JP4100498B2 - プレート積層材の製造方法、プレート積層材を用いる中空積層材の製造方法、およびプレート型ヒートパイプの製造方法 - Google Patents

プレート積層材の製造方法、プレート積層材を用いる中空積層材の製造方法、およびプレート型ヒートパイプの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、複数枚のプレート材を積層接合し、少なくともいずれか一対の対向するプレート材間に所定のパターンで接合抑止部を形成し、接合抑止部の1箇所または複数箇所を開口予定部とするようなプレート積層材の製造方法、およびプレート積層材を用いる中空積層材の製造方法、およびプレート型ヒートパイプの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器においては、その高性能化が急速に進められており、この高性能化を実現していくために、MPUなどから発生する熱を効率よく放熱させる放熱器や熱交換器などの冷却装置部品が必要とされている。
【0003】
このような冷却装置部品の1つとして、例えば特開平10−185465号報で開示されているようなプレート型ヒートパイプなどが提案されている。このプレート型ヒートパイプは、アルミニウム合金材を複数枚積層圧着し、積層境界面に蛇行した細径のトンネルをロールボンド法により形成し、そのトンネル内にヒートパイプ作動液としてフロン134a等を封入している。図1および図2に示すように、このプレート型ヒートパイプ1は2枚の金属薄板3、4を積層し熱間圧延にて接合して、予め圧着防止剤を所定のパターンで塗布し未圧着となった境界面のパターン部を膨管して前記蛇行した細径のトンネル2を形成しており、単位幅あたりの蛇行ターン数を格段に増加させることにより放熱性能を向上させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のロールボンド法により形成した冷却装置部品では、熱間圧延により金属薄板を接合するため母材の変形が大きく、トンネルの形状を精度良く形成できないばかりでなく、接合面における異種金属間の合金化等により接合強度が低下する等の問題点も生じている。
【0005】
本発明は、上記のような技術的背景に鑑み、軽量化や薄型化を可能とするプレート積層材の製造方法、およびプレート積層材を用いる中空積層材の製造方法、およびプレート型ヒートパイプの製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題に対する第1の解決手段として本発明のプレート積層材の製造方法は、複数枚の厚み5〜1000μmのプレート材を積層接合してなるプレート積層材の製造方法であって、少なくともいずれか一対の対向するプレート材間に所定のパターンで接合抑止部を形成し、プレート材の接合面を予め活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね合わせ、圧延率0.1〜30%で冷間圧接して前記接合抑止部の1箇所または複数箇所が開口予定部を形成する方法とした。また好ましくは、前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、前記プレート材の接合予定面側をそれぞれスパッタエッチング処理する方法とした。
【0007】
前記課題に対する第2の解決手段として本発明の中空積層材の製造方法は、請求項1または2記載のプレート積層材の製造方法で製造したプレート積層材を用いて、開口予定部を膨管することにより所定形状の中空部を形成する方法とした。
【0008】
前記課題に対する第3の解決手段として本発明の部品の製造方法は、請求項3記載の中空積層材の製造方法で製造した中空積層材を用いて、中空部にヒートパイプ作動体を封入することを特徴とするプレート型ヒートパイプの製造方法とした。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の製造方法を説明する。図3は、本発明の製造方法を用いた中空積層材の一実施形態を示す概略平面図であり、一本の細長いトンネル状の中空部11が蛇行した例を示す。なお図中11aは、開口部である。図4は、本発明の製造方法を用いた中空積層材の一実施形態を示す概略断面図であり、2枚のプレート材12、13の少なくともいずれか一方例えばプレート材12に凹部16を設けることにより中空部を形成した例を示す。図5は、本発明の製造方法を用いた中空積層材の他の実施形態を示す概略断面図であり、2枚のプレート材12、13の少なくともいずれか一方例えばプレート材12に薄肉加工を施すことにより凹部16を設けて中空部を形成した例を示す。図6は、本発明の製造方法を用いた中空積層材のさらに他の実施形態を示す概略断面図であり、3枚のプレート材12、13、14のうち中間に位置するプレート材12に貫通部17を設けることにより中空部を形成した例を示す。図7は、本発明の製造方法を用いた中空積層材のさらに他の実施形態を示す概略断面図であり、中空部を形成するプレート材のいずれか一方の側をプレート材12、14からなる2層の積層材で構成した例を示す。図8は、本発明の製造方法を用いた中空積層材のさらに他の実施形態を示す概略断面図であり、中空部を形成するプレート材の双方の側をプレート材12、14およびプレート材13、15からなるそれぞれ2層の積層材で構成した例を示す。図9は、本発明の製造方法を用いた中空積層材のさらに他の実施形態を示す概略断面図であり、2重構造の中空部を有する形態を示す。
