JP4099889B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP4099889B2
JP4099889B2 JP03302799A JP3302799A JP4099889B2 JP 4099889 B2 JP4099889 B2 JP 4099889B2 JP 03302799 A JP03302799 A JP 03302799A JP 3302799 A JP3302799 A JP 3302799A JP 4099889 B2 JP4099889 B2 JP 4099889B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
trunnions
racks
continuously variable
trunnion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03302799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000009199A5 (ja
JP2000009199A (ja
Inventor
尚 町田
宏史 石川
尚 今西
裕之 伊藤
山下  智史
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP03302799A priority Critical patent/JP4099889B2/ja
Publication of JP2000009199A publication Critical patent/JP2000009199A/ja
Publication of JP2000009199A5 publication Critical patent/JP2000009199A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4099889B2 publication Critical patent/JP4099889B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の変速機の変速ユニットとして、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図11〜12に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシング5(後述する図13〜15)の内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けている。
【0003】
即ち、これら各トラニオン7、7は、両端部外側面に上記各枢軸6、6を、互いに同心に設けている。従って、これら各枢軸6、6は、上記両ディスク2、4の中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向に設けられている。又、これら各トラニオン7、7の中心部には変位軸8、8の基端部を支持し、上記各枢軸6、6を中心として各トラニオン7、7を揺動させる事により、上記各変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン7、7に支持された変位軸8、8の周囲には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。これら入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸6を中心とする円弧を上記入力軸1及び出力軸3を中心に回転させて得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成した各パワーローラ9、9の周面9a、9aを、上記各内側面2a、4aに当接させている。
【0004】
上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置10を設け、この押圧装置10によって、上記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装置10は、入力軸1と共に回転するカム板11と、保持器12により保持した複数個(例えば4個)のローラ13、13とから構成している。上記カム板11の片側面(図11〜12の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面14を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図11〜12の右側面)にも、同様のカム面15を形成している。そして、上記複数個のローラ13、13を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。
【0005】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板11が回転すると、カム面14によって複数個のローラ13、13が、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面15に押圧される。この結果、上記入力側ディスク2が、上記複数のパワーローラ9、9に押圧されると同時に、上記1対のカム面14、15と複数個のローラ13、13との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、前記各枢軸6、6を中心として前記各トラニオン7、7を所定方向に揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図11に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、前記各変位軸8、8を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各枢軸6、6を中心として上記各トラニオン7、7を反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図12に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。各変位軸8、8の傾斜角度を図11と図12との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
上述の様なトロイダル型無段変速機により、実際の自動車用変速機を構成する場合、入力側ディスク2と出力側ディスク4とパワーローラ9、9とを2組設け、これら2組の入力側ディスク2と出力側ディスク4とパワーローラ9、9とを、動力の伝達方向に対して互いに並列に配置する、所謂ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機も、従来から広く知られている。図13〜15は、この様なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の一種で、特公平8−23386号公報に記載されて従来から知られているものを示している。
【0008】
ケーシング5の内側には入力軸1aを、回転のみ自在に支持している。そして、この入力軸1aの周囲に円管状の伝達軸16を、この入力軸1aと同心に、且つこの入力軸1aに対する相対回転を自在に支持している。この伝達軸16の中間部両端寄り部分には、請求項に記載した第一、第二外側ディスクに相当する第一、第二両入力側ディスク17、18を、互いの内側面2a、2a同士を対向させた状態で、それぞれボールスプライン19、19を介して支持している。従って、上記第一、第二両入力側ディスク17、18は、上記ケーシング5の内側に、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持されている。
【0009】
又、上記伝達軸16の中間部の周囲には、請求項に記載した第一、第二内側ディスクに相当する第一、第二両出力側ディスク20、21を、スリーブ22を介して支持している。このスリーブ22は、中間部外周面に出力歯車23を一体に設けたもので、上記伝達軸16の外径よりも大きな内径を有し、上記ケーシング5内に設けた支持壁24に、1対の転がり軸受25、25により、上記伝達軸16と同心に、且つ回転のみ自在に支持している。上記第一、第二両出力側ディスク20、21は、この様に上記伝達軸16の中間部周囲に、この伝達軸16に対し回転自在に支持したスリーブ22の両端部に、それぞれの内側面4a、4aを互いに反対に向けた状態で、スプライン係合させている。従って、上記第一、第二両出力側ディスク20、21は、それぞれの内側面4a、4aを上記第一、第二何れかの入力側ディスク17、18の内側面2a、2aに対向させた状態でこれら第一、第二両入力側ディスク17、18と同心に、且つこれら第一、第二両入力側ディスク17、18とは独立した回転自在に支持されている。
