JP4099147B2 - 抄造成形品の製造方法及び加熱プレス装置 - Google Patents

抄造成形品の製造方法及び加熱プレス装置 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、パルプ原料から作られ、包装用容器や包装用緩衝材等として用いられる抄造成形品を製造する方法及びその製造に用いられる加熱プレス装置に関する。
【0002】
背景技術
近年、小型電気製品、精密機械類の包装用容器、或いは卵等の食品の包装用容器として、パルプ原料液を用いて所定形状に抄造した抄造成形品が使用され、この抄造成形品は環境保護に適するものとしてその利用が普及している。
上記抄造成形品の一般的な製造方法として、パルプ等の原料を水中に分散させて、該分散液中のパルプ成分を所定形状の抄造用ネットを用いて抄き取り、パルプ成分中の水分を真空吸引して脱水した後、所定形状に賦形された含水抄造成形品を熱風乾燥炉に通して加熱乾燥し、最終製品とする方法が広く行なわれてきた。
しかしながら、この方法は水分を含んだ抄造成形品を熱風乾燥炉の中で加熱乾燥するので、得られる最終製品の肉厚が不均一になり、且つ加熱乾燥時に成形品に歪みが発生し、形状や寸法における変動が生じるという欠点があった。また、抄造成形時に抄造用ネットと接している側の成形品表面に網目の模様が形成され、他方の表面には不規則な凹凸が形成されるという不具合があり、この点は後工程におけるプレス処埋である程度平坦化できるが、充分なものではなく、平滑な表面は得られなかった。
更に、熱風乾燥炉は入口から出口までの長さが非常に長い大型装置であるため、装置の設置面積が大きくなり、製造コストも上昇するという欠点があった。
【0003】
特開平6―49800号には、抄造成形下型をパルプ原料液に浸漬して該下型上に含水抄造成形品を抄造成形し、該含水抄造成形品を上型と前記下型との間で押圧して脱水し、次いでこの含水抄造成形品を上型に保持して前記下型を下降させ、別の位置で待機している加熱プレス下型を移動して前記含水抄造成形品を保持してなる上型の下方に加熱プレス下型を位置させ、上型と加熱プレス下型との間に含水抄造成形品を挟んで高周波乾燥を行い、次いで加熱プレス下型に含水抄造成形品を保持した状態で該加熱プレス下型を移動し、別の位置で待機している加熱プレス上型の下方に位置させ、ここで加熱プレス上型と加熱プレス下型との間に含水抄造成形品を挟んで加熱プレスを行い、最終成形品である抄造成形品を得ることが開示されている。
特開平6−65900号は上記特開平6−49800号と同様な抄造成形品の製造方法を開示すると共に、抄造成形機を複数基設け、各抄造成形機における成形品の製造周期の位相をずらし、ずらされた製造周期の位相に応じて各抄造成形機へ高周波を印加する製造方法を開示している。
特開平6−158599号もまた同様に、含水抄造成形品を乾燥成形するに当たり、プレス上型とプレス下型との間に含水抄造成形品を挟んで加熱プレスすることを開示している。
【0004】
これら特開平6−49800号、特開平6−65900号及び特開平6−158599号によれば、プレス上型とプレス下型との間に含水抄造成形品を挟んで押圧し加熱乾燥するので、肉厚が均一で寸法精度に優れ且つ表面平滑で外観良好な抄造成形品を製造できる。また、熱風乾燥炉のような大型装置を設置する必要がなく、製造コストの低減を図れる。
しかし、上記先行技術のいずれにも含水抄造成形品の加熱乾燥を効率良く行なうための技術手段については開示されていない。
また一般に、抄造成形品が複雑な形状の成形品であったり、バランスの悪い形状を有する成形品であったり、抜き勾配の少ない形状の成形品であったり、型に密着しやすいパルプ成分からなる成形品であったり、型に焼き付き易い薬品等が添加されているパルプ成分からなる成形品であったりする場合には、成形品を型から取り出すに当たり、離型を円滑に行なうことができず、成形品の取り出しが困難であるという問題点がある。上記先行技術のいずれもこのような成形品の取り出し時の問題点を解決することを主題としておらず、その解決手段についての開示はない。
【0005】
特開2000−34700には、抄き型表面に形成した含水抄造成形品を旋回アームに支持された取り型に受け渡し、旋回アームを回転して含水抄造成形品を回転テーブルに支持された下型に移載し、上型と下型との間に含水抄造成形品を挟み、回転テーブルがタクト回転する間に含水抄造成形品を加熱、加圧しながら乾燥することが開示されている。
この特開2000−34700は、上型と下型との間に含水抄造成形品を挟んで加熱乾燥することを開示しているが、加熱乾燥を効率良く行なうための手段について開示しておらず、また成形品の離型の容易化を図ることについても開示されていない。
【0006】
