JP4097813B2 - はんだ付け方法 - Google Patents
はんだ付け方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4097813B2 JP4097813B2 JP32455198A JP32455198A JP4097813B2 JP 4097813 B2 JP4097813 B2 JP 4097813B2 JP 32455198 A JP32455198 A JP 32455198A JP 32455198 A JP32455198 A JP 32455198A JP 4097813 B2 JP4097813 B2 JP 4097813B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solder
- melting point
- present
- temperature
- soldering method
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は250℃以上の高耐熱・高強度のはんだ付けを可能とする鉛フリ−はんだを用いたはんだ付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電極とリ−ドをはんだ付けしデバイスを回路板に実装するには、前記はんだ付け部の耐熱性が実装温度(通常230℃〜250℃)よりも高温でなければならない。
従来、かかるはんだ付けに使用するはんだとしてPb−5Sn、Pb−5Sn−1.5Ag等が知られている。
しかしながら、かかる鉛系はんだでは、廃棄した電子機器から鉛が溶出しこの溶出鉛による生態系への悪影響や環境汚染が問題視されつつあり、鉛フリ−はんだの使用が要請されている。
【0003】
鉛フリ−のはんだの代表例はSnをベ−スとするSn系はんだであるが、錫系はんだは通常融点が230℃以下であり、上記デバイスの電極とリ−ドとのはんだ付けには実装温度による制約上使用し難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、はんだ付け部の耐熱性及び被快適強度をはんだ自体の融点や強度より高くする方法として「はんだを溶融状態のもとで加圧し母材と合金化されないはんだの低融点成分を排出する」、所謂加圧はんだ付け法が公知である(例えば、特開昭57−1567号)。
この加圧はんだ付け法による耐熱性・機械的強度アップのメカニズムは、「接合面と被着はんだ層との界面に母材(銅)とはんだ成分との合金層(はんだ自体よりも高融点・高強度)を生成させてその合金層上に低融点成分層を存在させ、加圧により低融点成分を排出させて上記高融点・高強度の合金層を残存させる」ことにある。
【0005】
しかしながら、本発明者の検討結果によれば、Sn系はんだを用いて上記加圧はんだ付けを行っても、満足な機械的強度を得ることは難しい。その理由は、銅と錫とでCu3Sn2、Cu3Sn或いはCu6Sn5等の何れかの金属間化合物が生成され、この金属間化合物が上記の合金層内に混在されるために合金層の強度が低くなるためと推定される。
【0006】
本発明の目的は、加圧はんだ付け法によりはんだ付け部の強度及び耐熱性をはんだ自体の強度及び耐熱性に較べ飛躍的に向上できる鉛フリ−はんだを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るはんだ付け方法は、In5重量%〜60重量%、残部Snのはんだを被接合面に溶融被着させ、被接合部を温度350℃〜600℃、圧力1.0 kg/cm 2 〜6.0 kg/cm 2 のもとで5〜200秒加熱・加圧することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係るはんだ付け方法は、In5重量%〜60重量%、Au、Ag、CuまたはBiの何れか一種または二種以上が0.5重量%〜5重量%、残部Snのはんだを被接合面に溶融被着させ、被接合部を温度350℃〜600℃、圧力1.0 kg/cm 2 〜6.0 kg/cm 2 のもとで5〜200秒加熱・加圧することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1の(イ)乃至図1の(ハ)は本発明に係るはんだ付け方法を工程順に示す図面である。
本発明に係るはんだ付け方法を実施するには、被接合面(銅)にフラックスを塗布したうえで、図1の(イ)に示すようにInが5〜60重量%、残部がSnのはんだを溶融被着させる。このはんだの溶融被着には、例えば、はんだを加熱溶融させたはんだ液にディッピングする方法を使用できる。この被着はんだ層と被接合面との界面にはんだ自体よりも高強度・高融点の合金層aが生成され、その合金層a上に凝固はんだ層bが存在することになる。
【0010】
このようにして被接合面にはんだを被着させたのちは、図1の(ロ)に示すように被接合面を重ね、上記はんだの融点(液相線温度)よりもやや高い温度のもとで図1の(ハ)に示すように重ね部を加圧する。
【0011】
この加熱加圧のもとでは、上記合金層aは溶融することなく固相状態を保持し合金層以外のはんだ層bのみが溶融され、この溶融はんだが接合界面から排出され合金層aが残存されて合金層aを継手として接合が完了される。
従って、継手である合金層の高強度・高融点に基づきはんだ付け部に高い機械的強度及び高い耐熱性を付与できる。
【0012】
本発明に係るはんだをSn系とした理由は、鉛フリ−として生態系への悪影響や環境汚染を排除するためである。
【0013】
本発明に係るはんだにおいて、Inを5〜60重量%添加する理由は、上記合金層の強度及び融点を高くしてはんだ付け部の強度及び耐熱性を向上させると共に上記Sn−Inはんだを低融点にしてはんだ排出をスム−ズに行わせるためである。
【0014】
本発明に係るはんだ付け方法において、加圧の条件は、350℃〜600℃、圧力1.0kg/cm2〜6.0kg/cm2、加圧時間5〜200秒とする。
【0015】