【0010】
又、前記ケーシング5の内面で上記第一、第二両出力側ディスク20、21の側方位置には、これら両出力側ディスク20、21を両側から挟む状態で、1対のヨーク26a、26bを支持している。これら両ヨーク26a、26bはそれぞれ、鋼等の金属板にプレス加工を施す事により、或は鋼等の金属材料に鍛造加工を施す事により、矩形枠状に形成している。これら各ヨーク26a、26bは、それぞれの四隅部に、後述する第一、第二両トラニオン27、28の両端部に設けた第一、第二両枢軸29、30を揺動自在に支持する為の円形の支持孔31、31を、上記伝達軸16の軸方向(図13の左右方向)両端部の幅方向(図14〜15の左右方向)中央部に、円形の係止孔32、32を、それぞれ形成している。それぞれがこの様な形状を有する上記1対のヨーク26a、26bは、上記ケーシング5の内面で互いに対向する部分に形成した支持ポスト33a、33bに、若干の変位自在に支持している。これら各支持ポスト33a、33bはそれぞれ、第一入力側ディスク17の内側面2aと第一出力側ディスク20の内側面4aとの間部分である第一キャビティ34、第二入力側ディスク18の内側面2aと第二出力側ディスク21の内側面4aとの間部分である第二キャビティ35に、それぞれ対向する状態で設けている。従って、上記各ヨーク26a、26bを上記各支持ポスト33a、33bに支持した状態で、これら各ヨーク26a、26bの一端部は上記第一キャビティ34の外周部分に、他端部は上記第二キャビティ35の外周部分に、それぞれ対向する。
【0011】
又、上記第一キャビティ34内で第一入力側ディスク17及び第一出力側ディスク20の直径方向反対位置には1対の第一トラニオン27、27を、上記第二キャビティ35内で第二入力側ディスク18及び第二出力側ディスク21の直径方向反対位置には1対の第二トラニオン28、28を、それぞれ配置している。このうち、上記各第一トラニオン27、27の両端部に互いに同心に設けた、各第一トラニオン27、27毎に2本ずつ、合計4本の第一枢軸29、29は、図14に示す様に、上記1対のヨーク26a、26bの一端部に、揺動並びに軸方向に亙る変位自在に支持している。即ち、これら各ヨーク26a、26bの一端部に形成した支持孔31、31の内側に上記各第一枢軸29、29を、ラジアルニードル軸受36、36により支持している。これら各ラジアルニードル軸受36、36はそれぞれ、外周面が球状凸面であり内周面が円筒面である外輪37と複数本のニードル38、38とから成る。従って上記各第一枢軸29、29は、上記各ヨーク26a、26bの一端部の幅方向両側に、各方向の揺動並びに軸方向に亙る変位自在に支持されている。又、上記各第二トラニオン28、28の両端部に互いに同心に設けた1対ずつの第二枢軸30、30は上記第二キャビティ35内に、図15に示す様に、上記第一トラニオン27、27に設けた上記各第一枢軸29、29と同様の構造により支持している。
【0012】
上述の様にして前記ケーシング5の内側に、揺動及び上記第一、第二各枢軸29、30の軸方向に亙る変位自在に支持した、上記第一、第二各トラニオン27、28の中間部にはそれぞれ、図14〜15に示す様に円孔39、39を形成している。そして、これら各円孔39、39部分に、第一、第二各変位軸40、41を支持している。これら第一、第二各変位軸40、41はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した支持軸部42、42と枢支軸部43、43とを、それぞれ有する。このうちの各支持軸部42、42を上記各円孔39、39の内側に、ラジアルニードル軸受44、44を介して、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部43、43の周囲に第一、第二各パワーローラ45、46を、別のラジアルニードル軸受47、47を介して、回転自在に支持している。
【0013】
尚、前記第一、第二各キャビティ34、35毎に1対ずつ設けた、上記第一、第二各変位軸40、41は、上記第一、第二各キャビティ34、35毎に、前記入力軸1a及び伝達軸16に対して180度反対側位置に設けている。又、これら第一、第二各変位軸40、41の各枢支軸部43、43が各支持軸部42、42に対し偏心している方向は、前記第一、第二入力側、出力側各ディスク17、18、20、21の回転方向に関して同方向(図14〜15で上下逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸1aの配設方向に対しほぼ直交する方向としている。従って、上記各第一、第二各パワーローラ45、46は、上記入力軸1a及び伝達軸16の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結果、トロイダル型無段変速機により伝達するトルクの変動に基づく、構成各部材の弾性変形量の変動等に起因して、上記各第一、第二各パワーローラ45、46が上記入力軸1a及び伝達軸16の軸方向(図13の左右方向、図14〜15の表裏方向)に変位する傾向となった場合でも、構成各部材に無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0014】
又、上記各第一、第二各パワーローラ45、46の外側面と前記第一、第二各トラニオン27、28の中間部内側面との間には、第一、第二各パワーローラ45、46の外側面の側から順に、スラスト玉軸受48、48と、滑り軸受或はニードル軸受等のスラスト軸受49、49とを設けている。このうちのスラスト玉軸受48、48は、上記各第一、第二各パワーローラ45、46に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各第一、第二各パワーローラ45、46の回転を許容する。又、上記各スラスト軸受49、49は、上記第一、第二各パワーローラ45、46から上記各スラスト玉軸受48、48の外輪50、50に加わるスラスト荷重を支承しつつ、前記枢支軸部43、43及び上記外輪50、50が前記支持軸部42、42を中心に揺動する事を許容する。
【0015】
更に、上記第一、第二各トラニオン27、28の一端部(図14〜15の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド51、51を結合し、これら各駆動ロッド51、51の中間部外周面に駆動ピストン52、52を固設している。そして、これら各駆動ピストン52、52を、それぞれ駆動シリンダ53、53内に油密に嵌装している。これら各駆動ピストン52、52と駆動シリンダ53、53とが、それぞれ上記第一、第二各トラニオン27、28を第一、第二各枢軸29、30の軸方向に亙って変位させる為のアクチュエータを構成する。又、上記各駆動シリンダ53、53内には、図示しない制御弁の切り換えに基づいて、圧油を給排自在としている。
【0016】
更に、前記入力軸1aと前記第一入力側ディスク17との間には、ローディングカム式の押圧装置10を設けている。この押圧装置10は、上記入力軸1aの中間部にスプライン係合すると共に軸方向に亙る変位を阻止された状態で支持されて、上記入力軸1aと共に回転するカム板11と、保持器12に転動自在に保持された複数のローラ13とを含んで構成している。そして、上記入力軸1aの回転に基づいて上記第一入力側ディスク17を、第二入力側ディスク18に向け押圧しつつ回転させる。
【0017】
上述の様に構成する、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の運転時、入力軸1aの回転は押圧装置10を介して第一入力側ディスク17に伝えられ、この第一入力側ディスク17と第二入力側ディスク18とが、互いに同期して回転する。そして、これら第一、第二両入力側ディスク17、18の回転が、前記第一、第二両キャビティ34、35内にそれぞれ1対ずつ設けた第一、第二各パワーローラ45、46を介して、第一、第二両出力側ディスク20、21に伝えられ、更にこれら第一、第二両出力側ディスク20、21の回転が、前記出力歯車23より取り出される。入力軸1aと出力歯車23との間の回転速度比を変える場合には、上記制御弁の切り換えに基づいて、上記第一、第二両キャビティ34、35に対応してそれぞれ1対ずつ設けた駆動ピストン52、52を、各キャビティ34、35毎に互いに逆方向に同じ距離だけ変位させる。
