JP4098565B2 - 風呂ふた - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は入浴者が浴槽内に入った状態でふたをし、浴槽内に湯気を閉じ込めてスチームサウナ(湿式サウナ)効果を得ることが出来る風呂ふたに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特開2000−300451号で開示された風呂ふたの技術がある。その技術は風呂ふたに向き合って二ヵ所に首の挿入口を設け、人が二人又は一人浴槽に入り、首を挿入口に入れて浴槽上端にふたをすることでサウナ効果を得るようになっている。図4は従来技術の風呂ふたを使用した入浴状態を示す断面図である。浴槽8の上端で風呂ふた17を閉じ、その両端に設けられた首挿入口12の一つに入浴者の首が挿入されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の技術は浴槽上端にふたをした状態で入浴者の首を首挿入口に入れる構造であるため、身長差のある入浴者でも皆同じ位置に首を保持する必要があり、体の自由が制限され窮屈であった。特に子供、女性、高年齢者などで、小柄な人は首が届かないおそれもあった。本発明はこのような問題を解決するものであり、入浴者の体を自由に浴槽内に沈めることができ、上体をゆったりと浴槽のふちに寄りかからせた姿勢で入浴できる風呂ふたを提供することを目的とする。
【0004】
また、本発明は湯気を充満させる空間をより少なくすることで、浴槽内を速やかに湯気で充満させ、より効率良くサウナ効果を得ることを目的とする。また、それにより、湯量を半分以下程度に減らしても、寒さを感じない快適な入浴ができるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の風呂ふたは、一辺が浴槽内壁上端部における横幅の長さを有すると共にこの辺を浴槽上端に保持する支持軸を有しており、その対辺の中ほどに首挿入口を有し、該対辺と他の残り二辺の形状が浴槽上端より下位置の浴槽内壁面にほぼ沿った形をなし、これら三辺を浴槽内壁面に接して浴槽内に入れ込む構造であることを特徴とする。入浴者は首を首挿入口に入れて密閉状態を保ちながら浴槽上端より下まで体を沈めることができ、上体を好みの角度で浴槽のふちに寄りかからせることが出来る。
【0006】
請求項2の風呂ふたは、一辺が浴槽内壁上端部における横幅の長さを有すると共にこの辺を浴槽上端に保持する支持軸を有しており、その対辺の中ほどに首挿入口を有し、該対辺と他の残り二辺から成る三辺の外形を浴槽内壁面より大きめにし、ふた本体の全体又は周辺部の材質をより柔軟なものにし、やや力を入れれば前記支持軸を有する辺以外の前記三辺が浴槽内壁面に接して浴槽内に入る構造であることを特徴とする。前記三辺が浴槽内壁面より大きめであり、ふた本体の全体又は周辺部の材質の柔軟性が大きいことにより、一種類の風呂ふたで複数サイズの浴槽に使うことが出来る。
【0007】
【0008】
請求項3の風呂ふたは、前記支持軸が、浴槽幅に合わせて長さを伸縮できる構造であることを特徴とする。これにより、支持軸長を浴槽幅に合わせて最適に調整し、美感(長すぎての突出)と使用感(短すぎての隙間発生)を損なわず、一種類の風呂ふたで複数の横幅長の浴槽に使うことが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第一の実施の形態を示す風呂ふたの平面図である。5〜10mm程度の厚みと適度の柔軟性をもつ発泡樹脂シートから成るふた本体1の一辺に、その辺を浴槽上端に保持すると共にその辺のたわみを防ぐことのできる支持軸3を設け、その対辺に入浴者の首を挿入する首挿入口2を設けている。この対辺と残り二辺の形状は浴槽上端より下位置の浴槽内壁面にほぼ沿った形になっており、浴槽内壁面に接して浴槽内に入れ込むことができる。また、支持軸3に並行して第一折り曲げ部4と、第二折り曲げ部5を設けている。
【0010】
図2は本発明の風呂ふたを使用した入浴状態を示す断面図である。ふた本体1の一辺にある支持軸3を浴槽上端に乗せ、その上を一般風呂ふた7の一辺で押さえている。入浴者は仰臥の姿勢で、対辺にある首挿入口2に首を入れて入浴している。図中の一般風呂ふた7は二枚組ふたの例で、1枚を開いて他の1枚の上に重ねている。シャッター式のふたを折り曲げて用いてもよい。支持軸3の辺は一般風呂ふた7に密着し、他の三辺は浴槽8の内壁に密着する形状であり、かつ首挿入口2は入浴者の首にほぼ接しており、浴槽内の湯気はほぼ完全に密封される。
【0011】
ふた本体1の位置調整は入浴者が浴槽内でつまみ6をつかんで、上下や前後に好み通りに変えられる。ふた本体1には柔軟性があり、横幅を浴槽内壁よりやや大きくしてあるので、浴槽内の適当な位置に係止できる。つまみ6はふた本体1の裏と表に設けてあり、ふた本体1の表裏で絵柄を変えるなどして、どちらの面でも使えるようにしている。そのため、第一折り曲げ部、第二折り曲げ部ともに上下どちらにも折り曲げられるようにしている。
【0012】
湯量は図の湯面9程度が適しているが、もっと少なくても多くても入浴者の好みに合わせてよい。浴槽内は速やかに湯気で充満され、短時間にスチームサウナ状態が得られる。通常の半分ないし半分以下の湯量でも十分快適な入浴を楽しめる。何らの不都合、不快感なしに、水と燃料を大いに節約でき、益々重要になっている環境問題対策の一助とすることが出来る。
【0013】
湯面9が体のみぞおち程度になる湯量にすると、半身浴と言われる入浴法になる。半身浴は肺や心臓への水圧負担が少ないため、入浴による疲労感が生じ難く、健康的な入浴法と言われている。しかし、従来の半身浴では、浴室全体を暖めたり上半身に着衣するなどしないと、上半身の寒さを感じることが多い難点がある。本発明によればこのような難点も解消できる。
【0014】
図3(a)〜(d)はふた本体1を閉じるときの状態遷移を示す図である。(a)では第一折り曲げ部4と第二折り曲げ部5をともに各上方に折り曲げ、右側に人が入る隙間を作っている。(b)は人が浴槽に入った後、第二折り曲げ部5を反転して下方に折り曲げた、ふた本体1の閉じ初めを示している。ふた本体1が左方に縮んだ状態になり、入浴者の頭をよけて首挿入口2を首位置に持っていける。(c)はふた本体1を引き伸ばしながら首に挿入しつつある状態、(d)は完全に閉じ終えた状態を示す図である。
【0015】
前記第一と第二の折り曲げ部4、5は入浴しやすさのために設けているが、無くてもよく、逆にさらに多数の折り曲げ部を設けてもよい。また、ふた本体1の片面だけを上にして使い、前記第一の折り曲げ部4が上方だけに曲がるようにしてもよく、つまみ6を下面だけに設けてもよい。
【0016】
前記第一の実施の形態によれば、図1のようにふた本体1の三辺が浴槽内壁面とおなじ曲線になっていたが、本発明はそれに限らない。第二の実施の形態として、ふた本体1の全体又は周辺部の材質をより柔軟なものにし、前記三辺の外形を浴槽内壁面より大きめにし、外形も必ずしも浴槽内壁面と同じ形状でないものが可能である。つまみ6を持ってやや力を入れればふた本体1を開閉でき、閉じたときには浴槽内壁面に密着させられる。一種類の風呂ふたで複数サイズの浴槽に使うことが出来る。
【0017】
さらに第三の実施の形態として、前記支持軸3を浴槽幅に合わせて伸縮できる構造にすることで、最適の長さに調整しながら、複数サイズの浴槽で共用することができる。また、使用後に支持軸3を縮めれば収納に便利である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の風呂ふたによれば首挿入口2を浴槽内で自由に上下できるので、入浴者の身長差があっても各人好みの仰臥姿勢で入浴できる。本発明の風呂ふたを使えば、浴槽内の空間を狭くしてスチームサウナ状態を作れるので、湯量も準備時間も少なくて済み、経済的である。本発明の風呂ふたは、構造が簡素で、軽量でもあり、すでに使用中の一般風呂ふたと併用することができ、これらの点でも大変に経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す風呂ふたの平面図である。
【図2】本発明の風呂ふたを使用した入浴状態を示す断面図である。
【図3】ふた本体1を閉じるときの状態遷移を示す図である。
【図4】従来技術の風呂ふたを使用した入浴状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ふた本体
2、12 首挿入口
3 支持軸
4 第一折り曲げ部
5 第二折り曲げ部
6 つまみ
7 一般風呂ふた
8 浴槽
9 湯面
17 風呂ふた
Claims (3)
- 一辺が浴槽内壁上端部における横幅の長さを有すると共にこの辺を浴槽上端に保持する支持軸を有しており、その対辺の中ほどに首挿入口を有し、該対辺と他の残り二辺の形状が浴槽上端より下位置の浴槽内壁面にほぼ沿った形をなし、これら三辺を浴槽内壁面に接して浴槽内に入れ込む構造であることを特徴とする風呂ふた。
- 一辺が浴槽内壁上端部における横幅の長さを有すると共にこの辺を浴槽上端に保持する支持軸を有しており、その対辺の中ほどに首挿入口を有し、該対辺と他の残り二辺から成る三辺の外形を浴槽内壁面より大きめにし、ふた本体の全体又は周辺部の材質をより柔軟なものにし、やや力を入れれば前記支持軸を有する辺以外の前記三辺が浴槽内壁面に接して浴槽内に入る構造であることを特徴とする風呂ふた。
- 前記支持軸が、浴槽幅に合わせて長さを伸縮できる構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の風呂ふた。
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