JP2001002924A - 含フッ素球状粉体、その製造方法及び化粧料 - Google Patents
含フッ素球状粉体、その製造方法及び化粧料Info
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Abstract
ッ素アミド化合物、 【化1】 (B)1分子中に1個以上の一価のパーフルオロオキシ
アルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパ
ーフルオロオキシアルキレン基及び二価のパーフルオロ
アルキレン基から選ばれる基を有し、かつ2個以上のヒ
ドロシリル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
の付加反応硬化物からなり、平均粒径が0.1〜100
μm、JIS−A硬度が5〜90である含フッ素球状粉
体。 【効果】 本発明の含フッ素球状粉体は、耐溶剤性、耐
薬品性、耐熱性、低温特性に優れている上、優れた耐油
性を有し、しかも分散性が良好であり、化粧料等の添加
剤などとして好適である。
Description
合成ゴム、天然ゴム、艶出し剤、離型剤など、特に化粧
料への添加剤として好適な耐油性に優れた含フッ素球状
粉体及びその製造方法、この含フッ素球状粉体を配合し
た化粧料に関する。
各種球状有機樹脂粉体として、例えばポリエチレン樹
脂、ポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート樹脂、ウ
レタン樹脂、ナイロン6/6樹脂といったものが提案さ
れている。これらの球状有機樹脂粉体は、合成樹脂、イ
ンキ、塗料、化粧料、トナー、顔料、コーティング剤等
の添加剤や、液晶スペーサーとして広く応用展開できる
ことが提案されている。
は、他の有機性油性物質と共存した場合に有機性油性物
質を吸収しやすく、その結果、添加製品の形状、特性が
変化することが問題とされてきた。
としてポリテトラフルオロエチレンを成分とするものが
種々提案されている。しかし、この球状有機樹脂粉体
は、通常フッ素系乳化剤の存在下でテトラフルオロエチ
レンを重合して製造され、伸びきり鎖結晶からなる高結
晶性の粉体で、異方性を有する粉体であるため、分散
性、触感に問題があった。更に、ポリフルオロエチレン
は分子間の凝集エネルギーが低いため、少しのせん断で
可塑変形しやすい性質(フィブリル化特性)を有し、そ
のため分散不良が起きやすいといった問題もあり、満足
できるものではなかった。
で、耐油性に優れ、しかも分散性の良好な含フッ素球状
粉体及びその工業的に有利な製造方法、並びにこの含フ
ッ素球状粉体を配合した化粧料を提供することを目的と
する。
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般
式(1)で示される含フッ素アミド化合物と下記の特定
の含フッ素オルガノ水素シロキサンとの付加反応硬化物
からなり、平均粒径が0.1〜100μm、JIS−A
硬度が5〜90である含フッ素球状粉体が、耐溶剤性、
耐薬品性、耐熱性及び低温特性に優れている上、耐油性
に優れ、しかも水性溶媒への分散性も良好であり、化粧
料等の添加剤として好適であること、かかる含フッ素球
状粉体を配合した化粧料は、優れた使用感を有し、化粧
の持続性に優れ、色ムラがなく、仕上がりが美しいこと
を知見した。
は、下記式(1)の含フッ素アミド化合物と下記の特定
の含フッ素オルガノ水素シロキサンとの付加反応硬化物
の混合物に、界面活性剤を添加して水性エマルジョンと
した後、白金族化合物を添加して付加反応させ、水性溶
媒中に分散した含フッ素球状硬化物を得ること、この場
合、この含フッ素球状硬化物が分散した水性分散液の含
フッ素球状硬化物を含有するエマルジョンを破壊し、或
いは含フッ素球状硬化物が分散した水性分散液を噴霧乾
燥し、含フッ素球状硬化物の粉体を回収することによ
り、工業的に有利に製造できることを見出した。
式(1)で示される含フッ素アミド化合物、
クロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキ
ル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲ
ン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、R2