本発明に係るはんだ付け方法は、被接合面にフラックスを塗布し、これらの被接合面間に板はんだを介在させ、この板はんだを融点以上の加熱で溶融させて母材とはんだとの界面に高融点の合金層を形成させ、その後加圧して合金化されていない本来の融点のままの溶融状態のはんだを排出する方法により実施することもできる。この場合、板はんだに換えクリ−ムはんだの使用も可能である。
【0016】
本発明に係るはんだ付け方法は、スポット加圧しそのスポットのみに上記合金層の形成と共に本来の融点のままのはんだの排出を行い、そのスポット周囲は本来の融点のままのはんだを残存させることもできる。
【0017】
本発明ににおいて、はんだ融点の調整、はんだ被着時の濡れ性・作業性の向上のためにAu、Ag、CuまたはBiを0.5〜5重量%の範囲内で添加することができる。
本発明に係るはんだにおいて、上記のSn及びIn並びにAu、Ag、CuまたはBi以外の元素をJIS Z 3282に規定されているA級の範囲内で不純物として含んでいてもよい(ただし、鉛は0.1重量%以下)。
【0018】
本発明に係る加圧はんだ付け法は、回路板にフロ−法またはリフロ−法により温度230℃〜250℃で実装されるデバイスの内部接続例えば、インナ−リ−ドとICの電極との接続に使用できる。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〜4及び参考例1,2〕
使用したはんだは表1に示す組成及び融点(固相線温度−液相線温度)を有するSn−In合金である。
巾1.2mm,厚さ0.23mm,長さ20mmの銅リボンを2枚重ね、先端部の約3mmにフラックス(ロジン)を塗布したのち、270℃で液相化したはんだ浴に5秒間ディッピングしてフラックス残渣を洗浄除去した。更に、図2に示すように、上記銅リボン先端部のはんだ被着面同士を合わせて重ね、図2に示すように先端外径1mmφのヒ−トチップ1とヒ−タ板2(図2において、hはヒ−タ)を用い、温度400℃、圧力4.0kg/cm2、加圧時間120秒ではんだを再溶融しつつ加圧した。
【0020】
このようにして作成した松葉状サンプルを図3に示すように又割きにし引張り試験機で矢印方向に引張試験温度270℃(実装温度230℃〜250℃よりも充分に高い温度)、引張り速度5mm/minにて破断強度を測定した。その測定結果は表1に示す通りである。
【0021】
〔表1〕
表1
はんだ組成 融点(℃)(固相線温度-液相線温度) 破断荷重(kgf)
実施例1 Sn−5In 215−222 3.23
実施例2 Sn−20In 175−200 2.42
実施例3 Sn−40In 120−145 2.48
実施例4 Sn−60In 120−122 2.52
参考例1 Sn−80In 130−140 0.945
参考例2 Sn−2In 231−232 0.920
【0022】
〔比較例1〜7〕
表2に示す組成及び融点(固相線温度−液相線温度または共晶温度)を有する各種はんだを使用し、比較例3のPb−5Snのディッピング温度を350℃とした以外は実施例1〜6と同様にして再溶融・加熱のもとではんだ付けして破断強度を測定した。その測定結果は表2に示す通りである。
【0023】
〔表2〕
表2
はんだ組成 融点(℃)(固相線温度-液相線温度) 破断荷重(kgf)
比較例1 In 154(融点) 0.07
比較例2 Sn 232(融点) 0.154
比較例3 Pb−5Sn 300−314 0.476
比較例4 Sn−3.5Ag 221(共晶点) 0.178
比較例5 Sn−0.7Cu 227(共晶点) 0.134
比較例6 Sn−5Bi 205−227 0.215
比較例7 Sn−8.8Zn 199(共晶点) 0.08
【0024】
上記測定結果における実施例1〜4と参考例1及び2との対比から、本発明においてInを5〜60重量%とした臨界的効果が明らかである。
また、比較例3と実施例特に実施例1〜4との対比から、本発明の再溶融・加圧はんだ付け方法によれば、従来の鉛系はんだを使用する方法よりも一段と優れた強度で接合できること、また比較例4〜7と実施例との対比から、本発明に係るはんだを用いた加圧はんだ付け方法によれば、従来の錫系はんだを用いた加圧はんだ付け方法よりも一段と優れた強度ではんだ付けできることが明らかである。
従って、本発明によれば、耐熱性の向上のみならずはんだ付け強度の向上を図ることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、鉛フリ−はんだを用い電子デバイスの内部はんだ付けを実装温度よりも充分に高い耐熱性のもとで優れた強度にて行うことができ、回路板に実装するデバィスのはんだ付けの無公害化・信頼性アップに極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るはんだ付け方法の一例を示す図面である。
【図2】 本発明の実施例で使用したはんだ付け方法を示す図面である。
【図3】 本発明に係るはんだ付け方法による試料の破断荷重の測定状態を示す図面である。
【符号の説明】
a 合金層
b 本来の融点のままのはんだ層
1 ヒ−トチップ
2 熱板
h ヒ−タ
Claims (2)
- In重量5%〜60重量%、残部Snのはんだを被接合面に溶融被着させ、被接合部を温度350℃〜600℃、圧力1.0 kg/cm 2 〜6.0 kg/cm 2 のもとで5〜200秒加熱・加圧することを特徴とするはんだ付け方法。
- In重量5%〜60重量%、Au、Ag、CuまたはBiの何れか一種または二種以上が0.5重量%〜5重量%、残部Snのはんだを被接合面に溶融被着させ、被接合部を温度350℃〜600℃、圧力1.0 kg/cm 2 〜6.0 kg/cm 2 のもとで5〜200秒加熱・加圧することを特徴とするはんだ付け方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32455198A JP4097813B2 (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | はんだ付け方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32455198A JP4097813B2 (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | はんだ付け方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000135557A JP2000135557A (ja) | 2000-05-16 |
JP4097813B2 true JP4097813B2 (ja) | 2008-06-11 |
Family
ID=18167086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32455198A Expired - Fee Related JP4097813B2 (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | はんだ付け方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4097813B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5696173B2 (ja) * | 2005-08-12 | 2015-04-08 | アンタヤ・テクノロジーズ・コープ | はんだ組成物 |
US9214442B2 (en) | 2007-03-19 | 2015-12-15 | Infineon Technologies Ag | Power semiconductor module, method for producing a power semiconductor module, and semiconductor chip |
JP6037300B2 (ja) * | 2012-03-15 | 2016-12-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 回路部材接合構造体 |
-
1998
- 1998-10-28 JP JP32455198A patent/JP4097813B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000135557A (ja) | 2000-05-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101004589B1 (ko) | 기능 부품용 리드와 그 제조 방법 | |
KR0124517B1 (ko) | 무연의 주석, 안티몬, 비스무트 및 구리 납땜 합금 | |
JP3476464B2 (ja) | すずビスマス半田ペーストと,このペーストを利用して,高温特性の改良された接続を形成する方法 | |
JP3753168B2 (ja) | 微小チップ部品接合用ソルダペースト | |
KR0124518B1 (ko) | 고온의 무연 주석 기재 다-성분 납땜 합금 | |
KR970010891B1 (ko) | 고온의 무연 주석 기재 납땜 조성물 | |
US5344607A (en) | Lead-free, high tin, ternary solder alloy of tin, bismuth, and indium | |
EP1333957B1 (en) | Lead-free solders | |
EP0867255A2 (en) | Electrical solder and method of manufacturing | |
JP2008510620A (ja) | 半田組成物および半田接合方法ならびに半田接合構造 | |
WO2007125861A1 (ja) | ソルダペースト | |
JPH071179A (ja) | 無鉛すず−ビスマスはんだ合金 | |
KR20130056235A (ko) | 혼합된 합금 솔더 페이스트 | |
KR20130137122A (ko) | Bi-Sn계 고온 땜납 합금 | |
JPH11347784A (ja) | はんだペースト及びそれを用いた電子回路装置 | |
US7413110B2 (en) | Method for reducing stress between substrates of differing materials | |
JPH1041621A (ja) | 錫−ビスマスはんだの接合方法 | |
JP4097813B2 (ja) | はんだ付け方法 | |
JPH09277082A (ja) | ソルダペースト | |
JPH0985484A (ja) | 鉛フリーはんだとそれを用いた実装方法及び実装品 | |
JP2003017847A (ja) | 電子回路装置及びその製造方法 | |
JP2003174254A (ja) | 鉛フリーはんだを用いた回路基板への電子部品の接合方法 | |
JPH05185278A (ja) | クリームはんだ | |
JPH10296482A (ja) | 面実装部品のはんだ付け用ソルダペースト | |
JP2006159201A (ja) | 半田付け方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050926 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071204 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080311 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080312 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |