。
下記例は、本発明を更に実証するために示されている。しかしながら、それは本発明の範囲を限定するためのものではない。
例1
コマーシャルピュア(CP)銅、亜鉛&アルミニウムからなる装填材をチャコールカバー下にて誘導炉で溶融し、サイズ150×100×12.5mmのプレートで砂型に鋳造した。次いでこれらを800℃で2時間均質化し、冷却した。次いで、これらを表面機械加工して酸化層を除いた。これらの均質化プレートを化学組成について分析した。プレート(12mm厚)を750℃で1時間再加熱し、リダクションパス(reduction pass)間で数回再加熱して1mm厚フラットシートへ熱間圧延した。これらのシートをフィクスチャー(1.0mm厚シート)へ取付け、750℃で3分間β化し、次いで冷(通常)水焼入れした。これらを望ましい寸法、サイズ100mm×10〜12mm×1mmの約20〜25ピースへ裁断した。1枚のフラットシート(β化ストリップ)から小さな方形ピース(10×10mm)を切出し、アクリル材へ載せ、各等級のシリコンカーバイド紙、次いでダイヤモンドペースト含浸小布回転輪で磨き、二クロム酸カリウムエッチング剤でエッチングし、そのミクロ構造を光学顕微鏡で見た。その構造は完全にマルテンサイトであった。残りのストリップでは、形状記憶応答が熱風送風機により見られた。熱&冷水および温度インジケーターを用いて変態温度を調べた。その形状記憶応答は良く、変態温度は約110〜112℃であった(図1)。次いで、更に6枚の記憶(β化)シートを200℃、300℃、400℃、500℃、600℃、および700℃で10分間加熱し、冷(通常)水焼入れした。これらを変形させて形状記憶応答を調べ、それらのミクロ構造を分析した(図2および3)。200℃、300℃、400℃に加熱されたサンプルは非常に硬く、このような記憶は見られなかった。500℃で加熱されたサンプルは軟質であるが、形状記憶はなかった。それらのミクロ構造を見た。600℃および700℃で加熱されたサンプルは軟質であり、低温および高温で各々形状記憶を示した。それらのミクロ構造も見た。マルテンサイト構造は500℃〜700℃のとき増えた。そのため、更に7つのβ化サンプルを550℃、575℃、600℃、625℃、650℃、675℃、700℃(25℃ずつの増加)で10分間にわたり更に再加熱(再β化)して、冷水(室温)焼入れした。それらのミクロ構造を観察した(図4)。これらを変形させ、それらのS.M.応答および変態温度を調べた(図5、6)。575℃で10分間にわたり再β化されて、水焼入れされたβ化サンプルは、粒界および粒子内で十分αのマルテンサイトであり、良い形状記憶応答を示し、その変態温度(As)は約30℃であった。そのため、110℃の初期温度はこの2ステップ処理で30℃へ低下しており、即ちこのプロセスで80℃の温度降下であった。その中間の変態温度は、適切な再β化温度を選択することにより得られる。再β化のプロセスは、再現性の確認および結果の確認のために、何度も繰り返した。
例2
Cu‐Zn二元相図において(Higgins R.A.,Engineering metallurgy,Vol.1(1971),p.312-339)、アルファ固相(α)は39%亜鉛含有率まで存在する。このα相は面心立方構造(FCC)を有している。それは延性、展性および冷間加工性である。39%亜鉛〜50%亜鉛含有率のとき、β相(β)が現れる。それは体心立方構造(BCC)を有している。それは硬相であり、熱間加工のみしうる。50%亜鉛含有率を超えると、複雑な、脆性で、望ましくないガンマγ相構造が形成される。Cu‐Zn‐Alは三元合金系である。それは、基本的に、第三元素のアルミニウムを添加したCu‐Zn合金系である。アルミニウムの亜鉛当量は6、即ち1%アルミニウムは6%亜鉛に類似した効果を有している(1Al=6Zn)(West E.G.,Copper & its alloys(1982),p.98-105)。そのため、下記式をあてはめることにより、我々は組成(74.4%Cu‐19.5%Zn‐6.1%Al)の形状記憶合金について亜鉛の当量を計算しうる(Greaves R.H.& Wrighton H.,Practical Microscopical Metallography(1971),p.159-177)。亜鉛の当量は43%と計算される。
亜鉛の当量=(Zn%+Al%×6×100)/(Cu%+Zn%+Al%×6)