本発明は、含水抄造成形品の乾燥成形工程において加熱乾燥を効率良く行なうことができる抄造成形品の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、成形品取り出し工程において成形品を型から容易に取り出すことができる抄造成形品の製造方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、含水抄造成形品の効率良い加熱乾燥を可能にし且つ成形品の離型の容易化を可能にする加熱プレス装置を提供することを目的とする。
【0007】
発明の開示
本発明は、抄紙型をパルプ原料液に浸漬し、パルプ成分を抄き取って抄紙型上に含水抄造物を形成し、該含水抄造物を抄紙型と上部プレス型との間に挟んで脱水乾燥を行い含水抄造成形品を製造し、該含水抄造成形品を上部プレス型と下部プレス型との間に挟んで加熱乾燥を行い抄造成形品を製造する抄造成形品の製造方法である。
加熱乾燥工程において含水抄造成形品を上部プレス型と下部プレスとの間に挟んで加熱プレスを行った後、上部プレス型と下部プレス型を離間して含水抄造成形品が上下動できる間隔を設ける。両プレス型の離間距離は大きく設定する必要はなく、含水抄造成形品が上下動できる僅かな間隔を設ければよい。両プレス型の離間後、上部プレス型、下部プレス型のうちの一方のプレス型から含水抄造成形品に圧縮空気を吹き付け、他方のプレス型において含水抄造成形品を真空吸引し、上記空気吹き付けと真空吸引を上部プレス型、下部プレス型間で交互に切り換えて行ない、それにより両プレス型間において含水抄造成形品を上下揺動させる。
【0008】
本発明の実施形態においては、上部プレス型から含水抄造成形品に加熱された圧縮空気を吹き付ると共に、下部プレス型において含水抄造成形品を真空吸引して含水抄造成形品を下部プレス型に吸引保持させ、次いで、下部プレス型から含水抄造成形品に加熱された圧縮空気を吹き付けると共に、上部プレス型において含水抄造成形品を真空吸引して含水抄造成形品を上部プレス型に吸引保持させ、以後、上記した含水抄造成形品の下部プレス型への吸引保持及び上部プレス型への吸引保持を交互に繰り返し行なうことにより、両プレス型間において含水抄造成形品を上下揺動させる。
本発明は、含水抄造成形品の乾燥工程において上部プレス型と下部プレス型による加熱プレスを行なった後、両プレス型を所定距離離間して両プレス型により加熱空気の吹き付けと真空吸引を交互に繰り返して含水抄造成形品を上下揺動させるので、型表面からの加熱空気の吹き付けによって含水抄造成形品の乾燥が一段と促進される。両プレス型を離間して含水抄造成形品を上下揺動させることにより空気の拡散が起こり、含水抄造成形品の表面に滞留していた水蒸気が逸散するので、この点からも含水抄造成形品の乾燥が促進される。
従って本発明によれば、含水抄造成形品の加熱乾燥を効率良く行なうことができ、短時間で十分な乾燥を行なうことができる。その結果、本発明は生産能率の向上に寄与できる。
【0009】
また本発明は上部プレス型と下部プレス型との間で含水抄造成形品を上下揺動させるので、離型性が良好となり、最終成形品の型からの取り出しを円滑且つ容易に行なうことができる。従って、抄造成形品が複雑な形状の成形品、バランスの悪い形状を有する成形品、抜き勾配の少ない形状の成形品、型に密着しやすいパルプ成分からなる成形品、或いは型に焼き付き易い薬品等が添加されているパルプ成分からなる成形品等、離型阻害要因を有する成形品あっても、成形品の離型を容易に行なうことができる。
その結果、成形品取り出し時に成形品に無理な力が加わって成形品の一部を破損するという虞もない。
【0010】
また本発明は、回転可能な支持体に支持固定されて円周方向に移動可能に設けられた複数の上部プレス型と、その下方に上部プレス型と相互に対向するよう円周方向に沿って配置されている、上下動できる複数の下部プレス型との間に抄紙型で成形された含水抄造成形品を挟んで加熱プレスして抄造成形品を製造する加熱プレス装置において、
上部プレス型と下部プレス型をそれぞれ内部に加熱装置が設けられたベースに支持固定し、
上部プレス型と下部プレス型の内部にそれぞれ複数の通路を設けて該通路の一端をこれらの型の表面にそれぞれ開口させる共に、通路のそれぞれの他端を圧空通路及び真空通路に連通させてなる
ことを特徴とする抄造成形における加熱プレス装置である。
本発明の好ましい実施形態において、
上部プレス型と下部プレス型のそれぞれのベースに連通路を設け、該連通路を介して上部プレス型と下部プレス型の内部に設けられた前記通路と圧空通路をそれぞれ連通すると共に、該連通路を介して上部プレス型と下部プレス型の内部に設けられた前記通路と真空通路をそれぞれ連通するように構成され、
圧空通路を圧縮空気供給装置に連結し、真空通路を真空吸引装置に連結され、
又は通路が上部プレス型と下部プレス型の表面に開口している箇所にそれぞれ微細孔を有する部材を取り付けられている。
【0011】
加熱プレス装置を上記の如く構成することによって、上部プレス型及び下部プレス型の型表面から加熱された圧縮空気を吹き出すことができると共に、型表面から真空吸引作用を行うことができる。この空気吹き出し作用と真空吸引作用とによって両プレス型間における含水抄造成形品の上下揺動を起こさせることが可能となる。
