JP4101019B2 - 偏波モード分散測定装置、方法、プログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信に用いられる光ファイバなど被測定物(DUT:Device Under Test)の偏波モード分散の測定に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの偏波モード分散を測定することは従来より行われている。例えば、特許文献1にも、光ファイバの偏波モード分散測定装置についての記載がある。図7を参照して、特許文献1に記載の光ファイバの偏波モード分散測定装置を説明する。
【0003】
まず、被測定光ファイバ104の偏波モード分散τPMDを式(1)のように定義する。
【0004】
【数1】
ただし、θは偏光角、ψ1は光の進行方向に垂直な面内のある方向の位相推移、ψ2はψ1に直交する方向の位相推移である。ここで、被測定光ファイバ104の伝達関数行列[T]を式(2)のように定義する。
【0005】
【数2】
ただし、|Tij|は各行列要素の振幅、φijは各行列要素の位相推移であり、ともに光角周波数ωの関数である。すると、式(1)のパラメータθ、ψ1、ψ2はそれぞれ式(3)、(4)、(5)のようにして求めることができる。
【0006】
θ(ω)=0.5cos-1(|T11|2−|T21|2) …(3)
ψ1(ω)=(φ11−φ22)/2 …(4)
ψ2(ω)=(φ21−φ12+π)/2 …(5)
よって、被測定光ファイバ104の伝達関数行列[T]を求めることにより、被測定光ファイバ104の偏波モード分散τPMDを求めることができる。
【0007】
被測定光ファイバ104の伝達関数行列[T]を求める方法を図7を参照して説明する。まず、制御部109は偏波コントローラ103の出力光を偏光ビームスプリッタ105のp方向に一致する直線偏波として被測定光ファイバ104へ入射させる。このときの被測定光ファイバ104の出力光は以下の式(6)により表わされる。
【0008】
【数3】
上記の出力光は偏光ビームスプリッタ105によりs偏光成分およびp偏光成分に分離されてO/E変換器1061,1062に入射されて
【0009】
【数4】
が測定される。
【0010】
上記の測定が終了すると、制御部109は偏波コントローラ103の出力光を90゜回転させて偏光ビームスプリッタ105のs方向に一致する直線偏波として被測定光ファイバ104へ入射させる。このときの被測定光ファイバ104の出力光は以下の式(7)により表わされる。
【0011】
【数5】
上記の出力光は偏光ビームスプリッタ105によりs偏光成分およびp偏光成分に分離されてO/E変換器1061,1062に入射されて、
【0012】
【数6】
が測定される。
【0013】
ネットワークアナライザ107は上記のようにして測定された各パラメータと式(3)、(4)、(5)から、θ,ψ1,ψ2を求める。なお、ネットワークアナライザ107は、増幅器108を介して光強度変調器102における強度変調比を制御している。
【0014】
この後、上記の測定が波長可変光源101の出力波長を掃引して行われ、各測定結果からθ(ω),ψ1(ω),ψ2(ω)が求められる。そして、制御部109は式(1)から偏波モード分散τPMDを求める。
【0015】
【特許文献1】
特開平9−264814号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような方法では、被測定光ファイバ104の出力光が偏光ビームスプリッタ105によりs偏光成分およびp偏光成分に分離される際に、パワーが偏る場合がある。すなわち、偏光ビームスプリッタ105から出力されたs偏光成分およびp偏光成分の内の一方が他方よりも極めて大きくなる場合がある。極端な例としては、p偏光成分だけが出力され、s偏光成分が出力されないことすらある。
【0017】
このような場合、パワーが小さい方の成分の位相におけるS/N比が悪化するため、位相の測定が不正確になる。よって、被測定光ファイバ104の群遅延時間および偏波モード分散にもノイズが混入し、測定が不正確になる。
【0018】
そこで、本発明は、偏光成分の偏りを防止した偏波モード分散の測定装置等を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定装置であって、被測定物から出射された光を受けて、p偏光およびs偏光に分離して出力する偏波分離手段と、入射光を生成する光生成手段と、入射光を強度変調して出射する光変調手段と、強度変調された入射光を偏波分離手段におけるp偏光軸およびs偏光軸を所定角度回転させた直交偏光軸にあわせて被測定物に入射する光入射手段と、偏波分離手段の出力に基づき入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する計測手段と、計測手段の計測結果に基づき被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定手段とを備えるように構成される。
【0020】
上記のように構成された偏波モード分散測定装置によれば、入射光を偏波分離手段におけるp偏光軸およびs偏光軸を所定角度回転させた直交偏光軸にあわせて被測定物に入射する。これにより、偏波分離手段の出力のp偏光成分およびs偏光成分におけるパワーの偏りを防止できる。
【0021】
しかも、入射光を直交偏光軸にあわせて被測定物に入射した結果に基づき偏波モード分散を測定する方法は、入射光を偏波分離手段におけるp偏光軸およびs偏光軸にあわせて被測定物に入射した結果に基づき偏波モード分散を測定する方法と同様であり、偏波モード分散を測定することが可能である。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、光入射手段は、入射光を直交偏光軸にあわせ、さらにp偏光軸およびs偏光軸にあわせて被測定物に入射するように構成される。