は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基、Qは下記
一般式(2)又は(3)で示される基
ケイ素原子の1種又は2種以上を介在させてもよい炭素
数1〜20の、アルキレン基、シクロアルキレン基、ア
リーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原
子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基
とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基を示
す。)
アルキレン基、シクロアルキレン基及びこれらの基の水
素原子の一部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる
二価炭化水素基を示す。) Rfは−CmF2m−(m=1〜10)で示される二価の
パーフルオロアルキレン基又は下記式で示される基から
選ばれる二価のパーフルオロポリエーテル基であり、a
は0〜10の整数である。]
q≧1、2≦p+q≦200、特に2≦p+q≦11
0、0≦k≦6の整数)
0≦s+t≦200、特に2≦s+t≦110の整数)
0、1≦v≦20の整数)
アルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパ
ーフルオロオキシアルキレン基及び二価のパーフルオロ
アルキレン基から選ばれる基を有し、かつ2個以上のヒ
ドロシリル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
の付加反応硬化物からなり、平均粒径が0.1〜100
μm、JIS−A硬度が5〜90であることを特徴とす
る含フッ素球状粉体、〔II〕上記(A)成分、(B)
成分の混合物に、界面活性剤を添加して水性エマルジョ
ンを形成した後、白金族化合物を添加して付加反応さ
せ、水性溶媒中に分散した含フッ素球状硬化物を得る上
記含フッ素球状粉体の製造方法、〔III〕含フッ素球
状硬化物の水性分散液のエマルジョンを破壊して、含フ
ッ素球状硬化物の粉体を回収するようにした上記含フッ
素球状粉体の製造方法、〔IV〕水性溶媒中に含フッ素
球状硬化物が分散した含フッ素球状硬化物粉体の水性分
散液を噴霧乾燥して、含フッ素球状硬化物粉体を回収す
るようにした上記含フッ素球状粉体の製造方法、〔V〕
上記含フッ素球状硬化物を配合してなる化粧料を提供す
る。
と、本発明の含フッ素球状粉体の原料の(A)成分は、
下記一般式(1)で示される含フッ素アミド化合物であ
り、これは本出願人が特開平8−198926号公報に
提案したものである。
1〜10、特に1〜8の脂肪族不飽和結合を除く、置換
又は非置換の一価炭化水素基であり、R2は水素原子又
はR1と同様の一価炭化水素基である。R1、R2の一価
炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t
ert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル
基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニ
ル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シ
クロヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリ
ル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジ
ル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチル
ベンジル基等のアラルキル基、或いはこれらの基の水素
原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換したクロロメ
チル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基、6,6,6,5,5,
4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル基等のフッ素置
換アルキル基などが挙げられる。
式(2)又は(3)で示される基である。
る。R3は、置換又は非置換の二価炭化水素基であり、