ここにおいて、加熱された圧縮空気はプレス型における型表面から吹き出されるので一定量の圧縮空気を均一に供給でき、含水抄造成形品に対する圧縮空気の吹き付けを均一に行なうことができる。
圧縮空気の吹き付けが不均一であると含水抄造成形品に及ぼされる空気圧力が不均一となり、離型が困難となるが、本発明によれば圧縮空気の吹き付けを均一に行なえるので含水抄造成形品の離型が容易となり、その結果、含水抄造成形品の上下揺動を円滑に行えると共に、最終成形品の型からの取出しに当たっても離型を円滑且つ容易に行うことができる。
【0012】
図面の簡単な説明
図1は本発明装置の平面略図、図2は図1における第1乾燥成形ゾーンBの方向から見た本発明装置の正面略図、図3は図1における第2乾燥成形ゾーンCの方向から見た本発明装置の正面略図、図4は上部プレス型と抄紙型との型合わせ状態を示す縦断面略図、図5は上部プレス型と下部プレス型との型合わせ状態を示す縦断面略図、図6は抄紙成形工程を示す正面略図、図7は上部プレス型と下部プレス型との問で含水抄造成形品を加熱プレスする状態を示す正面略図、図8A、8B、8Cは含水抄造成形品の上下揺動工程を示す説明図、図9は上部プレス型に含水抄造成形品を吸引保持して下部プレス型を降下させる状態を示す正面略図、図10は成形品の型からの取り出し状態を示す正面略図である。
【0013】
発明を実施するための最良の形態
本発明製造装置1は回転可能な支持体3に支持固定された複数の上部プレス型4a、4b、4c、4dと、これら上部プレス型4a、4b、4c、4dとの間で含水抄造成形品を加熱プレスする下部プレス型5a、5b、5cと、抄紙成形を行なう抄紙型2を備えている。
支持体3は回転軸31に軸支され、回転軸31と共に回転するように構成されている。支持体3は中心から四方向に枝分かれしたアームを持ち、それぞれのアームの先端に上部プレス型4a、4b、4c、4dが固定されている。上部プレス型4a、4b、4c、4dはベース45の下面にネジ等の固定具により支持固定され、ベース45が支持体3に固定されている。上部プレス型4a、4b、4c、4dは回転可能な支持体3に支持されることにより、円周方向に移動可能に設けられている。支持体3の構成はアーム形状のものに限定されるものではなく、円盤状の回転テーブルとして構成してもよい。
【0014】
9は回転軸31を回転駆動させるための駆動装置であり、この駆動装置9は制御装置32によって制御される。この制御装置32によって回転軸31の回転速度を制御できるほか、回転軸31の間欠回転における回転角度α及び停止時間の制御を行うことができる。このような制御装置としてインデックス、サーボモータ、位置決めノックピン等を用いることができる。10は支持枠である。
上部プレス型4a、4b、4c、4dが円周方向に移動する行程内に抄紙成形ゾーンA及び複数の乾燥成形ゾーンB、C、Dが設けられており(図1)、抄紙成形ゾーンAには抄紙型2を内部に設置してなる抄紙槽7が配置され、第1乾燥成形ゾーンB、第2乾燥成形ゾーンC、第3乾燥成形ゾーンDにはそれぞれ、下部プレス型5a、5b、5cが配置されている。
【0015】
図2、図3において、上部プレス型4a、4b、4c、4dの下方にはそれぞれ抄紙型2、下部プレス型5a、5b、5cが上部プレス型と相互に対向するよう円周方向に沿って配置されている。
図2において上部プレス型4aの下方に抄紙型2が配置されている。抄紙槽7の内部にシリンダー33が設けられ、該シリンダー33によって上下動可能に設けられた軸体13の上端にベース42が取り付けられ、該ベース42の上面に抄紙型2がネジ等の固定具により支持固定されている。
このようにシリンダー33の作用によって軸体13が上下動し、それにより抄紙型2が上下方向に移動可能となるよう構成されている。
抄紙槽7には抄造成形品の成形材料であるパルプ原料液8が所定量入っており、該パルプ原料液8としては、水にパルプ原料を分散させた公知の抄紙用パルプ原料液を用いることができる。パルプ原料にはバージン原料に古紙等の再生紙用原料を混合してもよく、或いは再生紙用原料のみからパルプ原料液を調製してもよい。またパルプ原料に水溶性ポリマーや加熱プレス時の熱で溶融する熱可塑性合成樹脂、繊維等を混合してもよい。
【0016】
図2において上部プレス型4bの下方に位置する下部プレス型5aは、ベース50の上面にネジ等の固定具により支持固定され、ベース50は基台14上に設置されたシリンダー34によって上下動可能に設けられた軸体49の上端に取り付けられている。同図において上部プレス型4cの下方に位置する下部プレス型5b及び図3において上部プレス型4dの下方に位置する下部プレス型5cもまた同様に、それぞれベース50の上面にネジ等の固定具により支持固定され、ベース50は基台14上に設置されたシリンダー34における軸体49に取り付けられている。
このように下部プレス型5a、5b、5cは、シリンダー34の作用によって上下方向に移動可能に構成されている。