【0023】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、所定角度は、計測手段の計測結果に基づき定められるように構成される。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発明であって、位相推移相当値は位相推移を光角周波数で微分したものであるように構成される。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発明であって、振幅相当値は振幅を二乗したものであるように構成される。
【0026】
請求項6に記載の発明は、被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定方法であって、被測定物から出射された光を受けて、p偏光およびs偏光に分離して出力する偏波分離工程と、入射光を生成する光生成工程と、入射光を強度変調して出射する光変調工程と、強度変調された入射光を偏波分離工程におけるp偏光軸およびs偏光軸を所定角度回転させた直交偏光軸にあわせて被測定物に入射する光入射工程と、偏波分離工程の出力に基づき入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する計測工程と、計測工程の計測結果に基づき被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定工程と、を備えるように構成される。
【0027】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の偏波モード分散測定方法であって、直交偏光軸は複数あり、偏波モード分散測定工程において、各直交偏光軸に対応した計測結果のS/N比を比べて、偏波モード分散の測定に利用する計測結果を選択するように構成される。
【0028】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の偏波モード分散測定方法であって、光入射工程は、入射光を直交偏光軸にあわせて被測定物に入射する工程と、p偏光軸およびs偏光軸にあわせて被測定物に入射する工程とを有し、偏波モード分散測定工程において、直交偏光軸にあわせたときの計測結果のS/N比と、p偏光軸およびs偏光軸にあわせたときのS/N比とを比べて、偏波モード分散の測定に利用する計測結果を選択するように構成される。
【0029】
請求項9に記載の発明は、被測定物から出射された光を受けてp偏光およびs偏光に分離して出力する偏波分離手段と、入射光を生成する光生成手段と、入射光を強度変調して出射する光変調手段と、強度変調された入射光を偏波分離手段におけるp偏光軸およびs偏光軸を所定角度回転させた直交偏光軸にあわせて被測定物に入射する光入射手段とを有する偏波モード分散測定装置における偏波モード分散測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、偏波分離手段の出力に基づき入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する計測処理と、計測処理の計測結果に基づき被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0030】
請求項10に記載の発明は、被測定物から出射された光を受けてp偏光およびs偏光に分離して出力する偏波分離手段と、入射光を生成する光生成手段と、入射光を強度変調して出射する光変調手段と、強度変調された入射光を偏波分離手段におけるp偏光軸およびs偏光軸を所定角度回転させた直交偏光軸にあわせて被測定物に入射する光入射手段とを有する偏波モード分散測定装置における偏波モード分散測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、偏波分離手段の出力に基づき入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する計測処理と、計測処理の計測結果に基づき被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0032】
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置の構成を示すブロック図である。本発明の第一の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置は、被測定物(DUT:Device Under Test)である光ファイバ18の偏波モード分散τPMDを求めるためのものである。本発明の第一の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置は、波長可変光源(光生成手段)10、光変調器12、偏波コントローラ(光入射手段)14、偏波状態設定部16、偏波分離器20、光電(O/E)変換器22p、s、計測部24、偏波モード分散測定部26を備える。
【0033】
波長可変光源10は、波長を変化させながら入射光を生成する。なお、光角周波数ω=2πf=2πc/λである。ただし、cは光速、λは波長である。よって、波長λを変化させることは、光角周波数ωを変化させることにつながる。
【0034】
光変調器12は、入射光の強度変調を行って偏波コントローラ14へ出射する。
【0035】