炭素数1〜20、特に2〜10の二価炭化水素基であ
り、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン
基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基
等のアルキレン基、シクロヘキシレン基等のシクロアル
キレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、
ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、或い
はこれらの基の水素原子の一部をハロゲン原子等で置換
した基、或いはこれらの置換又は非置換のアルキレン
基、アリーレン基の組み合わせである。
原子及びケイ素原子から選ばれる原子の1種又は2種以
上を介在させてもよい。この場合、酸素原子は−O−、
窒素原子は−NR’−(R’は水素原子又は炭素数1〜
8、特に1〜6のアルキル基又はアリール基である)と
して介在することができる。また、ケイ素原子は下記の
基のように直鎖状又は環状のオルガノシロキサンを含有
する基或いはオルガノシリレン基として介在することが
できる。
様の炭素数1〜8のアルキル基又はアリール基、
R’’’は前記R3として例示したものと同様の炭素数
1〜6のアルキレン基又はアリーレン基であり、n=0
〜10、特に0〜5の整数である。) このような基としては、下記の基を例示することができ
る。
素数1〜10、特に2〜6の置換又は非置換の二価炭化
水素基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメ
チレン基等のアルキレン基、シクロヘキシレン基等のシ
クロアルキレン基、或いはこれらの基の水素原子の一部
をハロゲン原子で置換した基である。
式(1)中のQとして具体的には、下記の基が例示され
る。なお、以下の化学式において、Meはメチル基、P
hはフェニル基を示す。
ルオロアルキレン基又は二価パーフルオロポリエーテル
基であり、二価パーフルオロアルキレン基としては−C
mF2m−(但し、m=1〜10、好ましくは2〜6であ
る。)で示されるものであり、二価パーフルオロポリエ
ーテル基としては下記式で示されるものである。
q≧1、2≦p+q≦200、特に2≦p+q≦11
0、0≦k≦6の整数)
0≦s+t≦200、特に2≦s+t≦110の整数)
0、1≦v≦20の整数)
の整数であり、従って、式(1)の含フッ素アミド化合
物は、1分子中に二価パーフルオロアルキレン基又は二
価パーフルオロポリエーテル基を1個以上含むものであ
るが、aは特に1〜6の整数である。
特開平8−198926号公報記載の方法により製造す
ることができる。即ち、上記式(1)においてaが0で
ある含フッ素アミド化合物(下記式(1’)の化合物)
は、例えば下記一般式(4)で示される両末端に酸フロ
ライド基を有する化合物と下記一般式(5)で示される
一級或いは二級アミン化合物とをトリメチルアミン等の
受酸剤の存在下で反応させることにより合成することが
できる。
なる含フッ素アミド化合物は、例えば上記式(4)で示
される両末端に酸フロライド基を有する化合物と下記一
般式(6) H−Q−H (6) (Qは上記と同様の意味を示す。)で示されるジアミン
化合物とを受酸剤の存在下で反応させることにより合成
することができる。
ッ素アミド化合物は、25℃における粘度が100〜1
00,000cSt(センチストークス)の範囲、特に
200〜20,000cStの範囲が好適である。低粘
度すぎると紙などのように染込み易い基材に塗布した場
合などに基材表面にポリマーが存在し難くなると共に、
得られる硬化物がエラストマーとしての伸びが小さくな
り、バランスのとれた物性が得られない場合が生じる。
また、高粘度すぎるとそのエマルジョン化が困難となる
場合がある。
キサンであり、上記含フッ素アミド化合物の架橋剤、鎖
長延長剤として働くものである。この(B)成分の含フ
ッ素オルガノ水素シロキサンは、一分子中に1個以上の
一価のパーフルオロオキシアルキル基、一価のパーフル
オロアルキル基、二価のパーフルオロオキシアルキレン
基又は二価のパーフルオロアルキレン基を有し、かつ2
個以上、好ましくは3個以上のヒドロシリル基、即ちS
i−H基を有するものである。
フルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキレン
基、パーフルオロアルキレン基としては、下記一般式で
示されるものを挙げることができる。 一価のパーフルオロアルキル基: CmF2m+1−(mは1〜20、好ましくは2〜10の整
数) 二価のパーフルオロアルキレン基: −CmF2m−(mは1〜20、好ましくは2〜10の整
数)
環状でも鎖状でもよく、更に三次元網状でもよく、特に
ケイ素原子に結合した置換基として下記一般式で示され
るパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロアルキ
ルエーテル基或いはパーフルオロアルキレン基、二価の
パーフルオロアルキルエーテル基を含有する有機基を分
子中に少なくとも1個有するものが好適である。
基、プロピレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン
基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基
等のアリーレン基などの好ましくは炭素数1〜10、特
に2〜6の二価炭化水素基、R 7は水素原子或いは前記
したR2と同様の好ましくは炭素数1〜8、特に1〜6
の一価炭化水素基、Rf1、Rf2はそれぞれ前記で挙げた
一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオ
キシアルキル基、二価のパーフルオロオキシアルキレン
基又は二価のパーフルオロアルキレン基である。
水素シロキサンにおける一価又は二価の含フッ素置換
基、即ちパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシ
アルキル基、パーフルオロオキシアルキレン基或いはパ
ーフルオロアルキレン基を含有する一価の有機基以外の
ケイ素原子に結合した一価の置換基としては、前記した
R2と同様の好ましくは脂肪族不飽和結合を除く炭素数
1〜10、特に1〜8の一価炭化水素基が挙げられる。
この含フッ素オルガノ水素シロキサンにおける分子中の
ケイ素原子数はこれに限られるものではないが、通常2
〜60、好ましくは4〜60、より好ましくは4〜30
程度のものが挙げられる。
ンとしては、例えば下記の化合物が挙げられ、これらの
化合物は、単独で使用してもよく、併用してもよい。な
お、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
ルガノ水素シロキサンとして、上記化合物の中でも第一
成分の含フッ素アミド化合物と相溶するものを使用する
ことが好ましく、これにより、より均一な硬化物粉体を
得ることができる。
(A)成分に含まれるアルケニル基、シクロアルケニル
基等の脂肪族不飽和基1モルに対し、(B)成分中のヒ
ドロシリル基、即ちSi−H基を好ましくは0.5〜5
モル、より好ましくは1〜2モル供給する量である。配
合量が少なすぎると架橋度合いが不十分になる場合があ
り、多すぎると鎖長延長が優先し、硬化が不十分となっ
たり、発泡したり、耐熱性等を悪化させる場合がある。
る配合量は、通常、(A)成分100重量部に対して
0.1〜50重量部の範囲とすることが好適である。
成分と(B)成分との付加反応硬化物からなる球状のも
ので、その平均粒径は0.1〜100μm、好ましくは
1〜50μm、より好ましくは3〜20μmである。平
均粒径が小さすぎると潤滑性や離型性が不十分となり、
大きすぎると異物感が生じてしまう。
A硬度が5〜90、好ましくは10〜80、より好まし
くは15〜70である。硬度が低すぎると、潤滑性や離
型性が不十分となり、大きすぎると異物感が生じる。
より製造することができる。即ち、上記した(A)成分
の含フッ素アミド化合物と(B)成分の含フッ素オルガ
ノ水素シロキサンとの所定量を混合し、これに界面活性
剤を添加配合して水性エマルジョンを形成した後、白金
系触媒を添加して付加反応させ、硬化させることによ
り、水性溶媒に分散状態の含フッ素球状硬化物を得るこ
とができる。
悪影響を及ぼすことの少ないポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤
を使用することが好ましい。これらは混合後のHLBが
10〜15であるものとすることがよい。
0重量部に対して1〜80重量部、特に10〜60重量
部の範囲が好ましい。含有量が少なすぎると効率的に不
利となる場合があり、多すぎると独立した硬化粒子のエ
マルジョンとすることができなくなる場合がある。
の水性溶媒、特に水を使用するもので、水性溶媒の配合
量は、上記(A)成分の濃度が5〜80重量%、特に3
0〜80重量%となる量とすることが好ましい。
化物中にオイル、シラン、無機系粉体、有機系粉体など
を含有させてもよく、この場合は、エマルジョン化をす
る際にこれら添加剤を混合しておくことができる。
性エマルジョンに白金族化合物を添加して含フッ素アミ
ド化合物及び含フッ素オルガノ水素シロキサンを付加反
応させ、付加反応硬化物を得る。
含フッ素アミド化合物と(B)成分の含フッ素オルガノ
水素シロキサンとの付加反応(ヒドロシリル化)に触媒
として用いられるもので、公知の付加反応促進用白金系
触媒を使用できる。例えば、塩化白金酸、塩化白金酸の
アルコール溶液、塩化白金酸のアルデヒド溶液、塩化白
金酸と各種オレフィン化合物、ケイ素化合物との錯塩、
白金/シリカ、アルミナ、カーボン等が挙げられる。具
体的には、RhCl(PPh3)3、RhCl(CO)
(PPh3)2、RhCl(C2H4)2、Ru3(C
O)12、IrCl(CO)(PPh3)2、Pd(PPh
3)4等を例示することができる。
時に乳化せず、上記した(A)、(B)成分を水と共に
乳化してエマルジョンとした後、エマルジョンの使用直
前に混合することが好ましいので、水分散が可能なもの
がよい。
(B)成分の合計量に対して白金原子量で5〜100p
pmとなる範囲が好ましい。少なすぎると硬化が遅くな
る上、触媒毒の影響も受けやすい場合があり、多すぎる
と硬化速度の向上等を期待することができず、経済的に
好ましくない場合がある。
媒の活性を制御する目的で加える各種有機窒素化合物、
有機リン化合物、アセチレン化合物等の公知の付加反応
制御剤を添加しても良いし、この白金系触媒及び反応制
御剤が水に分散し難いものである場合には、これらを予
め界面活性剤を用いて水分散が可能となるようにしてか
ら添加してもよい。
合物を添加して室温下に放置或いは加熱することで容易
に硬化物粉体の水性分散液を与えるもので、その硬化条
件に特に制限はないが、室温下に24時間以上放置、或
いは40〜150℃で0.5〜10時間加熱硬化させる
ことができる。
物が分散した水性分散液の含フッ素球状硬化物を含有す
るエマルジョンを破壊した後、乾燥させることで、含フ
ッ素球状硬化物の粉体を回収することができる。
水性分散液に室温もしくは100℃以下の温度で硫酸ナ
トリウム・硫酸マグネシウム等の無機塩、メタノール、
エタノール等のアルコール類を添加し、エマルジョンを
破壊させる。その後、加圧濾過等により濾過し、必要に
応じて水洗を行って添加した無機塩、界面活性剤等を除
去し、得られた洗浄物を乾燥させることにより、含フッ
素球状硬化物粉体を得ることができる。なお、乾燥後、
乾燥時に生じた凝集を解砕するために、粉砕機を用いて
も差し支えない。
物が分散した水性分散液をスプレードライ等により噴霧
して乾燥させることによって、含フッ素球状粉体を得る
ことも可能である。なお、噴霧・乾燥は、通常の方法で
行うことができ、その条件も適宜調整することができ
る。
球状粉体は、化粧料、塗料等の添加剤などとして利用す
ることができ、特に化粧料に配合することが好適であ
る。この場合、本発明においては、含フッ素球状粉体と
して、含フッ素球状硬化物の水性分散液をこのままの状
態で利用しても、回収した含フッ素球状硬化物粉体を配
合してもよい。
ン類、各種クリーム類、防臭パウダー、プレスドパウダ
ー、おしろいパウダー、ひげ剃りパウダー、ドライシャ
ンプー等のパウダー製品類、口紅、アイシャドウ、マス
カラ、アイライナー等のメイクアップ化粧料、シャンプ
ー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアリンス、ヘア
クーリーム、ヘアスプレー、ヘアセット剤、染毛剤など
のヘアケア化粧料、化粧落としなどの洗浄料類、ロール
オン、スプレーなどの各種制汗剤等が挙げられるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
料に配合する場合、含フッ素球状粉体の配合量は、化粧
料100重量部に対して0.5〜50重量部、特に1〜
10重量部が好適である。配合量が少なすぎると滑らか
さ、さらさら感が十分に付与されない場合があり、多す
ぎると異物感を生じ、更に色ムラを生じやすくなる場合
がある。
の他に、その剤型に応じて一般に用いられる粉体類、結
合油剤、界面活性剤、香料、防腐剤、溶剤などを本発明
の効果を妨げない範囲で任意に配合することができる。
することができる。例えば、前記の含フッ素球状粉体を
他の粉体類と共にヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー、Vブレンダー、らいかい機、ナウターミキサーなど
の混合機を用いて混合し、更に、この混合物を別途に溶
解あるいは分散混合した結合油剤、界面活性剤などと、
リボンブレンダー、プラネタリーミキサー等を用いて混
合すればよい。その他必要に応じてプレス成形等を行
い、化粧料を得ることができる。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例において、粘度は25℃におけ
る値である。
度、含フッ素球状硬化物の平均粒径、形状及び吸油量は
次のようにして測定した。 含フッ素球状硬化物の硬度の測定方法:硬化性オルガノ
ポリシロキサン組成物中の(A)及び(B)成分の混合
物50gに塩化白金酸のジビニルテトラメチルジシロキ
サン錯体のPt換算濃度0.5重量%のトルエン溶液
0.20gと、制御剤として2−メチル−2−トリメチ
ルシロキシ−3−ブテン0.10gを添加して均一に混
合し、アルミ皿(直径60mm、深さ9.5mm)に2
6gを秤取し、室温で4時間放置後、60℃で12時間
の条件で架橋させ、25℃まで放冷させた後、JIS−
K−6301に規定されるJIS−A硬度計により測定
した。 含フッ素球状硬化物の平均粒径及び形状:得られた含フ
ッ素球状硬化物粉体を光学顕微鏡によりこの粒子径及び
形状を測定した。 <吸油量>含フッ素球状硬化物5.0gを50mlのガ
ラスビンに取り、50gのトルエンを添加し、振とう機
にて10分間よくふり混ぜた後、室温静置し、3日後に
1kg/cm2の圧力でろ紙を用いて加圧ろ過を行い、
ろ過後の粉体重量を測定し、試験後の増加重量を算出す
ることにより、粉体5g当たりの吸油量とした。また、
トルエンの代わりにアセトンを用いても同様の試験を行
い、吸油量を測定した。
含フッ素アミド化合物(A−1)(粘度2100cs、
ビニル価0.031ml/100g)466.7g、下
記構造式(8)で示される架橋剤(B−1)33.3g
の混合物に、HLBが13.6のポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル(製品名:エマルゲン109P(花王
(株)製))4.0gと水60gを均一に溶解させたも
のを添加し、ホモミキサーで5000rpmで攪拌する
ことにより、転相がおこり濃厚な水中油型乳化物を得
た。10分間混練後、ホモミキサーの回転数を2000
rpmにし、水436gを加えて希釈し、均一なエマル
ジョンを得た。
化白金酸のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のト
ルエン溶液4.0g(Pt換算濃度0.5重量%)とエ
マルゲン109P 8.0gを予め均一に溶解させたも
のを添加し、室温で24時間攪拌して硬化反応を完了さ
せ、含フッ素球状硬化物粉体の水性分散液を得た。(こ
の分散液を水性分散物1とする)。
物1を80℃に昇温し、硫酸ナトリウム120gを添加
することによりエマルジョンを破壊し、エマルジョン粒
子を凝集させた。この凝集物を1000gの水で3回水
洗し、硫酸ナトリウム及び乳化剤を洗い流し、105℃
の乾燥機で12時間乾燥し、市販のミキサーで粉砕する
ことにより、白色の微粉体を得た。
径、形状、及び吸油量を測定した。結果を表1に示す。
(A−1)446.7g及びポリマー(B−1)33.
3gを下記構造式(9)で示される含フッ素アミド含有
化合物(A−2)(粘度1100cSt、ビニル価0.
060mol/100g)445.4g及び架橋剤(B
−1)54.6gとした他は実施例1と同様にして含フ
ッ素硬化物粉体の水性分散液を得、次いで、実施例2と
同様の方法で含フッ素球状硬化物粉体を合成し、ゴム硬
度、粉体粒径、形状、及び吸油量を測定した。結果を表
1に示す。
(A−1)、ポリマー(B−1)の代わりに、下記構造
式(10)で示されるオルガノポリシロキサン(C−
1)441.6g及び下記構造式(11)で示されるオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン(D−1)58.
