JP4098116B2 - ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンおよびその製造方法および皮膚化粧料 - Google Patents

ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンおよびその製造方法および皮膚化粧料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンおよびその製造方法に係わり、特に、各種の油剤に対する相溶性が良好であり、抱水性性が高く、かつ高い屈折率を有するポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンとその製造方法に関する。また本発明は、皮膚に潤いを与え、しっとりしてべたつきがなく、かつのびが軽く、しかも化粧膜のつやに優れた皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚化粧料へのシリコーンオイルの使用は、のびが軽くべとつきのないなめらかな感触を付与することができる。そのため、近年皮膚化粧料の分野では、シリコーンオイルの使用が一般的となっている。しかし、シリコーンオイルは概して保湿効果の点で劣り、また化粧料用の他の油剤との相溶性が悪いため、系全体の乳化・分散性を悪化させるという問題があった。
【0003】
乳化・分散性を改善するために、シリコーンオイルと混和しやすいポリエーテル変性シリコーンが汎用されており、架橋型ポリエーテル変性シリコーンなどが提案されている。(特許文献1参照)
【0004】
また、フェニル基を有するシリコーンは、屈折率が高く光沢の良好な被膜を形成することができるので、コンタクトレンズのような光学装置の被覆材、毛髪用化粧品のような化粧料あるいはプラスチックの添加剤としてなど、幅広く使用されている。
【0005】
そして、フェニル基を有するポリエーテル変性シリコーンとして、アリールアルキル基を含有するシリコーンポリエーテルが提示され、安定したシリコーン油中水型エマルジョンが得られることが記載されている。(特許文献2参照)
【0006】
【特許文献1】
特開2001−2520公報
【特許文献2】
特開2000−239389公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来からのポリエーテル変性シリコーンは、炭化水素のような極性が低い油剤か、あるいは植物油のような極性が高い油剤の一方に対して相溶性を有するというように、限られた油剤に対してだけ良好な相溶性を有していた。したがって、相溶性をさらに改善し、極性の低い油剤から高い油剤まで幅広く各種の油剤に対して相溶性を有することが望まれていた。
【0008】
また、ポリエーテル変性シリコーンの水に対する挙動は、分散、溶解、抱水のいずれかであるが、皮膚化粧料に求められる保湿性においては、抱水性が重要となる。分散性、溶解性を有するポリエーテル変性シリコーンでは、化粧料として皮膚に塗布した場合、汗や外部からの水とともに流れ落ちてしまうおそれがあり、従来からのポリエーテル変性シリコーンのみでは十分な保湿効果が得られなかった。
【0009】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、化粧料用の各種の油剤に対する相溶性が良好であり、かつ高い抱水性を有するポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを提供することを目的とする。また、皮膚に潤いを与え、しっとりしてべたつきがなく、かつのびが軽く、しかも化粧膜のつやに優れた皮膚化粧料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンは、一般式:MDD’ M(式中、Mは一般式:RSiO0.5で表されるシロキシ単位、Dは一般式:RSiOで表されるシロキシ単位、D’は一般式:RR’SiOで表されるシロキシ単位、Dは一般式:RQSiOで表されるシロキシ単位をそれぞれ表す。ここで、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、2−フェニルエチル基と2−フェニルプロピル基のいずれかであるアラルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選ばれる1価の炭化水素基、R’は2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基、Qは一般式:―R―O―(CO)―(CO)―Rで表されるポリオキシアルキレンブロックを表す。但し、連結基Rは―C2m―、末端基Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基であり、mは2〜8の値を有し、pは0〜50、sは0〜50で(p+s)は1以上の値を有している。また、xは0〜1,000、yは1〜100、zは1〜50の値を有している。)で表されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの製造方法は、前記ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの製造方法であり、以下の一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を含むシラン化合物を加水分解する工程と、前記工程で得られた加水分解物を平衡化反応させる第1の平衡化反応工程と、前記第1の平衡化反応工程で得られた生成物と、ケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを反応させる第2の平衡化反応工程と、前記第2の平衡化反応工程で得られた生成物にアルケニル基含有ポリエーテル化合物を付加反応させる工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