偏波コントローラ(光入射手段)14は入射光の偏波状態を偏波状態設定部16の制御を受けて制御する。
【0036】
偏波状態設定部16は、入射光の偏波状態を設定する。すなわち、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせる。すなわち、入射光をp偏光軸およびs偏光軸に一致する直線偏波とする。さらに、入射光をp’偏光軸およびs’偏光軸すなわち直交偏光軸16bにあわせる。すなわち、入射光をp’偏光軸およびs’偏光軸に一致する直線偏波とする。ただし、p’偏光軸はp偏光軸を所定角度θ回転させたものであり、s’偏光軸はs偏光軸を所定角度θ回転させたものである。なお、所定角度θは偏波モード分散測定装置のユーザが任意に定めてもよいし、固定してもよい(例、θ=45°、60°に固定)。
【0037】
入射光を被測定物である光ファイバ18に入射すると、入射光が光ファイバ18を透過する。偏波分離器20は、光ファイバ18を透過した光すなわち光ファイバ18から出射された光を受けて、p偏光およびs偏光に分離して出力する。
【0038】
光電(O/E)変換器22pは、偏波分離器20の出力のp偏光成分を光電変換して計測部24に出力する。光電(O/E)変換器22sは、偏波分離器20の出力のs偏光成分を光電変換して計測部24に出力する。
【0039】
計測部24は、偏波分離器20の出力に基づき入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する。位相推移相当値とは、位相推移に相当する値である。位相推移相当値は、位相推移そのものでもよいが、例えば、位相推移を光角周波数で微分した値(群遅延時間)が、位相推移相当値である。振幅相当値とは、振幅に相当する値である。振幅相当値は、振幅そのものでもよいが、例えば、振幅を二乗した値が、振幅相当値である。
【0040】
偏波モード分散測定部26は計測部24の計測結果に基づき、光ファイバ18の偏波モード分散τPMDを求める。
【0041】
次に、本発明の第一の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置の動作を図2のフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
まず、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値を計測する(S10)。この計測の手順については図3のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
まず、波長可変光源10の出力する光の光角周波数をωとする(S12)。図1を参照して、波長可変光源10は、光角周波数ωの入射光を出射する。入射光は、光変調器12により強度変調され、偏波コントローラ14へ出射される。ここで、偏波状態設定部16は、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸にあわせる(S14a)。すなわち、入射光をp偏光軸に一致する直線偏波とする。そして、入射光は光ファイバ18に入射される。
【0044】
光ファイバ18を透過した合成入射光は、偏波分離器20によりp偏光およびs偏光に分離される。偏波分離器20が出力したp偏光成分は光電(O/E)変換器22pにより光電変換されて計測部24に出力される。偏波分離器20が出力したs偏光成分は光電(O/E)変換器22sにより光電変換されて計測部24に出力される。そして、計測部24により位相推移相当値および振幅相当値が計測される(S14b)。
【0045】
ここで、位相推移相当値の求め方および振幅相当値の求め方(S14b)を説明する。
【0046】
まず、光ファイバ18の伝達関数行列[T]を式(10)のように定義する。
【0047】
【数7】
ただし、伝達関数行列[T]の各要素は以下の式(11)の通りである。
【0048】
【数8】
ただし、φ(ω)は直交する2つの成分ψ1(ω)、ψ2(ω)の位相推移の差成分であり、ψ(ω)は直交する2つの成分ψ1(ω)、ψ2(ω)の位相推移の同相成分である。なお、ψ1(ω)は光の進行方向に垂直な面内のある方向の位相推移、ψ2(ω)はψ1に直交する方向の位相推移である。具体的には、φ(ω)=(ψ1(ω)−ψ2(ω))/2、ψ(ω)=(ψ1(ω)+ψ2(ω))/2である。また、Θ(ω)は、光ファイバ18から出射される光の偏光角である。
【0049】
ここで、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸にあわせてある。よって、偏波分離器20の出力は、以下の式(12)のようになる。
【0050】
【数9】
計測部24には、光電(O/E)変換器22pを介して、T11e-j θ 11の光が入射される。しかも、計測部24には、光電(O/E)変換器22sを介して、T21e-j θ 21の光が入射される。よって、計測部24は、T11e-j θ 11およびT21e-j θ 21の位相推移θ11、θ21に相当する値、例えば位相推移θ11、θ21を光角周波数ωで微分した値であるところの群遅延時間τ11(=dθ11/dω)、τ21(=dθ21/dω)、ならびに振幅|T11|、|T21|に相当する値、例えば振幅を二乗した値|T11|2、|T21|2、を計測できる。すなわち、計測部24は、光ファイバ18の伝達関数行列の第一列の位相推移相当値および振幅相当値を計測できる。
【0051】
次に、偏波状態設定部16は、入射光を偏波分離器20におけるs偏光軸にあわせる(S16a)。すなわち、入射光をs偏光軸に一致する直線偏波とする。そして、入射光は光ファイバ18に入射される。
【0052】
光ファイバ18を透過した合成入射光は、偏波分離器20によりp偏光およびs偏光に分離される。偏波分離器20が出力したp偏光成分は光電(O/E)変換器22pにより光電変換されて計測部24に出力される。偏波分離器20が出力したs偏光成分は光電(O/E)変換器22sにより光電変換されて計測部24に出力される。そして、計測部24により位相推移相当値および振幅相当値が計測される(S16b)。
【0053】
ここで、位相推移相当値の求め方および振幅相当値の求め方(S16b)を説明する。入射光を偏波分離器20におけるs偏光軸にあわせてある。よって、偏波分離器20の出力は、以下の式(13)のようになる。
【0054】
【数10】
計測部24には、光電(O/E)変換器22pを介して、T12e-j θ 12の光が入射される。しかも、計測部24には、光電(O/E)変換器22sを介して、T22e-j θ 22の光が入射される。よって、計測部24は、T12e-j θ 12およびT22e-j θ 22の位相推移θ12、θ22に相当する値、例えば位相推移θ12、θ22を光角周波数ωで微分した値であるところの群遅延時間τ12(=dθ12/dω)、τ22(=dθ22/dω)、ならびに振幅|T12|、|T22|に相当する値、例えば振幅を二乗した値|T12|2、|T22|2、を計測できる。すなわち、計測部24は、光ファイバ18の伝達関数行列の第二列の位相推移相当値および振幅相当値を計測できる。
【0055】
そして、光角周波数が上限に達したか否かを判定し(S17)、上限に達していなければ(S17、No)、光角周波数をΔω増やし(S18)、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸にあわせる工程(S14a)に戻る。光角周波数が上限に達したならば(S17、Yes)、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値の計測(S10:図2参照)が終了する。
【0056】
ここで、図2に戻り、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸すなわち直交偏光軸16bにあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値を計測する(S20)。この計測の手順については図4のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
まず、波長可変光源10の出力する光の光角周波数をωとする(S22)。図1を参照して、波長可変光源10は、光角周波数ωの入射光を出射する。入射光は、光変調器12により強度変調され、偏波コントローラ14へ出射される。ここで、偏波状態設定部16は、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸にあわせる(S24a)。すなわち、入射光をp’偏光軸に一致する直線偏波とする。そして、入射光は光ファイバ18に入射される。
【0058】
光ファイバ18を透過した合成入射光は、偏波分離器20によりp偏光およびs偏光に分離される。偏波分離器20が出力したp偏光成分は光電(O/E)変換器22pにより光電変換されて計測部24に出力される。偏波分離器20が出力したs偏光成分は光電(O/E)変換器22sにより光電変換されて計測部24に出力される。そして、計測部24により位相推移相当値および振幅相当値が計測される(S24b)。
【0059】
ここで、位相推移相当値の求め方および振幅相当値の求め方(S24b)を説明する。
【0060】
入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸にあわせてある。よって、偏波分離器20の出力は、以下の式(14)のようになる。ただし、式(14)においては、T11e‐ j θ 11等を単にT11(ω)と記載している。
【0061】
【数11】
計測部24には、光電(O/E)変換器22pを介して、T’11の光が入射される。しかも、計測部24には、光電(O/E)変換器22sを介して、T’21の光が入射される。よって、計測部24は、T’11およびT’21の位相推移θθ 11、θθ 21に相当する値、例えば位相推移θθ 11、θθ 21を光角周波数ωで微分した値であるところの群遅延時間τθ 11(=dθθ 11/dω)、τθ 21(=dθθ 21/dω)、ならびに振幅|Tθ 11|、|Tθ 21|に相当する値、例えば振幅を二乗した値|Tθ 11|2、|Tθ 21|2、を計測できる。
【0062】
次に、偏波状態設定部16は、入射光を偏波分離器20におけるs’偏光軸にあわせる(S26a)。すなわち、入射光をs’偏光軸に一致する直線偏波とする。そして、入射光は光ファイバ18に入射される。
【0063】
光ファイバ18を透過した合成入射光は、偏波分離器20によりp偏光およびs偏光に分離される。偏波分離器20が出力したp偏光成分は光電(O/E)変換器22pにより光電変換されて計測部24に出力される。偏波分離器20が出力したs偏光成分は光電(O/E)変換器22sにより光電変換されて計測部24に出力される。そして、計測部24により位相推移相当値および振幅相当値が計測される(S26b)。
【0064】
ここで、位相推移相当値の求め方および振幅相当値の求め方(S26b)を説明する。入射光を偏波分離器20におけるs’偏光軸にあわせてある。よって、偏波分離器20の出力は、以下の式(15)のようになる。ただし、式(15)においては、T11e‐ j θ 11等を単にT11(ω)と記載している。
【0065】
【数12】
