JP4097882B2 - 直流モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシ式の直流モータに係り、特にカメラ等の精密機器に用いる小型モータに好適な直流モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブラシ式直流モータは、回転子コイルが巻装された回転子を回転軸に固着し、前記回転子の磁極に対峙する磁極を介して固定子により該回転子に磁界を印加するとともに、該回転子の回転に伴って電極用ブラシおよび整流子によりスイッチングしながら前記回転子に給電する。整流子は、前記回転子コイルに接続されて前記回転軸に一体的に且つ回転方向に複数に分割されて設けられる接触電極部により構成され、駆動電力は、駆動用直流電源からこれら接触電極部に摺接する電極用ブラシに給電される。すなわち、電極用ブラシに印加される直流電力は、摺接する整流子の接触電極部が切り替わることにより、スイッチングされて回転子コイルに供給される。
一般に、この種の直流モータにおける整流子は、ほぼ円筒状をなし、円周方向について所定回転角度毎に複数に分割した接触電極部を外周面に配置して、前記回転軸に同軸的に固着して構成している。各接触電極部は、回転子コイルに接続されている。駆動用の直流電源に接続された一対の電極用ブラシは、固定子側に固定され、前記整流子の接触電極部に、例えば180°異なる回転角度位置において摺接する。
【0003】
従来のこの種のブラシ式直流モータは、上述したように、回転軸に同軸的に固着された円筒状の整流子の外周面の接触電極部に、円筒の軸線すなわち回転軸の軸線に向かって外方からほぼ半径方向に押圧しつつ一対の電極用ブラシが摺接するタイプが一般的であった(例えば、実用新案登録第2545302号公報参照)。
このような直流モータとしては、例えば3極モータの場合、図8に示すように、直流駆動電源E0から一対の電極用ブラシB01およびB02を介して、これら一対の電極用ブラシB01およびB02に摺接する整流子CM0に給電する。一対の電極用ブラシB01およびB02は、整流子CM0の中心に対して180°異なる位置で当接している。整流子CM0は、回転子と一体に動作する円筒面を形成して設けられ、この場合、該円筒面を等角度間隔でほぼ120°毎に3等分した接片で構成される。整流子CM0の各隣接する接片間に3個の回転子コイルがそれぞれ接続されて、これら回転子コイルにより3個の回転子磁極を形成する。
【0004】
これら回転子磁極は、回転角度に応じて、電極用ブラシB01およびB02と整流子CM0の各接片との接触状態が変化することによって、極性が変動して、固定子側の永久磁石からなる、例えば一対の固定子磁極(図示せず)との間で回転駆動力を発生する。回転子の回転に伴い、各回転子磁極が各固定子磁極に逐次対峙し且つ電極用ブラシB01およびB02と整流子CM0の各接片との接触状態が変化して、各回転子磁極の極性が逐次変動することによって、回転子が継続的に回転する。
すなわち、電源E0から一対の電極用ブラシB01およびB02に給電されると、電極用ブラシB01およびB02のうちの一方から他方に回転子コイルを介して電流が流れ、回転子コイルによる磁界を発生して回転子磁極を形成する。この回転子コイルにより発生する磁界と、固定子磁界を形成する固定子磁極との作用により、回転子が回転する。回転子が回転すると、電極用ブラシB01とB02との間に接続される回転子コイルおよびその向きが、回転子の回転に伴って整流子CM0により逐次切り換えられ、回転子コイルにより発生する磁界は回転磁界となる。このように回転子コイルにより発生する回転磁界と、固定子磁界を形成する固定子磁極との作用により、回転子が継続して回転する。
【0005】
このようなモータの回転を検出する方法としては、ロータリエンコーダ方式が一般的である。すなわち、モータの回転出力軸またはそれに応動する伝達機構内に、外周縁部にスリットを形成した回転スリット円盤を設け、該回転スリット円盤の外周縁部のスリットをフォトインタラプタで検出することにより、回転を検出する。この方法は、的確な回転検出を行なうことができるが、ロータリエンコーダを構成する回転スリット円盤およびフォトインタラプタ等が必要となり、そのためのスペースの増大およびコストの上昇を伴うこととなる。
これに対して、特開平4−127864号公報等には、一対の電極用ブラシとは別に回転検出用ブラシを設けて回転検出を行なう方式が示されている。回転検出用ブラシは、一対の電極用ブラシと同様に整流子に摺接して、整流子における電圧を抽出する。この回転検出用ブラシで検出した信号をもとにして回転を検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、電極用ブラシが整流子の外周面を、回転軸の軸線に向かう方向へ押圧しつつ当接するタイプの直流モータは、製造組立時における整流子と電極用ブラシの組み付け作業における作業性に難がある。すなわち、電極用ブラシは、整流子の当接面から中心に向かう方向への押圧力を作用させた状態で組み付け、一方、整流子は、回転軸線に沿う方向に組み付けることになるため、組み付け時に両者が干渉し易い。特に、整流子には、動作時に電極用ブラシが、回転軸方向に位置ずれして、整流子の外周面から脱落してしまうのを防止するために、円筒状の両端部に大径のフランジ部を形成していることが多く、この部分が、組み付け時の煩雑さを助長する。
【0007】
また、特開平6−153456号公報には、整流子を円錐台形状として、テーパ面に接触電極部を形成し、モータ全体の回転軸に沿うスラスト方向の寸法を低減し、組み付け作業の煩雑さを低減し得る構成が示されている。しかし、この特開平6−153456号公報の構成では、整流子を円錐台形状とすることに伴う形状構成の複雑さを招き、整流子の接触電極部の回転子コイルへの接続にも特別な構成が必要となり、構成部品の点数も多くなってしまう。
一方、実用新案登録第2545302号公報には、ノイズを除去するための電子素子を実装したプリント配線基板をモータに内蔵する構成が示されている。この場合、モータにおいて発生するノイズをモータ自体において除去することができるという利点があるが、整流子については、従来より一般的な円筒状の構成を用いているため、スペース効率が悪く、組み付け作業における作業性の問題は従来と変らない。
【0008】
また、上述した特開平4−127864号公報等には、モータの回転速度がある程度よりも低下した場合にのみリレーを動作させることが開示されているに過ぎず、回転方向、回転数、回転速度および回転位置等を高精度に検出し、回転方向制御、回転数制御および回転速度制御等に利用するための技術については明確に示されていない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、組み付け時の作業性が良好で、量産性に優れ、全体のスラスト方向の寸法の低減による小型化も可能として、しかも簡単な構成で効果的に回転を検出することが可能な直流モータを提供することを目的としている。
【0009】
本発明の請求項1の目的は、特に、少ない部品点数で、組み付け時の作業性および量産性に優れ、効率の良い回転検出を可能として、しかもスラスト方向についての小型化を実現しつつ効率の良いノイズ除去を実現し得る直流モータを提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、構造を簡単化し、製造コストおよび信頼性の点でも有利な直流モータを提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、高い信頼性を実現し得る直流モータを提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、構成の簡単化による製造コストの低減を実現し得る直流モータを提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、整流子と電極用ブラシによるスイッチング時の動作の安定化を実現し得る直流モータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る直流モータは、上述した目的を達成するために、
回転軸に固着され、回転子コイルが巻装された回転子と、
前記回転子の磁極に対峙する磁極を介して該回転子に磁界を印加し、前記回転子の半径方向外側に存する円筒状の固定子と、
前記回転軸に固着され、前記回転軸が垂直に交わるほぼ平板円盤状の電装基板上に、前記回転子コイルに接続される平面状の導電膜パターンにより接触電極部を形成してなる整流子と、
前記整流子の前記接触電極部の平面状の電極面に摺接して給電する一対の電極用ブラシと、
前記整流子の前記接触電極部の平面状の電極面に摺接する一対の回転検出用ブラシと、
前記電装基板上に前記接触電極部と電気的に接続するように固定されたリング状のノイズ抑制素子と、