【0018】
これら各駆動ピストン52、52の変位に伴って上記1対ずつ合計4個のトラニオン27、28が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図14〜15の右側の第一、第二両パワーローラ45、46が各図の下側に、図14〜15の左側の第一、第二両パワーローラ45、46が各図の上側に、それぞれ変位する。この結果、これら各第一、第二各パワーローラ45、46の周面9a、9aと上記第一、第二両入力側ディスク17、18及び第一、第二両出力側ディスク20、21の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って前記第一、第二各トラニオン27、28が、ヨーク26a、26bに枢支した第一、第二各枢軸29、30を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図11〜12に示した様に、上記各第一、第二各パワーローラ45、46の周面9a、9aと上記各ディスク17、18、20、21の内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸1aと出力歯車23との間の回転速度比が変化する。
【0019】
上述の様なトロイダル型無段変速機には、前記駆動ロッド51、51、駆動ピストン52、52、駆動シリンダ53、53等を含んで構成される油圧駆動装置の故障時にも、上記第一、第二各トラニオン27、28の揺動を互いに同期させる為の機構を組み込んでいる。そして、上記油圧駆動装置の故障時にも、上記各ディスク17、18、20、21の内側面2a、4aと各パワーローラ45、46の周面9a、9aとの間に過大な摩擦力が作用する事を防止して、トロイダル型無段変速機が致命的な損傷を受ける事を防止し、しかも最低限の動力伝達を確保できる様にしている。
【0020】
この様な機構として従来から、特開昭63−67458号公報、特開平4−327051号公報、実開昭62−200852号公報等に記載されたものが知られている。図16〜17は、このうちの特開平4−327051号公報に記載された構造の2例を示している。これら図16〜17により、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機に於ける、上記第一、第二各トラニオン27、28の揺動を互いに同期させる為の機構に就いて説明する。
【0021】
同期機構を構成すべく、第一、第二各トラニオン27、28の軸方向(図16〜17の表裏方向)端部に、プーリ54、54を固定している。これら各プーリ54、54の外周面は、枢軸29、30(図14〜15参照)と同心の円弧面としている。そして、これら各プーリ54、54の外周面に形成した凹溝にケーブル55、55a、55bの一部を、嵌合させる様にして掛け渡し、上記1対ずつ、合計4個の第一、第二各トラニオン27、28を同期して揺動させる様にしている。即ち、何れの構造の場合も、各組を構成する1対の第一、第二各トラニオン27、28の端部に固定した1対のプーリ54、54同士の間に上記ケーブル55、55を、たすき掛けに掛け渡している。従って、各組を構成する(同一キャビティ内に存在する)1対ずつの第一、第二各トラニオン27、28は、逆方向に同一角度だけ回動自在であり、対角線位置に存在する(異なるキャビティ内で入力軸1aの円周方向反対側に存在する)プーリ54、54は、同方向に同一角度だけ回動自在である。
【0022】
この為に図16に示した第1例の構造では、上記対角線位置に存在するプーリ54、54同士の間にのみ、ケーブル55aを掛け渡し、止め具56、56によって、このケーブル55aと上記対角線位置に存在するプーリ54、54とを結合している。一方、図17に示した第2例の構造では、ケーブル55bを総てのプーリ54、54に掛け渡す代わりに、対角線位置に存在する1対のプーリ54、54にのみ、止め具56、56により、このケーブル55bを結合している。残りのプーリ54、54とケーブル55bとの間には滑り板57、57を介在させて、このケーブル55bの動きがこの残りのプーリ54、54に伝わらない様にしている。図17に示した構造は、ケーブル55bが、第一、第二各出力側ディスク20、21及び大径の出力歯車23等、トロイダル型無段変速機を構成する他の部材と干渉する事を防止する為に採用する。尚、入力側ディスクと出力側ディスクとを、それぞれ1個ずつ設けた、所謂シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の場合も、図16〜17に示したたすき掛けのケーブル55を設ける事で、複数のトラニオンの揺動を同期させる様にしている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機に組み込むケーブル55、55a、55bは、故障時に第一、第二各トラニオン27、28の揺動を確実に同期させる必要上、或る程度太いものを使用する必要があり、設置スペースを要する事が避けられない。即ち、上記各ケーブル55、55a、55bは、特性上プーリ54、54同士の間に存在する部分は直線状に配置する必要があり、当該部分には他の部材を配置できない。同一のキャビティ内に設置した1対の第一、第二各トラニオン27、28の揺動を同期させる為のケーブル55、55の場合には、それぞれ対となる入力側ディスク17、18と出力側ディスク20、21との間に配置できる為、特に問題はないが、異なるキャビティ内に設置した第一、第二各トラニオン27、28の揺動を同期させる為のケーブル55a、55bの場合には、設置が困難な場合がある。
【0024】
例えば、図16に示した構造の場合には、上記ケーブル55aと出力歯車23との干渉を防止する為、この出力歯車23の外径をあまり大きくする事ができず、この出力歯車23と従動歯車58との間の変速比が限定されてしまう。又、図17に示した構造の場合には、図示しないケースの内側に第一、第二両出力側ディスク20、21及び出力歯車23を回転自在に支持する為の支持壁24(図13)との干渉防止を考慮する必要がある。即ち、上記ケーブル55bは、この支持壁24との干渉を防止しつつ、異なるキャビティ内に設置した第一、第二各トラニオン27、28同士の間に掛け渡す必要があり、構造が面倒になる。
【0025】
これに対して、実公平4−52512号公報、特開平6−117515号公報、同7−243496号公報には、複数のトラニオンの傾斜角度を同期させる機構を、歯車伝達機構により構成する技術が記載されている。但し、これら各公報に記載された従来技術は、各トラニオンに固定した歯車同士を直接噛合させる為に大径の歯車を使用する必要があり、歯車伝達機構の効率的配置が困難であったり(実公平4−52512号公報、特開平7−243496号公報)、入力側ディスクと出力側ディスクとを1個ずつ設けたシングルキャビティ型のトロイダル型無段変速機のみを対象としており(特開平6−117515号公報)、大きなトルクの伝達を行なう為のダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機にはそのまま適用できないものであった。
本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の様な事情に鑑みて、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機に実施する場合でも、内部に存在する限られた空間内に容易に設置可能な構造を実現すべく発明したものである。
【0026】
【課題を解決する為の手段】
本発明のトロイダル型無段変速機のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機は、従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、ケーシングと、このケーシングの内側に互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された入力側ディスク及び出力側ディスクと、これら入力側ディスクと出力側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本以上で偶数本の枢軸と、これら各枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出した変位軸と、これら各変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記入力側ディスクの内側面と出力側ディスクの内側面との間に挟持された複数個のパワーローラとを備える。
