JP4097411B2 - ターミナルプレート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータを車体パネルに接地させることによってラジオノイズを防ぐのに用いられるターミナルプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
モータを車体パネルに接地させるには、モータのギヤケースと、このギヤケースを介して車体パネルにねじ込まれるボルトとにアースボンディングワイヤが溶接によりそれぞれ電気的に接続されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ギヤケースは、ゴム製の防振ダンパ部材を介して車体パネルに固定されているため、ギヤケースが振動することによって接地性が悪くなり、その結果、ラジオノイズを確実に防止することが難しいという問題点があった。
【0004】
【発明の目的】
この発明は、ラジオノイズを確実に防止することができるターミナルプレートを提供することを目的としている。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るターミナルプレートでは、モータに備えられたギヤケースに電気的に接続されるモータ側接続部が先端部に形成された第1の板部と、ギヤケースが防振ダンパ部材を介して固定される車体パネルへのねじ込みにより車体パネルに導通されるねじ部材に電気的に接続される車体側接続部が先端部に形成された第3の板部と、モータ側接続部と車体側接続部の間に両者に導通して配置され、モータ側接続部および車体側接続部に生ずる応力を分散可能な第1,第2の折曲部が形成された第2の板部とを一体に備え、第1の折曲部は、第1の板部と第2の板部とを繋ぐものとして形成されるとともに、第2の折曲部は、第2の板部と第3の板部とを繋ぐものとして形成され、第1の折曲部と第2の折曲部の折曲角は、互いに異なる角度とされ、肉薄の導電部材によって略コ字状に形成されている構成としたことを特徴としている。
【0007】
【発明の作用】
この発明に係るターミナルプレートにおいて、ギヤケースは、モータ側接続部、第1の折曲部、第2の折曲部、車体側接続部、ねじ部材を通じて車体パネルへの接地経路が形成される。折曲角が互いに異なる第1、第2の折曲部により、ギヤケースと車体パネル間に防振ダンパ部材が介されていても第1の板部が変位することによって第1の折曲部に生ずる曲げ応力と、第3の板部が変位することによって第2の折曲部に生ずる曲げ応力とが集中せず分散させられる。それ故、モータ側接続部および車体側接続部で生じた曲げ応力が分散されることによって接地性を悪化させることがなく、接地経路が確実に形成される。
【0008】
【実施例】
図1ないし図6には、この発明に係わるターミナルプレートの一実施例が示されている。図示されるターミナルプレート1は、モータ側接続部1a1が形成された第1の板部1a、第1,第2の折曲部1b1,1b2が形成された第2の板部1b、車体側接続部1c1が形成された第3の板部1cが一体成形されてなる。ターミナルプレート1は、肉薄の導電部材によって略コ字状に形成されている。
【0009】
第1の板部1aは、ターミナルプレート1の下方側に配置され、第3の板部1cは、ターミナルプレート1の上方側に配置され、第2の板部1bは、ターミナルプレート1の中央部で第1,第2の板部1a,1cにそれぞれ連接して配置されている。モータ側接続部1a1は、第1の板部1aの先端部に形成されている。このモータ側接続部1a1は、2又形状にされている。モータ側接続部1a1の図1中上方側には、ギヤケース接触面1a2が形成されている。モータ側接続部1a1は、図4に示されるモータ2に備えられたギヤケース2aから突出して形成されたモータ固定用足部2a1の下面2a2に電気的に接続可能に接触される。図5に示されるように、ギヤケース2aには、絶縁樹脂によって成形された制御回路ケース2b内に制御回路40が内蔵されている。そして、図6に示されるように、制御回路40に備えられたアースターミナル40aのギヤケース接続部40a1がギヤケース2aの接地接続部2a3において電気的に接続されている。