下部プレス型5a、5b、5cはシリンダー34によって上下方向に移動可能であるが、円周方向には動かず、固定されている。抄紙型2及び下部プレス型5a、5b、5cにおけるシリンダー33、34として油圧シリンダーを用いることが好ましい。
【0017】
第3乾燥成形ゾーンDにおいては、上型、下型の設置場所の近傍に成形品受取り装置36が設けられている。該装置36は図3に示すように、受けテーブル35を水平方向に摺勤自在に設けてなるものであり、加圧加熱処理が終了して抄造成形品を保持している上型の下方に受けテーブル35を移動させ、圧縮空気の吹き出しによって上型より払い出された抄造成形品を受け取って後方に移動し、元の位置に復帰した時点で或いは後方に移動する途中で受けテーブル35が傾斜して抄造成形品を下方に落下させる機構を有している。
図4に示すように、ベース45下面に支持固定された上部プレス型4aの内部に複数の通路6が設けられている。複数の通路6はそれぞれ型表面に開口し、その開口端部に微細孔を形成してなる部材25が埋め込まれている。部材25としては、一方の開口端側に微細孔形成面を有する有底円筒形状のコアベントを用いることが好ましい。部材25はその微細孔形成面が通路6の型表面における開口端部側に位置するように取り付けられる。
【0018】
部材25に設けられる微細孔は円形状でもスリット状でもよく、円形孔の場合の孔径は0.5〜2.0mmであることが好ましく、またスリット孔の場合のスリット幅は0.5〜2.0mmであることが好ましい。上記孔径、スリット幅が0.5mm未満であると目詰まりが生じて含水抄造成形品の水分透過に支障が生じる虞があり、また2.0mmを超えると含水抄造成形品のパルプ成分が孔を通して透過する虞がある。
複数の通路6は型の上方部で合流し、この合流部はベース45の内部に設けた連通路15に連通している。
【0019】
ベース45の内部には連通路15と連通して真空通路46及び圧空通路47が設けられている。これら真空通路46、圧空通路47はいずれもベース45内において水平方向に設けられており、真空通路46は図示しない真空ポンプ等の真空吸引装置に連結され、また圧空通路47は図示しないコンプレッサー等の圧縮空気供給装置に連結されている。真空ポンプの働きで真空通路46、連通路15及び通路6内を減圧状態にすることができ、またコンプレッサーの働きで圧空通路47に圧縮空気を供給し、この圧縮空気を連通路15、通路6及び部材25を通して型表面から吹き出すことができる。
真空通路46、圧空通路47はベース45内において連通路15と連通した垂直な通路として構成してもよい。更にこの垂直な通路は真空通路46と圧空通路47とに区分した2つの通路から構成しても或いは真空通路46と圧空通路47を1つの通路として構成してもよい。後者の場合、1つの通路を通して減圧したり、或いは圧縮空気を供給することができる。
ベース45の内部には加熱装置としてのヒータ22が所定数埋設されている。
【0020】
上部プレス型4b、4c、4dはいずれも上記した上部プレス型4aと同様な構造を有している。
一方、抄紙型2は図4に示すように、型本体19と支持部材21と、型本体19の表面に取り付けられた抄紙用のネット17とからなり、型本体19は支持部材21に支持されてベース42に固定されている。ネット17としてはパルプ原料液中の水分は通すがパルプ成分は通さない程度のメッシュを有する網体が用いられ、通常、15〜80メッシュの金網が用いられる。金網の材料としてはステンレスや真鎗が用いられる。
抄紙型2の内部に複数の通路18が設けられ、複数の通路18はそれぞれ型表面に開口しており、従って通路18の開口端はネット17の微細孔と連通している。通路18は含水抄造成形品の水分を透過させるためのものであり、複数の縦通路と横通路とからなり、縦通路と横通路は交差部において連通している。通路18の孔径は0.5〜4.0mmであることが好ましい。孔径が0.5mm未満であると目詰まりが生じて含水抄造成形品の水分の透過に支障が生じる虞があり、また孔径が4.0mmを超えると含水抄造成形品のパルプ成分が入り込む虞がある。
【0021】
複数の通路18は型の下方部で合流し、この合流部はベース42の内部に設けた連通路20に連通している。
ベース42の内部には連通路20に連通した真空通路43が水平方向に設けられており、真空通路43は図示しない真空ポンプに連結されている。
真空通路43はベース42内において、連通路20と連通した垂直な通路として構成してもよい。
図4は上部プレス型4aと抄紙型2とを型合わせした状態を示しており、符号11は上部プレス型4aと抄紙型2とのクリアランスを示している。
従って、上部プレス型4aと抄紙型2とを型締めしたとき、このクリアランス11に相当する厚さの含水抄造成形品が成形される。
図5に示すように、ベース50上面に支持固定された下部プレス型5aは内部に複数の通路54を有している。複数の通路54はそれぞれ型表面に開口し、その開口端部に微細孔を形成してなる部材26が埋め込まれている。部材26の構造は前記した上部プレス型4aに取り付けられる部材25と同様の構造であり、部材26としてコアベントを用いることが好ましい。