【0027】
特に、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機に於いては、上記複数のトラニオン同士の間に、これら各トラニオンの傾斜角度を互いに一致させる歯車伝達機構を設けており、この歯車伝達機構は、上記各枢軸と同心に固定されてこれら各枢軸と共に回転するピニオンと、これら各ピニオン同士の間に配置されてこれら各ピニオンと噛合し、平行移動する事によりこれら各ピニオン同士の間で回転力の伝達を行なって、これら各ピニオン同士の回転方向の位相を同期させる複数のラックとから成るものである。又、これら各ラックは、直動式の転がり軸受により案内されている。更に、この転がり軸受は、ガイド凹部の一方の内側面と、鍔部の片側面との間に設けられている。このうちのガイド凹部は、上記ケーシングの内面に固定したヨークのうちでこれら各ラックに対向する部分に、これら各ラックの変位方向に形成している。一方、上記鍔部は、1対のラック同士を連結する状態でこれら各ラックの中間部に設けられた、連結部の中間部で、上記各ガイド凹部に整合する部分に形成されている。
【0028】
又、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機は、従来から知られているダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機と同様に、ケーシングと、このケーシングの内側に互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された第一、第二外側ディスクと、その内側面を第一外側ディスクの内側面に対向させた状態でこれら第一、第二外側ディスクと同心に、且つこれら第一、第二外側ディスクとは独立した回転自在に支持された第一内側ディスクと、その内側面を第二外側ディスクの内側面に対向させた状態で上記第一内側ディスクと同心に、且つこの第一内側ディスクと同期した回転自在に支持された第二内側ディスクと、上記第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本以上で偶数本の第一枢軸と、これら各第一枢軸を中心として揺動する複数の第一トラニオンと、これら各第一トラニオンの内側面から突出した第一変位軸と、これら各第一変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第一外側ディスクの内側面と第一内側ディスクの内側面との間に挟持された複数個の第一パワーローラと、上記第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本以上で偶数本の第二枢軸と、これら各第二枢軸を中心として揺動する複数の第二トラニオンと、これら各第二トラニオンの内側面から突出した第二変位軸と、これら各第二変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの内側面と第二内側ディスクの内側面との間に挟持された複数個の第二パワーローラとを備える。
【0029】
特に、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機に於いては、上記複数の第一トラニオン同士の間、上記複数の第二トラニオン同士の間、並びに少なくとも何れかの第一トラニオンと何れかの第二トラニオンとの間に、これら複数ずつの第一、第二トラニオンの傾斜角度を互いに一致させる歯車伝達機構を設けている。そして、これら各歯車伝達機構は、上記各枢軸と同心に固定されてこれら各枢軸と共に回転するピニオンと、これら各ピニオン同士の間に配置されてこれら各ピニオンと噛合し、平行移動する事によりこれら各ピニオン同士の間で回転力の伝達を行なって、これら各ピニオン同士の回転方向の位相を同期させる複数のラックとから成るものである。又、これら各ラックは、直動式の転がり軸受により案内されている。更に、この転がり軸受は、ガイド凹部の一方の内側面と、鍔部の片側面との間に設けられている。このうちのガイド凹部は、上記ケーシングの内面に固定したヨークのうちでこれら各ラックに対向する部分に、これら各ラックの変位方向に形成している。一方、上記鍔部は、1対のラック同士を連結する状態でこれら各ラックの中間部に設けられた、連結部の中間部で、上記各ガイド凹部に整合する部分に形成されている。
【0030】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同様の作用に基づき、入力側ディスクと出力側ディスクとの間、或は第一、第二両外側ディスクと第一、第二両内側ディスクとの間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオンの傾斜角度を変える事により、これら両ディスクの回転速度比を変える。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、各トラニオンの傾斜角度、或は複数ずつの第一、第二トラニオンの傾斜角度を互いに一致させる為に歯車伝達機構を使用している為、これら各トラニオンの傾斜角度を厳密に一致させる事ができる。又、この歯車伝達機構を、ピニオンとラックとにより構成しているので、このピニオンの径を大きくする事なく、上記歯車伝達機構の構成部材と他の構成部材との干渉防止を有効に図れる等、設計の自由度を高める事ができる。更に、上記ラックを直動式の転がり軸受により支持している為、上記各トラニオンの揺動を、同期させつつしかも軽い力で行なわせる事が可能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明に関する参考例の第1例を示している。尚、本参考例の構造の特徴は、各第一トラニオン27、27の傾斜角度を確実に同期させる為の構造、並びにこれら各第一トラニオン27、27の両端部に設けた第一枢軸29、29をケーシング5に対し支持する部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図13〜15に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分を中心に説明する。又、各第二トラニオン28、28の両端部に設けた第二枢軸30、30(図15)に関しても、上記各第一枢軸29、29と同様の構造により、上記ケーシング5に対し支持する様にしている。以下の説明は、上記各第一トラニオン27、27をケーシング5に対し支持する部分の構造、並びに第一、第二各トラニオン27、28の傾斜角度を互いに一致させる為の構造を中心に行なう。
【0032】
上記ケーシング5内の互いに対向する部分には1対のヨーク59、60を、上記ケーシング5に対し直接、互いに平行に結合固定している。これら各ヨーク59、60の四隅部で互いに整合する位置には、それぞれ円形の支持孔31、31を形成している。そして、これら各支持孔31、31の内側に上記各第一枢軸29、29を、それぞれラジアルニードル軸受36、36により、揺動及び軸方向に亙る変位自在に支持している。尚、これら各ラジアルニードル軸受36、36を構成する各外輪37、37の外周面は、それぞれ球状凸面として、上記各第一トラニオン27、27の弾性変形に拘らず、上記各ラジアルニードル軸受36、36を構成する各ニードル38、38の転動面と相手面との当接部にエッヂロードが加わるのを防止している。
【0033】
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に各第一パワーローラ45、45には大きなスラスト荷重が加わり、このスラスト荷重に基づいて上記各第一トラニオン27、27は、互いに対向する内側面側が凹面となる方向に弾性変形する。そして、この弾性変形に基づき、上記各第一枢軸29、29の中心軸と上記各支持孔31、31の中心軸とが、僅かとは言え不一致になる。そこで、この様な場合に上記各外輪37、37を上記各支持孔31、31内で揺動変位させる事により上記不一致を補償し、上記エッヂロードが加わる事を防止している。
【0034】