【0010】
プレート材12の材質としては、中空積層材を製造可能な素材であれば特にその種類は限定されず、中空積層材の用途により適宜選択して用いることができる。例えば、常温で固体である金属(例えば、Al、Fe、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Sn、Pt、Auなど)やこれらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金(例えば、JISに規定の合金など)あるいはこれらの金属や合金を少なくとも1層有する積層体(例えば、クラッド材、メッキ材、蒸着膜材など)などを適用することができる。さらに上記の金属や合金は、アモルファス体であっても構わない。また高分子材料や高分子材料に上記の金属や合金を積層した積層体なども用いることができる。中空積層材の用途が熱交換器などであれば、熱伝導性に優れた金属であるCu、Al、Niなどやこれらの金属のうち少なくとも1種類を含む合金あるいはこれらの金属や合金を少なくとも1層有する積層体などを適用することができる。
【0011】
JISに規定の合金としては、例えば、鉄鋼材料では、合金鉄、構造用鋼、圧力容器鋼、薄鋼板、ステンレス鋼、耐熱鋼、超合金、磁気材料など、Cu系合金では、例えばJIS H 3100に記載の無酸素銅、タフピッチ銅、りん脱酸銅、丹銅、黄銅、快削黄銅、すず入り黄銅、アドミラルティ黄銅、ネーバル黄銅、アルミニウム青銅、りん青銅、白銅など、Al系合金では、例えばJIS H4000あるいは4160に記載の1000系、2000系、3000系、5000系、6000系、7000系など、Ni系合金では、例えばJIS H 4551に記載の常炭素ニッケル、低炭素ニッケル、ニッケル−銅合金、ニッケル−銅−アルミニウム−チタン合金、ニッケル−モリブデン合金、ニッケル−モリブデン−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄−モリブデン−銅合金、ニッケル−クロム−モリブデン−鉄合金、ニッケル−鉄合金、ニッケル−クロム−鉄合金などを適用することができる。
【0012】
またプレート材12の厚みも中空積層材の用途により適宜選定して用いることができる。例えば、5〜1000μmである。5μm未満の場合にはプレート材としての製造が難しくなり、1000μmを超えると中空積層材しての製造が難しくなる。好ましくは、10〜500μmである。なおプレート材12は概略平板であればよく多少の凹凸や湾曲などがあってもよい。
【0013】
プレート材13、14、15の材質や厚みなどの寸法や形状は、プレート材12に適用できるものであれば特に限定されず、中空積層材の用途により適宜選定して用いることができ、プレート材12と同じでもよいし異なっていてもよいし、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0014】
本発明の中空積層材の製造方法は、例えば図4に示すような、2枚のプレート材12、13の対向面に所定のパターンの接合抑止部を形成するように、接合抑止剤などを塗布して活性化処理を行った後積層接合してプレート積層材20を製造した後、必要により所定の大きさに切り出し、このプレート積層材の接合抑止部をエアーなどによる金型膨管などにより膨らませて中空部11を形成するものである。
【0015】
本発明の中空積層材の製造方法について以下に説明する。まず図7、図8で用いられる2層の積層材、すなわちプレート材12、14やプレート材13、15からなる積層材の製造方法について説明する。図10に示す積層材製造装置50において、巻き戻しリール62から巻き戻されたプレート材12を、活性化処理装置70で活性化処理する。同様にして巻き戻しリール64から巻き戻されたプレート材14を、活性化処理装置80で活性化処理する。活性化処理された面同士が当接するように、プレート材12、14を圧接ユニット60で冷間圧接して積層接合してプレート積層材20を製造し、巻き取りロール66で巻き取る。また必要により、巻き取りロール部の代わりに所定の大きさに切り出す切り出し工程を設けても良い。このようにして2層の積層材を製造することができる。
【0016】