【0022】
複数の通路54の下方端はそれぞれベース50の内部に形成された連通路23に連通しており、ベース50の内部には連通路23と連通して真空通路51及び圧空通路52が設けられている。これら真空通路51、圧空通路52はいずれもベース50内において水平方向に設けられており、真空通路51は図示しない真空ポンプ等の真空吸引装置に連結され、また圧空通路52は図示しないコンプレッサー等の圧縮空気供給装置に連結されている。真空ポンプの働きで真空通路51、連通路23及び通路54内を減圧状態にすることができ、またコンプレッサーの働きで圧空通路52に圧縮空気を供給し、この圧縮空気を連通路23、通路54及び部材26を通して型表面から吹き出すことができる。
【0023】
真空通路51、圧空通路52はベース50内において連通路23と連通した垂直な通路として設けてもよい。更にこの垂直な通路は真空通路51と圧空通路52とに区分した2つの通路から構成しても或いは真空通路51と圧空通路52を1つの通路として構成してもよい。後者の場合、1つの通路を通して減圧したり、或いは圧縮空気を供給することができる。ベ−ス50の内部には加熱装置としてのヒータ24が所定数埋設されている。 下部プレス型5b、5cはいずれも上記した下部プレス型5aと同様な構造を有している。
【0024】
図5は上部プレス型4aと下部プレス型5aとを型合わせした状態を示しており、符号16は上部プレス型4aと下部プレス型5aとのクリアランスを示している。従って、上部プレス型4aと下部プレス型5aとを型締めしたとき、このクリアランス16に相当する厚さの含水抄造成形品が成形される。
抄紙型2における型本体19、上部プレス型4a、4b、4c、4d及び下部プレス型5a、5b、5cの材質は一般的に金属であるが、弾性材料であってもよい。金属としては、アルミニウム、ニッケル等が挙げられ、また弾性材料としてはゴム、弾性合成樹脂、合成樹脂発泡体等が挙げられる。上部プレス型4a、4b、4c、4d及び下部プレス型5a、5b、5cのそれぞれの型表面には、型表面と成形品との摩擦抵抗を減らして成形品の取り出し時に離型を良好にするためフッ素樹脂加工をすることが好ましい。
【0025】
上記の実施形態は抄紙型2が凸型、上部プレス型4a、4b、4c、4dが凹型、更に下部プレス型5a、5b、5cが凸型としてそれぞれ構成されている場合を示しているが、本発明の別の実施形態として、抄紙型2を凹型、上部プレス型4a、4b、4c、4dを凸型、更に下部プレス型5a、5b、5cを凹型としてそれぞれ構成してもよい。
本発明の抄造成形品の製造方法は抄紙成形工程、乾燥成形工程及び成形品取出し工程からなる。抄紙成形は抄紙成形ゾーンAに配置された抄紙型2及び上部プレス型4aによって行われる。抄紙型2を抄紙槽7のパルプ原料液8内に浸漬すると共に、真空通路43に連結された真空ポンプを作動して抄紙型2の内部を減圧状態にし、この減圧状態のまま抄紙型2を上昇させパルプ原料液8の液面より上方に位置させる(図6A)。これにより抄紙型2のネット17上にパルプ成分が抄き取られ、抄紙型2の形状に対応した形状の含水抄造物27が形成される。
【0026】
抄紙型2はこの含水抄造物27を真空吸引しながら上昇するので、上昇運動の間、含水抄造物27中の水分は吸引脱水される。即ち、含水抄造物27中の水分はネット17を通して型内部に吸引され、通路18内に導かれる。通路18を通して型下方に導かれた水分は連通路20を経て真空通路43に導かれ、排出通路を通って型外方に排出される。
含水抄造物27を吸引保持してなる抄紙型2は、含水抄造物27が上部プレス型4aと接触して該含水抄造物27を上部プレス型4aと抄紙型2とにより押圧する位置まで上昇を続け、上部プレス型4aと抄紙型2との間のクリアランス設定値に基づき所定位置で停止する。
含水抄造物27は上部プレス型4aと抄紙型2との間に挟まれて押圧され(図6b)、それにより型通りの形状に押圧成形され、含水抄造成形品12が得られる。
【0027】
上部プレス型4aと抄紙型2とによる脱水乾燥処理に当たって、上記した抄紙型2による吸引脱水が行なわれる他、上部プレス型4aにおける吸引脱水及び加熱が行なわれる。
真空通路46に連結された真空ポンプを作動して上部プレス型4a内を減圧状態にし、含水抄造成形品12中の水分を吸引脱水する。即ち、含水抄造成形品12中の水分は部材25を通して型内部に吸引され、通路6内に導かれる。通路6を通して型上方に導かれた水分は連通路15を経て真空通路46に導かれ、排出通路を通って型外方に排出される。
また上部プレス型4aはヒータ22によって加熱され、これにより含水抄造成形品12は加熱乾燥される。加熱により生じた水蒸気は部材25−通路6−連通路15−真空通路46を経て排出通路を通り、型外方に排出される。ヒータ22による上部プレス型4aの加熱温度は100℃〜250℃が好ましく、また吸引脱水を行うときの上部プレス型4aと抄紙型2における真空度は共に700〜10mmmHgが好ましい。