モータ固定用足部2a1には、円環形にされたダンパ取付部2a4が形成されており、このダンパ取付部2a4に、円筒形状にされたゴム製の防振ダンパ部材3が嵌め付けられている。防振ダンパ部材3の外周部には、ダンパ取付部2a4が嵌入される足部取付溝3aが形成されている。そして、防振ダンパ部材3の内周部には、金属製で円筒形状にされたガイド4が挿入されている。ガイド4の高さ寸法は、防振ダンパ部材3の高さ寸法に略等しい。モータ側接続部1a1は、ギヤケース2aのダンパ取付部2a4の円環形状に沿った2又形状をなすため、ギヤケース接触面1a2の全面が大きな接触面積でもってモータ固定用足部2a1の下面2a2に電気的に接続される

【0010】
車体側接続部1c1は、第3の板部1cの先端部に形成されている。この車体側接続部1c1は、円環形にされている。車体側接続部1c1の中央部には、ねじ挿通孔1c2が形成されている。ねじ挿通孔1c2には、図1に示されるように、ねじ部材5が挿通された際に、ねじ部材5の軸部5aに掛止して、ねじ部材5が車体側接続部1c1から外れ落ちないようにする3個の掛止片1c3,1c3,1c3が円周上に等間隔でそれぞれ形成されている。図1には3個の掛止片1c3が形成されている場合が示されているが、図3のように、2個の掛止片1c3,1c3を対向して形成してもよい。車体側接続部1c1の図1中上方側には、ねじ部材接触面1c4が形成されている。ねじ部材接触面1c4は、ねじ部材5に備えられた座金部5bの下面に電気的に接続可能に接触される。ねじ部材5は、導電性のある金属によって成形されている。ねじ部材5には、頭部5cの下側に座金部5bが配置され、軸部5aの先端部にねじ部5dが形成されている。このねじ部5dの先端部には、図2に示されるように、塗装剥離用部5d1が形成されている。塗装剥離用部5d1は、車体パネル50に電気的に接続可能に溶接固定されたウェルドナット51にねじ部5dがねじ込まれる際に、そのウェルドナット51のねじ部51aに付着している塗料を剥がす機能をもつ。その結果、ねじ部材5のねじ込みによって、ねじ部5dがウェルドナット51を通じて車体パネル50に電気的に接続される。
【0011】
第1の折曲部1b1は、第2の板部1bの下端部において第1の板部1aに連続して形成されている。この第1の折曲部1b1は、第2の板部1bと第1の板部1aとを鈍角で繋ぐものとして形成されている。第2の折曲部1b2は、第2の板部1bの上端部において第2の板部1bに連続して形成されている。この第2の折曲部1b2は、第2の板部1bと第3の板部1cとを鋭角で繋ぐものとして形成されている。第1,第2の折曲部1b1,1b2は、同一の折曲角をもたない。即ち、第1の折曲部1b1と第2の折曲部は、互いに異なる折曲角としている。それは、車体振動等によってギヤケース2aのモータ固定用足部2a1が図2中の上方向および下方向に防振ダンパ部材3の弾性力を伴って動いたときに、第1の板部1aが変位することによって第1の折曲部1b1に生ずる曲げ応力と、第3の板部1cが変位することによって第2の折曲部1b2に生ずる曲げ応力とが集中しないように分散させるためである。その結果、モータ側接続部1a1および車体側接続部1c1で生じた曲げ応力が分散されることによって、モータ側接続部1a1および車体側接続部1c1での接地性が悪化されず、接地経路が確実に形成される。
【0012】
このような構造をなすターミナルプレート1が組み付けられるに際しては、第3の板部1cの車体側接続部1c1に形成されたねじ挿通孔1c2にねじ部材5が挿通され、ねじ部材5が掛止片1c3によって外れ落ちないように保持され、防振ダンパ部材3がギヤケース2aのモータ固定用足部2a1に形成されたダンパ取付部2a4に嵌付けられている状態において、車体側接続部1c1の下方側に突出しているねじ部材5のねじ部5dがガイド4内に挿入され、ねじ部材5の頭部5cがねじ込み方向に回されることによって、ねじ部材5の塗装剥離用部5d1がウェルドナット51のねじ部51aに付着している塗料を剥がしながら、ねじ部5dがウェルドナット51のねじ部51aにねじ込まれていく。