活性化処理は、以下のようにして実施する。すなわち、活性化処理装置70に投入されたプレート材12をアース接地した一方の電極A(電極ロール72)と接触させ、絶縁支持された他の電極B(電極74)との間でスパッタエッチングによる活性化処理を行う。同様にして活性化処理装置80に投入されたプレート材14をアース接地した一方の電極A(電極ロール82)と接触させ、絶縁支持された他の電極B(電極84)との間でスパッタエッチングによる活性化処理を行う。活性化処理は、10〜1×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気好ましくはアルゴンガス中で、電極A、B間に1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aの面積が、実効的に電極Bの面積の1/3以下となるように、スパッタエッチング処理する。なお不活性ガス圧力が1×10−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高速エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化処理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチングが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力の供給系が複雑となり好ましくない。また効率よくエッチングするためには電極Aの面積を電極Bの面積より小さくする必要があり、実効的に1/3以下とすることにより充分な効率でエッチング可能となる。
【0017】
積層接合は、以下のようにして実施する。すなわち、プレート材12、14の活性化処理された面が対向するようにして両者を当接して重ね合わせて圧接ユニット60で冷間圧接することにより積層接合を達成することできる。この際の積層接合は、低温度・低圧延率下で可能であり、熱間圧接や高圧延率の圧接におけるようなプレート材ならびに積層接合部に組織変化や合金化、破断等といった悪影響を軽減または排除することが可能である。このときプレート材の温度T(℃)は、0℃<T≦300℃であることが好ましい。0℃以下では大掛かりな冷却装置が必要となり、300℃を超えると接合部が合金化し接合強度が低下するため好ましくない。また圧延率R(%)は、0.1%≦R≦30%であることが好ましい。0.1%未満では充分な接合強度が得られず、30%を超えると変形が大きくなり加工精度上好ましくない。
【0018】
次に図3に示す中空積層材の製造方法について、接合抑止剤を用いた場合を例に取り説明する。図3に示される中空積層材10において、11は中空部である。この中空部11は、次のようにして形成することができる。図4に示すように、まず2枚のプレート材12、13の対向面に中空部形状に対応した所定のパターンの接合抑止部を形成するように、少なくとも一方のプレート材に接合抑止剤などを塗布する。例えば図10に示した積層材製造装置50において、プレート材14の代わりにプレート材13を用い、積層材20の代わりにプレート積層材として、活性化処理装置70、80の少なくともいずれか一方の前に、すなわち巻き戻しリールと活性化処理装置の間に、所定パターンの接合抑止剤を印刷する工程や装置を設けることにより、巻き戻されたプレート材に接合抑止剤を所定パターンで塗布することが可能となる。接合抑止剤の塗布はパターン印刷などにより行うことができる。接合抑止剤としては、例えばコロイド状グラファイトを主成分とするインキなどを用いることができる。接合抑止剤の塗布厚さは、その後に施す活性化処理により消失しない程度の厚さか、または積層接合時に接合抑止部が接合されない程度にしておくことができる。
【0019】
その後プレート材12、13の対抗面に活性化処理装置70、80で活性化処理を行い、プレート材12、13の活性化処理された面が対向するようにして両者を当接して重ね合わせて圧接ユニット60で冷間圧接して積層接合し、プレート積層材20を製造することができる。このように積層接合することにより、接合抑止剤の付着していなかった部分のみが圧接され、接合抑止剤の付着していた部分には接合抑止部が形成される。その後、必要により所定の大きさに切り出して本発明の接合抑止部を有するプレート積層材20を製造することができる。またプレート積層材20の接合部に表裏面を貫くような貫通孔を設けてもよい。なお接合抑止剤の印刷工程や装置は、活性化処理装置の後に、すなわち活性化処理装置と圧接ユニットの間に設置してもよい。
【0020】
本発明の中空積層材の製造方法は、上記のようにして製造されたプレート積層材を、必要により切り出して、プレート積層材の接合抑止部に開口部11aから圧縮空気などを送り込み、必要により金型などを用いて、プレート材の少なくとも一方の面を膨らませるものである。このようにして中空部11を形成する。また必要により、中空部内を洗浄し余分な接合抑止剤を除去してもよい。以上のようにして本発明の製造方法を用いて、中空部11を有する中空積層材10を製造することができる。なお複数の開口部は膨管の後に形成してもよいし、膨管前にプレート積層材の状態で開口予定部を有していてもよい。
【0021】
また前記の圧接ユニットを、プレス加工装置などと置き換えることによっても積層接合が達成される。さらに接合抑止剤印刷後またはスパッタエッチング処理後に、プレート材などを所定の大きさに切り出した後積層し、プレス加工を行うことも可能である。また先にプレート材などを所定の大きさに切り出した後に、スパッタエッチング処理・接合抑止剤印刷を行って、積層しプレス加工を行うことも可能である。なお切り出した後にスパッタエッチング処理をする場合は、プレート材を絶縁支持された一方の電極Aとし、アース接地した他の電極Bとの間で活性化処理を行うこともできる。
【0022】
図4に示す中空積層材は、図10に示す積層材製造装置50において、圧接ユニット60の圧接ロール面に接合抑止部の所定パターンに対応した例えば窪みなどの非圧接部を設けることによってプレート積層材20を製造し、このプレート積層材20を膨管することによっても製造することができる。なお接合抑止剤などを併用してもよい。
【0023】
図5に示すような中空積層材は、少なくともいずれか一方のプレート材に所定パターンの薄肉加工を施すことによって凹部を形成することで、接合抑止部となすものである。すなわち予め薄肉部が形成されたプレート材を図10に示す積層材製造装置に装填して積層接合を施すか、あるいは巻き戻しリールと活性化処理装置の間に薄肉加工の工程や装置を設けることにより、巻き戻されたプレート材に薄肉加工を施したうえで積層接合を施して中空積層材を製造することができる。さらにこのようにして製造された中空積層材に、必要により膨管などの加工を施してもよい。
【0024】
図6に示すような中空積層材は、所定パターンの貫通孔を有するプレート材の貫通孔を、他のプレート材で塞ぐことにより中空部を形成するものであり、この貫通孔が接合抑止部となる。さらにこのようにして製造された中空積層材に、必要により膨管などの加工を施してもよい。
【0025】
図7、8に示すような中空積層材は、図10に示す積層材製造装置50において、プレート材12、13の代わりに2層のプレート積層材20を用いることにより製造することができる。例えば、図8に示すような中空積層材では、中空部の両側に用いる積層材として銅板12、13にそれぞれアルミニウム板14、15を積層接合した2層の積層材を用いてもよい。これにより中空部内に水などの液体や気体が存在する場合に銅板を内側に用いて耐食性を高めたり、銅−アルミニウムの積層材を用いて銅板のみの場合よりも軽量化を図ったり比強度を高めたりすることができる。また銅板の厚さを0.01〜0.1mmとすることが好ましい。0.01mm未満では充分な耐食性が得られず、0.1mmより厚くなれば重くなりすぎるとともに強度面から積層接合して補強する必要もなくなる。またアルミニウム板の厚さは0.05〜1.0mmとすることが好ましい。0.05mm未満では充分な強度を得られず、1.0mmより厚くなれば重くなりすぎるため好ましくない。
【0026】
本発明の製造方法を用いた中空積層材では、図9に示すように、中空部の一部が多重構造を有していてもよい。このような中空部は、内側の中空部を膨管した後外側の中空部を膨管する多段膨管であってもよいし、同時に膨管してもよい。このとき内側の中空部の膨管圧力を外側より高くすることにより達成することが可能である。また中空部は同形状であってもよいし異形状であってもよいし、内側と外側の開口部は同一箇所または別々の箇所のいずれに設けてもよい。
【0027】
さらに本発明の部品の製造方法は、1箇所または複数箇所の開口部を有する中空積層材を用いるものである。複数箇所の開口部を有する部品では、中空部内部で部分的に連通している形態や非連通である形態などとすることができる。例えば、2つの開口部を有し、中空部内部で連通しているものは、一体型の配管などとして利用することができる。このような一体型の配管を用いることで、通常の配管よりも中空部を形成する部分に加わる振動を抑制することなどが可能である。多重構造の中空部を有する部品は熱交換器部品などにも用いることができる。また2つの開口部を有していても中空部内部で非連通であるものは、2系統のプレート型ヒートパイプなどに用いることができる。なお1箇所の開口部を有する部品は、1系統のプレート型ヒートパイプなどに用いることができる。
【0028】