但し、本参考例の構造を採用した場合には、前述の図13〜15に示した従来構造の場合とは異なり、前記ヨーク59、60が変位する事はないので、上記各第一枢軸29、29の中心軸と上記各支持孔31、31の中心軸とのずれは限られたものとなる。即ち、上記従来構造の場合には、各ヨーク26a、26bを、それぞれ支持ポスト33a、33bを介してケーシング5に対し、若干の変位自在に支持する事により、互いに対向して設けた1対の第一パワーローラ45、45の傾斜角度を互いに一致させる様にしていた。この為、トロイダル型無段変速機の運転時には、各第一枢軸29、29の中心軸と各支持孔31、31の中心軸とは、各第一トラニオン27、27の弾性変形に基づいてずれるだけでなく、上記各ヨーク26a、26bの変位によってもずれる。従って、上記従来構造では、上記各ラジアルニードル軸受36、36に、外周面を球状凸面とした外輪37、37を設ける事は必須である。これに対して、本参考例の場合には、上記各ヨーク59、60が変位する事はない為、上述の様に、上記各第一枢軸29、29の中心軸と各支持孔31、31の中心軸とのずれは限られたものとなる。従って、上記各ニードル38、38にクラウニングを施す等により、上記エッヂロードの発生を防止できるのであれば、上記各ラジアルニードル軸受36、36から外輪37、37を除く事もできる。
【0035】
上述の様に、1対のヨーク59、60をケーシング5内に支持固定する構造は、本参考例の特徴である、各第一トラニオン27、27の傾斜角度を確実に同期させる構造を採用する事により可能になる。即ち、上記1対のヨーク59、60をケーシング5内に支持固定した場合には、これら両ヨーク59、60が、互いに対向して設けた1対の第一パワーローラ45、45の傾斜角度を互いに一致させる機能は持たない。この傾斜角度は、駆動シリンダ53、53への圧油の給排に基づく駆動ロッド51、51の軸方向変位量により調節するが、この軸方向変位量のみで上記1対の第一パワーローラ45、45の傾斜角度を厳密に一致させる事は難しい。又、従来構造の様に、ケーブル55、55a、55bにより各第一トラニオン27、28の傾斜角度を一致させる構造の場合には、これら各ケーブル55、55a、55bの製造誤差、伸び等により、上記傾斜角度を厳密に一致させる事は難しい。これら各ケーブル55、55a、55bによる傾斜角度の一致機構は、あくまでも油圧駆動装置の故障時に於ける非常用である。
【0036】
この為従来構造の場合には、上記各ヨーク26a、26bを変位自在とし、上記各第一パワーローラ45、45を、言わばフローティング支持する事により、上記1対の第一パワーローラ45、45の傾斜角度を厳密に一致させる様にしていた。これに対して、図示の参考例の様に、上記1対のヨーク59、60をケーシング5内に支持固定した場合には、上記各ヨーク59、60の変位により上記1対の第一パワーローラ45、45の傾斜角度を互いに一致させる事はできない。但し、次述する本参考例の特徴である、各第一トラニオン27、27の傾斜角度を確実に同期させる構造、即ち歯車伝達機構61を採用すれば、これら両第一トラニオン27、27に支持した1対の第一パワーローラ45、45の傾斜角度を互いに厳密に一致させる事ができて、上記各ヨーク59、60をハウジング5内に支持固定する事が可能になる。
【0037】
上記歯車伝達機構61を設ける為、一方(図1の下方)のヨーク60には、凹部62を設けている。従って、この凹部62とシリンダケース63とを重ね合わせた状態で、これら両部材62、63同士の間には、上記歯車伝達機構61を収納する為の空間64が形成される。そして、この空間64内に、図2に全体構成を示す様な歯車伝達機構61を収納している。この歯車伝達機構61は、矩形の角部に配置した4個のピニオン65、65と、隣り合うピニオン65、65同士の間に配置した、それぞれが伝達ギヤである、1対ずつ合計4個のラック66、67とから成る。このうちの各ピニオン65、65は、第一トラニオン27、27の端部に設けた第一枢軸29、29及び第二トラニオン28、28の端部に設けた第二枢軸30、30(第二トラニオン28、28及び第二枢軸30、30に関しては、従来構造を示す図15参照)の先端部に形成した、外周面の断面形状が小判形等の非円筒部68、68に外嵌固定している。従って、上記各第一、第二トラニオン27、28は、上記各ピニオン65、65と同期して回転する。尚、これら各ピニオン65、65は、上記各トラニオン27、27の揺動を同期させる為のものであるから、歯を全周に亙り設ける必要はなく、必要部分にのみ設けて、小型・軽量化及び加工作業の簡略化を図る。但し、この場合でも、歯のできばえを測定するオーバピン測定を行なう事を考慮して、全周の180度以上に歯を設ける事が好ましい。
【0038】
又、上記各ラック66、67は、それぞれ上記空間64内に、それぞれの歯を形成した方向に亙る平行移動のみ自在に支持している。即ち、第一キャビティ34内に存在する1対の第一トラニオン27、27同士の傾斜角度、並びに第二キャビティ35内に存在する1対の第二トラニオン28、28同士の傾斜角度を一致させる為のラック66、66は、入力軸1aの軸方向(図1の表裏方向、図2の上下方向)に亙る変位のみ自在に、上記空間64内に設けている。この為に図示の参考例では、上記各ラック66、66の片側面に形成したガイド凸部69と、上記凹部62の底面に形成したガイド溝70とを係合させている。又、上記各ラック66、66の他側面には摺動凸部71を形成すると共に、この摺動凸部71を前記シリンダケース63に摺接させて、上記各ラック66、66が倒れ方向に変位する事を防止している。
【0039】
又、第一キャビティ34内に存在する1対の第一トラニオン27、27と第二キャビティ35内に存在する1対の第二トラニオン28、28との傾斜角度を一致させる為のラック67、67は、入力軸1aの軸方向に対して直角な方向(図1〜2の左右方向)に亙る変位のみ自在に、上記空間64内に設けている。この為に図示の参考例では、上記各ラック67、67の片側面に形成したガイド凸部72、72と、上記凹部62の底面に形成したガイド溝73、73とを係合させている。特に、第一、第二キャビティ34、35間で第一、第二トラニオン27、28の傾斜角度を同期させる為のラック67、67は、同一のキャビティ34、35内で上記各第一、第二トラニオン27、28同士の傾斜角度を同期させる為のラック66、66に比べて幅広である。従って、上記ガイド凸部72、72及びガイド溝73、73は、上記各ラック67、67毎に1対ずつ設けている。摺動凸部77、77を設けて各ラック67、67の倒れ防止を図る点は、上記各ラック66、66の場合と同様である。
【0040】
尚、上記各ラック66、67の幅方向両端部でラック歯を形成した部分の長さ寸法(各ラック66、67の変位方向に関する寸法)を、中間部の長さ寸法よりも大きくしているのは、上記各ラック66、67の中間部が、第一、第二出力側ディスク20、21、出力歯車23等の他の構成部材と干渉するのを防止する為である。尚、上記各ラック66、67を一方向にのみ平行移動自在に支持する構造としては、図示の構造に限らず、従来から知られている各種構造を採用できる。例えば、上記各ラック66、67に、それぞれの変位方向に長い長孔を形成し、上記空間64内に、対応するラック66、67の変位方向に離隔してそれぞれ複数本ずつ固設したガイドピンを、上記長孔に係合させる事もできる。この場合に、上記各ラック66、67の中間部の長さ寸法を確保できないのであれば、上記長孔は当該ラック66、67の幅方向両端部に形成する。
【0041】
それぞれを上述の様に第一、第二トラニオン27、28の端部又は空間64内に支持したピニオン65、65とラック66、67とは、これら各ピニオン65、65の外周縁に形成した歯と各ラック66、67の両側縁に形成した歯とを互いに噛合させた状態に組み合わせて、前記歯車伝達機構61を構成する。この歯車伝達機構61は、バックラッシュを極力抑えたものとしている。従って、これら各ピニオン65、65を固定した各第一、第二トラニオン27、28、並びにこれら各第一、第二トラニオン27、28に支持した各第一、第二パワーローラ45、46の傾斜角度を、互いに厳密に一致させる事ができる。
【0042】
又、図1の中央上部に設けたストッパプレート74は、上記各第一トラニオン27、27の傾斜角度が過大になるのを防止する為のもので、各第一パワーローラ45、45の周面9a、9aと第一入力側ディスク17の内側面2a及び第一出力側ディスク20の内側面4aとの当接部に潤滑油を吹き付ける為のノズル駒75の周囲に支持している。尚、この様なノズル駒75及びストッパプレート74は、第一キャビティ34内だけでなく、第二キャビティ35内にも設けている。
【0043】