【0028】
上部プレス型4aと抄紙型2とによる脱水乾燥によって含水抄造成形品12の含水率は約30〜70重量%となる。この抄紙成形工程終了後、抄紙型2は下降して上部プレス型4aより離れ、抄紙槽7における旧位置に復帰する。このとき、含水抄造成形品12は上部プレス型4aに吸引保持された状態となる(図6c)。
次いで、駆動装置9が作動して回転軸31を回転させ、それにより支持体3を回転角度αが90゜となるよう回転させる。この支持体3の回転により上部プレス型4aが円周方向に移動し、第1乾燥成形ゾーンBにおける下部プレス型5aの上方位置に変位する。このとき同時に上部プレス型4bが第2乾燥成形ゾーンCにおける下部プレス型5bの上方位置に変位し、上部プレス型4cが第3乾燥成形ゾーンDにおける下部プレス型5cの上方位置に変位し、且つ上部プレス型4dが抄紙成形ゾーンAにおける抄紙型2の上方位置に変位し、それぞれ各ゾーンにおける処理が同期して行なわれる。
【0029】
上部プレス型4aが第1乾燥成形ゾーンBにおける下部プレス型5aの上方位置に変位したとき、下部プレス型5aを上方に移動させる。下部プレス型5aは上部プレス型4aに保持されている含水抄造成形品12と接触してこれを押圧するまで上昇を続け、上部プレス型4aと下部プレス型5aとの間のクリアランス設定値に基づき所定位置で停止する。
含水抄造成形品12は上部プレス型4aと下部プレス型5aとの間に挟まれて加圧され、加熱プレスされる(図7)。
上部プレス型4aは含水抄造成形品12を保持している間も吸引及び加熱を行なっているが、下部プレス型5aとの型合わせ後も引き続き吸引及び加熱を継続する。この上部プレス型4aによる吸引、加熱機構は既に図4を参照して説明した通りである。
【0030】
一方、下部プレス型5aはこの型合わせ後において吸引及び加熱を開始する。この下部プレス型5aにおける吸引機構及び加熱機構は図5に示されている。即ち、下部プレス型5aにおける真空通路51に連結された真空ポンプを作動して下部プレス型5a内を減圧状態にし、含水抄造成形品12中の水分を吸引脱水する。含水抄造成形品12中の水分は部材26を通して型内部に吸引され、通路54内に導かれる。通路54を通して型下方に導かれた水分は連通路23を経て真空通路51に導かれ、排出通路を通って型外方に排出される。
また下部プレス型5aはヒータ24によって加熱され、これにより含水抄造成形品12は加熱乾煉される。加熱により生じた水蒸気はコアベント26−通路54−連通路23−真空通路51を経て排出通路を通り、型外方に排出される。ヒータ24による下部プレス型5aの加熱温度は100℃〜250℃が好ましく、また下部プレス型5aの真空度は700〜10mmHgが好ましい。
【0031】
この乾燥成形工程における上部プレス型4aの加熱温度は100℃〜250℃が好ましく、また真空度は700〜10mmHgが好ましい。
上部プレス型4aと下部プレス型5aとによる加熱プレスが終了した後、含水抄造成形品12を上部プレス型4aに吸引保持した状態でシリンダー34を作動して下部プレス型5aを僅かに下方に移動させ、上部プレス型4aと下部プレス型5aとを所定間隔離間させる(図8a)。次いで、コンプレッサーを作動させて上部プレス型4aの圧空通路47より圧縮空気を送り込み、連通路15及び通路6を経由して部材25から空気を吹き出す。
上部プレス型4aはヒータ22によって加熱されているので通路6内を流れる空気も加熱され、従って上部プレス型4aから加熱された空気が吹き出す。上部プレス型4aによる加熱された空気の吹き付けと同時に下部プレス型5aからは真空吸引が行なわれる。それにより含水抄造成形品12は上部プレス型4aより離型し、下部プレス型5aに吸引保持される(図8b)。
【0032】
次いで下部プレス型5aから圧縮空気を供給する。即ち、コンプレッサーを作動させて下部プレス型5aの圧空通路52より圧縮空気を送り込み、連通路23及び通路54を経由して部材26から空気を吹き出す。下部プレス型5aはヒータ24によって加熱されているので通路54内を流れる空気も加熱され、従って下部プレス型5aから加熱された空気が吹き出す。下部プレス型5aによる加熱された空気の吹き付けと同時に上部プレス型4aからは真空吸引が行なわれる。それにより含水抄造成形品12は下部プレス型5aより離型し、上部プレス型4aに吸引保持される(図8c)。
次に再び上部プレス型4aより加熱された空気の吹き付けを行なうと共に、下部プレス型5aから真空吸引を行なう。
【0033】
このように加熱空気吹き付けと真空吸引を上部プレス型4a、下部プレス型5a間で交互に切り換えて行なうことにより、含水抄造成形品12は上部プレス型4aと下部プレス型5aの間を上下に揺動する。この含水抄造成形品12の上下揺動を数回繰り返して行なう。
