JP4098115B2 - 新規ポリオルガノシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基を含有し、有用性を持つ新規なポリオルガノシロキサンとその製造方法に関する。また、高屈折率を有するポリオルガノシロキサンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フェニル基を有するシリコーン(ポリオルガノシロキサン)は、その光学的特性を生かして、コンタクトレンズのような光学装置の被覆材、毛髪用化粧品のような化粧品の材料あるいはプラスチックの添加剤として使用されている他、耐熱用オイル、耐寒用オイル、離形剤、塗料添加剤としてなど、幅広く利用されている。
【0003】
また、高屈折率のシリコーンとして、従来から、オイゲノールのようなフェノール誘導体やアリール誘導体(α−メチルスチレン)を原料として得られるフェノール変性アリールシロキサンが知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
また、2−フェニルプロピルアルキルジクロロシラン(α−メチルスチレン付加物)を原料として、高屈折率のシリコーンを製造する方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【0005】
さらに、アリールアセチレンやアリールアセチレンジクロロシランを原料として、高屈折率のシロキサン(アリールアセチレン変性シロキサン)を得る方法も知られている。(例えば、特許文献3参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平06−184310号公報(第2−3頁)
【特許文献2】
特開平07−224075号公報(第2−3頁)
【特許文献3】
特開平09−136960号公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法においては、フェニル誘導体による置換割合が低いと屈折率が十分に高いものが得られなかった。また、多くのフェニル基を導入した場合、高屈折率(例えば、屈折率が1.48以上)のものが得られるが、シリコーンとしての良好な特性が損なわれるという問題があった。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基を含有し、一般的な有用性を有する新規なポリオルガノシロキサンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の新規ポリオルガノシロキサンは、以下の化学式(1)で表される2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基がケイ素原子に直接結合したシロキシ単位を有し、一般式:MD H x D y D’ z M(式中、Mは一般式:(CH 3 ) 3 SiO 0.5 で表されるシロキシ単位、D H は一般式:(CH 3 )HSiOで表されるシロキシ単位、Dは一般式:(CH 3 ) 2 SiOで表されるシロキシ単位、D’は一般式:(CH 3 )R’SiOで表されるシロキシ単位をそれぞれ表す。ここでR’は、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基を表し、xは0以上の整数、yおよびzは1以上の整数である。)で表され、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基がケイ素原子に直接結合した置換基全体の15モル%以上を占めることを特徴とする。
【0010】
【化4】
【0011】
また、本発明の製造方法は、新規ポリオルガノシロキサンの製造方法であり、以下の一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を含むシラン化合物を加水分解する工程と、前記工程で得られた加水分解物を平衡化反応させる工程を備えることを特徴とする。
【0012】
【化5】
(式中、Xは加水分解性基、Rはメチル基であり、nは2である。)
【0013】
さらに、本発明の別の製造方法は、新規ポリオルガノシロキサンの製造方法であり、ケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンと、以下の化学式(3)で表される2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを、白金系触媒の存在下で付加反応させる工程を有することを特徴とする。
【0014】
【化6】
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明の新規ポリオルガノシロキサンは、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基がケイ素原子に直接結合したシロキシ単位を少なくとも1個有するポリオルガノシロキサンである。
【0017】
ケイ素原子に直接結合した2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基以外の置換基としては、水素原子;水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などの炭素数1〜30のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基などのアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基;3−アミノプロピル基などのアミノ基置換アルキル基;3−(N−エチルアミノ)プロピル基、3−(N−ブチルアミノ)プロピル基、4−(N−シクロヘキシルアミノ)ブチル基、N−アミノエチルアミノプロピル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基などのアルキルアミノ基置換アルキル基;3−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル基などのエポキシ基含有アルキル基;3−メルカプトプロピル基などのメルカプト基置換アルキル基;3−メタクリロキシプロピル基などのアシルオキシ基置換アルキル基などが例示される。
【0018】
本発明のポリオルガノシロキサンは、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基以外の置換基として、前記した置換基を1種または2種以上有していても良いが、50モル%以上がメチル基であることが好ましい。
【0019】
ポリオルガノシロキサンの主要骨格は特に限定されず、直鎖状、一部に分岐を有する直鎖状、環状あるいは3次元構造を有していても良い。また、その形態も特に限定されず、オイル状、レジン状、ゴム状、粉体のいずれであっても良いが、コンタクトレンズのような光学装置の被覆材、毛髪用化粧品のような化粧品の材料あるいはプラスチックの添加剤、耐熱用オイル、耐寒用オイル、離形剤、塗料添加剤などの用途に使用される場合は、25℃において1〜1,000,000mPa・sの粘度を有するオイル状であることが望ましい。
【0020】
本発明の新規ポリオルガノシロキサンは、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基がケイ素原子に直接結合したシロキシ単位を少なくとも1個有するシロキサンであり、ジメチルシリコーンの屈折率(約1.4)よりも高い屈折率を有する。通常、屈折率が1.45以上であれば良いが、光学的特性を生かして使用する場合は、さらに高屈折率であることが望ましい。
【0021】
そして、例えば25℃における屈折率が1.5以上のポリオルガノシロキサンを得るには、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基が、ケイ素原子に直接結合した置換基の全体に対して15モル%以上を占めるようにする。但し、屈折率が1.55を超えると、ポリオルガノシロキサンが本来持つ特性が損なわれる可能性があるので、屈折率が1.45〜1.55であるものが好ましい。
【0022】
このポリオルガノシロキサンは、以下の一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を含むシラン化合物を加水分解した後、得られた加水分解物であるシラノール化合物を、平衡化反応させることにより得ることができる。
【0023】
【化7】
【0024】
一般式(2)において、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換アルキル基が挙げられる。合成が容易なことからアルキル基が望ましく、その中でも特にメチル基であることが好ましい。
【0025】
また、Xは加水分解性基であり、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基;アセトキシなどのアシロキシ基;ジメチルケトキシマト基、メチルエチルケトキシマト基などのケトキシマト基;アセトアミドのようなアミド基;ジメチルアミノ基などのアミノ基が例示される。合成が容易なことからメトキシ基やクロロ基が望ましく、特に加水分解性が高く加水分解反応に有利なことから、クロロ基であることが好ましい。さらに、ポリオルガノシロキサンを製造する場合には、加水分解性基が少なくとも一つ必要であるため、nは1〜3の整数である。
【0026】
加水分解反応では、前記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を単独で使用しても良いが、他のシラン化合物の1種以上を併用しても良い。併用することができるシラン化合物は、
一般式:RnSiX(4−n)
(式中、Xは加水分解性基、Rは互いに同一あるいは異なる置換または非置換の1価の炭化水素基であり、nは1〜3の整数である。)で表される。
【0027】
上記一般式において、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換アルキル基が挙げられる。合成が容易なことからアルキル基が望ましく、その中でも特にメチル基であることが好ましい。また、Xとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基;アセトキシなどのアシロキシ基;ジメチルケトキシマト基、メチルエチルケトキシマト基などのケトキシマト基;アセトアミドのようなアミド基;ジメチルアミノ基などのアミノ基が例示される。合成が容易なことからメトキシ基やクロロ基が望ましく、特に加水分解性が高く加水分解反応に有利なことから、クロロ基であることが好ましい。
【0028】
加水分解反応に使用する水の量は、使用するシラン化合物の加水分解性基1モルに対して1〜50モル、好ましくは、3〜30モルである。また、加水分解反応に悪影響を及ぼさない範囲で、加水分解を促進するための触媒を使用することができる。例えば、酸性触媒や塩基性触媒が挙げられる。酸性触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸;酢酸などの有機酸が例示され、塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;トリエチルアミンなどの有機塩基が例示される。加水分解反応終了後は、生成物と水層とを分離し、必要に応じて生成物層のpHを中性にし、生成物層に含まれる水を常圧もしくは減圧下で留去する。さらに、加水分解の反応温度は、25〜100℃であり、好ましくは50〜100℃の範囲で行う。
【0029】
次いで、得られた加水分解物を、平衡化反応工程において平衡化させる。ここで、平衡化反応とは、シロキサン結合の開裂と再結合を含む反応であり、共重合体を生成する反応を指すものとする。シラノール基を有するポリオルガノシロキサンでは、平衡化反応とシラノール基の縮合反応が同時に起こることとなる。また、本工程においては、粘度、屈折率など所望する特性や所望するシロキサンの構造に応じて、環状シロキサン、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ハイドロジェンシロキサン、アミノ変性シロキサンなど他のポリオルガノシロキサンの併用も可能である。
【0030】
使用される触媒は特に限定されないが、通常、酸性触媒や塩基性触媒が用いられる。酸性触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸;トリフルオロ酢酸などの有機酸;活性白土などが例示される。また、塩基性触媒としては、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリムなどの無機塩基;それらのシラノレート化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルフォスフォニウムハイドロキサイドなどの有機塩基;およびそれらのシラノレート化合物が例示される。
【0031】
これらの触媒の使用量は、加水分解物および任意に併用するシロキサンの合計量に対して、酸性触媒では10〜10000ppm、好ましくは、50〜5000ppm、塩基性触媒では1〜1000ppm、好ましくは5〜500ppmとする。反応温度は、25〜200℃とし、より好ましくは50〜160℃とする。
【0032】
さらに、本発明のポリオルガノシロキサンは、ケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンと、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを、触媒である白金系化合物の存在下で付加(ヒドロシリル化)反応させることによっても得ることができる。
【0033】
ヒドロシリル化反応に使用される触媒としては、白金族金属系触媒、例えば白金系化合物、パラジウム系化合物、ロジウム系化合物が挙げられる。反応性が良好なことから、白金系化合物が特に好ましい。この白金系化合物としては、塩化白金酸、塩化白金酸をアルコールやケトン類に溶解させたもの、塩化白金酸とオレフィン類との錯化合物、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯化合物、塩化白金酸とジケトンとの錯化合物、白金黒および白金をアルミナ、シリカ等の担体に保持させたものなどが挙げられる。
【0034】
これら触媒の使用量は、いわゆる触媒量でよく、例えば、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンと2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの合計量に対して、白金族金属換算で0.1〜1000ppmの量で使用される。好ましくは0.5〜500ppm、さらに好ましくは1〜100ppmとする。触媒量が0.1ppm未満の場合には、ヒドロシリル化反応の進行が遅く、また1000ppmを超えると経済的に不利であるばかりでなく、付加反応が発熱を伴って急激に進行するおそれがある。また反応温度は、25〜150℃とすることが好ましく、50〜120℃の範囲がさらに好ましい。
【0035】
また、加水分解工程、前記工程で得られた加水分解物の平衡化反応工程、およびヒドロシリル化反応の各工程において、これら反応に悪影響を及ぼさない範囲で溶剤を使用することも可能である。溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;2−プロパノールなどのアルコール系溶剤;ノルマルヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0036】
本発明の実施形態の新規ポリオルガノシロキサンは、屈折率が1.5以上と十分に高く光沢の良好な被膜を形成することができるので、光学装置の被覆材、化粧品材料あるいはプラスチック添加剤としてなど極めて有用である。
【0037】
本発明の実施形態の新規ポリオルガノシロキサンは、屈折率が高く光沢の良好な被膜を形成することができるので、光学装置の被覆材、化粧品材料あるいはプラスチック添加剤としてなど極めて有用である。
【0038】
次に、具体的実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、%は重量%を示す。
【0039】
実施例1
冷却管、滴下ロート、温度計および撹拌機を備えた2リットルのセパラブルフラスコに水810gを入れ、撹拌しながら70℃まで昇温した後、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチルメチルジクロロシラン527g(1.50モル)、ジメチルジクロロシラン194g(1.50モル)およびトリメチルクロロシラン13g(0.12モル)の混合物を、70〜80℃の温度で1時間かけて滴下した。滴下終了後、70〜80℃の温度でさらに1時間撹拌を行った後、水層とオイル層とを分液した。
【0040】
次いで、オイル層に、水790g、塩化ナトリウム21g、重炭酸ナトリウム142gを添加し、90〜100℃の温度で1時間撹拌を行い、オイル層が中和されたことを確認してから、水層とオイル層とを分液した。最後に、オイル層に含まれた水を常圧下100〜110℃の温度で留去した。こうして、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチルメチルジクロロシラン・ジメチルジクロロシランおよびトリメチルクロロシランの共加水分解物である無色透明のオイル515gを得た。
【0041】
次に、こうして得られたオイル515gと水酸化カリウム0.01gを、冷却管、温度計および撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに入れ、145〜150℃の温度で5時間平衡化反応を行った。反応終了後、リン酸0.02gを添加し、さらに145〜150℃の温度で2時間撹拌して中和を行い、無色透明のオイル状物質を得た。
【0042】
得られたオイル状物質の粘度は91,000mPa・sであり、25℃における屈折率は1.535であった。そして、IRスペクトルを測定したところ、1,100〜1,020cm−1にSi−O−Siのピークが認められ、シロキサン構造を採ることが確認された。
【0043】
そして、実施例1の最終生成物がMD25D’25Mで表されるポリオルガノシロキサンであることが確かめられた。(なお、Mは化学式(CH3)3SiO0.5で表されるシロキシ単位、Dは化学式:(CH3)2SiOで表されるシロキシ単位、D’は、R’を2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基として、化学式:(CH3)R’SiOで表されるシロキシ単位をそれぞれ表わす。以下同じ。)
【0044】
実施例2
実施例1で得られた無色透明のオイル(2,4−ジフェニル−4−メチルペンチルメチルジクロロシラン・ジメチルジクロロシランおよびトリメチルクロロシランの共加水分解物)515gと、平均構造式:MD8Mで表されるジメチルシロキサン30.5gを用い、実施例1と同様にして平衡化反応を行わせ、無色透明のオイル状物質を得た。
【0045】
得られたオイル状物質の粘度は17,000mPa・sであり、25℃における屈折率は1.524であった。そして、IRスペクトルで1,100〜1,020cm−1にSi−O−Siのピークが認められ、シロキサン構造を採ることが確認された。
【0046】
そして、実施例2の最終生成物がMD18D’14Mで表されるポリオルガノシロキサンであることが確かめられた。
【0047】
実施例3
冷却管、温度計および撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、実施例2で得られたポリオルガノシロキサン425gと、平均構造式:MDH 25D25Mのジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体52.4gおよびトリフルオロメタンスルホン酸0.5gを入れ、85〜90℃の温度で5時間平衡化反応を行わせた。
【0048】
反応終了後、重炭酸ナトリウム2.5gを添加し、さらに85〜90℃の温度で1時間撹拌して中和を行い、無色透明のオイル状物質を得た。
【0049】
得られたオイル状物質の粘度は6,800mPa・sであり、25℃における屈折率は1.512であった。そして、IRスペクトルを測定したところ、1,100〜1,020cm−1にSi−O−Siのピークが、2,150cm−1にSi−Hのピークがそれぞれ認められ、水素基を含有するハイドロジェンシロキサン構造を採ることが確認された。
【0050】
そして、実施例3の最終生成物がMDH 4D19D’12Mで表されるポリオルガノハイドロジェンシロキサンであることが確かめられた。
【0051】
実施例4
冷却管、滴下ロート、温度計および撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、2,4−ジフェニル−4−メチルペンテン340g(1.44モル)、トルエン130gおよび塩化白金酸イソプロパノール溶液(白金含有量1%)0.3gを仕込み、80〜85℃の温度まで昇温した。次いで、平均構造式:MDH 10D18Mのジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体300g(水素基;1.44モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80〜85℃の温度で1時間撹拌を行い、IRスペクトルによりSi−Hのピークがほぼ消失したことを確認して反応を終了し、淡褐色透明のオイル状物質を得た。
【0052】
得られたオイル状物質の粘度は2,900mPa・sであり、25℃における屈折率は1.514であった。
【0053】
そして、実施例4の最終生成物がMD18D’10Mで表されるポリオルガノシロキサンであることが確かめられた。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の新規ポリオルガノシロキサンは、屈折率が高く光沢の良好な被膜を形成することができるので、光学装置の被覆材、化粧品材料あるいはプラスチック添加剤としてなど極めて有用である。
Claims (4)
- 以下の化学式(1)で表される2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基がケイ素原子に直接結合したシロキシ単位を有し、
一般式:MDH xDyD’zM(式中、Mは一般式:(CH3)3SiO0.5で表されるシロキシ単位、DHは一般式:(CH3)HSiOで表されるシロキシ単位、Dは一般式:(CH3)2SiOで表されるシロキシ単位、D’は一般式:(CH3)R’SiOで表されるシロキシ単位をそれぞれ表す。ここでR’は、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基を表し、xは0以上の整数、yおよびzは1以上の整数である。)で表され、2,4−ジフェニル−4−メチルペンチル基がケイ素原子に直接結合した置換基全体の15モル%以上を占めることを特徴とする新規ポリオルガノシロキサン。
- 25℃における屈折率が1.45〜1.55であることを特徴とする請求項1記載の新規ポリオルガノシロキサン。
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