【化2】
Figure 0004098116
(式中、Xは加水分解性基、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、2−フェニルエチル基と2−フェニルプロピル基のいずれかであるアラルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選ばれる1価の炭化水素基である。)
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
本発明の第1の実施形態は、一般式:MDD’ Mで表されるポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンである。式中、Mは、一般式:RSiO0.5で表されるシロキシ単位を、Dは、一般式:RSiOで表されるシロキシ単位を、D’は一般式:RR’SiOで表されるシロキシ単位を、Dは一般式:RQSiOで表されるシロキシ単位をそれぞれ表している。
【0015】
これらの一般式において、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換アルキル基が挙げられる。合成が容易で相溶性が良好なことからアルキル基が望ましく、特にメチル基であることが好ましい。
【0016】
また、R’は、以下の化学式(2)で表される2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基を、Qは一般式:―R―O―(CO)―(CO)―Rで表されるポリオキシアルキレンブロックをそれぞれ表す。但し、アルキレンブロックQにおいて、Rは化学式:―C2m―(mは2〜8)で表される連結基であり、末端基であるRは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、pは0〜50、sは0〜50で(p+s)は1以上である。
【0017】
【化3】
Figure 0004098116
【0018】
本発明のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンは、化粧料用の各種の油剤に対する相溶性が良好であり、抱水性が高く、かつ高い屈折率を有するものである。ここで、抱水性とは、水を取り込む性質のことを指し、例えば、試料に水を加えて練りこんだ場合、水に対して溶解や分散をすることなく水を取り込む性質のことを言う。皮膚化粧料として使用される場合には、抱水性が重要となり、これにより保湿効果を与えることができる。
【0019】
良好な相溶性、高い屈折率、高い抱水性の特徴を発現させるためには、
一般式:MDD’ Mにおいて、xの値は0〜1,000、yの値は1〜100、zの値は1〜50であるのが好ましい。さらに好ましくは、全体の重合度(x+y+z)に対して、xが20〜80モル%、yが10〜50モル%、zが1〜30モル%となるように選択される。上記以外の範囲では、いずれも所望する特性が得られない。
【0020】
また、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの粘度は、25℃において10〜100000mPa・sの範囲とし、100〜10000mPa・sの範囲がさらに好ましい。粘度が10mPa・s未満または100000mPa・sを超えると、いずれの場合も良好な相溶性や高い抱水性の効果が得られない。
【0021】
屈折率は、25℃において1.45〜1.55の範囲が好ましく、さらに好ましくは1.48〜1.55の範囲である。屈折率が、1.45未満では、皮膚化粧料として使用した場合、皮膚につやを与える効果が少なく、また1.55を超えるポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの合成は、本発明においては実質的に難しい。
【0022】
このポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを製造するには、まず、以下の一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を含むシラン化合物を加水分解した後、得られた加水分解物(シラノール化合物)を、第1の平衡化反応工程において平衡化反応させる。
【0023】
【化4】
Figure 0004098116
【0024】
一般式(1)において、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換アルキル基が挙げられる。合成が容易なことからアルキル基が望ましく、その中でも特にメチル基であることが好ましい。また、Xとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基;アセトキシなどのアシロキシ基;ジメチルケトキシマト基、メチルエチルケトキシマト基などのケトキシマト基;アセトアミドのようなアミド基;ジメチルアミノ基などのアミノ基が例示される。合成が容易なことからメトキシ基やクロロ基が望ましく、特に加水分解性が高く加水分解反応に有利なことから、クロロ基であることが好ましい。
【0025】
加水分解反応では、前記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を単独で使用しても良いが、他のシラン化合物の1種以上を併用しても良い。併用することができるシラン化合物は、
一般式:RSiX(4−n)
(式中、Xは加水分解性基、Rは互いに同一あるいは異なる置換または非置換の1価の炭化水素基であり、nは2または3である。)で表される。
