JP4099853B2 - コンデンサ取付バンド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサに係り、特に、コンデンサを保持するための取付バンドの改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解コンデンサは、コンデンサ素子をアルミニウムや硬質樹脂等からなる有底筒状の外装ケース内に収納し、この外装ケースの開口部を封口板で密封して構成されている。このような電解コンデンサのうち、大型のコンデンサにおいては、従来、取付のために金属バンドが使われていたが、近年、安全性向上のために、樹脂バンドが多く使われるようになってきている。特に、76mm径、89mm径クラスのコンデンサについては、樹脂バンドが用意される場合が多い。
【0003】
このような樹脂バンドにおいては、絶縁性(コンデンサフレーム間の沿面距離)や取付性を確保する観点から、図1に示すような構造が一般的に採用されている。この図1に示すように、コンデンサ1の周囲に装着された樹脂バンド2は、オス型3とメス型4を複数の取付ネジ5で締め付けることによってコンデンサ1を保持するように構成されている。すなわち、樹脂バンド2のオス型3は、コンデンサ1の周囲に密着する筒状の本体部6とその周囲に設けられたフランジ部7から構成されており、メス型4は、オス型3の本体部6の周囲に密着する筒状の本体部8とその周囲に設けられたフランジ部9から構成されている。そして、オス型3とメス型4のフランジ部7,9間を複数の取付ネジ5で締め付けることによって、メス型4がオス型3を押し付け、オス型3がコンデンサ1をホールドするようになっている。このような樹脂バンドにおいて、オス型3とメス型4は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの高い強度を持つ同一の樹脂材料で構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の樹脂バンドにおいては、図1に示すようなオス型3とメス型4が同一材料で構成されていることから、次のような問題点がある。
▲1▼高い強度を持つ樹脂を使用していることから、取付時においてオス型3からメス型4に対して過大な力が加わり、メス型4が破損しやすい。また、このようなメス型4の破損のおそれがあることから、締め付け強度を高くすることができない。
▲2▼高い強度を持つ樹脂を使用することから変形しにくいため、特に、オス型3によるコンデンサ1の固定力が弱くなる。
【0005】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、締め付け強度に優れ、しかも、コンデンサに対して高い固定力を持つ、優れたコンデンサ取付バンドを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、メス型とオス型に異なる材料を使用することにより、締め付け強度を向上すると共に、コンデンサに対する固定力を向上するものである。
請求項1記載のコンデンサ取付バンドは、まず、コンデンサの周囲に密着する筒状の本体部とその周囲に設けられたフランジ部からなるオス型と、このオス型の本体部の周囲に密着する筒状の本体部とその周囲に設けられたフランジ部からなるメス型を備え、オス型とメス型のフランジ部間を取付ネジで締め付けることによってコンデンサを保持するように構成される。そして、このような基本的な構成を持つコンデンサ取付バンドにおいて、オス型が樹脂を用いて成形され、かつ、メス型がオス型の樹脂よりも機械的強度の高い樹脂を用いて成形されたことを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、オス型としてメス型よりも強度の低い樹脂を使用することから、取付時においてオス型からメス型に対して加わる力を低減できるため、締め付け強度を高くすることができる。また、このように強度の低い樹脂を使用することから、オス型が変形しやすくなり、オス型によるコンデンサの固定力を向上できる。
【0008】
請求項2記載のコンデンサ取付バンドは、請求項1記載のコンデンサ取付バンドにおいて、メス型とオス型の具体的な強度を限定したものである。すなわち、メス型は、ロックウェルB強度65以上の樹脂を用いて成形され、オス型は、ロックウェルB強度55以下の樹脂を用いて成形される。
請求項3記載のコンデンサ取付バンドは、請求項2記載のコンデンサ取付バンドにおいて、メス型とオス型の具体的な樹脂材料を限定したものである。すなわち、メス型は、ポリブチレンテレフタレートを用いて成形され、オス型は、ABSを用いて成形される。
これらの請求項2,3の構成によれば、次のような作用が得られる。すなわち、本発明において、メス型とオス型の具体的な強度は適宜選択可能であるが、特に、請求項2記載の強度を持つ樹脂を使用することが望ましい。さらに、本発明において、メス型とオス型の具体的な樹脂材料は適宜選択可能であるが、典型的には、請求項3記載の樹脂材料を使用することが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下には、本発明によるコンデンサ取付バンドを、76mm径、89mm径クラスのコンデンサに適用した樹脂バンドの実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0010】
[1.構成]
図1に示すように、本実施の形態に係る樹脂バンドは、構造的には、前述した従来技術に係る樹脂バンドと同様に構成されている。すなわち、樹脂バンド2のオス型3は、コンデンサ1の周囲に密着する筒状の本体部6とその周囲に設けられたフランジ部7から構成されており、メス型4は、オス型3の本体部6の周囲に密着する筒状の本体部8とその周囲に設けられたフランジ部9から構成されている。そして、オス型3とメス型4のフランジ部7,9間を複数の取付ネジ5で締め付けることによって、メス型4がオス型3を押し付け、オス型3がコンデンサ1をホールドするようになっている。
【0011】
そして、本実施の形態においては、このような構造を持つ樹脂バンドにおいて、オス型3とメス型4に異なる材料が使用されている。すなわち、メス型4は、従来と同様、ポリブチレンテレフタレート等のロックウェルB強度65以上の樹脂を用いて成形されているのに対し、オス型3は、軟質ABS等のロックウェルB強度55以下の樹脂を用いて成形されている。
【0012】
[2.作用・効果]
以上のような構成を持つ樹脂バンドによれば、ロックウェルB強度65以上の樹脂を使用したメス型4よりも強度の低い、ロックウェルB強度55以下の樹脂をオス型3として使用していることから、取付時においてオス型3からメス型4に対して過大な力が加わることがなくなり、オス型3とメス型4に同じ材料を使用していた従来技術に比べてメス型4が破損しにくくなっている。また、このようにメス型4が破損しにくいことから、従来よりも締め付け強度を高くすることができる。さらに、ロックウェルB強度55以下という強度の低い樹脂を使用することから、従来よりもオス型3が変形しやすくなり、オス型3によるコンデンサの固定力を向上できる。このように、本実施の形態の樹脂バンドは、締め付け強度とコンデンサの固定力の両方において、76mm径、89mm径クラスのコンデンサに好適である。
【0013】
[3.実施例]
以下の表1に示すように、図1の構造を持つ樹脂バンドとして、実際に、本発明を適用した樹脂バンド(実施例)と、従来技術を適用した樹脂バンド(従来例)とを製造した。すなわち、実施例としては、ロックウェルB強度45の軟質ABS樹脂を使用してオス型を成形すると共に、ロックウェルB強度85のポリブチレンテレフタレート(PBT)を使用してメス型を成形し、図1に示すような構造を持つ樹脂バンドを作製した。そして、従来例としては、ロックウェルB強度85のポリブチレンテレフタレート(PBT)を使用してオス型とメス型の両方を成形し、図1に示すような構造を持つ樹脂バンドを作成した。
【表1】
【0014】
そして、このような材料からなる実施例と従来例の各コンデンサ取付バンドに対し、次のようにして締め付け強度試験と固定力試験を行ったところ、以下の表2に示すような結果が得られた。ここで、各試験内容は次の通りである。
[締め付け強度試験]
図1に示す構造において、取付ネジ5を過度に締め付けることによってメス型4に亀裂が入る強度を測定した。なお、表2中の締め付け強度の数値は、取付ネジ5のトルク強度を示している。
[固定力試験]
図1に示す構造において、取付ネジ5を一定のトルクで締め付け、図2に示すように樹脂バンド2でコンデンサ1をフレーム10に取付けた後、フレーム10固定状態でコンデンサ1の中心軸方向(樹脂バンド2およびフレーム10から抜ける方向)に向かって荷重を加え、徐々に増大させた。そして、コンデンサ1が3mm以上動いた時点の荷重力を、固定力として測定した。
【表2】
【0015】
この表2から明らかなように、実施例の樹脂バンド2は、従来例の樹脂バンドに比べて、締め付け強度とコンデンサの固定力の両方が大幅に向上している。このことは、本発明に係る樹脂バンドの材料の選択による効果を実証するものである。
【0016】
[4.他の実施の形態]
なお、本発明は、前述したような実施の形態に限定されるものではなく、他にも本発明の範囲内で多種多様な形態を実施可能である。例えば、前記実施例では、ロックウェルB強度45の軟質ABS樹脂を使用してオス型を成形すると共に、ロックウェルB強度85のポリブチレンテレフタレートを使用してメス型を成形した場合について説明したが、本発明の材料はこれらに限定されるものではなく、他にも各種の樹脂材料の組み合わせを使用可能である。しかしながら、一般的に、メス型は、ロックウェルB強度65以上の樹脂を用いて成形し、オス型は、ロックウェルB強度55以下の樹脂を用いて成形することが望ましい。
【0017】
さらに、前記実施の形態において説明した通り、本発明は、76mm径、89mm径クラスのコンデンサに好適であるが、他の寸法のコンデンサにも同様に適用可能である。そしてまた、本発明は、オス型とメス型の材料の選択に特徴を有するものであるため、本発明の適用対象となるオス型とメス型の具体的な構造は図1に示す構造に限定されるものではない。すなわち、本発明は、オス型とメス型からなる各種の構造を持つコンデンサ取付バンドに同様に適用可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、オス型としてメス型よりも強度の低い樹脂を使用することにより、従来に比べて、締め付け強度に優れ、しかも、コンデンサに対して高い固定力を持つ、優れたコンデンサ取付バンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なコンデンサ取付バンドの構造の一例を示す説明図である。
【図2】図1のコンデンサ取付バンドに対する固定力試験の方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1…コンデンサ
2…樹脂バンド
3…オス型
4…メス型
5…取付ネジ
6,8…本体部
7,9…フランジ部
10…フレーム
Claims (3)
- コンデンサの周囲に密着する筒状の本体部とその周囲に設けられたフランジ部からなるオス型と、このオス型の本体部の周囲に密着する筒状の本体部とその周囲に設けられたフランジ部からなるメス型を備え、オス型とメス型のフランジ部間を取付ネジで締め付けることによってコンデンサを保持するように構成されたコンデンサ取付バンドにおいて、
前記オス型が樹脂を用いて成形され、かつ、前記メス型がオス型の樹脂よりも機械的強度の高い樹脂を用いて成形された
ことを特徴とするコンデンサ取付バンド。 - 前記メス型は、ロックウェルB強度65以上の樹脂を用いて成形され、前記オス型は、ロックウェルB強度55以下の樹脂を用いて成形された
ことを特徴とする請求項1記載のコンデンサ取付バンド。 - 前記メス型は、ポリブチレンテレフタレートを用いて成形され、前記オス型は、軟質ABSを用いて成形された
ことを特徴とする請求項2記載のコンデンサ取付バンド。
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JP (1) | JP4099853B2 (ja) |
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1998
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