以上に述べた通り、本参考例のトロイダル型無段変速機の場合には、歯車伝達機構61により各第一パワーローラ45、45の傾斜角度を互いに一致させる為、これら各第一パワーローラ45、45の周面9a、9aと各ディスク17、20の内側面2a、4aとの当接部で著しい滑りが発生するのを防止して、トロイダル型無段変速機の効率を十分に確保できる。又、この様な歯車伝達機構61を、ピニオン65、65とラック66、67とにより構成しているので、これら各ピニオン65、65の径を大きくする事なく、上記歯車伝達機構61の構成部材と、出力歯車23、第一、第二出力側ディスク20、21等、他の構成部材との干渉防止を有効に図れる等、設計の自由度を高める事ができる。又、前述の図16〜17に示した従来構造の様に、複数本のケーブル55、55a、55bによる構造とは異なり、歯車伝達機構61の場合には、総てのピニオン65、65及びラック66、67を同一平面上に設ける事ができる。この為、上記傾斜角度を一致させる為の機構を組み込む為に要する高さ寸法を小さくして、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる。又、上記歯車伝達機構61を前記空間64内に予め組み付けておける為、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の組立性の向上を図れる。
【0044】
更に、図示の参考例では、前記ヨーク59、60を、前記ケーシング5の内面に直接支持固定している。この為、前述した従来構造で必要としていた支持ポスト33a、33bが不要になる等、部品点数の低減による、部品製作、部品管理、組立作業の簡略化を図ると同時に、高さ寸法を小さくして、耐久性を確保しつつ、より一層の小型・軽量化を図れる。
【0045】
尚、図示の参考例では、各ピニオン65、65を第一、第二トラニオン27、28の端部に設けた第一、第二枢軸29、30の先端部に形成した非円筒部68、68に外嵌固定している。この為、変速比を変えるべく、上記第一、第二トラニオン27、28を第一、第二枢軸29、30の軸方向に変位させる際には、上記各ピニオン65、65の歯面と、ラック66、67の歯面とが摺動する。この摺動に伴う摩擦が大きくなると、上記変速比の変更を円滑に行なえなくなる可能性がある。そこで、この様な問題を防止する為に、上記各ピニオン65、65を上記第一、第二枢軸29、30の先端部に、ボールスプラインを介して、軸方向に亙る変位のみ自在に支持する事もできる。
【0046】
次に、図3は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、それぞれ1対ずつ、合計4本の第一、第二枢軸29、30にそれぞれ固定したピニオン65、65をそれぞれアイドル歯車76、76に噛合させると共に、これら4個のアイドル歯車76、76同士を互いに噛合させている。本参考例の場合には、これら各アイドル歯車76、76が伝達ギヤに相当する。この様な本参考例の構造の場合も、1対ずつ合計4個の第一、第二トラニオン27、28の傾斜角度を厳密に一致させて、上述した参考例の第1例の場合と同様の作用・効果を奏する事ができる。
【0047】
次に、図4は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、それぞれ1対ずつ、合計4本の第一、第二枢軸29、30にそれぞれ固定したピニオン65a、65b同士の間に、それぞれ2個ずつのアイドル歯車76a、76bを配置して、これら各ピニオン65a、65bとアイドル歯車76a、76bとを互いに噛合させている。本参考例の場合には、これら各アイドル歯車76a、76bが伝達ギヤに相当する。この様な本例の構造の場合も、1対ずつ合計4個の第一、第二トラニオン27、28の傾斜角度を厳密に一致させて、前述した参考例の第1例及び上述した参考例の第2例の場合と同様の作用・効果を奏する事ができる。
【0048】
次に、図5〜10は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、共に歯車伝達機構61aを構成し、それぞれが隣り合うピニオン65、65同士の間に配置した、それぞれが伝達ギヤである、1対ずつ合計4個のラック66a、67aをヨーク60aに対して、直動式の転がり軸受(リニアベアリング)78a、78bにより、平行移動自在に支持している。即ち、ケーシング5の内面に固定したヨーク60aの下面で上記各ラック66a、67aに対向する部分に、これら各ラック66a、67a毎に2本ずつ、合計8本のガイド凹部79a、79bを、それぞれラック66a、67aの変位方向に形成している。
【0049】
又、上記各ラック66a、67aの中間部に設けた連結部80a、80bの中間部で、上記各ガイド凹部79a、79bに整合する部分には、それぞれガイド鍔部81a、81bを形成している。これら各ガイド鍔部81a、81bの厚さは、上記各ガイド凹部79a、79bの幅よりも少し小さくし、これら各ガイド鍔部81a、81bをこれら各ガイド凹部79a、79b内に、緩く挿入している。そして、これら各鍔部81a、81bの片側面とこれら各ガイド凹部79a、79bの一方の内側面との間に、上記各転がり軸受78a、78bを設けている。これら各転がり軸受78a、78bはそれぞれ、硬質金属板製のレース82、82と、複数本のニードル83、83と、保持器84、84とから構成している。
【0050】
尚、これらニードル83、83と保持器84、84とは、組み付け作業の容易化を図るべく、一体に取り扱える様にしている。この為には、上記各保持器84、84を金属製の板材により構成し、上記各ニードル83、83を保持する為のポケット88、88の縁部をステーキングした後に上記板材を熱処理硬化させる。上記各ニードル83、83は、この様にして造った保持器84、84のポケット88、88内に、これら各ポケット88、88の縁部の間隔を弾性的に広げつつ押し込んで、上記各保持器84、84に、不用意に分離しない様に組み付ける。又、上記各レース82、82は、上記各転がり軸受78a、78bの設置部分のがたつきをなくすべく、適正な厚さを有するものを選択使用する。勿論、上記各鍔部81a、81bの他面と上記各ガイド凹部79a、79bの他方の内側面との間には隙間を介在させて、これら両面同士が摩擦し合う事を防止する。この様な転がり軸受78a、78bは、上記各ラック66a、67a毎に2組ずつ、当該ラック66a、67aに設けた各鍔部81a、81bを両側から挟む位置に(或は図示の場合とは逆に、各鍔部81a、81bが転がり軸受78a、78bを両側から挟む位置に)配置している。
【0051】
従って、上記各ラック66a、67aは上記ヨーク60aに対し、上記各ガイド凹部79a、79bの方向、即ち、各ラック66a、66aに関しては図7の上下方向、各ラック67a、67aに関しては図7の左右方向に、傾斜したりする事なく、軽い力で円滑に変位自在である。又、これら各ラック66a、67aに、変位方向に対し直角方向の力が加わった場合には、当該ラック66a、67aに付設した1対の転がり軸受78a、78bのうちの何れか一方の転がり軸受78a、78bが上記力を支承し、上記各ラック66a、67aの円滑な変位を補償する。尚、上記ヨーク60aの一部で上記各ガイド凹部79a、79bに整合する部分には給油孔85、85を形成して、上記各転がり軸受78a、78b部分への潤滑油(トラクションオイル)の供給を自在としている。
【0052】
上述の様な本例の構造により、上記各ラック66a、67aの変位を円滑に行なわせて、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を構成する4本のトラニオン27(28)の揺動を、同期させつつしかも軽い力で行なわせる事が可能になる。又、上記各ガイド凹部79a、79bと上記各鍔部81a、81bとを利用して、上記各トラニオン27(28)の揺動角度を規制する事も、容易に行なえる。即ち、これら各トラニオン27(28)は、最大値を越えて揺動変位する事を阻止する必要がある。一方、上記各鍔部81a、81bは、上記各ガイド凹部79a、79bの内側でのみ、変位自在である。そこで、本例の場合には、図10に示す様に、上記各トラニオン27(28)が最大限度まで揺動変位した状態で、上記各鍔部81a、81bが上記各ガイド凹部79a、79bの端部にまで変位する様にしている。
【0053】