計測部24には、光電(O/E)変換器22pを介して、T’12の光が入射される。しかも、計測部24には、光電(O/E)変換器22sを介して、T’22の光が入射される。よって、計測部24は、T’12およびT’22の位相推移θθ 12、θθ 22に相当する値、例えば位相推移θθ 12、θθ 22を光角周波数ωで微分した値であるところの群遅延時間τθ 12(=dθθ 12/dω)、τθ 22(=dθθ 22/dω)、ならびに振幅|Tθ 12|、|Tθ 22|に相当する値、例えば振幅を二乗した値|Tθ 12|2、|Tθ 22|2、を計測できる。
【0066】
そして、光角周波数が上限に達したか否かを判定し(S27)、上限に達していなければ(S27、No)、光角周波数をΔω増やし(S28)、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸にあわせる工程(S24a)に戻る。光角周波数が上限に達したならば(S27、Yes)、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸(直交偏光軸16b)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値の計測(S20:図2参照)が終了する。
【0067】
ここで、図2に戻り、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値のS/N比(Signal to Noise Ratio)と、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸(直交偏光軸16b)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値のS/N比(Signal to Noise Ratio)とを比較する(S30)。
【0068】
例えば、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたとき、偏波分離器20においてp偏光成分のみが出力され、s偏光成分が全く出力されなかったとする。すると、s偏光成分における出力のS/N比が悪化する。しかし、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸(直交偏光軸16b)にあわせれば(ただしθ=45°)、偏波分離器20においてp偏光成分およびs偏光成分のパワーは同程度になる。そこで、p偏光成分およびs偏光成分における出力のS/N比が悪化が防止できる。よって、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸(直交偏光軸16b)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値のS/N比の方が良い。
【0069】
ここで、S/N比が良い方、すなわちノイズの少ない方の位相推移相当値および振幅相当値を計測部24が偏波モード分散測定部26に出力して、偏波モード分散τPMDの測定を行なう(S40)。
【0070】
入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値を利用する場合、偏波モード分散τPMDは以下のようにして求められる。
【0071】
【数13】
また、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸(直交偏光軸16b)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値を利用する場合も、偏波モード分散τPMDは式(16)ないし(19)のようにして求められる。すなわち、式(18)ないし(19)において、τ11、τ22、τ12、τ21に、τθ 11、τθ 22、τθ 12、τθ 21を代入してβ、γを求める。そして、式(17)において、|T11|2、|T21|2に|Tθ 11|2、|Tθ 21|2を代入してαを求める。このようにして求めたα、β、γを式(16)に代入すれば偏波モード分散τPMDを求められる。すなわち、τ11、τ22、τ12、τ21、|T11|2、|T21|2のかわりにτθ 11、τθ 22、τθ 12、τθ 21、|Tθ 11|2、|Tθ 21|2を用いれば偏波モード分散τPMDを求められる。なお、このようにして偏波モード分散τPMDを求められることの証明は、後で詳述する。
【0072】
なお、本実施形態では、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたときと、p’偏光軸およびs’偏光軸(直交偏光軸16b)にあわせたときの計測値の内、S/N比が良い方を選択する。しかし、p’偏光軸およびs’偏光軸を複数用意し(例えば、θ=45°および60°として双方の条件で計測)、その内からS/N比が良い方を選択するようにしてもよい。
【0073】
また、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値の計測(S10)よりも前に、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値を計測(S20)を行うことも可能である。
【0074】
本発明の実施形態によれば、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸をある角度θ回転したp’偏光軸およびs’偏光軸である直交偏光軸16bにあわせて光ファイバ18に入射する。これにより、偏波分離器20の出力のp偏光成分およびs偏光成分におけるパワーの偏りを防止できる。
【0075】
しかも、入射光を直交偏光軸16bにあわせて光ファイバ18に入射した結果に基づき偏波モード分散τPMDを測定する方法は、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸にあわせて光ファイバ18に入射した結果に基づき偏波モード分散τPMDを測定する方法と同様であり、偏波モード分散τPMDを測定することが可能である。
【0076】
第二の実施形態
第二の実施形態は、所定角度θ(偏光軸の回転角度)を計測部24の計測結果である入射光の振幅相当値に基づき設定する点が、第一の実施形態と異なる。
【0077】
図5は、本発明の第二の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置の構成を示すブロック図である。本発明の第二の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置は、被測定物(DUT:Device Under Test)である光ファイバ18の偏波モード分散τPMDを求めるためのものである。本発明の第二の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置は、波長可変光源(光生成手段)10、光変調器12、偏波コントローラ(光入射手段)14、偏波状態設定部16、偏波分離器20、光電(O/E)変換器22p、s、計測部24、偏波モード分散測定部26を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0078】
波長可変光源(光生成手段)10、光変調器12および偏波コントローラ(光入射手段)14は第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0079】
偏波状態設定部16は、第一の実施形態と同様である。ただし、所定角度θは、計測部24の計測結果である入射光の振幅相当値に基づき設定される。計測部24は、入射光の振幅相当値である、振幅を二乗した値|Tθ 11|2、|Tθ 21|2、および|Tθ 12|2、|Tθ 22|2を計測する。ここで、偏波状態設定部16は、振幅相当値のp成分とs成分との比|Tθ 11|2/|Tθ 21|2あるいは|Tθ 12|2/|Tθ 22|2を求める。この比が大き過ぎれば、p成分が大き過ぎるということである。この比が小さ過ぎれば、s成分が大き過ぎるということである。そこで、偏波状態設定部16は、|Tθ 11|2/|Tθ 21|2あるいは|Tθ 12|2/|Tθ 22|2を上限しきい値および下限しきい値と比較する。|Tθ 11|2/|Tθ 21|2あるいは|Tθ 12|2/|Tθ 22|2が上限しきい値以上である(あるいは、超える)ならば大き過ぎ、下限しきい値以下である(あるいは、未満である)ならば小さ過ぎる。ここで、p成分あるいはs成分が大き過ぎるのならば、所定角度θを増やす(あるいは減らす)。このようにして所定角度θを変化させていけば、そのうちp成分もs成分も大き過ぎない状態になる。
【0080】
偏波分離器20、光電(O/E)変換器22p、s、計測部24および偏波モード分散測定部26は第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、計測部24は、入射光の振幅相当値|Tθ 11|2、|Tθ 21|2あるいは|Tθ 12|2、|Tθ 22|2を偏波状態設定部16に送る。
【0081】
次に、本発明の第二の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置の動作を図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0082】
まず、入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸すなわち直交偏光軸16bにあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値を計測する(S20)。これは、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0083】
振幅相当値|Tθ 11|2、|Tθ 21|2あるいは|Tθ 12|2、|Tθ 22|2は偏波状態設定部16に送られる。偏波状態設定部16は、|Tθ 11|2/|Tθ 21|2あるいは|Tθ 12|2/|Tθ 22|2を上限しきい値および下限しきい値で規定される範囲内にあるか否かを判定する(S32)。|Tθ 11|2/|Tθ 21|2あるいは|Tθ 12|2/|Tθ 22|2が範囲外ならば(S32、No)、上限しきい値を超えている(以上である)か、下限しきい値未満である(以下である)。そこで、p成分(s成分)へのパワーの偏りを避けるために、偏波状態設定部16は、所定角度θを増やす(S34)。なお、所定角度θを減らしてもよい。そして、入射光を直交偏光軸16bにあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値の計測(S20)に戻る。
【0084】
上記のように、所定角度θを変化させていけば、やがて|Tθ 11|2/|Tθ 21|2あるいは|Tθ 12|2/|Tθ 22|2が上限しきい値および下限しきい値で規定される範囲内にあるようになる(S32、Yes)。この場合は、p成分(s成分)へのパワーの偏りが少ないため、偏波モード分散τPMDの測定を行なう(S40)。偏波モード分散τPMDの測定は第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0085】