4gを使用した以外は実施例1と同様にして含フッ素球
状硬化物粉体の水性分散液を得、次いで、この水性分散
液から実施例2と同様にして白色の微粉末を得た。得ら
れた粉体について、ゴム硬度、平均粒径、形状及び吸油
量を測定した。結果を表2に示す。
(A−1)、ポリマー(B−1)の代わりに下記構造式
(12)で示されるオルガノポリシロキサン(C−2)
483.0g、及び下記構造式(13)で示されるオル
ガノハイドロジェンポリシロキサン(D−2)17.0
8gを使用した以外は、実施例1と同様にして含フッ素
球状硬化物粉体の水性分散液を得、次いで、実施例2と
同様にして白色の微粉末を得た。得られた粉体につい
て、ゴム硬度、粉体粒径、形状、及び吸油量を測定し
た。結果を表2に示す。
ャンプーを得た。 ポリオキシエチレン(EO付加モル数=3) ラウリル硫酸ナトリウム(25%水溶液) 16.0重量% ラウリル硫酸ジエタノールアミド 4.0 ジメチルポリシロキサン(5000st)水性乳濁液(50%) 3.0 水性分散物1(実施例1) 1.0 プロピレングリコール 2.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1精製水 残量 計 100.0重量% このヘアシャンプーで洗髪し、ヘアドライヤーで乾燥後
の櫛通り性を確認したところ、すべり性が良好であり頭
髪の感触はさらさら感に優れていた。
る。 上記製造方法により製造したファンデーションの使用感
及び使用性について、女性10名のパネラーにより評価
したところ、10名とも従来品に比較して、使用時のマ
ットやスポンジヘの取れ易さが良好で、ケーキングしに
くく、塗工時の伸展性、滑らかさ、さらさら感に優れた
評価であった。
に成分(7)〜(11)を均一に分散する。 B:成分(12)、成分(14),(15)を混合し、
加温する。 C:AにBを加えて攪拌乳化する。 D:Cを冷却し、成分(13)を加えてリキッドファン
デーションを得る。 上記製造方法により製造したリキッドファンデーション
の使用感及び使用性について、女性10名のパネラーに
より評価したところ、10名とも従来品に比較して、塗
工時の伸び、塗布後のさらさら感、滑らかさに優れると
の評価であった。
る。 C:AにBを添加し、混合した後、冷却し、成分(1
2)を添加してリンスを得る。 上記製造方法により製造したリンスの使用感及び使用性
を女性10名のパネラーにより評価したところ、10名
とも従来品に比較して、使用時にべたつきや重さがな
く、毛髪に優れた艶を与え、さらさら感、櫛通りのよ
い、使用後も性能持続性も優れたものとの評価であっ
た。
し、ヘアスプレーを得る。 上記製造方法により得られたヘアスプレーの使用感及び
使用性を女性10名のパネラーにより評価したところ、
10名とも従来品に比較して、使用時にべたつきや重さ
がなく、毛髪に優れた光沢を与え、さらさら感、なめら
かさ、しっとり感、櫛通りのよい、使用性も持続性も優
れたものであった。
性、耐薬品性、耐熱性、低温特性に優れている上、優れ
た耐油性を有し、しかも分散性が良好であり、化粧料等
の添加剤などとして好適である。この含フッ素球状粉体
を配合した化粧料は、優れた使用感を有し、化粧の持続
性に優れ、色ムラがなく、仕上がりが美しいという特徴
を有する。本発明の製造方法によれば、上記含フッ素球
状粉体を工業的に有利に製造することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)下記一般式(1)で示される含フ
ッ素アミド化合物、 【化1】 [但し、式中R1は炭素数1〜10の、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキ
ル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲ
ン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、R2
は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基、Qは下記
一般式(2)又は(3)で示される基 【化2】 (但し、式中R3は結合途中に酸素原子、窒素原子及び
ケイ素原子の1種又は2種以上を介在させてもよい炭素
数1〜20の、アルキレン基、シクロアルキレン基、ア
リーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原
子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基
とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基を示
す。) 【化3】 (但し、式中R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜10の、
アルキレン基、シクロアルキレン基及びこれらの基の水
素原子の一部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる
二価炭化水素基を示す。)Rfは−CmF2m−(m=1
〜10)で示される二価のパーフルオロアルキレン基又
は下記式で示される基から選ばれる二価のパーフルオロ
ポリエーテル基であり、aは0〜10の整数である。] 【化4】 (YはF又はCF3基、p,q,kはそれぞれp≧1、
q≧1、2≦p+q≦200、0≦k≦6の整数) 【化5】 (r,s,tはそれぞれ0≦r≦6、s≧0、t≧0、
0≦s+t≦200の整数) 【化6】 (YはF又はCF3基、u,vはそれぞれ1≦u≦2
0、1≦v≦20の整数) 【化7】 (wは1≦w≦100の整数) (B)1分子中に1個以上の一価のパーフルオロオキシ
アルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパ
ーフルオロオキシアルキレン基及び二価のパーフルオロ
アルキレン基から選ばれる基を有し、かつ2個以上のヒ
ドロシリル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
の付加反応硬化物からなり、平均粒径が0.1〜100
μm、JIS−A硬度が5〜90であることを特徴とす
る含フッ素球状粉体。 - 【請求項2】 (A)成分の含フッ素アミド化合物中の
置換基R1及びR2のアリール基が、フェニル基、トリル
基、キシリル基又はナフチル基であり、アラルキル基が
ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基又
はメチルベンジル基であり、R3のアリーレン基がフェ
ニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基又
はビフェニレン基であり、R3の結合の途中に介在され
る酸素原子は−O−、窒素原子は−NR’−(R’は水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基又はアリール
基)、ケイ素原子は 【化8】 (但し、R’’は炭素数1〜8のアルキル基又はアリー
ル基、R’’’は炭素数1〜6のアルキレン基又はアリ
ーレン基であり、n=0〜10の整数である。)として
介在される請求項1記載の含フッ素球状粉体。 - 【請求項3】 水中に分散されてなる請求項1又は2記
載の含フッ素球状粉体。 - 【請求項4】 前記(A)成分の含フッ素アミド化合物
と(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンとの混
合物に、界面活性剤を添加して水性エマルジョンを形成
した後、白金族化合物を添加して付加反応させ、水性溶
媒中に分散した含フッ素球状硬化物を得る請求項1,2
又は3記載の含フッ素球状粉体の製造方法。 - 【請求項5】 水性溶媒分散液中の含フッ素球状硬化物
粉体を含有するエマルジョンを破壊して含フッ素球状硬
化物の粉体を回収するようにした請求項4記載の含フッ
素球状粉体の製造方法。 - 【請求項6】 水性溶媒中に含フッ素球状硬化物が分散
した水性溶媒分散液を噴霧乾燥して、含フッ素球状硬化
物粉体を回収するようにした請求項4記載の含フッ素球
状粉体の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1,2又は3記載の含フッ素球状
粉体を配合してなる化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16998399A JP2001002924A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 含フッ素球状粉体、その製造方法及び化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16998399A JP2001002924A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 含フッ素球状粉体、その製造方法及び化粧料 |
Publications (1)
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JP2001002924A true JP2001002924A (ja) | 2001-01-09 |
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ID=15896435
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16998399A Pending JP2001002924A (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 含フッ素球状粉体、その製造方法及び化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2001002924A (ja) |
-
1999
- 1999-06-16 JP JP16998399A patent/JP2001002924A/ja active Pending
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