尚、図10は、上記各トラニオン27(28)が、最大増速側に変位した状態を示しているが、最大減速側に変位した場合には、上記各鍔部81a、81bが上記各ガイド凹部79a、79bの反対側端部に突き当たる。上記各転がり軸受78a、78bは、この様に上記各鍔部81a、81bが上記各ガイド凹部79a、79bの反対側端部に突き当たった状態でも、これら各鍔部81a、81bをバックアップできる程度の長さを有する。尚、本例の場合には、変速比を変える際に前記各ピニオン65、65は、上記各ラック66a、67aに対し、枢軸5、5の軸方向(図5の上下方向、図7、10の表裏方向)に亙り変位する。この変位量は、中立位置を中心として±2mm程度になるが、この変位を円滑に行なわせる為、上記各ピニオン65、65と上記各ラック66a、67aとの噛合部には、上記各トラニオン6、6の揺動を同期させる事に支障が生じない程度の範囲で、適正なバックラッシュを介在させる。勿論、前述した様に、上記各ピニオン65、65を上記各トラニオン27(28)の端部に、ボールスプラインにより支持する事で、バックラッシュを不要とする事もできる。
【0054】
更に、図示の例では、各トラニオン27(28)の軸方向変位並びに揺動変位も、軽い力で円滑に行なえる様にしている。即ち、ケーシング5の内面に互いに平行な状態で固定した各ヨーク59a、60aの互いに整合する位置に形成した支持孔31、31にラジアルニードル軸受36a、36aを、それぞれボールスプライン86、86により、軸方向に亙る円滑な変位自在に設けている。従って、上記各トラニオン27(28)の軸方向変位は上記各ボールスプライン86、86により、同じく揺動変位は上記各ラジアルニードル軸受36a、36aにより、それぞれ円滑に行なわれる。上記各ピニオン65、65は、上記各ボールスプライン86、86の下方に設けている。従って、これら各ボールスプライン86、86を潤滑した潤滑油が、そのまま上記各ピニオン65、65に向けて流下し、これら各ピニオン65、65を潤滑する。尚、図7でヨーク60aの中央部に設けた凹部87は、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を構成する1対の出力側ディスク20、21(図13参照)の外周縁部との干渉を防止する為に設けたもので、図7の左右方向中央部が深く、両側部分が浅い、円弧形の断面形状を有する。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用する為、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化、性能の向上が容易になる等、設計の自由度が向上し、大きなトルクの伝達が可能なダブルキャビティ型の無段変速機の実用化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する参考例の第1例を示す、図13のA−A断面に相当する図。
【図2】歯車伝達機構を取り出して図1の下方から見た図。
【図3】 本発明に関する参考例の第2例を示す、図2と同様の図。
【図4】同じく第3例を示す、図2と同様の図。
【図5】 本発明の実施の形態の1例を示す、図13のA−A断面に相当する図。
【図6】図5のB−B断面図。
【図7】図5の下側のヨークと歯車伝達機構とを取り出して、図5の上方から見た透視平面図。
【図8】 本発明の実施の形態の1例に組み込む転がり軸受を図5の側方から見た状態で示す図。
【図9】図8のC−C断面図。
【図10】図7の左下部を、最大増速時の状態で示す図。
【図11】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図12】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図13】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図14】図13のA−A断面図。
【図15】同D−D断面図。
【図16】従来から知られた、ケーブルによりトラニオンの傾斜角度を一致させる機構の第1例を示す断面図。
【図17】同第2例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 ケーシング
6 枢軸
7 トラニオン
8 変位軸
9 パワーローラ
9a 周面
10 押圧装置
11 カム板
12 保持器
13 ローラ
14 カム面
15 カム面
16 伝達軸
17 第一入力側ディスク
18 第二入力側ディスク
19 ボールスプライン
20 第一出力側ディスク
21 第二出力側ディスク
22 スリーブ
23 出力歯車
24 支持壁
25 転がり軸受
26a、26b ヨーク
27 第一トラニオン
28 第二トラニオン
29 第一枢軸
30 第二枢軸
31 支持孔
32 係止孔
33a、33b 支持ポスト
34 第一キャビティ
35 第二キャビティ
36、36a ラジアルニードル軸受
37 外輪
38 ニードル
39 円孔
40 第一変位軸
41 第二変位軸
42 支持軸部
43 枢支軸部
44 ラジアルニードル軸受
45 第一パワーローラ
46 第二パワーローラ
47 ラジアルニードル軸受
48 スラスト玉軸受
49 スラスト軸受
50 外輪
51 駆動ロッド
52 駆動ピストン
53 駆動シリンダ
54 プーリ
55、55a、55b ケーブル
56 止め具
57 滑り板
58 従動歯車
59、59a ヨーク
60、60a ヨーク
61、61a 歯車伝達機構
62 凹部
63 シリンダケース
64 空間
65、65a、65b ピニオン
66、66a ラック
67、67a ラック
68 非円筒部
69 ガイド凸部
70 ガイド溝
71 摺動凸部
72 ガイド凸部
73 ガイド溝
74 ストッパプレート
75 ノズル駒
76、76a、76b アイドル歯車
77 摺動凸部
78a、78b 転がり軸受
79a、79b ガイド凹部
80a、80b 連結部
81a、81b ガイド鍔部
82 レース
83 ニードル
84 保持器
85 給油孔
86 ボールスプライン
87 凹部
88 ポケット

Claims (4)

  1. ケーシングと、このケーシングの内側に互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された入力側ディスク及び出力側ディスクと、これら入力側ディスクと出力側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本以上で偶数本の枢軸と、これら各枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出した変位軸と、これら各変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記入力側ディスクの内側面と出力側ディスクの内側面との間に挟持された複数個のパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記複数のトラニオン同士の間に、これら各トラニオンの傾斜角度を互いに一致させる歯車伝達機構を設けており、この歯車伝達機構は、上記各枢軸と同心に固定されてこれら各枢軸と共に回転するピニオンと、これら各ピニオン同士の間に配置されてこれら各ピニオンと噛合し、平行移動する事によりこれら各ピニオン同士の間で回転力の伝達を行なって、これら各ピニオン同士の回転方向の位相を同期させる複数のラックとから成るものであり、これら各ラックは、直動式の転がり軸受により案内されており、この転がり軸受は、上記ケーシングの内面に固定したヨークのうちでこれら各ラックに対向する部分にこれら各ラックの変位方向に形成した、ガイド凹部の一方の内側面と、1対のラック同士を連結する状態でこれら各ラックの中間部に設けられた連結部の中間部で上記各ガイド凹部に整合する部分に形成されて、これらガイド凹部内に緩く挿入された、鍔部の片側面との間に設けられている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. ケーシングと、このケーシングの内側に互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された第一、第二外側ディスクと、その内側面を第一外側ディスクの内側面に対向させた状態でこれら第一、第二外側ディスクと同心に、且つこれら第一、第二外側ディスクとは独立した回転自在に支持された第一内側ディスクと、その内側面を第二外側ディスクの内側面に対向させた状態で上記第一内側ディスクと同心に、且つこの第一内側ディスクと同期した回転自在に支持された第二内側ディスクと、上記第