第二の実施形態によれば、所定角度θをいわゆるフィードバックにより適切な値、すなわちp成分またはs成分にパワーが過度に偏らない値に設定できるため、偏波分離器20の出力のp偏光成分およびs偏光成分におけるパワーの偏りを防止できる。
【0086】
なお、第二の実施形態と第一の実施形態とを組み合わせることも可能である。例えば、図2のS30と同様に、入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたときの計測値と、所定角度θをいわゆるフィードバックにより適切な値に設定したときの計測値との内で、S/N比の良い方を選択するようにしてもよい。
【0087】
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータのメディア読み取り装置に、上記の各部分、例えば計測部24、偏波モード分散測定部26を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。
【0088】
[τのかわりにτθ、|T|2のかわりに|Tθ|2を用いて偏波モード分散τPMDを求められることの証明]
τ11、τ22、τ12、τ21、|T11|2、|T21|2のかわりにτθ 11、τθ 22、τθ 12、τθ 21、|Tθ 11|2、|Tθ 21|2を用いても偏波モード分散τPMDを求められる。このことは以下のようにして証明される。
【0089】
式(11)を式(14)および式(15)に代入すると、式(20)ないし(23)のような結果が得られる。
【0090】
【数14】
式(20)ないし(23)は行列のパラメータであり、これらの振幅相当値(振幅の2乗)は式(24)ないし(27)の通りである。また、位相は式(28)ないし(31)の通りである。
【0091】
【数15】
式(24)ないし(27)から次の式(32)ないし(35)が成り立つ。
【0092】
【数16】
式(32)ないし(35)から式(36)のように、振幅の二乗をおくことができる。
【0093】
【数17】
ここで、式(37)のような公式を用いて、群遅延時間τθ 11、τθ 12、τθ 21、τθ 22を式(38)ないし(41)のように表す。
【0094】
【数18】
ここで、Aは式(42)に示すようなものである。
【0095】
【数19】
計測部24で計測されるパワーは、式(24)ないし(27)に透過パワー特性U2をかけたたものとなる。同様に、群遅延時間は式(28)ないし(31)に群遅延時間Φ1を加えたものとなる。
【0096】
これらのTθ 11、Tθ 12、Tθ 21、Tθ 22、τθ 11、τθ 12、τθ 21、τθ 22を用いて偏波モード分散の計算式(式(16))に代入してみる。すると、偏波モード分散は以下のようになる。
【0097】
【数20】
ここで、偏波モード分散を式(47)のように変形して計算する。
【0098】
【数21】
まず、式(47)の、αθ 2+γθ 2sin22Θθを求める。
【0099】
【数22】
式(48)のような公式を用いると、αθは式(49)のようになる。
【0100】
【数23】
また、γθsin2Θθは、式(50)のようになる。
【0101】
【数24】
よって、αθ 2+γθ 2sin22Θθは、式(51)のようになる。
【0102】
【数25】
式(51)の右辺の分子第一項は、式(52)のようになる。
【0103】
【数26】
式(51)の右辺の分子第二項は、式(53)のようになる。
【0104】
【数27】
式(51)の右辺の分母は、式(54)のようになる。
【0105】
【数28】
よって、αθ 2+γθ 2sin22Θθは、式(55)のようになる。
【0106】
【数29】
次に、式(47)の、βθ+γθcos2Θθを求めると、式(56)のようになる。
【0107】
【数30】
よって、式(57)が成り立つ。
【0108】
【数31】
τPMD θ=τPMDとなり、入力の直線偏波状態が任意の角度であっても、導出される偏波モード分散は等しい。よって、τ11、τ22、τ12、τ21、|T11|2、|T21|2のかわりにτθ 11、τθ 22、τθ 12、τθ 21、|Tθ 11|2、|Tθ 21|2を用いても偏波モード分散τPMDを求められる。
[証明終わり]
【発明の効果】
本発明によれば、入射光を偏波分離手段におけるp偏光軸およびs偏光軸をある角度回転した直交偏光軸にあわせて被測定物に入射する。これにより、偏波分離手段の出力のp偏光成分およびs偏光成分におけるパワーの偏りを防止できる。
【0109】
しかも、入射光を直交偏光軸にあわせて被測定物に入射した結果に基づき偏波モード分散を測定する方法は、入射光を偏波分離手段におけるp偏光軸およびs偏光軸にあわせて被測定物に入射した結果に基づき偏波モード分散を測定する方法と同様であり、偏波モード分散を測定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】入射光を偏波分離器20におけるp偏光軸およびs偏光軸(16a)にあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値の計測の手順を示すフローチャートである。
【図4】入射光を偏波分離器20におけるp’偏光軸およびs’偏光軸すなわち直交偏光軸16bにあわせたときの位相推移相当値および振幅相当値の計測の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第二の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第二の実施形態にかかる偏波モード分散測定装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】従来技術の特開平9−264814号公報に記載の光ファイバの偏波モード分散測定装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 波長可変光源(光生成手段)