【0026】
上記一般式において、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換アルキル基が挙げられる。合成が容易なことからアルキル基が望ましく、その中でも特にメチル基であることが好ましい。また、Xとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基;アセトキシなどのアシロキシ基;ジメチルケトキシマト基、メチルエチルケトキシマト基などのケトキシマト基;アセトアミドのようなアミド基;ジメチルアミノ基などのアミノ基が例示される。合成が容易なことからメトキシ基やクロロ基が望ましく、特に加水分解性が高く加水分解反応に有利なことから、クロロ基であることが好ましい。
【0027】
加水分解反応に使用する水の量は、使用するシラン化合物の加水分解性基1モルに対して1〜50モル、好ましくは、3〜30モルである。また、加水分解反応に悪影響を及ぼさない範囲で、加水分解を促進するための触媒を使用することができる。例えば、酸性触媒や塩基性触媒が挙げられる。酸性触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸;酢酸などの有機酸が例示され、塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;トリエチルアミンなどの有機塩基が例示される。加水分解反応終了後は、生成物と水層とを分離し、必要に応じて生成物層のpHを中性にし、生成物層に含まれる水を常圧もしくは減圧下で留去する。さらに、加水分解の反応温度は、25〜100℃であり、好ましくは50〜100℃の範囲で行う。
【0028】
次いで、得られた加水分解物を、第1の平衡化反応工程において平衡化させる。ここで、平衡化反応とは、シロキサン結合の開裂と再結合を含む反応であり、共重合体を生成する反応を指すものとする。シラノール基を有するポリオルガノシロキサンでは、平衡化反応とシラノール基の縮合反応が同時に起こることとなる。また、本工程においては、粘度、屈折率など所望する特性や所望するシロキサンの構造に応じて、環状シロキサン、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサンなど他のポリオルガノシロキサンの併用も可能である。
【0029】
使用される触媒は特に限定されないが、通常、酸性触媒や塩基性触媒が用いられる。酸性触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸;トリフルオロ酢酸などの有機酸;活性白土などが例示される。また、塩基性触媒としては、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリムなどの無機塩基;それらのシラノレート化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルフォスフォニウムハイドロキサイドなどの有機塩基;およびそれらのシラノレート化合物が例示される。これらの触媒の使用量は、加水分解物および任意に併用するシロキサンの合計量に対して、酸性触媒では10〜10000ppm、好ましくは、50〜5000ppm、塩基性触媒では1〜1000ppm、好ましくは5〜500ppmとする。反応温度は、25〜200℃とし、より好ましくは50〜160℃とする。
【0030】
次いで、第2の平衡化反応工程において、第1の平衡化反応工程で得られた生成物と、ケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを反応(平衡化反応)させる。この工程では、平衡化反応によりシロキサン結合の開裂と再結合が起こり、最終的に水素基含有シロキシ単位を含む共重合体が得られる。使用される触媒は第1の平衡化反応工程とは異なり、通常酸性触媒が使用される。触媒使用量、反応条件などは、第1の平衡化反応工程におけるものと同様である。また、第2の平衡化反応工程においても、第1の平衡化反応工程と同様に、他のポリオルガノシロキサンの併用が可能である。
【0031】
その後、第2の平衡化反応工程で得られた生成物に、アルケニル基含有ポリエーテル化合物を、触媒である白金系化合物の存在下で付加(ヒドロシリル化)反応させることにより、第1の実施形態のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを得ることができる。
【0032】
アルケニル基含有ポリエーテル化合物としては、
一般式:R―O―(CO)―(CO)―Rで表される化合物が挙げられる。ここで、Rは2〜8の炭素数を有するアルケニル基であり、具体的には、アリル基、メタアリル基、ヘキセニル基が例示され、アリル基が最も好ましい。末端基Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基であり、pは0〜50、sは0〜50で(p+s)は1以上の値を有している。
【0033】
アルケニル基含有ポリエーテル化合物の具体例としては、以下の化学式で表される化合物が例示される。
CH=CH−CH−O−(CO)―H
CH=CH−CH−O−(CO)―CH
CH=CH−CH−O−(CO)−(CO)―H
CH=CH−CH−O−(CO)−(CO)―C
CH=CH−CH−O−(CO)―H
CH=C(CH)−CH−O−(CO)―H
CH=C(CH)−CH−O−(CO)―CH
CH=C(CH)−CH−O−(CO)―C
【0034】
ヒドロシリル化反応に使用される触媒としては、白金族金属系触媒、例えば白金系化合物、パラジウム系化合物、ロジウム系化合物が挙げられる。反応性が良好なことから白金系化合物が特に好ましい。この白金系化合物としては、塩化白金酸、塩化白金酸をアルコールやケトン類に溶解させたもの、塩化白金酸とオレフィン類との錯化合物、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯化合物、塩化白金酸とジケトンとの錯化合物、白金黒および白金をアルミナ、シリカ等の担体に保持させたものなどが挙げられる。
【0035】
また、これらの触媒の使用量は、いわゆる触媒量でよく、例えば前記した第2の平衡化反応工程で得られた生成物とアルケニル基含有ポリエーテル化合物の合計量に対して、白金族金属換算で0.1〜1000ppmの量で使用される。好ましくは0.5〜500ppm、さらに好ましくは1〜100ppmである。触媒量が0.1ppm未満の場合にはヒドロシリル化反応の進行が遅く、また1000ppmを超えると経済的に不利であるばかりでなく、付加反応が発熱を伴って急激に進行するおそれがある。また、反応温度は25〜150℃が好ましく、50〜120℃がさらに好ましい。
【0036】
加水分解工程、加水分解工程で得られた加水分解物の第1の平衡化反応工程、第2の平衡化反応工程およびヒドロシリル化反応の各工程において、これらの反応に悪影響を及ぼさない範囲で溶剤を使用することも可能である。溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;2−プロパノールなどのアルコール系溶剤;ノルマルヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0037】
本発明のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンは、必要に応じて精製を行っても良い。精製は公知の方法で行えば良く、例えば、特公平7−91389号に記載された塩酸水などの酸性物質を用いた方法や、特開平7−330907号公報に記載された水素添加による方法などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0038】
本発明の第2の発明である皮膚化粧料は、前記した第1の発明のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを含むものであり、具体的には、乳液、クリーム、日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム、ハンドクリームなどの基礎化粧品;ファンデーション、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、ネールエナメル、化粧下地などのメーキャップ化粧品などが例示される。皮膚化粧料の形態は、特に限定されないが、溶液状、クリーム状、固形状、半固形状、油中水型あるいは水中油型の乳化組成物のいずれであっても良い。
【0039】
本発明において使用されるポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの化粧料への配合量については、化粧料の全量に対して0.1〜80.0重量%の割合で配合するのがよい。その範囲を逸脱する0.1重量%未満では、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの配合の効果が十分ではなく、また逆に80.0重量%を超えて配合すると、のびが悪く使用感も重くなり、好ましくない。
【0040】
本発明の皮膚化粧料においては、前記した必須成分の他に、通常皮膚化粧料に配合される成分を含有することができる。例えば、粉体類、油剤、樹脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料、防腐剤、殺菌剤、保湿剤、粘剤、生理活性成分、色素、溶剤、塩類、水等を同時に配合することができ、これらの成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0041】
粉体の例としては、赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー等の高分子パウダー、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、アルミナ処理微粒子酸化チタン、シリカ処理微粒子酸化チタン、ベントナイト、スメクタイト、有機変性スメクタイト等が挙げられる。これらの粉体の形状に特に制限はない。
【0042】
これらの粉体は、公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などにより、予め表面処理を施されていても良い。
【0043】
油剤の例としては、例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、マルビトール等の多価アルコール、イソステアリン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー、流動イソパラフィン、パラフィン等が挙げられる。
【0044】
また、別の形態の油剤の例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、変性オルガノポリシロキサン(但し、置換基の位置は側鎖でも末端でも構わない)、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素化合物が挙げられる。
【0045】
界面活性剤としては、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤を用いることができる。
【0046】
有機系紫外線吸収剤としては、例えばパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸 ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0047】
粘剤の例としては、ポリカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、寒天、ジェランガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、キサンタンガム、タマリンドガム、グアーガム、アルギン酸、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
【0048】
生理活性成分の例としては、抗炎症剤、チロシナーゼ活性阻害剤、植物抽出エキス、ビタミン類、硫黄、尿素等が挙げられる。
【0049】
溶剤の例としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、LPG、エーテル、ヘキサン、N−メチルピロリドン、イソプレングリコール等が挙げられる。
【0050】
塩類の例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、塩化アルミニウム、各種リン酸塩等が挙げられる。
【0051】
本発明の皮膚化粧料の具体的な化粧料としては、前記したとおり、乳液、クリーム、日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム、ハンドクリームなどの基礎化粧品;ファンデーション、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、ネールエナメル、化粧下地などのメーキャップ化粧品であり、これら製品の製造は、前記した必須成分およびそれら化粧料に通常配合される成分を併せて使用し、常法により行うことができる。
【0052】
本発明の実施形態のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンは、ポリオキシアルキレン基を含むうえに、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンチル基を含有しているので、極性の低い油剤から高い油剤まで幅広い極性を有する各種の油剤と相溶性を有し、かつ高い屈折率を有している。また、抱水性が高く良好な保湿効果を発揮するので、皮膚化粧料のような化粧品材料として極めて有用である。
【0053】
次に、具体的実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、%は重量%を示す。また、粘度は25℃における値を示す。
【0054】
実施例1
[トリメチルシリル末端封鎖メチル(2,4-ジフェニル-4-メチルペンチル)シロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の合成]
冷却管、滴下ロート、温度計および撹拌機を備えた2リットルのセパラブルフラスコに水810gを入れ、撹拌しながら70℃まで昇温した後、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチルメチルジクロロシラン527g(1.50モル)、ジメチルジクロロシラン194g(1.50モル)およびトリメチルクロロシラン13g(0.12モル)の混合物を、70〜80℃の温度で1時間かけて滴下した。滴下終了後、70〜80℃の温度でさらに1時間撹拌を行った後、水層とオイル層とを分液した。
【0055】
次いで、得られたオイル層に、水790g、塩化ナトリウム21g、重炭酸ナトリウム142gを添加し、90〜100℃の温度で1時間撹拌を行い、オイル層が中和されたことを確認してから、水層とオイル層とを分液した。最後に、オイル層に含まれた水を常圧下100〜110℃の温度で留去した。
【0056】
次に、こうして得られたオイル515gと水酸化カリウム0.01gを、冷却管、温度計および撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに入れ、145〜150℃の温度で5時間平衡化反応を行わせた。反応終了後、リン酸0.02gを添加し、さらに145〜150℃の温度で2時間撹拌して中和を行い、無色透明のオイル状物質を得た。
【0057】
得られたオイル状物質の粘度は91,000mPa・sであり、25℃における屈折率は1.535であった。そして、IRスペクトルを測定したところ、1,100〜1,020cm−1にSi−O−Siのピークが認められ、シロキサン構造を採ることが確認された。
【0058】
そして、この物質がMD25D’25Mで表されるポリオルガノシロキサンであることが確かめられた。(なお、Mは化学式(CHSiO0.5で表されるシロキシ単位、Dは化学式:(CHSiOで表されるシロキシ単位、D’は、R’を2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基として、化学式:(CH)R’SiOで表されるシロキシ単位をそれぞれ表わす。以下同じ。)
【0059】
[トリメチルシリル末端封鎖メチル(2,4-ジフェニル-4-メチルペンチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体の合成]
次に、こうして得られた無色透明のオイル(トリメチルシリル末端封鎖メチル(2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル)シロキサン・ジメチルシロキサン共重合体)515gと、平均構造式:MDMで表されるジメチルシロキサン30.5g、平均構造式:MD 2525Mのジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体67.3g、およびトリフルオロメタンスルホン酸0.6gを混合し、85〜90℃の温度で5時間平衡化反応を行わせた。