プレート型ヒートパイプは、中空積層材を作成した後、中空積層材の開口部11aを通じてヒートパイプ作動体を所定量封入し、内部を所定の圧力、例えば真空状態、減圧状態または大気圧程度などにして開口部を溶接等の方法を用いて密封することにより製造することができる。ヒートパイプ作動体としては取り扱いの容易な液体、特に脱フロン化の観点等から、水、純水または超純水を用いることができる。またこのようにして製造されたヒートパイプにおいては、中空部11内の幅方向両側部に毛細管力によるヒートパイプ作動体の引き込み部などが形成できるため、保持姿勢に影響されることなく放熱性能を発揮することが可能となる。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例を図面に基づいて説明する。プレート材12、13として厚み150μmの無酸素銅板を用いた。無酸素銅板に所定のパターンでインキを塗布し、無酸素銅板とともに積層材製造装置50にセットし、真空槽52内の活性化処理ユニット70および80でスパッタエッチング法によりそれぞれ活性化処理した。次に圧接ユニット60を用いて、これら活性化処理された無酸素銅板を、活性化処理面同士を重ね合わせて圧接して積層接合してプレート積層材20を製造した。次にプレート積層材20を所定の大きさに切り出して2カ所の開口予定部を形成し、エアー膨管を行って2カ所の開口部が連通する中空積層材10を製造した。さらに中空積層材10の接合部18に部分的に貫通孔を設けて一体型配管を製造した。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプレート積層材の製造方法は、複数枚のプレート材を積層接合してなるプレート積層材の製造方法であって、少なくともいずれか一対の対向するプレート材間に所定のパターンで接合抑止部を形成し、接合抑止部の1箇所または複数箇所を開口予定部とするものである。また本発明の中空積層体の製造方法は、接合抑止部を中空部とするものである。さらに本発明の部品の製造方法は、1箇所または複数箇所の開口部を有する中空積層材を用いるものである。このため接合部に悪影響を及ぼすことがなく、薄い金属板を低圧延率で接合が可能であるので形状の高精度化および軽量薄形化を実現でき、各種の部品製造に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプレート型ヒートパイプの概略平面図の一実施例である。
【図2】従来のプレート型ヒートパイプの概略断面の一実施例である。
【図3】本発明の製造方法を用いた中空積層体の概略平面図の一実施形態である。
【図4】本発明の製造方法を用いた中空積層体の概略断面図の一実施形態である。
【図5】本発明の製造方法を用いた中空積層体の概略断面図の他の一実施形態である。
【図6】本発明の製造方法を用いた中空積層体の概略断面図のさらに他の一実施形態である。
【図7】本発明の製造方法を用いた中空積層体の概略断面図のさらに他の一実施形態である。
【図8】本発明の製造方法を用いた中空積層体の概略断面図のさらに他の一実施形態である。
【図9】本発明の製造方法を用いた中空積層体の概略断面図のさらに他の一実施形態である。
【図10】本発明の製造方法に用いるプレート積層材の製造装置の概略断面図の一実施形態である。
【符号の説明】
1 中空体
2 トンネル
3 金属薄板
4 金属薄板
5 接合部
6 膨管部
10 中空積層材
11 中空部(トンネル)
11a 開口部
12 プレート材
13 プレート材
14 プレート材
15 プレート材
16 凹部
17 貫通孔
18 接合部
19 接合部
20 プレート積層材
21 中空部(トンネル)
50 積層材製造装置
52 真空槽
60 圧接ユニット
62 巻き戻しリール
64 巻き戻しリール
66 巻き取りロール
70 活性化処理装置
72 電極ロール
74 電極
80 活性化処理装置
82 電極ロール
84 電極
A 電極A
B 電極B

Claims (4)

  1. 複数枚の厚み5〜1000μmのプレート材を積層接合してなるプレート積層材の製造法であって、少なくともいずれか一対の対向するプレート材間に所定のパターンで接合抑止部を形成し、プレート材の接合面を予め活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接して重ね合わせ、圧延率0.1〜30%で冷間圧接して前記接合抑止部の1箇所または複数箇所が開口予定部を形成することを特徴とするプレート積層材の製造方法。
  2. 前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、前記プレート材の接合予定面側をそれぞれスパッタエッチング処理することを特徴とする請求項に記載のプレート積層材の製造方法。
  3. 請求項1または2記載のプレート積層材の製造方法で製造したプレート積層材を用いて、開口予定部を膨管することにより所定形状の中空部を形成することを特徴とする中空積層材の製造方法。
  4. 請求項3記載の中空積層材の製造方法で製造した中空積層材を用いて、中空部にヒートパイプ作動体を封入することを特徴とするプレート型ヒートパイプの製造方法。
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