JP4098656B2 - 光ファイバ融着補強部材及び前記光ファイバ融着補強部材を用いた光ファイバ管理方法 - Google Patents

光ファイバ融着補強部材及び前記光ファイバ融着補強部材を用いた光ファイバ管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバ同士の融着接続部を被覆して補強する光ファイバ融着補強部材及び前記光ファイバ融着補強部材を用いた光ファイバ管理方法に関し、特に該当する光ファイバを対照・識別することができる光ファイバ融着補強部材及び前記光ファイバ融着補強部材を用いた光ファイバ管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4ないしは図6を参照するに、従来、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ心線をシースした光ケーブル101が敷設される際に、図5に示されているように上記の光ケーブル101の多数の光ファイバ103が光ファイバ集線装置である中間配線盤(IDF: Intermediate Distribution Frame、以下「IDF」と略す)や、電話局にある光ファイバ集線装置としての配線盤(MDF: Main Distribution Frame、以下「MDF」と略す)などにおいて光コネクタなどで結線されている。
【0003】
上記の光ケーブル101は長さが限られているために他の光ケーブル101が接続されて延長される。このとき、図6に示されているように光ケーブル101の各光ファイバ103同士が融着接続され、この融着接続した部分(融着接続部)は光ファイバ融着補強スリーブ105(以下、「補強スリーブ」という)によって被覆・補強されてケーブル長さが延長され、さらに、マンホール107内のクロージャ109(分岐箱)に接続・収納されている。
【0004】
上記のように延長された光ケーブル101は図4に示されているように地中や電柱111を経て配線され、光ケーブル101の各光ファイバ103は当該光ファイバ103を被覆している光ファイバドロップケーブル113によりビルあるいは各一般家庭の加入者宅115に引き落とされ、屋内のOE変換器または成端箱に接続される。
【0005】
光ケーブル101は上記のように敷設された後に数年が経過するのに伴って、当初の通信需要の予測と実際とが異なってきたために、現場においては、以前に敷設された光ケーブル101の内の一部の光ファイバ103を実際の需給状況に合わせて切り替える必要に迫られている。
【0006】
例えば、需給状況が変わってきたために、これまで活線状態(実使用状態)にあった回線が使われなくなって非活線状態(非使用状態)の光ファイバ103が増えると共に新たに設定する回線が増えてきた場合、予備の回線がなくなってくると、上記の非活線状態(非使用状態)の光ファイバ103を用いて新たな回線を設ける必要が生じてくる。
【0007】
このような時に、活線状態(実使用状態)にある光ファイバ103が誤って切断されることを避けるために、多数の光ファイバ103の中から切り替え対照となる非活線状態(非使用状態)の光ファイバ103を選択し、これが非活線状態にある光ファイバ103であるか否かを確認する作業が必要となる。
【0008】
従来における上記の回線切り替え作業においては、光ファイバ集線装置としての中間配線盤(IDF)や配線盤(MDF)では、図4及び図5に示されているように光コネクタなどで結線されている非活線状態(非使用状態)である光ファイバ103が作業者により取り出され、この非活線状態の光ファイバ103が光コネクタなどで安定化光源117に接続される。次に、前記光ファイバ103には、安定化光源117から270kHz(あるいは1kHz)の変調光(光波長1550nmまたは1650nm)が試験光として入射される。
【0009】
一方、光ケーブル101のクロージャ109が設置されているマンホール107内などの現場においては、図4及び図6に示されているように他の作業者により前記クロージャ109から光ファイバ103が取り出される。次に、光心線対照器119(光心線識別器あるいは、光IDテスタとも言う)の曲げクランプ機構121を用いて前記光ファイバ103が小さな径に曲げられることにより、前述したIDFやMDFから試験光として入射された270kHzの変調光が漏洩光として検出される。仮に、この漏洩光に、通信をおこなっている信号光が重畳されていても、フィルタを介することによって変調光のみが分離可能である。
【0010】
以上のように、IDFやMDFで変調光が送信された光ファイバ103と、現場で前記変調光が漏洩光として検出された光ファイバ103とは一対一に対応しているので心線対照・識別が行われる。したがって、クロージャ109、接続箱の中などに収納されるテープ心線、光ファイバ心線、素線等は、回線の切り替え等が生じたために光ファイバ103(又は接続点)を一旦切断する必要がある場合には、誤切断を防ぐ為に上記の心線対照・識別作業により、前記切断すべき回線が確認された後に光ファイバ103が切断されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
図7(A)〜(C)を参照するに、従来の補強スリーブ105としては、ホットメルト樹脂チューブ123と抗張力体125が熱収縮性を有する熱収縮スリーブ127の内部に設けられている。なお、ホットメルト樹脂チューブ123は光ファイバ103同士の融着接続部129を被覆するもので、抗張力体125はホットメルト樹脂チューブ123で被覆された部分を補強するものである。
【0012】
したがって、光ファイバ103が補強スリーブ105のホットメルト樹脂チューブ123の中を挿通されてから他の光ファイバ103と突き合わされ、この突き合わせ部が融着され接続される。次いで、前記光ファイバ103同士の融着接続部129がホットメルト樹脂チューブ123により被覆されるように補強スリーブ105が移動される。熱収縮スリーブ127の周囲が加熱されることにより、ホットメルト樹脂チューブ123が溶融して前記融着接続部129が被覆されると同時に熱収縮スリーブ127が収縮してホットメルト樹脂チューブ123と抗張力体125とを外周側から囲繞して一体化する。
【0013】
なお、光ファイバテープ心線131のときも、図7(C)に示されているように光ファイバテープ心線131がホットメルト樹脂チューブ123の中を挿通されてから、図7(B)の場合と同様にして光ファイバテープ心線131の各光ファイバ103同士の融着接続部129がホットメルト樹脂チューブ123により被覆されると同時に、熱収縮スリーブ127が収縮してホットメルト樹脂チューブ123と抗張力体125とが外周側から一体化される。
【0014】
【特許文献1】
特開平7−218756号公報。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来においては、心線対照、識別が行われるために、対照すべき光ファイバ103に変調光を入射する必要がある。この変調光を入射するには、線路内の光コネクタに取り付けられた場所で実施する必要があり、その場所は、図4に示されているように、おおよそ通信機械室等のIDFあるいはMDF等の成端架が設置されている箇所である。これに対し、対照、切断する箇所はマンホール107内などの光ファイバ103の接続点である。配線盤側(IDFあるいはMDF)と、マンホール107内などの現場とは、通常は数十m〜数kmの距離で離れているので、離れた複数の地点間で二名以上の作業人員が必要であり、しかも上記の複数の作業者間で常に連絡を密に取りながら確認作業を進めなければならないという問題点があった。
【0016】
さらには、心線対照、識別が行われる際には、収納された光ファイバ心線を取りだす作業が必要であるので手間がかかり、送信された変調光を検知するために光ファイバ103に曲げを加える必要があるので、光ファイバ103の損失増加、変動が発生することになる。そのために上記の損失増加、変動を生じた光ファイバ103の回線が切断することもあるという問題点があった。
【0017】
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、現場の1地点のみで、1人の作業者によって、光ファイバの損失増加、変動を与えることなく光ファイバの心線対照・識別を可能にする光ファイバ融着補強部材及び前記光ファイバ融着補強部材を用いた光ファイバ管理方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明の光ファイバ融着補強部材は、光ファイバ同士の融着接続部を被覆して補強する光ファイバ融着補強部材において、前記融着接続部を被覆する熱溶融性樹脂スリーブと、この熱溶融性樹脂スリーブにより被覆された部分を補強する抗張力体とこの抗張力体にRFIDをガラス体に封入して該当する光ファイバを識別するための識別情報を記憶させた抗張力部と、前記熱溶融性樹脂スリーブと抗張力部とを外周から囲繞して一体化するように熱収縮性を有する熱収縮スリーブと、から構成していることを特徴とするものである。
【0019】
したがって、光ファイバの心線、回線、施工等の情報を記憶したRFIDが備えられた光ファイバ融着補強部材が、予め光ケーブルの各光ファイバの融着接続部に取り付けられる。回線切り替え等の際には、現場の1地点のみで、1人の作業者によって、各光ファイバのRFIDから光ファイバの識別情報が読み出されることにより、回線が乗った光ファイバをさわることなく、必要とする光ファイバの心線対照・識別が行われるので、大幅な省力化が図られる。しかも、従来のような心線対照、識別器が用いられないので、光ファイバに損失増加、変動が与えられなくなる。
【0020】
しかも、抗張力部はRFIDが抗張力体に内蔵されて一体化されているので、最適形状、小型化が図られる。
【0023】
請求項によるこの発明の光ファイバ融着補強部材は、請求項記載の光ファイバ融着補強部材において、前記RFIDが、外部から非接触で前記識別情報を読み書き可能であることを特徴とするものである。