【0060】
反応終了後、重炭酸ナトリウム3gを添加し、さらに85〜90℃の温度で1時間撹拌して中和を行い、無色透明のオイル状物質を得た。
【0061】
得られたオイル状物質の粘度(25℃)は6,400mPa・sであり、25℃における屈折率は1.514であった。そして、IRスペクトルを測定したところ、1,100〜1,020cm−1にSi−O−Siのピークが、2,150cm−1にSi−Hのピークがそれぞれ認められ、水素基を含有するハイドロジェンシロキサン構造を採ることが確認された。
【0062】
そして、この生成物がMD 19D’12Mで表されるポリオルガノハイドロジェンシロキサンであることが確かめられた。
【0063】
[トリメチルシリル末端封鎖メチル(2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・ポリエーテル変性シロキサン共重合体の合成]
冷却管、滴下ロート、温度計および撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、前記工程で得られたポリオルガノハイドロジェンシロキサン405g(水素基;0.32モル)、トルエン200gおよび塩化白金酸イソプロパノール溶液(白金含有量1%)0.3gを仕込み、80〜85℃の温度まで昇温した。
【0064】
次いで、これに、
化学式:CH=CH―CH―O―(CO)CHで表されるアリル化ポリエーテル108g(0.32モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80〜85℃の温度で3時間撹拌を行い、IRスペクトルによりSi―Hのピークがほぼ消失したことを確認して反応を終了し、淡褐色透明のオイル状物質を得た。
【0065】
得られたオイル状物質は、トリメチルシリル末端封鎖メチル(2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・ポリエーテル変性シロキサン共重合体であり、その粘度は1,000mPa・s、25℃における屈折率は1.502であった。
【0066】
実施例2
冷却管、滴下ロート、温度計および撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、平均構造式:MD 3030Mのジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体200g(水素基;1.43モル)、トルエン200gおよび塩化白金酸イソプロパノール溶液(白金含有量1%)0.3gを入れ、80〜85℃の温度まで昇温した。次に、以下の化学式(3)で表される2,4−ジフェニル−4−メチルペンテン295g(1.24モル)を80〜85℃の温度で2時間かけて滴下した。
【0067】
【化5】
Figure 0004098116
【0068】
次いでこれに、
化学式:CH=CH―CH―O―(CO)Hで表されるアリル化ポリエーテル52.3g(0.12モル)および化学式:CH=CH―CH―O―(CO)Hで表されるアリル化ポリエーテル36.4g(0.07モル)の混合物を、80〜85℃の温度で1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80〜85℃の温度で3時間撹拌を行い、IRスペクトルによりSi―Hのピークがほぼ消失したことを確認して反応を終了し、淡褐色透明のオイル状物質を得た。
【0069】
得られたオイル状物質は、トリメチルシリル末端封鎖メチル(2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・ポリエーテル変性シロキサン共重合体であり、その粘度は5,500mPa・s、25℃における屈折率は1.521であった。
【0070】
[相溶性試験]
実施例1および実施例2で得られたポリエーテル変性シリコーンオイルについて、25℃および50℃の温度で、各種油剤(イソパラフィン、コーンサラダ油およびヒマシ油)に対する相溶性試験をそれぞれ行った。
【0071】
また、比較例1〜4として、以下に示す物性を有するポリエーテル変性シリコーンオイルについて、前記した相溶性試験を行った。
【0072】
比較例1
・ポリエーテル変性シリコーンオイルA:
粘度180mPas、屈折率1.454で、平均構造式:MDq1 2.5 M(なおDq1は、化学式:(CH)QSiOで表されるシロキシ単位を表わす。但し、Qは、―C―O―(CO)Hで表されるポリオキシアルキレンブロックを示す。以下同じ。)を有するポリエーテル変性シロキサン
【0073】
比較例2
・ポリエーテル変性シリコーンオイルB:
粘度1,500mPas、屈折率1.424で、平均構造式:MD95q1 Mを有するポリエーテル変性シロキサン
【0074】
比較例3
・ポリエーテル変性シリコーンオイルC:
粘度900mPas、屈折率1.442で、平均構造式:MD40q2 M(なおDq2は、化学式:(CH)QSiOで表されるシロキシ単位を表わす。但し、Qは、―C―O―(CO)14(CO)14 で表されるポリオキシアルキレンブロックを示す。以下同じ。)を有するポリエーテル変性シロキサン
【0075】
比較例4
・ポリエーテル変性シリコーンオイルD:
粘度2,000mPas、屈折率1.502で、平均構造式:MD33q1 4.5 13M(なおDは、化学式:(Ph)SiOで表されるシロキシ単位を表わす。但し、Phはフェニル基である。)を有するポリエーテル変性シロキサン
【0076】