我々がCu‐Zn系の二元図を調べてみると、43%亜鉛含有部分は、αおよびβの相境界領域、即ち図のβに富む領域の非常に近くで、またはほぼその付近に存在している。それらの状態を念頭におきながら、関連実験を行った。合金を750℃へ加熱すると、構造変態はマルテンサイトからβへと移るため、我々はこの加熱処理をβ化、および変態温度を各々As(加熱時)およびMs(冷却時)と称することにする。β化物質(750℃/3分間/CWQ)は軟質および完全マルテンサイトであり、良いSM応答を有する。その温度は110〜112℃であった。既高温β化サンプル(6枚)を200℃、300℃、400℃、500℃、600℃および700℃で10分間にわたり低温で再β化し、冷水(室温)焼入れした。これらのミクロ構造、形状記憶応答およびマルテンサイト変態温度を調べた。再β化200℃物質はマルテンサイトであった。しかしながら、200℃から焼入れすると非常に硬く、それ自体は形状記憶を示さなかった。再β化300℃サンプルはα+βでわずかなマルテンサイトを有していた。それは硬質だが、記憶を有していなかった。αの形態はロッドまたはプレートタイプであった。再β化400℃サンプルも硬質で、無SMEであった。それはα+β構造を含み、α相が粒子内に存在していた。再β化500℃物質は軟質だが、SMEを有していなかった。その構造はα+βで非常にわずかなマルテンサイトであった。それは粒界に非常に薄いα相リムを有しており、それは球形の傾向を有していた。600℃および700℃で加熱されたサンプルは軟質で変形性であり、各々低および高温の記憶を示した。これらの物質は完全にマルテンサイトであったが、600℃再β化サンプルは700℃サンプルと比較して粒界と粒子内にほとんどα沈殿していなかった。700℃サンプルは比較的細かな粒子であった。これらの物質は冷水焼入れでも割れなかった。これらの詳細な実験によると、この物質の形状記憶効果は550〜700℃のときにあることが確認された。そのため、更なる実験では、7枚のβ化ストリップを取出し、550℃、575℃、600℃、625℃、650℃、675℃および700℃(25℃ずつの増加)で10分間にわたり再β処理に付し、次いで冷(室温)水焼入れした。ミクロ構造、形状記憶応答および変態温度を評価した。550℃β化サンプルは軟質で、その変態温度は110℃から22℃へ降下した。そのサンプルは、主に、β中におけるα相の十分な容量フラクションと非常にわずかな可視マルテンサイトとの分離のせいで、微弱な記憶を有していた。粒界αエンベロープも厚かった。575℃で再β化されたサンプルは軟質であり、30℃で良い形状記憶を有していた。そのミクロ構造はマルテンサイトであり、粒界と粒子内にα相ストリークの容量フラクションが十分にあった。α相は球体およびレンズ体形成の傾向を有していた。マトリックスからα相の沈殿は残部β相で亜鉛分を高めて、組成を二元図で右側にシフトさせた。この亜鉛に富むβは焼入れで亜鉛に富むマルテンサイトへ変態し、こうしてマルテンサイト変態温度を著しく低下させ、即ち110℃から30℃へ80℃も降下させる。600℃で再β化されたとき、物質は軟質で良SMEであり、変態温度は約45℃であった。サンプルは完全にマルテンサイトであり、粒界と粒子内にα相はほとんど沈殿していなかった。625℃で再β化されたサンプルも軟質であり、約61℃で良いSMEを有していた。構造はマルテンサイトであり、粒界でα相は未溶解であった。650℃、675℃および700℃で再β化されたサンプルはすべて軟質であり、各々79℃、100℃、および110℃で形状記憶を有していた(図7、8)。これらは完全にマルテンサイトであり、粒界と粒子内で見えるαはほとんどなかった。言い換えると、α相は非溶解性であった。非常にわずかなまたは無視しうる程度のα相がマルテンサイトマトリックスから分離しているにすぎないため、これらのサンプルは高温で形状記憶を示した。したがって、575℃で再β化されたサンプルが最良の評価を呈し、即ちそのマルテンサイト変態温度は約30℃で、即ち110℃から30℃へAsの降下であり、それがこの特定の再β処理による80℃の降下であることを、結果は示している。
例3
Cu‐Zn‐Al形状記憶合金(4%Alおよび6%Al)
(a)74.4%Cu‐19.5%Zn‐6.1%Al(溶融No.7)
β化(As):110℃、再β化(As):30℃
(b)74.1%Cu‐19.5%Zn‐6.4%Al(溶融No.5)
β化(As):130℃、再β化(As):50℃
(c)73.6%Cu‐20.2%Zn‐6.2%Al(溶融No.6)
β化(As):83℃、再β化(As):10℃
(d)71.0%Cu‐24.8%Zn‐4.2%Al(溶融No.35)
β化(As):65℃、再β化(As):45℃