【0024】
したがって、光ファイバの識別情報はRFIDに容易に書き込むことができ、この書き込まれた光ファイバの識別情報は時間経過によって消滅することはなく、例えばリーダ/ライタ機器により外部から非接触で短時間に容易に識別される。
【0025】
請求項によるこの発明の光ファイバ管理方法は、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ心線をシースした光ケーブルを敷設して構成される複数の光ファイバの回線を管理する光ファイバ管理方法において、
予め、前記各光ファイバの回線毎に、該当する光ファイバを識別するための識別情報を記憶したRFIDを内蔵した抗張力部を備えた光ファイバ融着補強部材により光ファイバ同士の融着接続部を被覆して補強し、前記各光ファイバを識別する際に前記RFIDの識別情報を読取り装置によって各光ファイバを対照・識別することにより各光ファイバの回線状態を管理することを特徴とするものである。
【0026】
したがって、光ケーブルの接続時に、光ファイバの心線、回線、施工等の情報が抗張力体に内蔵されたRFIDに盛り込まれ、このRFIDを備えた光ファイバ融着補強部材が、予め光ケーブルの各光ファイバの融着接続部に取り付けられる。そして、回線切り替え等の際には、現場の1地点のみで、1人の作業者によって、各光ファイバのRFIDから光ファイバの識別情報が読み出されることにより、回線が乗った光ファイバをさわることなく、必要とする光ファイバを認識することが可能である。しかも、現場の1地点のみで、1人の作業者によって、光ファイバの心線対照・識別が行われるので、大幅な省力化が図られる。しかも、従来のような心線対照、識別器が用いられないので、光ファイバに損失増加、変動が与えられなくなる。
【0029】
請求項によるこの発明の光ファイバ管理方法は、請求項記載の光ファイバ管理方法において、前記RFIDが、外部から非接触で前記識別情報を読み書き可能であることを特徴とするものである。
【0030】
したがって、光ファイバの識別情報はRFIDに容易に書き込むことができ、この書き込まれた光ファイバの識別情報は時間経過によって消滅することはなく、例えばリーダ/ライタ機器により外部から非接触で短時間に容易に識別される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0032】
図1(A),(B)及び図3を参照するに、この実施の形態に係る光ケーブル1は、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ心線をシースしたもので、換言すれば複数又は多数の光ファイバ3をシースしたケーブルである。この光ケーブル1が地中や電柱に敷設される際に、光ケーブル1は長さが限られているために他の光ケーブル1が接続されて延長される。
【0033】
このとき、光ケーブル1の各光ファイバ3同士が融着接続され、この融着接続部5はこの実施の形態の光ファイバ着補強部材としての例えば光ファイバ融着補強スリーブ7(以下、「補強スリーブ」という)によって被覆・補強されてケーブル長さが延長されるものである。
【0034】
この実施の形態に係る補強スリーブ7は、光ファイバ3の融着接続部5を被覆して補強するもので、熱収縮性を有する熱収縮スリーブとしての例えば熱収縮チューブ9と、熱溶融性樹脂スリーブとしての例えばホットメルト樹脂チューブ11と、RFIDとしての例えばRFIDタグ13(Radio Frequency Identification)を内蔵した抗張力部15と、から構成されている。
【0035】
また、熱収縮チューブ9は、補強スリーブ7の最外層を構成するもので、80〜100°Cの付近で収縮し、光ファイバ3の融着接続部5を被覆したホットメルト樹脂チューブ11と抗張力部15とを外周から囲繞して一体化するものである。
【0036】
また、ホットメルト樹脂チューブ11は、80〜100°Cで加熱されると溶融し、常温に戻した時に他の部材を固着させるもので、光ファイバ3の融着接続部5を被覆すると共に熱収縮チューブ9の内部に抗張力部15も固着せしめるものである。
【0037】
また、抗張力部15は、ホットメルト樹脂チューブ11により被覆された融着接続部5の曲げや伸縮などに対する抗張力を与えるように補強する抗張力体17と、この抗張力体17に内蔵したRFIDタグ13と、から構成されている。換言すれば、上記の抗張力部15は「RFIDタグ内臓型抗張力体」ということもできる。
【0038】
より詳しく説明すると、上記の熱収縮チューブ9は加熱されると径方向に収縮するが、その際に長さ方向にも収縮するので、抗張力体17は光ファイバ3の長さ方向の収縮を防止するためのものである。ちなみに、もし、光ファイバ3が長さ方向に収縮すると、マイクロベンデイングが生じて信号光の損失となる。
【0039】