を具備する直流モータにおいて、
前記ノイズ抑制素子が前記整流子を挟んで前記回転子と軸方向に対向し、
前記ノイズ抑制素子の外径が、前記整流子の外径よりも大きく形成され、
前記固定子と前記ノイズ抑制素子が軸方向の間隙を設けて配設されている
ことを特徴としている。
【0011】
また、請求項2に記載した本発明に係る直流モータは、
前記回転軸を保持するベース部材をさらに具備し、且つ
前記電極用ブラシおよび前記回転検出用ブラシ、並びにこれらを外部と接続する接続端子部を前記ベース部材に固定することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係る直流モータは、
n極(nは3以上の自然数)の直流モータにおいて、
前記一対の電極用ブラシは、前記整流子に対してほぼ180°異なる回転角度位置で摺接し、且つ
前記回転検出用ブラシは、前記電極用ブラシに対して180/n°未満の回転角度位置において前記整流子に摺接する
ことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載した本発明に係る直流モータは、前記整流子が、前記電装基板上にメッキ処理による導電膜によって形成されることを特徴としている
求項に記載した本発明に係る直流モータは、
前記整流子の前記接触電極部との接触部を複数に分岐し、且つ各分岐接触部の接触点が、前記接触電極部に対して回転角度位置のずれによる位相差を呈する構成としたことを特徴としている。
【0013】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1による直流モータは、回転子コイルが巻装された回転子を固着した回転軸に、前記回転軸が垂直に交わるほぼ平板状の電装基板上に、前記回転子コイルに接続される平面状の導電膜パターンにより接触電極部を形成してなる整流子を固着し、且つ一対の電極用ブラシを、前記整流子の前記接触電極部の平面状の電極面に摺接して給電するように設けるとともに、一対の回転検出用ブラシを前記整流子の前記接触電極部の平面状の電極面に摺接するように設けている。
さらに、電装基板上に前記接触電極部と電気的に接続するようにリング状のノイズ抑制素子を固定し、
前記ノイズ抑制素子が、前記整流子を挟んで前記回転子と、軸方向に対向し、前記ノイズ抑制素子の外径が、前記整流子の外径よりも大きく形成され、前記固定子と前記ノイズ抑制素子が軸方向に間隙を設けて配設されている。
このような構成により、少ない部品点数で、組み付け時の作業性が良好で、量産性に優れ、しかも全体のスラスト方向の寸法の低減による小型化と併せて、効率の良いノイズ除去をも可能としている。
【0014】
本発明の請求項2よる直流モータは、前記回転軸を保持するベース部材をさらに具備し、且つ前記電極用ブラシおよび前記回転検出用ブラシ、並びにこれらを外部と接続する接続端子部を前記ベース部材に固定する。
このような構成により、特に、構造が簡単となり、製造コストおよび信頼性の点でも有利となる。
本発明の請求項3よる直流モータは、前記一対の電極用ブラシが、前記整流子に対してほぼ180°異なる回転角度位置で摺接し、且つ前記回転検出用ブラシが、前記電極用ブラシに対して180/n°未満の回転角度位置において前記整流子に摺接する。
このような構成により、特に、高い信頼性を実現することができる。
【0015】
本発明の請求項4よる直流モータは、前記整流子を、前記電装基板上にメッキ処理による導電膜によって形成する。
このような構成により、特に、構成の簡単化による製造コストの低減を実現することができる
発明の請求項による直流モータは、前記電極用ブラシが、前記整流子の前記接触電極部との接触部を複数に分岐し、且つ各分岐接触部の接触点を、前記接触電極部に対して回転角度位置のずれによる位相差を呈する構成としている。
このような構成により、特に、整流子と電極用ブラシによるスイッチング時の動作の安定化を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の直流モータを説明する。図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係る直流モータの構成を示している。図1は、直流モータの縦断面図、そして図2は、その給電部すなわち整流子および電極用ブラシ部分の詳細な構成を示す横断面図である。
図1および図2に示す直流モータは、ケース11、固定子12、スラスト受けベース13、上軸受け14、下軸受け15、電極用ブラシ16、回転検出用ブラシ17、回転軸21、回転子22、および電装基板としてのプリント配線基板23を具備している。ケース11、固定子12、スラスト受けベース13、上軸受け14、下軸受け15、電極用ブラシ16および回転検出用ブラシ17は、固定子側の構成であり、回転しない。
【0017】
一方、回転軸21、回転子22、およびプリント配線基板23は、回転子側の構成であり、回転軸21に一体化され回転子22と共に回転する。電極用ブラシ16は、第1の電極用ブラシ16Aと第2の電極用ブラシ16Bを有し、回転検出用ブラシ17は、第1の回転検出用ブラシ17Aと第2の回転検出用ブラシ17Bを有し、回転子22は、回転子コイル22aおよび回転子鉄心22bを有している。プリント配線基板23は、接触電極部23aおよび導電箔部23bを有している。
ケース11は、ほぼ円筒状をなし、内周面に固定子12を固着している。固定子12は、例えば円筒状の永久磁石からなり、内面の円周に所定数の磁極を形成すべく着磁されている。スラスト受けベース13は、円筒状のケース11の下端を閉塞し底面を形成している。
【0018】
上軸受け14は、円筒状のケース11の上端を閉塞し且つ回転軸21を挿通して回転自在に支持している。下軸受け15は、スラスト受けベース13の中央部に設けた凹所に嵌合保持され、回転軸21の下端を回転自在に支持している。電極用ブラシ16は、この場合、基端部においてスラスト受けベース13の内面側に固定されて、先端部をプリント配線基板23の整流子を構成する接触電極部23aに摺接し、駆動電源の電力を回転子22の回転子コイル22aに供給する。該電極用ブラシ16は、プリント配線基板23の整流子を構成する接触電極部23aに、互いに180°異なる回転角度位置で当接する第1の電極用ブラシ16Aと第2の電極用ブラシ16Bとで構成される。
【0019】
回転検出用ブラシ17は、この場合、基端部においてスラスト受けベース13の内面側に固定されて、先端部をプリント配線基板23の整流子を構成する接触電極部23aに摺接して、プリント配線基板23の接触電極部23a上にあらわれる電圧を検出する。該回転検出用ブラシ17は、プリント配線基板23の整流子を構成する接触電極部23aに、互いに180°異なり、且つ第1の電極用ブラシ16Aおよび第2の電極用ブラシ16Bに対して、この場合60°未満の回転角度位置で当接する第1の回転検出用ブラシ17Aと第2の回転検出用ブラシ17Bとで構成される。また、これら電極用ブラシ16および回転検出用ブラシ17に対する外部接続端子は、スラスト受けベース13の外面側に導出されて設けられている。
【0020】
回転軸21は、ケース11の上下端に配設された上軸受け14および下軸受け15によって、ケース11に対して回転自在に支持されており、軸に沿う方向、すなわちスラスト方向の移動も予め設定した所定範囲内に規制されている。回転子22は、回転軸21に固着された回転子鉄心22bに、回転子コイル22aが巻装されている。プリント配線基板23は、ほぼ円盤状をなし、回転軸21が中心部で垂直に交わるようにして、回転軸21に固着する。このプリント配線基板23は、一方の面に、幅広リング状をなす導電箔部分を、例えば半径方向に沿うギャップにより3等分して各々ほぼ扇形をなす接触電極部23aを形成している。接触電極部23aは、導電箔部23bにより、プリント配線基板23の周縁部まで導かれて、回転子コイル22aに接続されている。
【0021】
このプリント配線基板23は、絶縁基板の少なくとも一方の面に導電箔を形成し、該導電箔の所要の部分のみを残して、その他の部分をエッチングにより除去するなど、メッキ技術および写真印刷技術を応用して形成する。
このような構成とすれば、実質的に整流子は、平板状のプリント配線基板23の一方の面に形成した導電箔からなる接触電極部23aにより形成され、電極用ブラシ16および回転検出用ブラシ17は、該接触電極部23aの表面を回転軸21の軸方向に押圧する。このため、組み付け時には、プリント配線基板23と電極用ブラシ16および回転検出用ブラシ17を支持するスラスト受けベース13とを軸方向に沿って順次組み付ければ良く、組み付け時の干渉もない。しかも、プリント配線基板23は、平板状であり、回転軸21に沿う方向のモータ全体の寸法を効果的に縮減することができる。
【0022】
整流子が平板状の電装基板、例えばプリント配線基板23、である平板上に配置され、その一方の面に一対の電極用ブラシ16Aおよび16Bが同一平面上で当接するようにするため、組み付けが簡単であり、組み立て後の信頼性を損なうこともない。また、部品点数が少なくて済み、製造工程の工数的にも単価的にもコストを安くすることができる。しかも整流子が平面上に形成されるため、回転軸21の軸に沿う上下方向に電極用ブラシ16と整流子となるプリント配線基板23とが配列され、従来のように円筒状の整流子を用いるよりも軸方向のモータのサイズが短くなり、モータの小型化を達成することができる。
ここでは電装基板としてプリント配線基板23を使用し、メッキ処理等による導電膜により整流子を構成するようにした。このように、プリント配線基板23を使用することによりコストダウンを達成することができる。しかしながら、同様の効果を得るものであればプリント配線基板23に限らず、その他の電装基板を用いるようにしてもよい
【0023】
また、上述の構成において、回転軸21を保持するベース部材、すなわちスラスト受けベース13の内面側に電極用ブラシ16および回転検出用ブラシ17を固定し、これらの外部導出用の接続端子を同じスラスト受けベース13の外面側に配設している。このため、構造が簡単になり、コストおよび信頼性の面で有利となる。
なお、電極用ブラシおよび回転検出用ブラシを設けた場合、図9に示すような状態では、電極用ブラシB1は、整流子CMの図示左上および右上の2個の導体片に接触しており、回転検出用ブラシD(この場合1個として説明する)は、整流子CMの図示右上および下方の2個の導体片に接触しており、電極用ブラシB2は、整流子CMの図示下方の導体片に接触している。したがって、電源Eの正側に接続された電極用ブラシB1は、整流子CMの図示右上の導体片、回転検出用ブラシD、整流子CMの図示下方の導体片を介して、電源Eの負側に接続された電極用ブラシB2に導通している。このため、結果的には、電源Eの正負両端が短絡された状態となっている。
【0024】
このような状態の存在は、直流モータが高速で回転しているときには、それほど大きな問題とはならないことも多いが、この状態でモータが停止したときが問題となる。一般には、この種の直流モータの回転子は、鉄心にコイルを巻装して構成されており、コイルに電流を流さない状態では、この鉄心が永久磁石からなる固定子の磁極に引き付けられるため、例えば3極モータの場合6個所の安定ポイントがある。この安定ポイントに対応する位置を外して、回転検出用ブラシDの整流子CMへの摺接位置を設定すれば、上述の問題は低減されるが、上述した電源Eの短絡状態が生じないことが望ましい。
このような電源Eの短絡状態が生じないようにするには、回転検出用ブラシDの整流子CMへの摺接位置を、3極モータの場合、電極用ブラシB2の摺接位置との間の角度が60°未満となるようにすればよい。すなわち、n極(nは3以上の自然数)のモータの場合には、一方の電極用ブラシB2の摺接位置との間の角度が180/n°未満となるようにすればよい。
【0025】
図2は、上述した考察に従い、本発明に係る回転検出用ブラシ17Aおよび17Bを、一対の電極用ブラシ16Aおよび16Bに対し40°の角度位置に配置している。このようにすれば、電源Eの短絡状態は全く発生しない。したがって、回転検出信号およびモータ作動の信頼性を向上させることができる。以上が、請求項3に対応している。
図3〜図5は、本発明の第2の実施の形態に係る直流モータの構成を示している。図3は、直流モータの縦断面図、図4は、その給電部すなわち整流子および電極用ブラシ部分の詳細な構成を示す横断面図、そして図5は、その整流子部分の詳細な構成を示す横断面図である。
【0026】
図3〜図5に示す直流モータにおいて、ケース11、固定子12、スラスト受けベース13、上軸受け14、下軸受け15、電極用ブラシ16、回転軸21、回転子22、およびプリント配線基板23については、図1および図2と同様である。図3〜図5に示す直流モータは、さらにモータ、例えばブラシ部分、において発生するノイズを防止吸収するためのノイズ抑制素子としてのリング状のリングバリスタ24をプリント配線基板23の外周縁に同軸上に配設する。
上記ノイズ抑制素子としてのバリスタ24は、図3および図4に示すように、整流子を挟んで回転子22と軸方向に対向し、バリスタ24の外径が整流子の外径よりも大きく形成されている。