そして、ねじ込みが進むにつれ、軸部5aが掛止片1c3の位置にきたところで、第1の板部1aのモータ側接続部1a1がモータ固定用足部2a1のダンパ取付部2a4の下面と防振ダンパ部材3の足部取付溝3aとの間に嵌入され、ねじ部材5の座金部5bが車体側接続部1c1を介してガイド4に衝突するまで、ねじ部材5のねじ込みが続けられ、ねじ部材5の座金部5bが車体側接続部1c1を介してガイド4に衝突したところでねじ込みが終了される。ねじ込みが終了されることによって、モータ側接続部1a1のギヤケース接触面1a2は、モータ固定用足部2a1の下面2a2に大きな接触面積で電気的に接続される一方で、車体側接続部1c1のねじ部材接触面1c4は、ねじ部材5の座金部5bの下面に大きな接触面積で電気的に接続され、その結果、ギヤケース2aのモータ固定用足部2a1が、第1の板部1a,第2の板部1b,第3の板部1c,ねじ部材5,ウェルドナット51を通じて車体パネル50に接地される。そして、車両が走行される際の車体振動等によってギヤケース2aのモータ固定用足部2a1が図2中の上方向および下方向に防振ダンパ部材3の弾性力を伴って動いたとしても、第1の板部1aの移動によって第1の折曲部1b1に生ずる曲げ応力および第3の板部1cの移動によって第2の折曲部1b2に生ずる曲げ応力のいずれもが集中しないので、第1,第2の折曲部1b1,1b2が折損することもなく、モータ側接続部1a1および車体側接続部1c1での接地性が悪化せずに接地経路が形成され続ける。
【0013】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明に係るターミナルプレートによれば、ギヤケースは、モータ側接続部、第1の折曲部、第2の折曲部、車体側接続部、ねじ部材を通じて車体パネルへの接地経路が形成される。それ故、ギヤケースと車体パネル間に防振ダンパ部材が介されていても、折曲角が互いに異なる第1,第2の折曲部により、モータ側接続部および車体側接続部で生じた曲げ応力が分散されることによって接地性を悪化させることがなく、接地経路が確実に形成される。よって、ラジオノイズを確実に防止することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わるターミナルプレートの一実施例においてのターミナルプレート周りの各部品の組付け関係を説明する外観斜視図である。
【図2】 図1に示したターミナルプレートの取付状態での断面図である。
【図3】(a)は図1に示したターミナルプレートの平面図、(b)は(a)の底面図である。
【図4】 図1に示したターミナルプレートが用いられるモータの正面図である。
【図5】 図4に示したモータにおいての内部構造を説明する部分正面図である。
【図6】 図4に示したモータにおいての内部構造を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 ターミナルプレート
1a 第1の板部
1a1 モータ側接続部
1b 第2の板部
1b1 第1の折曲部
1b2 第2の折曲部
1c 第3の板部
1c1 車体側接続部
2 モータ
2a ギヤケース
3 防振ダンパ部材
5 ねじ部材
50 車体パネル

Claims (1)

  1. モータに備えられたギヤケースに電気的に接続されるモータ側接続部が先端部に形成された第1の板部と、
    前記ギヤケースが防振ダンパ部材を介して固定される車体パネルへのねじ込みにより該車体パネルに導通されるねじ部材に電気的に接続される車体側接続部が先端部に形成された第3の板部と、
    前記モータ側接続部と前記車体側接続部の間に両者に導通して配置され、該モータ側接続部および車体側接続部に生ずる応力を分散可能な第1,第2の折曲部が形成された第2の板部とを一体に備え、
    前記第1の折曲部は、前記第1の板部と前記第2の板部とを繋ぐものとして形成されるとともに、前記第2の折曲部は、前記第2の板部と前記第3の板部とを繋ぐものとして形成され、
    前記第1の折曲部と前記第2の折曲部の折曲角は、互いに異なる角度とされ、肉薄の導電部材によって略コ字状に形成されていることを特徴とするターミナルプレート。
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