なお、25℃の相溶性試験では、ポリエーテル変性シリコーンオイルと各種油剤とを1:1の重量比で混合し、25℃で24時間静置した後、状態を観察した。また、50℃の相溶性試験では、ポリエーテル変性シリコーンオイルと各種油剤とを1:1の重量比で混合し、50℃での状態を観察した。そして、相溶状態を以下の基準に基づいて評価した。
【0077】
[評価基準]
S;均一透明で相溶の状態
PS;半透明〜白濁で分散している状態(分離していない状態)
I;二層分離の状態
【0078】
相溶性試験の結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004098116
【0079】
[抱水性試験]
実施例1および実施例2で得られたポリエーテル変性シリコーンオイルについて、抱水性試験を行った。また、比較例1〜4として、ポリエーテル変性シリコーンオイルA〜Dについて、同様に抱水性試験を行った。
【0080】
この試験では、試料10gに精製水を0.2〜0.5mlずつ滴下しながら練りこみ、水が入らなくなった点を終点とし、試料に対する百分率(%)で示し抱水率とした。
【0081】
[評価基準]
上記方法により抱水性が確認できたもののみを、百分率(%)で表した。水に対して溶解または分散したものについては、溶解または分散と表した。
【0082】
抱水性試験の結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004098116
【0083】
実施例3,4<W/O乳化型ファンデーション>
表3に示す成分組成にしたがって、W/O乳化型ファンデーションを処方した。
【0084】
実施例3では、(1)スクワランと(2)ジメチルポリシロキサン(粘度6mPa・s)と(4)実施例1で得られたポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンと(8)デカメチルシクロペンタシロキサン、および(14)パルミチン酸デキストリン処理二酸化チタンから(17)パルミチン酸デキストリン処理酸化鉄までの各成分を混合分散し、予め油相分散液を調製しておいた。次いで、この油相分散液を高速撹拌機(ディスパー)用いて撹拌しながら、それに、(3)プロピレングリコールと(9)イオン交換水から(13)パラベンまでの各成分、および(18)酸化防止剤と(19)香料を溶解した混合水相を室温で徐々に添加し、目的のW/O乳化型ファンデーションを得た。
【0085】
実施例4では、実施例2で得られたポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを、比較例5ではポリエーテル変性シリコーンオイルBを、比較例6ではポリエーテル変性シリコーンオイルDをそれぞれ用いた以外は実施例3と同様にして、W/O乳化型ファンデーションを得た。
【0086】
次に、実施例3,4および比較例5,6でそれぞれ得られたW/O乳化型ファンデーションについて、安定性試験および使用性試験を実施し、その性能を評価した。
【0087】
安定性試験は、50℃1ヶ月放置後の外観による観察で行い、使用性試験は、女性専門パネラー(10名)による実使用試験によって行った。実使用試験は、使用時の好みを評価基準にしたがって判定した。これらの試験結果を、表3下欄に示す。なお、これらの性能試験における評価基準は以下の通りである。
【0088】
[安定性の評価基準]
○:分離が全くみられない。
△:分離が若干みられる。
×:液相(油相または水相)の分離が生じた。
【0089】
[使用性の評価基準]
【0090】
〈べたつき感〉
◎:8名以上が、潤いがありしっとりとし、べたつかず使用性良好と判定。
○:6名以上7名以下が、潤いがありしっとりとし、べたつかず使用性良好と判定。
△:3名以上5名以下が、潤いがありしっとりとし、べたつかず使用性良好と判定。
×:2名以下が、潤いがありしっとりとし、べたつかず使用性良好と判定。
【0091】
〈のび感〉
◎:8名以上が、のびが軽くなめらかで使用性良好と判定。
○:6名以上7名以下が、のびが軽くなめらかで使用性良好と判定。
△:3名以上5名以下が、のびが軽くなめらかで使用性良好と判定。
×:2名以下が、のびが軽くなめらかで使用性良好と判定。
【0092】
〈化粧膜の仕上がり感(つや)〉
◎:8名以上が、つやがあり仕が上り感良好と判定。
○:6名以上7名以下が、つやがあり仕上がり感良好と判定。
△:3名以上5名以下が、つやがあり仕上がり感良好と判定。
×:2名以下が、つやがあり仕上がり感良好と判定。
【0093】
【表3】
Figure 0004098116
【0094】
実施例5<スキンクリーム>
下記の成分組成にしたがってスキンクリームを処方した。
【0095】
Figure 0004098116
【0096】
成分(1)、(2)および(4)を混合し、予め油相混合物を調製した後、この油相混合物を高速撹拌機を用いて撹拌しながら、これに、成分(3)および成分(5)〜(10)を混合撹拌溶解した混合水相を室温で徐々に添加し、目的のスキンクリームを得た。
【0097】
こうして得られたスキンクリームについて、実施例3,4と同様に使用性試験および安定性試験を実施し、その性能を評価した。皮膚に塗布した場合、潤いを与えしっとりとした感触を有し、べたつきがなく、しかものびが軽く、べたつき感とのび感についての使用性はどちらも良好であった。また、安定性も良好なものであり、分離は全くみられなかった。
【0098】
実施例6<両用固形ファンデーション>
下記の成分組成にしたがって両用固形ファンデーションを処方した。
【0099】
Figure 0004098116
【0100】
成分(1)〜(9)をヘンシェルミキサーで混合した後、成分(11)に溶解した成分(10)を加え、振動ボールミルにより70分間混合摩砕した。これに成分(12)〜(16)を加熱溶解して加え、さらに成分(17)を加えてブレンダーによりよく混合した。その後、これを粉砕機で粉砕し圧縮成型して、両用固形ファンデーションを得た。
【0101】
こうして得られた両用固形ファンデーションについて、実施例3,4と同様に使用性試験および安定性試験を実施し、その性能を評価した。皮膚に塗布した場合、潤いを与えしっとりとした感触を有し、べたつきがなく、しかものびが軽く、べたつき感とのび感についての使用性はどちらも良好であった。
【0102】
実施例7<日焼け止め化粧料(W/Oクリ−ム)>
下記の成分組成にしたがって日焼け止め化粧料(W/Oクリ−ム)を処方した。
【0103】
Figure 0004098116
【0104】
成分(1)〜(6)および成分(10)、(11)を溶解し、オイルパートとした。また、成分(7)に成分(8)、(9)を溶解し、水相パートとした。オイルパートに水相パートを添加し、乳化した。乳化機を用いて乳化粒子を調整し、日焼け止め化粧料(W/Oクリ−ム)を得た。
【0105】
得られた日焼け止め化粧料について、実施例3,4と同様に使用性試験および安定性試験を実施し、その性能を評価した。べたつき感とのび感についての使用性は◎であり、皮膚に塗布した場合、潤いを与えしっとりとした感触を有し、べたつきがなく、しかものびが軽かった。また、安定性も良好なものであり、評価は○であった。
【0106】
実施例8<油性スティック口紅>
下記の成分組成にしたがって油性スティック口紅を処方した。
【0107】
Figure 0004098116
【0108】
成分(1)〜(4)を混合し、85℃で加熱溶解した。次いで、この混合物の中に、均一に混練した成分(5)と(6)の混練物を十分に分散させ、さらに成分(7)を添加混合しものを、適当な型に流し込み冷却成型して、油性スティック口紅を得た。
【0109】
こうした得られた油性スティック口紅について、実施例3,4と同様に使用性試験および安定性試験を実施し、その性能を評価した。べたつき感とのび感についての使用性は◎であり、皮膚に塗布した場合、潤いを与えしっとりとした感触を有し、べたつきがなく、しかものびが軽かった。また、化粧膜の仕上がりのよさ(つや)も良好であり、仕上がり感についての使用性は◎であった。
【0110】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンは、極性の低い油剤から高い油剤まで幅広い極性を有する各種の油剤と相溶性を有し、かつ高い屈折率を有している。また、抱水性が高く良好な保湿効果を発揮するので、皮膚化粧料のような化粧品材料として極めて有用である。

Claims (4)

  1. 一般式:MDD’ M(式中、Mは一般式:RSiO0.5で表されるシロキシ単位、Dは一般式:RSiOで表されるシロキシ単位、D’は一般式:RR’SiOで表されるシロキシ単位、Dは一般式:RQSiOで表されるシロキシ単位をそれぞれ表す。ここで、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、2−フェニルエチル基と2−フェニルプロピル基のいずれかであるアラルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選ばれる1価の炭化水素基、R’は2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基、Qは一般式:―R―O―(CO)―(CO)―Rで表されるポリオキシアルキレンブロックを表す。但し、連結基Rは―C2m―、末端基Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基であり、mは2〜8の値を有し、pは0〜50、sは0〜50で(p+s)は1以上の値を有している。また、xは0〜1,000、yは1〜100、zは1〜50の値を有している。)で表されることを特徴とするポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン。
  2. 25℃における屈折率が1.45〜1.55であることを特徴とする請求項1記載のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン。
  3. 以下の一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を含むシラン化合物を加水分解する工程と、前記工程で得られた加水分解物を平衡化反応させる第1の平衡化反応工程と、前記第1の平衡化反応工程で得られた生成物と、ケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを反応させる第2の平衡化反応工程と、前記第2の平衡化反応工程で得られた生成物にアルケニル基含有ポリエーテル化合物を付加反応させる工程とを備えることを特徴とする請求項1または2記載のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの製造方法。
    Figure 0004098116
    (式中、Xは加水分解性基、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、2−フェニルエチル基と2−フェニルプロピル基のいずれかであるアラルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選ばれる1価の炭化水素基である。)
  4. 請求項1または2記載のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを含むことを特徴とする皮膚化粧料。
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