回転子22の半径方向外側には、円筒状の固定子12が配設されている。この固定子12に対しバリスタ24が軸方向に対し間隙を存して配設されている。
このようにすると、ノイズ除去のためのリングバリスタ24を、プリント配線基板23の外周縁に固定して一体的に設けているため、効果的なノイズ低減が可能となり、さらには、直径の大きいリングバリスタ24を干渉なくケース内に容易に組付けることができ、スペースの自由化および製造時のコストダウンをはかることができる。
【0027】
さらに、図6は、本発明の第3の実施の形態に係る直流モータの構成を示している。図6は、直流モータの整流子部分の詳細な構成を示す横断面図である。 この場合、プリント配線基板23上に、ノイズ除去用の印刷抵抗25を設けている。なお、プリント配線基板23上に接触電極部23aおよび導電箔部23b等を形成するにあたっては、必要部分を選択的に残してエッチングするためのレジスト26を用いるようにしてもよい。プリント配線基板23上の接触電極部23aおよび導電箔部23bは、予め全面に導電箔を敷設した後、必要部分を残す方法でなく、プリント配線基板23上に接触電極部23a、導電箔部23bおよび印刷抵抗25等を塗布等により形成するようにしても良い
【0028】
また、図7は、本発明の第4の実施の形態に係る直流モータの電極用ブラシの摺接部の構成を示している。図7は、直流モータの電極用ブラシ16に代えて整流子の接触電極部23aとの摺接部を、複数、例えば2つに、分岐させた電極用ブラシ18を設ける。図7のように、電極用ブラシ18の分岐された各摺接部18aおよび18bは、摺接点の回転角度位置が若干ずれている。このように構成することにより、整流子の接触電極部23aの切り替わり時において、電極用ブラシが高速時のバウンドによって、両方の接触電極部23aから離れることによる不安定な状態がなくなる。よって、各摺接部18aおよび18bは、常にどちらかが接触電極部23aに接触しているので、切り替わり時の信頼性を向上することができる
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、組み付け時の作業性が良好で、量産性に優れ、しかも全体のスラスト方向の寸法の低減による小型化も可能とする直流モータを提供することができる。
すなわち、本発明の請求項1の直流モータによれば、回転軸に固着され、回転子コイルが巻装された回転子と、
前記回転子の磁極に対峙する磁極を介して該回転子に磁界を印加し、前記回転子の半径方向外側に存する円筒状の固定子と、
前記回転軸に固着され、前記回転軸が垂直に交わるほぼ平板円盤状の電装基板上に、前記回転子コイルに接続される平面状の導電膜パターンにより接触電極部を形成してなる整流子と、
前記整流子の前記接触電極部の平面状の電極面に摺接して給電する一対の電極用ブラシと、
前記整流子の前記接触電極部の平面状の電極面に摺接する一対の回転検出用ブラシと、
前記電装基板上に前記接触電極部と電気的に接続するように固定されたリング状のノイズ抑制素子と、
を具備する直流モータにおいて、
前記ノイズ抑制素子が前記整流子を挟んで前記回転子と軸方向に対向し、
前記ノイズ抑制素子の外径が、前記整流子の外径よりも大きく形成され、
前記固定子と前記ノイズ抑制素子が軸方向の間隙を設けて配設されているので、少ない部品点数で、整流子、電極用ブラシおよびノイズ抑制素子等の組み付け時の作業性が良好で、量産性に優れ、しかも全体のスラスト方向の寸法の低減による小型化も可能であり、効果的なノイズ低減を可能としつつ簡単な構成で効果的に回転を検出することが可能であり、スペースの自由化および製造時のコストダウンをはかることができる。
【0030】
本発明の請求項2の直流モータによれば、前記回転軸を保持するベース部材をさらに具備し、且つ前記電極用ブラシおよび前記回転検出用ブラシ、並びにこれらを外部と接続する接続端子部を前記ベース部材に固定することにより、特に、構造が簡単となり、製造コストおよび信頼性の点でも有利となる。
本発明の請求項3の直流モータによれば、前記一対の電極用ブラシが、前記整流子に対してほぼ180°異なる回転角度位置で摺接し、且つ前記回転検出用ブラシが、前記電極用ブラシに対して180/n°未満の回転角度位置において前記整流子に摺接する構成により、特に、高い信頼性を実現し得る。
【0031】
本発明の請求項4の直流モータによれば、前記整流子を、前記電装基板上にメッキ処理による導電膜によって形成することにより、特に、構成の簡単化による製造コストの低減を実現し得る。