12 光変調器
14 偏波コントローラ(光入射手段)
16 偏波状態設定部
16a p偏光軸およびs偏光軸
16b 直交偏光軸
18 光ファイバ(DUT:Device Under Test)
20 偏波分離器
22p、s 光電(O/E)変換器
24 計測部
26 偏波モード分散測定部
Claims (6)
- 被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定装置であって、
前記被測定物から出射された光を受けて、p偏光およびs偏光に分離して出力する偏波分離手段と、
入射光を生成する光生成手段と、
前記入射光を強度変調して出射する光変調手段と、
当該強度変調された入射光を、前記被測定物に入射する光入射手段と、
前記偏波分離手段の出力に基づき前記入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づき被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定手段と、
を備え、
偏光軸が前記p偏光の軸および前記s偏光の軸から所定角度回転した直交偏光軸にあっている偏光を、p’偏光およびs’偏光としたときに、
前記光入射手段は、前記振幅相当値のp成分およびs成分の比が、所定の範囲内に入るまで、前記所定角度を変化させながら、前記p’偏光および前記s’偏光を前記被測定物に入射することを行う、
偏波モード分散測定装置。 - 請求項1に記載の偏波モード分散測定装置であって、
前記位相推移相当値は位相推移を光角周波数で微分したものである偏波モード分散測定装置。 - 請求項1に記載の偏波モード分散測定装置であって、
前記振幅相当値は振幅を二乗したものである偏波モード分散測定装置。 - 被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定方法であって、
前記被測定物から出射された光を受けて、p偏光およびs偏光に分離して出力する偏波分離工程と、
入射光を生成する光生成工程と、
前記入射光を強度変調して出射する光変調工程と、
当該強度変調された入射光を、前記被測定物に入射する光入射工程と、
前記偏波分離工程の出力に基づき前記入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する計測工程と、
前記計測工程の計測結果に基づき被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定工程と、
を備え、
偏光軸が前記p偏光の軸および前記s偏光の軸から所定角度回転した直交偏光軸にあっている偏光を、p’偏光およびs’偏光としたときに、
前記光入射工程は、前記振幅相当値のp成分およびs成分の比が、所定の範囲内に入るまで、前記所定角度を変化させながら、前記p’偏光および前記s’偏光を前記被測定物に入射することを行う、
偏波モード分散測定方法。 - 被測定物から出射された光を受けてp偏光およびs偏光に分離して出力する偏波分離手段と、入射光を生成する光生成手段と、前記入射光を強度変調して出射する光変調手段と、当該強度変調された入射光を前記被測定物に入射する光入射手段とを有する偏波モード分散測定装置における偏波モード分散測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記偏波分離手段の出力に基づき前記入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する計測処理と、
前記計測処理の計測結果に基づき被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
偏光軸が前記p偏光の軸および前記s偏光の軸から所定角度回転した直交偏光軸にあっている偏光を、p’偏光およびs’偏光としたときに、
前記光入射手段は、前記振幅相当値のp成分およびs成分の比が、所定の範囲内に入るまで、前記所定角度を変化させながら、前記p’偏光および前記s’偏光を前記被測定物に入射することを行う、
プログラム。 - 被測定物から出射された光を受けてp偏光およびs偏光に分離して出力する偏波分離手段と、入射光を生成する光生成手段と、前記入射光を強度変調して出射する光変調手段と、当該強度変調された入射光を前記被測定物に入射する光入射手段とを有する偏波モード分散測定装置における偏波モード分散測定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記偏波分離手段の出力に基づき前記入射光の位相推移相当値および振幅相当値を計測する計測処理と、
前記計測処理の計測結果に基づき被測定物の偏波モード分散を測定する偏波モード分散測定処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であり、
偏光軸が前記p偏光の軸および前記s偏光の軸から所定角度回転した直交偏光軸にあっている偏光を、p’偏光およびs’偏光としたときに、
前記光入射手段は、前記振幅相当値のp成分およびs成分の比が、所定の範囲内に入るまで、前記所定角度を変化させながら、前記p’偏光および前記s’偏光を前記被測定物に入射することを行う、
記録媒体。
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