例4
Cu‐Zn‐Al(6%)形状記憶合金のとき、マルテンサイト変態温度の低下は相当大きく、即ち70〜80℃であることが観察される。バイアスを組み込むことにより、または亜鉛の選択的エッチング/損失のための適切な熱処理により、マルテンサイト変態温度は15〜20℃上昇しうることも、実験に際して観察される。
マルテンサイト変態温度(As)は、一定の熱処理により、即ち既高温β化物質の低温再β化により、Cu‐Zn‐6%Al合金で実質的に約80℃まで低下しうる。温度の低下は、主に、マルテンサイトのマトリックスから少量のアルファ(α)の分離のせいであった。この残留α相は形状記憶応答に影響を与えないが、粒界のクッショニングに役立つため、冷水で焼入れしても、物質の割れを防げる。
発明の利点
(1)Cu‐Zn‐4%Al合金において(Adnyana D.N.,Wire Journal International(1984),p.52-61)、マルテンサイト変態温度の低下は比較的少なく、即ち約20〜25℃であり、その一方でCu‐Zn‐6%Al形状記憶合金では相当に大きく、即ち70〜80℃であることがわかった。
(2)本改良プロセスは形状記憶応答、回復、疲労寿命などで悪影響を有さず、それどころかマルテンサイト相中におけるα相の沈殿はマトリックスのクッショニングに役立ち、通常形状記憶合金に伴うものである。
(3)本改良プロセスは、形状記憶合金の溶融に際してコスト、労力および機械の形での節約により、小および中規模溶融ユニットを助けて、直面するリスクおよび諸問題に対処しうるようである。
(4)そのプロセスは新規、簡単および追加労力または装置の不要である。
(5)冷水焼入れにより、良い形状記憶応答を呈する。
シート形態およびそのβ(記憶)熱処理における形状記憶合金の製造プロセスの実験フローシートを示している。それはその構造、SME応答およびマルテンサイト変態温度も表わしている。 750℃/3分間/CWQでβ化された物質のミクロ構造を表わしている。 200℃、300℃、400℃、500℃、600℃、および700℃のような様々な温度でβ化物質を加熱した際における、ミクロ構造を表わしている。 550℃、575℃、600℃、625℃、650℃、675℃、700℃(25℃ずつの増加)で10分間にわたり再加熱(再β化)されて、冷水(室温)焼入れされた、更に7種のβ化サンプルのミクロ構造を示している。 フロー図は、200℃、300℃、400℃、500℃、600℃、および700℃で既高温β化物質を加熱した際における、物質の状態、そのミクロ構造および形状記憶応答を詳細に説明している。 フロー図は、550℃、575℃、600℃、625℃、650℃、675℃、および700℃で既高温β化物質の低温再β化に際する、物質の状態、そのSME応答、マルテンサイト変態温度(As)およびそのミクロ構造を詳細に説明している。 再β化温度 vs.マルテンサイト変態温度(As)を説明するバーチャートを示している。 再β化温度 vs.マルテンサイト変態温度を説明する曲線を示している。それは575℃の再β化に際するマルテンサイト変態温度の最適な低下(As80℃)も表わしている。

Claims (3)

  1. 既高温β化物質の再β処理により、形状記憶合金のマルテンサイト変態温度(As)を低下させるための方法であって、
    下記ステップ:
    (i)62〜86質量%の銅、4〜6質量%のアルミニウム、および残部亜鉛からなる合金を選択し、
    (ii)空気中チャコールカバー下にて操作する誘導炉で合金組成物を溶融させた後、望ましい形状へ鋳造し、
    (iii)800℃で2時間にわたり上記の組成物を均質化した後、冷却し、
    (iv)酸化スケール形成を除くために表面機械加工し、
    (v)合金組成を分析し、
    (vi)575℃で3分間にわたり成形物質を再加熱し、
    (vii)上記の物質を冷水で焼入れし、
    (viii)マルテンサイト構造を得て、
    (ix)マルテンサイト構造の形状記憶合金を同定し、および
    (x)該物質の温度および構造を記録すること
    を含んでなる方法。
  2. 亜鉛またはアルミニウムの損失がマルテンサイト変態温度を上昇させ、その一方でこれら元素の増加が該変態温度を低下させる、請求項1に記載の方法。
  3. 一度鋳造および加工された形状記憶合金が、他の温度関連の装置または用途で利用される、請求項1に記載の方法。
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