発明の請求項の直流モータによれば、前記電極用ブラシが、前記整流子の前記接触電極部との接触部を複数に分岐し、且つ各分岐接触部の接触点を、前記接触電極部に対して回転角度位置のずれによる位相差を呈する構成とすることにより、特に、整流子と電極用ブラシによるスイッチング時の動作の安定化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る直流モータの縦断面図である。
【図2】図1の直流モータの整流子、電極用ブラシおよび回転検出用ブラシの摺接部分の構成を説明するための横断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る直流モータの縦断面図である。
【図4】図3の直流モータの整流子、電極用ブラシおよび回転検出用ブラシの摺接部分の構成を説明するための横断面図である。
【図5】図3の直流モータの整流子部分の構成を説明するための横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る直流モータの整流子部分の構成を説明するための横断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る直流モータの電極用ブラシの摺接部分の構成を説明するための模式図である。
【図8】従来の直流モータの電極用ブラシおよび整流子を説明するための模式図である。
【図9】従来の直流モータの電極用ブラシ、回転検出用ブラシおよび整流子における問題を説明するための模式図である。
【符号の説明】
11 ケース
12 固定子
13 スラスト受けベース
14 上軸受け
15 下軸受け
16,16A,16B,18 電極用ブラシ
17,17A,17B 回転検出用ブラシ
18a,18b 摺接部
21 回転軸
22 回転子
22a 回転子コイル
22b 回転子鉄心
23 プリント配線基板
23a 接触電極部(整流子)
23b 導電箔部
24 リングバリスタ
25 印刷抵抗
26 レジスト部

Claims (5)

  1. 回転軸に固着され、回転子コイルが巻装された回転子と、
    前記回転子の磁極に対峙する磁極を介して該回転子に磁界を印加し、前記回転子の半径方向外側に存する円筒状の固定子と、
    前記回転軸に固着され、前記回転軸が垂直に交わるほぼ平板円盤状の電装基板上に、前記回転子コイルに接続される平面状の導電膜パターンにより接触電極部を形成してなる整流子と、
    前記整流子の前記接触電極部の平面状の電極面に摺接して給電する一対の電極用ブラシと、
    前記整流子の前記接触電極部の平面状の電極面に摺接する一対の回転検出用ブラシと、
    前記電装基板上に前記接触電極部と電気的に接続するように固定されたリング状のノイズ抑制素子と、
    を具備する直流モータにおいて、
    前記ノイズ抑制素子が前記整流子を挟んで前記回転子と軸方向に対向し、
    前記ノイズ抑制素子の外径が、前記整流子の外径よりも大きく形成され、
    前記固定子と前記ノイズ抑制素子が軸方向の間隙を設けて配設されている
    ことを特徴とする直流モータ。
  2. 前記回転軸を保持するベース部材をさらに具備し、且つ前記電極用ブラシおよび前記回転検出用ブラシ、並びにこれらを外部と接続する接続端子部を前記ベース部材に固定することを特徴とする請求項1に記載の直流モータ。
  3. n極(nは3以上の自然数)の直流モータにおいて、
    前記一対の電極用ブラシは、前記整流子に対してほぼ180°異なる回転角度位置で摺接し、且つ前記回転検出用ブラシは、前記電極用ブラシに対して180/n°未満の回転角度位置において前記整流子に摺接することを特徴とする請求項1または2に記載の直流モータ。
  4. 前記整流子は、前記電装基板上にメッキ処理による導電膜によって形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の直流モータ。
  5. 前記電極用ブラシは、
    前記整流子の前記接触電極部との接触部を複数に分岐し、且つ各分岐接触部の接触点が、前記接触電極部に対して回転角度位置のずれによる位相差を呈する構成としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の直流モータ。
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