上記した含水抄造成形品の上下揺動処理によって含水抄造成形品12の加熱乾燥を効率よく行なえると共に、含水抄造成形品12の離型を良好に行なえる。即ち、含水抄造成形品12が上下揺動する際、上部プレス型4aまたは下部プレス型5aにおける型表面から加熱された空気が含水抄造成形品12に吹き付けられるので該含水抄造成形品12の加熱乾燥が促進される。また含水抄造成形品12の上下揺動により、空気の拡散が起こり、含水抄造成形品12の表面に滞留している水蒸気が逸散し、このことからも含水抄造成形品12の乾燥が一段と促進される。
【0034】
また含水抄造成形品12を上下揺動させることにより、該成形品12が複雑な形状を有する等の離型を困難にする性質を有していたとしても離型が容易となり、最終工程で行なわれる成形品の型からの取り出しを容易に行なうことができる。
含水抄造成形品12の上下揺動工程終了後、含水抄造成形品12を上部プレス型4aに吸引保持させ且つ下部プレス型5aを下方に移動して該下部プレス型5aを旧位置に復帰させる(図9)。
次いで支持体3が回転して上部プレス型4aは含水抄造成形品12を保持した状態で策2乾燥成形ゾーンCにおける下部プレス型5bの上方位置に変位し、この時、下部プレス型5bが上方に移動する。上部プレス型4aと下部プレス型5bとの間のクリアランス設定値に基づき下部プレス型5bは所定位置で停止する。
【0035】
この上部プレス型4aと下部プレス型5bとの型合わせにより含水抄造成形品12は上部プレス型4aと下部プレス型5bとの間に挟まれて加圧され、加熱プレスされる。この加熱プレス時に上部プレス型4aと下部プレス型5bとにおいてそれぞれ吸引及び加熱が行なわれるが、下部プレス型5bの構造は下部プレス型5aと同一構造なので上部プレス型4aと下部プレス型5bにおける吸引機構及び加熱機構は図5に示す吸引機構及び加熱機構と同様である。
この上部プレス型4aと下部プレス型5bとによる乾燥成形によって更に含水率の低下した含水抄造成形品が得られる。
【0036】
上部プレス型4aと下部プレス型5bとによる加熱プレスが終了した後、上部プレス型4aと下部プレス型5bを僅かに離間させ、上記したと同様の方法で空気吹き付けと真空吸引を上部プレス型4a、下部プレス型5b間で交互に切り換えて行ない、含水抄造成形品12を上下に揺動させる。
含水抄造成形品12の上下揺動工程終了後、含水抄造成形品12を上部プレス型4aに吸引保持させ且つ下部プレス型5bを下方に移動して、該下部プレス型5bを旧位置に復帰させる。
次いで支持体3が回転して上部プレス型4aは含水抄造成形品12を保持した状態で第3乾燥成形ゾーンDにおける下部プレス型5cの上方位置に変位し、この時、下部プレス型5cが上方に移動する。上部プレス型4aと下部プレス型5cとの間のクリアランス設定値に基づき下部プレス型5cは所定位置で停止する。
【0037】
上部プレス型4aと下部プレス型5cとの型合わせによって含水抄造成形品12は上部プレス型4aと下部プレス型5cとの間に挟まれて加圧され、加熱プレスされる。この加熱乾燥工程において、前述したと同様な機構(図5に示す機構)で吸引及び加熱が行なわれる。
上記した上部プレス型4aと下部プレス型5cとによる加熱プレスが終了した後、上部プレス型4aと下部プレス型5cを僅かに離間させ、前述したと同様な方法で空気吹き付けと真空吸引を上部プレス型4a、下部プレス型5c間で交互に切り換えて行ない、含水抄造成形品12を上下に揺動させる。
この実施形態においては、第3乾燥成形ゾーンDにおいて乾焼成形工程が終了し、最終成形品である抄造成形品28が得られる。この抄造成形品28の含水率は0〜10重量%となる。
【0038】
得られた抄造成形品28を上部プレス型4aに吸引保持させ且つ下部プレス型5cを更に下方に移動させて該下部プレス型5cを旧位置に復帰させる。この下部プレス型5cの下方移動に合わせて、成形品受取り装置36の受けテーブル35が前方に移動して上部プレス型4aの下方位置に達したところで停止する。
次いで上部プレス型4aの圧空通路47より圧縮空気が供給され、部材25を介して上部プレス型4a表面より空気が吹き出される。これによって抄造成形品28が上部プレス型4aより離型し、下方の受けテーブル35上に落下する(図10)。本発明は含水抄造成形品12に対する上下揺動を行なうので抄造成形品28の上部プレス型4aからの取り出しは容易に行なわれる。
【0039】
抄造成形品の受けテーブル35は抄造成形品28を受け取った後、後方に移動する。受けテーブル35が元の位置に復帰した時点か或いは後方に移動する途中で該受けテーブル35を傾斜して抄造成形品28を下方に落下させる。抄造成形品28が落下する下方位置にはベルトコンベアー等の搬送装置が設置され、落下する抄造成形品28を受け取って次工程に搬送する。
含水抄造成形品の上下揺動工程において、上部プレス型と下部プレス型を離間させる距離は大きく設定する必要はなく、含水抄造成形品が上下動するに必要な僅かな間隔を設ければよい。該離間間隔は1〜10mmが好ましい。また上下揺動の回数は必要に応じて任意に決定できるが、1〜10回が好ましい。またこの上下揺動操作は複数の乾燥成形工程毎に、即ち一つの加熱プレス処理後、次の加熱プレス処理に移る前に毎回行なうことが好ましいが、工程の一部において行なってもよい。例えば、成形品の離型を容易に行うことだけを目的とする場合には、複数の乾燥成形工程のうち最後の乾燥成形工程においてのみ成形品の上下揺動捜作を行なうようにしてもよい。
【0040】
上記した本発明の実施形態は含水抄造成形品を円周方向に移送して複数段階の加熱乾燥を行うロータリー方式を採用しているが、本発明はこのロータリー方式のみに適用されるものではなく、含水抄造成形品を水平方向に移送して複数段階の加熱乾燥を行う直線方式のものにも適用することが可能である。
本発明により製造される抄造成形品として、小型電気製品、精密機械類の包装用容器や、卵等の食品の包装用容器或いは包装用緩衝材等が挙げられる。
【0041】
産業上の利用可能性
本発明によれば抄造成形品の製造に当たって加熱乾燥を効率良く行うことができ、しかも成形品の離型が容易となるので、生産能率を向上させる点から包装用容器等の抄造成形に有益である。

Claims (9)

  1. 抄紙型をパルプ原料液に浸漬し、パルプ成分を抄き取って抄紙型上に含水抄造物を形
    成し、該含水抄造物を抄紙型と上部プレス型との間に挟んで脱水乾燥を行い含水抄造成形品を製造し、該含水抄造成形品を上部プレス型と下部プレス型との問に挟んで加熱乾燥を行い抄造成形品を製造する抄造成形品の製造方法において、含水抄造成形品を上部プレス型と下部プレス型との間に挟んで加熱プレスを行った後、上部プレス型と下部プレス型を離間して含水抄造成形品が上下動できる間隔を設け、上部プレス型、下部プレス型のうちの一方のプレス型から含水抄造成形品に圧縮空気を吹き付け、他方のプレス型において含水抄造成形品を真空吸引し、上記空気吹き付けと真空吸引を上部プレス型、下部プレス型間で交互に切り換えて行なうことを特徴とする抄造成形品の製造方法。
  2. 上部プレス型から含水抄造成形品に圧縮空気を吹き付ると共に、下部プレス型におい
    て含水抄造成形品を真空吸引して含水抄造成形品を下部プレス型に吸引保持させ、次いで、下部プレス型から含水抄造成形品に圧縮空気を吹き付けると共に、上部プレス型において含水抄造成形品を真空吸引して含水抄造成形品を上部プレス型に吸引保持させ、以後、上記した含水抄造成形品の下部プレス型への吸引保持及び上部プレス型への吸引保持を交互に繰り返し行なう請求の範囲第1項記載の抄造成形品の製造方法。
  3. 上部プレス型と下部プレス型のそれぞれの内部に型表面に開口する複数の通路を設け
    、該通路を通して圧縮空気の吹き付け及び真空吸引を行なう請求の範囲第1項又は第2項記載の抄造成形品の製造方法。
  4. 上部プレス型を支持固定するベースに圧空通路及び真空通路を設け、この圧空通路及
    び真空通路を上部プレス型の通路に連通させ、圧空通路を通して圧縮空気の吹き付けを行なうと共に、真空通路を通して真空吸引を行う請求の範囲第3項記載の抄造成形品の製造方法。
  5. 下部プレス型を支持固定するベースに圧空通路及び真空通路を設け、この圧空通路及
    び真空通路を下部プレス型の通路に連通させ、圧空通路を通して圧縮空気の吹き付けを行なうと共に、真空通路を通して真空吸引を行なう請求の範囲第3項記載の抄造成形品の製造方法。
  6. 回転可能な支持体に支持固定されて円周方向に移動可能に設けられた複数の上部プレ
    ス型と、その下方に上部プレス型と相互に対向するよう円周方向に沿って配置されている、上下動できる複数の下部プレス型との間に抄紙型で成形された含水抄造成形品を挟んで加熱プレスして抄造成形品を製造する加熱プレス装置において、
    上部プレス型と下部プレス型をそれぞれ内部に加熱装置が設けられたベースに支持固定し、
    上部プレス型と下部プレス型の内部にそれぞれ複数の通路を設けて該通路の一端をこれらの型の表面にそれぞれ開口させる共に、通路のそれぞれの他端を圧空通路及び真空通路に連通させてなる
    ことを特徴とする抄造成形における加熱プレス装置。
  7. 上部プレス型と下部プレス型のそれぞれのベースに連通路を設け、該連通路を介して
    上部プレス型と下部プレス型の内部に設けられた前記通路と圧空通路をそれぞれ連通すると共に、該連通路を介して上部プレス型と下部プレス型の内部に設けられた前記通路と真空通路をそれぞれ連通するように構成した請求の範囲第項記載の抄造成形における加熱プレス装置。
  8. 圧空通路を圧縮空気供給装置に連結し、真空通路を真空吸引装置に連結した請求の範
    囲第6又は7項記載の抄造成形における加熱プレス装置。
  9. 通路が上部プレス型と下部プレス型の表面に開口している箇所にそれぞれ微細孔を有
    する部材を取り付けた請求の範囲第6項記載の抄造成形における加熱プレス装置。
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