なお、上記の抗張力体17の主たる材料は、金属であればステンレス、非金属ならばFRPなどが一般的である。さらに、ガラス、セラミックなども使用される。また、抗張力体17は棒状又は板状の外形形状をなしている。
【0040】
図2を参照するに、この実施の形態では、抗張力部15はRFIDタグ13が抗張力体17としてのガラスチューブ(ガラス体)に収められて封入されたもので、断面矩形状の棒状体となっている。つまり、抗張力部15としては、断面矩形状のガラスチューブ17内に、RFIDタグ13を構成する同調用コンデンサと電源用コンデンサと光ファイバ3の識別情報を記憶したICチップ(Integrated Circuit)とを収納したICパッケージ19と、このICパッケージ19に電気的に接続したアンテナコイル21が内蔵されている。アンテナコイル21は微小アンテナの役割を果たすもので、まっすぐな棒状または板状の磁芯部材23と、この磁芯部材23に当該磁芯部材23の軸芯を中心として螺旋状に卷回されたコイル本体としての被覆銅線25とからなっている。
【0041】
つまり、RFIDタグ13は、図3に示されているように電磁誘導を用いた読取り装置としての例えばRFID読取り装置27(リード機器又はリード/ライタ機器)にケーブル29で結線されたアンテナ31から発信される無線電波により、アンテナコイル21を経てICパッケージ19内のICチップに記憶された光ファイバ3の識別情報が読み出し且つ書き込み可能に構成されている。つまり、RFID読取り装置27のアンテナ31とRFIDタグ13のアンテナコイル21との間で電磁波のやり取りが行われ、RFIDタグ13が固着されている光ファイバ3の心線対照・識別が可能となる。
【0042】
上記構成により、光ケーブル1が延長されるとき、光ケーブル1の光ファイバ3が補強スリーブ7のホットメルト樹脂チューブ11の中を挿通されてから他の光ケーブル1の光ファイバ3と突き合わされ、上記の光ファイバ3同士の突き合わせ部が融着され接続される。次いで、補強スリーブ7は前記光ファイバ3の融着接続部5をホットメルト樹脂チューブ11により被覆するために前記融着接続部5へ移動される。
【0043】
次いで、熱収縮チューブ9の周囲が80〜100°Cで加熱されることにより、ホットメルト樹脂チューブ11が溶融して前記融着接続部5が被覆されると同時に、熱収縮チューブ9が収縮してホットメルト樹脂チューブ11と抗張力部15とを外周側から囲繞して一体化することとなる。このとき、抗張力部15としてのRFIDタグ内臓型抗張力体により光ファイバ3の長さ方向の収縮が防止されるので、光ファイバ3にマイクロベンデイングは生じない。
【0044】
なお、補強スリーブ7に備えられたRFIDタグ13には、固着される光ファイバ3の心線、回線、施工等の識別情報が例えばリード/ライタ機器によって上記の接続時に盛り込まれる。
【0045】
以上のようにして、光ケーブル1の各光ファイバ3が融着接続されることにより、光ケーブル1が延長される。しかも、各光ファイバ3の融着接続部5には該当する光ファイバ3の識別情報を記憶したRFIDタグ13を備えた補強スリーブ7が取り付けられている。
【0046】
図3を参照するに、現場における光ケーブル1の各光ファイバ3の心線対照・識別試験の状態が示されている。RFID読取り装置27にケーブル29で結線されたアンテナ31から、134kHzの電磁波が呼び掛け信号として周囲に放射される。なお、上記の電磁波は、通常は135kHz以下であるが、これに限定されない。
【0047】
一方、心線対照・識別すべき光ファイバ3には、RFIDタグ13を収納した補強スリーブ7が固着されているので、RFIDタグ13は上記のアンテナ31から発信された呼び掛け信号としての134kHzの電磁波をエネルギー源にして電源用コンデンサに蓄積した後に、ICチップに記憶された光ファイバ3の識別情報などを含む応答信号としての電磁波を上記アンテナ31に返送する。
【0048】
以上のように、RFID読取り装置27のアンテナ31とRFIDタグ13との間の電磁波のやり取りにより、RFIDタグ13が固着されている光ファイバ3の心線対照・識別が行われる。したがって、回線切り替え等の際に、RFIDタグ13の光ファイバ3の識別情報がRFID読取り装置27(リード機器又はリード/ライタ機器)で読み出されることにより、回線が乗った光ファイバ3をさわることなく、必要とする光ファイバ3を認識することができ、各光ファイバ3の回線状態を管理することを容易に行うことができる。
【0049】
つまり、現場の1地点で、しかも1人の作業者によって、光ファイバ3の心線対照・識別を遂行できるので、光ファイバ3の回線状態を管理する上で大幅な省力化を図ることができる。しかも、従来のような心線対照、識別器を用いないので、光ファイバに対する損失増加、変動を避けることができる。
【0050】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
【0051】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、請求項1の発明によれば、光ファイバの識別情報を記憶したRFIDを備えた光ファイバ融着補強部材が、予め光ケーブルの各光ファイバの融着接続部に取り付けられる。回線切り替え等の際には、現場の1地点のみで、1人の作業者によって、各光ファイバのRFIDから光ファイバの識別情報を読み出せるので、回線が乗った光ファイバをさわることなく、必要とする光ファイバの心線対照・識別を行うことができ、大幅な省力化を図ることができる。しかも、従来のような心線対照、識別器を用いないので、光ファイバに対する損失増加、変動を避けることができる。
【0052】
しかも、抗張力部はRFIDを抗張力体にガラス体に封入して一体化したので、最適形状、小型化を図ることができる。
【0054】
請求項の発明によれば、光ファイバの識別情報はRFIDに容易に書き込むことができ、この書き込まれた光ファイバの識別情報は時間経過によって消滅することはなく、例えばリーダ/ライタ機器により外部から非接触で短時間に容易に識別できる。
【0055】
請求項の発明によれば、光ファイバの識別情報を記憶したRFIDを内蔵した抗張力部を備えた光ファイバ融着補強部材が、予め光ケーブルの各光ファイバの融着接続部に取り付けられる。回線切り替え等の際には、現場の1地点のみで、1人の作業者によって、各光ファイバのRFIDから光ファイバの識別情報を読み出せるので、回線が乗った光ファイバをさわることなく、必要とする光ファイバの心線対照・識別を行うことができ、大幅な省力化を図ることができる。しかも、従来のような心線対照、識別器を用いないので、光ファイバに対する損失増加、変動を避けることができる。
【0057】
請求項の発明によれば、光ファイバの識別情報はRFIDに容易に書き込むことができ、この書き込まれた光ファイバの識別情報は時間経過によって消滅することはなく、例えばリーダ/ライタ機器により外部から非接触で短時間に容易に識別できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、この発明の実施の形態の補強スリーブ(光ファイバ着補強部材)の長手方向の断面図で、(B)は、(A)の矢視I−I線の断面図である。
【図2】この発明の実施の形態で用いられるRFIDタグを内蔵した抗張力部の斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態の光ファイバ管理方法の概略的な説明図である。
【図4】従来における光ファイバ管理方法の概略的な説明図である。
【図5】従来における光ファイバ管理方法のMDF又はIDF側の概略的な説明図である。
【図6】従来における光ファイバ管理方法の現場側の概略的な説明図である。
【図7】(A)は、従来の補強スリーブの長手方向の断面図で、(B)及び(C)は、(A)の矢視VII−VII線の断面図である。
【符号の説明】
1 光ケーブル
3 光ファイバ
5 融着接続部
7 補強スリーブ(光ファイバ着補強部材;光ファイバ融着補強スリーブ)
9 熱収縮チューブ(熱収縮スリーブ)
11 ホットメルト樹脂チューブ(熱溶融性樹脂スリーブ)
13 RFIDタグ
15 抗張力部
17 抗張力体
19 ICパッケージ
21 アンテナコイル
23 磁芯部材
25 被覆銅線
27 RFID読取り装置(読取り装置;リード機器又はリード/ライタ機器)
29 ケーブル
31 アンテナ

Claims (4)

  1. 光ファイバ同士の融着接続部を被覆して補強する光ファイバ融着補強部材において、前記融着接続部を被覆する熱溶融性樹脂スリーブと、この熱溶融性樹脂スリーブにより被覆された部分を補強する抗張力体とこの抗張力体にRFIDをガラス体に封入して該当する光ファイバを識別するための識別情報を記憶させた抗張力部と、前記熱溶融性樹脂スリーブと抗張力部とを外周から囲繞して一体化するように熱収縮性を有する熱収縮スリーブと、から構成していることを特徴とする光ファイバ融着補強部材。
  2. 前記RFIDが、外部から非接触で前記識別情報を読み書き可能であることを特徴とする請求項記載の光ファイバ融着補強部材。
  3. 複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ心線をシースした光ケーブルを敷設して構成される複数の光ファイバの回線を管理する光ファイバ管理方法において、
    予め、前記各光ファイバの回線毎に、該当する光ファイバを識別するための識別情報を記憶したRFIDを内蔵した抗張力部を備えた光ファイバ融着補強部材により光ファイバ同士の融着接続部を被覆して補強し、前記各光ファイバを識別する際に前記RFIDの識別情報を読取り装置によって各光ファイバを対照・識別することにより各光ファイバの回線状態を管理することを特徴とする光ファイバ管理方法。
  4. 前記RFIDが、外部から非接触で前記識別情報を読み書き可能であることを特徴とする請求項記載の光ファイバ管理方法。
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