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本以上で偶数本の第一枢軸と、これら各第一枢軸を中心として揺動する複数の第一トラニオンと、これら各第一トラニオンの内側面から突出した第一変位軸と、これら各第一変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第一外側ディスクの内側面と第一内側ディスクの内側面との間に挟持された複数個の第一パワーローラと、上記第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本以上で偶数本の第二枢軸と、これら各第二枢軸を中心として揺動する複数の第二トラニオンと、これら各第二トラニオンの内側面から突出した第二変位軸と、これら各第二変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの内側面と第二内側ディスクの内側面との間に挟持された複数個の第二パワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記複数の第一トラニオン同士の間、上記複数の第二トラニオン同士の間、並びに少なくとも何れかの第一トラニオンと何れかの第二トラニオンとの間に、これら複数ずつの第一、第二トラニオンの傾斜角度を互いに一致させる歯車伝達機構を設けており、これら各歯車伝達機構は、上記各枢軸と同心に固定されてこれら各枢軸と共に回転するピニオンと、これら各ピニオン同士の間に配置されてこれら各ピニオンと噛合し、平行移動する事によりこれら各ピニオン同士の間で回転力の伝達を行なって、これら各ピニオン同士の回転方向の位相を同期させる複数のラックとから成るものであり、これら各ラックは、直動式の転がり軸受により案内されており、この転がり軸受は、上記ケーシングの内面に固定したヨークのうちでこれら各ラックに対向する部分にこれら各ラックの変位方向に形成した、ガイド凹部の一方の内側面と、1対のラック同士を連結する状態でこれら各ラックの中間部に設けられた連結部の中間部で上記各ガイド凹部に整合する部分に形成されて、これらガイド凹部内に緩く 挿入された、鍔部の片側面との間に設けられている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. ヨークが、各トラニオンの両端部に設けた枢軸よりもこれら各トラニオンの外側寄り部分でケーシング内に固定されており、ラックが、上記ヨークと、これら各トラニオンを上記各枢軸の軸方向に変位させる為のピストンを収納したシリンダケースとの間に設けられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 各トラニオンが最大限度まで揺動変位した状態で、各鍔部が各ガイド凹部の端部にまで変位する事により、上記各トラニオンの揺動角度を規制する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
JP03302799A 1998-04-22 1999-02-10 トロイダル型無段変速機 Expired - Fee Related JP4099889B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03302799A JP4099889B2 (ja) 1998-04-22 1999-02-10 トロイダル型無段変速機

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11170598 1998-04-22
JP10-111705 1998-04-22
JP03302799A JP4099889B2 (ja) 1998-04-22 1999-02-10 トロイダル型無段変速機

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000009199A JP2000009199A (ja) 2000-01-11
JP2000009199A5 JP2000009199A5 (ja) 2005-08-25
JP4099889B2 true JP4099889B2 (ja) 2008-06-11

Family

ID=26371660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03302799A Expired - Fee Related JP4099889B2 (ja) 1998-04-22 1999-02-10 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4099889B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000009199A (ja) 2000-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008025821A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2012172685A (ja) トロイダル型無段変速機
JP5569724B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5088303B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2004239420A (ja) 無段変速装置
JP2003314645A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP4099889B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4103228B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4662135B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3622438B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH11166605A (ja) トロイダル型無段変速機用出力側ディスクユニット
JP4078752B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3424354B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3674264B2 (ja) 無段変速装置
JP4941712B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4244512B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3743147B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2000291756A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4362858B2 (ja) トロイダル型無段変速機のボールスプライン
JP4089085B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3503370B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4110645B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH0814350A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2006002882A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH11141635A (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050210

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080310

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140328

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees